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 安達太良山は、その頂きの上に本当の青い空があるということで、山登りに縁のない人にもその名を知られている山だ。智恵子のいう本当の青い空を眺めに、安達太良山に登ってみませんか。山登りって健康にいいし、この山のコースは良く整備されていて、初心者にも登り易い山であるといっていい。日帰りで登山できるが、中腹にあるくろがね小屋に泊まる二日間の計画にすれば、一日の行動時間が半分になるから体力的にも余裕をもてる安心な登山計画になる。 JR東北本線二本松駅から岳温泉を経て、登山口の奥岳に行く。ここからゴンドラを利用すれば、凡そ1350mくらいの薬師岳までわが身を運びあげてくれる。山頂は標高1700mだから、二本の足で持ち上げなければならない高度は350mである。350という数字は「初心者向きの楽な登山」であることを意味している。東京で大人気の高尾山は標高599m、登山口の高尾山口駅は約200mだから、二本の足が稼がねばならない高度は399m。安達太良山は高尾山より登るに楽な山であることは、この数字が示している。初心者向きの山であることはご理解いただけたかと思う。 但し、以上述べたことは、あくまでも脚筋力レベルの話で、総合的な登山力の話ではない。霧が湧いてホワイトアウトになったら、経験の浅い初心者では身動き出来なくなる。てなことを持ち出

すと、話が前に進まなくなるので、天気が悪い時は無理せず登山は中止にすること、というアドバイスに留める。これを登山界では、「引き返す勇気」という。 ゴンドラの山頂駅を降りたら、30分くらいはその場でのんびりする。心と体をその場の空気に馴化させることが、無理なくその山に登るための秘訣と言っていい。例えば、富士山にスバルラインの五合目から登ろうとする場合、五合目でバスを降りたらすぐ歩き始めてはいけない。最低でも一時間はその場でのんびり過ごして、心身のその場への馴化を計る。安達太良山ならいざ知らず、高度からくる酸素不足の影響を少しでも軽減すべく、この馴化は富士山ではとても大切なことなのだ。登山口に到着してからの始めの一歩は、すぐに一歩踏み出すことではなく、その場の空気に馴化することと知っておいて欲しい。 この間、準備体操をやりトイレも済まして、頃合いを見計らって歩き始めよう。樹林の中で展望はないが、傾斜もなく歩き易い道だ。仙女平の分岐が山頂までの中間地点だ。ガイドブックには歩程40分と書かれている。まずは一本立てよう。「一本立てる」とは、登山用語で「休憩する」の意味だ。昔、重荷を運搬するボッカさんは、背負子に荷物を付けて背にしていた。休憩するとき、背負子を地面に降ろしてしまうと、担ぎ上げるのが容易で

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山は健康の源(23)山は健康の源(23)

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15・10 理窓

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冬に一回、必ず泊まったものだ。小屋には橋本さんと佐藤さんという管理人がいらっしゃって、登山者の面倒をみてくださった。夕食後のひととき、橋本さんがハーモニカを吹いてみんなで唄ったことを楽しく思い出す(写真参照)。佐藤さんはケーナを吹いて、しっとりとした山小屋の夜を演出してくれた。ぼくも70歳になってしまったように、お二人とも定年を迎えられてとうに山を下っている、ちょっと残念。 翌朝はゆっくりした時間にくろがね小屋を出る。勢至平を経由して1時間半、奥岳に下る。 1日目が天気悪かったら、逆コースにしたらいい。奥岳から勢至平を経由して、くろがね小屋まで2時間、2日目くろがね小屋から牛の背経由山頂まで1時間10分、山頂からゴンドラ山頂駅まで下り1時間。日帰り可のコースを、1泊2日で計画すると本当にゆっくりのんびり山歩きを楽しめる。

はない。どうしたかというと、手にしている杖を背負子の下の桟にあてがい、負荷を杖に預けて休憩した。(杖を)一本立てているのである。このことから「一本立てる」が「休憩する」こととなった。 ぼくがパーティをリードするときは、たいていの場合50分歩いて10分休憩するようにしている。急坂や歩き難い道では、40分歩いて10分休憩することもあるし、30分歩いて5分休憩ということもある。何分歩いて何分休憩するかは、ときどきの状況によって変わっていいが、要は規則正しく歩くこと。40分歩いて10分休憩、次は1時間歩いて10分休憩、次は30分歩いて5分休憩などという不規則な行動はメンバーをバテさせる。 仙女平分岐からは樹林がなくなって視界も広がる。コースはよく整備されていて歩き易いが、次第に急登になってくる。分岐から40分、登り切ったところに「安達太良山山頂」という標柱が立っているが、その上の岩塔が本当の頂上である(写真参照)。この山はたおやかだから遠望すると乳房のように見え、その岩塔が乳首のように見えるのである。冬姿が特別にいい(写真参照)。その岩塔に立つにはちょっとした岩登りになるので、岩登りの基本、三点確保を念頭に慎重に登って頂きたい。 山頂から牛の背を経由して1時間、くろがね小屋に下って一泊したい。安達太良山の中腹にある、登山者のオアシスだ。小屋には温泉があって、登山者にチョー人気の山小屋である。土曜日に宿泊を希望するなら、2、3ヶ月前に宿泊予約を入れる必要がある。無名山塾全盛時代には、夏に一回、

岩いわ

崎さき

元もと

郎お

 1945年3月、東京大井町に生まれる。東京理科大学中退。63年から69年まで昭和山岳会に在籍、登山の基本を学ぶ。 無名山塾主宰、日本登山インストラクターズ協会理事長。 ホームページ www.iwasaki-motoo.com

問合せ先 無名山塾 〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-53-8

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鈴木正次特許事務所所 長 弁 理 士 涌 井 謙 一副所長 弁 理 士 山 本 典 弘

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