北海道介護支援専門員実務研修
実習生受入マニュアル
1 介護支援専門員実務研修の全体像
[目的]
本研修は「介護支援専門員の業務内容」および「ケアマネジメントの基本」の習得を目的としています。
[対象者]
北海道介護支援専門員実務研修受講試験合格者 (実務研修未修了者を含む)
[研修の流れ]
本研修は、厚生労働大臣が定める研修基準に基づき、
「前期eラーニング(約30時間)」 「前期集合研修(3日間)」
「居宅介護支援事業所における見学実習及び居宅サービス計画の作成(3 日間)」
「後期eラーニング(約13時間)」 「後期集合研修(4日間)」
で、構成されています。これら全プログラムの受講と、実習報告書類等の提出が修了の要件となっていま
す。
(北海道では集合研修時間の緩和のためeラーニングを組み合わせた実務研修を実施しています)
後期
eラーニング
【約 13 時間】
申込
⇒
受講決定
⇒
前期
eラーニング
【約 30 時間】
⇒
前期
集合研修
【3 日間】
後期
集合研修
【4 日間】
⇒
研修修了 ⇒ ⇒
実習
【3 日間程度】
※各eラーニング・集合研修の冒頭にオリエンテーションあり。(上記時間以外)
※遅刻や欠席、実習の未実施や実習書類の未提出があった場合は修了できない。
[全カリキュラム]
ガイドラインで示された実務研修の科目と時間数は、下表のとおりです。
87時間以上の講義・演習に加え、「ケアマネジメントの基礎技術に関する実習(以降「実習」とする)」
が位置づけられています。
科目 e ラーニング 集合研修 時間数
前期
講義
介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント ○ - 3
ケアマネジメントに係る法令等の理解 ○ - 2
地域包括ケアシステム及び社会資源 ○ - 3
ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義 ○ - 3
人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理 ○ - 2
ケアマネジメントのプロセス ○ - 2
実習オリエンテーション 〇 ○ 1
講義・演習
自立支援のためのケアマネジメントの基本 ○ ○ 6
相談援助の専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎 ○ ○ 4
利用者、多くの種類の専門職等への説明及び合意 ○ ○ 2
介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント) ○ ○ 2
ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術
受付及び相談並びに契約 〇 ○ 1
アセスメント及びニーズの把握の方法 ○ ○ 6
居宅サービス計画書等の作成 ○ ○ 4
サービス担当者会議の意義及び進め方 ○ ○ 4
モニタリング及び評価 ○ ○ 4
実習 ケアマネジメントの基礎技術に関する実習
後期
講義・演習
実習振り返り - ○ 3
ケアマネジメントの展開
基礎理解 ○ ○ 3
脳血管疾患に関する事例 ○ ○ 5
認知症に関する事例 ○ ○ 5
筋骨格系疾患と廃用症候群に関する事例 ○ ○ 5
内臓の機能不全(糖尿病・高血圧・脂質異常症・心疾患・呼吸器疾
患・腎臓病・肝臓病等)に関する事例 ○ ○ 5
看取りに関する事例 ○ ○ 5
アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習 ○ ○ 5
研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り - ○ 2
合計 87
集合研修 (e ラーニング後に実施)
前期
1 日目 9:30 ~ 17:00 講義・演習 他(9:20~受付開始)
2 日目 9:10 ~ 18:30 講義・演習
3 日目 9:10 ~ 17:40 講義・演習
後期
1日目 9:30 ~ 18:40 講義・演習 他(9:10~開場)
2日目 9:10 ~ 16:20 講義・演習
3日目 9:10 ~ 18:10 講義・演習
4日目 9:10 ~ 15:10 講義・演習・修了式
2.実習の概要
[目的]
実習生が、主任介護支援専門員等の指導のもと、居宅介護支援事業所においてケアマネジメントプロセス
の一連の流れを実体験するとともに、多様な要介護高齢者の生活実態を知ることで、実践にあたっての留意
点や今後の学習課題等を認識することを目的としています。
前期で学んだことをふまえ、実際の高齢者の生活場面で確認をすることが目的
[実施内容]
本研修で行う「実習」は、下図の2点です。実習①「見学実習」は、特定事業所加算を取得した居宅介護支
援事業所等のうち、研修実施機関(北海道介護支援専門員協会)と実習委託契約を締結した事業所にて行い
ます。
実習②「居宅サービス計画作成実習」は、実習生が個人で取り組むものですが、対象となる実習協力者の紹
介と初回面接の設定については、実習受入事業所の協力が必要となります。
実習名称 内容 実習受入事業所が行うこと 実施期間
実
習
①
見学実習 ・主任介護支援専門員の多様な活動場面
の見学・説明
・一連のケアマネジメントプロセスにつ
いて見学
(入口⇒アセスメント⇒ケース目標の設定と
ケアプラン作成⇒サービス担当者会議⇒ケア
プラン実施⇒モニタリング⇒再アセスメン
ト、給付管理業務 等)
・プロセスに関連する
業務説明
・活動場面への同行
・同行後の振り返り
・報告書記入
前期集合研修終了
翌日~後期集合研
修前日
(内、概ね3日程
度)
実
習
②
居宅サー
ビス計画
書作成実
習
・要介護状態にある高齢者の協力を得
た、ケアマネジメントプロセスの実践
(アセスメント~課題整理総括表の作成
~居宅サービス計画書原案作成)
・実習協力者紹介
・面接場面の設定
前期集合研修終了翌
日~後期集合研修前
日(主に、実習生が
単独で実施)
[受入実習対象となる事業所]
○ 特定事業所加算が算定されている居宅介護支援事業所
○ 主任介護支援専門員が配置されている居宅介護支援事業所
上記事業所以外であっても、受入体制が整っており、北海道に実習受入協力事業所として登録し、研修実施機関と
実習委託契約を結んだ事業所であれば対象となります。
[実施時期・日数]
前期集合研修終了日の翌日から、後期集合研修開始日の前日までの期間内で3日間程度
※集合研修日程は別紙参照
・ 見学実習は、3日間連続で実施しなくても構いません。実習生の多くは休暇を取っての実習となりますの
で、無理のないスケジュールで設定をお願いいたします。
・ 実施期間は実習生の研修受講回によって異なります。各実習受入事業所に送付する「北海道介護支援専
門員実務研修実習受入連絡票(第3号様式)」にて、ご確認ください。
・ 日程等については実習受入事業所と実習生の間で調整していただきます。(実習生より連絡が入ります)
・ 期間中に実習が行われなかった(完了しなかった)場合、実習生は後期集合研修を受講できません。
[実習生の選定について]
・ 実習生の希望地域にある実習受入事業所の中から、事務局が選定の上、決定します。その後、前期eラ
ーニング開始までに、事業所・実習生双方へ通知でお知らせします。(実習生には通知が到着してから
1週間以内に、事業所へ連絡を入れるよう指示しています)
・ 実習生の変更については、いかなる理由があっても個々の要望には一切応じません。
質問:特定加算の要件となるため、今回の実習生受け入れについて運営規程に加えた方が良いか。
質問:1 人も実習生を受け入れなかった場合、特定事業所加算は取得できないか。
回答:各指定権者にお問い合わせください。
質問:実習生の情報は、どこまで事前に提供されるのか。
回答:研修実施機関では個人情報の観点から、氏名・年齢・性別・所有資格・所属先区分についてのみ一覧
にし、実習先事業所へ事前に提供します。連絡先等については、実習生から連絡を受けた際、直接確
認してください。
質問:同法人の他事業所従事者を実習生として受け入れることは可能と判断して良いか。
回答:可能です。ただし実習生の選定は事務局で行うため、事業所が自ら実習生を指名することはできません。
質問:実習生を受け入れた際の謝礼や手数料の支払いはあるのか。
回答:ございません。
Q&A
3.見学実習について
[見学実習の流れ]
事業所における、見学実習の流れは以下のとおりです。
① 事業所内で、実習受け入れの概要について理解・共有を図る。
② 実習生から連絡を受ける。
・ 実習期間の約3~4週間前に実習生から最初の連絡が入るので、氏名、連絡先(携帯・
メール等、連絡の取りやすい手段)、実習可能な日程等を確認
・ 見学実習にかける日程は概ね3日間だが、調整の都合上3日以上に亘ることがある旨
と、一度決めた日程は、原則変更ができないことを伝達
※1日における実習時間は、実習先事業所の就業時間に合わせるため一律とはなりませ
ん。(6時間の事業所は、6時間×3日間で18時間。8時間の事業所は、8時間×
3日間で24時間等)
[実施例]
3日間程度を目安に実施してください。
【モデル1】 3日間 / 連続して実施しなくても可
9:00~ 10:30~ 12:00~ 13:00~ 14:30~ 16:00~ 17:30~
1日目 オリエンテーション
昼食休憩
訪問 訪問 振り返り
2日目 訪問 説明 説明 訪問 振り返り
3日目 説明 訪問 ケア会議 全体振返り
【モデル2】 5日間 / 初日のみ丸1日、2日目以降は半日の設定
9:00~ 10:30~ 12:00~ 13:00~ 14:30~ 16:00~ 17:30~
1日目 オリエンテーション 昼食休憩 訪問 訪問 振り返り
2日目 訪問 訪問 振り返り
3日目 担当者会議 振り返り
4日目 説明 振り返り
5日目 説明 全体振返り
事前準備
③ 見学実習協力者を選定する。また、病院・サービス事業所など関係機関等へも連絡し、
実習への同意と日程等を調整しておく。
<見学実習協力者および計画作成実習協力者の選定>
以下の実習目的をふまえ、適切な協力者を選定し同意を得る。
1) ケアマネジメントプロセスの実践をより具体的に理解する
2) 実習協力者宅への訪問や担当者会議等への参加を通じて、高齢者の生活の多様性
を理解する(多様な高齢者像の選定)
※同意書様式「北海道介護支援専門員実務研修実習同意書 実習協力者」(第5号様式)
<実習生との日程調整>
・ 実習にあたっての留意事項(来所手段、服装等)を伝達
・ 実習生に、決定後の日程変更は原則できない旨を伝える
・ 実習生から連絡が来ない場合、研修実施機関(北海道介護支援専門員協会)へ連絡
※実習生の自宅から実習受入事業所、同行訪問時の交通費等の費用は実習生の負担とします。
※実習生が、実習中に過失等により、事業所や利用者および第三者に損害を与えた場合
は、研修実施機関が加入する賠償責任保険の範囲内で、実習生もしくは研修実施機関
がその損害賠償の責任を負います。また、実習期間中における事故および災害等によ
る責任は事業所に故意または過失がある場合を除いて実習生が負うこととなります。
【見学実習および計画作成実習協力者像】
在宅で生活している要介護認定を受けた者。(要支援認定者は対象外)
可能であれば、以下の状態像にある実習協力者を積極的に取り上げてください。
<後期学習内容に該当>
・ 脳血管障害に関する事例
・ 認知症に関する事例
・ 筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例
・ 内臓の機能不全(糖尿病・高血圧・脂質異常症・心疾患・呼吸器疾患・腎臓病・肝臓
病等)に関する事例
・ 看取りに関する事例
<状況別>
・ 一人暮らしの事例
・ 入退院、入退所に係る事例
・ インフォーマルサービスによる支援を活用している事例
実習協力者をご紹介いただく際は、実習生がプロセスに着目して計画を作成できるよう、
複雑な背景の事例はできるだけ避けてくださるようお願いいたします。
事前準備
④ 実習指導者の選定
担当となる実習指導者は、下記の要件をふまえ経験や知識と技術、倫理観、利用者との関係
構築の実績を考慮し、実習受入事業所の責任において選任してください。
<要件>
○主任介護支援専門員
指導実績は「主任介護支援専門員更新研修」の受講要件に該当
○主任以外の介護支援専門員
認定介護支援専門員、もしくは5年以上の実務経験がある等、主任に相当する者
※実習中は、指導者の通常業務に関する業務量への配慮が必要です。他の職員でカバー
するなど、業務分担の調整等を図り、事業所内で配慮してください。
※実習指導者は、法定研修における実習の目的や意義、具体的な展開方法などを確認す
るとともに、事業所内の周知と理解を図ってください。
① オリエンテーション
・実習のスケジュール確認、実習の方法、注意事項等を説明
・前期学習内容を実習生に確認し、本人の理解度を把握する
・(必要に応じて) 実習同意書・誓約書等を、実習生と交わす
※ケアマネジメント実務の実態像を把握できるよう、実習受入事業所における業務の流
れ、各事業所において整備している職務上のルール等を具体的に説明し、実務に対す
る理解を深めるように支援してください。
※訪問時のコミュニケーションに対する留意点を確認し、介護支援専門員としての対応
姿勢について予め確認してください。
※指導者が事前に把握している見学実習協力者の情報について、実習生へ伝達してくだ
さい。具体的には次の通りです
(1)指導者から協力者の概略を説明していただく
(2)協力者に関する資料を実習生が読み込んで理解する時間を確保する
② 実習全体の修得目標を確認 (修得目標等一覧:後載)
・ 実習を通じて学ぶべき課題(実習目標・修得目標)を共有
それぞれの場面で事業所や実習指導者、実習生が確認を行い効果的な実習となるように
努めてください。
実習初日
事前準備
・ 実習報告書などの提出書類を、実習生が実習受入事業所へ持参します。実習最終日まで
に、以下の書類に署名(事業所名称・担当者名)・捺印(代表印・個人印)・評価(コ
メント含む)を記入し、実習生に渡してください。
実習様式 9-①
「実習報告書①~⑥」
実習様式 9-②
「実習記録(実習生用)」
・ 事前に実習受入事業所宛で送付した「北海道介護支援専門員実務研修実習記録 実習指
導者用(実習様式 9-③)」については、最終日に必要事項を記入後、同封の指定封筒に
入れ、必ず封をしてから実習生に渡してください。
(これらの書類は後期集合研修初日に、実習生から研修実施機関へ提出されます)
各様式は道協会ホームページ(https://www.do-kaigoshien.jp/)からもダウンロードで
きます。※MS-Word、もしくはExcel形式
実習初日
① 実習前に見学実習協力者についてレクチャー
【これまでの流れについて説明】
・ 相談受付から現在まで
【書類をもとに説明】
・ 基本情報
・ アセスメント情報
・ 居宅サービス計画書(1~3)
・ サービス担当者会議の要点
・ モニタリング記録
・ サービス利用票及び別表
・ 支援経過記録等
② 実習項目(ケアマネジメントプロセス)について説明
・今日行う実習項目は、プロセスのうちどこに位置付けられるか
③ 実習生が報告書に記入した修得目標を確認
④ 事業所にて振返り・評価を実施
・記憶が鮮明な当日中の記入が望ましい
・記入後は実習生へ渡す
実習項目ごとに ①~④を繰り返す
○全実習課程の振返りを行う。
○事前に立てた目標の達成状況など、実習生が記入した実習報告書を確認する。
○後期研修の目標設定を一緒に検討し記入する。(修得目標等一覧:後載)
○実習報告書に、実習指導者の署名捺印・事業所の名称・代表印を入れる。
○再度、報告書に白紙、空欄・記入漏れがないか確認する。
〇「北海道介護支援専門員実務研修実習記録 実習指導者用(実習様式 9-③)」を記入
し、指定の封筒に封入のうえ実習生に渡す。
質問:実習生の責任で見学実習協力者に対し賠償が生じた際、実習生に賠償能力がない場合、協力者に対し
て誰が賠償責任を負うのか。
回答:北海道介護支援専門員実務研修(北海道指定)実習実施取扱要綱で定めているとおり、実習生が過失
等により事業所または利用者及び第三者に損害を与えた場合は、実習生もしくは研修実施機関がその損害賠償
の責任を負うものとし、その責任の範囲は、研修実施機関が加入する賠償責任保険によるものとしていま
す。なお、賠償責任保険の内容につきましては、別紙をご覧ください。
実習最終日
実習中
質問:同行訪問の際には事業所の車に同乗してもらうことを考えている。万が一、事故になった場合には実
習生の自己責任という取り扱いで良いか。
回答:実習実施機関で加入している損害賠償保険は、利用者宅や事業所等においての事故等に対するもので
あり、自動車事故は適用になりません。事業所の車を使用する際に生じた自動車事故については、通常の自
動車事故の対応として処理していただくこととなりますのでご留意ください。なお、事故があった場合はい
ずれの際も、すぐ研修実施機関へご連絡ください。
質問:同行訪問に際しての礼儀、服装等の指導は実務研修中に伝えていただけるか。
回答:前期集合研修で行うオリエンテーションの際に、事務局から伝達いたします。
質問:実習期間は概ね 3 日間ということだが、何時間以上クリアしなければならないといった設定はあるのか。
回答:本マニュアル「見学実習の流れ」に記載の通り、各事業所の就業時間(勤務時間等)により対応をお
願いします。
質問:事前に実習プログラムを組み立てるが、当日急な担当者会議や地域ケア会議等が入った場合のスケジ
ュールの変更は可能か。
回答:可能です。必要に応じて、スケジュールの変更を行ってください。
質問:実習時には事業所の出勤時間に合わせて来てもらうのか。また、実習希望日が日曜日であり、事業所
のスケジュール上、この日程での受け入れが難しい場合にはどうするか。
回答:実習の日時については事業所の都合に合わせて決定していただいて構いません。その点については、
事前のオリエンテーションにおいても説明します。
質問:適切な指導ができるものであれば、主任介護支援専門員ではない介護支援専門員に実習指導を担当さ
せても良いか。
回答:北海道では今般の研修については、主任介護支援専門員であることが望ましいとしていますが、実習
受入マニュアルにあるとおり、事業所で主任介護支援専門員と同等であると判断された場合については、事
業所の責任において、介護支援専門員が実習指導者を担当することを認めています。
質問:同時期に複数の実習生を受け入れている場合、実習は同日に行って良いか。また、1 名の実習指導者で
2 名の実習生の対応をしても良いか。
回答:複数の実習生の実習を同日に行っても構いません。また、1 名の実習指導者に 2 名の実習生の対応を
していただいても結構です。
質問:実習は 3 日間とも同じ実習指導者でなくてはいけないのか。
回答:複数で指導していただいて構いませんが、担当の実習指導者を決めていただき、その担当の責任で行
ってください。実習報告書にはその担当の実習指導者の署名・捺印等をお願いします。
質問:主な指導者以外に、一部の内容(例えば、給付管理業務等)について、他の職員が指導に当たることは良いか。
回答:構いません。前質問と同様です。
質問:直行直帰はさせないとの説明であったが、実習生の都合(本人や家族などの急な体調不良など)で中途で
直帰をさせなければならない場合はどのように対応するのか。
回答:やむを得ない理由があった場合は、研修実施機関にご連絡ください。また、その時、その場で連絡が
できない場合は、できるだけ速やかにご連絡ください。
質問:訪問時の交通手段が自動車だが、実習生に自家用車を持ち込ませることは可能か。
回答:実習生と事業所で経路や駐車場所など必要事項を調整し、問題がなければ可能です。
質問:自動車での訪問モニタリングを実施しているが、事業所の取り決めで実習生が事業所の自動車へ同乗
することはできない。その場合、訪問宅へ直行直帰させても良いか。
回答:実習生の利用者宅等の訪問の直行直帰は認めていません。実習生は、受入事業所から、実習指導者と
は別に利用者宅等へ訪問し、事業所へ戻ることになります。それも含めたスケジュール調整をお願いしま
す。
質問:実習生の体調不良や身内の不幸等による日程変更希望があった場合、どこまで応じたら良いか。ま
た、その判断を誰がするのか。
回答:実習受入事業所の判断により、日程を変更していただいて構いません。実習生が体調不良のまま実習
を続けることは、感染症の拡大につながる恐れもあります。事業所の都合に合わせ、可能な範囲でご対応く
ださいますようお願いします。なお、欠席や遅刻など実習生の完全な自己都合の場合にはその限りではあり
ません。研修実施機関にご連絡ください。
質問:併設施設の集団感染や実習指導者の事情等など、実習受入事業所側の都合で、実習が継続できないこ
とが発生した場合どうすればよいか。
回答:速やかに研修実施機関へご連絡ください。
4.見学実習の具体的内容
実習における、受入事業所の指導項目と内容は以下の通りです。
なお、各報告書の様式については、当協会ホームページを参照してください。
項目 指導内容
オリエンテーション ・制度の基本理念や、職業倫理に関する説明、実習における留意事項等の確認
・ケアマネジメントの実務の全体像の説明 等
①見学実習
【様式 9-1 実習報告書①】
「インテーク」
・新規相談対応の流れの説明
・契約関係の書類の説明 等
【様式 9-1 実習報告書②】
「アセスメント及びニーズ
の把握」 /
【様式 9-1 実習報告書③】
「居宅サービス計画書作成
等」
・訪問する事例のアセスメント情報の説明
・アセスメント面接場面への実習生同席 【必須】
※実習期間中に該当する協力者がいない場合は、モニタリング訪問
時に置き換えることも可能です。⇒後で、置き換え前の項目における
ポイントを必ず説明しておくこと
・訪問する事例の居宅サービス計画書等の説明
・課題整理総括表の作成方法等説明 等
【様式 9-1 実習報告書④】
「サービス担当者会議等」
・サービス担当者会議等開催の準備の説明
・サービス担当者会議等への実習生同席 【必須】
※実習期間中に該当する協力者がいない場合は、「地域ケア会議(個
別ケース会議)」や「入退院時の会議」、または行政・他事業所・他
職種が参加する「個別ケース会議等」に置き換えることも可能です。
⇒後で、置き換え前後の会議について、その違いを必ず説明しておくこと
※会議の場に実習生が同席し見学することについて、事前に利用者並
びに関係機関等から合意を得ておくよう、手配をお願いします。
【様式 9-1 実習報告書⑤】
モニタリング
・モニタリングのポイントや留意事項等について説明
・実習協力者宅へのモニタリング訪問同行
・事業所等モニタリング等についての説明
・個別支援計画書等についての説明 等
【様式 9-1 実習報告書⑥】
給付管理
・同行または同席した事例(3名以上)について説明
・利用票(利用票別表)、提供票(提供票別表)、給付管理票の説明 等
・給付管理における、居宅サービス事業所との連携についての説明
・給付管理票(明細書)、返戻・過誤等の説明 等
実習振り返り
・実習生との面接による実習全体の振り返り (毎日及び最終)
※実習記録のまとめや振り返りの時間を確保してください。
・各自の実習課題への評価
※実習生の習熟度の評価や判断ではなく、その実習生が今後さらに
学んで行くべきことが具現化できるよう振り返りのフィードバッ
クを行い、適切に支援してください。
・後期課程に向けての目標設定の支援 等
[実習時の注意事項]
<指導について>
○実習生には、できるだけ多くの見学実習を体験させてください。
○本実習は、多様な高齢者の生活実態を知ることに重点を置いているため、複数(3 人以上)の実習協力者
を選定してください。
○訪問および会議への参加前には、実習生に対し、実習協力者情報の事前説明を行なってください。その
際、実習協力者やご家族の情報が守られるよう、個人情報保護は徹底するよう指導してください。
○見学実習では、ケアマネジメントプロセス場面に即した補足を加えながら指導してください。
質問:給付管理業務の手順の理解について、実際に請求業務を見学してもらうということで良いか。
回答:構いません。方法の詳細については事業所にお任せします。
質問:「3名以上」とあるが、利用者3名分のインテークから給付管理まで全部通して見せないといけない
のか。
回答:ここで言う「3名以上」とは、「トータルで3名以上の実習協力者と関わりを持ってほしい」という
意味です。例えば、インテークとモニタリングは違う実習協力者でも構いません。
質問:オリエンテーション、振り返りに掛ける時間は事業所で設定して良いか。
回答:構いません。
質問:アセスメントは事業所では予定が立てられない部分があるが、やはり同行訪問、面談の立ち会いが必
須となるのか。
回答:必須となりますので、アセスメントが実施できない場合はモニタリング面接に替えて実施してくださ
い。ただし、アセスメントのポイント等については、後で実習生に説明をしておくようお願いします。
質問:振り返りは必ずその日の最後に実施しなければならないのか。
回答:基本的にはその日のうちに実施することが望ましいですが、状況によっては次の日以降に持ち越すこ
とも可能(例えば時間外の訪問等で遅くなる場合など)です。ただし、その場合も実習記録は原則としてそ
の日のうちに記録するよう指導してください。
質問:同行先で実習生が不適切な発言をし、たしなめても発言を止めないような場合は指導や注意をしても
構わないか。また、目に余るような対応が見られたら、その時点で実習を中止しても良いか。
質問:実習態度が思わしくない実習生がいたらどうすれば良いか。また、何かトラブルや苦情があった場合
の連絡先はどこか。
回答:もちろん指導や注意をしていただいて構いません。よろしくご指導ください。予め実習生には、サー
ビス担当者会議等では実習生は発言できる立場でないこと、また、自分の立場についても、事前のオリエン
テーションで伝達しています。実習生に関するトラブルや苦情は、すぐに下記までご連絡ください。
【連絡先】一般社団法人北海道介護支援専門員協会 事務局
電話 011-596-0392
<実習記録について>
○実習生が実習報告書に記載した目標の確認を行い、見学実習および後期研修につながるよう助言してくだ
さい。
○実習記録は、原則として実習後、その日のうちに記録するよう指導してください。
○実習生が実習記録に実習協力者情報を入力する際には、個人が特定されないように記入するよう指導して
ください。
○提出された実習報告書に「指導者コメントの記入がない」「指導者名の記入がない」「捺印がない」とい
った場合、実習生の修了が認められないことがあります。実習最終日には報告書を見直し、空欄が無いか必
ず確認してください。
質問:実習報告書・実習記録の指導者印、管理者印について、個人の印鑑でも構わないか。
回答:実習報告書(実習様式 9-①)の場合は、管理者印は事業所の管理者の個人印、指導者印は担当の実
習指導者の個人印を想定しています。
「北海道介護支援専門員実務研修実習記録 実習指導者用(実習様式 9-③)」の場合は、管理者氏名の欄
の印鑑は事業所の印(公印)が望ましいです。但し、事業所の押印に関する公印規定等がある場合はそれに
従ってください。
質問:実習記録の事業所名、管理者氏名については、居宅介護支援事業所として届け出ている管理者氏名を
記載するのか、それとも法人としての実質的な管理者氏名を記載するのか。
回答:届出をしている事業所の管理者氏名をご記載ください。併せて同人の捺印をお願いします。
質問:実習報告書等は訪問時に持参し、その場でメモを取る等に活用されると理解して良いか。
回答:訪問時は、実習生のメモや質問は原則禁止しています(事業所・実習指導者が許可したときのみ
可)。実習報告書等は、事務所や場合によっては自宅等で記載することとしています。
5.居宅サービス計画書作成実習について
介護支援専門員実務研修では、見学実習と併せて居宅サービス計画作成実習を行います。
この実習は、実習生が自ら取組みケアプランの原案を作成するものですが、実習受入事業所においては、下
記①~②について協力をお願いします。
① 実習協力者の紹介
・ 要介護認定を受けており、在宅で生活している介護保険被保険者が条件です
・ 見学実習の際に同行訪問した実習協力者の1人を選定すると、②がスムーズです
② 面接場面の設定
・ アセスメントもしくはモニタリングの同行訪問時に、別途時間を設けて行なってください
(カンファレンスの同席場面とは別)
※面接の補足資料として、実習協力者の「基本情報」や「課題分析概要」を実習生に閲覧させることは構い
ませんが、既存プランを実習生に渡す(見せる)ことは固く禁じます。
6.居宅サービス計画書作成実習の具体的内容
実習における、受入事業所の指導項目と内容は以下の通りです。
なお、この実習において、受入事業所が記入する報告書等はありません。
項目 指導内容
②居宅サービス計画書等
作成実習
・実習協力者の選定と面接場面の設定、見守り
・実習協力者の面接における留意点の説明、実習生からの質問対応
等
質問:居宅サービス計画作成実習とあるが、実習受け入れ中に実習生に実際にプランを作成してもらうという意味か。
回答:今般、実務研修で行う実習は、新たに加わった見学実習とこれまでのカリキュラムで行っていた居宅
サービス計画書作成となります。実習受入事業所において行う実習は主に前者となりますが、居宅サービス
計画書作成実習の「協力者紹介」と「面接場面の設定」については、各事業所で対応をお願いします。
質問:居宅サービス計画書作成の実習協力者を紹介する時には、「1 名の実習生に、1名の協力者」と考えて良いか。
回答:1名の実習協力者に複数の実習生が関わることは、実習協力者側の負担を考えると避けたほうが良い
と思われます。こうしたことから、「実習協力者1名に対し、実習生1名」が望ましいと考えますが、人数
については実習協力者との事前協議をふまえ、各事業所が状況を見て判断してください。
質問:居宅サービス計画書作成の実習協力者1名に対して、複数の実習生を紹介する場合、複数の実習生が
同時にアセスメントを実施できるように調整しても良いのか。
回答:同時に複数名でアセスメントを実施することは、適正ではありません。居宅サービス計画書作成は、
実習生一人ひとりが全てのプロセスを実施します。
質問:居宅サービス計画書作成実習において、指導者はどこまで関与すべきか。
回答:基本的に協力者の紹介と、面談の設定をお願いいたします。
<実習協力者の選定について>
同行訪問等で関わる利用者(アセスメントもしくはモニタリング実習の協力者)の中から選定してくださ
い。
<実習生への指導について>
同行訪問の際に別途、実習生の面談時間を設定するようお願いいたします。基本的に、アセスメントやケア
プラン作成については、これまでの学習内容をもとに実習生本人が行うので、実習生から質問等があれば可
能な範囲でアドバイスしてください。
7.その他
○時間に余裕のあるスケジュール設定をお願いいたします。
○見学実習には、事前準備・同行後の振り返り等も含みます。よって、実習の直行直帰は禁止とします。
○実習指導者1人が一度に複数(最大3名)の実習生を担当することは差支えありませんが、実習協力者宅
への訪問の際などは、面談環境や体調面などで、相手に迷惑が掛からないよう配慮してください。
○実習の終了後は、事業所管理者と実習指導者で実習受け入れについての振り返りを行い、訪問に関するト
ラブルの有無や、実習指導時の業務量や内容を振り返り、今後に役立てるよう工夫してください。
○実習受け入れに伴い発生する、通信費等の経費は事業所の負担となりますのでご了承ください。
【研修実施機関】 一般社団法人北海道介護支援専門員協会
電話 011-596-0392 (直通)
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