建築の遺伝子―建築形態の情報モデルに関する基礎的研究―
隈 研究室 石原 隆裕
構成
第 1 編第 1 章
生命・建築・情報第 2 章
連動系の幾何学
第 2 編第 3 章
実例を用いた検証第 4 章
考察
はじめに
むすび
第 1 編第 1 章
生命・建築・情報第 2 章
連動系の幾何学
第 2 編第 3 章
実例を用いた検証第 4 章
考察
はじめに
むすび
はじめに
主題情報モデルによる建築学における《遺伝子》に関する研究を主題とする。
(遺伝子は比喩ではない)
はじめに
目的- 1. 生物における遺伝子の発現を参照し、遺伝子・
生物情報学と対応する建築の《遺伝子》・建築情報学を定義付けること
- 2. 1. の定義に基づいた建築情報学の基礎的な 研究として、《遺伝子》を利用して同一環境に おいて複数の建築物を分析・比較すること
第 1 編第 1 章
生命・建築・情報第 2 章
連動系の幾何学
第 2 編第 3 章
実例を用いた検証第 4 章
考察
はじめに
むすび
生命・建築・情報
博物学
http://www1.e-hon.ne.jp/content/images/t_9784487805648_p07_b.jpg
生命・建築・情報
細胞生物学
http://www.visualphotos.com/photo/1x3746046/arabidopsis_thaliana_cell_colored_enhanced_transmission_electron_micrograph_tem_of_arabidopsis__BA2246.jpg
生命・建築・情報
分子生物学
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/37/Difference_DNA_RNA-EN.svg/400px-Difference_DNA_RNA-EN.svg.png
生命・建築・情報
生物情報学
http://bioinformatics.udel.edu/sites/bioinformatics.udel.edu/files/images/core/protein-image.png
生命・建築・情報
Big Zoom
博物学
生物情報学
分子生物学
細胞生物学
モノをあつかって実体の挙動を観察する学問から、抽象的な情報をあつかう学問に変化が生じている。
生命・建築・情報
建築における情報技術は作図の補助、計算機は効率化の道具
生命・建築・情報
建築での " 情報 " はパソコンに技術を移行しているだけ。Paradigm Shift ではない。
what you see when you google "parametric". www.google.co.jp
生命・建築・情報
情報技術が建築学において未知の領域を切り拓くためには、生物情報学と同様に建築を情報としてとらえるためのモデル化が必要である
生命・建築・情報
このモデルは間違い。遺伝子は設計図ではない。
生命・建築・情報
情報システムとしての遺伝子
生命・建築・情報
詳細な実態(ゲノムのなかの遺伝子)
設計図
与件情報の総体
《遺伝子》
生命・建築・情報
建築と環境を結ぶ情報のシステムを《遺伝子》と定義する。
次に、《遺伝子》を記述する方法を考える。
第 1 編第 1 章
生命・建築・情報第 2 章
連動系の幾何学
第 2 編第 3 章
実例を用いた検証第 4 章
考察
はじめに
むすび
連動系の幾何学
Environment
geometry
Architecture
磯崎新の模型的思考パラメトリックな幾何学が環境と形を結ぶ。
具体的な図像は?
環境と形態を関連付けるモデル
連動系の幾何学
Greg Lynn Form. http://glform.com/buildings/transformation-of-the-kleiburg-block/
Greg Lynn: Animate Form具体的な図像blob による環境から生成するアイデンティティ
連動系の幾何学
Lynn, Greg ”From Body to Blob.” (Davidson,Cynthia C. Anybody. Cambridge, MA, MIT Press, 1997.) pp.166-167.
連動系の幾何学
Animate Formblob は確かに環境から読み取ったパラメータを反映できる。
blob以外の可能性は?
連動系の幾何学
Bernard Cache: Objectile連動性をもった対象体による非標準な生産
Earth Moves:The Furnishing of Territoiries. translated by Anne Boyman.edited by Michael Speaks,Cambridge,MA, The MIT Press, 1995. pp.92-93.
連動系の幾何学
Objectilehttp://architettura.it/extended/20060305/08.htm
連動系の幾何学
associativecomponent
component
OBJECTILE
Environment
Non-StandardForm
対象体 Objectile交換可能なコンポーネントの参照関係によって構築された形を生み出す仕組み
一般に、形に対して遡行的に定義可能
連動系の幾何学
parameterとEnvironmentの関係を定義
Componentとパラメータの関係を定義
p = parameter (Environ)
f = Component(p)
f∈parts
F=F+f
evaluate(F)=True
F=null
Start
End
delete(f ) no
yes
yes
no
Environmentによる発現調整をGenomから読みとり
Coding領域をGenomから取得
p = parameter (Environ)
f = Coding(p)
f∈Exon由来
F=F+f
F=null
Start
End
delete(f ) no
yes
発現調整
翻訳
対象体 遺伝子
連動系の幾何学
小結形を生み出す対象体を記述することで
《遺伝子》のシステムを表現することができる。
第 1 編第 1 章
生命・建築・情報第 2 章
連動系の幾何学
第 2 編第 3 章
実例を用いた検証第 4 章
考察
はじめに
むすび
実例を用いた検証
同一の環境に建つ建築物を比較することで、各個体の《遺伝子》の固有性を明らかにすることができる。
そのため、同一条件でパビリオンが建設されたSerpetine Gallery Pavilion を対象とした。
本研究では入手できる資料の限界からパビリオンの《遺伝子》のうち形態に関係する部分のみを対象とした。
実例を用いた検証
実際につくられたパビリオンから《遺伝子》を推定する。
形を再現するのでなく、- 形態の幾何学的な拘束- 定義に必要な変数
から形を生み出す機能(対象体)をプログラムとして記述する。
実例を用いた検証
3
3
3 3
1
1
1
1
2
2 22
2
2 22 2
O
A
B
C
例えば、点 B は点 O, A, C が決まると平面的な位置が決定する。
幾何学的な拘束と必要な変数とは?
実例を用いた検証
2000から
2013まで
実例を用いた検証
実例を用いた検証
第 1 編第 1 章
生命・建築・情報第 2 章
連動系の幾何学
第 2 編第 3 章
実例を用いた検証第 4 章
考察
はじめに
むすび
考察
コードの比較右表:年度順リスト
データ総量にはばらつきがある。年に依存する傾向はない。
考察
コードの比較右表:降順リスト
- データ総量と行数は概ね対応- 入力変数は他と相関が少ない
考察
<Zaha>
<Libeskind><Siza>
<Koolhaas>
<SANAA>
<Nouvel>
<HdM>
<伊東>
<Niemeyer>
<Eliasson><Gehry>
<Zumthor>
<藤本>
PAVILIONS
関連付けあり 非プロポーション
プロポーション
関連付けなし
環境の変化右図:連動性の分類
環境の変化に対して- 形が変形するもの- 比が変化するもの- 関連性がないもの
の 3 種類に分けられる。概ね入力変数の多少によって分類が決まる
第 1 編第 1 章
生命・建築・情報第 2 章
連動系の幾何学
第 2 編第 3 章
実例を用いた検証第 4 章
考察
はじめに
むすび
むすび
成果一般と異なり、建築の形態をモデリングするのではなく、形態と環境の関係を情報として記述したプログラムを作成した。
これによって情報という視点から、変数や内部的な処理を指標として建築論を記述する可能性を拓いた。
むすび
今後の課題と展望- 連動性を付与した BIM-Objectile を作り、
形態以外の要素(構造・設備 etc)を取り入れる。
- 世代間の遺伝によってアルゴリズミック・デザインに活用
- 中間言語による記述に一意性が無いという問題を検討
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