研究背景 ヒートアイランド緩和を目的とした屋上緑化が実
用化、一方で太陽光発電は新エネルギーとして注目されて
いる
しかし、高温化が懸念されるソーラーパネルの設置によるヒートアイランドへの影響は明確とされていない
そこで、屋上緑化とソーラーパネルの熱収支特性を比較する
屋上面での屋上緑化と太陽光発電の共存策を探る
双方を併用して設置することによりメリットが期待できる
試験区設置状況
小試験体
無灌水区
灌水区
芝区
ソーラーパネル
気象観測タワー
セダム区
コケ区
土壌区 無処理区
測定
ろ紙法
実験場所
屋上緑化試験区 ソーラーパネル
東京都江東区、東京都環境科学研究所別棟屋上
実験試験区
80mm
( )マンネングサ サカサ、ツル、メキシコ80mm80mm
――
試験区名 植生
芝区
セダム区
コケ区
ソーラーパネル
芝キリンソウ、コーラルカーペット
スナコゲ―
(屋上スラブむき出し)―
土壌区無処理区
土壌厚 試験区 小試験区大きさ
ろ紙板―
――
2000mm× 2000mm
2000mm× 2000mm2000mm× 2000mm
500× 500mm
500× 500mm500× 500mm
500× 500mm
80mm 2000mm× 2000mm 500× 500mm ―
― ――
―500× 800mm
8月1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
蒸発散測定 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○灌水 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
日付
・各小試験体の重量変化から蒸発散量を算出
・蒸発散量から蒸発効率を算出し評価を行う
・熱収支は各試験区に設置されている機器のデータから算出
・ソーラーパネルではろ紙法をもとに算出し熱収支を評価する
・灌水区と無灌水区を作り、灌水区は指定日
測定方法
測定・灌水の実施日
測定器設置状況
小試験体 気象観測タワー
風車型風向風速計
温湿度計
全天日射計
データーロガー
精密赤外放射計
正味放射収支計
赤外線温度計
表上面土壌表面
屋上緑化断面
熱電対 熱流板
4 成分放射収支計サーミスタ温度計
3 次元超音波風向風速計
正味放射収支計赤外線温度計
熱流板熱電対ソーラーパネル
ソーラーパネル(ろ紙法)
f
(式 2 )L E= (2.5 × 10 - 2400 ×θ )× E6s
Rn = H + LE + G (式 1 )
(式4 )
k =α
0.83 C
Ek (x - x )s a
β = (式5 )
(式 3 )α =H
θ ― θs a
熱収支式、蒸発効率の算出式
Rn :正味放射量[ W/ ㎡]
H :顕熱フラックス[ W/ ㎡]
LE :潜熱フラックス[ W/ ㎡]
G :伝導熱[ W/ ㎡]
L :気化の潜熱[ J/kg ]
β :蒸発効率 k :物質伝達率[ kg/( ㎡・ s ・ (kg/kg’)) ]
xs :表面の絶対湿度[ kg/kg’ ]
xa :外気の絶対湿度[ kg/kg’ ]
E :蒸発速度[ kg/ ㎡・ s ]
α :対流熱伝達率[ W/ ㎡・ K ]C :湿り空気の比熱[ J/kg ・ K ]
θ s:表面温度[℃]
θa :外気温度[℃]
各試験区の算出方法
残差で顕熱算出
熱流板
f
(式 2 )L E= (2.5 × 10 - 2400 ×θ )× E6s
Rn = H + LE + G (式 1 )
(式4 )
k =α
0.83 C
Ek (x - x )s a
β = (式5 )
(式 3 )α =H
θ ― θs a
熱収支式、蒸発効率の算出式
Rn :正味放射量[ W/ ㎡]
H :顕熱フラックス[ W/ ㎡]
LE :潜熱フラックス[ W/ ㎡]
G :伝導熱[ W/ ㎡]
L :気化の潜熱[ J/kg ]
β :蒸発効率 k :物質伝達率[ kg/( ㎡・ s ・ (kg/kg’)) ]
xs :表面の絶対湿度[ kg/kg’ ]
xa :外気の絶対湿度[ kg/kg’ ]
E :蒸発速度[ kg/ ㎡・ s ]
α :対流熱伝達率[ W/ ㎡・ K ]C :湿り空気の比熱[ J/kg ・ K ]
θ s:表面温度[℃]
θa :外気温度[℃]
蒸発効率の算出方法
蒸発効率 β:同じ表面温度の水面からの蒸発量に対する比率
f
(式 2 )L E= (2.5 × 10 - 2400 ×θ )× E6s
Rn = H + LE + G (式 1 )
(式4 )
k =α
0.83 C
(式 3 )α =H
θ ― θs a
熱収支式、蒸発効率の算出式
Rn :正味放射量[ W/ ㎡]
H :顕熱フラックス[ W/ ㎡]
LE :潜熱フラックス[ W/ ㎡]
G :伝導熱[ W/ ㎡]
L :気化の潜熱[ J/kg ]
β :蒸発効率 k :物質伝達率[ kg/( ㎡・ s ・ (kg/kg’)) ]
xs :表面の絶対湿度[ kg/kg’ ]
xa :外気の絶対湿度[ kg/kg’ ]
E :蒸発速度[ kg/ ㎡・ s ]
α :対流熱伝達率[ W/ ㎡・ K ]C :湿り空気の比熱[ J/kg ・ K ]
θ s:表面温度[℃]
θa :外気温度[℃]
ソーラーパネル( ろ紙法 )の算出方法
ろ紙法からα、kを算出
y = 2.07x + 5.33R² = 0.71
0
2
4
6
8
10
12
14
0 2 4
熱伝
導率
α
風速m/s
ソーラーパネル
顕熱を算出
ソーラーパネルの潜熱は 0
風速と α の関係に 8 月 3 日から 8 月 27 日の風速を適用しα を算出
残差から伝導熱を算出
熱収支の比較
20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
-200 -100
0 100 200 300 400 500 600 700
9 10 11 12 13 14 15 16 17
温度
(℃
)
フラ
ック
ス(W
/㎡)
芝区 灌水
20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
-200 -100
0 100 200 300 400 500 600 700
9 10 11 12 13 14 15 16 17
温度
(℃
)
フラ
ック
ス(W
/㎡)
芝区 無灌水
20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
-200 -100
0 100 200 300 400 500 600 700
9 10 11 12 13 14 15 16 17
温度
(℃
)
フラ
ック
ス(W
/㎡)
無処理区
20 25 30 35 40 45 50 55 60 65
-200 -100
0 100 200 300 400 500 600 700
9 10 11 12 13 14 15 16 17
温度
(℃
)
フラ
ック
ス(W
/㎡)
ソーラーパネル
無処理区の顕熱は、他の試験区と比較して 2 倍程度高い
伝導熱においては、ソーラーパネルが最も大きいことが分かる
屋上緑化では、潜熱が大きくそのため顕熱と伝導熱が小さい
各試験区の日積算顕熱
8 月 8 日の日積算顕熱の値を各試験区で比較した。最も小さいのは、ソーラーパネルである。
屋上緑化では芝が最も小さい。
5.3 6.1 6.0
10.4
3.8
0
2
4
6
8
10
12
芝 セダム コケ 無処理 ソーラーパネル
日積
算顕
熱(M
J/㎡
)
条件設定
① 100 0 0 0 0 100② 80 20 0 0 0 100③ 80 0 20 0 0 100④ 80 0 0 20 0 100⑤ 80 0 0 0 20 100⑥ 0 20 0 0 80 100⑦ 0 0 20 0 80 100⑧ 0 0 0 20 80 100
( )ソーラーハ ネ゚ ル ㎡ ( )合計 ㎡条件 ( )無処理 ㎡ ( )芝 ㎡ ( )セダム ㎡ ( )コケ ㎡
屋上緑化とソーラーパネルの面積比を変化させた場合の変化
無処理区 無処理区
芝
無処理区
セダム
無処理区
コケ
無処理区
ソーラーパネル
ソーラーパネル
芝
ソーラーパネル
セダム
ソーラーパネル
コケ
① ② ③ ④
⑤ ⑥ ⑦ ⑧
1,041 959 955 995
909
429 425 465
126 122 162
76 126 122
162
1200
1000
800
600
400
200
0
200
400
600700
500
300
100
100
300
500
700
900
1100
① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧
顕熱(MJ)
発電
量(MJ)
1200
1000
800
600
400
200
0
20
40
60
0
顕熱がもっとも小さい
比較
比較
半分以下である
ソーラーパネルの組み合わせでもっとも顕熱が小さい発電量は面積が増える分、発電量も増える
Top Related