高级日语高级日语ⅠⅠ 第第99课课
「的」の文化「的」の文化 鈴木 修次鈴木 修次
授業の内容
● 背景知識● 本文の解説● 単語の勉強● 文法・表現の勉強● 練習● 本文の内容について考えよう
背景知識
作者について 鈴木修次 1946 年東京文理科大学漢文学
科卒業。東京教育大学文学部助教授を経て、広島大学総合科学部教授。大阪教育大学教授。文学博士。著書『元好問』『漢魏詩の研究』(大修館、 1967 )『唐代詩人論』上・下『唐詩 - その伝達の場 - 』『中国古代文学論——詩経の文芸性——』など。
背景知識
「幽玄」について 幽玄とは、文芸・絵
画・芸能・建築等、諸々の芸術領域における日本文化の基層となる理念の一つ。能・禅・連歌・茶道・俳諧など、中世・近世以来の日本の芸術文化に影響を与え続け、今日では一般的用語としても用いられるに至っている。
本文の解説
【一】「少数例を除いて」:
接続助詞「て」は色々な意味で使われる。ここの「て」は仮定条件或いは方法手段と考えられる。★ きょうはきのうに比べてだいぶ暖かい。(日本文法大辞典)★ ともかく私を含めて五人も使用人がいるのですから。(赤川次郎・天使に似た人)★ しかし、両側を入れて全部で十五室となっているのは、二〇一号、三〇一号、四〇一号の各室の前が洗濯場になっているからだ。(松本清张・高台の家)
【二】「まず日本製漢語であると考えてよい」:
「まず」:おおよそ。多分。
★ まず間違いはないだろう。★ この怪我ではまず動けまい。★ まず助からないだろう。★ この調子だとまず大丈夫だろう。
本文の解説
【三】「きめつけるよりも抵抗がすくなくてすむ」:「よりも」:「より」と「より~ほうがもっと」の二つの意。★ 「御免なさい」彼女はとうとう口をきいた。その声はまだ少し顫えを帯びていたが、前よりもずっと落着いていた。(堀辰雄・風立ちぬ)★浮気の相手というのは、たいていの場合、女房よりもいい女である。(峰隆一郎・殺人急行北の逆転 240秒)★ おそらく二人の間を隔てる距離は、二つの星よりも遠いだろう。(森村誠一・恐怖の)★料理人にとって、技術よりもたいせつなのは舌である。(石毛直道・食生活を探検する)
本文の解説
【四】「反抗的な言辞はよしたまえ」:「~たまえ」はもともと尊敬の補助動詞「~たまう」の命令形だったが、現代語では、命令形の形だけで、目下に対する命令に使われるようになった。主に成年男性が用いる。→~なさい。★ まあ、入ってドアを閉めたまえ。(赤川次郎・さびしがり屋の死体)★ さあ、入りたまえ。(赤川次郎・さびしがり屋の死体)★ まあ、座りたまえ。(赤川次郎・さびしがり屋の死体)
本文の解説
小説などでは、以下のように、神様の動作を言うのに時々使われる。古風な言い方:★ 二人は神の認めたもう夫婦なのです。(コナン・ドイル・ドイル傑作集 冒険編)★願ってもない機会であります。これぞ天の与えたもうた好機。見逃すことはなりません。(陳舜臣・秘本三国志(五))★ まあ、そう怒りたもうな。へだてなき旧友なればこそ、つい冗談も出るというもの。(吉川英治・三国志(五))
本文の解説
昔同じ尊敬表現だった言葉が、段々卑下表現になった例はほかにもある。
★ お前(御前)★貴様(きさま)★ ~なさい
本文の解説
【五】「こともあって」:
意味は、「何かの理由・原因として、…ということもある」。つまり、ほかにも原因・理由が存在するかもしれないが、これが今思いついた原因・理由の一つだ、という意味だ。他の原因・理由は文中に言わない場合も多い。翻訳の時は、文脈によって適当に「因为…」或いは「再加上…」「而且…」で翻訳する。
本文の解説
★ 道が空いていることもあって、車は一時間余りで海の見える辺りまでやって来た。(赤川次郎・くちづけ)★量の多いこともあって、何だか一日中食べてばっかりいるようだ、と奈々子は思った。(赤川次郎・南十字星)★聞いた住所が不完全だったこともあって、探し当てたのは、もう夜の九時近かった。(赤川次郎・黒い壁)★電車で一時間半もかかる郊外に住んでいる和子は、父がうるさいこともあって、原宿に来るなんて、まだやっと三回目だった。(赤川次郎・幽霊湖畔)
本文の解説
【六】「中国の人々は…日本人のようにやたらに照れるということをせず」:
「 A は B のように~ない」:意味は二つ可能性がある。1A は~ないが、 B は~。( A不像 B那样…)2A も B も~ない。( A和 B一样,都不…)
本文の解説
★ だったら俺も、今までみたいに情報提供するわけにはいかないぜ。(東野圭吾・容疑者Xの献身)★ 現在のように定休日などのなかったむかしの奉公人は、正月と盆の藪入りのときだけに、実家に帰れるのだった。(興津要・古典落語(続々))★先生はなぜ元のように書物に興味をもち得ないんですか。(夏目漱石・こころ)★ いや君らは僕のように過去に煩らわされないから仕合せだというのさ。(夏目漱石・道草)
本文の解説
★君のように計画ばかりしていっこう実行しない男と旅行すると、どこもかしこも見損《みそこな》ってしまう。(夏目漱石・虞美人草)★ ああ、私の考えもあなたのように汚れがなかったら!(アンデルセン・即興詩人)★智子は蝋《ろう》のように血の気のない顔をして、耕助と秀子を見くらべている。(横溝正史・女王蜂)
本文の解説
『日本語八ツ当り』(江國 滋):
〔元の原稿〕尚、メニュー方式は、コマンド方式のように処理速度は速くないが、操作性にすぐれ、教育が容易であります。〔指針〕誤り=“尚”をひらがなに書き直してください。警告=“ように~ない”はあいまいです。書き直してください。警告=接続詞“が”を使わない表現に書き直してください。警告=連用中止形“~にすぐれ”はあいまいです。別の表現で書き直すことを勧めます。誤り=本文の文体が不統一です。“である調”に書き直してください。
本文の解説
〔元の原稿〕尚、メニュー方式は、コマンド方式のように処理速度は速くないが、操作性にすぐれ、教育が容易であります。
〔リライト〕なお、メニュー方式は、コマンド方式に比べると処理速度は速くない。そのぶん操作がらくで、教育が容易である。
本文の解説
単語の勉強
【一】ずばり (副)(1)遠回しでなく,急所を突いて鋭く話を
するさま。物事の核心をついて,はっきり言うさま。ずばっと。「―(と)痛い所をつく」「そのもの―を言う」
(2)刃物で勢いよく物を切るさま。「―(と)切り落とす」
単語の勉強
【二】いいしれぬ【言い知れぬ】 __ 連体__
なんとも言いようのない。名状しがたい。「─寂しさにおそわれる」
友だちが帰った後 ,ぼくは~さびしさを感じた /朋友们走了以后我感到一种说不出的寂寞
単語の勉強
【三】なじ・む [2] 【馴染む】(1)環境などになれて違和感をもたなくなる。
なれて親しむ。 「転校生がなかなかクラスに―・まない」「(2)調和する。ひとつにとけあう。「瓦屋根の建物は日本の風土によく―・んでいる」(3)適当である。「こういう問題は裁判には―・まない」
単語の勉強
【四】たちむかう【立ち向かう】 __自五__
__正面から向かっていく。対抗する。「素手で強敵に─」__困難な物事に正面から取り組んで解決
しようとする。「難局に─」
文法・表現の勉強
【一】~的〔名詞や造語成分に添えて〕「そのものでは
ないが、それに似た性質を持つ」「何かに関する」「何かの範囲内で行う所の」「…としての」などの意を表わす。
「なかなか哲学的だ/私的な話合い/病的なまでにとぎすまされた神経/現実的には可能だ/教育的見地」
文法・表現の勉強
【二】~からすれば 「~から判断すると~」という意味を
表す表現で、この「する」には「見る・言う・考える」などの多くの語義が含まれています。
文法・表現の勉強
【二】~からすれば 1.儲けしか考えない企業は、長期的な観点からすると、将来性はありませんねえ。2.わが家の経済状態からすると、家を買う
のは夢のまた夢だ。3.法律的見地からすれば責任はなくても、
道義的責任は免れない。4.男からすれば、家族のために働いている
のに、妻から粗大ゴミ扱いされたのではたまらないよ。
練習
次の下線部の言葉の意味が、最も近い意味で使われている文を1、2、3、4から選びなさい。
どんなに困っても、悪いことだけにははしってはいけない。
1、こんな場合に感情にはしっては困るのだ。2、一生懸命ぺんがはしっても 1 日に 5枚ぐらいしか
書けない。3、日本は南北に山がはしっている。4、地震のため、せっかく建てた新居の天井に亀裂が
はしった。
本文の内容について考えよう
● 本来の中国語の意味と違って、和製漢語になったことばを一つ挙げてその違いを説明しなさい。
● 中日両国語ある「的」という言葉の異同について述べなさい。