「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス—
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師斉藤賢爾
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.1/47
ビットコインを知らない人へ「実体を伴わずに生み出され、買い手が付くことにより値が上がり、違法な売買や資金洗浄にも使われる。
ビットコインは、私たちが知る円・ドル・ユーロなど従来の通貨の概念を 度変える、新しい通貨なのです キリッ」
斉藤賢爾 年 月 日のツイート
「ビットコインは貨幣の問題を解決するか?」この問をググる者は一切の希望を捨てよ
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.2/47
ビットコインを知らない人へ「実体を伴わずに生み出され、買い手が付くことにより値が上がり、違法な売買や資金洗浄にも使われる。ビットコインは、私たちが知る円・ドル・ユーロなど従来の通貨の概念を
度変える、新しい通貨なのです キリッ」
斉藤賢爾 年 月 日のツイート
「ビットコインは貨幣の問題を解決するか?」この問をググる者は一切の希望を捨てよ
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.2/47
ビットコインを知らない人へ「実体を伴わずに生み出され、買い手が付くことにより値が上がり、違法な売買や資金洗浄にも使われる。ビットコインは、私たちが知る円・ドル・ユーロなど従来の通貨の概念を 360度変える、新しい通貨なのです (キリッ」
—斉藤賢爾, 2014年 1月 31日のツイート
「ビットコインは貨幣の問題を解決するか?」この問をググる者は一切の希望を捨てよ
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.2/47
ビットコインを知らない人へ「実体を伴わずに生み出され、買い手が付くことにより値が上がり、違法な売買や資金洗浄にも使われる。ビットコインは、私たちが知る円・ドル・ユーロなど従来の通貨の概念を 360度変える、新しい通貨なのです (キリッ」
—斉藤賢爾, 2014年 1月 31日のツイート
「ビットコインは貨幣の問題を解決するか?」→ この問をググる者は一切の希望を捨てよ
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ところでお前は誰だっけ?斉藤賢爾慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事http://twitter.com/ks91020 http://www.facebook.com/ks91media
インターネットと社会に関する研究・教育に従事主な研究テーマ : 「人間のデジタル通貨」の開発と実用化
福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」を実施しています
つながってるね!
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.3/47
ところでお前は誰だっけ?斉藤賢爾慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事http://twitter.com/ks91020 http://www.facebook.com/ks91media
インターネットと社会に関する研究・教育に従事主な研究テーマ : 「人間のデジタル通貨」の開発と実用化
福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」を実施しています
→ つながってるね!
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主な著書「不思議の国の NEO—未来を変えたお金の話」ジャンル:SFお金ファンタジー
お金を根本から変えるデジタル通貨技術の存在それにより生まれるドラマ
英語版はフリーで公開http://grsj.jp/neo.pdf(CC-BY-SA 3.0)
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「デジタル通貨」って何だよデジタルコミュニケーション技術によって創られたオルタナティブな通貨そもそも通貨はデジタル (数字で表現されるもの) ですが、一番マシな用語
「仮想通貨」←通貨はすべて仮想 (後述)
暗に「リアルマネー (実貨幣)」という概念を強化する
「電子通貨」←電子マネーと混同しやすい (後述)
「通貨」は流通している貨幣のことだとすると「貨幣 (おカネ)」って何だ?
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.5/47
おカネの物語すべての商品の王として君臨しているが . . .
「王さまはハダカだ」と言えるために
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これは、なに?
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.7/47
では、これは?
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.8/47
ニセモノってなんだろう?その
し しゃも柳葉魚はホンモノ?
その○○はホンモノ?
カペリンはし しゃも柳葉魚の代用品
おカネは○○の代用品
ずっと代用品で過ごすことを通して、それがホンモノのような気がしていて . . .
ホンモノと触れたとき、むしろ違和感がある
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.9/47
おカネは信用・信頼の代用品「. . .貨幣さえあれば、信頼関係など不要であるという考えは誤り . . .」「. . .貨幣がなければ、信頼関係なんかあったって、駄目だという考えは、もっと間違っています。貨幣はそもそも信頼関係の代替物に過ぎないので、信頼関係があったら、貨幣がなくともなんとかなります。このことを銘記しておいてください」
—安冨歩「生きる技法」p.91
「ぜにのないやつぁ 俺んとこへこい 俺もないけど心配すんな そのうちなんとかなるだろう」
青島幸男作詞「黙って俺について来い」
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.10/47
おカネは信用・信頼の代用品「. . .貨幣さえあれば、信頼関係など不要であるという考えは誤り . . .」「. . .貨幣がなければ、信頼関係なんかあったって、駄目だという考えは、もっと間違っています。貨幣はそもそも信頼関係の代替物に過ぎないので、信頼関係があったら、貨幣がなくともなんとかなります。このことを銘記しておいてください」
—安冨歩「生きる技法」p.91
「ぜにのないやつぁ /俺んとこへこい /俺もないけど心配すんな / . . . /そのうちなんとかなるだろう」
—青島幸男作詞「黙って俺について来い」
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なぜ、おカネは使えるのか
おカネでモノが買えるのは、おカネでモノが買えると人々が信じているから (その信念が法律で支えられることもある)
おカネを消して見れば、与え合いだけが起きている「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.11/47
おカネは役立つツールか
A
ホテルのフロントに勤めるAdam を θ が訪れ 24時間預かってほしいと 100ドル紙幣を置いていった
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.12/47
おカネは役立つツールか
AABZ
Adamは Bobに 100ドルの借金があったAdamは Zoeに 100ドル貸していたAdamは考えた . . .
「これで返しちゃおうか?」
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.12/47
おカネは役立つツールか
AB
C
D
ZAdamは Bobに 100ドル返し、Bobは Caroleに 100
ドル返し、...
めぐりめぐってZoe は Adam に 100ドル返した
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.12/47
おカネは役立つツールか
AB
D
Z
24時間後、Adamのもとにふたたび θ が現れたAdamは θ に 100ドル紙幣を渡した一件落着に見えたが . . .
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.12/47
おカネは役立つツールか
AB
D
Z
θ は「あなたがこのお札を使わなくてよかった!」と言って紙幣に火をつけて燃やした「ニセ札だったのですよ、それを確かめに行っていたのです」と付け加えて . . .
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.12/47
なぜニセ札なのに役立ったかそもそも、すべてのおカネはニセモノだ (実体が無い)から日本銀行券も同じ仕組みで作られているお札が日本銀行に戻ると溶かされてリサイクルされる
θ が最初に来る前から 2度目に来た後まで目を閉じている人がいたら . . .
目を開けたら、問題が解決されている借金でなく、互いが必要とするモノをもっていても同じ
しかし問題を作り出していたのも「おカネ」ニセ札が問題を解決したのは、おカネの絶対性・希少性の壁を突破できたから「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.13/47
おカネは不思議で謎なもの物理的というより、仮想的な存在日本銀行券も不思議な通貨であり、謎の通貨
ついでに言うとマネーロンダリング資 金 洗 浄に使えたり、違法なモノ
を買うのにも使えるツールが悪用されるのは当たり前信用・信頼を人でなくおカネに置いたが故の弱み
問題はむしろ、おカネの絶対性・希少性にある
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.14/47
暴れるおカネが世界を支配するおカネの問題なデザイン
1.「額面上いつまでも同じ価値」であること2.「希少」であること3.「利子」がつくこと
⇒ これらすべてが問題1により他の商品に対して絶対的な優位性を持つ2が 3に繋がり、必ず経済の敗者が生まれる敗者は増えつづける
さらに . . .
変動相場制により一瞬で「富」が失われたりして大変迷惑「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.15/47
We are the 99%!
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.16/47
資産家への「富」の集中「上位 1%が世界の約半分の資産を独占」「上位 85人の資産は下層 50%の合計額と同等」
http://www.cnn.co.jp/business/35042859.html
「85人 vs. 35億人」が貨幣経済的に互角
「世界経済が直面する最大の脅威は所得格差の拡大」「貧富の格差そのものが危険なばかりでなく、少数の富裕層が権力を握り、それが世代を超えて引き継がれる恐れもある」
そもそも「富」って何だよ?バックミンスター・フラーに聞け
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.17/47
「富」とは何か富というのは . . .私たちがある数の人間のために具体的に準備できた未来の日数のことだ富とは未来に向かってエネルギーの再生がうまくいくようにする私たちの能力で . . .なにかを始め、干渉されずに行動していく自由度を高めていく . . .能力でもあり . . .サイバネティクス的に . . .エネルギー . . .と . . .
ノウハウというふたつの主要部分に分類できる– B.フラー「宇宙船地球号操縦マニュアル」
私たちの「富」とは1. 物質・エネルギー 2. 知識
それらを広く行き渡らせる仕組みと会計の方法は?それこそが貨幣のデザインに突きつけられた課題「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.18/47
人間不在のデジタル通貨あるいは
ビットコインの物語デジタル技術が生んだ現代の巨石貨幣何か「おカネ」の問題に対して答えを出したのか
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.19/47
郵便の電子化 (民主化)と貨幣の電子化 (民主化)
日本郵便の電子系郵便サービスレタックス (電子郵便)
http://www.post.japanpost.jp/service/letax/index.html
電子内容証明郵便サービスhttp://enaiyo.post.japanpost.jp/mpt/
これらが「電子メール」だと言われたら?自分で「ポストオフィス」を立てられない従量課金されるし手続きが煩雑
現在の「電子マネー」のレベルとは?自分で「バンク」を立てられない(中央)銀行の手のひらから逃れていない
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.20/47
ビットコインとは何か「必要なのは、信用ではなく暗号学的証明にもとづいた電子的支払いシステムである」
Satoshi Nakamoto, “Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic
Cash System”, 2009
最初のボタンをかけ違えているその信念にもとづいて開発された P2Pデジタル通貨
http://bitcoin.org/ http://www.bitcoin.co.jp
設計の随所にインフレーションへの敵意が見られる単位は BTC
商品として売買されている2013年 11月末、1BTCの価格が 10万円を超え、騒ぎに「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.21/47
BTC-日本円の相場の変動
中国 -通貨/金融商品と認めない 米国 -送金業として登録要請フランス -金融商品と認知 ドイツ -プライベート通貨と認知
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.22/47
ビットコインのかたち
安い手数料で手軽にグローバルに送金できる (それっていいこと?)
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.23/47
ビットコインをめぐる言説「仮想通貨」. . .ほぼすべてのメディア
じゃあ「実通貨」って何だよメディアは物語の強化装置か
「謎の通貨」. . . NHK「ニュースウォッチ 9」ほか「不思議な通貨」. . .東京新聞「資金洗浄/違法な売買に使用」. . .ほぼすべてのメディア「暴落の危険性」. . .ほぼすべてのメディア
⇒ 本質的に日本銀行券と何ら変わらない現金のある側面を強化しているが故の性質ある側面 =信用・信頼を人でなくおカネに置く
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.24/47
すべての取引は追跡できる
グローバルで単一な「元帳」にすべての取引を記録「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.25/47
基礎技術 -(暗号学的)ハッシュ値元のデータから計算され、元のデータが少しでも異なると大きく異なる小さな固定長の値特定のハッシュ値となるデータを逆に計算で求めることは事実上できない
「暗号学的ハッシュ関数」により計算されるSHA-1 (160bitのハッシュ値を生成)SHA-256 (256bitのハッシュ値を生成)
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.26/47
基礎技術 -デジタル署名
本人が送ったものであり改竄されていないことが証明できる「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.27/47
デジタルコインの実現
デジタル署名のチェイン連 鎖として表現 (ここまではデジタル通貨で一般的)
ダブルスペンディング二 重 消 費を避ける仕組みは?
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.28/47
ブロックチェインとマイニング
POW (Proof Of Work)による偽造防止ブロック内の最初の取引は新しい BTCの誕生 (今は 25BTC)
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.29/47
ビットコインとき ん
金2100万BTC以上はつくられないマイニングは 10分に 1回の割合に調整されるマイニングで得られる BTCは 4年毎に半分に(2009年に 50BTCでスタート)2140年までに 2100万BTCに到達
ビットコインの経済圏が拡大するなら . . .
→ より多様で多くのモノが買えるようになる→ 1BTCあたりの価値は必ず上昇する
⇒ デフレーションが組み込まれている
鉱物資源を模している
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.30/47
ビットコインと巨石貨幣
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.31/47
ビットコイン特有の事象 (1)
マイニングの競争が激化し、専用ハードウェアの時代へGPGPU→ FPGA→ ASICという変化 (「赤の女王」のように)
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.32/47
ビットコイン特有の事象 (2)
秘密鍵を無くしたら、回復する手立てがない (何億円相当であっても)
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.33/47
ビットコイン特有の事象 (3)
窃盗は容易 (だが追跡も容易)
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.34/47
ビットコインの問題
秘密鍵の紛失・漏洩に対する保障がない個人と鍵ペアが切り離されている 匿名性の罠
健全性に対する保証がないシステムは本当に安全なの?
力は、より強い力に対して無力 実は民主的でない
層のギャンブル性グローバリズムへの加担 自由と競争の誘惑
投機の助長 組み込まれたデフレへの期待
マイニングに潜むギャンブルの構造 偶然性の魔力
人間不在のデジタル巨石貨幣
詳しくはテクニカルレポートを
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.35/47
ビットコインの問題秘密鍵の紛失・漏洩に対する保障がない個人と鍵ペアが切り離されている (匿名性の罠)
健全性に対する保証がないシステムは本当に安全なの?
力は、より強い力に対して無力 実は民主的でない
層のギャンブル性グローバリズムへの加担 自由と競争の誘惑
投機の助長 組み込まれたデフレへの期待
マイニングに潜むギャンブルの構造 偶然性の魔力
人間不在のデジタル巨石貨幣
詳しくはテクニカルレポートを
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.35/47
ビットコインの問題秘密鍵の紛失・漏洩に対する保障がない個人と鍵ペアが切り離されている (匿名性の罠)
健全性に対する保証がないPOWシステムは本当に安全なの?(力は、より強い力に対して無力) (実は民主的でない)
層のギャンブル性グローバリズムへの加担 自由と競争の誘惑
投機の助長 組み込まれたデフレへの期待
マイニングに潜むギャンブルの構造 偶然性の魔力
人間不在のデジタル巨石貨幣
詳しくはテクニカルレポートを
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.35/47
ビットコインの問題秘密鍵の紛失・漏洩に対する保障がない個人と鍵ペアが切り離されている (匿名性の罠)
健全性に対する保証がないPOWシステムは本当に安全なの?(力は、より強い力に対して無力) (実は民主的でない)
3層のギャンブル性グローバリズムへの加担 (自由と競争の誘惑)
投機の助長 (組み込まれたデフレへの期待)
マイニングに潜むギャンブルの構造 (偶然性の魔力)
人間不在のデジタル巨石貨幣
詳しくはテクニカルレポートを
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.35/47
ビットコインの問題秘密鍵の紛失・漏洩に対する保障がない個人と鍵ペアが切り離されている (匿名性の罠)
健全性に対する保証がないPOWシステムは本当に安全なの?(力は、より強い力に対して無力) (実は民主的でない)
3層のギャンブル性グローバリズムへの加担 (自由と競争の誘惑)
投機の助長 (組み込まれたデフレへの期待)
マイニングに潜むギャンブルの構造 (偶然性の魔力)
⇒ 人間不在のデジタル巨石貨幣
詳しくはテクニカルレポートをhttp://member.wide.ad.jp/tr/wide-tr-ideon-bitcoin2013-00.pdf
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.35/47
ビットコインは成功しているのか「おカネ」を軸とする視点からは成功に見えるかももし「おカネ」が抱える問題を解決するために作ったのなら . . .
またゼロから同じ「おカネ」を作っただけなので失敗では?「額面上いつまでも同じ価値」であり「希少」であり「相場が変動」する
同じというより、むしろ強化されている徹底して「おカネ」から人間性を切り離している(もし貸し借りにビットコインで利子がついたら史上最悪のシステムに)
もし、デジタルで貝殻貨幣/巨石貨幣を作ってみせるためだったのなら . . .
大したもの「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.36/47
ビットコインの亜種たちLitecoin (https://litecoin.org)
ビットコインと同様のプロトコルに基づくマイニングのコストとセキュリティの面で改良
Dogecoin (http://dogecoin.com)
Litecoinの変形であると考えられる柴犬のキャラクターを用いた冗談から始まった
その他、多くの類似するデジタル通貨がつくられているが . . .
いずれもビットコインに対する批判が当てはまる
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.37/47
人間のデジタル通貨あるいは
未来の経済の物語まだ誰も観たことのない、なつかしい未来本当はずっとここにあったんだね
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.38/47
「未来の経済は、ちょっと違っているのです。24世紀には、お金は存在しないのですよ。. . .富の獲得は、もはや私たちの生活の駆動力ではありません。私たちは、自分と社会をよりよくするために働いているのです」
—ジャン=リュック・ピカード
“The economics of the future are somewhatdifferent. You see, money doesn’t exist in the 24thcentury. . . . The acquisition of wealth is no longerthe driving force in our lives. We work to betterourselves and the rest of humanity.”
— Capt. Jean-Luc Picard
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.39/47
「おカネ」や「仕事」のない社会は珍しくありません
私たちは、みんなそこからやってきました
それは「家族」です
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.40/47
「おカネ」や「仕事」のない社会は珍しくありません
私たちは、みんなそこからやってきましたそれは「家族」です
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.40/47
経済と信用の氷山モデル
ものごとはすべて水面下で成し遂げられる「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.41/47
人間のデジタル通貨人間不在のデジタル通貨 人間のデジタル通貨
グローバルなデータ構造 (元帳)
を持つグローバルなデータ構造 (元帳)
を持たない鍵ペアを個人に帰属させない 鍵ペアを個人/法人に帰属させる
(頻繁な再生成を奨励しない)
POWシステムを採用する POWシステムを採用しない貨幣の発行量を制限する 貨幣の発行量を制限しない貨幣は同語反復的 貨幣が根拠 ∗を持つようにする
(ex. 同語反復しない債務証書)∗ かつ、その根拠が時を経るにつれ減額するようにする。
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.42/47
実は . . .
「人間のデジタル通貨」は、つくってありますhttp://www.media-art-online.org/iwat/
SFCで博士号を取得するに至った研究
普及のための技術開発とプロモーションが課題その点でビットコインに関わる人々を尊敬します
おそらくデータストレージを本位とするデジタル通貨は可能上記の仕組みを用い 2008年に提案・実装クラウド化が進んだ今風のものを作れるのでは
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.43/47
世界の救い方「世界が救われるとすれば、それは古いヴィジョンと新しいプログラムによってではない。世界が救われるとすれば、それは新しいヴィジョンと、プログラムの不在によってである」
—ダニエル・クイン,「Bの物語」
“If the world is saved, it will not be saved by peoplewith the old vision and new programs. If the world issaved, it will be saved by people with a new visionand no programs.”
— Daniel Quinn, “The Story of B”
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.44/47
プログラムの不在新しいヴィジョンは、それそのものが広まる力を持っていて、プログラム (=計画)を必要としない
新しいヴィジョンと「プログラムの不在」により世界が変わった例産業革命 (必ずしもよい方向とは言えない)
インターネット (よい方向かを決めるのは私たち)
「北風と太陽」改めてビットコインを見るとき「北風と太陽」の両面を観測できる
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.45/47
私が体験していること福島のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」
http://academy-camp.org
「遊び」と「学び」のエクストリームな体験どれくらいエクストリームかのご参考
http://youtu.be/JTccTl2qLCo (2012 年夏のキャンプの様子)
予算で比較すると「のんびり型」のキャンプと変わらないほとんどソーシャルな力で実現宿泊費、食費、交通費が問題 ←これらさえ何とかしたい
なぜか大人たちが熱中して関わってくれる「学ぶ」「遊ぶ」「働く」「休む」を同時に楽しむ
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.46/47
まとめおカネはいろいろ問題ビットコインも輪をかけていろいろ問題 (レベルたけ ∼!)
「人間不在の」→「人間の」貨幣のヒントは「経済と信用の氷山モデル」に
「王さまはハダカだ」と言ったあとは . . .
投資するなら長く価値を生み出し続けるものに自分にとって一番長く続くものは自分そしてその次の世代、この星を継ぐものたち
どうせおカネを使うのなら、信用の海に飛び込むために
Remember : 「おカネは信用・信頼の代用品」Pro-social spending! (他人のためにおカネを使うと幸福に)
「人間不在のデジタル通貨対人間のデジタル通貨」—貨幣のデザインにおけるフマニタスとアントロポス— 2014-02-10 – p.47/47
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