wakamonog6 Routing Tutorial
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ルーティング チュートリアル チュートリアル ルーティングプロトコル紹介
古河ネットワークソリューション株式会社 神谷 尚秀
1
自己紹介名前 神谷 尚秀
所属 古河ネットワークソリューション㈱
業務内容 ルータのソフト開発 (3 年目) BGP OSPF
コミュニティ活動 wakamonog committee JANOG committee
2
agenda
経路制御 (routing) とは 静的経路制御 (static routing), 動的経路制御 (dynamic routing) の違い 各種動的経路制御の紹介 OSPF (Open Shortest Path First) BGP (Border Gateway Protocol)
3
経路制御 (routing) とは
何処を経由してパケットを宛先に届けるか
ルータ (RT) はパケットの宛先アドレスを見て次の送り先を判断
4
経路情報宛先 prefix と next hop (NH) の集合 経路情報の種類 静的経路 connected 経路 ルータが直接接続して知っている経路
static 経路 ルータに静的に設定された経路
動的経路 ルーティングプロトコルで動的に学習した経路
5
静的経路制御 (172.16.1.0/24 の経路登録)
6
RT A
RT C RT D RT G
RT E
RT B
10.0.0.1
10.0.0.2
10.0.0.310.0.3.1
10.0.2.1 10.0.2.2172.16.1.0/24
10.0.4.210.0.3.2
10.0.4.1
prefix NHx.x.x.x/x 10.0.5.2
172.16.1.0/24 10.0.0.2x.x.x.x/x 10.0.0.3
prefix NHx.x.x.x/x 10.0.0.1
172.16.1.0/24 10.0.2.2x.x.x.x/x 10.0.0.3
prefix NHx.x.x.x/x 10.0.2.1x.x.x.x/x 10.0.3.2
172.16.1.0/24 10.0.4.2
RT F
10.0.5.2
10.0.5.1
RT A から 172.16.1.0/24 へ packet を送信するため、各 RT に static 経路を登録 ネットワーク構成が変わる度に各 RT に static 経路の登録・更新が必要
動的経路制御 (172.16.1.0/24 の経路登録)
7
RT A
RT C RT D RT G
RT E
RT B
10.0.0.1
10.0.0.2
10.0.0.310.0.3.1
10.0.2.1 10.0.2.2
10.0.4.210.0.3.2
10.0.4.1
RT F
10.0.5.2
10.0.5.1
①: RT G は 172.16.1.0/24 が自分の方にあることを伝える
②: ①の情報 (経路情報) が RT G から RT D に伝わる
③: RT D は経路情報を受けて経路テーブルを作成する
prefix NHx.x.x.x/x 10.0.3.2
172.16.1.0/24 10.0.4.2x.x.x.x/x 10.0.2.1
172.16.1.0/24
各 RT にルーティングプロトコルを設定することで、動的に経路を学習可能 ネットワーク構成が変わる度に、動的に経路を学習
動的経路制御 (172.16.1.0/24 の経路登録)
8
RT A
RT C RT D RT G
RT E
RT B
10.0.0.1
10.0.0.2
10.0.0.310.0.3.1
10.0.2.1 10.0.2.2
10.0.4.210.0.3.2
10.0.4.1
RT F
10.0.5.2
10.0.5.1
④: RT D は172.16.1.0/24 が 自分の方にあることを RT C, E に伝える
⑤: RT C, E は経路情報を受けて経路テーブルを作成する
⑥: RT C, E は172.16.1.0/24 が 自分の方にあることを RT A, F に伝える
⑦: 経路が各 RT に伝わり、経路テーブル構築後、パケットが転送される
172.16.1.0/24
各 RT にルーティングプロトコルを設定することで、動的に経路を学習可能 ネットワーク構成が変わる度に、動的に経路を学習
静的経路制御 (障害発生時の動作)
9
RT A
RT C RT D RT G
RT E
RT B
10.0.0.1
10.0.0.2
10.0.0.310.0.3.1
10.0.2.1 10.0.2.2
10.0.4.210.0.3.2
10.0.4.1
RT F
10.0.5.2
10.0.5.1
②: バックアップ経路に切り替わらない
①: RT C, D 間で回線が切断
prefix NHx.x.x.x/x 10.0.5.2
172.16.1.0/24 10.0.0.2x.x.x.x/x 10.0.0.3
x x x172.16.1.0/24
RT A は RT C, D 間の回線断に気づかないため、packet ロスが発生
動的経路制御 (障害発生時の動作)
10
RT A
RT C RT D RT G
RT E
RT B
10.0.0.1
10.0.0.2
10.0.0.310.0.3.1
10.0.2.1 10.0.2.2
10.0.4.210.0.3.2
10.0.4.1
RT F
10.0.5.2
10.0.5.1
①: RT C, D 間で回線が切断
prefix NHx.x.x.x/x 10.0.0.1
172.16.1.0/24 10.0.0.2172.16.1.0/24 10.0.0.3
x x
②: 自動でバックアップ経路に切り替わる
RT C, D が回線断を各 RT に教え合うことで、RT A は迂回経路を学習できるため、packet ロスは発生しない
172.16.1.0/24
静的経路制御・動的経路制御の違いまとめ
11
経路制御の種類 長所 短所
静的経路制御ルーティングプロトコルの packet が流れない ルータに負荷がかからない
設定管理が困難 動的経路変更が不可能
動的経路制御 設定管理が容易 動的経路変更が可能
ルーティングプロトコルの packet が流れる ルータに負荷がかかる
ISP 等では以下の理由から動的経路制御を行なう必要がある 変化し続けるインターネットへの対応 障害時の動的経路変更が必須
各種動的経路制御の紹介 (OSPF & BGP)
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インターネットの構成
13
RT RT RT
RTRTRT
RTRT
RT
RTRT
RT
RTRT RT
RT
RTRT
RT
ASIX
EGP と IGPEGP (Exterior Gateway Protocol) AS 間で使用されるルーティングプロトコル Internet 上の目的地に達する前に、自 AS 内のどの出口から出ればいいかを解決
IGP (Interior Gateway Protocol) AS 内部で使用されるルーティングプロトコル EGP で解決される自 AS 内の出口にどうやったら到達するかを解決
14
RT RT RT
RTRTRTRTRT
RT
RTRT RT
RT
EGP で制御IGP で制御
ルーティングプロトコルの種類
OSPF IGP として利用 各 RT がネットワーク構成を把握 必要最小限の経路で動作させる 障害をいち早く通知、迂回
BGP EGP として利用 自 AS 以外の全ての経路を扱う 経路制御の処理を軽くして、膨大な経路数に対応 ポリシに基づいて組織 (AS) 間の経路制御が可能
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OSPF16
OSPF 概要リンクステートアルゴリズムを使用したルーティングプロトコル 各ルータはリンクステートというメッセージを交換 リンクステートには、ルータが接続しているリンクの状態、そのリンクのネットワークアドレス、コストなどが入っている
リンクステートの情報に基づきリンクステートデータベース (LSDB) を作成、NW 構成を把握 LSDB より、Shortest Path First (SPF) アルゴリズムにより最短パスツリーを作成 最短パスツリーによる経路テーブル作成
各ルータがネットワーク構成を把握しているため、ネットワーク構成が変化した際、素早く経路テーブルを再構築可能 (素早い収束性)
17
リンクステートアルゴリズム
18
RT ART B
RT C
②: LSDB の作成 ③: 自身を root とした 最短パスツリーの作成
prefix next hop
④: 経路テーブルの作成
リンクステートの交換から経路テーブルが出来るまで
①: リンクステート の交換
リンクステート
AB
C
経路テーブルの作成
19
RT A RT C
RT D
10
20 5 5
10
prefix next hop cost◎ 172.16.1.0/24 RT D 20172.16.1.0/24 RT A 45
コストを元に経路テーブルを作成 コストはインターフェースで設定され、packet が送出されるインタフェースを通過する時に加算 コストが最小の経路 (最短パス) を経路テーブルに登録
RT B RT E2010 10 10 10
172.16.1.0/24
障害時の動作
20
RT A RT C
RT D
10
20 5 5
10
prefix next hop cost◎ 172.16.1.0/24 RT D 20172.16.1.0/24 RT A 45
各 RT がネットワーク構成を把握しているため、ネットワーク構成が変化した際、素早く経路テーブルを再構築可能
RT B RT E2010 10 10 10
172.16.1.0/24xx
BGP21
BGP 概要パスベクタ型プロトコル Prefix とパス属性を合わせた BGP 経路情報を交換 パス属性には、経路がどのような AS を経由しているか、経路の優先度がいくらか等の情報が入っている
Prefix とパス属性を用いて、AS 間の経路制御を自 AS のポリシーに従って行なう ポリシーは、AS 間のトラフィックの制御方針などを示す
BGP ピア先の AS 番号によって組織内の BGP ピア (iBGP) か、組織外の BGP ピア (eBGP) かを識別し、其々異なった動作をする 簡易な経路制御の処理により、スケーラビリティがある
22
BGP テーブル
BGP の基本動作
23
BGP スピーカ A
BGP スピーカ A
BGP スピーカ A
BGP スピーカ A
BGP スピーカ B
BGP スピーカ B
BGP スピーカ B
BGP スピーカ B
BGP スピーカ C
TCP セッション確立
BGP ピア確立
経路情報のやり取り
Prefix + パス属性
経路交換終了
BGP ピア維持 ベストパスを広告
経路テーブル
BGP 制御の流れ
BGP を設定した RT (BGP スピーカ) 間の経路交換の流れピア先からの BGP 経路情報を格納①
②
③
④
ピア A 以外からの BGP 経路情報も含めてベストパス選択を実行
BGP ピアの種類
24
RT RT RT
RTRTRTRTRT
RT
RTRT RT
RT
eBGPiBGP
AS 2 AS 1
AS 4 AS 3
eBGP 組織外 (他 AS) に属する BGP スピーカ間の BGP ピア 他 AS の BGP スピーカと BGP 経路情報をやり取り
iBGP 組織内 (自 AS) に属する BGP スピーカ間の BGP ピア 自 AS の BGP スピーカと BGP 経路情報をやり取り
IGP
AS 間の経路制御AS1 を中心に考えた時の AS 間の経路制御 AS3 へのトラフィックは AS2 or AS5 どちらに流すか AS8 へのトラフィックは AS6 or AS7 どちらに流すか AS9 からのトラフィックはどちらの回線から流して欲しいか
25
AS2 AS5
AS3 AS4
AS1 AS8AS7
AS6AS9
AS_PATH 属性で制御
LOCAL_PREF 属性!で制御
MED 属性!で制御
パス属性を用いた経路制御 (AS_PATH 属性)AS_PATH 属性 経路情報が通過してきた AS を示す AS_PATH のリストが短い経路ほど優先度が高い
26
AS3 172.16.0.0/16
AS4
AS5AS2
AS_PATH = AS3 AS2
AS_PATH = AS3
prefix AS_PATH172.16.0.0/24 AS5 AS4 AS3
◎ 172.16.0.0/24 AS2 AS3
AS1
AS_PATH = AS3 AS_PATH = AS3 AS4
AS_PATH = AS5 AS4 AS3
: BGP を使った経路情報の流れ : AS1 から AS3 へのトラフィック
パス属性を用いた経路制御(LOCAL_PREF 属性)LOCAL_PREF (local preference) 属性 自 AS から出て行くトラヒック制御に利用 値が大きい経路ほど優先度が高い
27
prefix AS_PATH LOCAL_PREF172.16.0.0/24 AS6 AS8 90
◎ 172.16.0.0/24 AS7 AS8 100
AS1
AS6
AS7
AS8 172.16.0.0/16
LOCAL_PREF = 90
LOCAL_PREF = 100
AS1 の RT A, B で AS6 及び AS7 から流れてきた経路に LOCAL_PREF 属性を設定
RT A
RT B
: BGP を使った経路情報の流れ : AS1 から AS8 へのトラフィック
パス属性を用いた経路制御 (MED 属性)MULTI_EXIT_DISCRIMINATOR (MED) 属性 ある AS 間で複数の接続点があるときの経路制御に利用 値が小さい経路ほど優先度が高い
28
AS1 172.16.0.0/16
AS1 の出口で AS9 向けに経路を広告するときに MED を設定
prefix next hop MED172.16.0.0/24 RT A 200
◎ 172.16.0.0/24 RT B 100
AS9
BGP での経路情報 MED 100
RT C
RT D
RT A
RT B
BGP での経路情報 MED 200
: BGP を使った経路情報の流れ : AS9 から AS1 へのトラフィック
まとめ経路制御には静的な経路制御・動的な経路制御がある
ISP などではネットワークの変化に対応するため動的経路制御が必要である
動的経路制御には AS 内の経路制御を行なう IGP と、AS 間の経路制御を行なう EGP がある
OSPF はネットワークの変化に迅速に対応出来るため、IGP としてよく用いられている
BGP はパス属性を利用することで、ポリシーに従って経路制御を行なうことが出来る
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