地球惑星科学基礎V演習pmsl.planet.sci.kobe-u.ac.jp/~seto/class/V/11.pdfh a k b l c k b h a...
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逆空間、逆格⼦とは
実空間(Real space)
逆空間(Reciprocal space)
実空間と逆空間は必ず1対1で対応する
逆フーリエ変換
フーリエ変換
dxexfyg ixy
)(21)(
dyeygxf ixy
)(
21)(
逆空間は、実空間のもつ「周期性」を反映したものである
逆空間のある点について、・原点からの距離は、実空間での波⻑(⾯間隔)の逆数と⼀致する・原点からの⽅向は、実空間での周期の⽅向と⼀致する
実格⼦⇔逆格⼦変換はフーリエ変換、逆フーリエ変換そのものである
‐6
‐4
‐2
0
2
4
6
‐10 ‐8 ‐6 ‐4 ‐2 0 2 4 6 8 10
実空間 ⇒ 逆空間 ⼀次元の場合その1
波から周期性を取り出す ⇒ 逆空間への変換
分解してみると…
周波数でならべてみると…
実空間
逆空間
単位: m
単位: m
単位: m-1
(1mに含まれる周期)
‐10
‐5
0
5
10
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2
‐10
‐5
0
5
10
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2
‐1
‐0.5
0
0.5
1
‐120 ‐70 ‐20 30 80
‐10
0
10
20
30
40
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8
実空間 ⇒ 逆空間 ⼀次元の場合その2
分解してみると…
周波数でならべてみると…
実空間
逆空間
実空間と逆空間の関係
フーリエ変換
実空間に周期性がない場合
逆空間の強度分布は連続的
実空間に周期性がある場合
逆空間の強度分布は離散的で、実空間の周期(単位格⼦)に対応した「点」が現れる
フーリエ変換
このような点を「逆格⼦点」、あるいは「逆格⼦ベクトル」という逆格⼦点は、
・原点からの距離は、実空間での周期の⻑さの逆数・原点からの⽅向は、実空間での周期の⽅向
逆格⼦の定義 その1
基本ベクトルがa, b, cで与えられる空間格⼦に対して、その相反系a*, b*, c*を基本ベクトルとする別の空間格⼦を、もとの格⼦の逆格⼦という。
a, b, cとa*, b*, c*との間には次の関係がある。
Vbac
Vacb
Vcba
*,*,*
bacacbcbaV ただし
cb
a
bc
b
c
b, cに直⾓で、bとcが作る平⾏四辺形の⾯積(底⾯積)と同じ⻑さを持つベクトル
coscba a
Vcba
*
θ
cb :底⾯積cosa :⾼さ
cbb, cに直⾓な⽅向で、「⾼さ」(=底⾯積/体積)の逆数の⻑さを持つベクトル
(100)⾯と同じ⽅向をもち、(100)⾯の⾯間隔dの逆数の⻑さを持つベクトル
)( cbacbaV
V :体積
体積: V
d
a*
b*
c*
Vbac
Vacb
Vcba
*,*,*
逆格⼦の定義 その2
a∙a*= b∙b*= c∙c*=1a∙b*= a∙c*=0b∙c*= b∙a*=0c∙a*= c∙b*=0
逆格⼦のもう⼀つの定義:
実格⼦ベクトルa, b, cに対して、次の関係を満たすa*, b*, c*を逆格⼦ベクトルという
1**
VV
Vcbaaaaa
0*
V
acaba
a
b
c
a*
b*
c*
前⾴の定義との関係
実格⼦⇔逆格⼦ = ⾏列⇔逆⾏列
zyx
zyx
zyx
cccbbbaaa
A
a=(ax,ay,az)
b=(bx,by,bz)c=(cx,cy,cz)
zzz
yyy
xxx
cbacbacba
R*********
a*=(a*x,a*y,a*z)
b*=(b*x,b*y,b*z)c*=(c*x,c*y,c*z)
zzz
yyy
xxx
zyx
zyx
zyx
cbacbacba
cccbbbaaa
AR*********
a∙a*= b∙b*= c∙c*=1a∙b*= a∙c*=0b∙c*= b∙a*=0c∙a*= c∙b*=0
1 RA AはRの逆⾏列である実格⼦ベクトルを⾏成分に持つ⾏列の逆⾏列は、逆格⼦ベクトルを列成分にもつ⾏列である
100010001
AR
もし、a, b, c, a*, b*, c*が次の条件を満たせば...
逆格⼦ベクトル
*** clbkahg というベクトルは、(hkl)⾯の法線と同じ向きで、⻑さが(hkl)⾯の⾯間隔dの逆数と⼀致する
a
bc
r
ha
kb
lc
kb
has
0**
*)**)((
bkkbah
ha
clbkahkb
hags
sとgは直交する(hkl)⾯の法線と同じ向き
1**)**( ahhaclbkah
hag
ha
と gの内積は1ha
ha
rgの⼤きさは1/dcos
had
θ
0******1***
babcabaccbbaccbbaa
ただし
実空間
逆格⼦の例
逆空間a
bc
(100)or(‐100) 100
‐100
0100‐10
1‐10
‐110
(010)or(0‐10)
(1‐10)or(‐110)
すべての逆空間上の点はある結晶⾯に対応している
a*
b*c*実格⼦
0200‐20
‐200
200
110
220
120
210
逆格⼦
逆空間における点の集合: 逆格⼦点逆格⼦点を定義する独⽴なベクトル: 逆格⼦ベクトル
実空間の周期性は、逆空間上の⼀つの点に対応する波⻑ (⾯間隔) 周波数 (⾯間隔の逆数)
(020)or(0‐20)
(後)焦点⾯
結像⾯
光軸
レンズ作⽤と実/逆空間
(後)焦点⾯
結像⾯
レンズに⼊射した平⾏光が⼀点に集まる位置
被写点から発せられた光線が⼀点に集まる位置光軸
⾮晶質な試料の場合 結晶質な試料の場合
レンズ⾯
焦点⾯には連続的な強度分布が現れる
焦点⾯には不連続的な強度分布(逆格⼦点)が現れる
=逆空間
=実空間
ブラッグ条件の図⽰• 結晶⾯間隔(d)とX線の波⻑(λ)と照射⾓(θ)が
ブラッグ条件 2d sin θ=λ を満たすとき、強い散乱(回折)が起こる
• ブラッグ条件をの起こり⽅を、逆空間における⼊射波と逆格⼦点の関係を使って説明する⽅法をエワルドの作図という
逆格⼦をつかったブラッグ条件 - エワルド球 -
ブラッグ条件 2 dhkl sin(θ) = λ を幾何学的に⽰してみると…
半径 1/λ
逆格⼦原点(o)
hkl ⾯に対応する逆格⼦ベクトル
θθ
1 / 2d
1 / 2d
試料
エワルド球
試料を中⼼に半径を1/λの球⾯(エワルド球)を描き、X線の⼊射⽅向と球⾯との交点を逆格⼦原点(o)とする。
ある逆格⼦点がこの球⾯上に位置したとする
すなわち、エワルド球⾯に逆格⼦点が⼀致すれば、回折が起きる。
sin(θ) / λ =1 / 2dという関係になる。これはブラッグ条件そのものである。
X線
波数ベクトルと逆格⼦ベクトルの関係波数ベクトル k は⼊射線と散乱線を⼆等分する⽅向で、 2 sin(θ)/λの⻑さを持つ
2⼊射X線
散乱X線 k )sin(2
k
逆格⼦ベクトル ghkl は、(hkl)⾯の法線⽅向で、(hkl)⾯の⾯間隔dの逆数の⻑さを持つ
(hkl)⾯がブラッグ条件 2d sin(θ) = λ を満たすということは…
ブラッグ条件を書き換えると
d1sin2
(hkl)
gk
gk
すなわち、回折が起きるということは、
という条件を満たすことに他ならない
k は• ⼊射線の種類• ⼊射/散乱⽅向に依存する
g は•結晶の種類•結晶の⽅向に依存する
(⻑さ1/λ)s
0s(⻑さ1/λ)
試料
⼊射X線 散乱X線
hklg
dghkl
1
0s s
逆格⼦原点
2