Vol.32 関西帰国生親の会かけはし …関西帰国生親の会かけはし会報Vol.32...

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関西帰国生親の会かけはし会報 Vol.32 (2014 年秋冬号) 1 かけはしはこの秋、おかげさまで 30 周年を迎えることができました。私どもの活動を温かく支えてくださ るたくさんの方々に、心より感謝申し上げます。今年、『帰国生への学校案内《関西》 2015』の作成に当たり、 掲載校の保護者の皆さまに「帰国に際して特に心配だったことと解決方法」をおうかがいし、お寄せいただい た、日本での学びや友だち関係、生活についての多くの経験談を誌上にて紹介させていただきました。私ど もは、異なる文化の間で生じる気がかりが少しでも解消されるよう、情報発信に努め、お母さんたちが語り 合える場を大切にしてまいりますので、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。 会報本号では「子どもの思考力を高める」をテーマに据えました。思考力を伸ばすカリキュラムに高い関心 が寄せられている「国際バカロレア教育」、そして、在外中の日本語学習の手立ての一つである「海外で学ぶ子 どものための通信教育」に焦点をあて、インタビューを行い、具体的な事例を交えたお話をうかがうことがで きました。また、保護者の方々に海外滞在中の通信教育に関するアンケートへのご協力をいただいて、その 利用状況や課題点をリポートにまとめております。今号が、お子さんの思考力の育成や親の関わり方などに ついて考える手がかりになりましたら、幸いです。会員や子どもたちの体験も多く紹介していますので、ど うぞお楽しみください。 関西帰国生親の会かけはし代表 青木 真子 ご挨拶 関西帰国生親の会かけはし代表 青木 真子 1 特集 -子どもの思考力を高める- IB(国際バカロレア)教育を日本にも」 立命館宇治中学校・高等学校 教頭 東谷 保裕 2 「海外の通信教育 やる気にさせる工夫」 海外子女教育振興財団 通信教育チーム 藤井 達夫 5 かけはしリポート (10 ) 「海外における日本の通信教育の利用とその実態」 8 異文化でドッキリ! <マナー編> 11 海外の学校を紹介します 「ジェームス・ベイ・コミュニティ・スクール」 加藤 柚香 12 娘の留学 ふたたびイギリスへ かけはし会員 虫明 眞美 13 編集部より・「レッツトーク 2014 秋」実施報告 14 会員のつぶやき・編集後記 15 『帰国生への学校案内《関西》2015』のお知らせ・かけはし賛助会員のみなさま 16 (敬称略) Vol.32 関西帰国生親の会かけはし [email protected]

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Page 1: Vol.32 関西帰国生親の会かけはし …関西帰国生親の会かけはし会報Vol.32 (2014年秋冬号) 1 かけはしはこの秋、おかげさまで30周年を迎えることができました。私どもの活動を温かく支えてくださ

関西帰国生親の会かけはし会報 Vol.32 (2014年秋冬号)

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かけはしはこの秋、おかげさまで 30周年を迎えることができました。私どもの活動を温かく支えてくださ

るたくさんの方々に、心より感謝申し上げます。今年、『帰国生への学校案内《関西》2015』の作成に当たり、

掲載校の保護者の皆さまに「帰国に際して特に心配だったことと解決方法」をおうかがいし、お寄せいただい

た、日本での学びや友だち関係、生活についての多くの経験談を誌上にて紹介させていただきました。私ど

もは、異なる文化の間で生じる気がかりが少しでも解消されるよう、情報発信に努め、お母さんたちが語り

合える場を大切にしてまいりますので、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

会報本号では「子どもの思考力を高める」をテーマに据えました。思考力を伸ばすカリキュラムに高い関心

が寄せられている「国際バカロレア教育」、そして、在外中の日本語学習の手立ての一つである「海外で学ぶ子

どものための通信教育」に焦点をあて、インタビューを行い、具体的な事例を交えたお話をうかがうことがで

きました。また、保護者の方々に海外滞在中の通信教育に関するアンケートへのご協力をいただいて、その

利用状況や課題点をリポートにまとめております。今号が、お子さんの思考力の育成や親の関わり方などに

ついて考える手がかりになりましたら、幸いです。会員や子どもたちの体験も多く紹介していますので、ど

うぞお楽しみください。

関西帰国生親の会かけはし代表 青木 真子

目 次

* ご挨拶 関西帰国生親の会かけはし代表 青木 真子 1

* 特集 -子どもの思考力を高める-

「IB(国際バカロレア)教育を日本にも」 立命館宇治中学校・高等学校 教頭 東谷 保裕 2

「海外の通信教育 やる気にさせる工夫」 海外子女教育振興財団 通信教育チーム 藤井 達夫 5

* かけはしリポート (第 10回) 「海外における日本の通信教育の利用とその実態」 8

* 異文化でドッキリ! <マナー編> 11

* 海外の学校を紹介します 「ジェームス・ベイ・コミュニティ・スクール」 加藤 柚香 12

* 娘の留学 ふたたびイギリスへ かけはし会員 虫明 眞美 13

* 編集部より・「レッツトーク 2014秋」実施報告 14

* 会員のつぶやき・編集後記 15

* 『帰国生への学校案内《関西》2015』のお知らせ・かけはし賛助会員のみなさま 16

(敬称略)

Vol.32 関西帰国生親の会かけはし [email protected]

Vol.26 関西帰国生親の会かけはし [email protected]

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「IB(国際バカロレア)教育を日本にも」

― まず、先生のご経歴をお教えください。

◆ 大阪の府立高等学校の英語教諭を務めた後、大阪府教育委員会の指導主事を経て、2008年より立命館宇

治中学校・高等学校に移り、現在は国際教育担当教頭として、主に IB(国際バカロレア)教育を統括してい

ます。

― IB教育についてご説明いただけますか。

◆ IB教育は外交官の親について海外を転々とした子どもが大学を受験する際に、各国の入試制度の違いに

よって不利益を受けないよう、学力の基準、国際資格のようなものを作ろう、ということでできた国際的

な教育プログラムです。全人教育を通じて、主体性を持ちバランス感覚に優れた、国際社会で貢献できる

人材の育成を目的として、1968年にスイスのジュネーブに国際バカロレア(IB)が設立されました。その認

定校は独自の共通カリキュラムに沿った教育を行い、高校生の最後に受ける世界統一の試験に合格した生

徒には IBディプロマ(認定資格)が授与されます。現在 IBには小学校レベル(PYP)、中学校レベル(MYP)、

高校レベル(DP)、社会人レベル(IBCC)の 4 つのプログラムがあります。2014 年 10 月現在、このプログラ

ムは世界各国で約 4,000校、そして高校レベル(DP)は、2,613校で行われています。

― IB教育はどのような点が優れているのでしょうか。

◆ 日本では先生が一方的にレクチャーをして、生徒はそれをノートにとる、という授業が多いですが、こ

の教育は探求型。単に公式を覚えたり、○×式の答えを出したりするのではなくて、自分で何が大事なの

かを見つけていくものです。例えば、あらかじめ資料を読んで十分理解した上でクラスディスカッション

に臨みます。ここでは、積極的に発言する姿勢が求められ、その後、レポートを書いて提出します。鋭い

洞察力、論理構成力、英語力がなければ高得点は取れません。この繰り返しによって生徒は自然に考える

力がついていく、これが IB教育の一番の魅力だと思います。

また、教科の勉強一筋ではなくて、課題論文の提出(英語 4,000語程度)、TOK(知識の理論=分析的・批

評的な考え方を養うための授業)、そしてスポーツやボランティア活動等、多くのことも同時にこなしてい

かなければなりません。時間もかかってたいへんですが、バランスの取れた生徒が育ちます。それに自分

で望んでやっているから達成感も生まれます。勉強も大事ですが、それよりももっと大切な「人間的な成長、

心の成長」というものが自然に身に付くようにカリキュラムが組まれています。本当によくできている教育

システムだな、とつくづく思います。

最近、IB(国際バカロレア)教育という言葉をよく耳にし

ます。グローバル人材育成のために、この新しい教育を日

本にも広めようと精力的に活動をされている立命館宇治中

学校・高等学校教頭の東谷保裕先生に、日本における IB教

育の現状、将来の展望等についてお話をうかがいました。

立命館宇治中学校・高等学校 教頭(国際教育担当)

東谷 保裕 先生

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― 日本での IB教育に対する取り組みはどうなっていますか。

◆ 2014年 10月現在、日本国内で IB教育を実施しているのは、27校。高校の DPプログラムに限って言え

ば、インターナショナル校ではない一条校(文部科学省の学習指導要領に基づいた教育をする学校)では

立命館宇治高校を入れて 7校に過ぎません。

しかし、この度文部科学省が、「2018 年までに DP 認定校を 200 校まで大幅に増加させる」という目標を

掲げました。これは日本の教育界にとってたいへん大きな改革です。公立高校で実際に導入するのは容易

なことではありませんが、東京都の教育委員会ではすでに準備を始めています。多くの学校関係者が立命

館宇治高校に視察に来られますので、「IB教育の裾野が広がるなら」と、私も公開授業をしたり、アドバイ

スをしたりしてできる限りのお手伝いをさせていただいています。

この教育は、もともとは英語のプログラムなのですが、現在、フランス語やスペイン語でも履修できる

ようになっています。そして、文部科学省が IBに「作ってほしい」と申請していた、日本語で教科の大部分

を受けられる制度、「日本語 DP」のプログラムがこの度認められました。これにより、2016年から日本語で

の履修ができるようになりましたので、IB教育を導入する国内の高校がぐっと増えるだろうと期待してい

ます。

― 日本で IB教育をするにあたり、難しい点はなにかありますか。

◆ まず、日本では小中学生の時に IBプログラムで求められるような探求型の勉強をしていないので、高校

生から突然学習方法を変えようとしても、そう簡単に適応できるものではありません。低学年から大きな

教育の質の転換を図っていかなければ難しいですね。

それからなにより、どうやって優秀な先生を探すか、が問題です。力量のない先生では教えられません。

この教育は、生徒自身が答えを見つけ出していくものですから、たとえ先生に高い能力や知識があっても、

うまく生徒を導いていくようなスキルがなければ生徒を伸ばすことはできません。この、「先生の確保」が

うまくいかなければよい結果は出せないと思います。これは現在すでに IB教育を導入している学校が苦労

している点でもあります。

また、IBプログラムの高校を増やすなら、その卒業生の受け皿となる大学が必要になってきます。導入

するからには、大学の入試制度を変えていかないと、意欲を持った生徒は増えません。

― 今後、日本において IB教育は根付いていくでしょうか。

◆ 根付いてもらわなければ、日本のグローバル化は図れないと思います。高校の教育を変えないと、日本

はなにも変わらない。それを変える可能性があるのは IBだと思います。

ようやくここへ来て、行政が IB教育の導入に向けて本格的に動き始めたので、これから教育界もどん

どん変わっていくだろうと思います。すでに日本の大学もこの 1、2年でずいぶん変わってきました。東京

大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学等の日本の錚々たる大学が IBディプロマを取得した生徒に門

戸を開こうと、入試制度の改革を模索、あるいはすでに改革をし始めました。多くの大学が動きだしたの

で、これからかなり風向きが変わると思います。ただ、環境を整備するには時間もお金もかかります。で

すから、文部科学省が本腰を入れてバックアップしてくれないと実現できることではありません。

― 立命館宇治高校での生徒たちの取り組み方はいかがでしょうか。

◆ みんながんばっていますよ。普通の授業時間だけでは足りないので、8時間目をチュータリング(個人指

導)に、そして土曜日を CAS(創造的な活動=アートやスポーツ、ボランティア等の活動)やエッセイの発表、

生徒同士の会議に充てています。クラブ活動は文化部ならまだしも、運動部との両立は難しいですね。IB

コースを始めた時には、生徒の英語力や能力が高ければいいのではないかと思っていましたが、今では、「何

のためにこのコースを履修するのか、将来どうしたいのか」という強い動機づけ、強い意志がなければ最後

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までやり通すのは難しいな、と思うようになりました。大学レベルの勉強もしますから、みんな、初めは

かなり苦労します。ですが、IBでは結果を出せば、ちゃんと認めてもらえます。取得率 80%程度の統一

試験を経てディプロマを取得した生徒は、世界の大学から高い評価を受けています。うちの学校ではこれ

までに 3回、このコースの卒業生を出しましたが、トロント大学やエディンバラ大学等、海外の大学へ進

んだ生徒もたくさんいます。意外に理系の生徒も多いですね。今年の 3年生にも優秀な生徒がたくさんい

ますので、彼らがこれからどのような道に進んでくれるのか、今から楽しみです。

― 海外で IBプログラムを取っていた生徒が高校途中で帰国後、貴校で継続して IBコースに編入すること

はできるでしょうか。

◆ 高校生の IBプログラムは、カリキュラムを 2年かけて行うことになっています。うちではこれを高校1

年生の 1月に始め、高校 3年生の 11月に最終の統一試験を受けています。ですから、IBコースに編入す

るためには、高校 1年生の 11月の編入試験を受けて入るのがラストチャンスとなります。高校編入の時期

としては少し早いかもしれませんね。

それから、ここは一条校ですから、IBコースにいても、文部科学省で定められた必履修科目も勉強しな

ければなりません。うちではそれを 1年生で集中してやっているので、そのためにも早く編入する必要が

あります。そのかわり、日本の高校の卒業資格と IBディプロマの両方を取ることができるので、万が一、

統一試験でよい結果を出せなくても、他の道を探ることもできます。

― 時間に追われる今の子どもたちには、じっくりものごとを考える余裕があまりないように思えますが、

子どもの思考力を育てるには、具体的に親はどのような関わりをしたら良いのでしょうか。

◆ 親ができることは、「手伝わない」ことだと思います。「いかに子どもを自立させるか」が大切だと思いま

す。あまり親が口出しし過ぎると、子どもが自分で考えなくなります。これまでに、親が過干渉になりす

ぎて、不登校や家庭内暴力となったりする例もみてきました。親は子どもが困った時だけアドバイスをし

てやる。難しいことですが、親は子どもとある程度の距離感を持って、着かず離れず見守ってやるのがい

いと思います。また、お父さんとお母さんの関係がよく、家庭が安定していて、子どもが常に安らげる環

境にあることも大事だと思います。

― 海外で暮らす子ども達にエールを送っていただけますか。

◆ なによりもいろんな経験をしてほしいですね。英語の力は英語圏にいれば自然に伸びてくるので、それ

以外に日本では経験できない文化の違いを吸収してきてほしい。そして、海外では IB教育と同じような探

求型の授業がされている学校も多いでしょうから、それを是非とも身につけて帰ってきてほしいですね。

― お忙しいところありがとうございました。

インタビューを終えて

「日本の教育を変えるのはIB教育だと思います。積極的に外へ向けて発信できる人材を育てないと、

日本はだめになる。高校の教育を変えていかないといけない」という東谷先生の言葉、そして IB教育

に対する熱い思いがひしひしと伝わってきました。

お話をうかがっていて、IB教育はたいへん魅力ある教育法だと思いました。グローバルに活躍する

ための力をつけることができ、そしてやればやっただけの結果も出せるプログラムだと思います。こ

れにより、世界の人々と対等に渡り合えるような、若い力がどんどん育ってくれるとうれしいですね。

できるだけ多くの方々に、この教育を知ってもらいたいと思います。

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「海外の通信教育 やる気にさせる工夫」

― 海外子女教育振興財団の通信教育がはじまった経緯を教えてください。

◆ 海外子女教育振興財団(以降、財団と略)は 1971年に設立されました。具体的な事業活動を企画検討する

教務委員会が設置され、そこでの最重要検討事項として通信教育があげられました。当時、海外に在住し

ていて日本の教育を受けられない子どもの親をはじめ、各方面から強い要望があったからです。政府は対

策を迫られていた時期でもあり、文部省(現在の文部科学省)は、当財団にこの通信教育の研究開発を委託

しました。こうして 1972 年から国の補助事業として、通信教育がスタートいたしました。目的は「海外で

生活する子どもたちが、帰国時に日本の教育水準に適応できる素地を養う」ということでした。

― 現在は世界中で何人の子どもたちが財団の実施する通信教育を受講しているのでしょうか。また、その

中で添削問題の解答を提出するのはどのくらいの割合でしょうか。

◆ 増減はありますが、月ごとの平均とすれば 2,500人ぐらいの小中学生が受講しています。添削問題の答

案を送り返してくれるのは 3割程度ですが、他社の通信教育に比べるとその割合は高いといわれています。

夏休みなど時間に余裕がある時に、まとめて答案を作成して送ってくれる受講生もいます。解答だけでな

く、お便り欄に現地の食べ物や服装などの挿絵を描いて紹介してくれる子もいました。

また、ここ 3年くらい小中学生の受講生数は横ばいですが、2005年から開始した幼児コースの受講生数

が増えてきています。2~3年前までは 270人程度でしたが、今年は 350人程が受講しています。幼児コー

スは、専門の監修者が選定した読み聞かせ用の絵本を定期的に届けるサービスで、4、5、6 歳コースには

簡単な工作教材などもつけております。

― 教材はどのように作成されているのでしょうか。

◆ かつては国語、算数(数学)、理科、社会とすべて紙媒体でしたが、現在、紙媒体は国語と算数(数学)の

みで、理科と社会はインターネット教材となっています。理科と社会につきましては、専用のホームペー

ジにアクセスして、単元ごとに、音声と画像でわかりやすく学習できるように工夫されています。国語と

算数(数学)の教材は、教材作成協力会社と連携して、財団内の編集スタッフや各教科チーフが中心になっ

て作成しております。学習テキストは 3 カ月分を 1 冊にまとめた作りになっていますが、1 カ月ごとの分

量もわかり、学習計画がたてやすいように工夫しています。私どもの通信教育は受験に対応するように作

られたものではありません。あくまでも、帰国した時にスムーズに日本の学習に適応できるように、海外

に住む子ども専用に作られた教材です。

公益財団法人 海外子女教育振興財団 事業部 通信教育チーム

チームリーダー 藤井 達夫 さん

海外で日本の勉強を続けるための一つの方法として、通信

教育があります。この通信教育の教材は、どのようなコンセ

プトのもとに作られ、どのような思いで海外に住む子どもた

ちに届けられているのか公益財団法人海外子女教育振興財

団・通信教育チームの藤井達夫さんにお話をうかがいました。

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― 教材作成において、一番気をつけていることはどのようなことでしょうか。

◆ まずは分量ですね。海外で生活している子どもたちの負担を考え、内容を精選しております。あまり高

度なものやたくさんの分量は、負担になると考えています。それでも、基礎基本の力は落とさぬように必

要最低限のことは学べるように工夫しています。適度・適量という考え方です。また、直接答案をみてい

る添削指導者の意見もフィードバックし、教材作りに反映させるようにしています。

― 初期のころと最近の教材との違いはどんなことでしょうか。

◆ 初期の頃は紙媒体の教材が主体で、朗読教材もカセットテープでした。時代が変わるにつれて、CDやイ

ンターネットを使うようになり、音声と画像と両方の面からも学習ができるようにしました。しかし、教

材提供の形は変わっても、学習の基礎基本を大事にするという姿勢は変わりありません。

― 添削はどのような方がなさっているのでしょうか。また、添削をする上で大事に考えていることはどの

ようなことでしょうか。

◆ 添削をしている方にはさまざまな経歴の方がいます。小中学校の教員経験のある方、教員免許のある方、

海外で子育てを経験した方などさまざまです。添削指導者が集まって指導ポイントを確認する研究会も毎

月開いています。添削をする上で一番大事にしているのは、受講者それぞれのバックグラウンドです。ど

この国にいるのか、どのような学校に通っているのか、渡航時の年齢、滞在年数など、受講生の情報をふ

まえた上で一人ひとりに向かいあうということです。正誤だけをみて判断をせずに、受講者がどのような

ことを考えて答案を作成したのかと考え、「提出した」、「次回も提出するぞ」というやる気をつぶさないよ

うに言葉を吟味して添削しております。

― 提出してもらえるような工夫として、どのようなことをなさっていますか。

◆ 海外で忙しい学校生活を送っている子どもが提出してくれただけでも凄いことなのです。よい解答を

褒め、やる気を高め、学習の継続を促します。締切日の目安はありますが、たとえ提出期限をすぎても、

受け付けるといった柔軟な対応もしております。提出して、もらえるシールが集まったら、ご褒美として

日本の文房具などを届けることもしており、特に低学年の子はとても楽しみにしてくれています。

― 提出される割合が高い教科や低い教科はありますか。

◆ 国語と算数(数学)に関しましては、ほぼ同数です。かつて理科、社会も実施していたころは、国語と

算数(数学)のほうが理科、社会より提出される割合が高かったようです。現在、理科と社会はインターネ

ット学習になったため添削問題はないのですが、Eメールで質問を受けて回答を返信しています。

― 海外において、現地の学校の勉強や日本語補習校などの宿題が忙しくて、通信教育を受講していてもな

かなか答案を提出できないような時に、学習の進め方についてのアドバイスはありますか。

◆ 子どもに負担がかからないように、学習の分量を抑え、算数(数学)など 1カ月で見開き 4ページやれば

よいことになっております。ぜひ計画をたててやってほしいと思います。できる部分だけやるのでもかまい

ません。それでもできない時には、できる時にまとめてやってもよいのです。とにかくやめないで、どんな

形でもいいですから継続してほしいです。副教材の朗読 CD やドリルなども充実しております。メインのテ

キストに取り組むのが無理ならば、ドリルだけやろう、朗読 CDだけでも聞こうというのでもかまいません。

― 子どもの学習がなかなか進まない時に、親はどのように子どもを励ましたらよいのでしょうか。

◆ 低学年のうちは、子どもだけに任せずに親も一緒に取り組んでほしいですね。できなかったことに対し

て決して叱ったりせずに、プラス面を見つけて「今日は○○ができたね」、「××日分もやったね」、「すごい

ね」などやる気のでる一言をかけてあげてください。高学年以上は、なるべく子ども自身でがんばってほし

いです。実現できそうもない学習計画をたてるのではなく、無理なくできる学習計画をたててほしいです。

くしゃくしゃになった答案が送られてきたこともありました。そこに付いていたお母さんのメモには、子

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どもが「もうやりたくない」と丸めてゴミ箱に捨てようとしたが、なんとか説得して取り組んだと書かれて

いました。

― 提出したらそれで安心して終わり、ということも多いかと思います。添削されてもどってきた答案の活

用法を教えてください。

◆ 添削指導には解説があります。「どうしてそうなるのか」、「どうしてそのように考えるのか」ということ

をアドバイスしたり、「教科書やテキストの○○ページのここに書いてあります」という案内をしたりしま

す。それらをしっかり読み返してもう一度考え、力をつけてほしいです。

― 子どもの思考力を高めるためには、どのようなことが大切なのでしょうか。また、海外において、日本

語の学習を継続させるために親が子どもにできることのヒントをください。

◆ 思考力は物事を考える力です。よく言われていることですが、人は何かを考える時には「言葉」を使いま

す。言葉の数、つまり語彙が多ければ多いほど、広く大きくかつ繊細に物事を考えられる可能性が高くな

ります。語彙が多くて、その使い方が上手であれば、思考力が高まります。語彙力とその使い方に優れた

人たちが文字に書き残したものが「書籍」です。多くの本に触れることは、物事を考えるための「言葉」を豊

かにし、思考力を高めることにつながります。子どもの思考力を高める有効な手段の一つは読書だと思い

ます。

一方、海外での日本語の学習は、まず、通信教育をされている方は継続することが大事です。そして、

幼児や低学年の子には日本語の本の読み聞かせをしてあげる、高学年の子には読書を促すなども必要です。

もちろん書くことも大事です。日記をつけさせるのもいいでしょう。低学年だったら一行日記でも十分で

す。日本の DVD を観たり、子ども新聞などを読んだりすることもよいでしょう。海外に暮らす子ども対象

の文芸作品コンクールなどに応募するのもいいですね。現地校やインターナショナル校に通う子どもは、

一時帰国時に日本の学校に体験入学することもできます。これらの一つでもよいので、その子に合った方

法で日本語の学習に対するやる気を鼓舞し、継続させることがなにより重要です。

― 海外に住むお子さんのいるご家庭へのメッセージをお願いいたします。

◆ 海外の現地校やインターナショナル校に通っている子どもは、その学校の勉強に一生懸命取り組まなけ

ればならないため、時間が足りず、せっかく通信教育を受講していても手がつかないという人も多いこと

でしょう。しかし、何度も言うようですが、受講している人は少しの時間でもいいから通信教育の学習を

継続してほしいと願います。日本の子どもが学習するのと同じだけの質と量の学習は、海外においてはで

きません。あれもこれもと欲張らずに、何が本当に必要か、できるのかを上手に選択してあげてください。

― 本日はお忙しいところありがとうございました。

インタビューを終えて

虎ノ門ヒルズの真横にある海外子女教育振興財団の東京本部にお邪魔しました。藤井さんは海

外に住む子どもたちが日本の勉強を続けられるように作られた通信教育教材について熱く語って

くださいました。

ご自身には海外生活経験はないとのことでしたが、海外に住む子どもの忙しいスケジュールや

ストレス、またそれを見守る親の焦りなどよくご存じでした。たくさんの事例と正面から向き合

ってきた証だと思いました。「無理をさせずに基礎・基本」というお言葉は、ついつい欲張りにな

りやすい親にとって耳の痛いことです。藤井さんをはじめとした通信教育チームは、海外在住の

日本人の子どもたちの力強い味方です。これからもやる気が出て、継続できる教材の開発をお願

いいたします。

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かけはしリポート (第10回)

「海外における日本の通信教育の利用とその実態」

・はじめに

いずれ日本に帰国するという大前提のある海外駐在員にとって、どのような方法で子どもに日本の勉強を

続けさせるかということは大きな問題だと思います。みなさんそれぞれに、工夫をされていることでしょう。

日本語補習校に通うこと、日本語の本を読むこと、塾に通うこと、通信教育などなど。ここ十数年で通信教

育の中でもインターネットを利用した学習システムが普及してきました。メールで質問をすることができた

り、テレビ電話などで指導者と直接対話ができたりするものもあるそうです。学習方法は多様化しています。

そのため、みなさんそれぞれ自分の子どもに合った学習方法を考えているはずです。しかし、現地校の勉強

や習い事などで忙しい子どもたちが時間をやりくりして日本の勉強をするということは、どんな方法を選ぶ

にせよ簡単なことではありません。もちろん子ども任せにはできず、親の叱咤激励が必要となります。

今回のリポートは、これら数ある学習方法のうち、通信教育に着目して、その利用の実態を調べることに

しました。実際にどの程度の割合の子どもが海外において利用したか、またどの程度の頻度で答案を返却で

きたのか、そして、親がどのような感想をもったのか、簡単なアンケート調査を行い、分析と考察をしまし

た。みなさんの意見をまとめたこれらの結果が、現在海外で通信教育を受講している人、また今後受講を希

望する人たちの参考となれば幸いです。

・アンケート調査について

① 目的:「海外における日本の通信教育の利用とその実態」についての調査

② 実施期間 2014年 9月~10月

③ 対象:かけはし会員を中心にその友人や知人など、海外に同行した子どもを

現地の学校に通わせた経験のある人、あるいは、現在通わせている人

④ 質問内容:回答選択方式。子ども一人について、一つの学校区分で一回答

1 子どもそれぞれについて、海外における日本の通信教育受講の経験の有無

(小学校、中学校、高等学校別回答)

2 通信教育を受けていた場合、答案提出回数はどのくらいか(毎回、数回、ゼロ)

3 一言感想(自由記述)

⑤ 回答数 小学生 137、中学生 61、高校生 26

・結果

1 海外における通信教育受講の経験

図1は「海外における通信教育受講の経験」の割合を小学生、中学生、高校生別に表したものです。小学生

137、中学生 61、高校生 26と回答数にばらつきがありますが、数字は「受講した」か「受講していない」かそれ

ぞれについて全体に対する割合です。小学生では 3 分の 2 にあたる 66%が受講したという経験があります。

中学生、高校生ともなると「受講した」と「受講していない」がおよそ半数ずつでした。

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高校生

中学生

小学生

海外での通信教育受講の経験数字は%

受講した 受講していない

2 通信教育受講者の答案提出頻度

海外で通信教育受講経験者に答案提出頻度を尋ねました。小学生、中学生、高校生別に「毎回提出した」、「数

回提出した」、「一度も提出していない(0回)」の 3つの回答のうちのひとつを選んでもらいました。

図 2はその結果です。

61

53

41

31

37

44

8

10

15

高校生

中学生

小学生

海外での通信教育受講者の答案提出頻度数字は%

毎回 数回 ゼロ

海外で通信教育受講経験のある小学生 91人、中学生 31人、高校生 13人の提出頻度については、毎回提出

している割合は高校生が一番高く、中学生、小学生の順に割合が低くなっています。逆に、数回提出あるい

は、提出回数が 0という回答は小学生の割合が高く、中学生、高校生の順になっています。

3 親の感想

自由記述であったために多様な答えがでてきました。小学生で毎回提出していたという人は「景品がほしか

った」という理由がほとんどでした。その他「朗読 CD を楽しんだ」、「友だちと励ましあってやった」というも

のもありました。「景品」という言葉がでていたのは、小学生のみです。中学生や高校生で毎回提出していた

人は、「負けず嫌いな性格だった」、「休みにまとめてやった」、「無回答」でした。「気休めにやったが効果があ

ったとはあまり思えない」というものもありました。小学生、中学生、高校生ともに、数回提出したという回

答および、一度も提出していないという回答を選んだ人は「現地の学校の宿題などでやる時間がなかった」と

いうのが大半でした。「親があきらめた」、「たまってきて嫌になった」という意見もありました。通信教育を

受講しなかった理由としては「塾に通っていた」、「日本人学校に通っていたので必要性は感じなかった」とい

図 1

図 2

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関西帰国生親の会かけはし会報 Vol.32 (2014年秋冬号)

10

うものでした。

・考察とまとめ

小学生の場合、中高生に比べて受講率が高いですが、答案提出頻度が低いことがわかりました。親の感想

を読む限り、教材選択は親が主導となることが多いようです。なんとなく気軽に申し込みだけはして教材を

手にしているが、「時間がなくてできない」、「小学生だからまだそんなに無理やりやらせなくてもいいかと思

った」など、現地校の勉強を優先させるために教材がたまってしまうといった意見が複数ありました。時間の

制約がなくて、いつでもできるという通信教育の利点が仇となり、「後でやればいい」、「いつかやればいい」

とつい後回しになってしまった例です。それでも夏休みなどの長期の休みに、「まとめて提出した」という話

もありました。学習目的とは、ずれてしまいますが、小学生の特典であろう「景品」を手に入れるために毎回

答案を提出してがんばっている子どももいました。

滞在地に塾があるところでは、特に小学校高学年以上では、通信教育講座の利用よりも塾を選ぶことが多

いようです。中学生以上ともなると、本人の意思で通信教育教材を選択するかしないかを決める場合が多い

ため、自分で選んだ勉強法ですから、提出率は小学生よりも高くなります。

日本でも海外でもずっと通信教育を継続していたという例では、帰国しても学習についてはさほど困るこ

とはなかったので「やっていて本当によかった」という感想でした。日本で習慣づけた学習のスタイルをその

まま継続できたそうです。もちろん大きな努力もあったことでしょう。その他、「日本人の子どもたちが集ま

ってみんなで励ましあって通信教育をやったので毎回提出できた」という例もあり、みなさんでよく工夫をさ

れていたと感心します。

提出できなかった一番の理由は、「現地校の宿題と週末の日本語補習校の宿題に追われ時間がなかった」と

いうものでした。忙しい子どもたちに学習の無理強いができずに、親が先に「まあいいか」と諦めてしまった

ことが大きな要因のようです。「非英語圏であったために言葉が通じず、郵便局に行くことができずに出せな

かった」というものもありました。本人は「子どもに申し訳ない」と言っていましたが、非英語圏に住むという

経験をした人にとってはこのような思いは理解できるものです。

海外における通信教育についてこのように述べていた人がいました。滞在国の郵便事情から、答案を提出

してから添削されてもどるまでに 2カ月近くかかっていました。それでも息子は、添削答案に書いてある励

ましの言葉を楽しみに、はじめのうちは毎回提出していました。しかし、数カ月前に書いた答案では、内容

が思い出せず、まるで他人の答案をみるような気分になっていったのだと思います。息子はだんだん添削に

興味がなくなり、返送された封書を開けなくなりました。そしていつの間にか教材をやらなくなりました。

添削者の手書きの文字や言葉の温かさ、優しさは学習者の励みとなりやる気につながります。一対一で自分

だけを見てもらえるという安心感もあります。しかし、添削者との顔の見えない関係は、どうしても稀薄に

なりがちで、「まあいいや」と後回しになることもあるでしょう。答案の内容を忘れたころのフィードバック

では効果が弱いことも否めません。このようなことも、海外通信教育の今後の課題と考えられるのではない

でしょうか。

自分が「お母さん先生」になった人もいました。母親が添削者となり、子どもへの励ましのメッセージを書

き込むことによって、「親子の絆も深まった」というものでした。教材の新たな活用法です。

今回の調査を通して、海外において「日本の子どもと同じ学習を行う」ことは大変に難しいと感じました。

海外ならではの経験を大事にするとともに、日本の学習の継続についてどのような形が「自分の子どもに望ま

しい」のか、そして子ども任せにせずに「親が本当にサポートできるのか」ということをよく考える必要があり

ます。試行錯誤の繰り返しとなるでしょうが、親子で納得のいく方法をぜひ見つけてほしいものです。

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異文化でドッキリ! <マナー編> 毎回驚きいっぱいの異文化でドッキリ。今回は各国でのマナーにまつわるお話です。

イスラム教徒が全国民の約 9 割を占めるイン

ドネシアでの断食月。夜明けから日没まで一切

の食物を断つのですが、その他の宗教の国民や

外国人は、そうはいきません。彼らの前で水を

飲むときは「ごめんなさい」と一言ことわる等の

マナーが必要なのですが、私が驚いたのは、外

食店。その時期になると、ガラス越しに店内が

見えるようなお店では、ガラスに白い幕をはっ

て中で食事をしている様子を隠してしまうので

す。確かに目の毒ですよね。ちなみに、その後

駐在したシンガポールやマレーシアでは、その

ような配慮が全くなく、そのことにも驚いた覚

えがあります。(インドネシア)

お店に入ろうとしたら知らない男性がスッと扉

を開けて先に通してくれ、そんなことをされたこと

のない私はとても感激。男性は女性にとても優しく

レディーファーストがマナーとされています。

(アメリカ)

小学校でランチのお手伝い。見回りながら手を

挙げた子のヘルプをします。一番びっくりしたの

は、ゴミの捨て方。リサイクルできるものとでき

ないものとを大きなゴミ箱に分けるのですが、全

く区別がつかないくらい、どちらにも生ゴミがい

っぱい。最初は思わずつまんで分けてみたりして

いましたが、誰も気にしないのが分かって、やめ

ました。下に散らばる食べこぼしも、掃いていま

したが、それもやめました。どんどん日本人感覚

が薄れていく気がします。(アメリカ)

イスラムの女性が肌や髪を見せないことはよ

く知られていますが、実は男性も肌を露出するの

はマナー違反です。テニスの後に半そで、半パン

でスーパーへお買い物に行って、追い出された方

がいます。(サウジアラビア)

ハワイの家庭では、裸足で家で過ごすのが当た

り前。家から裸足のまま車に乗って学校に行く子

どもが実際かなりいる。学校からきたスクールト

リップのレターには「靴を履いてきましょう」と書

いてあった。某ファストフード店には裸足禁止マ

ークが貼られている。(アメリカ)

イタリアの野菜・果物を扱っている店やスーパ

ーには、必ず使い捨てのビニール手袋が置いてあ

ります。どうやら素手で触るとバイキンが品物に

つくという考えのようです。妊婦さんは、専用の

洗剤(?)で野菜、果物を洗ってから調理したり、

食べたりするほど気をつかうそうな。

買うときはビニール手袋をして、欲しい数だけ

袋に入れ、そのままレジに持って行く、あるいは

商品のナンバーを秤に入力し、出てきた値札シー

ルを貼って、レジに持って行くかどちらかです。

野外の市場などでは、お店の人に取ってもらいま

す。キャベツを買うのに、こっそりちょっと触っ

て硬さを確認していたら「シニョーラ!」ってお

店の人に怒られてしまいました。(イタリア)

ドイツでは人前ではばかることなく、鼻を思い

っきりかみます。風邪ひきのときなど永遠に出続

ける鼻を、人前でかむよりはズーズーすすってい

るほうが美徳とされる日本の習慣には、もともと

かなりの反感を抱いていました。ドイツ人がいつ

でもどこでも豪快に「ぶーっ」と、レストランのナ

プキンのような分厚いポケットティッシュで鼻

をかむのを初めて見たときには、まさに目からう

ろこ。帰国後かなりの年月が経った今でも、そこ

だけはドイツ人風を貫いております。(ドイツ)

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海外の学校を紹介します

ジェームス・ベイ・コミュニティ・スクール

(カナダ・ブリティッシュコロンビア州ビクトリア市)

加藤 柚香

わたしは 3年間、カナダのバンクーバーからフェリーで 2時間ぐらいの

ビクトリアという街に住んでいました。ビクトリアはとてもきれいな所で、

町は花がいっぱい。美しい海にかこまれて、近くには湖やサケの上ってく

る川があり、動物もたくさんいました。

わたしはその中のジェームス・ベイ・コミュニティ・スクールという、

全部で 160人ぐらいの現地の学校にグレード 2から 4までいました。小さ

な学校だけど、しばのグラウンドはとても広くて、向こうのはじが見えな

いほどでした。子ども達も先生もとてものんびりしていて、ランチやスナックタイムは広いフィールドにす

わって、カモメにえさをやりながらおいかけっこやホッケーをして遊びました。でもたまにクーガー(*)が

来るので、その時はけいさつが来て、外で遊べませんでした。

クラスには色々な国の子がいて、しゅう教やそせんの授業のとき、クリスチャンやブディスト、マズラム

やジュウィッシュなど本当に色々なしゅう教をみんな持っていてびっくりしました。せいかくも、わがまま

ですぐに泣く子、やくそくを守らない子、いばった子やおもしろい子、スポーツがとくいな子など色々です

が、みんな積極的で、授業はいつもわいわいうるさかったけど楽しかったです。

こんな自由なカナディアンですが、クロスカントリーのレースはちがいます。年に 2シーズン、全部で 12

回あるレースに、全ビクトリアから参加したい子がやってきます。シーズン中は朝 7 時に学校に集まって、

近くのビーチや公園まで 3キロぐらい走り込む練習をします。

レースの時はみんな必死です。レースをする公園は丘や林があって広大で、

となりに湖や海があるすてきな所です。そこを、つかれても、おなかがいた

くなっても、泣きながら力いっぱい走ります。わたしは最初からとばして先

頭グループに入り、さいごも全力でランナーをぬくようにがんばりました。

一番よいスコアは 200 人中 12 位!むらさき色のリボンがもらえた時はうれ

しかったです。

走ったりするのは楽しいけれど、苦しい時もたくさんありました。でも、

友達や先生と練習したりおうえんしたり、それから朝の人のいない時、気持

ちいい風とけしきの中で走ったことは、わすれられない思い出です。いつか

ビクトリアに帰って、学校のお友達と会いたいです。

(*) クーガー(cougar):ピューマのこと。カナダ南部、アメリカ北東部からパタゴニアに分布する肉食獣。

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娘の留学・ふたたびイギリスへ

2013年 9月、大学 2回生の娘は日本を離れ、イギリス南西部にある Exeter

大学へと向かいました。比較的治安もよく、海岸からほど近い静かな学生の

街にあり、ヨーロッパ圏からの留学生も多い総合大学です。著名な卒業生に

は Harry Potterの著者 J.K.Rowlingがいます。

娘にとってのイギリス留学は常に心の中にあり、いつ決心したというもの

ではないようです。父親の海外赴任に伴って、物心つく前の生後 6カ月から

8歳まで暮らし、中 1の夏にも短期留学をした第二の故郷イギリス。いつか

成長した自分の目で確かめ、暮らしてみたいという思いがあったそうです。親としても、馴染みがあり、知

り合いもいる国へ娘を送り出すということで大きな心配も無く、どちらかと言えば気楽な気持ちでした。

いよいよ期待と不安を抱え、娘の新生活がスタート。滞在した寮はキャンパス内にあり、共同生活者は全

員が年下の現地新入生、女子 7人。生活必需品の買い出し、履修登録、新入生歓迎パーティー参加や部活動

見学など、渡英早々にめまぐるしい日々。加えて、夜はクラブ(社交場)やパブに繰り出し、パーティーもし

ばしば。日本でぬくぬく過ごしていた娘は、現地学生のパワーに圧倒されっぱなし。そして、ひとたび授業

となると教授と白熱した議論を交わし、レポート提出やテスト期間には、24時間オープンの図書館は空席が

ないほどの混雑ぶり。「彼らの切り替えの早さと集中力には大いに刺激された」と話してくれました。娘は、

文化人類学系及びビジネス系の授業を履修したのですが、少人数でディスカッション形式だった上級生向け

のクラスもあり、授業前準備だけでも大変で涙したことも度々。とにかく皆についていくのに必死だったよ

うです。にもかかわらず、留学生活を更に充実させるべく大学の公式バスケットボール部に入部。選抜チー

ムに所属し、週 6日の練習にも参加しました。過去に二度、バスケットボールで膝に大怪我をし、手術もし

ているため、親にはさすがにすぐには言えなかったようで、暫くたってそれを聞いた時の私の立腹と落胆と

言ったら… 親の心子知らず、とはまさにこのことだと痛感しました。結果的には怪我もなく、フランス、ハ

ンガリー、スペイン、香港など各国から来た学生と出会い、充実した日々を送れたようでほっと胸をなでお

ろしました。そして、Exeter大学バスケットボール部は地区優勝を果たし、メンバー全員で大興奮、歓喜の

渦。「その瞬間その場にいたことは、一生忘れることのない素晴らしい想い出になった」と娘は言います。

二度の長期休暇中には、幼少期に孫のように可愛がってくれたイギリス人老夫婦宅をその都度訪れ滞在し、

クリスマスは以前にホームステイした家族の下で過ごし、また年越しはバスケットボール部のフランス人の

友人実家にお招きいただいたそうで、駐在時代に築いた関係や新たな出会いに親子で感謝しました。

2014年夏、何とか全履修科目の単位を修得して帰国した娘は、「素晴らしい経験であったことはもちろん、

日本を客観的に見ることができた。食事の支度や洗濯と学校生活との両立を図り、時間配分を考えるように

なった。また、寮生活や部活を通してコミュニケーション能力と他者との協力、自力で問題解決をする力を

多少なりとも身に付けることができた」と振り返ります。「1年でも親から自立し、家族の大切さを感じた」と

聞いた時には、気恥ずかしいながらも、少しは親の心が分かったのかしら…と嬉しくなりました。

現在は、留学を控えた後輩が海外で有意義な 1年を送る一助となるよう、留学報告会に属し活動していま

す。今回は自分の意志で、目で見て歩いたイギリス。彼女にとってより近く大切な故郷になったことは間違

いありません。将来に関してはまだ模索中とのことで、母として静かに見守りたいと思います。

かけはし会員 虫明 眞美

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学校案内編集部より

『帰国生への学校案内《関西》2015』の発刊を終えて

今年もおかげさまで無事学校案内を発刊することができました。ご支援ご協力をお寄せくださった皆さま

に、心よりお礼申し上げます。今年は「帰国生が直面する悩み」をテーマに記事を作成しました。悩みはあっ

ても自ら成長を続けていく子どもたちのたくましさも感じて、母親としても勇気づけられる思いでした。今

年も熱い思いで制作に取り組みました編集部員の声をお届けいたします。

◇お子さんと学校との出会いに、この本がお手伝いできたらうれしいです!

◇母親目線で語られた言葉たちに注目してください。

◇親にとって大切な子どもたちに関する悩みは共通、この本が少しでもお役に立てるなら幸いです。

◇かけはしの学校案内だからお伝えできる内容や思いをお届けできたらうれしいです。

◇かけはしの熱意がこもったあつ~い 1冊です。ぜひ、手に取って見てみてください!!

◇学校案内に関わるさまざまな方々と共に制作にたずさわれたことに感謝しています。

◇今年も全員で力を合わせ心のこもった 1冊ができあがりました。ひとりでも多くの方に届きますように…

◇取材での先生方のお話に学ぶことがいっぱいあって、自分の子育てにも役立っています。

◇「子どもを想う母の力に勝るものはなし!」を実感しています。

◇若い力で進化を続ける本誌が、皆さまのお役に立ちますように。

レッツトーク 2014秋 実施報告

話せてよかった! 聞けてよかった!

すがすがしい秋の日、今年 2 回目のレッツトークにたくさんのゲストをお迎えしました。私のテーブルで

は自己紹介とともに「赴任中に自分自身頑張れたこと」を披露。語学習得、現地の食材を使い工夫した献立、

手に入らない日本の味(肉まんや和菓子)の手作り秘話など共通の

経験や話題から話が弾み、現地でのお母さんパワー炸裂の思い出を

共有できました。その後はこれから出国される方のための現地情報、

帰国後の学校の選び方、受験、語学保持など終了の時間になっても

話が尽きないほどの盛り上がりでした。

参加された方からは、

「これまで悶々としてきた悩みや疑問を払拭できました」

「出国に際し、知りたかった情報を得ることができました」

「学校案内を熟読して学校を選びました」など

うれしいお言葉をいただきました。海外生活の思い出や体験を話すことで現地に思いを馳せることができま

した。すべてのことに解決策が見いだせるわけではありませんが、悩みや思いを話したり聞いたりすること

で、少しでも心が軽くなっていただければと思っております。来年 2月 26日に予定しています次回にも、た

くさんの方々とお会いできるのを心待ちにしております。(団子三兄弟)

*写真はプライバシー保護のため画像処理をしています。

2014年 10月 16日

大阪にて

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帰国して 4 カ月。荷物の山が小さくなってきたかと思ったら、主人も本帰国決定。また荷物との闘い

です。先週、「片づけ」と称して訪れた主人のアパートでは、食材整理のためお好み焼きを焼き続けた私。

結局大好きな生牡蠣は、通っていた魚屋で買ってきてホテルの部屋で。お洒落なマダムとは程遠い卒業旅

行でした。(ハム切りおばさん)

思うところありまして、片づけ実行中。引越しが多いので荷物が少ないと思われがちですが、出るわ

出るわ! 駐在前の品々。でも今回、一番古かったのは私が幼稚園の時に買ってもらった鏡。嫌いな歯医

者の帰りに泣きながら買ってもらったんだっけな・・・ これは永久保存ですっ!(Ibu Anak Cinta)

真っ青な空にいわし雲。遠くの山々まで見える澄んだ空気。 思わず空を見上げ深呼吸! 1 年ぶりの

日本の美しい秋・・・ なのになぜか PM2.5 値とにらめっこした日々が懐かしい・・・ 3 度目の駐在から帰国し

て 3カ月。慣れているつもりだったけど、気持ちの切り替えに少々手こずっています・・・ (あろまま)

アメリカに来て 2 カ月余り。ようやく 3 人の子どもたちの学校生活も落ち着いたので、愛犬のトレー

ニングクラスをスタート! 大きな犬たちに囲まれて、はしゃぎ過ぎの我が犬ですが、これからますます

睦まじい愛犬との時間が増えそうです。(Ruby)

スーパーの 50円コロッケ、一袋 100円のチクワ、5個入 88円あんパン、10円の駄菓子。帰国当初は、

全てに「おいし~、おいし~」と感涙にむせいでいた娘たち。半年経過の今や「飽きた」の一言で、向こうの

ヌガー入りチョコバーや、油ジュワジュワのドーナツだのを夢に見るんだそう~ 母の手作りおやつの評

判は勿論地の底です。(寂しい母)

レッツトークに久しぶりに参加しました。帰国されたばかりの方、駐在間近な方、帰国後 10年以上経

ってしまっている私も入れていろいろな方が参加していました。みなさんお子さんのために本当にいろい

ろと悩んだり苦労したり・・・ とってもいいお母さん。でも、考えすぎるのがよいのか、考えない方がよい

のか、本当に難しいと改めて考えさせられた一日でした。(応援まま)

☆ イタリア生活開始。滞在許可証、住民登録、健康保険証とそれぞれ取得に数カ月ずつかかる。住民登録

がないと銀行口座の開設できない。手持ちの現金底つきそう。誰か私にユーロ貸して!(ままったり)

☆ 会報発行のお手伝いを始めてこれで、何回目になるのかしら? いまだに毎回、バタバタですが、でき

あがった会報を手にした喜びは、格別です。さあ、また次もがんばろうっと。(ごくみ)

☆ 17年ぶりに就職しました。なにがしんどいって、毎朝同じ時間に家を出ること。こんなに大変だったと

は。実家から出勤していたころが懐かしい今日この頃です。(マッキー)

☆ 大都会でもやっぱりアメリカ。「廊下で臭いがするのはエレベーターからの煙が原因だから」とだけアパ

ートの館内放送が流れたけれど、この説明にかえって不安になったのは私だけ?(アルト)

☆ 授業の一環で「ハムレット」公演の前日最終リハーサル。娘がなかなか帰宅しないのでお迎えに。学校か

ら出てきたのは 22時半をはるかに回っていた。遅くなるとは聞いていたけれど・・・(トホホの母)

会員のつぶやき

編集後記

会報 Vol.32、お楽しみいただけましたか? ご意見、ご感想をかけはし事務局までお知らせください。

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関西帰国生親の会かけはし会報 Vol.32 (2014年秋冬号)

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・藤内博(前リオデジャネイロ日本人学校長、元大海研会長) ・匿名(個人) ・匿名(団体)

<関西帰国生親の会かけはし編>

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