Twitter case study of pitney bowes rev1
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Transcript of Twitter case study of pitney bowes rev1
B2B企業であるPitney Bowesは、組織・部門、担当者、製品・ソリューションという複数のTwitterアカ
ウントが、それぞれの担当範囲の中で独自ニュース・情報・コンテンツを発信し、他ユーザにリプライ、他ユーザTweetをRTすることで情報・コンテンツのタッチポイントを複層させ、露出を増加させている。
それぞれのアカウントは、自社アカウントともリプライ RTで連携している 加えて インフルエンサイ・RTで連携している。加えて、インフルエンサー・
コンサルタント・アドバイザー、他社マーケター、マーケティング企業やメディアが発信する情報・コンテンツをリプライ、RTすることで、ユーザに多様な価値を提供している。
これらにより、単一・単独アカウントからの画一的、一方的、一方通行のコミュニケーションではなく、複数アカウントからの複層したコンテンツ発信、リプライやRTすることで他ユーザとのエンゲージメン
トから、多様なコンテンツを統合的に提供することができ、フォロワー増加に寄与し、Pitney Bowesの総体的なブランド露出、および顧客・ユーザに対して最適な価値提供を行っている。
これは、「社内アーリーアダプターによる早期のアカウント開設 長期間のリスニングによる知見獲得カウント開設、長期間のリスニングによる知見獲得、インフルエンサー等をフォローすることによるネットワーク構築、Tweet開始によるオリジナルコンテン
ツや他ユーザのインサイト発信により、ユーザの信頼を獲得する」というフローが確実に機能したことが大きい。とが大きい。
注意:ただし、これはTwitterという単独チャネルによる結果ではない。左のようにPitney BowesはLinkedIn、Facebook、YouTube、Flickr、SlideShareなどに参 も 自 営参加している。また、Blog、Forumも独自に運営し
ている。このように複数チャネルによるユーザユーザエンゲージメントが背景にある点に注意が必要。
郵便発送関連機器、情報提供最適化ソリューション、ロケーション情報GISソフトな
Pitney Bowes Twitterまわりの現状
本社アカウント郵便発送関連機器、情報提供最適化ソリュ ション、ロケ ション情報GISソフトなどを提供するB2B企業であるPitney Bowesは、以下にあげる4種類のTwitterアカウントを活用している。1. 組織・部門ごとのTwitterアカウント2. 担当者ごとのTwitterアカウント3. 各国現法ごとのTwitterアカウント4 ソリ ション サ ビス 製品ごとのTwitterアカウント
本社アカウント
4. ソリューション・サービス・製品ごとのTwitterアカウント
組織・部門アカウントは、本社公式カウント(@pitneybowes)、ケーススタディ・インサイトなどを発信する@PBconnect、カスタマーケアを担当する@PBcare、プレスリリースを発信する@PBnewsがある。
これらに加えてColetteCoteやAnetaHallを筆頭に、広報宣伝、ソーシャルメディア、IRなど社内各部門の責任者や各国現法のアカウントなどがある。また、MapInfoProのように企業向けソリューション用のアカウントもある。すべてを合計すると約30個のアカウントがある。
Pitney Bowesは 一部の広報・宣伝やソーシャルメディア戦略担当者だけではなく
ケーススタディ・インサイト等発信アカウント
Pitney Bowesは、 部の広報 宣伝やソ シャルメディア戦略担当者だけではなく、全社的にTwitterを導入し、積極的で多様な情報・コンテンツ発信、ユーザとの会話、エンゲージメント強化を行っている。
広報アカウント
カスタマーケア
グローバル・マーケティングコミュニケーション戦略担当
ケアアカウント
ソーシャルメディア戦略担当
IR担当Pitney Bowesオーストラリア
アーリーアダプター:リスニング フォロー Tweet 信頼獲得フローアーリーアダプター 公式アカウント ソリューションアカウント 各国苦戦
Pitney Bowes Twitterアカウントの詳細
アーリーアダプター:リスニング、フォロー、Tweet、信頼獲得フロー
AVGoldberg、Anetah、ColetteCoteは、まず、関係する顧客企業・ユーザの現状
を把握するためリスニングに徹し、その中からインフルエンサーや注目ユーザなどをフォローすることで、ネットワークを広げることから始めている。
アーリーアダプター、公式アカウント、ソリューションアカウント、各国苦戦
2007年4月にAVGoldbergが開始。2007年10月にソーシャルメディア戦略担当のAnetaHall 、2008年6月にはColetteCote(グローバルなマーケティング戦略担当)、も開始している。2008年にはそれ以外にもctwordsmith、bhannanなどが開始している。彼らアーリーアダプター(赤字)がTwitter導入・評価を先導した。
加えて、自社ニュース・情報・コンテンツの制作および配信体制整備を行うために、Twitterユーザがリンク、共有する情報、コンテンツに関しても調査・評価していたと見られる。
その後、Tweet数を増やしながら、上記ネットワークを活用し、自社コンテンツ以外にも様々なコンテンツを引用 リプライ RTすることで多方面に露出し始めている。
AnetaHallがアカウントを開設した後、約1年半にわたり社内外における検証、影響評価、導入試験などを終えて2009年4月、6月に、公式アカウントであるPBconnect、PBnews、PBcaresが開始されている。
また 製品・ソリューションごとに適宜 Twitterアカウントを開設している。 にも様々なコンテンツを引用、リプライ、RTすることで多方面に露出し始めている。
その結果、ユーザに価値を提供するアカウントとして信頼され、多くのユーザがフォローし、そのユーザをフォローバックすることで、RT、DMやリプライといったやりとりが発生している。それがTweet(数)、フォロワー数へと反映されている。
また、製品 ソリュ ションごとに適宜、Twitterアカウントを開設している。
しかし、2009年5月以降に開始された各国現法ベースのアカウントは苦戦している。特にカナダはTweet数が少なく、フォロワー数も少ないといった負のスパイラルに陥っている。オーストラリアも自社関連ユーザのフォロワーが多い。
Source: TweetStats 各数値は2011年3月28日時点 Tweets(現在までの総Tweet数)、@day(1日当たりのTweet数)、@month(月当たりのTweet数)、replies(リプライ率)、RT(retweet率)、followers(フォロワー数)、following(フォロー数)、Since(Twitter開始月)
「リスニング、フォロー、Tweet、信頼獲得」フローにより、フォロワー、影響力、共有コンテンツ増大、そしてエンゲージメント強化へ
Pitney Bowes @anetahアカウントの詳細
Pitney Bowesのソーシャルメディア戦略担当者、アーリーアダプターであるAneta Hallは、2007年10月からにTwitterを開始。継続的にTweetを発信し始めた2008年6月までの間は月に0~2回程度のTweetしか記録されていない。2009年の公式アカウント開始後のQ3、Q4期に活発にTweetして露出拡大に努めている。2011年3月末時点でTweet数累計4,248回、5.9回@日、114回@月、リプライ17 80% RT39 02% follower2 279人 following2 399人がいる
2008年6月 18 Tweet(リプライ6回:33.3%)
リス ング、フォ 、Tweet、信頼獲得」フ により、フォ ワ 、影響力、共有 ンテンツ増大、そして ンゲ ジメント強化
リス ング フ 段階17.80%、RT39.02%、follower2,279人、following2,399人がいる。リスニング・フォロー段階(2007年10月~)アカウント開設、関係企業・ユーザ、インフルエンサー等をリスニング・フォロー開始。Tweet数も少なく、社内外の個人的な知り合い、あるいはFordのソーシャルメディアマネージャであり、インフルエンサーとして著名な@ScottMontyなどへ単発的にリプライしているが、RTは基本的にない。Tweet 段階(2008年6月~)
後 プ
リスニング・フォロー段階
2008年Q4から本格的にTweet 開始。公式アカウントを開設した2009年Q2前後にはリプライとRTがほぼ同率。AdAgeに毎週コラムを書き、インフルエンサーとして名高く、フォロワー・ネットワークの大きいEdelmanの@SteveRubelなどへもリプライ、MarketingProfsなどをRT。信頼獲得段階(2009年8月~)Q3からTweet急増、RTが過半数以上を占めてリプライは10%以下へ、eMarketerなどへリプライ、GuyKawasakiなどをRT。公式アカウント(@PBnews、@PBconnect、@PBcares)を積極的
2009年6月 176 Tweet(リプライ41回23.3%、RT42回23.9%)
イ、GuyKawasakiなどをRT。公式アカウント(@PBnews、@PBconnect、@PBcares)を積極的に支援するRTを実施。2011年に入り、リプライ率が10%台前後、RT率は30~40%台へ。
(注:4段階それぞれは今も継続されている) Tweet段階
2010年6月 156 Tweet
Tweet数累計4,248回
2010年6月 156 Tweet(リプライ14回8.9%、RT85回54.5% )
信頼獲得段階
Source: TweetStats
Pitney Bowes @anetahのTweet 詳細 リプライ
Aneta Hallのアカウント(@anetah )は Tweet数累計4 248回のうち 756回がリ
インフルエンサー・ソーシャルメディアコンサルタント
Aneta Hallのアカウント(@anetah )は、Tweet数累計4,248回のうち、756回がリプライ(17.81% 注)
リプライを行ったトップ10(@MyWorkAccountを除外)には、多彩な顔ぶれが並ん
でいる。インフルエンサー・ソーシャルメディアコンサルタント・著者として名高いShel Israel。他企業のマーケティング関係者、自社社員、マーケティング企業の社員 個人的な タクトがある れら ザに対し リプ イを送 る United Linenのマーケティング部長
Macギーク、ソフトウェアエンジニア
員、個人的なコンタクトがある。これらのユーザに対してリプライを送っている。
ソーシャルメディア戦略担当者として、リスニング・フォローを重ねてきた結果として、
1. セミナー、展示会、メディア等で露出しているアドバイザー・コンサルタントとして露出しているユーザ(インフルエンサー)
2. BlogやTwitter、Facebook、LinkedInなどで発信しているB2B/B2C企業の 、
MarketingProfsのB2Bアドバイザー
gや 、 、 などで発信して る 企業のマーケティング担当者
3. ソーシャルメディアマーケティングを啓蒙、企業支援、ソリューション提供を行っているマーケティング会社の担当者
4. 自社の同僚、自社のCSRに寄与するアカウント(アメリカ赤十字)
などをリスニング フォロ リプライすることで リレ ションシップを結び ネット
IVANSのB2Bマーケティング担当
などをリスニング、フォロー、リプライすることで、リレーションシップを結び、ネットワークを広げてきたことが分かる。また、リプライしたユーザからの反応があれば、そのユーザのフォロワーにも露出し、フォローされる可能性を高めることになる。
PitneyBowesのグローバルマーケティング戦略担当
自然化粧品メ カ 社長自然化粧品メーカー社長
MarketingProfsのコンサルタント
アメリカ赤十字のWeb担当
Source: TweetStats (注:上グラフのRT率は3月30日時点のため、2ページ前の17.81%と相違する)
Pitney Bowes @anetahのTweet 詳細 ReTweetAneta Hallのアカウント(@anetah )は、Tweet数累計4,248回のうち、RT回数
PitneyBowesのグローバルマーケティング戦略担当
Aneta Hallのアカウント(@anetah )は、Tweet数累計4,248回のうち、RT回数1,657回(RT率39.01% 注)
RTしたトップ10(@MyWorkAccount除外)には、自社社員、インフルエンサー、アドバイザー、Mashable、他社マーケティング担当者、マーケティング企業社員などが顔をそろえている。
モバイルマーケティングコンサルタント
通常、自分が発信するコンテンツに加えて、他ユーザのTweetをRTすることで、
フォロワーに対して、自身が価値のあるコンテンツだと認めるものを共有することになる。自身や自社関連コンテンツだけではなく、他者の知見、最新ニュース・情報、価値のある情報・コンテンツなどを提供することにより、自身の価値を高めることになる。(注:コンテンツマーケティングに加え、最も適した特定コンテンツを発見し、ま
インフルエンサー・ソーシャルメディアコンサルタント
Pitney Bowesの広報部長
とめ、整理し、共有する「コンテンツキュレーション」が今、注目されている)
彼女はソーシャルメディア戦略担当者として、1. 自社同僚、組織・部門からのコンテンツ2. インフルエンサー、アドバイサー、他社マーケティング担当者のインサイト3 ソーシャルメディア(Mashable等)の最新ニュース・情報
SMネットワークソリューション取締役
3. ソ シャルメディア(Mashable等)の最新ニュ ス 情報などをRT発信することで、自身の価値を高め、ネットワーク・訴求範囲を拡大している。また、自身が担当する@PBconnectを含め自社アカウント等への露出サブチャネルとしても機能している。
Pitney Bowes Connect アカウント
Mashable アカウントMashable アカウント
IVANSのB2Bマーケティング担当
MarketingProfsのB2Bアドバイザー
Source: TweetStats (注:上グラフのRT率は3月30日時点のため、3ページ前の39.01%と相違する)
Pitney Bowes @PBnewsアカウントの詳細 単独アカウント・単一コンテンツ発信は困難
@PBnewsは、Pitney Bowesのプレスリリース配信アカウントとして2009年4月からTweet開始、2011年3月27日までに814回Tweetしている。平均すると毎日2.9回Tweet、毎月36回Tweet。
814回のTweetのうち、4.85%は他ユーザのTweetに対するリプライ 26 99%は他ユ ザのTweetをRTしたものとなっているライ、26.99%は他ユーザのTweetをRTしたものとなっている。
例えば過去100Tweet中(2010年5月から2011年3月まで)、プレスリリースが30回、PBconnect、Blog、YouTube、Facebook、eBookなど自社関連Tweetが25回、WSJ、Forbesなどの記事紹介が4回、リプライ2回、RT26回、他13回となっている。
プレスリリースが30回発信されているが、よほどの新製品でなけ
れば溢れかえる情報洪水の中から共有されるのは困難。そのため、幅広いフォロワーによるネットワーク構築が重要となる。
しかし リプライ数が少なく 率も低い。これはどの企業も同じようしかし、リプライ数が少なく、率も低い。これはどの企業も同じように抱えている問題だが、企業公式広報アカウントとして、リプライできる他者・社アカウントは多くない。そのため@anetahのように
リスニング、フォロー、リプライから他者・社とリレーションシップを結びネットワークを拡張することは難しい。
そのため@PB はRTを活用している RTも他者 社の知見そのため@PBnews はRTを活用している。RTも他者・社の知見、
最新情報・コンテンツの共有をしにくい面があるが、自社アカウント・担当者をソースとしたRTを行っている。特に@ColletteCoteや@annetahといった多様なコンテンツ、知見、最新ニュース・情報を発信するアカウントからのTweetをRTすることでコンテンツの
多様性を確保し、多くのユーザに価値を提供することが可能となっている。また、アカウント露出のサブチャネルとしても自社アカウント・担当者を活用している。
リプライだけではネットワーク拡張は見込めないが、RTを活用す
ることで、広がりのない単独アカウントからの単一コンテンツ発信を 多様化してネットワークを拡張しているを、多様化してネットワ クを拡張している。
@PBnewsとは違い、自社の他アカウントと連携ができず、単独
アカウントで単一コンテンツのみを発信している場合、コンテンツ露出や共有を促進するのは非常に困難となる。
Source: TweetStats (注:数値は3月27日時点)
Pitney Bowes @PBconnectアカウントの詳細 多彩なコンテンツ・多角的な価値提供
@PB tは 企業がその顧客にインサイトや価値のある@PBconnectは、企業がその顧客にインサイトや価値のあるコンテンツを提供する支援を行うアカウントとして2009年4月からTweet開始、2011年3月31日までに2,417回Tweetしている。平均すると毎日6.5回Tweet、毎月98回Tweet。(3月27日時点)
2,417回のTweetのうち、3.42%は他ユーザのTweetに対するリ,プライ、31.12%は他ユーザのTweetをRTしたものとなっている。
@PBnews同様のリプライ・RT率だが、@PBconnectはTweet数、フォロワー数で上回っている。
リプライは@PBnews同様の制限がある@PBconnectアカウントリプライは@PBnews同様の制限がある@PBconnectアカウントだが、発信するコンテンツ自体が、@PBnewsよりも多様で訴求オーディエンスの多いジャンルとなっている。
RTの場合、@PBconnectは、Forbes、NYT、InformationWeekなど多様なメディアニュース、
デ グ 関する情報ソーシャルメディアマーケティングに関する情報・コンテンツデンマーク郵政省のケーススタディやホワイトペーパー製品の導入事例、新製品発表のプレゼン資料メディアが取上げたPB社内におけるYammer事例www.PBconnect.comにアップしたオリジナルコンテンツ
など、オリジナルコンテンツと、他者・社アカウントをソースとするなど、オリジナルコンテンツと、他者 社アカウントをソ スとする多彩なコンテンツを総合的に取上げ、RT発信している。このため、
多様なユーザに多角的に、価値のあるコンテンツが提供できている。
結果として@PBconnectは、他2つの公式アカウントである@PBnewsや@PBcaresと比べてTweet数 フォロワ 数 フォ@PBnewsや@PBcaresと比べてTweet数、フォロワー数、フォ
ロイング数が多く、総体的に活発なユーザエンゲージメントが行われている。
また、 @PBconnectは、他公式アカウントや担当者、ソリューションアカウントに対する露出サブチャネルとしても機能している。
Source: TweetStats (注:グラフの数値は3月31日時点)
なお、 @PBconnectは、@anetahが担当者としても発信してい
るため、自身のアカウントと協調した露出、ネットワーク拡張、コンテンツ共有が行われている。