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Title 受容体を介するneuropeptide Y(NPY)の作用機序に関する 研究( Dissertation_全文 ) Author(s) 茂里, 康 Citation Kyoto University (京都大学) Issue Date 1993-11-24 URL https://doi.org/10.11501/3073235 Right Type Thesis or Dissertation Textversion author Kyoto University

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Title 受容体を介するneuropeptide Y(NPY)の作用機序に関する研究( Dissertation_全文 )

Author(s) 茂里, 康

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 1993-11-24

URL https://doi.org/10.11501/3073235

Right

Type Thesis or Dissertation

Textversion author

Kyoto University

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@

受容体を介する Neuropeptide Y (NPY)の

作用機序に関する研究

茂里 見t

199 3

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目次

ページ

緒 論 l

第~ 1 jま ブタ中膜平滑筋での NPY受容体の結合部位の解析 3 3

賞J2章 平滑筋細胞での NPY受容体を介する情報伝達糸 4 8

郷 3章 培養ブタ平滑筋細胞での NPY受容体の結合部位の解析 6 1

Il4 jま NPYの yl受容体にリンクした GTP結合タンパク質 7 2

第 5j霊 平滑筋細胞に対する NPYの増殖作用 9 5

総合結論 105

議!静 107

発表論文 108

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民箆

A ch:

A 11:

A PP:

1 n .~ x : 1 (>3 :

acetylchol i ne

angiotensinlI

avian pancreaLic

polypepLide

binding sj Les

bradykinin

cyclic AHP

ethylenediarline

tetraaceLic acid

ethlene glycol bis

(2-aminoethyl-ether)

tetraacetic acid

endothelin

dissociation constant

γ-aminobutyric acid

4・alpha-phorbol 12,

13-dibutyrate

S'-guanylyl imido

diphosphate

guanosjne 5'-0・

(3-thiotriphosphate)

high perforllance

liquid chromatography

human pancreaLic

polypepLide

isobutylneLhylxanむhine

inositol 1,4, 5・

trisphosphat.e

Bmax:

s K:

cAHP:

E DTA:

EGTA:

ET:

Kd:

G 1¥ B A :

4α-PDBu:

Gpp(NH)p:

GTP-γ-s :

HPLC:

--ny

、,

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PP:

PTX:

pyy:

RPP:

luteinizing horcone

luleinizing hormone

releasing hor・one4・0・methylphorbol 12・

myristate 13-acetaLe

norepinephrine

neuropeptide Y

human neuropepLide Y

porcine neuropepLide Y

1・Oleoyl-2・

acety}g)ycero}

phorbol 12, 13・

dibutyrate

protein kinase C

phorbol 12-.yristate

13・acetate

pancreatic polypeptide

pertussis to~ìn

peptide YY

rat pancreatic

polypeptide

結論LH:

LHRII:

月P可A:型盆伝達調節物質 neuropept.,ldeY,, _j阻止id三]L___

pancreatic polypeptid eの発見の経綿

~ E:

~py:

II-~PY:

P-NPY:

OAG:

PKC:

P月A:

免疫化学的及び免疫組織化学的手法が過去 20数年間発遣すること

により、数々の神経伝達削節物質が 1111定されてきた 1~それらのう

ちほとんどがペプチドであり、その代表的なものの一つが

neuropeptide Y(NPY) である ;Z'o 1978年に TaLellotoはN及びC末縞

が αー ア ミ ド 化 し た ポ リ ペ プ チ ド の 2次元 TLCによる同定法を確立し

( 3昔、続いてプタ小脇から peptideYY(PYY) と peptideH 1を単難精

製した (4.・さらに 1982年 pyyとpept.ideH1の精製の場合と同様の乎

法を用いて、プタ脳から ~py を分雄同定した ち ' 0 NPYはこのような化

学的検出法により分離同定されたペプチドであるが、 アミノ酸配列

を決定すると、以前騨臓から分縫され、廊液の分泌を抑制すること

が知られていた pancreatic po}ypepLide(PP) と極めて構造が類似し

ていた(S. 6 )。開PY,PYY, pp はいずれも 36個のアミノ駿よりなる、

C末端がアミド化されたペプチドで、 これら 3つは系統的に共通の続

先遺伝子から生まれた産物であろうと考えられている 17 )0 PYY は

、PYとアミノ酸配列で約 70%のホモロジーがあり、主に内分路細胞や

1ii管に多く存存している市 2. また ppはおPYと約50%のホモ ロ ジ ー が

PDBu:

ある は2.

~PY , PYY, ppの高次構造は、結品の X線構造解析により群しく調

べられている 9・ ! O.。これらの 3つのぺプチドは、ポリプロリン 2慰

ヘリックス(1-8番目のアミノ酸), sターン (9-12番 目のアミノ 峨),

αヘリックス(13-32番目のアミノ酸),ランダムコイル (33・36番目の

アミノ隙)の栂造からなっていると考えられている。これ ら の ペ プ

• ‘,aEa

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チドがとるポリプロリン ,f3ターン, αヘリックスの構遣はいわゆ

るPP-foldとも 言われている 4113.

NPYの塾益タ企畳宣

~PY は広く各種生物で保存されており、そのアミノ酸配列は、

ヒト,ラット,モルモット,プタ,ウシ,ヒツジ,カエル,トリ,

キンギョ,デンキシピレヱイなどで確秘されている(表 1) (12・ 13〉.

これらの結果によると、脊健動物の間では 10番目のアミノ酸と 17番

目のアミノ酸が 2カ所変化しているだけで、 種を越えて非常によく保

存されている。 トリ,キンギョ,シピレエエイの NPYのアミノ酸配列を

ラットと比べてみると、それぞれ 1,5, 3カ所しか異なっておらず

これらの聞では 90%以上のホモロジーが蕗められる け23. つまりt¥PY

は神経ペプチドの申でも非常に進化的に保存されているものの一つ

であり、以 kの結果から、生体内でも重要な働能を果たしているこ

とが示喰される。

-2・

表 l 各生物種内での NPYのアミノ酸配列

1 5 10 15 20 25 30 35

NPY-hu・anYPSKPD~PGEDAPAED 可 ARYYSA LRHYINL ITRQRY

NPY-porcine

YPSKPONPGEDAPAEDLARYYSALRHYINLITRQRY

r, PY-sheep

YPSKPD、PGODAPAEDLARYYSALRHYINLITRQRY

~PY-torpedo

YPSKPDNPGEGAPAEDLAKYYSALRHYINLITRQRY

NPY-goldfish

YPTKPDNPGEGAPAEELAKYYSALRHYINLITRQRY

NPY-chicken

YPSKPDSPGEDAPAEOMARYYSALRHYINLITRQRY

r, PY-ral

YPSKPD、PGEDAPAED可ARYYSALRHYIXLITRQRY

-3・

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位工(f)金主

1975年騨臓から新しいペプチドホルモンである PPが発見され fい 、

抗体を用いて、その免疫組織化学的分布が詳細に調べられた。その

結果、脳に PP織の免疫活性が 強 い こ と が わ か っ た。 しかしその実体

はPPそのものか、それとも PPに類似のペプチドであるのか不明であ

った {1 <1 }。先に述べた様に、 1982年に NPYが発見され、その特異的抗

体を用いた研究によって、 そ れ ま で PP様免疫活性として脳や末精神

経系に存在していたペプチドは実は可PYであることが明らかになった

(1')) 0 NPYはラット,ヒトの脳の申枢神経系に高灘度かつ広範囲に(視

床下部>線条体>大脳皮質>海馬>延髄>申脳)分布している。また

末梢では、交感神経系に存在している。このペプチドの分布で 一番

の特徴は、中枢及び末檎安感神経系どちらも主に、カテコールアミ

ンの 一種であるノルエピネフリン (norepinephrine: NE)と共存して

いることである。

中枢神経系での NPYの 分 布

免疫組織化学及びinsitu hybridization の結果によると、 NPY様

免疫活性は、小脳を除く広範囲の申桓神経系に分布していることが

わかっている (16)0 ~PY は延髄のおE/ エピネフリン含有細静である

Al/Cl細胞,青斑峨のt¥E含有細胞の A6,エピネプリン含有細胞の C2に

存在している f172. 特に延髄の C1細腕では NPYはエピネプリンと共存

しており、この部位は血圧調節に重要であることから、申枢 神経系

を 介した、血圧調節における ~PYの重要な働きが示唆されている

tt43. また NPYは 迷 走 神経背側核や、 中枢での血圧調節の申心である

孤東核 で 、 カ テ コ ー ル アミンと共存している (1 9・ 20)。しかし申脳

-4・

の NE含有細胞や、 ドー パ ミン含有細胞では NPYは存在 していない

f213. 一 般的に NPYはカテコールアミンと共 存し ているが、 その他の

神経伝達物質と共存していることも知られている f22-243. 例えば大

脳皮質 2・4掃に NPY及び NPY mRNAを 発 現 す る 神 経 が 数 多 く 存 在し、こ

れらはソマトスタチンやアミノ酪酸 (GABA) と共存し、高次精神機能

に関与していることが推察されている (25)0 NPYが申栂神経系で 一 番

多 く 認 め ら れ る の は 、 視 床 下 部 で あ る。 NPYはここでは、視床下部機

能、特に多くの視床下部ホルモンの遊離調節に働いていると考えら

れている 12

())O ~PYの申栢神経系での分布で特筆すべきことは、普通

の血圧を示すラット(加istar-Kyotorat)に比ベて、 自然発 症 性高血

圧ラット (spontaneous)yhypertensive rat)では、大脳皮質,中脳,

延髄,脊髄において NPYの 量 が 少 な い と い う こ と で あ る f27¥ また

アルツハイマー病の患者では、大脳皮質などの NPY量の低下が確認さ

れている <28-30)。

末捕での NPYの分布

末棺では、各報動物において、 NPYは主に実感神経系に分布し、

.VEと 共 存 し て い る こ と が 知 ら れ て い る (31・ 32>0 NPYはその交感神経

への局在住から、交感神経のマーカーペプチドとして見られる 場 合

が度々ある 。 NPYを 含 ん で い る 交 感 神 経 系 は 主 に 血 管 を支砲して おり 、

静脈より動脈の方がその支配を強く受けることもわかってい る は引 。

また心臓にも NPY含 有 実 感 神 経 は 多 く 、 特 に 心 房 に 多 い が 、 心室には

ほとんど存在していないことが知られている は4・ 353. また NPYは心

臓では交感神経以外にも、迷走神経などに一部含まれている (36)。

副腎においては、 NE含有クロマフイン細胞に高浪度存在し (3円 、他

の神経ペプチドの 一 種であるエンケアアリン (Met-enkephalin)が、

エピネフリン含有クロマブイン細胞に局在するのに比べ対照 的であ

0 ・

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る。さ らに静j腎 で の NPYの存在部位の詳細な研究によって、 クロマフ

イン細胞内のクロマブイン頼粒にあることがわかっている けれ 。 一

般的に NPYは実感神経末端の大きなシナプス小胞申に NEと共存してい

る。大きなシナプス小胞は、神経終末のシナプス小胞申の約 5%を占

め、小さなシナプス小胞がt¥Eだけを含んでいるのとは異なっている

けれ 。一般に弱い剰識が神経終末に伝わった場合、 まず小さなシナ

プス小胞から神経伝達物質、 例 え ば NEが放出される. 一 方強い刺激,

そして持続的な刺激が続いた 場 合 に の み 、 よ う や く 大 き な シ ナ プ ス

小胞から NEとNPYが放出さ れる (40)。

N PYの申枢に対する作用

(l)NPYの大脳皮質に対する作用

t¥PYは前頭の部分を含む皮質部分に広く分布している (41)。この部

位は摂 食 行 動 、 信 重 の 制御、エネルギ一代謝に重要であることが知

られて いる。実際 NPYを前頭の皮質部分に直接投与したところ、摂食

行動 の促進と呼吸活動の 増加が認められている (42)0 NPYは主に NEと

共存し、その遊離を調節していることはよく知られている (2)。大脳

皮質のスライスとシナプ トゾーム画分を用いて NEの遊離に対する

~PYの影響が研究されている は 3 ・ 44 1 0 NPYは非刺滋時の NE遊離 量を

抑制 も 促 進 も し な か っ た が、 αトアドレノ受容体のアゴニストであ

るクロニジン (clonidine)による NEの放出阻害活性を促進した。つま

りKPYはNPYの受容体を介して、 α2・アドレノ受容体の活性化による

c州P産生阻害活性を増強し、 ~Eの遊離を組害しているものと考えら

れる C4 ')・ 46¥

(2)NPYの海馬に対する作用

-6・

脳内で NPYの結合活性が 一 番高いのは海馬である <47-49)。 海馬は

記憶 学習 機能 にお いて 重要 な役 割を 果し てい るこ とは 広く 知ちれて

いる <50)。そこで NPYの記憶に対する影響が調べられた。 学習訓練後

に NPY を末棺投与した場合記皆保持効果は認められないが、 ~py を脳

室内投与すると、記憶の保持が促進された t$13. また同時に摂食行

動が活性化することが知られている (') 2 )。 しかし、 NPYのC末端フラ

グメントである NPY(20・36)は記憶の保持を促進したが、摂食行動に

は影響を及ぼさなかった tS33 . つまり ~PYのこの 2 つの中躯神経系に

対する作用は、異なる作用点.例えば異なる受容体を介して働いて

いる可続性が強〈示唆された。 NPYの記憶機能の増強作河;ま. ~ P Yが

抑制性の神経伝達物質である GABAや vasoacLiveintestinal polyp-

epLideの遊離を抑制することにより、興奮性の神経伝達物質である

グルタミン般による神経の発火が起こり易くなるためであろうと考

えられている 〈5430 また鎮食行動については、視床下部の受容体を

介した作用であることは、以下に述べるようにわかっている。

(3)NPYの視床下部に対する作用

視床下部は本能行動や情動行動の統合中極であると同時に、 内部環

境の恒常性維持および外部環境へ適応するための自徳神経系、内分

総 J帳、さらには体性神経系も含む多様な機能の申枢でもある 円5 。

視 床 下 部 が 果 た し て い る 本 続 行 動 と し て は 、 摂 食 行 動 、 飲 水 行動、

性行動、体温調節行動などがある。 NPYの中拒神経系への作用で 忘 れ

ではならないのは、視床・下部に対する作用である。免疫組織化 学 的

実験によると、 NPYは視床下部に高密度に存在することが知られてい

る (S 6)。実際 NPYを脳室内投与すると、用意依存的に摂食行動と飲水

行動の促進が認められた (S 7 )。この作用は、百日咳毒素 (pertussis

Loxin: PTX)で抑制されることから、 NPYの受容体、 PTX感受伎 の GTP

結合タンパク質を介した作用であることが示唆されている IS d勺

-7・

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また NPYを脳室内投与すると‘強力に行動が鎮静化することが知られ

ている け下 。この作用は ~PYの C末端フラグメントである NPY(13 ・ 36)

では起こらないことから、 ~pyのいわゆるy1タイプの受容体が介して

いると考えられている {40¥ しかし低漉度の NPY (13・36)では、逆に

行動現象の促進が認めら れる.つまり低漉度の NPY(l3・36)によって

引き起こされるこの現象は、 NPYの Y2タイプの受容体を介した作用で

はないかと考えられている (60 υ また ~pyの視床下部を介した内分協

系の作用としては、t¥PYの黄体形成ホルモン (Luteinizing hormone:

LH) の下垂体からの分泌があげられる 401\ これは ~PYが観床下部上

の受容体に結合し、視床下部から黄体形成ホルモンの分泌ホルモン

(Luteinizing hormone releasing hormone: LHRH)が放出され、下 重

体に働き LHが分泌されることがわかっている (62)。視床下部でこの

作用を介するおPYの受容体は ylタイプの受容佑であることが最近碍.認

された 4633.

(4)NPYの脳幹に対する作用

NPYを脳室内投与すると、 血 圧 , 心 拍 , 呼 吸 数が低 下する t643.

NPYは 中 枢 で の 血 圧 調 節の申心である孤東械で、カテコール アミ ンと

共存しており (1 9・ 20)、 NPYの結合活性が孤束 核や最後野の脳幹で多

いことが知られている ゅう B。以上の事実を考え合わせてみて、 NPYの

中 枢神経系を介した循 環 呼 吸 系 へ の 影 曹 は 、 孤 東 械 と 最 後 野 を 介 し

た作用であることが示唆されている。実際直接孤東械に NPYを在入す

ると、用量依存的に血圧, 心 拍 , 呼 吸 数 が 低 下 し た (66)。最近孤東

核の ~PYの受容依が、いままで薬理学的に分けられていた NPYの受容

修と異なることが報告された <67υ 孤 東 核 の NPY受容体は、ポストシ

ナプ ス に 存 在 す る Ylタイ プの受容体アゴニスト である

[Leu31][Pro34]可PYと、 プレシナプスに存在する Y2タイプの受容体ア

ゴニストである~P y (13 -36)の両方に結合した。 しかし驚いたことに

PYYには結合しなかった。現布孤東核の NPY受容体は、新しい タイ プ

-8・

0'3タイプ)の NPY受容体と考えられている。 最後野の NPY受容体は、

孤東核に存夜する受容俸と異なる性質をもつことが知られている

(61))0 PTX処理すると弧東核の NPY結合活件は約 75~増大するが、 最後

野は彫響を受けなかった。つまり 2積類の受容体は異なる PTX感受性

を持った GTP結合タンパク質とカップルしていると考えられる。

Npyの末棺に対する笠旦

~PY は末棺では主に交感神経系で NE と共存し、動脈と静脈に NPY含

有神経が投射している (6!l )。しかし一部心臓などでは非実感神経系

に分布し、 vasoactive intestinal polypeptideと共存していること

が知られている け0)。交感神経を電気刺激したり (1リ、連動 (72)、

ストレス (7 3 )、出血 (74)、低酸素 (72 )などで交感神経が刺激された

時、末梢の血管系に対して NPYと刊の放出が増加することがわかって

いる。この NPYの遊離は、細胞外からの Ca2+の 滅 入 に よ り 、 細胞内の

Ca2+濃 度 が 増 加 す る こ と に よ り 起 こ る と 考 え ら れ て い る けS)0 t¥PYは

交感神経末端の大きなシナプス小胞中に NEと共存している。大きな

シナプス小胞は神経終末のシナプス小胞申の約 5%を占め、小さなシ

ナプスが NEだけ を含 んで いる のと は異 なっ てい る ・39)。 一般 に 弱 い

刺激が神経終末に伝わった場合、まず先に小さなシナプス小胞から

NEが放出される。一方強い刺激,そして持続的な刺激が続いた場合に

のみ、ようやく大きなシナプス小胞から NEとNPYが放出される (40)。

つまりストレスや動脈硬化のような持続的な刺激が起きている時の

血管状態が、主に NPYで支配されている可能性が高いと考えられる。

(1)NPYの直接的な血管収縮作用

交感神経を 電気刺激した後、 α-, s・アドレノ受容体プロッカーを

-9・

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投与しでも、血管.1&縮作用は窺っている。この羽織作用の大部分は、

~PYによる作用である (!S)O ~PYのこの直嬢的な i収縮作用は、膜電位

依存性カルシウムチャンネ ル プ ロ ッ カ ー で 阻 害 さ れ る こ と か ら 、細

胞外か らのCa2るの流入が必要であることが示唆されている f763.

ナプスにあるr;PYの受容体は Y2タ イプ 、ポ スト シナ プス にある受容体

はY1:タイプと命名されている 4863.

(4)NPYの副腎に対する作用

(3)実感神経系における神経伝達物質の放出に対する NPYの作用

面tll腎髄貨をクロム塩で処理すると、副腎皮質は染まらず髄 質だけ

が褐色に着色する。この着色反応を呈する細胞群はクロム親和細胞

と呼ばれている。副腎のクロム親和細胞は、主にエピネプリンと NE

を分跡する細胞の 2種から成り立っている 1 弓引。 ~PYは首j 腎では 主 に‘NE含有クロム親和細胞に存在している t87》. この結果は NPY自体が分

泌顕粒からエクソサイトーシスで細胞外に放出される事を示唆して

いる.副腎還演システムを用いて調べられた結果、内服神経から放

出されたアセチルコリン (acetylcholine:Ach)がニコチニック Ach受

容侮を剰灘し、クロム親和細脚から ~PYを還流液中に放出することが明らかになった 'H¥ このようにニコチニック Ach受容体刺激で、

NE と共に NPYが放出されるが、 ~PYはこの NEの遊離にどのように作用するかが吹に調べられた (~9)

0 NPYはニコチンによる NE及びエピネフ

リン遊 離を両 方とも問機に抑制した。 しかし、無刺灘時の基本的な

遊越量あるいは高カリウム刺激時の遊離量には影響を与えなかった。

さらに NPYの関連ペプチドについて調べられたところ、 ヒト PP(HPP),

トリ PP(APP),PYYの申で、 HPPにNPYと同様の強い NE遊 離 御 制作用が

鼠められた.実際(3H)NPYを用いた結合実験により、 ウシ副腎 髄 質 脹

画分には NPYの特異的結合部位が存在し、 ~PY と HPPに対しては同湿度の高い親和性を有していたが、 PYYではかなり弱い結合しか認められ

なかった.最近になりこの PYYに対する続和住の低い NPYの受容俸は、

今までの Y1, Y 2タイプとは異なる Y3タイプであると提唱された t90》.

(2)NPYの取締増強作用

NPYは勉強で血管収縮作用があるだけでなく、 NEの収縮作用の増強

に関与していると考えられている (77)0 NPYの収縮増強作用 はNEのみ

ならず、 ヒスタミン 《782,バソプレッシン (vasopressin)(79勺 ATP

けれ ,アンジオテンシン II(angiotensinII: AII) (80)でも認められ

る . この ~PYの増強作用はシクロオキシゲナーゼ図書剤であるインド

メ サシンで阻害されないことから、プロスタグランジンなどのアラ

キドン機代謝物によるものでないことがわかっている (d 1 ,。 し かし

この増強作用は、 PTX処理でなくなることから、 PTX感受性の GTP結合

タンパク質を経由した作 用 で あ る こ と が 知 ら れ て い る fM¥ 以上の

ことから、 NPYの増強作用は、 SEによる情報伝達系をセカンドメッ セ

ンジャーの段階などで増強することによると考えられている け33.

NPYの血管系に対する第 3番目の作用は、交感神経系のプレシナプ

スに働いて、神経伝達物質である、Eなどの放出を抑制する作用で あ

る t842. 実際 NPYは用量依存的に ¥Eの遊般を抑える作用が確認され て

いる (., s .・ ~PYの C末揖フラグメントである NPY (l 3 ・ 36) にはおPYと同寝

度の ~Eの遊麓抑制作用が認められている. しかし直僚の血管収縮作

用は NPYでは起こるが、'iPy(l3・36)では見られない。つまりプレシ ナ

プスで働いて'iEの遊離を抑える NPYの受容体と、ポストシナプスで働

いて出管を直接収縮させる NPYの受容体は異なる ~PYの C末端フラグメ

ントに対する親和性を持つことが示唆されている 4862. 実際プレシ

NPYの受容体

-10・ • .• ,a

-EEaa

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(l) Y 1受容体と Y2受容体

NPY受容体のサプタイプについては、 ~PYのアナログを用いた各積

~PYのアッセイ系の結果からその存在が提唱されている 9 1 )。 最初は

~PY の C末端フラグメントである \PY (l 3 ・ 36) を用いた実験の結果から

示された C8t)) o NPY(l3-36)は輸精管を電気刺淑した時の収縮を NPYと

同組度に阻脅するが、各種血管に対しては直接収納活性がない。つ

まり NPY(l3-36)はプレシナプスでの神経伝遺物質の放出阻害活件.は

NPYと同穏度であるが、 ポストシナプスでの収縮活性は NPYよりも格

段に弱いということである。そこでプレシナプスにある、PY(13・36)

に親和性の高い可PYの受容俸は Y2タイプ、 ポストシナプスにある ~PY

(13・36)に親和力のない受容俸は Ylタイプと命名された.吹に NPYの

受容体を単一種発現している各種培養細胞を用いて、 NPY受容体が詳

しく解析された.放射音量ラベルした ~PY と I~PY(13 ・ 36) などの XPYのア

ナログを用いた結合実験から、 Yl受容体を高発現している代表的な

細 胞としては、神経腫蕩細 胞 PC12,SK-r¥-1'IC(92)とCHP212があること

がわかった t933. また Y2受容体を発現している神経越惑細胞とし て

は、 SMS-MSN,SMS-KAN, CHP・234,SK-N-BE(2)などがあるけ3・ 94¥

Y2受容体が高発現しているラット海馬麟副分とy1受容俸が発現して

いる SK-N-MC細胞を使い、般射能ラベルした ~PY を用いてクロスリン

ク実験を行ったところ、 Y2受容俸は分子量が約 50000の積タンパク 質

で、 Vl受容体は分子量が約 70000の樹タンパク質であることがわかり、

両 者は明らかに遣ったものであることが示された (9 5 ,。

(3)Y3受容体

ウシ面j 腎髄質巌画分には ~PYの特異的結合部位が存在し、 NPY に対

しては高い親和性を示すが、 PYYに対してはかなり弱い結合しか認め

られていない fS9¥ 最近になりこの PYYに対する親和性の低い NPYの

-12・

受容体は、今までの ylt Y2タイプとは異なった Y3タイプであると捉・

唱された <90.。また心室の脹両分による結合実験の結果、ここにも

PYYに感受性の低い Y3タイプの受容停が伝有することが示唆されてい

る 965.

NPY受容体のアゴニスト,アンタゴニスト

(l)NPY受 容 体 ア ゴ ニ ス ト

各種 NPYのアナログを用いて、各受容体に特異的なアゴニストが開

発されている 97)0 Ylに特異的なアゴニストとしては、 31番目のア

ミノ砲をイソロイシン(I1 e)からロイシン (Leu)に、 34番目のアミノ

酸をグルタミン (G1n)からプロリン (Pro)に変化させた

[Leu31, Pro34JNPYが知られている 9事3. この人工ペプ チドは ppと

NPYのアミノ酸配列を比較し、Yl, Y 2の 生 物 活 性 と 照 ら し あ わせて合

成されたものである。 34番目のアミノ酸だけを Glnから Proに変化さ

せた [Pro34]NPYも yl受容体特典的なアゴニストであることもわ か っ

ている (99)0 Y2受容体アゴニストとしてはもちろん、 NPYのC末端フ

ラグメント NPY(l3・36)がある。またサイクリックな NPYのアナログで

ある [cys2,8-aminooctanoic acid5・24,0 ・ cys27]-NPY(C2-~PY) は

Y2受容体の特異的アゴニストである 1 00) 。

(2)NPY受容体アンタゴニスト

1990年 α・アドレノ受容体の非可逆的なアンタゴニストであるベネ

クストラミン (benextramine)が、 NPYの ア ン タ ゴ ニ ス ト 作 用 があるこ

とが報告された (1 0 1 )。このアン タゴニスト作用は、 α・アドレノ受

容体に対するよりも、 100倍以上の濃度が必要なため、非特異的であ

-13・

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ると考えられていた 。 実際この化合物は、 NPYのY2受容体の結合を阻

害する が 、 シ ス テ イ ン な どのアミノ酸強基の SH基に直接作用するこ

とがわか っ ており (1 02)、 SH基に対する化学修飾剤の様な働きをして、

NPYの結合を阻宮すると考えられている。 ヒスタミンの H2受容依のア

ゴニストであり、 H1受容体のアンタゴニストである He90481 に、 ~PY

受容体のアンタゴニスト活性があることが報告されている cl03}。 し

かし、 この化合物も IC50傾が数 十mHと高く、特異的なアンタゴニス

トとは言えない。 最 近 イ ノシトールしし 5,三 リン酸の異性俸であ

る0-ミオ・イノシトール 1, 2, 6,三 リン酸 (PP56)はエンドセリン,

ヒスタミン,ブラジキニン, NE, PGP2α による収舗を抑制しないが、

r, PYの 取締作用を特異的に阻害することが報告されている {1043. し

かし、 NPYの 結 合 を 阻 害 しないことから {105¥ 受容体アンタゴニス

トではなく、受容体以障の NPYの情報伝達系を阻害していると考えら

れている . ペプチド性のアンタゴニストとしては、 ~PYのフラグメン

トペ プチドの合成段階で副産物として得られた PYX-lとPYX-2の 二つ

があり (1.06>, IC50備はいずれも数十けで、かなり強いアンタゴニス

トであることが知られている。 また NPYのC末端フラグメントの 一 つ

である NPY(18・36)が、 Y3受容侮ではアンタゴニストであるが、 Yl受

容体では部分的なアゴニストで、 Y2受容体ではアゴニストであるこ

ともわかっている (t 07)。

Npy受 容 体 を 介 し た 情 報 伝達系

GTPのアナログを用いた結合実験の結果から、 NPY受容俸には GTP結

合タンパク質がカップルしていることが知られている (1 08)。

(1) Y 1受 容 体 を 介 し た 情 報伝達系

-14・

NPYはYl受 容 体 と 抑 制 性 の GTP結合 タン パク 質を 介し て、

adenylate cyclaseの活性化剤であるフオ ル スコ リンに よるcA:iP産

生 を 抑 制 す る こ と が 知 ら れ て い る <l0 ~)。

(2)Y2受容体を介した情報伝達系

プレシナプスに存存している Y2受容依は、神経伝達物質の放 出を

抑制する (84・ 1 1 0 )ことから、 電位依存性カルシウムチャンネルとの

関係が指摘され、その後の研究の結果、 NPYがY2受容体と GTP結 合 タ

ンパク質 Goを介して、 N型カルシウムチャンネルを阻害していること

が報告されている <1 1 1・ 1 1 2) 。

本論文の目的

上 に述べたように、、PYは末梢では 実感神経系に分布し、 交感神経

系の代表的な神経伝達物質である NE と共存しており、 ~ Eによる血管

収縮作用を増強するだけでなく、それ自身強い収縮作用を 示すこと

がわか っている。 NPYの血管収縮作用は、交感神経終末か ら放 出され

たNPYが 、 平 滑 筋 細 胞 上 の NPYの受容俸に結合することにより作用す

ると考えられる。 そこで NPYの受容体のアンタゴニストを開発すると 、

それは新たな作用点を持つ高血圧治療薬になる可能性がある。 アン

タゴニストの探索を行う前に、 まずNPYの受容体の様造と、受容体を

介した NPYの作用機序の解析が必要である。 そこで NPYの特に血管収

縮に関与している平滑筋上の NPY受容体と、その受容体を介した情報

伝達系について平滑筋細胞と平滑筋細胞と同種の NPY受容体が発現し

ている神経腫虜細胞を用いて調べることにした。

-15・

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(l)プタ中康平滑筋での ~PY受容体の結合部位の解析

放射鮮ラベルした .\PY ([125 I] ~ PY ) を用いて、 プタ申膜平滑筋の E裏

面分での;¥p y受容俸の結合部位の解析を行い、平滑筋のt-4PY受容体の

佐賀を調べた 。

( 2)平 滑筋細胞での NPY受容 体を介する情報伝遣系

一般的な平滑筋の収縮は 、刺激により細胞内 Ca2+-が上昇し、 ミオ

シン L鎖キナーゼが活性化し、 ミオシン L鎖がリン酸化されて収縮が

起こる o r; PYの場合平滑筋では、 cAKPの産生抑制が見られているだけ

で、 ~PYの細駒内 Ca 2 漉度への直接的な影響をみた例はない。そこで

平滑 筋細胞における、細胞内 Ca2-+-温度に対する NPY受容体を介した

r\ PY の~ 審を調べた 。

(3)培蔓プタ平滑筋細胞での NPY受容体の結合部位の解析

( 2 )の実験の結果、プタ培義平滑筋細胞で、 NPYが細胞内 Ca2-+-濃度

上昇と、 cAMP産生阻害を起こすことがわかった。次にその作用を引

き起こす ~PYの受容体の佐賀を知るために、結合部位の解析を行うこ

とにした。

(4)NPYの Yl受容体にリン クする GTPi結合タンパク寅

(2) (3)の 実 験 の 結 果 、仰YはYlタイプの受容体と PTX感受性 GTP結合

タンパク貨を介して細胞内 Ca2-+-溝度 上昇と cA仰産生抑制という こつ

の 情報伝達系にかかわる作用を持つことがわかった。そこでこれら

の二つ の 異 な る 情 報 伝 達系に関与する GTP結合タンパク質の異同を解

析した.

-16・

(5)平 滑 筋 細 胞 に 対 す る NPYの細胞増殖作用

安感神経系を弱く蜘~ i融すると、先ずSEが小さなシ ナプス 小伸 か ら

遊離され血管は収縮する. 一方 強い刺激,あるいは持続的な刺激の喝

合にのみ、ようやく大きなシナプス小胞から ~E と NPYが放出される 。

つ まり スト レス や動 脈硬 化の よう な持 続的 で強 い刺 識が 起きている

時の血管状態が、主に ~PYで支配されている可能性が高いと考えられ

る。 (2・4)の実験の結果、平滑筋細R向に対し、 NPYは平滑筋細腕上の

Y 1 :タイプの受容体に結合し、異なる PTX感受性 GTP結合タンパク質を

介して細胞内 Ca2ゐ漕度上昇と cAHP産生抑制という こつ の情報伝達系

にかかわる作用を持つことがわかった。 この作用は NPYの短時間の作

用である。吹に ~PYが動脈硬化の発療という長時間の作用に関わ っ て

いるかどうか調べることにした.動脈硬化の発症の初期には、 平静

筋の遊走と増殖が起こり、動脈硬化が進展することが知られている.

そこで、PYが動脈硬化の発症という長時間の作用に関わっているかど

うか知るため、平滑筋に対する、PYの増殖作用を調ベた。

-17・

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-32・

第 1章

プ タ 中 膜 平 滑 筋 で の NPY受容体結合部位の解析

先に述べた様に、 NPYは末梢神経では実感神経系に存在し、 神経伝

達物質あるいは神経修飾物質として、 NEと協同で血管系を制御して

いる (1・5)0 NPYは 直 接 血 管 に 対 し て 収 縮 作 用 が あ る だ け で なく、交

感神経刺激時や、 NEを外から投与した時の収縮を増強させる働きが

ある。心臓では、冠動脈の内で特に細冠動脈を収縮させ、心筋慮血

を起こすことがわかっている同¥またクモ膜下出血後、 NPYの脳脊

髄液中の漉度が上昇することから、 NPYはクモ膜下出血後の脳血管収

縮に深く関与していることが示唆されている (7 )。このように血管制

御系で NPYは重要な役割を果たしているという証拠が集まっているに

もかかわらず、 NPYの血管系での結合部位の解析を行った例はほとん

ど な い 。 唯 一 の 例 外 は ウ サ ギ の 大 動 脈 の 場 合 で あ る が 、 この時は神

経部位を含んだ血管層を使っているため、厳密な意味での血管とは

言いにくい (8 )。そこで中膜の純粋な平滑筋を使い、 NPYの結合部位

の解析を行うことにした。同時に、 NPYの受容俸のうち別のサプタイ

プである Y2が存在している海馬の NPY結合部位と比較検討した 。

乏益

(1)試薬

ブタ NPY(P-NPY)はペプチド研から虜入した。 ヒト NPY(H-NPY),

PYY, トリ PP(APP), ヒト PP(HPP),ラット PP(RPP)はペニンシユラ社

-33・

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のものを使用した。 lZ5I-Bolton-Hunter(125I-BH)P-NPYはニューイ

ングランドニュークリア一社から購入した。 ATP,GMP,GOP, GTP,

グ アノシン 5'・ 0・(3-チオトリ 7.:tスフェイト)

[guanosine 5'-0・(3・thiotriphosphate) (GTP-γ-s)],

Sヘグアニリルイミドジフオ ス ブ エ イ ト

(5'-guanylylimidodiphosphate [Gpp(~H)p]) , NEはシグマ社のもの

を使用した。 ~PYの C末端プラグメントである NPY (1 3 ・ 36) と

NPY(24・36)は、ペプチド合成機で合成し、 HPLCで精製した。ニソル

ジピン (nisordipjne),ベラパミル (verapallil),ジルチアゼム

(diltiazem)は 当 研 究 所 で合成さ れたものを使用 した。

( 2)プタ胸部大動脈平滑筋原画分と海馬膜画分の調製

プタ大動脈と脳は京都第一食肉センターから鰭入し、氷冷した

生理食底水に入れて実 験室まで運鎖 した。大動脈は内膜と外 膜を除

き申膜を蛍離し細断後、 5倍容量の 50mMトリス嵐酸緩衝液 (pH7.4)に

入れ、プリンクマンポリトロンホモジナイザーで 10秒ずつ, 5回ホモ

ジナイズ し た 。 ホ モ ジ ネ ートを 2回ガーゼで漣過した後、 10,000g,

10分間遠心した。上清 をさらに 100,000g,20分遠心し、枕 澱を

5μg/ml アプロチニン ,lmM ジチオスレイトール, lmHEDTA, 10%

(v/v)グリセロールを含む 50州トリス塩酸緩衝液 (pH7.4)(緩衝液 A)に

婚濁 した。海馬 膜商分は以 下のように 調 製し た。プタ脳から 海馬を

取り出し、 5m開トリス塩酸緩衝液 (pH7.4),0.25河ショ績を加えて

ガラステアロンホモジナイザーで破砂した。 1000g, 10分遠心し、さ

らに 100,000g,20分間違心して沈瀕を緩衝液 Aに懸濁した。

(3)受容体結合実験

結合実験は、海馬膜面分 10μgと血管平滑筋膜画分50μgを用い、

370Cで30分間行った。反応 液には 5m:iの CaC12,0.lnH125r-BH-NPY,

-34・

0.2% ウシ血清アルブミンを加えた。結合反応は、氷冷した緩衝液A

を2.5ml反応液に加えて止め、 直ちにワットマン GPIむフィルターで櫨

過し、 2.5ml緩衝液Aで5回 洗 浄 後 、 フ ィ ル タ ー 上 の 放 射 能 を γカウ

ンターで測定した。ワットマン GP/Cフィルターはあらかじめ 1%ポリ

エチレンイミンに浸して、 フィルターの電荷を除いておいた。非特

異的な結合を測定する時は、 iμMの NPY存在下で結合実験を行った。

(4)タンパク質定量

タン パク質 議度は、バイオラドのタンパク定量キットを用い、

Bradford法に従って行ったリ~

盤塁

(1)125I-BH-NPY結合部位の 2偏カチオン依存性

結合実験の最適条件を検討するため、各種カチオンの膨響を調ベ

た。 2価カチオンを除いて、 プタ平滑筋膜画分と 125r-BH-NPYを反 応

さ せ る と 、 非 常 に 少 な い が 特 異 的 な NPYの結合部位が検出された。そ

の時の非特異的結合は、全結合部位の約 80%であった。そこで NPYの

結合部位の 1価と 2価カチオン特異性を、平滑筋膜商分と海馬脹商分

を 用 い て 調 べ た ( 図 1)。

-35・

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Ca2"を添加 した血管 平 滑筋 上 の ~P Y結合 活 性は、図 1aに示す犠に、

非 添 加 時Ca2ゅの添加効果は 511Mの時最大となり、時のみに増加した 。

結合活さらに添加重を増やすと、の結合活性の約 3.4倍にもなった.

結合活性は減少しの場合 Ca2φとは異なり、Mn2 性 は 逆 に 減 少 し た .(b) (a)

K+などの l価カチオンは影響を及ぼさなかっ た。可 g 2+ や ~a + ,た.{も}{も}

>-0.

z,ご凶

{阿

Hg?令,Hn2+,C a • • ~まかりでなく、方海馬の場合平滑筋とは異なり、持*400

Na'や(図 1b)。Ca2+のどの 2価カチオンでも結合活件は増大した

400

戸 rなどの 1価カチオンは事滑筋の場合と同じく結合活性には影響を及宇治

300 }

]

O

NEの収縮作用を増強する効果NPYは各報血管に対し、ぼさなかった。300

その作用はし型電位依存性カルシウムチャンネル (VDCC)阻宙があり、= 200

栄養

200

。、c 吋匂C そこで刊と L型 VDCCの阻容剣<3 )

• 剤 で 消 失 す る こ と が 知 ら れ て い る42 であるこソルジピンとジルチアゼムのt¥PY結合活性に及ぼす影曹を掬

べ た が 平 滑 筋 と 海 鳥 の い ず れ の NPY結合活性にも髭響を与えなか っ た.iOO 100 υ同

50 50 叫

υecω

(2)'25!-BH-NPY結合平 衡• 勾E

2‘

L岨園園田ー圃__,

50;nM

T0'" ",. ~ジ イ

. 、命令_~..,, " ,'-1 ~ 乙・

O' u

。..

‘守

令令

ィ♂

" n , a、

、~t

。‘q,A戸、旬

、、0 4

6V A

V

。'u 2mM -圃圃園田園闇圃..

SOmM 反応タンパク質量と反応時さらに結合実験の条件検討のために、

2rnM

膜タンパク

少なく

タンパク質量に応じて直線的

また 12 ~ 1・BH-NPYの結合は 20分間で平衡に達し、

t 25 1 ・ BH-~PYの平滑筋膜への結合は、

質 量 が 10・100μg/チュープの聞では、

に晴大した。

聞の検討を行った。

プ タ平滑筋膜画分 (a)と海馬膜商分 (b)に存在する NPY結合 部位

各 備 は 平 均 値 土SE可1価カチオンと 2価カチオンの影 響。

図 10

そこで NPYの平滑筋への結合活性を 測 定とも 2時間は安定であった。

**P<O.OOl

に対する、

反応時間は 30分,タンパク質量はチュープあたり 50μg,する時は、事P<0.05,

平滑筋の可PYの結合活性図 2a, bに示すように、溢度は 370Cとした.

70%であった.海屈の場合は、全結合活性の 30%と少なかったが、は、

そこで両者の可pyの結合部位について Scatchard解析を行った

Bcaxは 0.35+0.06Kd値 0.99土O.llnH,平滑筋の場合、(国 2c, d)。

海馬の場合は Kd儲は 0.40+0.1701iであpmol/mg-タンパク質であった.

また Bmaxは1.30+0.11

pmol/mg-タンパク質で平滑筋の約 3.5倍程度であった。

• 37・

り平滑筋の約 2倍程度親和力が強かった。

ー 36・

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(3)125I-BH-NPY結合部位への GTPアナログの彫響

( b)

一 般に NPY受容体は GTP結合タンパク質とリンクしていることが知

そこで GTPの 非 水 解 ア ナ ロ グ で あ る GTP-γ-sと

実際平滑筋上の NPY受容依に GTP

図 3aに示す様に、結合タン パク質がリンクしているかを調べた。

GTP-γ-SとGpp(NH)pは 濃 度 依 存 的 に 平 滑 筋 の NPY結合活性を阻害した。

その種度は GTP非 水 解 アナログGTPとGDPも濃度依存的に阻害したが、

られている。

Gpp{NH)pを用いて結合実験を行い、

(a)

2000

AE--ωuo』amvE¥『

OEM-FE4匂

E43

rιzt=。一H山

-

GMPとATPは lmMの濃度でも NPYの結に比べて約 1/10に過ぎなかった。150)

(f門1500 1000 I 12ちJI日II-NPY

1500 ( f 11 , 500 1α)()

I 12 S 1 llill・UF'、

Gpp(州)p以一方 海馬の場合、合 に 対 し て 阻 害 効 果 を 示 さ な か っ た。(d)

平滑筋の場合よりも阻害作用は約 10倍程外の全ての GTPアナログは、(c)

(図 3b) 度強かった 。

(b)

BO

40

20

60

% 100

(a)

80

40

20

60

% 100 LFA---e==-

D

F

=二三-24U司

4Uもユ同

20∞ 500 市000 1500 Bound Ifmol/mg pcoteln)

2000

1000

。。

5∞

100 200 300 80und (fmol/mg pcotein'

。。

{EC¥E

ωUO』a

F室、

-o=ー

ωω』

¥

EコC由

3 4 6 5

-Log (M)

8 7

fIIucleotloe, 9

。3 4

e

・o'L

7' 0

0-、ac

u

MH

l8

プタ平滑筋膜薗分 (a)と海馬膜薗分 (b)に対する、図 2。

(・ )非特異的結合量,(・ )全体の結合量,[125l]BH-NPYの結合反応。

プタ平滑筋膜薗分 (c)と海馬膜画分 (d)に 存 在 す(0 )特異的結合量。

プ タ 平 滑 筋 膜 画 分 (a)と海馬膜商分 (b)に存 在する NPY結 合 部 位図 30るNPY結合部位の Scatchard解 析

(・ )ATP;(ロ )GMP;(Ll )GDP; ク

(0 )GTP; (・)GTP-γ-S;(.A.)Gpp(州 )p

-39・

レオチドの影響。ヌに対する、

-38・

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(4)NPY関連ペプチドの 125I-BH-NPY結 合 部 位 へ の 影 響結合部位の減少によるのか、GTP-γ-sによる結合阻害作用が、次に、

GTP-γ-s存あるいは結合親和力の低下によるのかを調べるために、

平滑筋と海馬そこで、NPYはpyyとPPとファミリーを作っている。平滑筋と海馬の膜薗分を用いて NPYの結合部位に有下と非存存下で、

これらの ~PY関連ぺプチ膜薗分上の 125I-BH-NPY結合部位に及ぼす、平滑筋の場合、。(図 4a, b) ついて $catchard解析を行った

トNPY(H-NPY),ヒ平滑筋では、。(図 5) ドの彫響を調べた非存布下では 0.99nMであった。GTP-γ-s存在下での Kd値は 2.15nl1で、

PYYの 12SI-BH-NPY結合部位への IC50値はそれぞれ、プタ NPY(P-NPY),非存在下ではBmaxはGTP-γ-$存在下で 0.57pmol/mg-タンパク質、

トリ PP(APP),1.6土0.3nMであった。1 .5+0. 2n K , 1.8土0.2nK,同様の結果は海馬の膜画分を用0.46pmol/mg-タンパク質であった。

PYYよりもP-NPY, トPP(RPP)はそれぞれ H-NPY,フ ツトPP(HPP),ヒ非 存 在 下GTP-γ-s存在下での Kd値は 1.08nl1で、いた時にも得られ、

380土100n河,IC50値はそれぞれ、親和力は弱く 11100以下であり、Bmaxは GTP-γ-s存在下で 1.31pmol/mg-タンパクでは 0.40nMであり、

P-~PY , H-~PY , 一方 海馬の場合、230土50nHであった。130士30nM,非存在下では 1.23pmol/mg-タンパク質であった。質、

また APP.PYYは そ れ ぞ れ 平 滑 筋 よ り も 親 和 力 は 2倍翠度強かった。平滑筋と海馬いずれも NPYの結合部位数GTP-γ-$によって、つまり、

リーは 1μHの濃度でも 12"I-BH-NPY結 合 を 阻RPPなどの PPフアミHPP, 親和力は低下した。は変わらなかったが、

害しなかった。(b) (a)

(b)

% 100

(a)

%

100

50

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10

1500 pr-otein)

1000 (fmol/mg

500 Bound

200 400 600

Bound (fmol/mg protein)

プタ平滑筋膜画分 (a)と海馬膜画分 (b)GTP-γ-s存在下での、図 4。

プ タ 平 滑 筋 膜 画 分 (a)と海馬膜画分 (b)に存殺する月PY結合部位図 5。(・ )GTP-γ-s存在時;に存在する NPY結合部位の Scatchard解析。

(・ )P-NPY;(・)PYY;(A)H-NPYNPY関連ペプチドの作用。

-41・

に対する、

; (口 )APP;(.d )APP; (0 )RPP

-40・

(・ )GTP-γ-s非存 在 時

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〉・0. =乙' c 一-‘ ぜ、

e、ーー一、.. 。U、c '“‘ ℃ c 同

』コ

υ '時、d

-同

U 匂a. vl

(5)NPYの C末端フラグメント の 12SI-BH-NPY結合部位への 彫 響

一・般に、 ~PY の C末錨フラグメントである NPY (l 3 ・ 36) と NPY(25 ・ 36)

を 用 いてその親和力の差から、プレシナプスに存在すると言われて

いる Y2受容体とポストシナプスに存在する yl受容体は区別されてい

る け0υ そこで平滑筋と海馬の NPY結合部位に対するこれらニつの C

末端フ ラグメントの親和力を比較した。平滑筋の場合 NPY(13・36)は

NPYに比べて約 J/30の親 和力しか示さなかったが(図 6a)、海馬で

は両者に差は無かった。 lμHの NPY(25・36)は平滑筋で 40%,海馬で

90% NPYの結合を阻害した。

(a) (b)

% 100

50

% 100

50

U"'1炉回目-

10 9 8 7 6 Peptide.-Log (M)

10 9 8 7 peptlde.-L09IM)

図 60 プタ平滑筋膜画分 (a)と海馬膜画分 (b)に存在する NPY結合部位

に対する、 NPYC末端フラ グメントの作用。(・)NPY(13・36);

(・)P-r¥PY;(A)fiPY(25・36)

-42・

6

主3豊

NPYの結合部位の解析はこれまで主に神経組織や培養細胞で行われ

てきた <11-1'5>。 末梢組織では、 ウサギ血管 (8・ 123,ウシ副腎髄質

t 16〉,プタ綿織 〈173,が用いられている 。 血管は NPYの重要なターゲッ

ト組織の一つであるにもかかわらず、 NPYの結合部位の解析が行われ

て い る の は ウ サ ギ 血 管 だ け で あ る は・ 12h しかしその場合血管組織

全部について NPYの 結 合 部 位 の 解 析 が 行 わ れ て い る た め 、 神経組織が

含まれている可能性がある 。 そこでプタ胸部大動脈の純粋な 中朕 平

滑筋を単離して、結合実験を行うことにした。平 滑筋のホモジネー

トでは、 ~PYの結合は大部分非特異的であ っ たが、ホモジネートの

10,000gから 100,OOOgの聞の面分に特異的な NPY結合活性が存有した 。

5mKのカルシウムイオン添加で活性は最大となった a また結 合 は リ ガ

ンド添加後直ちに起こり、 20分後に平衡に達した。平滑筋の結合部

位は海馬の結合部位の約 1/4で、親和力は約半分であった。平 滑筋と

海 馬 膜 両 分 に つ い て Scatchard解析を行ったととろ、 どちらも 一 種類

の 結 合 部 位 を 持 っ て い た 。 海 馬 の 場 合 一 種類の結合部位 (1 3 >と、 二

種 類 の 結 合 部 位 けい を持つという報告がある。今回の実 験では 一種

類の結合部位のみを持つという結果になったが、 これはアナログ置

換実験や結合条件の遣いによるのかもしれない。平滑筋にお け る 結

合は Ca2'"により促進されたが、逆に Mn2+によっては結合は抑制され

た。 しかし Mg2+,月n2+.Ca νはこの j慣に海馬の NPY結合活性を高めた。

Ca2+はI1g2+による結合活性の増大を Ca2φ添加時の値まで減少させた。

つまり Ca2みは Mg2+よりも強い影響を及ぼすことがわかった。 以前大

脳皮質の NPY結合活性が、河g2+や Ca2+により増大することが報告され

ていたが け1)、この場合 二つ のイオンの揖合液で調べられており、

単独効果をいままで見た例はなかった。本研究の海馬の場合 と 同 僚

に、 Mn2+と月g2+とCa2φがこのよ闘で、 ネズミ脳の NPY結合活性を増大す

るという報告はあるが けれ 、平滑筋の場合は初めてである。 Caれ に

-43・

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特異的な NPYの結合活件.の増大が、平滑筋に特徴的であるのかどうか

まださだかではない。 GTPとGDP及 びGTP-γ-$とGpp(NH)pは灘度依存

的に 12 S J・BH-N PYの結合活性を阻害した。 しかし平滑筋の場合海馬に

比べて感受性は 1/10程度であった。 GTP-γ-$存存.下では Bmax値が変

化しなかったが、 Kdfl直は異なった備をとった。つまり GTPアナログの

添 加により、結合部位数はか わ ら ず に 、 親 和 力 が 変 化 し た こ と を 示

している。以上の結果から平滑筋及び海馬の NPY受容佑は GTP結合タ

ンパク質とリンクしていることが示噴された。 Wahlestedtら(1 0 )に

よると、 ~pyにはプレシナプスに存在する Y2受容体と、ポストシナプ

スに存在するy1受容体の少なくとも ニ つのサプタイプからなってお

り、それらは NPYのC末端フラ グ メ ン ト の 感 受 性 が 異 な っ て い る こ と

が示唆されている。彼らの結 果 に よ る と 、 ポ ス ト シ ナ プ ス の 作 用 で

ある NPYの血管収縮作用は、 NPY(13・36)では起こらなかった。 しかし

プレシナプスを電気刺激した時の収縮は NPY(l3・36)で有意に抑えら

れた。つまり'lPYがプレシナプスの Y2受容俸を介して、電気刺激で放

出されるt¥E量を減少させたためであると解釈され、 Y2受容俸は

N PY (13・36)に対して高親和性であると考えられた。そこで平滑筋と

海馬の膜画分を用いて NPYの 結 合 部 位 の 解 析 を 行 っ た と こ ろ 、 平 滑 筋

では NPY (13・36)は低親和性、海馬では高親和性となり、平滑筋には

y1受容俸,海馬には Y2受容体が存在することが示唆された。 APP,

HPP, RPPなどの PPファミリーは 1μ 刊の温度でも海馬の NPY結合部位を

阻害しなかった。 しかし平滑筋の場合 iμMの漉度で約 70%阻害した。

結論として、百PY(13・36)の感受性により、平滑筋上にはポストシ

ナプス型の Y1受容俸が存在し、 GTP結合タンパク質がリンクしている

ことが示唆された。また海馬の NPY結合部位とは、カチオン感受性、

PPの親和性、 GTPアナログの感受性などの点で異なっていることがわ

かった。

-44・

玄_M

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-45・

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-46・

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-47・

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第 2章

平滑筋細胞での NPY受容体を介する情報伝達系

NPYは交感神経系に分布し NEと共存していることが知られている

川 -230 平滑筋は実感神経の支配を受け、 NEとNPYにより制御されて

い る 組織の・つである け-1))。前 章では、 プタ血管平滑筋膜画分に、

r¥PYの結合部位を確認した。 そこで次に、培養平滑筋細胞での、受容

体を介した、 NPYの情報伝達系の解析を行うことにした。 ~PYの情報

伝達系については、いくつかの神経細胞で報告されている けー 10~

シカゴ大学の Millerらは (9 )、ラット知覚神経細胞では NPYは イノ シ

トール 1,4, 5,三リン酸の産生を促進し、細胞内 Ca2+濃度上昇を引

き起こすと報告している。 一方平 滑 筋 細 胞 に お い て は 、 川YはcA月Pの

産生を抑制し、それが引金 と な っ て 血 管 取 締 を 起 こ る と 考 え ら れ て

いた 11・12¥ しかし血管収縮を考える kで、平滑筋の細胞内 Ca2+温

度 上昇は不可欠である f13¥ そこで NPYによる血管収織に、平滑筋の

細胞内 Ca2+漉度上昇を伴うかどうか培養平滑筋細胞を用いて調べた。

方 法

(1)試薬

プタ ~PY ,プラジキニン (bradykinin : BK),アンジオチンシン II

(angiotensinJf: AII)はぺプチド研から虜入した.

フラ -2-AM(Pura-2-A可)は同仁化学研究所の製品を使用した。

3・イソプチル-1 -メチル・キサンチン

-48・

(3・Isobutyl-l・metyl-xanthine: IB時X)とフ;tJレスコリン

(forskolin)はシグマ社から購入した。ニソルジピン,ベラ パミルな

どの L型カルシウムイオンチャンネルプロッカーは当研究所 で合成さ

れた.

( 2)細 胞培 養

プタ平滑筋細胞 (porcjneaortic smooLh muscle cell)は、プタ胸

部大動脈中膜平滑筋層から、 Rossらの方法に従 って単 離した (1 11 )。

細R旬は 199培地に 10%ウシ胎児血清, 10m河 HEPES(pH7.4). ス ト レ プ

トマイシン,ペニシリンGを添加し、 370Cで5%C02を満たした培養捲

中で培養した。細胞密度が高くなれば舗えつぎ、 3・8代継代の細胞を

実 験 に使用した。

(3)細 胞内 Ca2+温 度測定

細胞内 Ca 2~. 度は、 Ca 2 み 感受性の蛍光試薬であるブラ -2 -A刊を用い

て 測 定 し た 。 細 胞 は 75・cm2のプラスチック培養フラスコ中で細腕密

度が高くなるまで培養し、 0.05%トリプシン, 0.2%EDTAで370Cで3分

間処 理し て細 胞を フラ スコ から 剥し た。 細胞 は培 地で 一度 洗浄した

後、細胞数を数え、最終的に lxl06 cells/mlの濃度になるよう に

HEPES(20mりを含むハンクス緩衝被 (pH7.4)に婚濁した。次に 2μMの

フラ・2-AMを加え 370Cで 30分間インキュベーションを行った。 フ ラ -

2-AMを負荷した細胞は、 HEPES(20mM)・ハンクス緩衝液 (pH7.4)で2回

洗浄後、終 濃 度5x106 cells/mlになるように懸濁し、測定用のキユ

ベットに 0.5mlず つ 加 え た 。 細 胞 内 Ca2・濃度の測定は、 日本分先の

CAP-IOOを用いて行った。励起波長は 340と380州、放射波長は 51001'1

を使用した。細胞内 CaH 潰度 ([Ca2+]dの 劃定は以下の式に従 っ て計

算した (1 5 ) 。

[Ca2+]I=K(F-Pmin)/(Fmax-F)

-49・

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この式では、 Kはフラー2のCaれ に対する親和力で、 Kは 224nK. Pは

Ca之+灘度を知りたい時の蛍光強度、 PminとPmaxは最小と僻和した状

態での細脚.内 Ca2<漕度における蛍光強度である。 Pmaxを測定するに

は、 TritonX-IOOを加えて測定し、その後トリスと EGTAを入れて

Fmi nを翻定した。

(4)cAMPの 測 定

199培地に 10州 HEPES(pH7.4)を加えた溶液に、 1x106 cells/mlの漉

度になるように細胞を懸濁した。その 200μIを取り、 O.lmK IBKX存

布下と非容在下で、 10分間 370Cでプレインキュベーションをした。

その後、 iμK ~PY単独で、 または 10μK7 :tルスコリンを加えて細胞

を刺激し、 2分間反応させた。 40μ1の50%トリクロロ酢酸で反応を停

止し、水飽和エーテルでトリクロロ酢酸を除去し、水溶液中の

cAl'IP重をアマーシャム社の cAMP測定周キットで劃定した。

(5)イノ シ ト ー ル し し 5三リン 厳

(IP3: inositol 1, 4, 5-trispbosphate)の測 定

IP3の測定はアマーシヤム社のキットを用いて行った (16 ) 0 199培地

に 10mKHEPES(pH7.4)と10mMLjClを加えた溶液に、 5xl0o cells/mlの

濃 度 になるように細胞を懸濁し、その内 500μlを取り、 lμ 可の NPYま

たは BKあるいは A1 1存在下、 10分間 370Cで反応を行った。 37μ1の 20

5過塩素殿を加え反応を停止、 14μlの水敵化カルシウムで中和後、

1 P3測定キ ッ ト を 用 い て 上 清中の IP3量を測定した。

-50・

鐙A

プタ培養平滑筋細胞で、 NPYは濃度依存的に細胞内 Ca2+漉度を上昇

させた(図 1a) 。最大の細胞内 Ca 2~濃度上昇をもたらす NPYの濃度

は 10 ・ 7 K であった。また ~PYの EC50備は 3xl0・ 9 1'1であった。次にr, PYの

細胞内 Ca2+温度 上昇が、 細胞外からの滅入によるのか、細胞内の

Ca2+のプールからの動員の結果であるのかを調べた(図 1b) 。細胞

外に 2mKのEGTAを 添 加 し て 、 細 胞 外 の フ リ ー の Ca2+を除いても、 NPY

による細胞内カルシウムイオンの上昇は明らかに認められた 。 また

L型カルシウムチャンネ jレ阻害剤であるニソルジピンは、t¥PYの細胞

内Ca2"漉度上昇には影響を及ぼさなか った。従って 細胞内 Ca2+濃度

の上昇は、組府内の Ca2φの動員によると考えられた。 NPYのほかに

BKとAlIでも細胞内 Ca2"上昇を引き起こした(図 1c) 。い ずれの場

合もそれぞれ同じアゴニストを 2回続けて投与した時は、 2回目には

締胞内 Ca2+漉度上昇が認めら れ ず 、 ホ モ 脱 感 作 が 示 唆 さ れた 。 BKで

一 度細腕内 Caν 漕度を上昇させた後、 AIIで刺識しても本来の作用よ

りも弱い細胞内 Ca2+濃度 上昇し か 認 め ら れ ず 、 従 っ て ヘ テロ脱感作

といえる。 しかし、 BKとNPYあるいは AlrとNPYの聞ではヘテ ロ脱感作

はほとんど認められなかった。図工 dに示すように、 NPYによる細胞

内Ca2"濃度上昇は BKによるよりも小さく、上昇初速度も AIIや BKに比

べて低かった。また 一 般に NPY受容体は百日咳毒素 (PTXor islet

activaling protein: IAP)感受性の GTP結合タンパク質とリンクして

い る こ と が 知 ら れ て い る 。 そ こ で NPYの細胞内 Ca2+濃度上昇作用に対

する PTXの影 響 を調べた。 PTXで 3時間処理すると、 NPYの作用は消失

したが、 AIIや BKなどの効果は影 響 を受けなかった。つまり NPY受容

俸は PTX感受性の GTP結合タンパク質とリンクしているが、 AIIや BKの

受容体は PTX非感受性の GTP結合タンパク質である Gqとカップ ル し て

いることが示唆された。

-51

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A

B

C

Q

~ lO10M IO9M C

IO8M lO7M lO6M

j¥f¥ r. 一、 ィーィ八1"F柏市

、g,主

NPY EGTA NPY NS NPY lO7M 2 X1O3M 1O7M 1O5M lO7M

C

λ、 I~390 J ~r-l' ヶ斗向ヘー 170

BK AT 11 BK NPY

~ 500r NPY NPY AT・11 AT-II BK BK

c ー

ノー-、。姐~

-I"-ー _l"----、~

Control cells ji. IAP-lreated cells

~ NPY AT-II BK AT-II BK

C

l' NPY

-- }' [" r f' 〆.一『、制司 ..r-ー~ 15 160

1π1tn

図 10 NPY, AII, BKに よ る 平滑筋細胞での細胞内 Ca2+温度上昇作用。

(A)NPY(10-10K-10-6M)による細胞内 Caυ漉度上昇。

(B)EGTAと VDCCプ ロ ッ カ ー , ニソルジピン (NS)の影響。

(C)NPY(lO-7K), AII(10-6M), BK(10-6M)による細胞内 Ca2+漉 度 上 昇

:ホモ及びヘテロ脱感作について。

(D)PTX{pertussis toxin, islet activating protein:IAP)の効果。

PTX(100ng/llll)で3時間細胞を前処理後 NPY(10-6M), AII(10-6M),

BK(10-6K)を加えた。

-52・

IPけまイノシトールリン胞質の分解物であり、細胞内の Ca2+プールか

ら細腕質内に Ca2+を 放 出 さ せ る 、 い わ ゆ る セ カ ン ド メ ッ セ ンジャー

と考えられている け円。 IP3の分 解を防ぐため 10m月LiClを添加し、無

刺激で 10分間経過後の IP3量は、 3.90+0.98pmol/l06cellであった。

図 2に示 すように、 BKとAIIを加えると、 15秒間でそれぞれ無刺激時

の 320%と 160%まで 1P3量は増大した。 BKとA11の 1P3生成効果は、それ

ぞれ細胞内 Ca2+灘度上昇効果とよく 一 致していた。しかし NPYは IP3

生成には影響しなかった。従って NPYによる Ca2+動員は、 1P 3・Ca2+に

はよらないことが 示 唆された。 次に細胞内の cAJ1P含量に及ぼす NPYの

効果及び、 cAKP含量が NPYによる細胞内 Ca2+動員に及ぼす影響を調べ

た。図 3に示すように、 NPYは フ オ ル ス コ リ ン に よ る cAMPの過剰生成

を抑えた。この ことは NPYがアデニル 酸シクラーゼの調節になんらか

の役 割を 果た して いる こと を示 唆し てい る。 一方 細胞 をフ オルスコ

リンや IBMX(O.lmM)とプレインキュベーションして、細胞内の cAMP量

を16倍に増やしても、 NPYによる 細胞内 Ca2+動員には 影響は見られな

かった 。

-53・

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主室

NPYは細胞内 Ca2 ~ 濃度上昇Reynoldsらによるとウサギ肺動脈では、

しかし本研究によればプタ培養平滑筋綿脚は起こさなかった けれ 。

細胞内 Ca2"'"濃度上昇を起こしNPYは濃度依存的かっ一過性に、では、

14

10

8

12

2zu@OF¥

6 OEa

平 t骨筋での細胞内 Ca2+濃度上昇には二つの経路が考えられる。た。BKによる IP3産生。AI1, NPY, 図 2。

一 つ は 細 胞 内 の プ ー ル か ら の 流出であ一つは細胞外からの涜入で、(O)~Py (1 0 - 6 司) ; (ム )AII(lO-6月); (口 )BK(lO-6M)

M a 4

2

細胞細胞外に EGTAを添加し、NPYによる細胞内 Ca2+濃度上昇は、る。寧寧P<O.Ol本P<0.1, 60 30

SEC

。。あるいは電位依存性 Ca2+チャンネル外のフリーな Ca2+を除いても、

つまりわずかしか影響を受けなかった。ブロッカーを加えても、

コトン¥ *-に細胞内の Gaド プールからの流NPYによる細胞内の Ca2+の動員は、

しかしわずかでも EGTAの影響が見られるの出によると考えられる。

EGTAを添加することにより細胞内の Ca2みのプールも一部減少すは、

細腕内プ ー ル かBKとAIIは NPYと同様に、るためかもしれない 付制 。

いくつかの細胞内 Ca2み濃度の上昇を起こすが、らCa2+を動員して、

まず第 一 にBKや AIIに比べると、点で NPYの場合と異なっている。

第二に細胞を PTX処理すると NPYのNPYの細胞内 Ca2+漉度 上昇は遅い。

BKとAIIによる細胞内 Ca2+濃度上昇は影響されな作用は消失するが、

いずれも NPYとは第三に BKとAIIではヘテロ脱感作が起こるが、い。

BKとA11は IP3の生成を促進するが.最後に、起こさない。~

2 NPYはこのイノシトールリン脂質情報伝達系の冗進を起こさない。

NPY IBMX NPY I ~ (10min I _ I '¥. before I '¥ I "¥ NPY) I ¥

イ マー~トーイ

』咽醐剛幽剛幽幽園圃圃幽圃同a

1m;n

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守,‘,

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A

B

γt~. 帥

=8由OF¥-

。Ea

10

aC44u

A

1

MIN

PTX感受性GTP結合タンパク質を介し以上の結果から NPYは受容体,

すなわちホスホリIP3の蓄積、細胞内 Ca2+灘度上昇を起こすが、て、cAKPの効果。NPYの細胞内 Ca2+濃度上昇作用に対する、図 3。

一方 BKとAIIは 1P3生パーゼCの活性化を伴わないことが示唆された。(A)IBMX(O.lmK)とブオルスコリン(10μ 河)の影響。

フォルスコリンは ~PY と同時添IBMXはNPYを加える 10分前に添加し、 よく知られた IP3・Ca2+経路で細胞内 Caυ濃成の充進を引き起こし、

IBMXとフオルスコリンは細胞度上昇を起こすと考えられる (19-20>。加した。

これらで細胞を処理をしても NPYの効果内の cAMP量を増大させるが、(B)NPYの cAMP産生に対する効果。

NPYの細胞内 Ca2+濃度細胞内 cAMP量は、は変化しなかったことから、NPY(10-6M)を単独で添加。(左 )(O)control,

つまり 1sMXやフオルスコ上昇には影響を及ぼさないと考えられる。さらに NPY(10-6K)を加えた。(・ )IBKXを10分前に添加し、

-55・

(右)(0 )フオルスコリン(10μ 丹)を単独で加えた。

(・ )フオルスコリン(10μM)とNPY(10-6M)を加えた。

-54・

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リンによる cA:iP生成上昇に対するI¥PYの阻得効果は直接、pyの細胞内

Ca '::'-鴻度上昇には関係ないと考えられる. 一 般に細胞内の Ca2+プー

ルからの Ca<'>の放出は、 IPaの産生の結果起こることが知られている

‘1F¥ ラットの脊髄神経節細胞では、 ,,¥p YがPTX感受性の GTP結合タン

パク質と Jp ~産生を鮮回して、細府内 Ca 2i 漉度上昇を起こすことが報

告されている 川 1n¥ 平滑筋細腕で NPYが今回の測定の感度では検出

されない低能度の 1P3産生を起こして、細胞内 Ca2+濃度を上昇させる

という可能性は除外できない。 しかし NPYと間程度の細胞内 Ca2+漉度

上昇を もたらす AIIが、 1P3産生を起こすことから、 AIIとは明らかに

異なった作用機構で ~PYは働いていると考えられる。 NPYが 1Pa産生を

伴わずに、細胞内 Ca2+漉度上昇を引き起こすことは、 Hichelらもヒ

ト赤芽向血病細胞で報告している (2 1 )。現在の段階で NPYの細胞内

Ca" ~濃度上昇がどの犠なメカニズムで起こっているかよくわからな

いが、 グルカゴンやインシユリンのように、細胞膜の Ca2令依存性の

ATPasetl'影響しているのかもしれないj2 2・24~

-56・

主童E

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-59・

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-60 -

第 3章

培養プタ平帯筋細胞での NPY受容体の結合部位の解析と NPYによる頼

胞 内 カ ル シ ウ ム イ オ ン 濃 度 上 昇 の 解 析

薬理学的結果から、 NPYには少なくともれと Y2と言われる 2種類の

受 容 体 が あ る こ と が わ か っ て い る けー約 。 NPYの C末端フラグメントの

一つである NPY(13・36)は Y2受容体の、 [Leu31,Pro34]NPYは yl受容体

の特異的アゴニストである け}。前章で、培養平滑筋細胞において、

NPYが PTX感受性 GTP結合タンパク質を経由し、 IP3産生を起こさず、

細胞内の Ca2+プールから Ca2+を放出させ、細胞内 Ca2+濃度上昇を起

こすことを報告した。次に培養平滑筋細胞に機能的な NPYの結合部位

が存在するかどうか調べ、その受容俸はいずれのタイプであるかを

解析し、その受容体の活性化により細胞内 Ca2+濃度よ昇が実際起こ

るのかを調べた。

互主主

(1)試薬

P-NPYはペプチド研から購入した。 PYY,APP, HPP, RPPはペニンシ

ユラ社から暗入した。 NPY(13・36)と NPY(25・36)はペプチド合 成 機 で

合成後 HPLCで精製して使用した。

( 2)瓢胞培養

-61

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箪:.A第 2章に1Ji!した方法で行った。プ夕、事滑筋細胞の培養は、

(3)結合実 験

プ タ 培 養 平 滑 筋細胞脹両370Cで結合実臓を行うと、まず30分間,

凶 1左に示すように全体の結合量,分に NPY結合活性が見い出された。プタ'll滑筋細胞は 75-c. ~ のプラスチック培養フラスコ申で組胞続

Scatchard解析を行う特異的結合段が~!~られた。非特異的結合量,0.05% 3分間,37" C, 0.2%EDTA存在下、度が高くなるまで培養し、

Bllaxは 0.68土0.10pllol/ng-タンパク質であ っ たとKd値は1.1士0.2nl'l,トリス嵐 酸 緩衝液細 Rおは 50四月トリプ シ ン で 処 理 し て 細 胞を剥した。

5∞

-ac¥c-22aoE¥-oE

.L¥@

(阿 l右)。トールを加えたジチオスレイlmK アプロチニン,(pH7.4)に5μg/ml

m

m

522a@E¥ZE--232EZ4畠

=R乙

ポリト

凍結融解を 2回繰り返し、

破砂液は 1000gで 10分間違心し、

で 2回決浄し、

ロンホモジナイザーで破臨した.

(緩衝液 A)緩衝液

沈澱を緩衝液 Aで一度洗浄し、滑をさらに 100,OOOgで 20分間遠心し、

-80度で保存し た .10%(v/v)グリセロールを加 えた緩 衝 液 Aに婚濁し、

211可このように調製した細胞膜 ~j 分 18μg を使い、結合実 験 は、

ウシ血清アルブミンを加えて0.2% 125 I-BH-~PY , O.lnK CaC12,

トリス極 酪 緩衝液 (pH7.4)の 2.5氷冷した 50mM37'C,30分間行った。

トマン GF/Cフイすぐにワッ。1:を反 応 液 に 加 え て 結 合 反応を停止し、

トリス極酸緩衝被 (pH7.4)で2.5m1 の氷冷した 50m~ルターで 渡 過し、

sα3 Bound,fm。νmgproteln

。1.5 0.5

('" I J8仲判PY.nM

1.0 。そし て フ ィルター上の放射能を γ カウンターで測定し5回洗浄した。

トマン GF/Cフィルターはあらかじめ 1%ポリエチ レンイミンワッた。

lμ 刊の ~PY存在下非特異的な 結 合 を 測 定 す る 時 は 、

で結合反応 を 行った。

に浸しであった。

(4)細胞 内 Ca2+温度測 定

r¥PY結合部位。プタ平滑筋細胞に存在する、図 10

(左)(0)全俸の結合 量 ;(・ )特異的結合 量 ;(.. )非特異的結合量

(右)~ PY結 合部位の $catchard解 析

-63・

Ca2 ‘感受性の蛍光試薬であるフラ -2-A)(を用い

第 2章 に記したように測定した.

-62・

細胞内 Ca2ふ灘 度は、

て、

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以上の ~PY関連ペプチドの細胞内 Ca 2 ゐ k 昇作用の EC 久 oil買と結合実験よNPYは濃度依存的に ープタ ql滑筋培弟細胞で、前章で述べたように、

プタ'JL~ PY関連ペプチドによる.り得られた IC刊 怖を表 1に示した。そこで各穂 NPYのアナログを用過性の細脚内 Ca2<漉度上昇を起こす。

滑筋細腕の結 合実験から得られた ICsl"値と細胞内 Ca24上 昇作用から培養平滑筋細胞上の結合実験と細胞内 CaO!・濃度測定を行い、いて、

そわかった ECso個には相関性があったが HPPでは認められなかった。H-NPYに加え、P-KPY, その結果、~PY受容体の解析を行った e

Hでは細APPは10-5こでそれぞれの PPについて詳しく解析を行った。EC50値は 7.7士2.7nMで、pyyも細胞内 Ca2'濃度上昇を引き起こし、

I2:"I-BH-t¥PYの結合に対す胞内 Ca主+上昇作用は認められなかったが、Y2受容体の選(図 2)。とほぼ等しかった(6. 6tl .1n10 P-t¥PYのf直

可PYによる細RPPで前処置しでも、るIC刊値は 4100+500n河であった。N PY (13・36)についトである ~py の C末端フラグメント,択的ア ゴニス

APPを前処,

nr nr・

(図 3a)、腕内 Caゎ 濃度上昇には影響はなか ったがNPYに比べ て細 腕 内 Ca2+濃 度 上昇作用が弱く、て調べたところ、

(凶 3a}。理すると ~PYによる細府内 Ca 2 ・漉度上昇は幾分阻害された結 合H-~PY さらに PYY と~py (13・36)では、P-r¥PV, 約 1/500であった。

~PYの細胞内 Ca 2φ 濃度上昇の濃度依布HPPあるいは APPが存在すると、Ca2ゐ濃度より得られた ECso儲はよく一致実験 か ら得ちれた Ki値と、

つまり HPPあるいは APP(10・ち(図 3b)。トした曲線は右にシフAPPはRPPは Ca2'"濃度を変化させなかったが、HPP, 。(図 2) した

6.6:tl.1niiから 63+23n河に、 6.6+1.1n河

Gaddumの式 (':->, (A'IA)-}=s/Ksにあてはめて

~PY の EC50儲は、存在下では、10ーちHで は わ ず か な が ら 細胞内 Ca2ゐ濃度上昇作用が認められた

IfPPの Ka備は 1300+300nliであった。

から 17土5nMにな った。

解離定数 KBを計算したところ (4)、T

だだし V と A はそれぞれ HPP存在下あるいは非存在下の ~pyの EC 50 fflで

同様に して APPについて Ke儲Hである。ちまた Bは HPPの濃度 10ある 。

6500!JOOOnl1であった。をもとめたところ、泊四

.-P"・υ】

細胞内 Ca2・濃度上昇作用より得結合実験より得られたれ髄,表 10

られた EC50備と Kn値の比較。

-l

-zE』+

司,b

a

c

[

125 ["JI]BH-NPY binding

(図 3a)。

A

100

A-o主Eou-o滅

}

azeza【-由開

---oec-司E-au---uωaω

(図 2)

7

-Log

8 9 。

5 e 8 7

-Log M

9 10 。

工nhibiヒionKB

(nM)

工ncどeaseEC50 (nM) (nM)

nu

nunυ

↑L

OOC

41e

F

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L

-+一+一f

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B句

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IAUZAU3nunu

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JnuphJnunu

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‘1守

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E

・・・O〉

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3EJ4tnU

句『

1

A

K~ 1

porcine NPY human NPY PYY NPY(13-36) NPY(25-35) human PP avian PP rat pp

(A)プタ平滑筋細胞での NPY結合部位に対する、

月PY関連ペプチドの作用 。

図 2。

(B)NPY関連ペプ チドの細胞内 Ca2+漉度上昇作用。

P-NPY(10-6河)による細胞内 Caれ 灘 度 上 昇 値 280+30刊を

100%とした。K i ::: 1 C5 0 1 (いC/Kd)の式から求めた.

(・)HPP;(・ )H-NPY;(企 )可PY(13・36); (ロ )~PV(25 ・ 36) ;

Kdは解離定数(1.1nM)である。

IC50は 12SI-NPYを50%阻害する個。

Cはけらl-NPYの用いた濃度 (O.ln川.

-邸・

(6. )pyy; (0 )P-NPV; ('Y) APP; (マ )RPP

-64・

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A 10

コ「-frイ(

(・%U) ;; 501

U """

:ゴ fイ「 てpAPP NPV RPP NPY

』ーーー一国自__.

1min

主室

8 ポストシナプス細胞である、 プタ平滑筋細胞に存在する NPY受容体

について解析を行った。 125I-BH-NPY を用いた非特異的結合の割合

は高く全結合の 70%に逮した。 し か し 実 験 を 繰 り 返 し た 結 果、わずか

であるが特異的結合が確認された。結合平衡実験より得られた阿倍

は1.1土 0.2n阿で、結合阻害実験より得られた P-NPYのKi値3.5+ 1.0

nM に比べ少し小さかったが、ほぽ間程度の値であった。こ の Kd値は

ラット脳 (Kd儲 :0.38nIO(6).ブタ廊臓 (Kd儲 :0.53nM)(7).ラット碑

臓 (Kd儲 :0.38nM)(8),ラット血管 (Kd値:1.1nI0(9)とほぼ似た備であ

った。結合実験の結果から、プタ培養平滑筋細胞膜画分では、 NPYの

C末端フラグメントである NPY(13・36)の親和力は NPYの 1/200・1/300で

あった。そして細胞内 Ca2+濃度上昇効果は、 1/300・1/500であった。

以上の結果を考慮してみると、 Wahlestedtらが提唱したように {い 、

平滑筋上の NPY受容体は NPY(13軍 36)に親和性が低いことから、 ylタイ

プの受容体であることが示唆された。 PYYは現在日夕イプの受容体を

灰別するために用いられる。そこで次に PYYについて平滑筋上の NPY

結合部位と、細腕内 Ca2+上昇作用について調べた。その結果PYYでは

NPYと同程度の細胞内 Ca2+温度上昇が認められ、 NPYの結合部位に対

する親和性は NPYとほとんど等しかった。つまり平滑筋上の NPY受容

体は、 Y3タイプではなくy1タイプであることがここでも確認された。

PYYの親和力は、 ラット小腸やプタ脳、 さらにラット海馬の実験の健

とよく 一 致していた (10-13>0 APPはHPPや RPPと異なり、 10-5 Mでわ

ずかながら細胞内 Ca2+灘度上昇作用が認められた。一方 HPPは結合阻

害実験より得られたれ値と、 NPYの細胞内 Ca2+濃度上昇の阻 害効果か

ら得られた Ks 儲はよく一致した。 NPYはそれ自身ホモ脱感作し、 BK

とAIIはヘテロ脱感作することを第 2章で述べた。 しかしこの場合、

HPPが NPYの細胞内 Ca2+灘度上昇を阻害するのは、 HPPとNPYが脱感作

し合うからではない。なぜならばHPPでは解離定数よりも高い濃度

。8 7 6 9

-Log M

図130 t¥PYによる細施内 Caド濃度上昇作用に対する、 PPファミリーペ

プチドの作用

(A)APP, HPP, RPPの作用 ~Py (l 0 - 8M) を加える 1 分前に

各 PP(10ぺ M)を加えた。

(B)t¥PYによる細胞内rCaP 濃度上昇作用に対する

APP, HPPの効果。

P-NPY(l0-6列)による細胞内 Ca2+濃度上昇値 280士30nMを

100%とした。 HPP(lO-!)IOとAPP(10-5M)はP-NPY(10-9M-I0-6M)

を加える 1分前に添加し た 。 (・ )HPP; (ム )APP;(O)contro1

-66・-67・

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(l300nM) でも細胞内 Ca2+灘度上昇が起きないからである。一方 APP

の場合それ自身細胞内 Ca2+濃度上昇作用がある。また APPと同程度の

細院内 Ca2+濃度上昇を起こす NPY(10-911)を前処理すると、 NPYの細胞

内Caυ温度上昇が阻害される。

以上の結果を考え合せて、 NPYとAPPは点モ脱感作することにより.

NPYの細胞内 Caヲ+漉度上昇を阻害するのであろうと考えられる。これ

らPPのNPYの細胞内 Ca2+濃度上昇に対する効果は、 トリ,ヒト,ラッ

トの PPで互いに異なるので、それぞれに特異的な作用であると考え

られる。 HPPは平滑筋の収縮や神経伝達物質の放出阻害、あるいは

cAHPの産生阻害でアゴニストとして働くことは知られている

( 6. 9・ 1<1 )。しかしプタ培養平滑筋細胞ではアンタゴニストとして

作用することが示されたが、この本来の理由と意味は現在明かでな

い。

以上の結果から、結論として、我々は培養平滑筋細胞で NPYによる

細胞内 Ca2+濃度上昇作用が yl受容体を通じて行われていることを明

らかにした。

-68・

玄」盤

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-69・

Page 40: Title 受容体を介するneuropeptide Y(NPY)の作用機 …...目次 ページ 緒論 l 第~ 1 jま ブタ中膜平滑筋でのNPY受容体の結合部位の解析 3 3 賞J2章

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-70・

interaction with peptide YY prefering receptors.

Endocrinology, 124(1989)692・700

-71・

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第 4章

NPYの Yl受容体にリンクした GTP結 合 タ ン パ ク 質

第 2章で述べた様に、 Y1受容俸を介する情報伝逮系は、 イノシト

ール 1,4, 5三リ ン 酸の産生を伴わず細胞内 Ca2+濃度上昇が起こる

系と cA可Pの産生阻害を起こす系の 二 つからなっていることがわかっ

た。第 2 章では、 ~PYのターゲット細胞の一つである平滑筋細胞を用

いて 解析を行ったが、他のグループもほぼ同時に、平滑筋縄腕以外

のいくつかの培養細胞で問機の結果を示した け・引 。 Y1受容俸を介す

る 2つの情報伝達系は、いずれの細胞でも、 PTXの処理により消失 す

ることから、 Y1受容体には GTP結 合 タ ン パ ク 質 が 関 与 し 、 二 つ の 情報

伝達系を調節していることが示噴されている。 ヒトの神経上皮腫錨

細胞の 一つ である SK・f¥-MCでは、 yl受容体が発現していることが報告

されている ゆー 10V プタ平滑筋細胞に比べてこの細胞は糟殖が速い

ことから、細胞レベルでのy1受容俸アンタゴニストの探索に本細胞

を用いるのは適当であると考えた。また楠物抽出厳には各種受容俸

アンタゴニストが豊富に含まれていることが広く知られている。そ

こで SK-~- 可C締胞を用いて、植物抽出液中から、y1受容依アンタゴニ

ス トを探索することにした。植物抽出液中から yl受容体アンタゴニ

ストを探したところ、ある種の植物抽血液が強い .~PYの Yl 受容体アン

タゴニスト活性を示した。 しかしそれらの植物はいずれもかルポー

ルエステルを含んでいることで有名な植物であった。実際各種ホ ル

ボールエステルは NPYによる細~内 Ca 2 + 灘度上昇作用 を 完全に阻害し

た。ホルポールエステルは、 PI-PLC系を活性化させることが知られ

ているエンドセリン(ET)の、細胞内 Ca2+濃度上昇作用にはほとんど

影響を及ぼさなかった。つまりホルポールヱステルの作用は、かな

りY1受容依の情報伝達系に特異的であることがわかった。そこで ホ

-72・

ルポー jレエステルを用いることにより、 Y1受容体を介した 2つの情報

伝達系である、細胞内 Ca2+漉度 上昇と cA:1P産生阻害の系についてさ

らに詳しく解析できると考えた。 Proteinkinase C(PKC)の 活性化剤

であるホルポールエステルは、いくつかの細牌の情報伝達系を特異

的に修飾することが、いままでに知られている (t 1・14¥

五益

( 1 )試薬

P-NPYとエンドセリン -1(endothelin-l: ET-l)はペプチド研から

瞬入した。 1-オレオイル-2・アセチルグリセロール(l-Oleoyl-2・ac-

etylglycerol:OAG),ホ ルポール 12, 13・ジプチレート (phorbol 12,

13・dibutyrate:PDBu), 4-アルフア・ホルポール 12,13・ジプチレー

ト(4'alpha-phorbol 12, 13・dibutyrale:4α-PDBu),ホルポール 12

・ミリステート 13・アセテート (phorbo1 12・myristate 13-acetate:

P司A), 4・0・メチルホルポール 12・ミリステート 13・アセテート (4・0・

metylphorbol 12・myristate- 13・acetate:MPHA)と百日咳毒素 (per-

Lussis toxin:PTX)とスタウロスポリン (staurospofIn)はブナコシの

製品を使用した。フラ-2・AIiは同仁化学研究所から晴入した。

[12SIJBolton-Hunter NPy(1 2S IJBH-~PY) はニューイングランドニュ

ークリア一社の製品を使用した。

( 2)細胞培養

ヒト神経腫癌細胞 SK-十月CはAcericanType Culture Collectjon

(ATCC)から購入し、 RPMI-1640培地に 2mMグルタミンと 10%の ウ シ 胎

児血清を添加した培地で、プタ平滑筋細胞は、 199培地に

10mMHEPES(pH7.4)と10%のウシ胎児血清を添加した借地で と も に 培

-73・

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養した。両方の細胞は、 5%の CO2を添加した容器の申 370Cで培養し

た。

(3)細 胞 内 cAKP量の測定

RPHI1640培地 に 10図'f HEPES (pH7.4) を加え、細胞を lx106/mlの濃

度になるように婚 濁 し た。その 200μIを取り、 370Cで 10分間プレイ

ンキュベーションしたのち、各 種ホル ポー ル エ ス テ jレを加え 1分間反

応させ、 10μMブオルスコリン を単独または NPY(l0-7K)と共 に加えて、

さらに 2分間反応を続け、 0.1N HClを 200μ1加えて反応を止め、凍結

保存 し た 。 融 解 後 0.1Nのt¥aOH 200μ1を加え中和し、 アマーシヤム社

製 の cAMP定量キットを用いてラジオイムノアッセイを行い、 cAMPj監

を測定した。

(4)細 胞内 Ca2+温度測定

125cm2の培 養フラスコ で培養した細胞をトリプシン処理してフラ

スコから剥した。遠心で細胞を集めた後、 20mH HEPES(pH7.4)を添加

したハンクス緩衝液に細胞を lx106/mlの灘度になるように細胞を懸

濁し、第 2章で 述 べ た ように、 細胞内 Ca2令濃度を測定した。

(5)NPYと細 胞との結合実 験

poly-L-Lysでコートした 12穴の細胞培養プレートに、細胞を培議

した。 2日間培雀し、細胞密度が高くなるまで培養した後、

20mMHEPESと1%ウシ血清アルブミンを加えたハンクス緩衝液

(pIl7.4)で一 回洗浄した。その後、 1分間 10-61'{ PMA で細胞を処理し、

も う一 度同じ緩衝液で洗浄した。結合実験は 0.1nKの [lBI]BH-NPYを

間じ 緩衝液に加えて、 370C,60分間行った。反応液を除いた後、

1 mlの氷冷した緩衝液で 2度洗浄し反応、を止めた。直ちに 0.75mlの 3M

-74・

酢酸, 8Mの尿素と 2%(v/v)の Nonidet P40を含む液を加えて細胞を処

理し、これを 2因縁り返した後チュープに移し、 γカ ウ ンターで放

射 能 を 測 定 し た。

(6)値 物 抽 出 液 の 調 震 法

各種楠物をメタノールで抽出し、最終濃度 1mg / mlにし、 これを植

物抽出液として使用した。

鐙Jf!

約 400種の植物のメタノール抽出液について、 NPYの SK寸・可C細胞内

Ca2+濃度上昇作用に対 する抑制効果を調べた結果、 7稀類の 植 物 抽 出

液 に 強 い 阻 害 活 性 が 認 め ら れ た 。 7種のうち 5種は、 アプラギリ,シ

ナアブラギリ,コ シ ョウノキ,ゲンカ,ナットウダイであ っ た。 こ

れ ら は い ず れ も 図 1に示 し たように、ホルポールエステルを含んで

いる。y1受容体が発現しているプタ培養平滑筋細腕に対しても、 こ

れ ら の 植 物 抽 出 液 の 効 果 を 調 べ た。 アブラギリ抽出液は、 NPYによる

純胞内 Ca2み濃度 上昇 を阻害したが、 AIIの細胞内 CaH 濃度 上昇 効果は

阻害しなかった。アプラギリの抽出液の添加前に PKCの阻害剤である

スタウロスポリ ン で処理すると、アプラギリの阻害作用は消失した

(図 2)。

-75・

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Aleurites cordata アブラギリ

404

R1 R2

151 ↑ NPY A工工

10 7M 10-7M

,回町、

苫ロ己

17 ., 180

CH3

よ 151 ro U I....J

Aleurites NPY A工工

cordata 10-7M 10-7M

.&3・3 1/150 (mg/ml)

fmptl"lcol formulo (17H3008 1642

MP 191.・196・c

Aleurites fordii シナアブラギリ

Daphne kiusiana コショウノキ

Daphne genkwa ゲンカ

Euphorbia sieboldiana ナットウダイ

l' CH)

開 。

‘、(H今OR220

Aleunles fordll Hemsl

印1(同 111.(H3 H

H H

Aleurites fordii u v IEtOHJλOlOX (εI 21.3 (89501. 331 (61.1 11m

( 0 IMeOHl .3ι211~J :・30501. 2ι3 ([~I" ・ a 3001 11m

'H. N内向 ICO(I),100門HlI

151

Daphne kiusiana n

i

M

r

7

0

-p

o

S

1

0

z

u

a

トしC

M

AlcuriLcs

cordata M

7

VA

小lm叩

A工工

10-7M

Daphne gcnkwa 1/150 (mg/ml)

1 min

図 10 ホルポー ルエステルを含んでいる代表的な植物と

植物由来の ホ ル ポ ールエステル

図 20 平滑筋縄胞での、 AII と ~pyによる細胞内 Ca 2 +温度上昇作用に

対するアプラギリ (Aleuritescordata)の抽出 被の作用とス タ ウ ロ ス

ポリンの影 響

-76・ -77・

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代表的なが Jレポー Jレエスチルの }つで あ

。(図 4) 同績の結果が得られた

ナットウダイの代わりに、ナットウダイは NPYの細胞

るPHAを用いても、SK-N-KCについても同様の実験を行った・ ~.度上昇に対してはET1の 細 胞 内 Ca

2

内Ca'l・温度上昇を阻害したが、 タウ

トウダイの阻害作用はなくなった

トウダイの前に PKCの阻害剤であるスナツ~響を与えなかった。

ナツロスポリンを処理すると、

。(図 3)

448

, i ーーーーーーー-・

'¥ 1111.0

↑ stauro5porl.O

10 7M

53

(玄C}

.I"i F同司

+N伺

υ}

a問

、a

・・5

b-u

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a,~

争L

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s:eboldiiloa

428

50

{玄C}

{φNMWU

1/150 (1II9/m1

)一一一一一ー1 ml.O

(m9/m1) 1/150

t¥PYとETlによる細胞内 Cal・灘度上昇作用に

対する P'tAとスタウロスポリンの影響

SK-~-MC細胞での‘図 4"

siebo1diana)の抽出液の作用とスタ

NPYとETlによる細胞内 Ca?~.度上昇作用にSK-N-KC細胞での、図 30

-79・

トウダイ (Euphorbia

-78・

対するナツ

ウロスポリンの影響

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yl受Y2受容体のアゴニストであるt¥PY(13・36)はほとんど結合せず、特 異 的 に yl型以上の結果からホルポールエステ Jレが PKCを活性化し、

Pro34]~PY は ~PY と問機の親容体の特異的アゴニストである [Leu31,そこでホルポール受容体の情報伝達系を阻害することがわかった。

つまり SK-N-KC細胞ょにはy1受容体が発現してい和カを持っていた。Yl~受容体の情報伝達系についてエスチルの阻害作用を利用して、

Yl受容体を介 し た 情 報第 2章で述べたように、ることが確認された。増 殖'iPYによる反応が常に 一 定に検出でき、解析を行うことにした。

細胞内 Ca2+灘度上昇と cAI1Pの産生阻害の 2つ か らなってい伝達系は、速度の大きいヒト神経腫癒細胞 SK-N-MCを用いて実験を行った。

そこでこれらの情報伝達系が SK-~-MC細胞でもることがわかった。SK-可-MC細胞 は Y1受容体が発現していることが知られている

結合実験の場 合 と 同Yl受容体とリンクしているかどうかを調べた。そこで SK寸・可Cが実際y1型受容体を持っているか確認のため<6-1,,) 。

Y2受容体のアゴニストである NPY(l3・36)はNPYゃれ受 容 体 の ア嫌に、。(図 5) 結合実 験 を 行 っ た

それらのPro34]~PYに比べて作用が弱く、ゴニストである [Leu31,も

また(図 6)。111 00程 度 し か 細 胞 内 Ca2φ温度上昇を起こさなかった100

Pro34]NPYに比べcAI1Pの産生阻害活性も NPY(1 3 ・ 36) は ~pyや [Leu31 ,

¥

(図 7)。

~

1/100程度であった

[Le1131,

て活性が弱く、

100

50

d(>

{+NM川U}

NPY pro34]

6

/

7

M

8

-Log

9 10

50

凶向

Z1出向{

H

]

NF

斗40

mc叶匂

Ca判A

υ叶山明什

υω門凶

ω

6 7 8 9 10

問-Log NPY結合部位の解析SK-t¥-I1C細胞での、図 5。

( ・ )~PY (l 3 ・ 36) ; (・ ),¥py;(企 )[Leu31][Pro34]¥PY

~PY関連ペプチドの細胞内 Ca 2 t 濃度上昇作SK-N-KC細胞での、

(圃 )NPY(13・36); (・)N PY; (企 )[Leu31J [Pro34]河py

-81

図 6。

-80・

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ト神経腸痕締胞ヒこれらの結果から以前報告されていた様に (7)、

SK-N-MCでは二つの情報伝達系は Y1受容依にカップルしてい る こ と が

次 に こ の 二 つ の NPYの情報伝達系に対する PKAの効果を確認された。

oj判川VMω.

門口巳ロ

υυω

NPYによる細胞内細胞を 10-刊の PI1Aで1分間前処置すると、調べた。

ETlによる細胞内 Ca2φ 濃度上昇Ca2+灘度上昇は完全に抑えられたが、100

またスタウロ スポリン(図 4)。はほとんど影響が見られなか ったpro34] [Le1131r

PHAの盟書作用は消失した。(10-711)をPMA添加前に加えておくと、

Ca2み漉度 上昇とは異なり、

(図 8)。

NPYによる cAMPの産生阻害に対しては、

PMA前処理による抑制効果は部分的であった

Forskolin

10・5M

r--PM'! 10-8,..

NPY

10・7M

'00

200

300

400

-H同gυ

OF¥Hoεa-品定〈

U

方、

¥

6 7 8

M -Log

9

¥

10 1 1

50

24υ斗40

ロO叶UH叶

AJ判ZC叶

NPYのcAI'lP産生阻害作用に対する P.HAとスタウロスポリンの

-83・

影響。

図 80~py関連ペプチドの cAKP産生組書作用SK- r\・ ~C細胞での、

( ・ )~Py (l 3 ・ 36) ; ( ・ )~PY; (A ) [Leu31][Pro34]NPY

-82・

図 7。

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膜 透 過 性 ジ ア シ jレグリセロール OAGは活性型ホルポールエスチルであ次に各種ホルポールエステルを用いてさらに詳しく解析してみた。

PYの こ つの桁潤伝るPMAや PDBuに比べて M智効果は小さかったが、t'l pyの両方の情報伝遼系は.図 9に示したように、

一方 ETlによるAf系に対しては向徴の阻害効果を示した。PDBu>IiPI1A>4αPDBuの j視で限容された.

細静ー 内 Ca~+濃度上昇に対するホルポールエスチルと OAGの効果を凋ベ

ホルポー Jレエステルも OAGもほとんど影響を与えな(図 9c) たが

PKCをダウンレギュレ一日間縄Jfr1I.に作用させ、10・7可の P河Aをかった。

NPYの情報伝進系の変化に対する P刊Aの影響ーションさせた条件で、

I¥PYによる細胞内 Ca2+

(図 10 )

「一一 ('orsY..olill一寸10・5 M '

灘度上昇と cA可P鹿生阻害はいずれも影響を受けなかった

55"

{

司F-c }

同【.. トa伺υ }

03

'>Mの PIiAで 1分間的処現しても、

8

10 を調べた。

A

. 1'HA

• POSu

ロ4αPOOu

...伺PHA

d OAG

nu

nu--

RM

島広

4ucouυω川

WFhu刷

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ZC岬

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50

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500 5 6 7 8 9 10

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50

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10-7M ... MPMA

10・'1M 。d OAG

1 min 0 "(1 PI)UII

。r J 6 7 8 9 10

ーしoq M

(B)~PYの cAHP産生阻害(A)NPYの細脚J 内Ca1,・濃度 上昇作用,00 図 1

l目前処理)の影 響。作用に対する PH A ( 10-7 H , ( B )百円の cAHP産生阻害作(A)t¥PYの細胞内 Ca?・温度上昇作用,図 90

持 85・

(C)ETlの細胞内 Ca:;'>..温度上昇作用に対する各種ホルポールエス

-84・

テルと OAGの影 響。

用,

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このPTXは そ れ に 感 受 性 の GTP結 合 タ ン パ ク 質 を ADPリポシル化して、NPYとYl受容体の結合に対する P月Aの影吹に PMAの限宮効果について、

GTP結合タンパク質を介する情報伝達系を機能不能にする作用がある。細胞を P月Aで 1分間処理しでも図1]に示すように、響を調べたが、

yl受容体は PTX第 2章でのプタ平湾筋縄静やその他の細胞について、NPYの細胞あたりの結合には変化は認められなかった。

従って PTX処理によ感受性GTP結合タンパク質とカップルしており、

りy1受容体を介する情報伝達系は働かなくなることが知られている。

NPYの 細 胞 内そこで SK-N-MC細腕を PTX100ng/mlで4時間処理して、

PTXによCa2+濃度上昇と cA可P産 生 阻 害 作 用 へ の 影 響 を 調 べ た と こ ろ 、

ET1による細肋

Control

NPYの細胞内 Ca2+濃度上昇効果は消失したが、

(図 12 )。内Ca2+灘度上昇は影響を受けなかった

可ムm

/

七9

n

n

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F

1

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toxin Pertussis

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って、

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C}叶〔

+NMWυ〕

MF向Zl出向

F 400

200

100

300

(片付

ω3¥」〔

OEU判)

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79

6 7 8 9 1 0 cx)

1 min

NPY M -Log

1分間)処壇細胞{・ )と未処理細胞(・ )でのおPYP可A(lO-6M,図 11。

~PY と ETl の細胞内 Ca 2~ 濃度上昇作用に対する PTX の作用。

(右)未処理細胞4時間)

-87・

(左)PTX処理細胞(1OOng/ml,

図 120

-86・

結合部位の解析。

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次に(凶 13 )。また ~PYの c^HP~量生 l阻害効果も認められなくなった

PTX感受性を比較した。これらy1受容体を介する 2つの噌報伝達系の、

reduction

100

μυωい

HUHωL戸内凶

Z

約 30cAHPの E量生阻害効果よりも、

100(ng/ml)

prc-trcatmcnt

toxin

その結果細胞内 Ca2・動員効果は、

(図 14 )。

4

倍感受性が高かった

Pcrtussis

hour

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( ・ }~PYcA /f P産生阻害作用と(企 )KPYの組胞内 Ca 2 " 濃度上昇凶 14 0

(sec) 七ime

作用に対する PTXの感受性

4時 間 処 理 を 行 っ た .PTXは 0・lOOng/1II1,~' PY の cA~P産生阻害作用に対する PTXの作用。国 130

4時間処理を行った。PTXは 100ng/ml,

-、 K)(・)フオルスコリン (10

89

7月)'M)+f;PY(lO

. 88・

(・)未処理 (conLrol)

(... )フ;t)レスコリン(1 0

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主Z襲

活性塑ホルポールエステルの 一 つ であ る PXAは、 NPYの Yl受容 依を

介した 2つの情報伝達、細胞内 Ca2'"漉度上昇と、 cAMP産生減少を共に

阻害した 。 PHA は ~PYの cAHP系に対する作用よりも細胞内 Ca 2 +濃度上

昇作用の方を約 100倍強く阻害した。ホノレポールエステルの yl受容体

を介した情報伝達系への作用は、以下の四つの理由により PKCを介し

た作用であることが示唆された。(1)内布性の PKCの活性化剤である

OAGなどのジアシルグリセロールが 二 つの NPYの yl受容俸を介した 情

報伝達系を阻害した。 (2)各種ホルポールエステルの Yl受容依を介 し

た情報伝達系への阻害作用は、各種ホルポールエステルの PKCへの活

性化と相関性があった <1S・ 16>0 (3)PKCの阻害剤であるスタウロス

ポリンが、 NPYの情報伝達系への PMAの問書作用を解消した。

(4)10守可の P'fAを ー日間細胞に作用させ、 PKCをダウンレギュレーシ

ヨンさせた時、 PMAの阻害効果はなくなった。 PKCはYl受容俸を介 し

た 情報伝達のどこを燐酸化して阻害しているのであろうか。ある種

の受容体では、ホルポールエステルの細胞の情報伝達系への阻害作

用の作用点が、受容体であり、受容体をリン酸化することにより 行

われている例が知られている t12¥ しかし Yl受容体の場合はこの場

合とは異なっていると考えられる。なぜならば、 PMAを未処理の時、

あるいは処理の時の本細 胞の yl受容体の結合部位と親和力が変化し

ないからである。 では GTP結合タンパク費以後の情報伝達エフェクタ

一部位がその作用点であろうか。 しかし、 P月AはETによる細胞内

Ca2ふ灘度上昇を阻害しないし、 NPYを作用させていない非刺激時の

cAMP量や、 7*ルスコリン刺激した時の cAMP:量を変化させていない。

つまりホルポールエステルの作用点、は、 GTP結合タンパク質以後の 情

報伝達系のエフェクタ一部位でもないと考えられる。以上の結果を

考えあわせてみて、ホルポールエステルの作用点は、 GTP結合タンパ

ク 質ではないかと考えられた。長近になり実際 PKCにより GTP結合タ

-卯・

ンパク質がリン酸化されることが報 告 されている 17 )。 そこで y)受

容体の ニ つの情報伝達系にカップルしている GTP結 合 タ ン パク質が異

なるものであり、異なるホルポールエステル感受性を持 っ ているこ

とが予想された。 Yl受容体にカップルしている GTP結 合 タ ンパク貨は

PTX感 受 性 で あ る こ と が 知 ら れ て い る け8¥ そこで二つの情報伝達系

にカップルしている GTP結合タンパク質の、 PTX感 受 性 を 調べたとこ

ろ、約 30倍異なっていることが解った。つまりこれまでの結 果から、

Yl受容体にカップルしている GTP結合タンパク質は、異なる鼠ルポー

ルヱステル感受性と、異なる PTX感受件.を持った別々のものであるこ

とがわかった。

-91・

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主量産

、.,,,an守。。

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n''H

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-92・-93・

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344(1991)1・7

-94・

第 5章

平滑筋細胞に対する NPYの細胞増殖作用について

Lundbergらによると、牌臓の交感神経系を低頼度電気刺激すると、

プレシナプスから放出される神経伝達物質は NEである。 しかし高頻

度でかつ連続的な刺激を行った時には、すぐに ~Eは放出しつくされ

枯渇する。一方 NPYは持続的かつ漸増的に放出がおこると報 告されて

いる (1下。強くかっ持続的な実感神経系に対する刺激は、 一 輔の興奮

状態とストレス状態を起こしていることであり、 これらの要因は動

脈硬化と深く闘わりあっていることはよく知られている。実際実感

神経系の興奮は動脈硬化の 一つの要因 であることが報告され て い る

け~ 以との事柄を考え合わせてみて、 ~PYが動脈硬化に関わりあっ

ている可能性が示唆された 。 動脈硬化の引き金は、血管の平滑筋細

胞が血管内膜へ遊走し、増殖をおこすことである f33. 実際各種神経

伝 達 物 質 が 、 細 胞 増 殖 作 用 を 持 っ て い る こ と が 知 ら れ て いる 44~第 1-3章に記したように、プタ平滑筋細胞で NPYは結合部位を有

し、 NPYが組胞内 Ga2 " 灘度上昇を起こすことがわかった。吹に ~PY と

その関連ペプチドがブタ平滑筋細胞に対し細胞増殖作用があるかど

うか調べるためにまず、i¥PYがDNA合 成 促 進 作 用 を 有 す る かどうか検

討した。

五益

(1)試叢

インスリンはペプチド研から購入した。ド H]チミジン

-95・

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箪:f:(thymidine)はアマーシヤム社から嫌入した。

インスリン存在ド及び非存在下での図 lにまず平滑筋細胞での、( 2)細胞 培 養

増殖を停止した細胞に~ PY の D~A合成促進作用の結果を示した。

明らかな引A合成促進は観娯されなかっNPYを 24時間作用させたが、Rossらの方法に従い《引、プタ平滑筋細胞は第 2章に記した嫌に、

r¥PYは濃度依存的に 細 胞 のしかしインスリン lμM存在下では、た。細胞はダルベッコの変法培地に 10%のウ胸 部大動脈から単離した。

NPYの D~A合成促進作用の EC50値は約 10 - 吋で、DNA合成を促進した。HEPES(pH7.4)と抗生物質を加えた培地中で、シ胎児血清と 10m'"

10 - f.. M の ~py の D~A最大の DNA合成活性は NPYが 10 ~ Kの時認められた。継代数が細肺.は細脚密度が高くなるまで培養し、37"Cで培養した。

5%ウシ胎児血清を添加した場合の増殖促 進 活 性 の合成促進作用は、3-8代までのものを使用した。

約 5%であった。

6

5

(

ω3

hHω仏

ZOHト〈広

On凶民

OUZH

第 2章に記したように行った。

(3)細胞 内Ca2+温 度 測定

細胞 内 Ca2‘濃度測定は、

(4)細胞 の DNA合 成 の 測 定

nuT

l

O

F

×

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Ea匂)

ωZHQHE〉ヱト{}{門}

24穴の細胞の D~A合成の測定は花崎らの方法に従って行った {6 」

10%の牛胎児血清を加えプラスチックフラスコでプタ平滑筋縄胞を、

午細胞密度が高くなった後、たダルベッコの変法培地で培養した。

Sμg/mlのトランスフエリンと 0.5mg/mlのウシ血 清胎児血清を除 き、

HEPES(pH7.4)を加えたダルベッコの変法培地でさアルプミンと 10mM

[3 H]チその後刺激因子 を加え 18時間反応後、らに 48時間培養した。

TiO

そしてトリクロロ 酢さらに 6時間培 差 した。ミジンを 0.5μci加え、

6 7

M

8

ーし09

9 10 その 値を細 胞の DNA合成放射能 を測定し、酸の不溶解画分を抽出し、

。~ 1 重と した

~py の D~A合成促進作用とインシュリンの添加効果。図 10

(・)1μ 時インシユリン添加

. 97・

(・)インシユリン来添加,

それぞれの値=平均値+SE刊

-96・

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無申11"激時の酸不溶性 D~A画分へのド H] チミジンの取り込み値は 2545土

5%ウ シ 胎児10-6可の NPY刺 激時はる210+145dpmで、

~PYの平滑筋細府,の56920土 3100dpmであった。

さらに詳しく調べるために、

155dpmであった。

血清を加えた時は、

t¥PYの関連ぺプ チD~A 合成促進作用を、

NPYと図 2に示したように、ドを用いて実験を行った。

濃度依存的に認Pro34]NPYは同程度の DNA合成促進作用が、[Leu31,

一 方 NPYの C末 端プラグメントの 一 つで Y2受容体のアゴニめられた。

NPYに比べ て約 1/600の DNA合成促進作用 しストである NPY(l3・36)は、

6Mの濃度でも DNA合成促進作用はなかHPPは10か認 められなかった。

6 7

M

8

-Log

9 10 NPYと次に純脚を 100ng/mlの PTXで3時間処理したところ、った。

Pro34] 前 PY と ~Py (l 3 ・ 36) の DNA合成促進作用は消失した[Leu31,

B 細胞内NPYはプタ平滑筋細胞で、第 2章で述べた様に、(図 3a)。

100 そこでその作用と今回実験Ca2ふ

iI度を上昇させることがわかった。

を行った NPYの DNA合成促進作用が相関住があるか調べることにした。

そこで ~PYのアナログについて細胞内 Ca 2 ・ 濃度 上昇活性 を調べた。

吉良

nMであった。

一 方、nKであった。Pro34]NPYの 場 合 EC50値 は 12.5土0.4

NPY(13・36)は NPYに比べて約 1/200の活性しかなかった。

10.0+0.4 ~pyの細胞内 Ca 2~濃度上昇作用の EC50備は、

[Leu31,

t: 50 何

HPPは10-6M

細胞をの漉皮でも細胞内 Ca2+濃度上昇作用は認められなかった。

Pro34]NPYと

DNA合成促進作用と同様に

NPYと[Leu31,

N PY (13・36)の細胞内 Ca2+灘度上昇作用は、

消失した

100ng/mlの PTXで3時間処理したところ、

(図 3b)。

6 7

M ーしOg

9 10 。

(A)t¥PYとその関連ペプチドの DNA合成促進作用 と図 2。

(8)細胞内 Ca2'濃度上昇作用。

Pro34]~PY;( ・ )P-~PY; (企 )NPY(13・36);(O)HPP(・)[Leu31,

N PY (1 0→月)による締胞内 Ca 2~ 濃度上昇備 (280nX) を 100% とした。

-99・

それぞれの値=平均値 +SEM

-98・

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A

主3襲ー

pertl.lss且stoxln non-tceated tred ted

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け け け け 付

pertusslS toxin

7

6

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10FXEa唱-

ZOH卜〈

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MZHAUHE』

rzト-Z尚一

従って、NPYは強力な血管収縮図チであることはよく知られている。z c 2

~PY は DNA合成を促進する可能性が考えら先に述べたような理由で、AJ

・N咽υ}

JPY単独では Di¥A合成促進作用は認められな今回の実験では、れた。

細胞周期の Gl期から S期に移行する際のプログレッションかったが、

NPYは血管平滑筋細胞れ を添加した時に、因子であるインスリン (7.

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つまり NPYは細昨周に作用して D、A合 成 を 促 進 す る こ と が わ か っ た。

コンピテンス因子として働いて期の GO期かち G1期に移行する際の、

また NPYの DNA合成促進作用と細胞内 Ca2+濃いることが示唆された。

第 3章の結合実験から得られた

N PYの DNA合成促進作用Ki 値の 3.5+1.1nMとよく合った値であった。

は5%ウシ胎児血清による D川合成促進作用のわずか 5%であったが、

度上昇作用の EC50値は 10-~ ijであり、

pertussis toxin non-treated

B

}

-t

I

この数値vivoでは、PYが持続的に放出されることを考慮すると、1n

また神経伝達物質は 生 理 的 に 意 味 の あ る 現 象 で あ る と 考 え ら れ る 。

~ 成長因子に比べてかなりや血管作動性ペプチドの細胞増掃作用は、

v.畠• D‘

M" •••

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--'M I AIIや ETは そ れ例えば平滑筋細胞では、小 さ い こ と が 知 ら れ て い る 。NPY

ぞ れ 無 刺 激 時 の 約 80%と65・150%の DNA合成促進作用を示している

約 51 ・ 105%の D~A 合成無刺激時の、~py は今回の実験では、! 0) • { C!. pectUSS1S toxln treated l

・t・-

次に受容俸に特異的な NPY関連ペプチドを周促進作用が観察された。:;; ど の 受 容佑タイプNPYの平滑筋における DNA合成促進作用が、いて、-一--

1 [Leu]l, Pro34J NPY 細こ れ ら の ペ プ チ ド の Or.A合成促進作用は、を介しているか調べた 。

つまり Yl受容体特異的脚内 Ca2・濃 度 上 昇 作 用 と よ く 一 致 し て い た 。‘ー・.園開

-1 min

Pro34]NPYは NPYと同程度の促進作用がなアゴニストである [Leu31,

トである可PY(13・36)はNPYよりもは一方 Y2受 容 体 の ア ゴ ニ スあった。

平 滑 筋 細以上の結果から、数百分の lであった。るかに活性が低く、(A)~PY の D~A合成促進作用に対する PTXの影響。図 30

細胞内 Ca2令濃度上昇作用と 問 機 に胞での NPY の D~A合成促進作用は、(B)NPYの細胞内 Ca't濃度上昇作用に対する PTXの影響。

その上~P~ の D~A合成促進作用

細胞を PTX処理することにより消失す

101

y1受容体を介することがぶ唆された。

と細駒内 Ca2'"漕度上昇作用は、~PY(13 ・ 36) は 10-6H を加えた。

-100・

それぞれの個=平均値 +SE月

Pro34H¥PY, [Leu31, P-NPY,

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ることから、 どちらも PTX感受性の GTP結合タンパク質 (1 1 )とカップ

ルしていることがわかっ た。これまでの結果から D'iA合 成 促 進 作 用が

起こ る た め に は 、 細 胞 内 Caド濃 度 上昇 が必要であるのかどうかはっ

きりとした答えは得られていないが、 トロンポキサン A2や ETやトロ

ンピンやインスリン様成長因子の場合の様に、 Dt¥A合成促進には、細

胞内 Ca2+上 昇作 用が 必須である場合が多い (12-14)。

以上の結果から、今回血管平滑筋細胞に対して可PYが DNA促進作用

を持つことが確認された。この作用は Yl受容体を介して、 PTX感受性

のGTP結合タンパク質を緑由して行われていることがわかった。つま

りNPYは交感神経刺激時に起こるような、動脈硬化現象に深く関わ っ

ている可候性があると考えられる。

-102・

玄童E

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18485・18488

-104・

総 合 結輸

本研究はプタ申膜平滑筋,プタ培養平滑筋細胞とヒト神経路舗細

胞SK-N-HCを用いて、百PYの Ylタイプの受容体の結合部位の性質と、

その情報伝達系の解明のために行われた。

まず末梢タイプの受容体が発現していると予想されたブタ申膜平

滑筋の脹画分を用いて、中枢タイプの受容佑が発現していることが

良く知られていたプタ海馬膜画分の結合部位と比較するこ とにより、

末崎タイプ受容体の結合部位の解析を行った。その結果陽イオン感

受性, GTPアナログの感受性, NPYアナログの親和力, NPYのC末端フ

ラグメントの親和力などが申相タイプの受容体とは異なっているこ

とを初めて明らかにした。またおPYのC末端プラグメントの観和力か

ら、平滑筋に存在する NPY受 容 体 は い わ ゆ る yl受容体と言われている

ものと性質が一致することが判明した。

次に V]受 容 体 を 介 し た 情 報 伝 達 系 を さ ら に 詳 し く 解 析 するために、

す で に 知 ら れ て い た cAMP産生抑制以外の系について検討を加えた。

一般に平滑筋の収舗を考える上で細胞内 Ca2+灘度の上昇は不可欠で

ある。そこで細胞内 Ca2+濃 度 変 化 に 対 す る '¥PYの影響を調べた。その

結果 NPYは細 R包内のプールから Ca2‘を動員して、一過性に細府内

Ca2+濃度上昇を起こすことがわかった。その際 Ca2+の細駒内動員を

引き起こすと考えられる、イノシトールしし 5三リン厳の 産 生 上 昇

は検出されなかった。つまり、pyは い ま ま で に 考 え ら れ ているメカニ

ズムとは異なった作用で、細胞内 Ca2+濃度の上昇を起こすことが示

唆された。また ~PYの作用は細胞を PTX処理すると消失することから、

NPYの受容俸は PTX感受性の GTP結合タンパク質とリンクしていると考

えられた。

次に ~PYのアナログを用いて、 Spyによる細胞内 Ca 2 ・ 濃度の上昇は

ylタイプの受容体を介していることを明らかにした。その Y1受容体

について、t¥pyのファミリーの一つである、 ppについて調べたところ、

105・

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RPPは作用せず、 APPはアゴニストとしての働き、 HPPはアンタゴニス

トとしての作用を持つことが明らかとなった。

次に ~PYのアンタゴニストを検紫している過程で、ホルポールエス

テルが可PYの細胞内 Ca2+濃度上昇作用を特異的に阻害することを見い

だした。そこでホルポールエステルを用いて、 NPYの細胞内 Ca2+濃度

上昇作用と、 cAMP産生阻害という こ つの情報伝達系に関する機構を

解析することが可能であると考え、研究を行った。結果、 Ca2+動員

効果の方がホルポールエステルの感受性が高いことがわかった。受

容俸と結合している GTP結 合タンパク質がホルポールエスチルの作用

点であることを示唆する結果が得られた。そこで二つの情報伝達系

には異なる GTP結合タンパク質がリンクしていることが示唆された。

NPYにリンクしている GTP結合タンパク質は一般に PTX感受性であるこ

とが知られていた。そこで PTX感受性を調べたところ、やはり Ca2+動

員の方が感受性が高かったので、 Yl受容体には異なる GTP結合タンパ

ク質がカップルしていることが支持された。

安感神経を低頻度刺灘 し た 場 合 、 プ レ シ ナ プ ス か ら 放 出 さ れ る神

経伝達物質は主に阿である。 し か し 高 頻 度 で か つ 連 続 的 な 刺 激 を行

った時 に放 出さ れる 神経伝達物質は NPYであることが知られている。

このような持続的な強い交感神経への刺激は、一種のストレス状態

が 加わっていることを示している。この様なストレス状態での血管

活動を、 ~PYが制御している可能性が考えちれる.ストレスは動脈硬

化の主要要因であることが知ちれている。動脈硬化の引き金は、平

滑筋 が血管内膜に遊走し、増殖をおこすことである。そこで NPYが血

管平滑筋細胞に対して増殖作用があるかどうかを調べた。その結果

NPY単独では DNA合成促進作用が認められなかったが、細胞周期の Gl

期から S期に移行する際のプログレッション因子であるインスリンを

添加した時に、 NPYの DNA合成促進作用が確認された。つまり NPYは細

胞周期の GO期から Gl期に移行する際のコンピテンス因子として働い

てい ることが示唆された 。 ま た NPYアナログと PTXを用いた実験から、

NPYの細胞増殖促進作用は yl受容体と PTX感 受性 の GTP結合タンパク質

-106・

を 介 し た 作 用 で あ る こ と が わ か っ た。

以 と の 様 に 、 末 梢 の 血 管 活 動 は NPYで多彩に制御され、その作用は

Yl受容餌を介して行われていることが明らかとなった 。 そこで yl受

容体のアンタゴニストは、新たな作用機構を持った高血圧 と動脈硬

化治療薬になる可能性があると考えられる。現在 NPYのアンタゴニス

トはいくつか知られているが、特異性と安定性を考えるといずれも

治療業とはほど遣いものである。今回の実験結果を参考にすること

により、 Yl受容依アンタゴニストの迅速なアッセイが可能であると

考えられる。

車並

本研究に際し終蛤御助言と御指導を賜った、塩野義製薬 研究所

藤本正文博士、 三 原伸 一 氏に深く感謝いたします。またペプ チ ド の

合成法を指導して頂いた、塩野義製薬研究所 伊賀野憲一氏、

井 上 健 博 士 に 感 謝 い た し ま す 。 本 研 究 を 行 う 際 に 、 多 大 な御協力を

頂 きました嵐野義製薬研究所 原 真 里 子 氏 、 板 崎 孝 二 氏に感謝いた

します。

また本論文作成にあたり終始貴重な御助言と御指噂を頂いた京都

大学工学部上原悌次郎教侵に深く感謝いたします。

-107・

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霊室 前文

(l)Shin-ichi Mihara. Yasushi Shigeri and Hasafumi, Fujimoto.

~europeptide Y-induced intracellular Ca2+ increases in

vascular smooth muscle cells. FEBS Lett., 259(1989)79・82

(2)Shin-ichi Mihara, Yasushi Shigeri and Masafumi, Fujimoio・

~europepiide Y receptor in cultured vascular smooth

muscle cells: ligand binding and increase in cytosolic

free Ca2+. Biochem. 1ni., 22(1990) 205・212

(3)Yasushi Shigeri, Shin-ichi Mihara and Masafumi Fujimoto・

~europeptide Y receptor in vascular smooth muscle.

J. ~eurochem. , 56(1991)852・859

(4)Yasushi Shigeri and Hasafumi Fujimoto.

Two different signal transductions of neuropeptide Y1

receptor in SK-N-MC cells.

siochem. Biophys. Res. Commun., 187(1992) 1565・1571

(5)Yasushi Shigeri and可asafucd Fujillloto・

~europeptide Y stimulates D~A synLhesis in vascular

smooth muscle cells. Neurosci. Lett., 149(1993)19-22

-108・

本学位前文に 含 まれて いな い発表論文

(l)Yasushi Shigeri. Tokuzo ~ishino , Noboru Yumoto and

月asanobuTokushige.

Hopanoid biosynthesis of Zymomonas mobiJis.

Agric. Bio]. Chem., 55(1991)589・591

(2)Kazuo Kawasaki and Yasushi Shigeri.

Injection of mR~A from pancreas and brain induce

different lypes of CCK receptors 1n Xenopus oocytes.

Soc.可eurosci. AbsLr., (1991)320・17

(3)Yasushi Shigeri, Sachihiko ~atanabe and

月asafuoi Fujimoto・Dibulyryl-cAMPincreases functions of

5・hydroxytryptamine2receptors, but not of s 2-adrenergic

receptors, .in a cJonal cell line of rat neuroじuElorRT4.

J. Cell. Physiol., 150(1992) 28・33

(4)Masafumi Fujimoto, Shin-ichi 阿ihara,Yasushi Shigerl and

Koji Itazaki. Possible implication of peptidase activity

in differenL poLency of angiotensins 11 and 1]1 for

displacing [125I]angiotens1n 11 binding 1n pig aorta.

Eur. J. Pharmacol.・215(1992)259・264

(5)Yasushi Shigeri, Kunio Yamaoka and Teij1ro Kamihara.

Formatlon of acetate upon heaLing glucose soluLion

in alkall: IdenLif1cation of one of Lhe growth-promo仁ing

factors for Streptococcus faecalis in the thermal

degradation products of glucose.

Biosci. Biotech. Biocheo., 56(1992)1684・1685

(6)Itazaki Koji, Yasushi Shigeri and Masafumi FujimoLo.

可olecularcloning and characterization of the

angiotensin receplor subtype in porcine aortic smooth

-109・