Title 支那の改造と國際管理 經濟論叢 (1922), 15(2): 229-247 Issue … · 2016. 6....

21
Title 支那の改造と國際管理 Author(s) 末廣, 重雄 Citation 經濟論叢 (1922), 15(2): 229-247 Issue Date 1922-08-01 URL http://dx.doi.org/10.14989/127931 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University

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Title 支那の改造と國際管理

Author(s) 末廣, 重雄

Citation 經濟論叢 (1922), 15(2): 229-247

Issue Date 1922-08-01

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曾導潔 堅學大:國帝:都県

叢論藩鯉號 二 節 巻;匠 十 節

行 甦 日 一 月 八 年 一 十 正 大

恐㎜

…叢

交通

の捕捉す

べき給付能力

那の古典に見

た・肚會

政策

経済道と経

済術

小作制

と小作法

輪醐

支那

の改造

と国際管

戸敷

割を論ず

物偵問題私論

岨説

ョン・ロックの私有椹

皿雑

纒濟學

の革命

學生

一年間

の學費

渋墨博士

法華博士

渋墨博士

法學博士

法學博士

渋墨博十

脛濟畢十

D

法學博士

繹濟學士

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二人

置涌

支那の改造ε國際管理

奉直戦争

に於

いて直隷派勝利の結果徐大総統が下野するに及び「直隷派

の曹錫呉楓孚及び天津

に在

る曹國會議員等は黎元浜に大総統なるこεを求めた。黎民は各省の督軍廃止

ε共

に全国に亘

って

一律に裁兵を實行ず

るこピを條件こして就任を承諾したが、此の裁兵な.るこ亡は決

して氏凋

特の意見ではな

い。督軍廃止ε共に中華艮國創立以来の大問題であって、今日支那の国民的希望

εなり各地方に要求の聲が濃ぎり渡

ってみる。更

に支那改造の矯

めに裁兵の必要であるこεは外

囲人に依

っても屡々唱

へられ、

ぜイ

・オー・ピ「・ブランド、の如きも亦列国が支那を援助して、

の政造の矯めに第

一に實行せしむ

べきこ巴は督軍の擁す

る軍隊の解散であるε云ひ、裁兵の繕封

9的必要を主張してみる

(旨○・即里雪」・∩匿昌pこ餌腿昌昌無因O「$

で・=団・)Q

支那

の改造

ξ国際管理

第十五巻

(第二號

七九)

二二九

9

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論.

支那の改造こ圃際管理

第十五巻

(第二號

八○)

二三Q

.

華府會議

に於ても、其

の大卒洋及び極東問題委員會ば支那關視引上決議

に關す

る附帯決議こし

て、、支那に卦す

る裁兵渤告の決議をした。共

一節

に日く.

本會議は毛頭支那の内政に干渉するの意思な滅、支那が自己の利益

ご通商

一般的利益の爲め

に有力且

っ鞏固なる政府を獲達維持するこεを誠實

に希望し.且

つ企業及

び国

民的幸輻に謝し

て大な↑る障碍

`なるべき亘額の経費を置・備の制限に候うて減縮す

るこεを目的εする本會議の

精瀞に依

って刺激せられ、支那政府

が軍隊及び軍事費を削減す

る爲め、.直接且

っ布敷なる手段

を探るこεを熱烈に希堅す

る旨を支那政府

に射して表明するこごを決議す。

-

支那の政治的財政的肚會的事情

ご軍備縮小の世界的趨勢ごは、.斯くの如く裁兵を現下の大問題

たらしむるこεに奪

った。是より進

んで支.那改造

一手段

εしての裁兵を説き、次て城兵等の政

造事業が引出す

べき支那の国際管理問題

臆論及す

るであら

・。

斯くの如

く、裁兵が支那改造

の第

一義たるこごは内外人の等し一認むるεころであって、恐ら

く之を否定する者はあ乃ま

いつ然らぜ何故忙裁兵は必要であるか。

ロド

ニー・ギルバート(氏の「支

那軍隊整理案」は雑誌「支那」第十巻第十

二槻第十三概第十四號に澤載せら

る)の意見を約言すれ

ば、.督軍の,下にある軍隊は外國に野して支那の国家的利益を防護す

るの力なく国防上無用の長物

9

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,

であるε同時

に、凾内秩序

の維持の薦

めにも亦不必要である。否な寧ろ有害

である。支那に於て

は軍隊の出動する所.必ず掠奪.暴行、凌辱等あらゆる罪悪が行はれ、地方商工業の停止を來し

民衆を窮困せしめる、加ふるに督軍は各其の手兵たる軍隊を擁して細大の勢力を有し

.政治上に

騒唇跳梁す

る。之が矯め中央政府及び國會も其

の椹力の基礎を失ひ、支那の内齪南北の劃峙

の如

き皆之に起因す

るのである。支那の和牛統

一の爲め、支那人

の安寧幸輻

の爲め、

一日も速

に裁兵

を断行

せね

ばなら

鳳ご云

ふのであ

る。

元激は就任

の際獲

しだ裁兵廃督

に關す

る通電

中に城

の行は

れざ

べかち

ざる

こεを力説

てみる。

曰く

の定数

は園防

に基

く。隊戦

に終

って

列國皆軍備を縮

小す

るに濁

り我

国積

にして其

の兵

の多

こ蓬人を骸

かす

のあ

り。最近或

に裁

兵を行

ふこεみ

るも

、要す

るに前

に省

し後

に増

し、此

に増

し彼

に損

し、

一遣

一召費を摩す

るこε更

に多

し。之を遣

れば兵散

て匪

こな

り、之

召けば匪

って兵

`なり、人

εして兵なら

るな

く、兵

εし

て匪ならざ

る憶な

し。

兵を擁す

るこε大な

るも

のを雄

εなせし

よb

、督

軍各其

の地

方の租

税を抑留し

て中央

に迭ら

之が薦

め財政窮

遣を頼

むる

に至

る。

の理由

は殆

んご以上

に霊

きて

みるであら

う。裁

は實

に政治上財政上乱會

上各

方面よ

り親

支那の改造ご国際管理

歯夘十五巻

(第二號

入.「)

二三」

9

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. r

支.那の改造定国際管理

第十五巻

(第二號

八二冒

二==~

て、目下の急務であるε云はねばな.ら諏。而して共の断行に伸ふて支那の国論たる督軍麟止も亦

行はれ、支那政府は財政上

の窮乏より兎かれ、人民は其の疾苦より救はれるであらう。裁兵は支

那政造

の第

一.手段である。

然らば如何なる程度まで支那軍隊を裁撤す

べきか、其の善後策如何等の黙

に閲

しても内外識者

の意見は大同小異である。多くは現在の軍隊を大に縮小して精鋭なる国軍を編成し、而して解散

兵に職業を奥

へて、彼等が散じて土匪涜職εなるを防止せんεするのである。第

一にプラ

ソドの

裁異業を左に紹介す

る。

先づ北部及び中部諸省

に於て城兵を開始し、小銃弾薬、其他

一切の武装を引渡す異土

に謝して

は、四囲銀行團代表者の直接監督の下に、給料ご共に故郷

への族費を支彿

ふべきである。支那

人中往々にして、裁撤せられたる兵士が土匪に化しτ地方の雫和を縄説す

るを防止するため、

列國は此等兵士を向ふ敷年間土木事業に使役す

るに必要なる資金を供給す

べきである、ご云ふ

者があるけれごも隔之は例に依

って例の如く、外囲人を欺

いて私腹を肥

さん`す

る支那人の奸

策に過ぎ億であらう。

裁撤

せらるべき兵士

の歎は南方の藪省を除けば先づ六十萬人を越え諏であらう。此等少人敷の

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者が.給料ご族費の支給を受けながら、街其上に財政的援助を得

るにあらざれば李和的職業に就

くこξが出家

鳳εは信せられ諏次第である。然し便宜の問題εして道路、鍛造

の改良、治水事

誓の爲め土木工事委員會を設け、之をして解散兵の使役事務を取扱しむるこεは必ず

しも不

可でない。(前眠プラソド著コ支那日本及び朝鮮」第百十八頁以下)

ロドニー・ギルバートも大騰

に於てブランドε主張を同ふす

る。氏の獲表した軍隊裁撤案綱領

に依れば、支那陸軍は牢晴人員を約二十五萬εして之を二十五師團に編成するこε}し、此

の標

に依

って現在の軍隊を裁撤

し、小銃

一挺弾薬

一.百獲以上を提供する者

のみを以て解散軍隊

に慶

る者

ε見倣し、此等の者

一定の條件の下に悉く牧碧して土木事業に餐事せしむ

べしごするの

でめる。而して氏は裁兵ε同職

に、現行軍制の根本的改革を行ふて將來に於ける私兵の瑛生を防

止する方策を講ずるにあらざれば、裁兵は徒に軍隊頭目の私腹を肥す

こε

、なり、更に遠

からず

裁兵問題の再燃を見

るに至るであらう己論じてみる。.

孫交も亦城兵論者である。氏が去

る六月七日呉侃孚に謝して獲した電報に於て、取敢

へす現在

の軍隊孚歎

の裁款を以て、南北間

の停戦隆件こす

べきこピを宣言七、而して氏は二十萬乃至三十

萬の兵を新

に徴集して国軍を編成す

るピ同時

に現在の軍隊は漸歌之を裁撤し、裁撤し把る兵士は

悉く之を工に化す

べしεいふ意見を有するのである。」氏の宣言に曰く

支那の改造孟国際管理

第十五巻

(第二號

八亡じ

二三三

」.

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支那の改造ぐL圃際管理

第十五春

(第二號.

八四)

二三四

軍興

以來英領前

に比

して僧

に至

る。此

等の.兵士

は風間

より出

工不法

武力

の駆

使す

るこ

ころ

εな

る。

 旦淘汰

して急

に其

の業を失は

しむ

るは不可な

か。故

に悉

く改

めて工兵

εなし、統率

編成

一切醤

の如く

、其.の武器

を牧

め工具

を與

へ、無

目⊥ハ時間.乃至八時間

の勢

働を爲

さし.め、道

の.修繕其他

の工.事

に徒

事せ

しめ、其

の月

は百元以上

の者

は五割を

へ、亘

兀以下

の者

は倍

」を加

へ云

々...

`

他呉蝋孚

の城兵許諾

こして廓

ふるεこ.ろの

のも、其

の骨子

に於

て如

上の諸案

電略ぼ同

一で

ある。要す

るに、大禮

に於

て叙

の方

法に依り支

那陸軍

の現在

の兵員約百

三十萬「髄ごを大.罵裁撤

る爲.めには、

一時

は可なb互額

の費

用を

要す

るであらう

けれ.εも、其

の断行

を困難

なら

しむ

程高

償のも

のでな

い。

かも裁

兵役は

軍事費

に軽減

し財政

の負捲を頗

る緩

和す

るこざが出

るのであ

る。其

わにも拘

はらず

裁兵

の容

に行は

漁は何故であらう

か。

「註二」,

「註一」支那の陸軍の兵力に第

[革命の終にに約八十万一九

一九年上海和準會議の頃にに約百万一九二Q年ドは約百三十万に上ろ

ピ計算ぜらゐ。もつεεも之に概算であって正確なろ兵力々知ざこ亡は困難でめろ。

「註=」蒋百里(曾て我国の士官単核た卒業し後濁逸に留學したる人)の裁兵案に依れば

 個の兵士に謝し裁兵の時三個月の食料一.一

十=兀旅費九元合して三+元々支給する・ぎ

εすれば三百元々以て+萬の具な識するこεが出来ろ。二†萬元あらば六百萬

.

元々以て足れりεすろ。然るミころ

一.個の兵士に毎月食料七元一個年入+四元其外制服等の費用な見積れば合計約百元々要

すろから

二†萬

の裁兵11翌年の國距

に二千萬元の剰餓々生す

るこミ

る。此他

二千萬元な用意して生産事業に投じ解散兵

の土匪

こな

みか防止す

ゐミして最初に二千五百萬元の肇備

があれば五年計謡で亦萬

の兵士

の裁撤が容易

に出來みこ

ピにπろ軌

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内外人よb支那改造の第

一歩

こして冒せらる

、裁兵が近き將來

に於

て貴行せらる、や否やは大

に南

北統

一の成否に繋

ってみる。然

るεころ奉直戦争後間もなく民国六年國會解散令

の取消倉出

で.

一.時南北統

一は

}薦千里の勢を以て進展す

る形勢が見えてみたが、間もなく南方に於ても、

北方

に於ても内訌が始まり、目下開會準備中の奮國會も憲法制定及び大総統選翠.に必要なる法定

数を得るこεが疑はしくなり、統

一の前途再び暗澹把るこざにな

つ淀。惟

ふに薔國會恢復、約法擁

護ε云ふこεは南北対峙

一口實に温ぎないのであ

って、實は南北各勢力の間

に感情や利害やの

不調和があb、幾多融和を困難ならしむる事情があるのである。而か為支那南北の有力者には我

国維新當時に出

でたる西郷其他

の志士

に見るが如き救国救民の誠意がなく、私を以て公に殉ずる

犠牲的精神

に乏し

い。是が過去

に於て支那わ蕪孚軋轢の原因ごなり將來に於

ても其の和李統

一を

困難なちしむる所以

であ

って、何人ε錐も南北統

一近くにありε断言するの勇魚があるま

い。而

して裁兵は南北

[致して同時に之を實行せねばならぬのでめるから、南北劃隠す

る限り裁兵は云

ふべ.くして行

ふべからざるものであらう。幸

にして吾人の期待を裏切り南北統

一成るεしても、

裁兵は決して無造作に貴行せられるも

のではな

い。黎元洪の城兵塵督

の主張に鋤彫て曹錫呉偲孚

に賛成であるε答

へ、年来裁兵旗督を主張

した盧永祚

の如きは、今日の好機會に遭遇し國家の爲

支那の改造ミ国際管理

第十五巻

(第二號

八五)

二三五

,

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支那の改造ε國際管理

.

第十五巻

(第二號

八六)

二三六

め犠牲

εな

るを吝ます

ざ構

して漸

江督

の職を

した

ざう

であるコ

けれこも

、盧

の僻職

には色

々動機があ

って、必ず

しも奉公

の精

に出

でたも

のではな

いやう

であり、

一般督

に至

っては偉

大な

る纏勢

ε利益

ごを彼等

に與

ふる督軍

の地.位

を惜気

もな

く抛棄

しさう

にもな

い。磨

の聲

が高

いから陽

には

に反謝

せ漁ごし

ても陰

には

之に妨害

を加

へ、從

って乗替軍

の権勢

を築

ぎ上げ

る手

る軍隊

の裁

に劃

して故障を挾.み、其

の断

を困難な

らしめ

るであら

う。

O

.

兎に角裁兵には南北統

一が先決問題で↑

、其他

の支那改造事業も亦同様である。然るεころ

南北統

一は此際困難であらうから、從

って支那改造の前途も亦悲観

せざるを得な

いが、萬

一幸に

して統

 成れば裁兵等の支那改造事業は實際問題εなり之に俘

ふて脛費の問題を生す

るこεにな

る。然るεころ民國六年以来者省より中央

に逡るべき牧人は地方に抑留せられ、之が矯め目下北

京政府は国際管理の下にある關視及ぴ撞視

の剰鹸若干、其他僅少の牧入あるのみで財政窮乏、官

吏の俸給

へ満足に支携ひ得

ぬやうな次第であるから、南北統

一しても財政改善は容易の業であ

るまい。否な改善の

「手段

`しての裁兵には何よりも先づ資金が要り鞠此の資金

の供給は之を外

債に仰がねばなら

澱。

-

列國は支那の改造を援助せねばなら諏こεを豫期してみる。極東條約第

一條

に、-支那を除く各

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締約国は支那に謝し有力且

っ安固なる政府

の樹立及び維持

の爲め最も完全にして且

つ障害なき機

會を與ふ

べしごめるは内列国は支那の現瓶

に満足せす、眞に民意を代表する有力なる政府の出現

を希望し、而して支那が自ら此

の事業を完成せんこ`を欲求し、之が爲めには内

歌干渉εならぬ

限り支那に援助を奥

へ、資金を必要εすれば支那より中側でめる場合之に慮するの意あるこ`を

示す

のである。然し此

の援助を與

へ資金を供給するには時期があり、而して其の時期は未だ到來

せな

いε思はれる。去

る五月末北京

に於て開督した日英米佛四國公便會議は、「現在

の支那には呉

係争の外認む

べき勢力がない。奨氏は醤國會を恢復し、憲法を制定し、城兵を断行せんごしつ、あ

って列国の財政的援助を望んでみる。支那に有力且っ安固なる政府を樹立する爲め最も完全にし

て且

つ障害なき機會を與ふ

べきこごを約定せる極東條約第

一條の趣旨

に撮り、呉楓孚の勢力の下

に鞏固なる政府を樹立

せしむる凋め、四國銀行團をして支那の政治借歎に怨せしめて差支なし」

ご議決して各々其

の本.國政府の諒解を求め

だが、支那の政.局混沌

`して如何に獲慶するや未だ割

せざるにも拘はらす、

一窯

一派を援助せんεす

るは大早計であるε云はねばなら漁。我が政府

が暫らく形勢を観望す

るに如かす

εして、此の決議

に慮

ぜなか

ったは當然のこεである。

然し和甲統

一の見込立

つ場合には、列國は支那改造に資せんが爲め援助殊に財政的援助を奥

ふる

こごになり、我国も之

に参加するに吝でな

いであらうが、此の財政的援助は自ら支那の國際管理

支那の改造オ國隙管理

第十五巻

(第二號

八七)

二三七

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論.

支那の改造ご國際管理

第十五巻

(第二號

八八)

二三入

問題を惹起するこεになるのであるつ

国際管理は從來既に支那の開枕、櫨視に聞して部分的に行はれた。海關は孚世紀以前より国際

管理の下に在

っ紀か、日清戦争.北濡事鍵、武漢革命等の結果海開に劃す

る管理は漸次強く且

廣く行はる

Yこεにな

った。外囲人たる総税務司は久しく關視の徴牧を司ごるに過ぎなかったが、

'.【、九

一 年の武漢革命に依り支那政府

が関税を捲保

ごする外債上の義務を履行す

る能はざるに至

レし厨め、列国は自国臣艮の有する債椹保全の必要上支那政府に要求して、關椀牧支の両樒を総

税務司に委任せしむるこごになった。此の管理の結果は如何うであるかビ云ふに、關税は今日支

那政府の確實なる牧入ごなb、清末時代には

一個年二千萬海開両

に過がなかったが、

一九二〇年

には四千九百五十萬海開両

に上り冨關穐を櫓保

εす

る外債の元利を控除し、街約二千萬海開両の

剰籐を支那政府

に交附するこεを得たo

.

撞税は

】九

一三年四月支那政府

ε日英佛濁露五國銀行團

εの間に締結した二千五百萬膀の支那

改革借歎契約に依

って、

回信欺

の推保εなり、

国際管理の下に厨す

るこ`にな.つた。「註三」櫨視

管理の成績は次第に良好

εなり、清栄時代には舗視牧人は

一個年銀

一千萬弗

に上らなか

ったが、

最近に至っては先.づ徴税費を差引

き、次に之を憺保εする借歎の元利を支佛

ふ.ても筒少なからざ

9

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る剰餓があ駐、

一九二〇年には約銀六千四百萬弗を支那政府に交附した

(も

つεも此中純銀二千

五百萬弗は各地方に於.て督軍等

の爲めに抑留せられ中央

に迭られなかっπξいふこεである)。

一九

一九年春⊥海に於て開會

せられた南北和平會議が失敗に終

ってより、南北は益

々粟離し兵

孚憶む時がない。斯くして支那改造の絶望的

εなるに及び、現

に成績良好なる部分的国際管理を

振賑して支那の

一般財政場合

に依

っては贋く行政

にも及ぼさんεするの論頻りに行はれ、殊

に華

府會議開會前

に於て熾盛

であ

っ紀。、プラソドは曰く、

支.那に取

って何よりも必要なるこごは有力にして猫立なる中央政府の建設である。然るεころ

此の改造運動は支那内部よb起る望がなく、之を支那人に

一任

しては恰も百年河浦を俟

つに等

しい。支那を滅ウ

より救かには是非

ても外國の干渉が必要であるが、外國

の干渉は決し.て目新

しい現象ではなく、財政管理の如きは現在行はる》開枕及び撞視の管理を今少しく擾服す

るに

過ぎな

いのでめる。

氏は甚

しく支那の前途を悲観し、不正直なる支那人

に改造

事業を

 任す

るの絶劃

に不可なる・.」

己を力説して、支那を救済するの途は現在以上に国際管理を行ふの外なしごす

るのである.。ウッ

ヘツドも亦、將に倒れんεす

る支那を再起せしめ其

の國家的凋立を恢復せしむるには馬列国の

指導を必要

ごし、、場合に.依

っては行政各部の制限的管理を外囲人

に委ねざる

ぺからすεし、面し.

時.曲

支那の改造ピ国際管理

第十五巻

(第二競

八九)

二三九

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支那の改造ε国際管理

第†五巻

(第二號

九〇)

二四〇

て過去に於て支那政府は改造の爲

め多数

の外囲人顧問を招聘したけれこも、常

に顧問の意見を無

脱した矯めに其間殆んご何等の成績も翠ぐるこごを得なかった。此の経験に鑑み今後改造援助の

目的を以て列国が提供する外國人には、支那政府をして或る程度の行政権を與

へしむるこごを緊

要ピする旨を力説してみる

(氏の論文

殉。8霧片三〇鼠o冨ヨ

∩窪目融'は雑誌

「支那」第十雀第十五號第

十六號第十七號に鐸載せら

る)。

昨年八月末國パブリック。レ

ツジヤー紙上に於てワイ、〃が、支部の自由ε凋立を希望

こする列

国は国際理事會

を組織し支那に封ずる領土的経済

的.侵略を防止す

べしごいふ意見を獲表し、米国

商務卿

フーヴァーも之に賛成した三博へらる、や、頗る支那人間

に物議を生じたが、此

の国際理

事會.設置案は恐ら一米國雑誌「亜細亜」元

一九年三月號に掲載せる紐育李和協會最終決定委員禽

腰表

の同協

會極東國際政策

委員會

の報告,註四」に擦

ったも

のであ

って、支

那を

して將來

列国

の侵略

より免

しめ、共和政治

の圓満な

る獲達

を圖

る.爲

め、支.那を

「般

的國際管

の下

に置

んごす

も..ので

あら

う。

「註箏麹

税の圃源管理に聞してば支那吹車借歎契約第五條の規定がある・同條に曰く

支那政府は外画人の補助な以て本公債の櫓保に供したる支那櫨税政入の微瑕制度の改革為直ちに着手すべきこ這か約す其の

改革方法11財政部の決定したるものにして左の.如し..

・.

支那政府爵

政聾

の監督の下・地葺

所護

べし霧

所内・稽羅

所〔9・Φ「喜

。賊。・巴ρ幻。 

々鍛竜之な翫

ぶろに

 人の支那人た

ろ舩辮及

]人

の外國入貢

ゐ會辮な以てし免許離

の機行及取入報告

の開製

に聞

すろ主たる

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監督機解

絶て直観地方

に稽核分所奄置音之を綻

ぶろに各

一人の支那人及外画人た

ろ所長な以てし播

種の牧入及保管

に付

て連帯責任な負はしむ支那人度外画

人た

る所長井

に稽核研及分所に於て必要な

る支那人及外国

人た

ろ減員の任免黜陟は穂辮

の協議ド依り財政糖長の認

可な得て之心決定す免許註

の韻行な監督し及手数料井盤税な徴敬す

るは所長の蓮曹責任たるべし

蓮司茂在北京稽核総所に濁し明細

に一切

の攻支な報告すろ亦同じ稽核総研に牧人の定

期報告

葎財政組長に進達

したる後之

.

祉公布す

.へし.

偲て各地方

に於

て盛

税の支挑

に射し.て蟄

か研渡すば支那人及外画

人た

る所長

の連署ありたろ場合F限り

之な爲すべく其

故入

の牧人に支那人及外画入たみ所長

に於て銀行團又は其の承認した

る寄託所

に於け

支那政府整

税攻入勘.」き中

に之な預久

し且其

の報告

ご照合ぜんむ

る爲め之為稽核総所に報

告すべしコ右盤

税取入勘定Lに総辨及會辮

の連署みり

たる場合

に限り之な

引出すべく総辨及會辮は播税政入な櫓保

さ寸.ろ諸種

の債務

に封

ずる優先槽な保存ず

るの責任

な有す

本公債元利

の支辨心確質

に履行ゆる限り弦

長規定すろ盟

税制度に封ずる干渉

な爲す

なかろべし・:・・:.・:::・::

「註四」極東圃際政策委員會が其

の報告

中に提議

する国際極東委員曾に日支英佛米譜國の代表者な以て組織し現在外國

の干渉叉に

管理

に依

って毀損ゼられ

つあ

る総

ての支

那の領土及固有椹

た支那

・ト国取冠しむ

ろこεな最終

目的「こマ但支那が(イ垂

して眞

正な

る代議政治

の樹立

(ロ)近代主義

ド則

ろ民刑事法典

の編纂

(ハ)完全なる司法制度の糧達

(二)公平な

ろ租税制度

の確

立等の條件

々充たすまで此

の国取

融延期し同委負曾ば列圃たし

天支那に於て租借占領等に佼

って獲

にろ地方な適嘗な

る時期

忌於

て還附すみ

こε為納ぜしめ而して此等話國

に代

って.一時

的に其

の地方の行政捻管理し惜歎のみ塚らφ・鐵溢鎖山其他

の濁

占的灌利

の許奥

海監督し司法制度

の改善

に助力す

るここ等

々其

の任務

ざす

ろのであ

み。

以上は支那人が腐破堕落し、政治的

に無能力

であり、凋力にては到底有力且

つ安固なる政府を

樹立し維持し得ざるこε.を前提εしての議論で

る.支那人中

も國際管理已むを得ぬε考

る者もあるけれこも多く

は之に反劃し、昨秋国際管理が華府會議透

間.題πらんざするの風説

るや、支

那の輿論沸騰し、.支那政造は支那人の白壁

し俟たねばなら沌、國際管理

の如

きは支

那人

の自畳の向上に望を絶

って始めて唱道す

べく、始めて實行す

べきものであるεいふ者が少くなか

支那の改造3国際管理.

第十五巻

(第二號

九一V

二四一

r一

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'

,

.

支那の改造ピ国際管理

錦十五巻

(第二競

九一一)

、二四二

つた。此

の支那人頼むに.足らす

εする説

ξ支那人頼むに足るざす

る読ご、孰れが當を得

たるやは

別問題ごじて、兎に角華府會議に於ては「支蔀人は支那人

に」ピいふ根本主義を認め、從

って極東

條約調印國は支那の圭椹凋立井

に領土的行政的保全を愈重す

るこごを約

し、支那に於て有力且つ

安固なる政府を樹立するこごを支那人に

一任し、唯必要ある場合

に最も完全且

っ障害なぎ機曾を

ふるを以て満足す

るこごにな

った。大卒洋及ぴ極東問題委員會

に於て、委員長

ヒェースは此

問題に關して左の如き意見を陳述した。

本委員會

はルート決議案第二項の

「支那に謝し有力且つ安固なる政府の樹立及

び維持の爲め最

も完全にして且

つ障害なき機曾磐與

ふるこご」に同意した。余は之は濁り誓約を寫す

に止まら

す、文責

に支那が濁力にて有力且

つ安固なる政府を樹立維持し得るこεを承認

し陀もめである

ε信ず

る。是は支那自身に於て駕す

べきこεであって、他國政府は軍に支那をして其

の目的を

達する機會を得せしむ

べざである。而して其の目的を達す

るには柑當の年月を待たねばなら組。

支那の獲達は長き年代の経過を待たねばなら

諏』性急なお吾人は忍耐せねばなら諏。強制を加

ふる時は到底此の大事を駕し遂げるこεは出車ない。支那の爲し遂げるのを待

つ間干渉す

るの

意思なく、只援助せんごす

る希望を有するのみである。暴れが實に本會議

の精神であり、列国

の希望して已まざるεころである。

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●、

・9

.

帥ち支那

の猫立尊重、不干渉を原則ざするのであ

って、列国は(支那を含む)更

に進んで極東條

約第

二條

に依り、如上の原則に違背し若くは之を害す

べき如何なる條約協定取極或は了解を相互

に叉は各別若くは協同に他の

一國若くは撒國ご締結せざるべきこεを約定した。從

って極東條

約が効力を有す

る限り、列國は支那に迫

って新に国際管理を行

ふこ巴を得ざるこビにな

った。.

上述の如く極東條約第

[條

に依り列國は支那の濁立を曾重す

るε同時に、支那改造の爲めに有

形無形の援助殊

に財政上の援助を奥

ふべきこごを約したが、此程の援助帥ち改造資金の供給は四

囲銀行團

に依

つで爲さるべきである。然

る・しころ支那の外債を引受け改造資金を供給す

べき四國

.

銀行團は關税又は瘤税

(關視は近(現實五分εなり次て従僧二分五厘の附加税の徴牧に依

って措

保力を大に増加する

こごになる)が外債の措保π

る以上、現に行はる》εころの管理

に依頼して

債権

の保全を圖り得

るけれこも、.若し其他

の租税を捲保

εする場合には、新に此

の租挽に關

して

管恐を要求す

るであらう。省文進

んでは外債資金

の支出の管理に閲しても新なる要求を提出すお

であらう。現在櫨税に關し、之を櫓保

εす

る外債資金の支出

に就

き管理の方法が設けられてるけ

れこも、實際効力がな

いやうであるから、四國銀行團は將來の外債に關じて、

一層有効なる管理

の方法を設C

べく支那政府の承諾を要求す

るであらう。「駐五」

支那の改造ε国際管理

.

第十五巻

(第二號

九三)

二四三

.

U

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.支那の改造こ圃際管理

第十五巻

(第二號

九四)

二四四

曾て

一九

一三年四月の支那散華借款成立の際

支那政府は櫨税管理

に關す

る五國銀行團の要求

を以て支那の凋立を侵害す

るも

の・しして極力反…謝し、クリスプ借款を起したのは實は五國.銀行團

牽制の矯めであ

ったO來

るべき四國銀行團の管理の要求

にも容易に同意

せな

いであらう。然し此

の要求は極東條約調印國

の要求ではなく、西國銀行團の要求

起過ぎ皿から、極東條約第

一條及び

第一.一條に直接砥燭するごは云はれま

い。けれこも

晶九二〇年十月の封支倍数團規約に依れば、四

國銀行團は其の本國政府

よb同規約.に依る

一切の活動に.つき完全なる支持を受け、日英米佛四囲

政府

ざ密接な

る關係がある。從って銀行團が借款に關

し支那の猫立を侵害するが如き要求を提出

るこごも、支那政府が之に慮す

るこごも、共

に精神的

には極東慷約第

 係及び第二條違反であ

るε去はれのこごはない。然し四国銀行團は楼利の立場を離る

、こεは不可能であるから.、若し

極東條約違反

の故を以て債擢保全に必要な

る管理を行ふこεを許され、諏なれば、支那政造

に必要..

なる資金の供給を拒むであらう。事弦に至れば、支那の改造は庶幾し得られ戯こεになり、極東

條約第

一條

の封支援助に關する規定

は全一室丈に錦するこεになる。斯くの如きは蓋

し華府會議

の趣旨

に副ふものでないから、.四囲銀行團

の要求する管理は極東條約違反でな

いご解繹せられ、

今後支那が借欺を駕す

に伴

ふて國際管理は漸次濃厚こなδであらう。

果して然らば、國際管理は極東倹約によって必ずしも制限せられたのではなズ「其の下に於て

.

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'

も荷今日以上に振大されるご、ごがあサ徹るのであるが、若し実れ支那が今後依然`して内訌を続

け、支那人の.力を以てしては和平統

一遂に望なきこε明ζなる場合には如何うでめらう。支那に

」は無限なる天然資源があり、其の開獲は欧米諸国が焦慮しつエある隊開廷ては世界の経済的復興

取って喫緊事であらねばなら諏。然るに絶

へざる兵争

の爲め天與の大富源

が空しく

れ、其の利用が許され沁こε.は實

に世界人類の大不幸事であ

るから、列国は長く之を不問に附す

るこεはあるま

い。

ヒユレスは上述の如.く、大卒洋及び極東問題委員會に於て

「支那改造に聞し

て目的を達す右には柑當の年月を軽愚

せねばなら粗」、「支那の獲達は長き時代の脛渦を待たねば

なら源」ビ述

べてみるが、「相當の年月」εか

「長き時代」

εは抑も幾何の歳丹を指すのであら

うか。動國は今後非常

に畏

い期間拱手して支那の混観、蕪争を傍観するであらう

かつ否撫窮迫せ

る世界の事儒は愁ら一之を許さな

いであらう。支那の内胤街久しきに亘らば、世界の共蓮利盆の

爲め、列國は

一時支離の濁立を犠牲にしても,廣

く國際管理を行はルごする時節

が到來す

るであ

らう9

「註五」「空

三年四月の支那吹落

款契約第+四條に依り五画鋲緑園隻

那政難

し馨

計院該

けしめ而して公墳墓

の支出

監督

の爲

みに圃

憤局長

`して支

那人

ε共

に外國人な便用

ぜしむるこピになった。然

るこころ支那政府に言

な左右

に托して有

効な

る監督な妨害ぜしかば外国

人た

る国債局長ば只員

に借11るのみこな

って本借欺

の目的の

一である軍隊解散に供

ぜらるべ

細三百萬湧

の金に濫毀せられ關係支那官吏の私腹

奄肥すに過ぎ祉かつた。

,

時.論

支那

の改造

ξ国際管理.

十五巻

(第ご號

九五)

二四五

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時.

支那の改造

こ国際管理

第十五巻

(第

二號

九六)

二四六.

コ 

九...

r....

セ  

 

昨年充華府會議に於て支誘

國際管理が議題ざならんεするの風説みるや、梁啓超は北京に於

け・蕃

席吉

於て反藷

を公にして大笹

人の荘摩

惹いた。懸

外国の重

す・支那の財政

全般

に亘る國際管理は、其の實行の任に當

る爬き多数の外囲人を得難きこε、列国間

に軋轢を起

し易く紅裏協同を保ち難きこ亡、国際.管理を行

ふには列国は大兵を支那に派遣

し遍ねく各地方に

駐屯せしめて支那人を威歴せねばな砂舟こざ、の諸勲よりして其の實行難を説き、更

に進

ん、で此

の困難を冒して迄も国際管理を實行せねばならの必要なしεし、而して.末段に於て實除外国入は

支那人に代

って支那を改造するの能力を腐せす、.国際管理は支那に害あるも盆なし、支那のこご

は支那人自ら之を解決す

べし重て支那人に警告し、其

の獲奮努力を求のた。氏が国際管理に不孝

不満

であるのは自尊心

に富

める支那国民εして尤も千萬のこごである。けれこも、支那が混鑑不

一の乱飲を縫檀し、満天下の者に依

って期待せら.る\改造に無能力なるこぜを暴.露するに於て

は、列国は支那

の覚め、同時に彼等自身の利益の爲めに支那人の反蜀を無観して張歴的干渉の手

を延

べ、、国際管理に向

って歩武を進

め今こ蓬になるであらう。現在支那人の爲.さねばなら漁こ`

は、.徒

に国際管理を非難し其

の鉄黙を指摘す

るこごではなく、列国をして国際管理を必要なりε

減量しめざるやう、自ら通常なる時局解決

の方法を講ずる・ヤεである。

9

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私は支那改造は支那人

の自畳に待たねばなら粗、外国は事情

の許す限り之に干渉す

べきでな

い,

ごいふ立場より、.従来支那の凋立擁護論者εなり、支那を我国の指導管理の下

に改造

せんこごを

目的

ごする、謂はゆる「第五項」に反芻し、更に現在

のざこ与國際管理にも賛成せす、支那人の獲

奮努力に依

って

一日も早く支那の相半統

「が實現せられ、支那改造が支那人自身の手に依

って貴

せら

\こごを希望して已ま鼠。然し今後支那人の爲すま

\に放任しては支那改造

の前途に全

く光明を認む

るこご能はざるに至る時は、極東保全の責務を痛威し

つ、ある日本国民の

一人ごし

て最早黙潰す

るこεが出來な

い。私が理想εする日支の政治的経済的提携εは背馳す

も、世界

の共通利金の爲めに、廣汎なる国際…管理に賛成せざるを得ざるこεになるであらう。

、 「

支那の改造ピ国際管理

第十五巻

(第

二號

・九七)

二四七

9