The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of...

10
徳山工業高等専門学校研究紀要 新入生アンケートに見られる 平成 27 年度入学生の特徴 原田徳彦 *1 長廣恭子 *2 森崎哲也 *3 西尾幸一郎 *4 松尾葉子 *5 The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI Koichiro NISHIO and Yoko MATSUO Abstract The most critical and frequent problem the student consultation office concerns with at National Institute of Technology, Tokuyama college, is the adaptive failure to a student’s specialty. We have been conducting a questionnaire to the freshmen since 2001. It is made use in the individual support that we grasp the characteristic of the freshmen of 2015. At the same time, it can be exploited for a guidance of the PR activity for junior high school students not to cause maladjustment after entrance to college. In this paper, we examine items influencing learning will of students and infer the policy. Key Words : learning will of students, maladjustment, questionnaire to freshmen 1. はじめに 徳山高専学生相談室では,平成 13年度から「学生 相談室プログラム」 * の一環として新入生アンケート を実施している.新入生アンケートはオリエンテー ションの学生相談室の紹介の中で行う.アンケート は記名式で,学生個人の入学時の心の状態を把握し, その後の学生生活のサポートに資することを目的と する. 学生相談で最も多く深刻となる問題は工学を専門 とする高専への適応の躓きだろう。徳山高専への入 学が不本意だった学生,入学した学科が不本意だっ た学生,入学したことに満足していない学生,学習 意欲が低い学生,これからの学生生活を楽しみと思 えない学生を把握し,学生相談員との面談へつなぐ. *1 情報電子工学科 *2 一般科目(数学) *3 機械電気工学科 *4 土木建築工学科 *5 学生課学生係 *学生相談室プログラムについては,国重,佐々木 1) や佐々木,国重 2) に詳しく論じら れている 23

Transcript of The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of...

Page 1: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

徳山工業高等専門学校研究紀要

新入生アンケートに見られる

平成 27 年度入学生の特徴

原田徳彦*1 長廣恭子*2 森崎哲也*3

西尾幸一郎*4 松尾葉子*5

The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis Based on the Results of

a Questionnaire to the Freshmen—

Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI Koichiro NISHIO and Yoko MATSUO

Abstract

The most critical and frequent problem the student consultation office concerns with at National Institute of Technology, Tokuyama college, is the adaptive failure to a student’s specialty. We have been conducting a questionnaire to the freshmen since 2001. It is made use in the individual support that we grasp the characteristic of the freshmen of 2015. At the same time, it can be exploited for a guidance of the PR activity for junior high school students not to cause maladjustment after entrance to college. In this paper, we examine items influencing learning will of students and infer the policy.

Key Words : learning will of students, maladjustment, questionnaire to freshmen

1. はじめに

徳山高専学生相談室では,平成 13 年度から「学生

相談室プログラム」*の一環として新入生アンケート

を実施している.新入生アンケートはオリエンテー

ションの学生相談室の紹介の中で行う.アンケート

は記名式で,学生個人の入学時の心の状態を把握し,

その後の学生生活のサポートに資することを目的と

する.

学生相談で最も多く深刻となる問題は工学を専門

とする高専への適応の躓きだろう。徳山高専への入

学が不本意だった学生,入学した学科が不本意だっ

た学生,入学したことに満足していない学生,学習

意欲が低い学生,これからの学生生活を楽しみと思

えない学生を把握し,学生相談員との面談へつなぐ.

*1 情報電子工学科

*2 一般科目(数学)

*3 機械電気工学科

*4 土木建築工学科

*5 学生課学生係

*学生相談室プログラムについては,国重,佐々木 1)や佐々木,国重 2)に詳しく論じら

れている

23

Page 2: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

原田 徳彦・長廣 恭子・森崎 哲也・西尾 幸一郎・松尾 葉子

№39(2015)

面談の誘いは他の学生に分からない様に手紙を渡す

方法をとっている.強制はしないので面談に来ない

学生もいるが,本当に困ったときに相談に来やすい

ように,学生相談室の存在を認識させておくことに

も意義があるだろう.

少子化による受験者数の減少が新入生の特性に与

える影響を知るため,比較的志望倍率の高かった平

成 16 年度と平成 26 年度の新入生アンケートの結果

を比べ報告した 3).意外にも,新入生の学習意欲,

学生生活への期待,入学の満足感はいずれも上昇し,

好ましい状態であることが分かった。

本稿では,入学後の適応に影響を与えると思われ

る入学時の学習意欲について,入学の動機など関連

する事項を検討しながら,今年の新入生の特徴を探

る。

2. 新入生アンケート

新入生アンケートは,鳴澤(1998)4)の東京都立大

学新入生対象アンケートを徳山高専に修正し作成し

たものである.

アンケート対象は,平成 27 年度一年生全員 127

名(機械電気:42 名,情報電子:44 名,土木建築:

41 名)である.アンケートの回収率は 100%であった.

以下に,アンケートの質問項目と回答を示す.回

答はパーセンテージで( )内に示してある.

1.あなたは自宅から通学していますか,それとも

寮生ですか.

(a) 自宅通学生 101 (79.5)

(b) 寮生 26 (20.5)

2.あなたは中学校時代にクラブ活動に参加してい

ましたか.

(a) はい 125 (98.4)

(b) いいえ 2 (1.6)

3.あなたが徳山高専に進学を決定したのはいつで

すか.

(a) 小学生の頃 6 (4.7)

(b) 中学1年生の頃 13 (10.2)

(c) 中学2年生の頃 23 (18.1)

(d) 中学3年生の頃 85 (66.9)

4.徳山高専はあなたが第一に志望した学校ですか.

(a) はい 119 (93.7)

(b) いいえ 8 (6.3)

5.あなたは徳山高専の本当に入りたかった学科に

入れましたか.

(a) はい 127 (100)

(b) いいえ 0 (0.0)

6.あなたが徳山高専に入学した動機は何ですか,

次の該当するものすべての記号を○で囲んで下

さい.

(a) 入学しやすい 1 (0.8)

(b) いいところに就職できる 83 (65.4)

(c) 通学の便がいい 6 (4.7)

(d) 経済的な理由 10 (7.9)

(e) 先生や親にすすめられた 49 (38.6)

(f) 自由な校風だから 36 (28.3)

(g) 先輩・知人がいる 19 (15.0)

(h) 兄弟がいる 7 (5.5)

(i) 自分の志望に合っている 87 (68.5)

(j) 他に入学するところがなかったから

1 (0.8)

(k) 何となく 4 (3.1)

(l) その他 6 (4.7)

7.あなたは中学校時代に満足のいく学校生活が送

れたと思いますか.

(a) とても満足している 75 (59.1)

(b) 一応満足している 46 (36.2)

(c) あまり満足していない 4 (3.1)

(d) 全く満足していない 1 (0.8)

8.あなたは徳山高専に入学できて満足しています

か.

(a) とても満足している 91 (71.7)

(b) 一応満足している 35 (27.6)

(c) あまり満足していない 1 (0.8)

(d) 全く満足していない 0 (0)

9.あなたが徳山高専に入学した目的は何ですか,

次の該当するものすべての記号を○で囲んで下

さい.

(a) 専門的な学問・技術を身につけるため

108 (85.0)

(b) 教養を高め人間的に成長するため

41 (32.3)

(c) 先生や友人と交流するため

19 (15.0)

(d) いいところに就職するため

73 (57.5)

(e) 学生生活をエンジョイするため

36 (28.3)

(f) 専攻科や他の大学に進学するため

29 (22.8)

24

Page 3: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

新入生アンケートに見られる 平成 27 年度入学生の特徴

徳山工業高等専門学校研究紀要

(g) 何とはなしに 4 (3.1)

(h) その他 5 (3.9)

10.現在,あなたの勉強への意欲は次のどれです

か.

(a) 十分意欲がある 65 (51.2)

(b) 一応意欲がある 57 (44.9)

(c) あまりない 4 (3.1)

(d) 全くない 1 (0.8)

11.あなたは徳山高専での勉強についていけるか

どうか不安ですか.

(a) とても不安である 70 (55.1)

(b) 少し不安である 48 (37.8)

(c) あまり不安ではない 8 (6.3)

(d) 全く不安ではない 1 (0.8)

12.周りの新入生が自分より勉強面で優れている

ように思いますか.

(a) 強くそう思う 66 (52.0)

(b) 少しそう思う 51 (40.2)

(c) あまりそうは思わない 6 (4.7)

(d) 全くそうは思わない 4 (3.1)

13.自分には徳山高専で友人ができないのではな

いかと心配ですか.

(a) とても心配である 17 (13.4)

(b) 少し心配である 58 (45.7)

(c) あまり心配ではない 39 (30.7)

(d) 全く心配ではない 13 (10.2)

14.あなたは徳山高専での学生生活がどのくらい

楽しみですか.

(a) とても楽しみである 81 (63.8)

(b) 少し楽しみである 44 (34.6)

(c) あまり楽しみではない 2 (1.6)

(d) 全く楽しみではない 0 (0.0)

15.あなたは自分が将来どんな職業につき,どん

な人になりたいか,すでに心の中で決めてい

ますか.

(a)はい 69 (54.3)

(b)いいえ 58 (45.7)

16.あなたは中学時代に個人的に打ち明け話をし

たり,相談に乗ってもらえるような同性の親

友がいましたか.

(a)はい 116 (91.3)

(b)いいえ 11 (8.7)

17.あなたは徳山高専に知り合いの人がいますか.

(a)はい 109 (85.8)

(b)いいえ 18 (14.2)

18.あなたは徳山高専に個人的に打ち明け話をし

たり,相談に乗ってもらえるような同性の親

友がいますか.

(a)はい 55 (43.3)

(b)いいえ 72 (56.7)

19.あなたはある程度親しくつき合っている異性

の友人がいますか.

(a)はい 60 (47.2)

(b)いいえ 66 (52.0)

無回答 1 (0.8)

20.今までに,反抗して親を手こずらせたことが

ありますか.

(a)はい 67 (52.8)

(b)いいえ 59 (46.5)

無回答 1 (0.8)

21.今までに,失敗や挫折をしてすごく悩んだこ

とがありますか.

(a)はい 74 (58.3)

(b)いいえ 53 (41.7)

22.学生相談室で相談できるとしたら,あなたは

次のどのような内容について相談してみたい

ですか.該当するものすべての記号を○で囲

んで下さい.

(a) 勉強のこと 104 (81.9)

(b) 今まで知らなかった人たちとの出会いに

関すること 30 (23.6)

(c) 家庭のこと 5 (3.9)

(d) 自分の性格のこと 19 (15.0)

(e) 心の健康に関すること 4 (3.1)

(f) 体の健康に関すること 9 (7.1)

(g) 性に関すること 0 (0.0)

(h) 友人関係のこと 22 (17.3)

(i) 恋愛に関すること 9 (7.1)

(j) 徳山高専が自分に合っているかどうかに

関すること 26 (20.5)

(k) 進学のこと 29 (22.8)

(l) 就職のこと 47 (37.0)

(m) その他 3 (2.4)

23.前問で挙げてある項目の中で,「今すぐ」あな

たが相談をしたい事柄があれば,その記号を

すべて○で囲み,具対的に詳しくその相談内

容を自由に書いてみて下さい.

※以下の質問には,寮生の人だけ答えて下さい.

24.寮生活全般に関して不安を感じていますか.

(a) とても不安である 4 (15.4)

(b) 少し不安である 14 (53.8)

(c) あまり不安ではない 7 (26.9)

(d) 全く不安ではない 1 (3.8)

25.家族から離れて一人で生活するので寂しく思

25

Page 4: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

№39(2015)

います

(a)

(b) 少

(c)

(d) 全

26.寮を

(a) 是

(b) 少

(c) あ

(d) 全

27.現在

相談を

すか.

(a)は

(b)い

28.(27

はどの

るもの

(a) 一

(b) 寮

(c) 先

(d) そ

29.寮生

「今」

まいま

3. アンケー

図 1 の学科

科において女

上昇率とな

問 1「あ

とも寮生です

土木建築にお

問 3「あ

つですか。」

科に比べ,「

定の時期が遅

待される.

問 4「徳

すか。」の結

りたかった

「はい」と答

すか.

とても寂しい

少し寂しい

あまり寂しく

全く寂しくな

出て自宅から

是非自宅通学

少し自宅通学

あまり自宅通

全く自宅通学

,あなたは寮

をしてみたい

はい

いいえ

7.で,「はい

のような事柄

のすべての記

一人暮らしに

寮の施設・設

先輩との関係

その他

活に関する質

」何となく考

ません.自由

ート結果に

科ごとの男女

女子の割合が

っている。

なたは自宅か

すか。」の結果

おける寮生の

なたが徳山高

の結果を図

「中学 3年」と

遅い.中学校

山高専はあな

結果を図 4に

学科に入れま

答えている。

原田 徳彦

くない

ない

ら通学したい

学したい

学したい

通学したくな

学したくない

寮生活に関し

いような事柄

い」と答えら

柄や悩みです

記号を○で囲

について

設備について

係について

質問や悩み,

考えているこ

由に書いて下

見られる主

女比をみると

が高い。昨年

から通学して

果を図 2に示

の割合が高い

高専に進路を

3に示す.情

と答えた割合

校の 1・2 年に

なたが第一に

示す.なお,

ましたか。」

彦・長廣 恭子

4 (15.4)

7 (26.9)

12 (46.2)

3 (11.5)

いですか.

1 (3.8)

6 (23.1)

9 (34.6)

10 (38.5)

して学生相談室

柄や悩みがあ

1 (3.8)

25 (96.2)

られた方へ)そ

すか,次の該当

んで下さい.

0 (0)

0 (0)

0 (0)

1 (3.8)

訴えたいこ

となど何でも

さい.

主な特徴

,土木建築工

年比でも約 2 割

ていますか,そ

示す.情報電子

い.

を決定したのは

情報電子では他

合が高く,進路

に対する PR が

に志望した学校

問 5「本当に

の問には全員

・森崎 哲也・西

室で

りま

それ

当す

こと,

もか

工学

割の

それ

子と

はい

他学

路決

が期

校で

に入

員が

西尾 幸一郎・

松尾 葉子

図 1 男女

2 自宅生・

図 3 志望の

女の割合

寮生の割合

の決定時期

26

Page 5: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

問 6「あ

か,次の該

さい。」の結

きる」が一番

いる」が次

少,後者が増

問 8「あな

ますか。」の

子の入学に対

問 9「あ

か,次の該

さい。」の結

「専門的な学

い。「進学す

14.9%に比べ

問 10「現

すか。」の結

の学習意欲

問 11「あ

かどうか不安

ると,機械電

い.

問 14「あ

い楽しみです

に学生生活へ

問 15「あ

んな人にな

か。」の結果

において自分

い.

問 19「あ

性の友人がい

すると,情報

生の割合が低

問 20「今

があります

土木建築にお

う割合が高い

なたが徳山高

当するものす

結果を図 5 に

番多い理由で

に多い理由で

増加している

なたは徳山高

の結果を図 6

対する満足の

なたが徳山高

当するものす

結果を図 7 に

学問・技術を

するため」と答

べ増加した.

現在,あなたの

結果を図 8に示

が高くなった

なたは徳山高

安ですか。」の

電気に強い不

なたは徳山高

すか。」の結

への期待が高

なたは自分が

りたいか,す

果を図 11 に示

分の将来像を

なたはある程

いますか。」

報電子におい

低い。

今までに,失敗

か。」の結果を

おいて親をて

い。

新入生

高専に入学し

すべての記号

に示す.「いい

であり,「自分

である.昨年

る。

高専に入学で

に示す.今年

の割合が大き

高専に入学し

すべての記号

に示す.入学の

を身につける

答えた割合は

の勉強への意

示す.今年は

た.

高専での勉強

の結果を図 9

不安を持つ学

高専での学生

結果を図 10 に

高い.

が将来どんな

すでに心の中

示す.比較す

を描けている

程度親しくつ

の結果を図

いてつき合っ

敗して親をて

を図 13 に示す

てこずらせた

生アンケートに

した動機は何で

号を○で囲んで

いところに就職

分の志望に合っ

年に比べ前者が

きて満足して

年は特に,情報

くなった.

した目的は何で

号を○で囲んで

の目的につい

」が 85.0%

は 22.8%と昨年

意欲は次のどれ

は特に,土木建

強についていけ

9に示す.比較

学生の割合が大

生生活がどの

に示す.3 学科

な職業につき,

中で決めていま

すると,土木建

学生の割合が

つき合っている

12 に示す.比

ているとい

てこずらせたこ

す。比較する

たことがある

に見られる 平成

です

で下

職で

って

が減

てい

報電

です

で下

いて,

と高

年の

れで

建築

ける

較す

大き

くら

科共

,ど

ます

建築

が高

る異

比較

う学

こと

と,

とい

27 年度入学生の

その

何とな

他に入学する

自分の志望

兄弟がい

先輩・知人がい

由な校風だか

先生や親にす

経済的な理

通学の便がい

いいところに

入学しやす

の特徴

図 4 第一志

図 5 入学

6 入学に対

0 5

の他

なく

と…

望に…

いる

いる

から

すす…

理由

いい

に就…

すい

徳山工業高等専

志望の割合

学動機

対する満足感

50 100

門学校研究紀要

2014

2015

27

Page 6: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

№39(2015)

問 22「学

は次のどの

か。該当する

の結果を図

る学生の割合

いる学習ルー

需要が示され

何とはな

専攻科や他

学生生活を

いいところ

先生や友人

教養を高め

専門的な学

学生相談室で相

ような内容に

るものすべて

14 に示す.

合が 81.9%

ーム等の学生

れている。

図 7 入

図 8

0

の他

しに

他の大…

エン…

に就…

人と交…

人間…

学問・…

原田 徳彦

相談できると

について相談

の記号を○で

問 11 を反映

と高い。学生

生サポートに

入学の目的

学習意欲

50

彦・長廣 恭子

としたら,あな

談してみたいで

で囲んで下さ

映して勉強と答

生相談室が行っ

について潜在的

100

201

201

・森崎 哲也・西

なた

です

さい。」

答え

って

的な

14

15

西尾 幸一郎・

松尾 葉子

図 9 勉強へ

10 学生生活

図 11 自分

への不安

活への期待

の将来像

28

Page 7: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

就職

進学

徳山高専

恋愛に関す

友人関係

性に関す

体の健康

心の健康

自分の性格

家庭

今まで

勉強

図 12 異

図 13 親へ

図 14 相談

0

その他

職のこと

学のこと

専が自分…

すること

係のこと

すること

康に関す…

康に関す…

格のこと

庭のこと

で知らな…

強のこと

新入生

異性との交際

への反抗の経

談してみたいこ

50

生アンケートに

経験

こと

100

201

201

に見られる 平成

14

15

27 年度入学生の

図 15

図 17 入学動

の特徴

進学を決め

図 16 学習意

動機「先生や

徳山工業高等専

めた時期の推移

意欲の推移

や親のすすめ

門学校研究紀要

」の推移

29

Page 8: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

№39(2015)

図 18

図 19 入

図 20 志望

8 入学動機

入学動機「志

望と学習意欲

原田 徳彦

「自由な校風

志望に合ってい

彦・長廣 恭子

風」の推移

いる」の推移

・森崎 哲也・西

西尾 幸一郎・

図 22

図 23

松尾 葉子

21 将来像

異性との交

3 親への反抗

と学習意欲

交際と学習意

抗と学習意欲

意欲

30

Page 9: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

図 15 に

2001~2004,

木建築工学科

が増加してい

合の多さ,学

に良い効果

図 16 に学

2014,2015

女子に大き

72.7%が十分

図 17 に入

を選択した割

2015 の結果

高く,近年

図 18 に入

割合につい

果を示す。近

いる。これ

考えられる。

図 19 に入

を選択した割

2015 の結果

急増してい

図 20 から

2015 の結果

学習意欲に相

図 24 失敗

徳山高専に

,および,20

科において,

いる。これは

学習意欲との

が期待できる

学習意欲につ

の結果を示す

きな変化が表

分意欲がある

入学動機とし

割合について

果を示す。男女

の男子の割合

入学動機とし

て 2001~200

近年の女子に

は,校則が厳

入学動機とし

割合について

果を示す。今年

る。

ら図 24 に,2

果(男子:584 人

相関のある項

新入生

敗経験と学習意

進学を決めた

014,2015 の

近年の小学

は,問 15 の将

の相関があり

る。

ついて 2001~

す。男女を比

表れている。

ると答えてい

して「先生や親

て 2001~2004

女で比べると

合が伸びてい

て「自由な校

04,および,

においてその

厳格化したこ

て「自分の志

て 2001~2004

年の女子にお

2001~2004,

人,女子:174

項目について

生アンケートに

意欲

た時期につい

の推移を示す。

学,中 1 時の割

将来像を描ける

,入学後の適

~2004,および

比べると,近年

今年の女子

いる。

親からのすす

4,および,20

と,女子の割合

いる。

校風」を選択

2014,2015 の

の割合が減少

ことによるもの

志望に合ってい

4,および,20

おいてその割合

および,201

4 人)をもとに

て検討する。

に見られる 平成

いて

。土

割合

る割

適応

び,

年の

子の

すめ」

014,

合が

した

の結

して

のと

いる」

014,

合が

14,

に,

問 1

か。

り学

につ

めて

意欲

15

いる

って

あな

集計

習意

らせ

の勉

示す

とを

影響

ごく

なた

計を

意欲

4.

べた

かか

にす

しい

な結

なっ

検討

学の

分の

27 年度入学生の

図 20 は,問 6

10「現在,あ

」のクロス集

学習意欲が高

図 21 は,問

つき,どんな

ていますか。」

欲は次のどれ

「はい」の方

る。

図 22 は,問

ている異性の

なたの勉強へ

計を示す。女

意欲が高いこ

図 23 は,問

せたことがあ

勉強への意欲

す。問 20「い

を示している

響を与えるも

図 24 は,問

く悩んだこと

たの勉強への

を示す。男子

欲が高いこと

まとめ

昨年度は,新入

た.少子化に

かわらず,新

する割合,入

い状態であっ

結果を示した

った。

そこで,学習

討した。先ず

の動機にする

の将来像をも

の特徴

6(i)「自分の

あなたの勉強へ

集計を示す。

高いことを示

15「あなたは

な人になりたい

と問 10「現

れですか。」の

がより学習意

19「あなたは

の友人がいます

への意欲は次の

女子では,問

ことを示してい

20「今までに

ありますか。」

欲は次のどれで

いいえ」の方が

。親子関係の

のと考えられ

21「今までに

がありますか

の意欲は次の

子では,問 21

を示している

入生アンケー

による受験者数

新入生の学習意

入学についての

た.今年度も

た。特に女子の

習意欲に相関の

ず,自分の志望

学生は学習意

つ学生は学習

徳山工業高等専

の志望に合っ

への意欲は次

問 6(i)「選択

している。

は自分が将来

いか,すでに

現在,あなた

のクロス集計

意欲が高いこ

はある程度親

すか。」と問

のどれですか

19「はい」の

いる。

に,反抗して

と問 10「現

ですか。」のク

がより学習意

の良さが学習

れる。

に,失敗や挫

か。」と問 1

どれですか。

「はい」の方

る。

ートを 10 年前

数の減少とい

意欲,学生生

の満足感は上

も,昨年度と

の学習意欲が

のある 5 つの

望に合ってい

意欲が高い。

習意欲が高い

門学校研究紀要

ている。」と

次のどれです

択」の方がよ

来どんな職業

に心の中で決

たの勉強への

計を示す。問

ことを示して

親しくつき合

10「現在,

か。」のクロス

の方がより学

て親を手こず

現在,あなた

クロス集計を

意欲が高いこ

習意欲に良い

挫折をしてす

0「現在,あ

」のクロス集

方がより学習

前の結果と比

いう状況にも

生活を楽しみ

上昇し,好ま

と同様に良好

が過去最高と

の質問項目を

いることを入

さらに,自

い。これらは,

31

Page 10: The Characteristics of the Freshmen in 2015 –An Analysis ...–An Analysis Based on the Results of a Questionnaire to the Freshmen— Norihiko HARADA, Kyoko NAGAHIRO, Tetsuya MORISAKI

原田 徳彦・長廣 恭子・森崎 哲也・西尾 幸一郎・松尾 葉子

№39(2015)

志望の決定時期の早さにも関連する。土木建築工学

科は志望の決定時期が比較的早く,学習意欲が一番

高い。

次に,親への反抗のない学生は学習意欲が高いこ

とが分かった。これは,親子関係の良さが情緒の安

定へとつながり,学習意欲を高めるものと考えるこ

とができる。

つづく 2 つの項目は,男女で異なる傾向を持って

いる。一つは異性とつき合っている女子学生は学習

意欲が高いことが分かった。これは男子には見られ

ない傾向である。もう一つは,失敗経験を持つ男子

学生は学習意欲が高いことが分かった。これは逆に

女子には見られない傾向である。

今年の女子の学習意欲が高い理由は,徳山高専が

自分の志望に合っているからであろう。近年,校則

が厳しくなり,世相も反映してか,意志があり自立

心のある女子学生が集まるようになってきたのでは

ないだろうか。

入学後の適応の躓きを少なくするために,志望に

合う選択をして徳山高専に入学してもらうために,

校内見学会や出前授業,公開講座などを通した専門

学科の PR 活動を充実させることが必要である。

文献

1)国重,佐々木:新入生アンケートを活用した入学

時適応援助の方策について,論文集「高専教育」,第

25号,PP. 455-460 (2002)

2)佐々木,国重:高専における学生相談の具体的活

用策―――心理検査を利用したキャリア・ガイダン

スの試み―――,論文集「高専教育」,第25号,PP.

461-466 (2002)

3) 原田,長廣,三浦,西尾,松尾:新入生アンケー

トに見られる平成 26 年度入学生の特徴,徳山高専研

究紀要,第 38 号,PP.37-44(2014)

4)鳴澤:新入生の実態調査,東京都立大学学生相談

室レポート,9,PP. 6-42 (1980)

(2015.9.24 受理)

32