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母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン案 とパブリックコメントについて 慶應義塾大学医学部 谷川原 祐介 [email protected] PMDA ワークショップ 「⼩児領域及び難病等アンメットニーズ医薬品の臨床開発と ファーマコメトリクスの活⽤」 2017127⽇(⾦) 講演者は規制当局に所属する立場ではないため、 発表内容は個人的見解によるものです。よって、 最終的に通知されるガイドラインとは一部異なる 可能性もありますのでご了承ください。 本発表に関する利益相反はありません。 2 講演の内容 新ガイドライン策定の背景と経緯 研究班組織 ガイドラインの骨子 FDA/EMAガイダンスとの比較 主なパブリックコメントの内容 3 背景: なぜ、ガイドラインが必要か? 200161日、審査管理課長通知「医薬品の臨床薬物 動態試験について」が発出され、製薬業界のために薬 物動態に関する一般的な指針が示された。 本通知では「母集団解析法」はわずか22行だけと簡潔 に述べられている。しかも、標準的な薬物動態試験の 代替として一般的な記述にとどまっている。 2001年当時、母集団解析法は医薬品開発においてあま り使われていなかったため、課長通知では本手法の紹 介のみに限定した。 また、2003年には母集団解析の普及・啓発を目的とし て解説書が公表された。 4

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母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン案とパブリックコメントについて

慶應義塾大学医学部

谷川原 祐介

[email protected]

PMDA ワークショップ「⼩児領域及び難病等アンメットニーズ医薬品の臨床開発と

ファーマコメトリクスの活⽤」2017年 1⽉ 27⽇(⾦)

講演者は規制当局に所属する立場ではないため、発表内容は個人的見解によるものです。よって、

終的に通知されるガイドラインとは一部異なる可能性もありますのでご了承ください。

本発表に関する利益相反はありません。

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講演の内容

• 新ガイドライン策定の背景と経緯

• 研究班組織

• ガイドラインの骨子

• FDA/EMAガイダンスとの比較

• 主なパブリックコメントの内容

3

背景:なぜ、ガイドラインが必要か?

• 2001年6月1日、審査管理課長通知「医薬品の臨床薬物

動態試験について」が発出され、製薬業界のために薬物動態に関する一般的な指針が示された。

• 本通知では「母集団解析法」はわずか22行だけと簡潔

に述べられている。しかも、標準的な薬物動態試験の代替として一般的な記述にとどまっている。

• 2001年当時、母集団解析法は医薬品開発においてあま

り使われていなかったため、課長通知では本手法の紹介のみに限定した。

• また、2003年には母集団解析の普及・啓発を目的として解説書が公表された。

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0102030405060708090100

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2012 2013 2014 2015

NMEs PPK PPK(JP) PKPDPPK/NME PPK(JP)/NME PKPD/NME

近年の承認申請資料における母集団解析の活用状況

PMDA資料5

年度

2012~15年度に承認された新有効成分含有医薬品(NME)

JP:日本人を含むデータにて解析

成分数

PPK及びPKPD

(ER含む)解析が

検討

され

た成

分の

割合

(%

背景:なぜ、ガイドラインが必要か?

• 過去10年間、母集団解析法は医薬品開発におい

てより広範に利用されるようになり、重要な意思決定の判断材料として用いられてきた。

• 個人差要因の解明、用量の民族間差に関する検討、特殊な集団のための用量調節など、母集団解析の有用性は数多くの経験を経て認識されており、新薬承認申請における母集団解析の利用は増加している。

• しかしながら、本邦には母集団解析法に関する正式なガイドラインは存在しない。

6

背景:なぜ、ガイドラインが必要か?

• 規制当局(PMDA)は新薬承認申請のために提出

される母集団解析の質の企業間差異に直面している。

• 不十分な記載あるいは不適切な適用は審査過程における照会事項につながり、不必要に時間を浪費する。

• 製薬企業と規制当局間のより良いコミュニケーションのために母集団解析の実施と報告方法は標準化されることが望ましい。

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医薬品開発において母集団薬物動態・薬力学解析を適切に実施するためのガイドラインが

必要である。

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ガイドライン草稿を作成した専門家作業チーム

• 小児医薬品及び難病等アンメットニーズ医薬品を含む臨床開発等におけるモデリングとシミュレーションの活用に関連する指針等の作成に関する研究班。

研究開発代表者 鹿野真弓(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)、AMED医薬品等規制調和・評価研究事業

• 構成メンバー

– 官:PMDA (5‐6名)– 産:日本製薬工業協会 (4名)– 学:学識経験者 (4名)

• スーパーバイザーおよび 終決定権者:厚生労働省

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専門家作業チームの進め方

• 医薬品開発に活用する側の製薬業界と、申請資料を評価する側の当局側が、それぞれの意見を率直に述べ合って合意点に到達した。

• 学識経験者は中立かつ 新の科学的観点から意見を述べた。

• 日本はコンセンサス社会であり、FDAがトップダ

ウンでガイドラインを策定する米国とはやり方が異なる。

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ガイドラインの目的と適用範囲

【目的】本ガイドラインは、医薬品開発において母集団解析を用いた評価が適切に実施されるように、現時点における科学的に妥当な一般的な指針を示したものである。

【適用範囲】医薬品の臨床第Ⅰ相試験、同Ⅱ相試験、同Ⅲ相試験、製造販売後臨床試験、又は臨床薬理試験データ、さらにそれら複数の臨床試験を統合したデータにおける母集団薬物動態解析又は母集団薬物動態・薬力学解析の評価に適用するものとする。

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母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン(案)

12

目次

1. はじめに

2. 試験方法

3. モデルの活用

4. 報告と情報提供

5. 関連する指針及びガイドライン

6. 用語一覧

(パブリックコメントに基づく修正後の案)

1-1.背景と目的1-2.適用範囲

3-1.特定の対象集団における薬物動態学的又は薬力学的特徴の予測3-2.臨床試験デザイン

4-1.母集団解析報告書

4-2.医薬品の製造販売承認申請に際し添付すべき資料

4-3.添付文書における情報提供

2章における実務的なコメントが多かったため、項目及び内容を再検討・整備中

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母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン(案):2章

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2.試験方法

2-1. 治験の計画及び実施

2-2. データの取り扱い

2-3. モデル構築と診断

(パブリックコメントに基づく修正後の案)

2‐1‐1.治験計画時の事前検討事項2‐1‐2. 治験実施計画書に記載すべき事項2‐1‐3. 解析計画書に記載すべき事項2‐1‐4. 薬物濃度測定に関わる留意事項

2‐2‐1.データの管理2‐2‐2. 欠測値2‐2‐3. 定量下限未満濃度値2‐2‐4. 外れ値

2‐3‐1.母集団薬物動態及び薬力学モデルの構築(1)構造モデル (2)誤差モデル (3)共変量モデル2‐3‐2. モデルの診断2‐3‐3. モデルの適格性評価

解析用データ管理のフローの一例

14

個別の臨床試験データベースから必要な項目を抜き出し、統合及び加工して作成する場合

母集団解析フローの一例

15

モデル診断

• 構築されたモデルは、解析結果の安定性及び頑健性の観点、得られたパラメータ推定値の妥当性の観点、解析したデータを再現する予測性能の観点等から、その妥当性を診断する。

• モデル予測値と観測値との一致性

• 時間、投与量、主要共変量等に対するパラメータ推定値の依存性やバイアス

• 個体間又は個体内変動の分布や不均一性

• シュリンケージ (Shrinkage)• 視覚的事後予測性能評価 (Visual Predictive Check, VPC)• 確率的事後予測性能評価(Posterior predictive check,

PPC)16

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モデルの適格性評価

• モデルの適格性評価とは、母集団 終モデルを構築した際に、そのモデルが解析目的を満たすのに十分な性能を有するのか、モデル診断の結果に基づいた客観的な評価を行うことである。

• 常に適用可能な一般的な適格性の評価基準は存在しないことから、個々の解析ごとに、薬剤の特性を踏まえ、適切な複数のモデル評価を実施する。

– 外部検証法

– ブートストラップ

– Visual Predictive Check17

母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン作成時の方針

• 母集団解析法の現時点での標準的な実践方法を記述した。

• 製薬企業が母集団解析を実施する際に遵守すべき点と考慮すべき点を明確にした。

• プロセスの透明性を要求した。

• 解析に用いたデータのトレーサビリティ(追跡可能性)を要求した。

• 適切な報告方法を明示し、医療従事者への情報提供にも配慮した。

• 承認申請する製薬企業とPMDA間の良好なコミュニケーションを助ける指針をめざした。

18

関連する EMA guideline との比較

• EMAガイドラインは、母集団薬物動態解析結果の報告の記載法を定めたものである。

• 一方で日本のガイドラインは、試験計画立案から臨床データ取扱い、追跡可能性、データ解析、モデル診断と適格性評価、報告・情報提供、結果の活用に至るすべての要素を網羅した包括的な指針である。 19

関連する FDA guidance との比較

• 母集団薬物動態解析に関 す る FDA guidance は1999年に策定された。

• 1999年当時では必要な

要素をすべて網羅する優れた内容であった。

• しかしながら、18年が

経過し、この間に研究が進んだ方法論や新しい考え方、適用経験は含まれていない。

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特長:まとめ• 日本の「母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン」

は現時点における国際的・科学的水準に則った 新の指針である。

• 本ガイドラインは、試験計画、臨床データ取扱い、追跡可能性、データ解析、モデル診断と適格性評価、報告・情報提供、結果の活用に至るすべての要素を網羅した包括的な指針である。

• FDAやICHガイドラインの和訳ではなく、研究班の専

門家が科学的観点並びに経験と見識に基づいて新規に執筆したオリジナル文書である。

• 本邦における母集団解析の普及並びに質の向上に寄与すると期待される。申請企業を対象にしているが、アカデミアにおける教育・研究にも活用できる。

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ガイドライン(案)に関するパブリックコメントの募集(2015年12月9日~2016年1月13日)

# 22

終化に向けた作業

• パブリックコメント

– 301 件(国内より)

– 85 件(海外より)

• ガイドライン本文の整備

• Questions & Answers の整備

# 23

多くのご意見を寄せていただき有難うございました。

母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン(案)パブリックコメントの対応について 1/4

24

2-1. 治験の計画及び実施

関連分野としてファーマコメトリクスを含めるべきである。

対応

「治験計画の立案から解析結果の評価に至る過程においては、臨床薬理学、薬物動態学、生物統計学、さらにはファーマコメトリクス等の関連分野に携わる者の相互の連携が重要である。」と修正

国内・海外両方から寄せられたコメントのうち多いものを紹介

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母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン(案)パブリックコメントの対応について 2/4

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PDの評価指標について

・Exposure-Responseの概念や一般的事項を追記すべき・安全性についても言及すべき・評価時点(薬効の 大効果等)は疾患も踏まえ、再検討が必要

対応

・曝露ー反応関係については、別途作成する指針にて対応・修正案「薬効指標や安全性評価データの収集時期については、薬効や有害事象発現時期を考慮し、必要に応じて具体的な時点やその許容幅を規定する。また曝露と応答関係の効率的な評価が可能となるよう、薬効指標や安全性評価データを得る時期と薬物濃度測定用の採血時期との関係について考慮することが重要である。」

母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン(案)パブリックコメントの対応について 3/4

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2-2. データの取り扱い

定量下限未満の取り扱いに関する具体的な手法や参考情報の提示が必要

対応

質疑応答(Q&A)において、代表的な手法及び根拠となる文献を提示する

母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン(案)パブリックコメントの対応について 4/4

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2-3. モデル構築と診断 2-4. モデルの適格性評価

母集団基本モデルと母集団 終モデルにおける誤差モデルの取り扱い、共変量の組み込みに関する補足説明、モデルの診断と適格性評価の整理が必要

対応

・図2. 母集団解析フローの一例を整理し、対応する本文及び用語集の内容を修正

・モデルの診断と適格性評価の重複を避けて整理、2-3. モデル構築と診断において説明

母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン(案)

背景、経緯、アップデート事項

作成から10年以上経過

近年の開発・審査事例

反映

関連する最新の論文の知見

反映

既存の母集団薬物動態(Pop PK)解析に関する国内外規制文書を基礎として

• 最新の科学的知見に基づいた母集団解析時の各留意点について記載、欧米に比肩する指針として整備

• 計画立案・データ収集・モデル構築・診断・適格性評価までの一連の解析フローを提示• 「モデルの活用」の項を設定してModel Based Drug Developmentの考え方を提示• 解析報告書の内容について、最新の傾向を反映して具体化

• 製造販売承認申請に際し添付すべき資料、添付文書における情報提供、申請電子データ提出にも対応可能となるよう承認申請に関わる事項を提示

米国:1999年Pop PKガイダンス

日本:2003年通知解説書

米国:2003年E‐Rガイダンス

EMA:2006年Pop PKの結果に関するレポートのガイドライン

米国:2014年小児に関するドラフトガイダンス

EMA:2014年抗菌薬に関するドラフトガイダンス

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曝露‐反応関係の医薬品開発・承認審査での現状と今後について

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

落合 義徳

本発表は、発表者の個人的見解に基づくものであり、(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)の公式見解を示すものではありません

本日の内容

近年の承認申請資料における曝露ー反応解析の状況

曝露ー反応解析の領域毎の傾向

曝露ー反応解析に関する指針作成状況

2017/1/27 2PMDAワークショップ

本日の内容

近年の承認申請資料における曝露ー反応解析の状況

曝露ー反応解析の領域毎の傾向

曝露ー反応解析に関する指針作成状況

2017/1/27 3PMDAワークショップ

0102030405060708090100

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2012 2013 2014 2015

NMEs PPK PPK(JP) PKPDPPK/NME PPK(JP)/NME PKPD/NME

近年の承認申請資料における曝露ー反応解析の状況

2017/1/27 4

年度

2012~15年度に承認された新有効成分含有医薬品(NME)

JP:日本人を含むデータにて解析

成分

PPK及

びPKPD

(ER含

む)解

析が

検討

され

た成

分の

割合

(%

PMDAワークショップ

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0102030405060708090100

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近年の承認申請資料における曝露ー反応解析の状況

2017/1/27 5

2011~16年度(12月まで)にNMEにおけるPPK解析の領域別の集計

品目

PPK解

析が

検討

され

た品

目の

割合

(%

品目数

割合①

②③④⑤

トップ6はNMEの60%↑の品目でPPK解析実施

PMDAワークショップ

0102030405060708090100

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近年の承認申請資料における曝露ー反応解析の状況

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2011~16年度(12月まで)にNMEにおけるPPK/PD(ER)*解析の領域別の集計

品目

PPK/PD(ER

)解

析が

検討

され

た品

目の

割合

(%

品目数(PPK/PD(ER)解析)

割合

品目数(PPK解析)

*曝露‐QTc解析は除く

トップ5はNMEの45%↑の品目でPPK/PD(ER)

解析を実施

PMDAワークショップ

近年の承認申請資料における曝露ー反応解析の状況

2017/1/27 7

• PPK解析は抗悪性腫瘍薬で行われている品目数が多く、ついで、

代謝性疾患用薬、抗菌・ウイルス・真菌剤、中枢・末梢神経系用薬、循環器官用剤、免疫・アレルギー用薬の順に品目数が多い

• 上記の6つ領域ではNMEの60%以上の品目数でPPK解析が行われている。

• PPK/PD(ER)解析も抗悪性腫瘍薬で行われている品目数が多く、

ついで、代謝性疾患用薬、抗菌・ウイルス・真菌剤、循環器官用剤、免疫・アレルギー用薬、中枢・末梢神経系用薬の順で、PPK解析の結果と比較すると、循環器官用剤、アレルギー用薬と中枢・末梢神経系用薬の順位が入れ替わっていた。

• 上位の5つ領域ではNMEの45%以上の品目数でPPK/PD(ER)解析が行われている。

小括

PMDAワークショップ

本日の内容

近年の承認申請資料における曝露ー反応解析の状況

曝露ー反応解析の領域毎の傾向

曝露ー反応解析に関する指針作成状況

2017/1/27 8

近年の曝露ー反応解析の傾向をPPK/PD(ER)解析のトップ5の領域毎に紹介します。

事例はいずれも公開資料です。

PMDAワークショップ

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抗悪性腫瘍薬

抗悪性腫瘍薬における傾向の要約

2011~16年度(12月まで)に42品目でPPK解析、30品目でPPK/PD(ER)解析が行われている

主に曝露量と有効性/安全性についての関係について検討している

有効性の指標としては、全生存期間及び無増悪生存期間、奏功率が多い

2017/1/27 9PMDAワークショップ

抗悪性腫瘍薬の例

2017/1/27 10

販売名 効能又は効果 曝露指標の例 反応指標の例タフィンラーカプセル50mg同75mg(ノバルティスファーマ㈱)

BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫

Cavg PFS奏功率

メキニスト錠0.5mg同2mg(ノバルティスファーマ㈱)

BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫

Cavg PFS奏功率

ジカディアカプセル150mg(ノバルティスファーマ㈱)

クリゾチニブに抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

トラフ値 奏功率安全性

タグリッソ錠40mg同80mg(アストラゼネカ㈱)

EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFRT790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌

AUCss 発疹又は下痢

イムブルビカカプセル140mg(ヤンセンファーマ㈱)

再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)

AUC BTK活性部位占有率

PMDAワークショップ

事例1:反応として奏功率を用いた例

販売名:タフィンラーカプセル50mg、同75mg効能又は効果:

BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫

用法・用量:

通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

承認年月日:

平成28年3月28日

2017/1/27 11PMDAワークショップ

事例1:反応として奏功率を用いた例

2017/1/27 12

GS‐33107 AUC奏

効率

平均ダブラフェニブ濃度

EC50(77.4ng/mL)

50 mg BID(ゼラチンカプセル剤)

150 mg BID(ゼラチンカプセル剤)

150 mg BID(HPMC カプセル剤)

大反応に近い効果が得られる標的濃度(EC80[ 大反応の80%超を生じる濃度])を300 ng/mL仮定

88%38%6%

海外の第I 相、II 及び第III 相臨床試験に基づく曝露-反応関係の解析

解析の結果は推奨用量の根拠及び剤型についてサポートhttp://www.pmda.go.jp/drugs/2016/P20160315002/index.html

PMDAワークショップ

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事例2:反応としてバイオマーカを用いた例

販売名:イムブルビカカプセル140mg効能又は効果:1)再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)2)再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫

用法・用量:1) 再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)通常、成人にはイブルチニブとして420mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。2) 再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫通常、成人にはイブルチニブとして560mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

承認年月日:平成28年3月28日

2017/1/27 13

赤字が初回承認時の効能又は効果と用法・用量

PMDAワークショップ

事例2:反応としてバイオマーカを用いた例

2017/1/27 14

海外の第I 相及び第II 相臨床試験に基づく曝露ーバイオマーカ(ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)活性部位占有率)の関係

BTK活

性部

位占

有率(%

)

イブルチニブのAUC

VPCの結果シミュレーションの結果、申請用量をサポート!

http://www.pmda.go.jp/drugs/2016/P20160404001/index.html適用量(420mg)と判断された結果のバイオマーカを用いた根拠

PMDAワークショップ

代謝性疾患用薬

代謝性疾患用薬における傾向の要約

2011~16年度(12月まで)に20品目でPPK解析、16品目でPPK/PD(ER)解析が行われている

特に近年は2型糖尿病を効能・効果とする新有効性分含有医薬品の数が多い

糖尿病の有効性の指標としては、尿中のグルコースを指標としている例が多い

2017/1/27 15PMDAワークショップ

糖尿病治療薬の例

2017/1/27 16

販売名 曝露指標の例 反応指標の例リキスミア皮下注300μg(サノフィ㈱)

AUC グルコースのAUC

スーグラ錠25mg同50mg (アステラス製薬㈱)

AUC24h 尿中グルコース

フォシーガ錠5mg同10mg (ブリストル・マイヤーズ㈱)

CmaxAUC

24時間尿糖排泄量のベースラインからの変化量

デベルザ錠20mg(興和㈱)、アプルウェイ錠20mg(サノフィ㈱)

平均血漿中濃度 腎糖再吸収阻害率

カナグル錠100mg(田辺三菱製薬㈱)

平均血漿中濃度 RTG

ジャディアンス錠25mg同10mg(日本べーリンガーインゲルハイム㈱)

AUCτ,ss HbA1cの変化量

ザファテック錠50mg同100mg(武田薬品工業㈱)

SYR-472Zの血漿中濃度 血漿中DPP-4活性阻害率

マリゼブ錠25mg同12.5mg(MSD㈱)

AUC0-168hr HbA1c

PMDAワークショップ

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事例3:反応としてHbA1cを用いた例

•販売名:ジャディアンス錠25mg、同10mg効能又は効果:

2型糖尿病

用法・用量:

通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。

承認年月日:

平成26年12月26日

2017/1/27 17PMDAワークショップ

事例3:反応としてHbA1cを用いた例

2017/1/27 18

AUC

ベー

スラ

イン

から

のHb

A1cの

変化

率(%

第I 相及び第II 相臨床試験に基づくHbA1cに対するエンパグリフロジンの影響に関する曝露– 反応関係(ベースラインのHbA1c が8.0%のときに推定された曝露– 反応関係)

用量が10mg以上であれば有効性を示す結果をサポート

25 mg(赤丸) 用量群の

データは曝露量反応曲線のプラトー部分に位置

10 mg(緑丸) 用量群の

データは曝露量反応曲線の変曲点からプラトー付近

http://www.pmda.go.jp/drugs/2014/P201400167/index.htmlPMDAワークショップ

抗菌・ウイルス・真菌剤

抗菌・ウイルス・真菌剤における傾向の要約

2011~16年度(12月まで)に13品目でPPK解析、17品目でPPK/PD(ER)解析が行われている

特に近年はC型慢性肝炎を効能・効果とする新有効性分含有医薬品の数が多い

C型慢性肝炎の有効性の指標としては、 SVR(Sustained Virological Response)を指標としている例が多い

2017/1/27 19PMDAワークショップ

C型慢性肝炎治療薬の例

2017/1/27 20

販売名 曝露指標の例 反応指標の例テラビック錠250mg(田辺三菱製薬(株))

Cmin RVReRVRSVRBreakthrough再燃

ダクルインザ錠60mg(ブリストル・マイヤーズ㈱)スンベプラカプセル100mg(ブリストル・マイヤーズ㈱)

Cavgss SVR12及びSVR24

ソバルディ錠400mg(ギリアド・サイエンシズ㈱)

AUCtau HCV mRNAのベースラインからの変化量

ハーボニー配合錠(ギリアド・サイエンシズ㈱)

AUCtau、Cmax SVR12

グラジナ錠50mg(MSD㈱)エレルサ錠50mg(MSD㈱)

AUC0-24hr SVR12

ジメンシー配合錠(ブリストル・マイヤーズスクイブ㈱)

Cavgss SVR12

PMDAワークショップ

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事例4:反応としてHCV mRNAの変化量を用いた例

販売名:ソバルディ錠400mg効能・効果:

セログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善

用法・用量:

リバビリンとの併用において、通常、成人にはソホスブビルとして400mgを1日1回、12週間経口投与する。

承認年月日:

平成27年3月26日

2017/1/27 21PMDAワークショップ

事例4:反応としてHCV mRNAの変化量を用いた例

第I 相及び第II 相臨床試験に基づくGS‐331007(ソホスブビル代謝物)のAUCtauとHCV mRNA のベースラインからの変化量との関係

2017/1/27 22

Emax + E0 Prediction

曝露反応曲線

第3 相臨床試験でのGS‐331007 の平均曝露量

GS‐33107 AUC

HCV mRN

A変化

予測されたウイルス量の 大低下率(Emax の%)は約90%

ER解析からも申請用量の有効性が示唆される!http://www.pmda.go.jp/drugs/2015/P201500031/index.html

PMDAワークショップ

循環器官用剤

循環器官用剤における傾向の要約

2011~16年度(12月まで)に11品目でPPK解析、14品目でPPK/PD(ER)解析が行われている

近年は全身塞栓症の発症抑制、家族性高コレステロール血症、肺動脈性肺高血圧症を効能・効果とする品目が多い

有効性の指標としては、全身塞栓症の発症抑制では凝固系の指標、家族性高コレステロール血症はLDLが多い

2017/1/27 23PMDAワークショップ

循環器官用剤の例

2017/1/27 24

販売名 効能又は効果 曝露指標の例 反応指標の例イグザレルト錠15mg(バイエル薬品㈱)

非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

血漿中濃度 第Ⅹa因子活性

PTaPTTHepTestPiCT

エリキュース錠2.5mg同5mg(ブリストル・マイヤーズ㈱)

非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身塞栓症の発症抑制

血中濃度

AUCss(大出血)抗Xa因子活性大出血および複合出血

レパーサ皮下注140mgシリンジ同140mgペン(アステラス・アムジェン・バイオファーマ㈱)

家族性高コレステロール血症及び高コレステロール血症(ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る

AUC LDL

プラルエント皮下注75mgペン同150mgペン同75mgシリンジ同150mgシリンジ(サノフィ㈱)

家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症(ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る。)

血中濃度 LDL濃度

PMDAワークショップ

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事例5:反応としてLDLを用いた例

販売名:レパーサ皮下注140mgシリンジ、同ペン

効能又は効果:

家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症

ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG‐CoA還元酵素阻害剤で効果不十分な場合に限る。

用法・用量:

家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体及び高コレステロール血症:通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として140mgを2週間に1回又は420mgを4週間に1回皮下投与する。

家族性高コレステロール血症ホモ接合体:通常、成人にはエボロクマブ(遺伝子組換え)として420mgを4週間に1回皮下投与する。効果不十分な場合には420mgを2週間に1回皮下投与できる。なお、LDLアフェレーシスの補助として本剤を使用する場合は、開始用量として420mgを2週間に1回皮下投与することができる。

承認年月日:

平成28年1月22日2017/1/27 25PMDAワークショップ

事例5:反応としてLDLを用いた例

2017/1/27 26

LDLの

ベー

スラ

イン

から

の変

化率

投与10 週時点及び12 週時点における、ベースラインからの変化率は66%

•第II 相試験におけるevolocumab のAUC に対する投与10 週時点及び12 週時点の算出LDL‐C 及び90%予測区間

申請用量における効果の裏付けの一部となる結果であった

AUCw8‐12予測値

http://www.pmda.go.jp/drugs/2016/P20160125001/index.htmlPMDAワークショップ

免疫・アレルギー用薬

免疫・アレルギー用薬における傾向の要約

2011~16年度(12月まで)に10品目でPPK解析、8品目でPPK/PD(ER)解析が行われている

特に関節リウマチおよび乾癬の治療薬が多い

有効性の指標としては、 ACR‐20やPASIが多い

2017/1/27 27PMDAワークショップ

関節リウマチ・乾癬の例

2017/1/27 28

販売名 効能又は効果 曝露指標の例 反応指標の例シムジア皮下注200mgシリンジ(ユーシービージャパン㈱)

既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)

Cavg ACR-20

ゼルヤンツ5mg(ファイザー㈱)

既存治療で効果不十分な関節リウマチ

Mcavg ACR20,ACR50 および

ACR70コセンティクス皮下注150mgシリンジ同150mg(ノバルティスファーマ㈱)

既存治療で効果不十分な尋常性乾癬,関節症性乾癬

血漿中薬物濃度 PASI解析

トルツ皮下注80mgシリンジ同80mgオートインジェクター(日本イーライリリー㈱)

既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症

トラフ sPGAPASI

ルミセフ皮下注210mgシリンジ(協和発酵キリン㈱)

既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症

Css PASI

オテズラ錠10mg同20mg同30mg(セルジーン㈱)

局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬

AUCτ,ss PASI-75、PASI-50及び

sPGA

PMDAワークショップ

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事例6:反応としてsPGAを用いた例

販売名:トルツ皮下注80 mg シリンジ、同オートインジェクター

効能又は効果:既存治療で効果不十分な下記疾患尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症

用法・用量

通常、成人にはイキセキズマブ(遺伝子組換え)として初回に160mgを皮下投与し、2週後から12週後までは1回80mgを2週間隔で皮下投与し、以降は1回80mgを4週間隔で皮下投与する。

承認年月日:

平成28年7月4日2017/1/27 29PMDAワークショップ

事例6:反応としてsPGAを用いた例

2017/1/27 30

海外の第I 相、II 及び第III 相臨床試験に基づくトラフ濃度と医師による静的全般的評価(sPGA)スコア との曝露反応関係

曝露ー反応関係から、 80 mg Q4W 投与より80 mg Q2W 投与群が十分な反応が得られたと結論

トラフ濃度

sPGA

が0ま

たは

1の

割合

http://www.pmda.go.jp/drugs/2016/P20160725001/index.html

>>>>>

モデルに基づく推定値

PMDAワークショップ

次世代審査・相談体制

2017/1/27 31PMDAワークショップ

中長期的な展望

2017/1/27 32PMDAワークショップ

H28年度

~H30年度

H31~33年度

H34~35年度

•申請データを滞りなく受け取り適切に管理

•審査でのデータ活用が可能

•承認までの期間維持、企業負担徐々に減少へ

•審査での有効性・安全性の予測向上

•毒性試験、製造販売後調査等の電子データ利用の検討へ

•各ガイドラインや留意事項等を策定

•品目横断的検討、疾患モデルの検討を本格化

•疾患モデルを策定

•疾患別ガイドラインを策定

「世界第一級の」審査機関へ

データ受け入れ体制整備

個別品目審査でのデータ活用が定着

品目横断的検討本格的に開始

ガイドライン発信→開発への貢献

アジア人のデータに基づくガイドライン、

疾患モデル等

現時点の想定と期待

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2017/1/27 33PMDAワークショップ

M&S事例検討ミーティング

領域・審査チームを超えて議論可能な体制の強化

臨床薬理・薬物動態、生物統計、臨床医学、その他

部横断的な共有が可能な体制

PMDA内の他のプロジェクトとの協力

(小児医薬品WG、オーファン医薬品WG、 心血管リスク

評価PT)

個別品目のM&S関連事項の科学的評価・方針決定

知識と経験の内部共有、外部発信

海外当局との協力

M&S事例検討ミーティング M&Sに関する知識と経験の利用/共有体制の強化

本日の内容

近年の承認申請資料における曝露ー反応解析の状況

曝露ー反応解析の領域毎の傾向

曝露ー反応解析に関する指針作成状況

2017/1/27 34PMDAワークショップ

曝露ー反応解析に関する指針作成状況

2017/1/27 35

海外規制当局の状況

US FDA 2003

US FDA 2014

EMA 2016

曝露ー反応解析について言及している指針を既に公表

EMA 2016

PMDAワークショップ

曝露ー反応解析に関する指針作成状況

2017/1/27 36

ICHの状況

ICH E11(R1) Step3Publish 2016.11.10

ICH E14Q&A(R3) Step4Publish 2015.12.10

PMDAワークショップ

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曝露ー反応解析に関する指針作成状況

2017/1/27 37

小児医薬品及び難病等アンメットニーズ医薬品を含む臨床開発等におけるモデリングとシミュレーションの活用に関連する指針等の作成に関する研究について

目的 モデリングとシミュレーション(M&S)に基づく定量的な情報を医薬品審査や

小児医薬品等の開発において有効に活用することを目指し、既存の関連文書の整備と指針としての公表及び新たな指針等を作成する

平成26年度

• 「母集団薬物動態試験法」(通知解説書)をベースにドラフト作成

平成27年度

• 母集団薬物動態/薬力学解析ガイドラインパブリックコメント募集

• 曝露-反応(E‐R)評価のための指針検討開始

平成28年度

• E‐R評価の指針の骨子作成

• 小児医薬品開発におけるM&S活用、品目横断的解析の実施にむけての課題の検討

年度毎の研究課題・予定する成果物

PMDAワークショップ

曝露ー反応解析に関する指針作成状況

2017/1/27 38

小児医薬品及び難病等アンメットニーズ医薬品を含む臨床開発等におけるモデリングとシミュレーションの活用に関連する指針等の作成に関する研究について

PMDA‐Keio Joint Symposium on Pharmacometrics開催 ガイドライン発出へ

必要な検討を継続?発展

キックオフ(第1回班会議)

母集団薬物動態/薬力

学解析ガイドライン素案作成

母集団薬物動態/薬力学解析ガイドラインパブリックコメント終了曝露-反応(E‐R)評価

のための指針検討開始

2014年度

2015年度

平成28年度

2014年10月6日

母集団薬物動態/薬力学解析ガイドライン 終化E‐R評価の指針のPoint to Consider作成

小児医薬品開発におけるM&S活用、品目横断的解

析の実施にむけての課題まとめ(報告書)

小児・難病等アンメットニーズ医薬品開発とファーマコメトリクスに関わるワークショップ2015年12月8日

PMDAワークショップ

曝露ー反応解析に関する指針のコンテンツ

2017/1/27 39

目次

1. はじめに

2. 医薬品開発における曝露―反応関係

3. 報告と情報提供

4. 関連する指針及びガイドライン

5. 用語一覧

現在検討中で変更の可能性があります

PMDAワークショップ

曝露ー反応解析に関する指針のコンテンツ

2017/1/27 40

2.医薬品開発における曝露―反応関係

2-1 医薬品開発の意思決定における曝露―反応関係の

利用・意義

2-2 モデル解析の対象

2-3 ERモデル

2-4 応用と課題

現在検討中で変更の可能性があります

各開発ステージ毎の曝露ー反応の応用について言及

試験デザイン等の留意点について言及

いくつかのモデル例を提示

用量選択や用量調整・小児への外挿について言及

PMDAワークショップ

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まとめ

2017/1/27 41

• 近年、PPK解析、PPK/PD(ER)解析を活用した医薬品開発が増加している。

• 曝露ー反応解析は、臨床開発において用法・用量の設定根拠や有害事象の説明等に活用されており、PMDAにおいても新医薬品の承認審査や適正使用にかかる医療現場への情報提供等に解析結果を利用するケースが増えてきている。

• 本邦においても、曝露ー反応解析に関する指針について検討中である。小児や難病等のアンメットニーズ医薬品等を含む医薬品の臨床開発に活用頂けることを期待している。

PMDAワークショップ 2017/1/27 42

ご清聴ありがとうございました

PMDAワークショップ

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企業における小児・難病疾患向け医薬品開発へのファーマコメトリクスの活用

2017/01/27 M&Sワークショップ

今井 康彦

日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会

1.小児・難治性疾患向け医薬品開発に関するレギュレーション

2.小児、希少疾患向け医薬品開発におけるファーマコメトリクス

小児適応追加難病 (原因不明・治療法未確立・長期療養の必要性)

指定難病(患者数が総人口の0.1%未満、客観的な診断基準を有する)

希少疾患用医薬品指定(患者数が概ね5万人に満たず、治療法が確立されていない等)

1.小児・難病疾患向け医薬品のレギュレーション-指定難病と希少疾患-

小児適応追加

1.小児・難病疾患向け医薬品のレギュレーション-EMA COMP Orphan drug designation -

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小児適応追加

1.小児・難病疾患向け医薬品のレギュレーション-FDA OMPT Orphan drug designation -

小児適応追加

1.小児・難病疾患向け医薬品のレギュレーション-FDA OMPT Orphan drug designation -

小児適応追加

1.小児・難病疾患向け医薬品のレギュレーション

http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/AdvisoryCommitteeforPharmaceuticalScienceandClinicalPharmacology/UCM247635.pdf

小児適応追加

1.小児・難病疾患向け医薬品のレギュレーション

http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/AdvisoryCommitteeforPharmaceuticalScienceandClinicalPharmacology/UCM247635.pdf

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小児適応追加

1.小児・難病疾患向け医薬品のレギュレーション

http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/AdvisoryCommitteeforPharmaceuticalScienceandClinicalPharmacology/UCM247635.pdf

小児適応追加

成人(他の年齢層)の臨床成績外挿の可否

+M&Sによる任意の用量(範囲)における有効性(安全性)の予測

Full Extrapolation …Conduct

(1)Adequate PK study to select dose(s) to achieve similar exposure as adults

(2) Safety trials at the identified dose(s).

Partial Extrapolation…Conduct

(1)Adequate dose-ranging study in children PK to select dose(s) that achieve the target PD effect.

(2) Safety trials at the identified dose(s).

No Extrapolation…Conduct

(1)Adequate dose-ranging study in children PK to establish dosing.

(2) Safety and efficacy trials at the identified dose(s) in children.

1.小児・難病疾患向け医薬品のレギュレーション-Pediatric Extrapolation-

• 希少疾病向け医薬品(オーファン)は、難病のうち患者数が少なく、治療方針が確立されていない(既存の標準治療がない)

• 希少疾患向け医薬品の開発における臨床薬理研究には、FDA CPDecision Tree for Rare Disease に基づき3タイプのスキームが考えられる

Ⅰ. 健常被験者による評価が可能なModified Oncology TypeⅡ. 健常者試験実施不可能な Oncology TypeⅢ. 例えば、開発途中に成人における治療上のエビデンスが得られた

場合のPediatric Extrapolation Type• 小児外挿アプローチは、成人(他の年齢層)において十分なエビデンスを有する場合に限られる

1.小児・難病向け医薬品開発のレギュレーション

1.小児・難治性疾患向け医薬品開発に関するレギュレーション

2.小児、希少疾患向け医薬品開発におけるファーマコメトリクス

2.1 小児癌の生理学的速度論モデル2.2 抗てんかん薬の小児外挿

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小児適応追加

2.1.小児癌の生理学的速度論(PBPK)モデルボトムアップ・アプローチ

Rinoux N., and Waters N. J., Physiologically Based Pharmacokinetic Modeling in Pediatric Oncology Drug Development, Drug Metab. Dispos., 44934‐9943, July 2016., http://dt.doi.org./10.1134/dmd.115.068031

2.1.小児癌の生理学的速度論モデルボトムアップ・アプローチ

Rinoux N., and Waters N. J., Physiologically Based Pharmacokinetic Modeling in Pediatric Oncology Drug Development, Drug Metab. Dispos., 44934‐9943, July 2016., http://dt.doi.org./10.1134/dmd.115.068031

小児適応追加

2.1. 小児癌生理学的速度論モデル (活用事例リスト)

Rinoux N., and Waters N. J., Physiologically Based Pharmacokinetic Modeling in Pediatric Oncology Drug Development, Drug Metab. Dispos., 44934‐9943, July 2016., http://dt.doi.org./10.1134/dmd.115.068031

小児癌治療薬開発における用途 薬剤(投与経路) 対象データ

個別症例のPKプロファイル予測 Busulfan (iv) Adult

個別症例のPKプロファイル予測 Imatinib (p.o.) Adult

FIH試験の初回用量選択 Pinometstat (i.v.) Adult

FIH試験の初回用量選択 Tazemetostat (p.o.) Adult

併治療時のPK予測 Etooposide (i.v.) Adult

相互作用の予測 6‐Mercaptopurine (i.v. and p.o.) Adult

成人PKデータの小児外挿 Methotrexate (iv. And p.o.) Adult

胎児PKに関する影響検討 Obatoclax (i.v.) Mouse

PBPKによる小児外挿の解説 Cisplatin (i.v.) Dog

PBPKによる小児外挿の解説 Docetaxel (i.v.) Adult

小児適応追加

2.1. 小児癌生理学的速度論モデル(PBPK)による Pinomestat の成人PKデータの小児外挿 A: 成人データ)

Rinoux N., and Waters N. J., Physiologically Based Pharmacokinetic Modeling in Pediatric Oncology Drug Development, Drug Metab. Dispos., 44934‐9943, July 2016., http://dt.doi.org./10.1134/dmd.115.068031

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小児適応追加

2.1. 小児癌生理学的速度論モデル(Pinomestat 成人PKデータの小児外挿 B: 小児予測)

Rinoux N., and Waters N. J., Physiologically Based Pharmacokinetic Modeling in Pediatric Oncology Drug Development, Drug Metab. Dispos., 44934‐9943, July 2016., http://dt.doi.org./10.1134/dmd.115.068031

小児適応追加

2.2. M&Sによる小児外挿

STEP 1‐1 Dose‐Exposure modeling by ages

STEP 1‐2 PK‐PD modeling over all ages

STEP 2 Prediction of marginal Exposure‐Response relationships 

STEP 3 Sample size estimation by Bayes borrowing using adult data

STEP 4 Pediatric study design

STEP 5 Clinical trial simulationGirgis I.G., Nandy P., Nye J.S., Ford L., Mpohanty S., Wang S., Ochalski S., Eerdekens M., and Cox S., Pharmacokinetic‐pharmacodynamics assessment of topiramate dosing regimens for children with epilepsy 2 to 10 years of age, Epilepsia, 51(10):1954‐1962, 2010

小児適応追加

2.2. M&Sによる小児外挿(STEP 1‐1 Dose‐Exposure modeling by ages)

Girgis I.G., Nandy P., Nye J.S., Ford L., Mpohanty S., Wang S., Ochalski S., Eerdekens M., and Cox S., Pharmacokinetic‐pharmacodynamics assessment of topiramate dosing regimens for children with epilepsy 2 to 10 years of age, Epilepsia, 51(10):1954‐1962, 2010

小児適応追加

2.2. M&Sによる小児外挿(STEP‐1‐2 PK‐PD modeling over all ages)

Girgis I.G., Nandy P., Nye J.S., Ford L., Mpohanty S., Wang S., Ochalski S., Eerdekens M., and Cox S., Pharmacokinetic‐pharmacodynamics assessment of topiramate dosing regimens for children with epilepsy 2 to 10 years of age, Epilepsia, 51(10):1954‐1962, 2010

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小児適応追加

2.2. M&Sによる小児外挿(STEP‐2 Prediction of Marginal Exposure Response model)

Girgis I.G., Nandy P., Nye J.S., Ford L., Mpohanty S., Wang S., Ochalski S., Eerdekens M., and Cox S., Pharmacokinetic‐pharmacodynamics assessment of topiramate dosing regimens for children with epilepsy 2 to 10 years of age, Epilepsia, 51(10):1954‐1962, 2010

2.2. M&Sによる小児外挿(STEP 3 Sample size estimation by Bayes borrowing)

Schoenfeld, D.A.,Hui, Z. and Finkelstein D.M., Bayesian design using adult data to pediatric trials, Clin. Trials. 6, 297‐304, 2009

既存成績のPPKモデルとExposure‐response Model を用いて、Dose‐Response 関係を予測し、Bayes Borrowingによりサイズ設計

Bayesian Power( ∗ ∗∗;小児エフェクトサイズ予測値, ̅ ;成人のエフェクトサイズ推定値, ̅ ̅2 ,;小児標準誤差, ;成人標準誤差, ;小児サイズ, ;成人サイズ, 2 ,;標準正規分布関数, ;標準正規分布関数の1‐α点

2.2. M&Sによる小児外挿(STEP 4 Pediatric Study design)

1. 帰無仮説 ; | , に基づく群間並行比較試験:ベイジアン・デザイン (BD)

2.      ベイズ逐次デザイン(BSDs)2‐1. 無情報量事前分布の下で、継続判断を

含むBSD(NON-H)2‐2. 中間成績を事前情報として、継続判断を

含むBSD(SEMI-H)

{ : | , : | ,

G Smania1,2, P Baiardi3, A Ceci1, M Cella1,4* and P Magni2 Model‐Based Assessment of Alternative Study Designs in Pediatric Trials. Part II:Bayesian Approaches, CPT Pharmacometrics Syst. Pharmacol. (2016) 5, 402–410; doi:10.1002/psp4.12092; published online 17

|小児での効果の予測値 )ー成人での効果の推定値( )|/

G Smania1,2, P Baiardi3, A Ceci1, M Cella1,4* and P Magni2 Model‐Based Assessment of Alternative Study Designs in Pediatric Trials. Part II:Bayesian Approaches, CPT Pharmacometrics Syst. Pharmacol. (2016) 5, 402–410; doi:10.1002/psp4.12092; published online 17

赤; ランダム化群間並行比較試験黒; 成人データの外挿を伴うベイジアン・デザイン水色実線&破線;ベイズ逐次デザイン

2.2. M&Sによる小児外挿 (STEP‐5 Simulation)

Page 25: tanigawara@a7.keioモデルの適格性評価 • モデルの適格性評価とは、母集団最終モデルを 構築した際に、そのモデルが解析目的を満たす のに十分な性能を有するのか、モデル診断の結

G Smania1,2, P Baiardi3, A Ceci1, M Cella1,4* and P Magni2 Model‐Based Assessment of Alternative Study Designs in Pediatric Trials. Part II:Bayesian Approaches, CPT Pharmacometrics Syst. Pharmacol. (2016) 5, 402–410; doi:10.1002/psp4.12092; published online 17

2.2. M&Sによる小児外挿 (STEP 5 Simulation)

• PBPK for Rare Disease • 希少疾患のうち、小児癌に対する治療薬の開発において、FIH試験の用量設定や併治療時の個別(または代表例)症例のPKプロファイル予測を目的として、PBPKモデリングが実施されている。

• ボトムアップ・アプローチでは、当該疾患固有の症例背景や基礎データ等を含む診療データベースの充実等により、予測精度の向上が期待される

• M&S for Pediatric Extrapolation• 成人データが外挿可能な小児追加適応取得のための臨床開発では、M&Sによる有効性や安全性の予測は重要なツールとなっている

• M&Sによる定量的な薬効予測とベイジアン・アプローチを含む革新的な試験デザインを活用することにより、効率的な小児試験遂行が期待される

2.小児・難病向け医薬品開発におけるファーマコメトリクス

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シンシナティ⼩児病院医療センター(シンシナティ⼤学医学部⼩児科学)臨床薬理部⾨ 福⽥剛史・江本千恵

PMDAワークショップ「⼩児領域及び難病等アンメットニーズ医薬品の臨床開発とファーマコメトリクスの活⽤」2017年1⽉27⽇(⾦)

⼩児臨床現場におけるモデリング&シミュレーションの活⽤〜⼩児医薬品開発・個別化薬物治療・臨床薬理教育〜

本編内容1. はじめに2. PK-PD/E-R から臨床へ: ミコフェノール酸の事例

1) パイロット臨床試験から学ぶ2) 研究体制(部⾨間連携と若⼿研究者育成)<余談1>新旧 ⽶国⼩児臨床薬理試験ネットワーク<余談2>シンシナティ⼩児病院の臨床研究⽀援室

3. ⼩児臨床試験計画-PK外挿のための基礎知識4. 個別化治療におけるM&Sの活⽤事例

1) ⾎管形成異常(⼩児→乳幼児・新⽣児へ):シロリムスの個別化投与2) 造⾎幹細胞移植後の⾎栓性微⼩⾎管障害

:バイオマーカーによる抗体医薬エクリズマブの個別化投与3) ⼩児⽋神てんかん:エトスクシミド⾄適濃度の探索4) 新⽣児薬物離脱症候群:メサドン投与プロトコールの再評価

5. さいごに1) NIH(NICHD)主導の⼩児臨床薬理研究者育成プログラム2) 臨床薬理セクションのラベリングに対するFDAガイドライン案

(2016年12⽉)NICHD:The Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development

[話題提供]PBPKモデル活⽤に関する現状1. 製薬による⼩児PBPKモデルの活⽤例2. ⼩児医薬品開発におけるPBPKモデル利⽤の動向

1) ⼩児分野のおけるPBPKモデル利⽤の転機2) 欧⽶規制当局や関連学会らによる教育活動3) 欧⽶規制当局のドラフトガイドライン(2016年)<余談>シンシナティ⼩児病院での若⼿研究者育成

3. 臨床視点の活⽤事例(シンシナティ⼩児病院)1) “もっともらしい”メカニズムの検討2) コバリエイト候補の探索

4. ⼩児・希少疾患領域でのPBPKモデルへの期待と展望5. さいごに