STEP 1 投入 - yanmar.co.jp · pto駆動 投入口 トラクター 抵抗ピン シャーナイフ...
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PTO駆動
投入口
トラクター
抵抗ピン
シャーナイフ
排出口
トッププレート
シリンダーナイフ 一軸可変リードスクリュー
PTO駆動
投入口
トラクター
抵抗ピン
シャーナイフ
排出口
トッププレート
シリンダーナイフ 一軸可変リードスクリュー
未利用利用資源資源活用!未利用資源活用!
ヤンマー資源循環農法のご提案
ヤンマー資源循環農法のご提案
民間農法シリーズ竹肥料農法バイケミ農業の実際橋本清文・高木康之著出版/農文協定価/1,400円(税別)
このような悩みをお持ちの方は、ぜひお試しください! 参考文献
野菜・果樹・水稲で付加価値(食味や品質など)を高め、少しでも高く売りたい。
農薬や化学肥料をできるだけ使わずに、安全・安心に配慮した
作物をつくりたい。
作物が病気にかかったり、出荷後に腐りやすいので、
なんとかしたい。
竹害 軽減!竹害 軽減!
耐病性UP!耐病性UP!
品質UP!品質UP!
食味UP!食味UP!
竹害や籾ガラ、作物残渣、剪定枝、雑草など植物残渣の
処理に困っている。
ざんさ
独自の構造をご紹介投入された竹・籾ガラ・ワラ・ヨシ・剪定枝・雑草・作物残渣などの植物残渣(バイオマス)は、チッパーによって細断されます。
投入STEP
1
植物残渣を圧縮・混こん
練れん
し、すりつぶすことで、バラバラにほぐれた繊維粉末にします。その後、高圧状態の繊維粉末を機械先端部の穴から一気に放出するので、細胞がふくらみ、組織が粉砕されて、繊維がほぐれた状態になります。これが“解繊パウダー”です。
加圧STEP
2
植物残ざん
渣さ
(バイオマス)から高品質の“解
かい
繊せん
パウダー(生肥料)”をつくる! ヤンマー植しょく
繊せ ん
機き
■主要諸元
※材料の種類および水分量等の条件により、変化します。
名 称 ヤンマー植繊機販売型式名 TS15
機体寸法
全 長 (mm) 1550全 幅 (mm) 2120(ホッパ収納時:1485)全 高 (mm) 1560
機体質量(重量) (kg) 415
植繊部
適応トラクター (PS) 25~40装着方式 標準3点(カテゴリⅠ)最大処理能力※ (kg/時) 250 PTO回転速度 (rpm) 540
破砕部
駆動方式 ベルトテンションクラッチ破砕刃 チッパー刃2枚ホッパ口径 (mm) 300×230最大処理径 (mm) 50
安全に関するご注意
● ご使用の際は、取扱説明書をよく お読みのうえ、正しくお使いください。● 無理な運転は商品の寿命を縮め、 故障・事故の原因となることがあります。● 故障・事故を未然に防止するため、 定期点検は必ずおこなってください。● 保証書は、ご購入の取扱い店で 必ずお受け取りください。
商品についてのご意見、ご質問は下記へ
2015年2月作成 00000-000000 1502○
〒530-8311 大阪市北区茶屋町1-32 YANMAR FLYING-Y BUILDINGyanmar.com
ヤンマー株式会社
〒651-2304 神戸市西区神出町小束野50-2http://bichemi.co.jp
この印刷物は植物油インキを使用しています。
このカタログの仕様は、改良などにより、予告なく変更することがあります。
株式会社 バイケミ
TS15
ノズル孔より、木質と繊維が分離した状態で爆
ばく
砕さい
噴出します。
放出STEP
3
排出口 ※写真はTSY15S
解繊パウダー
“植繊農法”の実践 でこんなメリットが!
ところが
農法があれば!里山と同じ効果を持つ
落葉
太陽 雨、雷、水
風
土壌溶液
① 枯葉が落ちて 地表面に積もる
③ 腐植をエサにして 微生物が増える
② 積もった落葉が 腐植に変わる
④微生物の働きで栄養分が吸収しやすくなる⑤地上では光合成が盛んに行われる⑥栄養分が行きわたり良い作物ができる
3年以上必要
ヤンマー資源循環農法のご提案1 2ヤンマー資源循環農法のご提案
ヤンマーが提案する農法は、ヤンマーと協力関係にある株式会社バイケミ会長の橋本清文氏が、自然界の植物の生存サイクル、つまり“里山の自然生態”をお手本に研究した農法です。
“里山の自然生態”を お手本にしています。 里山では
“落葉”の腐植化に時間がかかります。
“解かい
繊せん
パウダー”で腐植化をスピードアップ!植物が枯葉を地面に落として腐植化し、土壌の環境を整え、その上に落ちた種子を発芽させ、生命のサイクルが始まります。自然界では昔からこのサイクルで循環していますが、自然まかせであるため月日がかかり、農業には適していません。そこで新開発のヤンマー植
しょく
繊せん
機き
でつくる“解繊パウダー”を使うことにより、この腐植化の時短を成功させたのが、ヤンマーの提案する植繊農法なのです。
おススメしたいのが
植繊農法です! 植繊農法の導入にあたって、次の3つのポイントがあります。
(1)地表面に解繊パウダーを撒く農業の原点は地表面の落葉、枯葉の利用です。そこで植繊機でつくった解繊パウダーを地表面に撒いて、酸化層をつくり、自然界のサイクルを再現します。
(2)土中に肥料を入れない自然界では、肥料が自ら土中に入ることはないので、 土中には肥料を入れません。
(3)土中に種子を入れない(光発芽)自然界では、種子の発芽は地表面酸化層で行われます。そこで解繊パウダーを、播種時に透過性のある覆土として使い“光発芽”させます。
光発芽 暗発芽紫外線
地表面 地表面
酸化層
還元層
酸化層
還元層
もやし状の根作物の品質を決定する鍵となる“横根”
解繊パウダー
お客様のメリット お客様のメリット
農作物の食味・品質・耐病性が向上!
剪せん
定てい
枝し
、竹など未利用資源の有効活用!
ヤンマーが提案する資源循環農法は 植しょく
繊せ ん
農法(バイケミ農法)です。
そこで植繊農法のポイント
1. 2.
ヤンマー植繊機TS15
※写真はTSY15S
湿潤解繊パウダー
棲家 (維管束 ) やエサが多いので多様な微生物が同時に増える
解繊パウダーを撒くと・・・
維管束
乾燥せん断チップ
棲家やエサが少ないので同じ微生物が順番に増減する
せん断チップを撒くと・・・
ティッシュ断面イメージ ティッシュ断面イメージ
ヤンマー資源循環農法のご提案3 4ヤンマー資源循環農法のご提案
● 微生物のエサ解繊パウダーに蓄えられているデンプン粒がむき出し状態で、微生物が最も食べやすいエサとなり、微生物が大増殖します。その結果、微生物の分泌物や死がいによって、植物の吸収しやすい可吸態リン酸になります。
生肥料“植
しょく
繊せん
農法”の実践でこんな効果が期待できます!植繊農法では、植
しょく
繊せん
機き
でつくった“解かい
繊せん
パウダー”をほ場の表面に撒くことによって、糖度アップや品質アップ、耐病性アップなどの効果が期待できます。
“解繊パウダー”を撒いて、多くの微生物が棲むほ場に!未利用資源を植繊機にかけてつくった“解繊パウダー”をほ場に撒くと、微生物が多く棲みつき、植物が吸収できる炭素系物質や光合成の原料となる二酸化炭素を発生させます。また稈の組織は、微生物の棲家となります。微生物にとっての「家」と「食事」を同時に提供することになります。
●活用できる未利用資源竹・剪
せん
定てい
枝し
・ヨシ・カヤ・籾ガラ・落ち葉・葛・稲わら・街路樹(広葉樹)・作物残
ざん
渣さ
など
●植繊機 TS15
リンゴ、モモ、サクランボの糖度が平均2度アップ!福島県二本松市
マルハラ農園
サクランボの糖度がアップ!贈答専用で収益倍増!山形県村山市
松田農園
ダイコンに“す”が入りにくく煮込み時間短縮!兵庫県養父市
ヤンマーやぶ農場
ホウレンソウのえぐ味が少なく、糖度も約2~3倍に!兵庫県神戸市
バイケミ農場
生理落果が減り歩留まりが良くなり経営が安定!愛媛県宇和島市
大久保みかん園
水稲の食味値が86~93になり、収益性アップ!
鳥取県八頭市中嶋農園
価格
品質
稼働中の植繊機排出部と解繊パウダー
農産物の食味・品質・耐病性が向上!1メリット
消費者/満足生産者/納得
糖度が高く病気に強い付加価値の高い作物
● せん断チップと解繊パウダーの違い
実証! 多様な微生物が多く棲みつく「解繊パウダー」
せん断チップ 解繊パウダー
ティッシュをはさみで切ったときのようなキレイな断面になる。
ティッシュを手でちぎったときのような、バラバラにほぐれた断面になる。
微生物が棲みつくことのできる表面積が少ないため、分解が遅い。
微生物がエサにしやすい。
● 炭素の供給源デンプンは地表の酵母菌による醗酵で、分解と酸化によって植物が吸収できる炭素系物質や、光合成の原料となる二酸化炭素を発生させ、植物の良質な炭素源となります。
● 微生物の活動場所 維い
管かん
束そく
とその構成部(導どう
管かん
、篩し
管かん
など)は、微生物の格好の棲家になります。
化学肥料のみの慣行区 牛糞堆肥施用区
生の竹パウダー施用区
※株式会社 DGCテクノロジー分析結果
排出の様子はコチラ
“解か い
繊せ ん
パウダー”とは?
竹細胞組織内のデンプン粒。微生物のエサになる。
微生物が活性化すると、濃い紫色に変色するテストの結果48時間後のプレート発色状態
牛糞堆肥よりも
微生物が増えやすい!
※写真はTSY15S
ヤンマー資源循環農法のご提案5 6ヤンマー資源循環農法のご提案
硝しょう
酸さん
態たい
窒ちっ
素そ
を排出するため“えぐ味”が少ない
ホウレンソウを食べたときに感じる“えぐ味”の正体は植物の生長に不可欠な成分、窒素が原因なのです。植物の生長に不可欠な窒素ですが、吸収量が多過ぎたり、光合成がうまく行われない場合などには、植物体内でアミノ酸やタンパク質などに合成されずに、硝酸態窒素のまま植物体内に蓄積されていきます。このようにして植物体内に蓄積された硝酸態窒素が、ホウレンソウのえぐ味の原因になるのです。
一方、光発芽の場合はまず横根が生長。また解繊パウダーを撒くことで微生物が増え、エネルギーが十分に吸収され、効率良く光合成が行われることから、窒素成分
を十分にまかなえます。そのため、過剰な硝酸態窒素を、葉の縁の水孔から朝露として排出。野菜本来の味になります。ちなみに朝露として排出された窒素は、また地面に落下することで里山の生態と同じ循環体系になります。
水孔を閉じているため、内部に硝酸態窒素が残り、最終的に先端部が枯れる
水孔から、余分な硝酸態窒素が朝露として排出され“エグ味”が少ない
解繊パウダーを撒かないと・・・
解繊パウダーを撒くと・・・
朝露がつく
解繊パウダー
枯れてしまう
■ 硝酸態窒素の測定値を ”解かい
繊せん
パウダー(竹使用)”使用品と市販品とで比較
測定日 入手先 作物硝酸態窒素(PPM)
備 考葉 葉柄
2014年11月23日
スーパー(A)ホウレンソウ
3500 5800
植しょく
繊せん
農法 260 310スーパー(A)
ダイコン4200 ー
植繊農法 320 ー
2014年11月29日スーパー(A)
ホウレンソウー 5000
植繊農法 ー 300
(堀場製作所HORIBA LAQUA twinにより測定)
ホウレンソウ
野菜導入事例 ①
“す”が入りにくく煮えやすいダイコンに●品質アップ①光合成が活発化し炭素を吸収“解
かい
繊せん
パウダー”を撒くことで、地表面に微生物が増えるため、肥料として施したリン酸とマグネシウムが効率良く吸収され、光合成(葉で行われる代謝および二酸化炭素吸収)が活発化することから炭素量が増え、細胞が緻密化します。②表層根が地表面の炭素を吸収“解繊パウダー”を撒くことで、横根(表層根)が増え、それにより地表面に漂う一酸化炭素の吸収が可能となり、炭素が吸収されます。上記①②の相乗効果によって炭素量が増大するため、生殖生長で生育する“良いサイクル”となって“す”が入りにくい作物になるというわけです。※横根が増えるので、ひげ根が多くなります。
葉緑素
リン酸
②一酸化炭素
酸素
表層根
炭素
表層根
炭素量が増大 !!
①ニ酸化炭素
解繊パウダー
①+②で炭素量が増大!!
“す”が入りにくくなります!
ヤンマー社員が、実際につくって実証しました
<断面比較>竹パウダーを散布することで、きめの細かいダイコンに。
<火の通り比較>味もしっとりした甘さが引き立ちます。
農 法 中心に火が通るまで 味がしみるまで慣行農法 30分 1時間以上植繊農法 20分 40分
慣行農法 植繊農法
ダイコン・カブ
野菜導入事例 ①
ヤンマー資源循環農法のご提案7 8ヤンマー資源循環農法のご提案
■事例紹介「竹肥料農法/農文協」に掲載されているマルハラ農園(福島県二本松市)の記事では、2004年から、リンゴ栽培に解
かい
繊せん
パウダーを使い始めました(植しょく
繊せん
機き
導入も同年から)。ほ場が傾斜地に立地。表土流失を原因とするリンゴの不作に病気の蔓延。万策尽きたとき、紋羽病で弱っていた木の根元にダメモトで解繊パウダーを散布。2ヶ月後に好転、その後樹勢を盛り返したのを機に本格的に解繊パウダーを採用しました。現在は傾斜地上部からの表土の流失は止まり、リンゴの糖度が16度を超すほどに向上、施肥の難しいフジがしっかり完熟し、味がボケず、実は締まり、芳香が出るようになりました。その後は、従来、隔年収穫だったフジの裏年表年がなくなり、規格外ロスが減りました。果実の品質が安定したことで固定客が増え、農薬の施用回数も県内標準回数の1/2に減り、安定経営が見えるほどに改善されてきました。
●表土流失の防止解繊パウダーは、植繊機によって竹、剪定枝などの植物残渣をすりつぶし、加圧・加熱、爆砕することで繊維を解して(解繊して)微繊維化しています。また微生物が繁殖することで、菌糸などが発生し、土と一体化してしまうため、土壌とからまり、密着して表土の流失を止めることができるのです。
●病気の改善解繊パウダーを撒いてしばらくすると腐植化が進み、地表面や酸化層で微生物が多様化。そのなかで青カビ(ペニシリン)などの糸状菌が産生され、いろんな菌の拮抗作用や土壌を浄化するために行う作用により、フザリウムなどの菌を殺し、全体バランスが改善されていきます。これは植物が子孫を残すために浄化や還元、抗菌といった作用によって、土壌の環境を整えようとする働きで、この効果によって、病気の異常発生を抑えてくれます。
そのままだと・・・
良い土が流れ、下部のみ品質が向上
“解繊パウダー” を撒くと・・・
良い土が流れず、全体的に品質が向上
解繊パウダー良い土
良い土
良い土が流失 良い土が定着
土と解繊パウダーの繊維、
菌糸などがからみ、土壌の
流失を防止します。
解繊した竹の電子顕微鏡写真(×50)
柔細胞部
導どう
管かん
部ぶ
篩し
管かん
部ぶ
【果樹園以外の用途】●法面の崩れ防止●植物の生えにくい造成地の緑化●河川敷の草抑え…etc.
参考/微生物と病害について(生物的防除)
下記は、キュウリ栽培における生物的防除の試験データですが、微生物と病害との関係が良くわかる事例です。
乾燥豚ぷん堆肥の施用区と無施用区を比較すると、豚ぷん堆肥施用区は、微生物(細菌・放線菌など)が増えているにもかかわらず、病気が減り、収量も倍近くになっていることがわかります。
採取時期
実験区微生物数(×103/g) キュウリつる割れ病
病原菌 糸状菌 細 菌 放線菌 枯死株率(%)
導管褐変率(%)
収 量(t/10a)
定植時
無施用 9.0 173 19,000 28,000 ― ― ―
乾燥豚ぷん 10.0 205 90,000 117,000 ― ― ―
収穫期
無施用 9.5 183 12,000 20,000 43 100 5.6
乾燥豚ぷん 10.3 161 67,000 103,000 4 63 10.4
※ 堆肥には乾燥豚ぷんを施用 乾燥豚ぷんが土壌微生物相とキュウリつる割れ病に及ぼす影響 (1981年 松田らのデータより作成)
苦労した表土流出が止まり糖度16度超えを実現
リンゴ
果樹導入事例 ② 果樹導入事例 ②
PPP
PP
P
PCaCa
FeFe
Fe
FeAl Al Al Al
花は多いが吸収できる栄養分が少なく、樹体を守るために実を落とす。
花は少ないが、多様な微生物により、栄養分が十分に吸収されるため、確実に結実する。
解繊パウダーを撒かないと・・・ 解繊パウダーを撒くと・・・
解繊パウダー
PP
P
PP FeFe Mg
Mg
Mg
Al
特長 特長広い葉
1階建ての葉緑素
小さい葉
2階建ての葉緑素
葉が重なり影になる
まんべんなく日が当たる 解繊パウダー
養分が少なく葉が薄く広くなるため日当たりが悪く、光合成が効率良く行えない
解繊パウダーを使わないと・・・養分が十分で葉が小さく厚くなるので日が全体に当たり、光合成が効率良く行える
解繊パウダーを使うと・・・
(断面)(断面)
P PP
P
P
P
PP
Mg
Mg
MgMg
MgMg
ヤンマー資源循環農法のご提案9 10ヤンマー資源循環農法のご提案
■事例紹介「竹肥料農法/農文協」に掲載されている大久保みかん園(愛媛県宇和島市)の記事では、2003年からミカン栽培に解
かい
繊せん
パウダーを使い始めました(植しょく
繊せん
機き
導入は2005年から)。以前は水を切って糖度を上げていたことから、水管理がたいへんでしたがその手間から解放されたことが良かったと言います。今は逆に酸が出てきた(酸っぱくなった)ら水をやるだけで糖度が上がるようになりました。その結果、糖度や爽やかさなどミカンの品質面が向上するのはもちろん、以前は外見評価で加工品まわしになっていたものがすべて生食用になったとのこと。肥料と農薬の費用は約半分に減ったことも大きな効果だと言われています。また解繊パウダーを使ってから、花が大きく、少なくなり、開花期間も長くなったためか生理落果がなくなり、摘果も減少。歩留まりも良く、作業能率が上がり、経営継承問題にも見通しがついたと報告されています。
●生理落果の改善 植繊農法では、解繊パウダーのほかにほ場条件や環境、季節、植物の状態などを見ながら、窒素の効率吸収を助ける過リン酸石灰、葉緑素の素となる硫化マグネシウム、微生物のエサとなる硫安を撒きますが、そのなかで過リン酸石灰は、実
み
肥ごえ
とも言われ、花を着けるのに必要な栄養素、リン酸として植物体を丈夫にし、結実が良くなる効果があります。しかしリンは、いくら肥料として撒いても土壌中で鉄やアルミニウムと結合し、溶けにくくなってしまうという欠点があります。そこで、過リン酸石灰を施した後に解繊パウダーを撒くと、地表面近くにリン溶解菌が増殖し、リン酸を吸収しやすい形にしてくれます。そのリン酸を、解繊パウダーを撒くことによって増えた横根で吸収。花が大きく、少なくなるため無駄な養分の消耗がなくなり、生理落果しなくなるのです。
■事例紹介「竹肥料農法/農文協」に掲載されている松田農園(山形県村山市)の記事では、2001年、サクランボの栽培に解繊パウダーを使ってから(植繊機導入は2002年から)、糖度や収量が劇的に上がり、出荷先を一般市場から贈答用にシフトし、8年後には収益が約倍になりました。品評会では最高クラスの糖度27度を難なく出荷できるようになり、その後、半分しか赤くならないB品でも全国最高クラスの27.5度まで上がり、真っ赤なものはなんと32.5度にまでになったと書かれています。また、日持ちも格段に良くなり、直売所に3日間並べたのち、さらに約1週間経っても腐らない、奄美大島へ常温で発送しても大丈夫などの導入効果が掲載されています。
●糖度アップ果実の甘味成分のひとつであるショ糖(炭水化物)は、光合成によってつくられます。植繊農法の場合は、地表面に解繊パウダーを撒いているため微生物が多く繁殖。この微生物によって、根から十分に養分が吸収されることから、光合成が効率良く行われます。そのためショ糖の含量が増え、果実の糖度が上がるのです。また日持ちが良くなる理由についても、炭素の吸収量が増えていることから、酸化防止効果のあるアスコルビン酸(ビタミンC)が増えていることが考えられます。
外見評価で全品生食用に生理落果がなくなる
最高で32.5度を実現全国最高クラスの糖度に
ミカン サクランボ
果樹導入事例 ②果樹導入事例 ②
ヤンマー資源循環農法のご提案11 12ヤンマー資源循環農法のご提案
■事例紹介「竹肥料農法/農文協」に掲載されている中嶋農園(鳥取県八頭町)の記事では、2003年から水稲栽培に解
かい
繊せん
パウダーを使い始めました(植しょく
繊せん
機き
導入は1999年7月から)。苗づくりから解繊パウダーを使い、代かき後にも散布した結果、食味値82~89を出すめどがたちました。その後も研究を進め、2008年には7俵/10aの収量ではありますが、食味値86以上の米は、毎年公表される標準引き取り価格のほぼ2倍となり、90以上の米は、さらにプレミアがつきました。実際の基準価格で換算すると14俵/10a分の収益性となります。2007年からは食味値90以上の米を“活地気米”ブランドでネット販売しています。また植繊農法の効果により、高温障害や倒伏の心配もないと言います。
●食味値アップ一般的に良食味米と言われる米は、低タンパク・低アミロースであると言われています。このタンパクに影響を与えるのが窒素なのです。窒素は植物の生長に不可欠ですが、吸収量が多過ぎたり、光合成がうまく行われなかったり、といった場合などには、植物体内でアミノ酸やタンパク質などに合成されずに、硝
しょう
酸さん
態たい
窒ちっ
素そ
のまま植物体内に蓄積されていきます。このようにして植物体内に蓄積された硝酸態窒素が米の食味低下の原因になるのです。水稲では、出穂後に窒素が必要以上に残っていると、タンパクが増え、食味が落ちてしまいます。一方、光発芽の場合はまず横根が生長。また解繊パウダーを撒くことで微生物が増え、エネルギーが十分に吸収され、効率良く光合成が行われることから、窒素成分を十分にまかなえるため、過剰な硝酸態窒素を、葉の縁の水孔から朝露として排出。低タンパク状態となり、米の食味がアップします。
左記の手順は、あくまでも目安です。実際には、ほ場の環境や条件、地形、前作作物、土壌診断結果などを参考に、施用量などについては、少しずつ試しながら適した量を探していただくよう、サービスマンがアドバイスいたしますので、お問い合わせください。
年 度 食味値 収量(俵/10a)2001~2003 82~89 3~42004~2006 87~89 4~52007 最高92 6~72008 最高93 7.3
■食味値と収量の推移(実験田を除く)
作 業 内 容
秋の収穫後 長ワラを取り除き、秋スキ後、焼害機をかける。ミネカルの散布を検討する。
春の耕うん 春スキ後、焼害機をかける。
播 種 床土は市販品で、従来の播種機を使う。覆土はせず、100g/箱見当の疎まき。
育 苗 苗床に並べて解繊パウダー(竹)を覆土代わりにする。光発芽で40日くらいの小太り苗をつくる。
竹肥料散布 600~800kg/10a田植え 代かき後、疎植36株/坪(株間30㎝)目標。
施 肥田植え後、減水して硫安、過リン酸石灰、硫マグを各10~15kg/10aずつ。ただし、施肥履歴で調整。
除草剤 田植え後チェン除草1回、さらに中耕除草縦横2回。
中干し 徹底し、分げつ本数は17~20本を確保。
追 肥出穂15日前に硫安、過リン酸石灰、硫マグを各10~15kg/10aずつ(様子を見ながら量を調整)。実肥は不要。
竹肥料の追加 中干し時に散布、または中干し後の水注入時の水口から流し込む。
■中嶋農園での稲作栽培の手順
ケイ酸で受光態勢を改善し倒伏を低減ケイ酸には稲の茎や葉を硬くする効果があります。これまでケイ酸は、土壌やかんがい水に多く含まれていましたが、近年減少しています。籾ガラにはケイ酸が含まれるため、これを“解繊パウダー”にしてほ場に撒くと、ケイ酸不足分が補われ、耐倒伏性を高めることができます。また受光態勢の改善により、光合成量を増加させることから病害虫抵抗性や収量・品質などの向上も期待できます。
水稲に対する“ケイ酸”の効能●受光態勢の改善 ●光合成の促進●根の活力向上 ● 耐病虫害抵抗性の向上●倒伏軽減 ●増収と品質向上
ケイ酸カリリン酸石灰苦土
1
0
3
2
籾ガラ トウモロコシ 一般植物
19.5%
硬さの秘密はケイ酸(ほかの植物体にくらべ段違いに多い)
含有率(%)
(中央農業総合研究センター・伊藤純雄氏調査)
食味値90以上でブランド化 標準引き取り価格の2倍に
水 稲
こく類導入事例 ③ こく類導入事例 ③
参考/耐倒伏性向上の理由とメカニズム
ヤンマー資源循環農法のご提案13 14ヤンマー資源循環農法のご提案
2メリット
“安全・安心に配慮した”作物づくりに加え、“竹害の解消”を実現。竹の需要が減っているのに対して、竹林の面積は増加傾向。下のグラフからもわかるように、放置竹林が約25.1万haあり、竹林総面積は約41万haにのぼります。各地で放置竹林による「竹害」の問題がクローズアップされています。また一方で、海外からの野菜等に対する残留農薬の問題もあり、国内では、食味が良く、安心安全な作物が求められています。このような状況のなか、ヤンマーは、安全安心に配慮した作物づくりに加え、未利用資源である竹をはじめ、剪定枝、籾ガラなどを安心で安全な生肥料“解繊パウダー”に加工することができる“植繊機”を、開発しました。
■竹林面積の内訳
進入率25%未満の竹林(管理竹林)約15.9万ha
進入率25%以上の竹林(放置竹林)約25.1万ha
林野庁業務資料(平成19年3月31日現在)より作成
竹林面積約41万ha
竹が繁茂して「竹害」で困っている
集落で籾ガラや剪定枝の処理に困っている
安心安全な作物が
求められている
環境に優しい農業が
求められている
秀品率が上がらず困っている
それが植しょく
繊せん
機き
です!
竹、剪せん
定てい
枝し
など、未利用資源を有効活用!
これらのニーズに合った機械が求められていました!
Q.なぜ“解かい
繊せん
パウダー”を使うのですか?
A.未利用資源を植物が吸収しやすい状態にするためです自然界では落葉や枯葉が、土表面上で腐っていき草木の栄養分になります。私たちは、その落葉や枯葉の
代わりの材料として、身近にある竹などの未利用資源を使っています(資源循環の考え方)。ただ、未利用資源はそのままではなかなか腐らないので、繊維をほぐす機械(植繊機)に通して、柔らかく、腐りやすい“解繊パウダー”の形にしているのです。
Q.“解繊パウダー”を使うと、どんな良いことがあるのですか?
A1.病原菌を殺す効果があります土の上で腐るときに、土壌殺菌の作用が起こります(青カビからぺニシリンを産生)。その働きによって、土中に存在する病原菌を殺すことができるので、農薬を施用しない農業が目指せるのです。実は自然界(野
山など)が、農薬を施用しなくても、毎年植物が元気に育っているのは、落葉や枯葉のおかげなのです。
A2.空気中の窒素を肥料として使います“解繊パウダー”は柔らかくほぐれているだけでなく、たくさんの小さなトゲ(微繊維またはフィブリル)が出ています。このトゲが、空気中の約80%もある“窒素”をからめて引き寄せます。自然界の窒素成分を引き寄せるので、肥料は少なめでも、きちんと育つことができるのです(自然界の草木が肥料をやらなくても
生育している理由)。
A3.微生物を増やし、肥料成分吸収を助けます“解繊パウダー”の栄養分のおかげで、微生物が増殖します。そして増えた微生物が土中の肥料成分を分解
して、植物の根から吸収しやすい形にしてくれます。
A4.繊維分が、土の通気性を改善します“解繊パウダー”には繊維分(ストローみたいな形)があり、土の通気を良くしてくれるので、根に空気が行きわたりやすくなり、植物が元気に育ちます(繊
せん
維い
管かん
内は微生物の棲家となり、増殖に役立つ)。
A5.作物本来の食味を引きだせます根を張る場所が、地中深くから地表面近くに変わるので、吸収する栄養成分が変わります。そのためエグ味の少ない、優しい作物本来の味を感じることができます(エグ味の原因である硝
しょう
酸さん
態たい
窒ちっ
素そ
の含有量が減る)。
“植しょく
繊せ ん
農法”Q&A
ヤンマー植繊機TS15