SSM の設定 -...

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SSM の設定 機能情報の確認, 1 ページ SSM の設定の前提条件, 1 ページ SSM 設定の制約事項, 2 ページ SSM に関する情報, 3 ページ SSM の設定方法, 8 ページ SSM のモニタリング, 16 ページ SSM の次の作業, 17 ページ その他の参考資料, 18 ページ SSM の機能履歴と情報, 19 ページ 機能情報の確認 ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ びソフトウェア リリースの Bug Search Tool およびリリース ノートを参照してください。このモ ジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。 プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索 するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator には、http://www.cisco.com/ go/cfn からアクセスします。Cisco.com のアカウントは必要ありません。 SSM の設定の前提条件 次に、Source-Specific Multicast SSM)および SSM マッピングを設定するための前提条件を示し ます。 ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.xCatalyst 3850 スイッチ) 1

Transcript of SSM の設定 -...

SSM の設定

• 機能情報の確認, 1 ページ

• SSMの設定の前提条件, 1 ページ

• SSM設定の制約事項, 2 ページ

• SSMに関する情報, 3 ページ

• SSMの設定方法, 8 ページ

• SSMのモニタリング, 16 ページ

• SSMの次の作業, 17 ページ

• その他の参考資料, 18 ページ

• SSMの機能履歴と情報, 19 ページ

機能情報の確認ご使用のソフトウェアリリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ

ているとは限りません。最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよ

びソフトウェアリリースの Bug Search Toolおよびリリースノートを参照してください。このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリスト

を確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。

プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索

するには、Cisco Feature Navigatorを使用します。Cisco Feature Navigatorには、http://www.cisco.com/go/cfnからアクセスします。Cisco.comのアカウントは必要ありません。

SSM の設定の前提条件次に、Source-Specific Multicast(SSM)および SSMマッピングを設定するための前提条件を示します。

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• SSMマッピングを設定する前に、次の作業を実行する必要があります。

◦ IPマルチキャストルーティングをイネーブルにします。

◦ PIMスパースモードをイネーブルにします。

◦ SSMを設定します。

•スタティック SSMマッピングを設定する場合は、事前にアクセスコントロールリスト(ACL)を設定して、送信元アドレスにマッピングされるグループ範囲を定義する必要があります。

• SSMマッピングを設定し、DNSルックアップで使用できるようにするには、稼動中の DNSサーバにレコードを追加する必要があります。稼働中のDNSサーバがない場合は、DNSサーバをインストールする必要があります。

実行中のDNSサーバにレコードを追加するには、Cisco Network Registrarなどの製品を使用できます。

(注)

SSM 設定の制約事項次に、SSMを設定する際の制約事項を示します。

• IGMPv3で SSMを使用するには、Cisco IOSルータ、アプリケーションが稼働しているホスト、そしてアプリケーション自体が SSMをサポートしている必要があります。

• SSMにまだ対応していないネットワーク内の既存のアプリケーションは、(S, G)チャネルの加入登録をサポートするように変更していない限り、SSM範囲内では機能しません。そのため、既存のアプリケーションが指定のSSM範囲内のアドレスを使用する場合、ネットワークで SSMをイネーブルにすると問題が発生することがあります。

• IGMPスヌーピング:IGMPv3で使用される新しいメンバーシップレポートメッセージは、旧型の IGMPスヌーピングデバイスでは正しく認識されない場合があります。

• SSMをレイヤ 2スイッチングメカニズムとともに使用する場合は、ある程度のアドレス管理が必要となります。Cisco Group Management Protocol(CGMP)、IGMPスヌーピング、または Router-Port Group Management Protocol(RGMP)でサポートされるのはグループ固有のフィルタリングだけであり、(S, G)チャネル固有のフィルタリングはサポートされていません。同じスイッチドネットワーク内の異なるレシーバーが異なる(S, G)チャネルを要求し、これらのチャネルが同じグループを共有している場合、レシーバーは上記のような既存

メカニズムの利点を活用できません。どちらのレシーバーも、すべての(S, G)チャネルトラフィックを受信し、不要なトラフィックを入力から除外します。SSMは、独立した多くのアプリケーションに SSM範囲のグループアドレスを再利用できるので、このような状況では、スイッチドネットワークのトラフィックフィルタリング機能が低下する可能性があり

ます。そのため、アプリケーションに対して SSM範囲の IPアドレスをランダムに使用し、SSM範囲内の 1つのアドレスがさまざまなアプリケーションに再利用される可能性を小さく

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)2

SSM の設定SSM 設定の制約事項

することが重要です。たとえば、TVチャネルセットを提供するアプリケーションサービスで、SSMを使用する場合は、各 TV(S, G)チャネルに異なるグループを使用する必要があります。このようにすれば、同じアプリケーションサービス内の異なるチャネルに複数のレ

シーバが接続されていても、レイヤ 2デバイスを含むネットワークでトラフィックエイリアシングが発生しなくなります。

• PIM-SSMでは、ラストホップルータは、そのインターフェイス上に適切な(S,G)加入登録があると、定期的に(S, G)Joinメッセージを送信し続けます。このため、レシーバが(S,G)加入を送信する限り、ソースが長時間(または二度と)トラフィックを送信しなくてもレシーバからソースへの最短パスツリー(SPT)状態が維持されます。

送信元がトラフィックを送信し、レシーバーがグループに加入している場合にだけ(S, G)ステートが維持される PIM-SMでは、これとは対照的な状況が発生します。PIM-SMでは、送信元がトラフィックの送信を 3分以上停止すると、(S, G)ステートは削除され、その送信元からのパケットがRPTを通じて再度到達した場合のみに再確立されます。PI-SSMでは、送信元がアクティブであることをレシーバに通知するメカニズムがないので、レシーバが(S,G)チャネルの受信を要求している限り、(S, G)ステートを維持する必要があります。

次に、SSMマッピングを設定する際の制約事項を示します。

• SSMマッピング機能は、完全な SSMの利点を共有しません。SSMマッピングでは、ホストからグループGの加入が取得され、1つまたは複数のソースに関連付けられているアプリケーションでこのグループを指定できるため、グループ Gごとにこのようなアプリケーション 1つのみをサポートできます。それにもかかわらず、完全な SSMアプリケーションは、SSMマッピングにも使用される同じグループを共有することができます。

•完全な SSMへの移行ソリューションとして SSMマッピングだけを使用する場合は、ラストホップルータの IGMPv3をイネーブルにする際に十分に注意してください。SSMマッピングと IGMPv3を両方イネーブルにした場合、すでに IGMPv3をサポートしている(SSMはサポートしていない)ホストは IGMPv3グループレポートを送信します。SSMマッピングは、このような IGMPv3グループレポートをサポートしていないので、ルータは送信元をこれらのレポートと正しく関連付けることができません。

SSM に関する情報Source-Specific Multicast(SSM;送信元特定マルチキャスト)機能は、IPマルチキャストの拡張機能であり、この機能を使用すると、受信者に転送されるデータグラムトラフィックは、その受信

者が明示的に加入しているマルチキャスト送信元からのトラフィックだけになります。SSM用にマルチキャストグループを設定する場合、SSM配信ツリー(共有ツリーはない)だけが作成されます。

ここでは、Source-Specific Multicast(SSM)の設定方法を説明します。この項の SSMコマンドの詳細な説明については、『IPMulticastCommandReference』を参照してください。この章で言及する他のコマンドについては、コマンドリファレンスマスターインデックス(オンライン検索)

を使用して、該当するマニュアルを参照してください。

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)3

SSM の設定SSM に関する情報

SSM コンポーネントの概要SSMは、1対多のアプリケーション(ブロードキャストアプリケーション)に最適なデータグラム配信モデルです。SSMは、オーディオおよびビデオのブロードキャストアプリケーション環境を対象としたシスコの IPマルチキャストソリューションの中核的なネットワーキングテクノロジーです。デバイスは、SSMの実装をサポートする次のコンポーネントをサポートしています。

• Protocol Independent Multicast Source-Specific Mode(PIM-SSM)

PIM-SSMは、SSMの実装をサポートするルーティングプロトコルで、PIM Sparse Mode(PIM-SM)に基づいています。

• Internet Group Management Protocol version 3(IGMPv3)

SSM および Internet Standard Multicast(ISM)インターネットの現行の IPマルチキャストインフラストラクチャや多くの企業のイントラネットは、PIM-SMプロトコルとMulticast Source Discovery Protocol(MSDP)に基づいています。これらのプロトコルには、Internet Standard Multicast(ISM)サービスモデルの限界があります。たとえば、ISMでは、ネットワークは、実際にマルチキャストトラフィックを送信しているホストについての情報を維持する必要があります。

ISMサービスは、任意の送信元からマルチキャストホストグループと呼ばれるレシーバーグループへの IPデータグラムの配信でなりたっています。マルチキャストホストグループのデータグラムトラフィックは、任意の IPユニキャスト送信元アドレス(S)と IP宛先アドレスとしてのマルチキャストグループアドレス(G)のデータグラムで構成されます。システムは、ホストグループのメンバーになることによって、このトラフィックを受信します。ホストグループのメン

バーシップには IGMPバージョン 1、2、または 3によるホストグループのシグナリングが必要です。

SSMでは、データグラムは(S, G)チャネルに基づいて配信されます。SSMと ISMのどちらでも、ソースになるためにシグナリングは必要ありません。ただし、SSMでは、レシーバーは特定の送信元からのトラフィックの受信または非受信を決めるために(S, G)への加入または脱退を行う必要があります。つまり、レシーバは加入した(S, G)チャネルからだけトラフィックを受信できます。一方、 ISMでは、レシーバは受信するトラフィックの送信元の IPアドレスを知る必要はありません。チャネル加入シグナリングの標準的な方法として、IGMPを使用してモードメンバーシップレポートを包含することが提案されていますが、この手法をサポートしているのは

IGMP version 3だけです。

SSM IP アドレスの範囲IPマルチキャストグループアドレス範囲の設定済みのサブセットに SSM配信モデルを適用することにより、SSMと ISMサービスを一緒に使用できます。Cisco IOSソフトウェアでは、224.0.0.0~ 239.255.255.255の IPマルチキャストアドレス範囲の SSM設定が可能です。SSM範囲が定義さ

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)4

SSM の設定SSM コンポーネントの概要

れている場合、既存の IPマルチキャスト受信アプリケーションが SSM範囲のアドレスの使用を試行しても、トラフィックを受信できません。

SSM の動作確立されているネットワークは、IPマルチキャストサービスが PIM SMに基づいているので、SSMサービスをサポートできます。SSMサービスだけが必要な場合は、ドメイン間のPIM-SMに必要な全プロトコル範囲(MSDP、Auto-RP、またはブートストラップルータ(BSR))ではなく、SSMを単独でネットワークに配置することもできます。

PIM-SM用に設定されているネットワークにSSMを配置する場合、SSMをサポートするのはラストホップルータだけです。レシーバーに直接接続されていないルータは SSMをサポートする必要はありません。一般的に、ラストホップ以外のルータに必要なのは、SSM範囲内の PIM-SMだけです。このようなルータは SSM範囲内でのMSDPシグナリング、登録、PIM-SM共有ツリー操作を抑制するために、ほかのアクセスコントロール設定が必要になる場合もあります。

SSMの範囲を設定し SSMをイネーブルにするには、ip pim ssmグローバルコンフィギュレーションコマンドを使用します。この設定による影響は次のとおりです。

• SSM範囲内のグループは、IGMPv3 includeモードメンバーシップレポートを通じて、(S,G)チャネルに加入できます。

• SSM範囲のアドレスのPIM動作は、PIM-SMの派生モードであるPIM-SSMに変更されます。このモードでは、ルータで生成されるのは PIM(S, G)の joinと pruneのメッセージだけであり、(S, G)の Rendezvous Point Tree(RPT)や(*, G)の RPTメッセージは生成されません。RPT動作に関連する着信メッセージは無視されるか拒否されます。着信 PIM登録メッセージに対しては即座に register-stopメッセージで応答が行われます。ラストホップルータ以外のルータでは、PIM-SSMはPIM-SMと下位互換性を保ちます。したがって、ラストホップルータ以外のルータは SSMグループに PIM-SMを使用できます(SSMをサポートしていない場合など)。

• SSM範囲内の Source-Active(SA)メッセージは、受け入れ、生成、転送のいずれも実行されません。

SSM マッピング典型的なセットトップボックス(STB)配置では、各 TVチャネルは独立した 1つの IPマルチキャストグループを使用し、その TVチャネルの送信を行うアクティブなサーバは 1つです。1つのサーバから複数の TVチャネルへの送信は可能ですが、各チャネルのグループはそれぞれ異なります。このようなネットワーク環境で、ルータが特定のグループの IGMPv1または IGMPv2のメンバーシップレポートを受信した場合、レポートの宛先は、そのマルチキャストグループに

関連付けられている TVチャネルの well-known TVサーバになります。

SSMマッピングが設定されている場合、特定グループの IGMPv1または IGMPv2のメンバーシップレポートを受信したルータは、レポートを、このグループに関連付けられているwell-known送信元の 1つ以上のチャネルメンバーシップに変換します。

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)5

SSM の設定SSM の動作

ルータは、IGMPv1または IGMPv2のメンバーシップレポートを受信すると、SSMマッピングを使用して、そのグループに 1つ以上の送信元 IPアドレスを決定します。その後、SSMマッピングによって、そのメンバーシップレポートが IGMPv3レポートに変換され、IGMPv3レポートを受信した場合と同様に処理が続行されます。IGMPv1または IGMPv2メンバーシップレポートの受信が続き、そのグループの SSMマッピングが同じである限り、ルータは PIM joinを送信し、グループに加入し続けます。

SSMマッピング機能を使用すると、ラストホップルータはスタティックに設定されたルータ上のテーブルまたはDNSサーバを通じて、送信元アドレスを決定できます。スタティックに設定されたテーブルまたはDNSマッピングが変更された場合、ルータは加入しているグループに関連付けられている現在の送信元から脱退します。

スタティック SSM マッピングスタティック SSMマッピングでは、ラストホップルータは、グループへの送信を行う送信元を決定するために、継続的にスタティックマップを使用します。スタティック SSMマッピングを使用するには、グループ範囲を定義したACLを設定する必要があります。グループ範囲を定義する ACLを設定した後、ip igmp ssm-map staticグローバルコンフィギュレーションコマンドを使用して、ACLで許可されたグループを送信元にマッピングできます。

DNSが必要とされないか、またはローカルで DNSマッピングが変更される場合、小規模なネットワークではスタティック SSMマッピングを設定できます。設定されたスタティック SSMマッピングは、DNSマッピングよりも優先されます。

関連トピック

スタティック SSMマッピングの設定(CLI), (10ページ)

SSMマッピングを使用したスタティックトラフィック転送の設定(CLI), (14ページ)

DNS ベースの SSM マッピングDNSベースの SSMマッピングを使用して、ラストホップルータが継続的に逆DNSルックアップを実行し、グループに送信する送信元を決定するようにすることも可能です。DNSベースのSSMマッピングが設定されると、ルータはグループ名を含むドメイン名を構築し、DNSへの逆ルックアップを実行します。ルータは IPアドレスリソースを検索し、それらをグループに関連付けられた送信元アドレスとして使用します。SSMマッピングでサポートできる送信元の数は、グループごとに最大 20です。ルータは各グループに設定されているすべてのソースに加入します。

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)6

SSM の設定SSM マッピング

次の図は、DNSベースの SSMマッピングを示します。

図 1:DNS ベースの SSM マッピング

ラストホップルータが 1つのグループの複数の送信元に加入できるようにする SSMマッピングメカニズムによって、TVブロードキャストの送信元に冗長性を持たせることができます。この場合、ラストホップルータは、SSMマッピングを使用し、同じ TVチャネルに対して 2つのビデオ送信元に同時に加入することにより冗長性を提供します。ただし、ラストホップルータでのビデ

オトラフィックの重複を防ぐため、ビデオ送信元がサーバ側でスイッチオーバーメカニズムを使

用する必要があります。一方のビデオ送信元はアクティブ、もう一方のバックアップビデオ送信

元はパッシブになります。パッシブの送信元は待機状態になり、アクティブな送信元の障害が検

出された場合に、そのTVチャネルにビデオトラフィックを送信します。サーバ側のスイッチオーバーメカニズムによって、実際にその TVチャネルにビデオトラフィックを送信するサーバは 1つだけになります。

G1、G2、G3、G4を含むグループの 1つ以上の送信元アドレスを検索するには、DNSサーバに次のような DNSレコードを設定する必要があります。

G4.G3.G2.G1 [multicast-domain] [timeout] IN A source-address-1IN A source-address-2IN A source-address-n

DNSリソースレコードの設定の詳細については、DNSサーバのマニュアルを参照してください。

関連トピック

DNSベースの SSMマッピングの設定(CLI), (12ページ)

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)7

SSM の設定SSM マッピング

SSM の設定方法この項の Source-Specific Multicast(SSM;送信元特定マルチキャスト)コマンドの詳細な説明については、『IP Multicast Command Reference, Cisco IOS XE Release 3SE (Catalyst 3850 Switches)』を参照してください。この章で言及する他のコマンドについては、コマンドリファレンスマスター

インデックス(オンライン検索)を使用して、該当するマニュアルを参照してください。

SSM の設定(CLI)SSMを設定するには、次の手順を実行します。

この手順は任意です。

はじめる前に

Source Specific Multicast(SSM)範囲の定義にアクセスリストを使用する場合、ip pim ssmコマンドでアクセスリストを参照する前にアクセスリストを設定します。

手順

目的コマンドまたはアクション

特権EXECモードをイネーブルにします。パスワードを入力します(要求された場合)。

enable

例:

Device> enable

ステップ 1

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configureterminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

IPマルチキャストアドレスの SSM範囲を定義します。

ip pim ssm [default |rangeaccess-list]

例:

Device(config)# ip pim ssm

ステップ 3

range 20

IGMPv3をイネーブルに設定可能なホストに接続されているインターフェイスを選択し、インターフェイス

コンフィギュレーションモードを開始します。

interfacetype number

例:

Device(config)# interface

ステップ 4

次のいずれかのインターフェイスを指定する必要があ

ります。gigabitethernet

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)8

SSM の設定SSM の設定方法

目的コマンドまたはアクション

1/0/1 •ルーテッドポート:レイヤ 3ポートとして noswitchportインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを入力して設定された物理ポー

トです。また、インターフェイスの IPPIMスパース -デンスモードをイネーブルにして、静的に接続されたメンバーとしてインターフェイスを

IGMPスタティックグループに加入させる必要があります。

• SVI:interface vlanvlan-idグローバルコンフィギュレーションコマンドを使用して作成された

VLANインターフェイスです。また、VLAN上でIP PIMスパース -デンスモードをイネーブルにして、静的に接続されたメンバーとして VLANを IGMPスタティックグループに加入させ、VLAN、IGMPスタティックグループ、および物理インターフェイスで IGMPスヌーピングをイネーブルにする必要があります。

これらのインターフェイスには、IPアドレスを割り当てる必要があります。

インターフェイスに対して PIMをイネーブルにします。スパースモードまたはスパース―デンスモードのどちらかを使用する必要があります。

ip pim {sparse-mode |sparse-dense-mode}

例:

Device(config-if)# ip pim

ステップ 5

sparse-dense-mode

このインターフェイス上で IGMPv3をイネーブルにします。デフォルトでは、IGMPのバージョン 2が設定されます。

ip igmp version 3

例:

Device(config-if)# ip igmp

ステップ 6

version 3

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Device(config)# end

ステップ 7

入力を確認します。show running-config

例:

Device# show

ステップ 8

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)9

SSM の設定SSM の設定(CLI)

目的コマンドまたはアクション

running-config

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保

存します。

copy running-configstartup-config

例:

Device# copy

ステップ 9

running-configstartup-config

Source-Specific Multicast(SSM)マッピングの設定Source SpecificMulticast(SSM)マッピング機能は、管理上または技術上の理由からエンドシステムで SSMをサポートできないかまたはサポートが望ましくない場合に SSM移行手段として使用できます。SSMマッピングを使用すると、IGMPv3をサポートしないレガシー STBへのビデオ配信や、IGMPv3ホストスタックを使用しないアプリケーションに SSMを活用できます。

スタティック SSM マッピングの設定(CLI)スタティック SSMマッピングを設定するには、次の手順を実行します。

SSMマッピングの詳細については、『IP Multicast CG Library, Cisco IOS XE Release 3SE(Catalyst3850 Switches)』を参照してください。

手順

目的コマンドまたはアクション

特権EXECモードをイネーブルにします。パスワードを入力します(要求された場

合)。

enable

例:

Device> enable

ステッ

プ 1

グローバルコンフィギュレーションモー

ドを開始します。

configureterminal

例:

Device# configure terminal

ステッ

プ 2

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)10

SSM の設定Source-Specific Multicast(SSM)マッピングの設定

目的コマンドまたはアクション

設定されている SSM範囲で、グループのSSMマッピングをイネーブルにします。

ipigmpssm-mapenable

例:

Device(config)# ip igmp ssm-map enable

ステッ

プ 3

このコマンドでは、デフォルト

で、DNSベースの SSMマッピングがイネーブルにされます。

(注)

(任意)DNSベースのSSMマッピングをディセーブルにします。

noipigmpssm-mapquerydns

例:

Device(config)# no ip igmp ssm-map querydns

ステッ

プ 4

スタティックSSMマッピングだけを使用する場合は、DNSベースのSSMマッピングをディセーブルにします。デフォルトで

は、ipigmpssm-mapコマンドによって DNSベースの SSMマッピングがイネーブルになりま

す。

(注)

スタティック SSMマッピングを設定します。

ipigmpssm-mapstaticaccess-listsource-address

例:

Device(config)# ip igmp ssm-map static11 172.16.8.11

ステッ

プ 5

• access-list引数に入力したACLによって、source-address引数に入力したソース IPアドレスにマッピングされるグループが決まります。

追加のスタティックSSMマッピングを設定することもできま

す。SSMマッピングを追加設定した場合、ルータがSSM範囲のグループの IGMPv1またはIGMPv2のメンバーシップレポートを受信すると、デバイス

は、設定されている各

ipigmpssm-mapstaticコマンドに基づいて、そのグループに関連

付けられている送信元アドレス

を決定します。デバイスは各グ

ループに最大20の送信元を関連付けます。

(注)

必要な場合は、ステップを繰り返して、

追加のスタティック SSMマッピングを設定します。

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)11

SSM の設定Source-Specific Multicast(SSM)マッピングの設定

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Device(config)# end

ステッ

プ 6

入力を確認します。show running-config

例:

Device# show running-config

ステッ

プ 7

(任意)コンフィギュレーションファイ

ルに設定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config

ステッ

プ 8

startup-config

関連トピック

スタティック SSMマッピング, (6ページ)

DNS ベースの SSM マッピングの設定(CLI)DNSベースの SSMマッピングを設定するには、DNSサーバゾーンを作成するか、または既存のゾーンにレコードを追加する必要があります。DNSベースの SSMマッピングを使用するルータが他の目的にも DNSを使用している場合は、通常の設定の DNSサーバを使用する必要があります。そのルータで使用されているDNS実装がDNSベースの SSMマッピングだけの場合は、ルートゾーンが空であるか、またはそれ自身を指すようなフォールスDNSセットアップが可能です。

手順

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードをイネーブルにします。パスワードを入力します(要求された場合)。

enable

例:

Device> enable

ステップ 1

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)12

SSM の設定Source-Specific Multicast(SSM)マッピングの設定

目的コマンドまたはアクション

グローバルコンフィギュレーションモードを

開始します。

configureterminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

設定されているSSM範囲で、グループのSSMマッピングをイネーブルにします。

ipigmpssm-mapenable

例:

Device(config)# ip igmp ssm-mapenable

ステップ 3

(任意)DNSベースの SSMマッピングをイネーブルにします。

ipigmpssm-mapquerydns

例:

Device(config)# ip igmp ssm-mapquery dns

ステップ 4

•デフォルトでは、ipigmpssm-mapコマンドによって DNSベースの SSMマッピングがイネーブルになります。実行コンフィ

ギュレーションに保存されるのは、この

コマンドをno形式で使用した場合だけです。

DNSベースの SSMマッピングがディセーブルの場合、このコマンド

を使用して DNSベースの SSMマッピングを再度イネーブルにします。

(注)

(任意)DNSベースのSSMマッピングに使用するドメインプレフィックスを変更します。

ipdomainmulticastdomain-prefix

例:

Device(config)# ip domainmulticast ssm-map.cisco.com

ステップ 5

•デフォルトでは、ip-addr.arpaドメインプレフィックスが使用されます。

名前とアドレスの解決に使用する 1つまたは複数のネームサーバのアドレスを指定します。

ipname-serverserver-address1[server-address2...server-address6]

例:

Device(config)# ip name-server10.48.81.21

ステップ 6

--必要に応じて、ステップ6を繰り返し、追加の DNSサーバを設定して冗長構成にします。

ステップ 7

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)13

SSM の設定Source-Specific Multicast(SSM)マッピングの設定

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Device(config)# end

ステップ 8

入力を確認します。show running-config

例:

Device# show running-config

ステップ 9

(任意)コンフィギュレーションファイルに

設定を保存します。

copy running-config startup-config

例:

Device# copy running-config

ステップ 10

startup-config

関連トピック

DNSベースの SSMマッピング, (6ページ)

SSM マッピングを使用したスタティックトラフィック転送の設定(CLI)ラストホップルータ上の SSMマッピングでスタティックトラフィック転送を設定する場合は、次の手順を実行します。

手順

目的コマンドまたはアクション

特権EXECモードをイネーブルにします。パスワードを入力します(要求された場合)。

enable

例:

Device> enable

ステップ 1

グローバルコンフィギュレーションモードを開始し

ます。

configureterminal

例:

Device# configure terminal

ステップ 2

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)14

SSM の設定Source-Specific Multicast(SSM)マッピングの設定

目的コマンドまたはアクション

SSMマッピングを使用してマルチキャストグループにスタティックにトラフィックを転送するインター

interfaceinterface-id

例:

Device(config)# interface

ステップ 3

フェイスを選択し、インターフェイスコンフィギュ

レーションモードを開始します。gigabitethernet 1/0/1

次のいずれかのインターフェイスを指定する必要があ

ります。

•ルーテッドポート:レイヤ 3ポートとして noswitchportインターフェイスコンフィギュレーションコマンドを入力して設定された物理ポー

トです。また、インターフェイスの IPPIMスパース -デンスモードをイネーブルにして、静的に接続されたメンバーとしてインターフェイスを

IGMPスタティックグループに加入させる必要があります。

• SVI:interface vlanvlan-idグローバルコンフィギュレーションコマンドを使用して作成された

VLANインターフェイスです。また、VLAN上で IP PIMスパース -デンスモードをイネーブルにして、静的に接続されたメンバーとしてVLANを IGMPスタティックグループに加入させ、VLAN、IGMPスタティックグループ、および物理インターフェイスで IGMPスヌーピングをイネーブルにする必要があります。

これらのインターフェイスには、IPアドレスを割り当てる必要があります。

SSMマッピングを使用したトラフィックのスタティック転送は、DNSベースの SSMマッピングとスタティックに設定されたSSMマッピングのいずれかで機能します。

(注)

そのインターフェイスから(S, G)チャネルへのスタティック転送用の SSMマッピングを設定します。

ip igmpstatic-groupgroup-addresssourcessm-map

ステップ 4

このコマンドは、特定グループに SSMトラフィックをスタティックに転送する場合に使用します。チャネ例:

Device(config-if)# ip igmpルの送信元アドレスを決定するにはDNSベースのSSMマッピングを使用します。static-group 239.1.2.1 source

ssm-map

ソフトウェアコンフィギュレーションガイド、Cisco IOS XE Denali 16.3.x(Catalyst 3850 スイッチ)15

SSM の設定Source-Specific Multicast(SSM)マッピングの設定

目的コマンドまたはアクション

特権 EXECモードに戻ります。end

例:

Device(config)# end

ステップ 5

入力を確認します。show running-config

例:

Device# show running-config

ステップ 6

(任意)コンフィギュレーションファイルに設定を保

存します。

copy running-configstartup-config

例:

Device# copy running-config

ステップ 7

startup-config

関連トピック

スタティック SSMマッピング, (6ページ)

SSM のモニタリングSSMをモニタするには、次の表の特権 EXECコマンドを使用します。

表 1:SSM のモニタリングコマンド

目的コマンド

IGMPv3による (S, G)チャネル加入登録を表示します。

show ip igmp groups detail

マルチキャストグループが SSMサービスをサポートしているかどうか、または送信元固有の

ホストレポートが受信されたかどうかを表示し

ます。

show ip mroute

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SSM の設定SSM のモニタリング

SSM マッピングのモニタリングSSMマッピングをモニタするには、次の表の特権 EXECコマンドを使用します。

表 2:SSM マッピングをモニタするコマンド

目的コマンド

SSMマッピングについての情報を表示します。

Device# show ip igmp ssm-mapping

SSMマッピングが特定のグループに使用する送信元を表示します。

Device#show ip igmp ssm-mappinggroup-address

ルータに直接接続されているレシーバとIGMPによって学習されたレシーバを持つマルチ

キャストグループを表示します。

Device#show ip igmp groups [group-name |group-address | interface-type interface-number] [detail]

デフォルトのドメイン名、名前ルックアップ

サービス、ネームサーバホストのリスト、

およびホスト名とアドレスのキャッシュされ

たリストを表示します。

Device#show host

送受信された IGMPパケットと IGMPホスト関連イベントを表示します。

Device#debug ip igmpgroup-address

SSM の次の作業次の設定を行えます。

• IGMP

•ワイヤレスマルチキャスト

• PIM

• IPマルチキャストルーティング

•サービス検出ゲートウェイ

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SSM の設定SSM マッピングのモニタリング

その他の参考資料

関連資料

マニュアルタイトル関連項目

『IP Multicast Command Reference, Cisco IOS XERelease 3SE (Catalyst 3850 Switches)』

SSM、およびその他の使用可能なコマンド

•『IP Multicast: PIM Configuration Guide,Cisco IOS XE Release 3SE(Catalyst 3850Switches)』

•『IP Multicast: IGMP Configuration Guide,Cisco IOS XE Release 3SE(Catalyst 3850Switches)』

• I『P Multicast: Multicast OptimizationConfiguration Guide, Cisco IOS XE Release3SE(Catalyst 3850 Switches)』

プラットフォームに依存しない設定情報

標準および RFC

タイトル標準/RFC

『Protocol-Independent Multicast-Sparse Mode(PIM-SM): Protocol Specification』

RFC 4601

MIB

MIB のリンクMIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOSリリース、およびフィーチャセットに関するMIBを探してダウンロードするには、次の URLにある Cisco MIB Locatorを使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

本リリースでサポートするすべてのMIB

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SSM の設定その他の参考資料

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SSM の機能履歴と情報変更内容リリース

この機能が導入されました。Cisco IOS XE 3.2SE

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