SIP-IMASM パンフレット 改訂版 20170912...SIP先端計測拠点...

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SIP先端計測拠点 構造材料の開発期間を1桁短縮するマテリアルズインテグレーション確立のために、 各領域の計測分析ニーズに対応して、材料開発と計算で必要とされる未活用情報を取 得できる構造材料開発のハブとなります。原子分子から主翼サイズのマルチスケール をカバーするユニークな先端計測技術を活用します。

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SIP先端計測拠点

構造材料の開発期間を1桁短縮するマテリアルズインテグレーション確立のために、各領域の計測分析ニーズに対応して、材料開発と計算で必要とされる未活用情報を取得できる構造材料開発のハブとなります。原子分子から主翼サイズのマルチスケールをカバーするユニークな先端計測技術を活用します。

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コンセプトとアプローチ

テーマ構成と役割

コンセプト構造材料開発で継続的なイノベーションを実現するためには、従来型の経験的手法を脱却し、特性や性能の本質を理解して、科学的予測に基づいた材料開発に変革することが重要です。革新的な成果を得るには、既存の計測技術を越える性能の先端計測技術が大きな役割を果たします。

アプローチナノテクノロジー分野などで使用されている5機関の先端計測機器や技術を、新たな視点で構造材料開発に適用します。最先端計測分析手法を開発して、従来技術では対応できず、材料開発において活用されていなかった未活用情報の取得を可能にします。

最終イメージ原子スケールから主翼等アセンブリスケールをカバーする国際的な先端計測拠点を構築します。

共通テーマ 多面的総合解析複数のテーマにまたがる計測分析結果を統合解析して ”非顕在化未活用情報”を発見します。(AIST)

テーマ4 空孔欠陥計測手法の確立

テーマ1 残留応力とき裂の計測手法の確立

テーマ2 微量軽元素の計測手法の確立

テーマ5 層間はく離計測手法の確立

ナノ-ミクロスケールから数10 m範囲の変位(応力)計測手法を確立します。(AIST, NIMS, KEK)

微量軽元素 (H, B, C, N, O) のイメージング、多元素同時定量分析手法を確立します。(AIST, NIMS, 筑波大)

ナノ-ミクロスケールの3次元イメージング手法を確立し、異相界面組織解析に適用します。(NIMS, 筑波大, KEK)

空孔欠陥のサイズ、密度の測定、それらの温度依存性の評価が可能な計測手法を確立します。(AIST, 筑波大)

小型堅牢な中赤外レーザ光源を開発し、CFRPに対する励起超音波振幅5倍以上を達成します。(NIMS, 東大)

テーマ3 異相界面と基材組織の計測手法の確立

計測ニーズが明確な ”顕在化未活用情報” に対して5つの個別テーマを設定します。

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先端計測技術開発への期待

材料を計測分析できることは構造材料設計の基本です。経験と勘から科学的な予測に基づく材料設計へ変革するために、SIP構造材料開発におけるハブ拠点としての役割を期待します。

岸輝雄 Teruo KishiSIP革新的構造材料 PD

先端計測技術拠点D66 構造材料の未活用情報を取得する先端計測技術開発

大久保 雅隆 Masataka OhkuboSIP革新的構造材料 先端計測拠点長

構造材料開発における破壊、劣化といった課題解決をノウハウや経験により行う手法は、常に求められる省エネルギーへの要請に迅速に応えることができません。性能向上や寿命予測にまだ活用されていない「未活用情報」を取得して、構造材料の開発期間の1桁短縮に貢献する先端計測拠点を構築します。

構造材料開発で通常使われる材料評価とは異なる視点に立脚し、素材の原子スケールレベルから主翼等アセンブリーサイズのマルチスケールに対応します。ナノテクノロジー分野等の先端計測分析技術を適用して、例えば、亀裂発生前の前駆状態の検知、初期状態における微量添加軽元素や組織/界面の物理的、化学的状態を明らかにして、破壊(寿命)との関係を解明します。

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大久保 雅隆

MasatakaOhkubo

原田 祥久

YoshihisaHarada

A04成形プロセスモニタリング・モデリング(武田展雄)の品質評価技術との共同研究にて、 CFRP積層板を引張試験したときに、内部に発生したトランスバースき裂を外部から検知することに成功しました。応力発光は、応力に比例した発光量が得られて、ミリ秒の分解能で応力分布の時間変化を測定できます。応力発光は数10 cmサイズを得意とします。測定例では、応力-ひずみ曲線では異常が見られませんが、7970µstと8560µstにて、局所的な発光が見られき裂発生の場所とタイミングが分かります。

未活用材料情報を以下のような先端計測技術で取得し、第1原理計算や機械的特性と比較します。

• 初期亀裂周辺のミクロンスケールからから主翼サイズの歪み分布(モアレ法)• 亀裂発生瞬間の検知と亀裂のダイナミックイメージング(応力発光)• 微量軽元素のイメージングや化学結合状態解析(超伝導を使ったX線吸収分光(XAFS))• 究極の軽元素である原子空孔等の欠陥や分子間空隙のイメージング(反物質である陽電子マイクロビーム)• ミクロンサイズ微小試験片機械試験、疲労試験による機械的特性と材料情報の関係を解明(微細加工)

産業技術総合研究所変位イメージング、超伝導を使った先端計測機器で未活用情報を取得

個別テーマへの貢献テーマ 1 : サンプリングモアレ法(NIMSと協力)、応力発光イメージング法、微小試験片機械試験テーマ 2 : 超伝導X線解析(筑波大 、KEK と協力)、ナノフーリエ変換赤外分光法(FTIR)テーマ 4 : 陽電子マイクロビーム(筑波大と協力)

フォンス ポール 浮辺 雅宏 志岐 成友藤井 剛 李 志遠 王 慶華大島 永康 オローク ブライアンウェンフェン マオ 石橋 章司 村上 敬名越 貴志 寺崎 正 佐野 しのぶ井藤 浩志

D67未解決課題解決拠点(津﨑 兼彰)との共同研究にて、どこからき裂が発生するか予測が付かないTi合金平滑材について、き裂発生箇所と応力集中の関係を明らかにしました。試験片表面にはUVナノインプリント法により、3 µmピッチの格子縞を作製してあります。サンプリングモアレ法により、引張試験中のラメラ組織におけるひずみ集中箇所を特定でき、き裂発生箇所の予測に成功しました。そのひずみ集中箇所は、旧β粒界のαラス領域と粒間に存在するαシートの境界でした。

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渡邊 誠

Makoto Watanabe

間宮 広明

HiroakiMamiya

強ひずみ加工後、時効処理をしたSUS304から得られた3Dアトムマップ。結晶粒界へのSiの偏析とシリサイドの析出が明瞭に観察できる。

炭素繊維強化プラスチックから得られた小角X線散乱像。炭素繊維内部の非等方的ミクロボイドの存在がわかる。

物質・材料研究機構個々の原子の位置からマクロな剥離まで未活用情報を包括的に取得

個別テーマへの貢献個別テーマ 1: 電子線モアレ法(AISTと協力)、ラマン分光法、X線CT (KEK と協力)個別テーマ 2: レーザーアシスト3次元アトムプローブ法、飛行時間型2次イオン質量分析法個別テーマ 3: 光学顕微鏡/集束イオンビーム走査電子顕微鏡/走査型透過電子顕微鏡相関観察法

走査型ヘリウムイオン顕微鏡、多機能走査プローブ顕微鏡、硬X線小角散乱法個別テーマ 5 : 中赤外レーザ超音波検査法(東大 と協力)

構造材料の製造プロセス、劣化・破壊過程の多面的な評価手法を確立し、先端的な計測手段を駆使し、これまで未活用であった情報を含めた多様な知見を現場にフィードバックすることで、構造材料開発の飛躍的加速と性能の革新的向上に貢献します。•個々の原子の位置と元素種のレベルで軽元素や微量添加元素分布のイメージング手法を確立•相補的先端顕微鏡による極微小析出物から粗大な介在物までその構造をズームイン・アウトで一体的に把握•細部の高精細な観察結果とプロセス中/動作環境下における材料全体のその場観察で得られた平均情報の変化を組み合わせ、対象となる材料組織の形成/劣化を多角的・多階層的に把握•得られた知見を力学特性マッピングデータの変化と比較し、性能の鍵となる隠れた因子を明確化•局所歪の評価と損傷・剥離過程の非接触高精度モニタリングを組み合わせ、残留応力の分布とき裂・剥離の進展の関連性を解明

大久保 忠勝 内藤 公喜 宝野 和博北澤 英明 内藤 昌信 本木悦子草野 正大 中村 昌子 山脇 寿佐々木 泰祐 原 徹 王 洪欣田中 義久

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筑波大学イオンビーム・陽電子を用いた構造材料解析手法の開発

材料にイオンビームを照射すると放出されるX線を計測することで、存在する元素の情報が得られます。また、原子核同士の反応や衝突によって放出される放射線を計測することで、水素など特定の元素を選択的に検出することができます。さらに、イオンビームを集束させ(マイクロビーム)スキャン照射することで、元素の分布に関する情報を得ることができます(右上図)。

右グラフは炭素を2.5%含有した鉄鋼系材料からの、陽子衝突により放出されるX線のスペクトルです。炭素など軽元素から放出されるX線はエネルギーが低いため一般には検出が困難ですが、イオンビームを用いることで微量の軽元素を高感度で検出することができます。

陽電子を試料内に注入すると、電子と対消滅し、約511keVのγ線が放出されます。試料中の陽電子の寿命や消滅γ線のエネルギー分布を測定することにより,サブnm程度のサイズの空隙,自由体積,空孔型欠陥を検出することができます.また,陽電子の試料に対する打ち込みエネルギーを制御することにより,空隙の深さ分布(表面~数ミクロン)を得ることもできます.

加えて、試料を2000Kといった極めて高い温度まで加熱した状態や変形を加えた状態で観察可能な透過型電子顕微鏡の装置開発を進めており、耐熱材料の高温暴露時や応力下での原子挙動の観察に利用されています(右写真) 。

有機膜に含まれるリン(P)とカルシウム(Ca)の集積の様子

笹 公和

KimikazuSasa

上殿 明良

AkiraUedono

木塚 徳志 関場 大一郎 冨田 成夫黒澤 正紀 森口 哲朗 河井 昌道亀田 敏弘 山崎 明義 楢本 洋H. J. Zhang 喜多 英治

個別テーマへの貢献個別テーマ 2: 粒子線励起X線分析法(AISTと協力)、共鳴核反応分析法、透過型反跳粒子検出分析法

イオンマイクロビーム走査照射装置個別テーマ 3 :その場観察用透過型電子顕微鏡個別テーマ 4 : 陽電子消滅法(AISTと協力)、低速陽電子ビーム解析装置

イオン衝突による炭素含有鉄鋼材料からの放出X線スペクトル

開発しているその場電子顕微鏡

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個別テーマへの貢献個別テーマ 1: 亀裂の進展観察、炭素の化学状態観察個別テーマ 2: 軽元素の化学状態観察(AISTと共同)個別テーマ 3: 金属元素の化学状態マッピング(NIMSと共同)個別テーマ 4: 陽電子ビーム高度化(AIST,UTと共同)

木村 正雄

MasaoKimura

武市 泰男

YasuoTakeichi

光速に近く加速された電子を電磁石で曲げることにより発生する放射光は、高輝度、波長可変性、高指向性等の特徴を有しており様々な材料の高度先端解析が可能となります。その一つとして材料中の原子の化学状態(電子状態, 近接原子の局所構造)を二次元および三次元でマッピングする技術を開発しました(図1)。

亀裂の進展の解明に取り組み、数cm程度の観察領域での「その場X線CT観察」を確立し、CFRPの観察に取り組んでいます。また、放射光を用いた「屈折イメージング」や「ラミノグラフィー」によるX線CT観察技術の開発を進めており、密度差が小さな材料系やコーティング等の薄膜材料系の評価に適用していきます(図2)。

図1 酸化物中の金属の化学状態(右)および元素分布(左)のマッピング

利便性の高い5keVでパルスストレッチする技術を開発しました。開発した技術は産総研へ展開し、材料中の欠陥評価に展開しています(図3)。

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図2 CFRPの引っ張り試験中の亀裂観察

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:200!μs 20!ms!( )図3 パルスストレッチング前後のビーム形状

高エネルギー加速器研究機構放射光を使った先端計測機器で未活用情報の取得

丹羽 尉博 君島 堅一 渡邊 稔樹平野 馨一 高橋 由美子 兵藤 一行兵頭 俊夫 阿部 仁 仁谷 浩明石井 友弘 河邉 宏暢 堀 晶子

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炭素繊維強化プラスチック(CFRP)材料は、航空機、自動車、船舶等の主要部材として急速に普及し始めており、CFRP部材の安全性と信頼性の確保、製品の品質保証が、製造メーカにとって最重要課題となっています。このようなニーズに対し、我々はレーザ超音波法を用いた、非接触高精度層間はく離計測装置の開発を進めています。とりわけ波長3.2ミクロン帯の中赤外レーザ光源は、従来のレーザ光源と比べ、CFRPに対し数倍以上の強度の超音波を誘起することができるため、従来の装置では計測し得なかった、ミクロサイズのはく離、空孔等の検出や計測を目指しています。

開発の過程で光源の超音波励起源としての最適化が必要なことから、レーザ超音波伝播のコンピュータシミュレーションを行い、CFRP積層板のはく離付近での超音波の反射、散乱の様子を再現できるようになりました(図)。コンピュータシミュレーションでは材料の計測条件や種類、内部欠陥形状等を、入力パラメータにより変化させ解析を行うことで、先端計測に有用な様々な情報を容易に得ることができます。この結果を計測にフィードバックさせることで、先端計測技術の加速を目指していきます。

東京大学レーザ超音波診断のコンピュータシミュレーション

CFRP積層板中での超音波伝播の可視化

はく離あり

はく離なし

パルスレーザ

はく離あり

はく離なし

小口 かなえ

KanaeOguchi

榎 学

ManabuEnoki

個別テーマへの貢献個別テーマ 5 : 中赤外レーザ超音波検査法 (NIMS と協力)

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ユニークな先端分析機器

超伝導現象を活用した分光技術では、微量軽元素の特性X線を従来の半導体計測技術の10倍以上の精度(最高4 eV)で計測することができます。この高いエネルギー分散分光(EDS)能力は、放射光のビームラインにて材料中に添加されるボロン、炭素、窒素、酸素の信号のみを選び出すことができ、微量軽元素のX線吸収分光(XAFS)による結晶格子位置、電子構造(化学結合状態)の解析を可能にします。また、その特性X線測定精度は、固体中軽元素の特性X線自然幅より精度が高いため、特性X線のピーク形状から電子状態(化学結合状態)の違いによる変化をも測定することができます。X線発光分光(XES)と呼ばれます。D71構造用高分子材料の実用型最適設計・総合評価支援ツールの開発(藤元 伸悦)との共同研究にて、CFRPの炭素繊維中と樹脂中の炭素をEDSで識別することができることを確認しました。SEMとの組合せで化学状態マッピングを行うことができます。

化学状態発光分光のための超伝導軟X線解析装置産業技術総合研究所 (AIST)

レーザーアトムプローブ物質・材料研究機構 (NIMS)

レーザーアトムプローブは、原子の空間分布を3次元的に解析可能な分析手法で、物質・材料研究機構では、独自の装置開発を行ってきました。この装置では、特にレザー波長を紫外光とすることで、質量分解能の向上し、試料破壊頻度が抑制されるとともに、これまで困難であった半導体や絶縁体の解析が可能となっています。飛行時間型質量分析と位置敏感型検出器から構成されていますので、全ての元素の3D解析が可能で、例えば結晶粒界や異相界面に偏析する微量添加元素やナノ析出物の解析への応用が期待されています。

高強度ステンレス鋼の解析例

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放射光 X-ray Absorption Fine Structures‒Computed Tomography(SR-XAFS-CT) 高エネルギー加速器研究機構 (KEK)SR-XAFS-CT法は、材料の (A) 組織、(B) 亀裂、(C) 化学状態、の3つの情報を、同視野かつ高い空間分解能(50nm以下)で 3次元イメージングする計測手法です。構造材料を対象とした装置としては国内外初の装置として、2017年3月にKEK/物質構造科学研究所の放射光施設(PF-AR)に本プロジェクトで新たに導入されました。放射光という超強力かつ超高品質のX線を、特別のX線光学系と組み合わて高分解能を達成しました。さらに、X線のエネルギーを可変させながら、試料を回転させて CT撮影を行うことにより、3つの情報を 3次元イメージングします。これにより、亀裂や劣化等の様々な反応の起点と進展メカニズムをナノレベルで解明することを進めています。

図 導入したSR-XAFS-CT法の原理(模式図)

(a) X線のエネルギーを可変させながらCT撮影を行い、 (b) 3次元イメージングを得る。 (c) その経時変化の観察から反応起点と進展のメカニズム解明に迫る。

t = t 1�

t 2�t n�

(b)�(a)� (c)�

図 SR-XAFS-CT法での測定イメージ

粒子線励起 X 線分析 (PIXE : Particle Induced X-ray Emission)筑波大学

PIXE法は微量元素の検出に有効な分析手法です。イオン加速器で加速させたイオンビームを試料に照射し、発生した特性X線のエネルギーによって元素を識別します。従来のPIXE法では軽元素の検出が困難と言われていましたが、優れたエネルギー分解能を誇る超伝導トンネル接合(Superconducting Tunnel Junction array: STJ)検出器の開発によって、軽元素分析の道が拓かれようとしています。

SDDSi detector

STJ

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トピックス紹介

国際会議開催

SIP-IMASM2015, Sept. 29 - Oct. 1, 2015

•  Guest speech Eizo Matsumoto (Deputy Director General, Cabinet Office) •  Keynote 1 Teruo Kishi (Program Director, Cabinet Office)•  Keynote 2 Yutaka Kagawa (Deputy PD, University of Tokyo)

•  Invited speakers "XRD Analysis of Structure Material at APS“  J. D. Almer (ANL) "Ion Beam Analysis for Materials Science“ M. Ionescu (ANSTO)

参加登録 Registrationhttps://staff.aist.go.jp/m.ohkubo/SIP-IMASM/

2015�

1st Symposium on Innovative Measurement and Analysis for Structural Materials

The SIP-IMASM is supported by Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program (SIP).

KEK

基調講演岸 輝雄 (内閣府) 「革新的構造材料」香川 豊 「マテリアルズインテグレーションの概念」

招待講演者J. D. Almer (ANL), M. Ionescu (ANSTO),北岡 諭 (JFCC), 福谷 克之 (東京大学), 武田 展雄 (東京大学), 大沼 正人 (北海道大学), 北嶋 具教 (NIMS), 白井 泰治 (京都大学), 榎 学 (東京大学), 木村 正雄 (KEK)

SIP-IMASM2016, Sept. 27 - 29, 2016基調講演香川 豊(東京大学) 「マテリアルズインテグレーション:先端計測への要望」Jenn-Ming Yang(UCLA) 「先端複合材料における最近の進歩」Timo Sajavaara(ユバスキュラ大学) 「材料と薄膜研究のための先端イオンビーム分析」Andreas Wagner(ヘルムホルツ研究センター ) 「超伝導電子加速器による陽電子寿命分光」小山 大祐(ロールスロイスジャパン) 「未来の民間大型航空機エンジンの技術戦略」

招待講演者藤元 伸悦 (新日鉄住金化学), 長谷川 剛一 ・高木 清嘉 (三菱重工業), 津崎 兼彰 (九州大学),松原 秀彰 (東北大学), 高久 歴 (東芝), 古原 忠 (東北大学) , 内田 真 (大阪市立大学)

SIP-IMASM2017, Oct. 3 - 5, 2017

SIP-IMASM2017

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特定国立研究開発法人 産業技術総合研究所特定国立研究開発法人 物質・材料研究機構

国立大学法人 筑波大学大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構

国立大学法人 東京大学

お問い合わせSIP革新的構造材料 先端計測拠点代表者 大久保 雅隆(産業技術総合研究所)TEL : 029-861-5685https://staff.aist.go.jp/m.ohkubo/SIP-IMASMe-mail : [email protected]

Tsukuba Innovation Arena

KEK

SIP-IMASM

イノベーション拠点推進部 SIPグループ〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町http://www.jst.go.jp/sip/k03.html