トラブル回避のために、これだけは押さえておきたい！

契約書の見方・作り方 Ｓｅｅｄｘ地域未来塾

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時間：２０１２年９月２８日（金） １９時～２１時３０分 会場：関内フューチャーセンター

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司法書士 野入美和子

自己紹介

神奈川県出身、事務所は横浜市西区。 （役職等） 神奈川県司法書士会理事 同会 中小企業支援研究委員会委員長 一般社団法人日本企業再建研究会理事 一般社団法人金融検定協会・試験委員 （共著） ●中小・ベンチャー企業生き残りの切り札 種類株式プラスα徹底活用法 ダイヤモンド社 ●誰でもわかる新会社法超入門 Ｃ＆Ｒ研究所 ●中小企業の法務リスク対策 中央経済社 ●事例にみる一般社団法人の活用の実務（10月刊行） 日本加除出版 （論文・雑誌・新聞） ●「事業承継後のトラブル防止のマネジメント」 ターンアラウンドマネージャー（２００７，９） ●「種類株式」「属人的株式」の活用と中小企業の生き残り術 会社法務Ａ２Ｚ（２００８，６・７） ●中小企業経営支援マニュアルー司法書士がアドバイスー 労働新聞連載（２０１０，１～６） ●誰でもわかる商業登記簿の見方 銀行営業推進（２０１１，９） ●非営利法人取引における確認時のポイント 銀行実務（２０１２，１０）

１．？契約書のウソ・ホント？

２．契約とは？①②③ ３．契約書はなぜ必要なのか？ ４．単発の契約・継続する契約 ５．インターネットを介した契約 ６．契約書作成時の注意点①② ７．店舗・事務所賃貸借契約（事務所を借りるとき） ８．売買基本契約（継続的な取引をする場合） ９．業務委託・業務請負契約（ＨＰ作成、コンサルタントなど） １０．リース契約は要注意！ １１．契約をうまく交渉するために １２．契約違反があった場合

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本日のメニュー

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Ｎｏ． 質問事項 ＹＥＳ ＮＯ

1 口約束は契約ではない。

2 合意書、覚書、注文書は契約書とは認められない。

3 契約書は、ひな形を使えば安心である。

4 契約書を作成するかは相手次第で考えるべきである。

5 契約書に押す印鑑は実印でないと無効である。

6 印紙を貼る義務のある契約書に印紙を貼らないと無効である。

7 芸名、通称名での契約書は無効である。

8 法律と当事者の合意では、法律が優先される。

9 ネットでの取引は契約ではない。

10 会社でない個人事業主は、消費者として契約上は保護される。

１．？契約書のウソ・ホント？

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２．契約とは？ ①

民 法

特定商取引法

●●法

労働基準法

会社法

製造物責任法

消費者契約法

借地借家法

●契約自由の原則 ●法令等遵守（コンプライアンス）

規約、通達など

商法

電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律

２．契約とは？ ②

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●コンビニのレジでの一場面（売買契約）

客員Ａ 「肉まん１つ下さい」

店員Ｂ 「はい、肉まんお１つですね！１００円になります。毎度ありがとうございます。」

法律的にみると・・・ 客 Ａ 売買契約の申し込み、代金を払う（代金債務の履行）。 店員Ｂ 売買契約の承諾をし、肉まんを引渡し（引渡し債務の履行）、代金を受 け取る。

客Ａ 店員Ｂ

２．契約とは？ ③

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●ビジネス界においては・・・（売買契約） ①何という商品 ②個数は ③納期は ④支払方法は ⑤支払期日は ⑥検収 ⑦引渡しの条件 ⑧商品に問題があったときは？ ⑨代金を払ってもらえなかったときは？ ⑩思っていた商品でなかったときは？ ⑪不可抗力の災害などで、その商品がダメになった場合は？

口約束で大丈夫だろうか？

３.契約書はなぜ必要なのか？

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（１）契約内容に思い違いがないかどうかお互いの確認 契約に基づく権利・義務の発生、変更、消滅などの法律関係を明確にする。 （契約内容の明確化） ⇒ 紛争の防止 （２）契約違反があった場合の対処 証拠書類としての機能、損害賠償請求の請求 ⇒ トラブルへの対応 （３）契約違反をさせないための予防 法的な強制力（抑止力）が強まる ⇒ リスク回避

契 約 自 由 の 原 則 自 己 責 任 の 原 則

４.単発の契約・継続する契約

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● 単発の契約の場合 申込証、注文書 ● 継続する契約の場合 ①基本契約書を作成し、日々の業務においては注文書 基本契約書で合意した条件は、原則として個別の注文書の条件となります。 基本契約：品格、規格、品質、価格、引渡し条件、検収など 注文書：数量、納期など

②債権保全・回収（与信管理） 相手の営業状況、営業上の重要事項の通知義務、期限の利益の喪失条項、契約解除、相殺 担保など

５.インターネットを介した契約

● インターネットを介した契約の場合

利用者が、注文する行為（申し込み）、販売者が利用者の申し込みに対して承諾して（その承諾が

申込者に到達して）契約成立

（電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律）

①電子メールの場合

承諾通知の受信者（申込者）が指定した又は通常使用するメールサーバー中のメールボックス

に読み取り可能な状態で記録された時点。

②ウェブ画面の場合

申込者のモニター画面上に承諾通知が表示された時点。

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６.契約書作成時の注意点①

１ 契約書の様式 Ａ４縦 横書が国際規格

２ ひな形を使う場合の注意点 どちらに有利な契約となっているのかを確認する。

３ 契約の相手が、 権限のある人かどうか

規模の大きい会社ほど、決裁権限があるかどうかが重要。担当者がいなくなったとき、トラブルになる場合がある。

４ 損害賠償、損失補償

リスクの固定化、損害賠償額の予定は、合理理的な範囲内で。

５ 契約解除、解約

合意解除も書面で。争いのある？解除権の行使はなおさら書面で。

６ 前文の利用 どのような目的で、契約を締結するのかをお互いに確認（紛争の抑制効果）。

７ 秘密保持義務等

特に会社の機密事項を扱う場合。ノウハウ、営業機密、特許権、商標権、著作権の利用目的の制限、開示対象者の制限。秘密保持義務はどこまで、いつまで負わせるか、負うのか。

８ 契約の終了と原状回復義務 契約の終了に伴い発生する原状回復義務は、どこまで行う必要があるのか。

９ 印紙税

（請負に関する契約書） 記載された金額 １万円未満 非課税 １万円以上１００万円以下 ２００円 １００万円超２００万円以下 ４００円 ２００万円超３００万円以下 １０００円 契約金額のないもの ２００円 （継続的取引の基本契約書） ２０００円

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６.契約書作成時の注意点②

１０ 契約の権利・義務の発生 変更、消滅、更新、自動更新

契約期間、更新

１１ 不可抗力

契約存続中に地震、天災、戦争、テロなど防ぎようのない事態には、契約に基づく履行ができなかったとしても賠償責任は負わないとする旨。

１２ 合意管轄 訴訟提起する裁判所の管轄。「本契約に関する一切の紛争解決については、第一審の専属管轄裁判所を、横浜簡易裁判所もしくは横浜地方裁判所とする。」

１３ 日付 確定日付の利用。

１４ 契約書の数 当事者の頭数分作成するのが好ましい。

15 修正の可否 修正ペンは使用しない。 ●字削除●字加筆

16 準拠法 どの国の法律に従うのか。

７.店舗・事務所賃貸借契約 （事務所を借りるとき）

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項目（最低これだけは押さえよう）

①賃貸借の期間

②賃貸借の目的

③賃料

④敷金・保証金

⑤フリーレントの有無

⑥賃料の支払方法

⑦転貸の禁止条項

⑧修繕費用の負担

⑨原状回復義務

⑩契約解除事由

⑪敷金の返却、償却

⑫更新

⑬会社の本店所在地としてＯＫか

⑭ビルやマンションなど管理規約の確認はしたか

⑮マンションなど事業用としての借りることがＯＫか

（事例）

Ａ会社は、２０年間、甲からビルの３階を借りていた。１年くらい前から、家賃遅延があり、半年前から未払いのままになっている。このたび、Ａ会社と、連帯保証人になってもらったＸあてに、甲の弁護士から、賃貸借契約の解除通告と、未払い賃料を一括して支払えとの内容証明郵便が届いた。

（事例）

個人事業主Ｂは、甲から事務所としてマンションの一室を借りた。マンション管理組合の規約には、事務所として使用できないとなっているが、問題はあるのだろうか？ （事例）

個人事業主Ｃは、甲から借りていたマンションを退去することになったが、原状回復費として、かなりの金額を請求されている。 原状回復義務はどこまであるの？

８.売買基本契約 （継続的な取引をする場合）

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項目（最低これだけは押さえよう）

①取扱商品について

②商品の引渡条件、場所、危険負担について

③支払条件、支払方法

④商品の保証期間、瑕疵担保責任

⑤商品の製造物責任法上の責任

⑥期限の利益喪失条項、解除（買主の信用情報）

⑦秘密保持義務

⑧契約解除

⑨相殺規定

⑩契約期間、更新

⑪個別売買契約の取り決め

⑫契約上の地位の移転の禁止

⑬不可抗力事由

⑭連帯保証人

（事例） Ａ会社は、製造業である。Ａ会社の商品の一部の部品をＢ会社に委託して作ってもらっている。Ａ会社は、３か月前に、その部品をＢ会社に注文し、納期はとうに過ぎているが、まだ引き渡しを受けていない。Ａ会社も、自己の商品の在庫が少なくなっており、今月中にその部品の引渡しを受けないと、商品の注文に間に合わなくなるため、とても困っている。

９.業務委託・業務請負契約 （ＨＰ作成、コンサルタントなど）

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項目（最低これだけは押さえよう）

①秘密保持義務

②委任、準委任、請負

③業務の内容は明確に！

④報酬の支払方法

⑤費用負担

⑦著作権等の帰属について（ソフト開発など）

⑧契約期間、更新

⑨損害賠償

⑩契約期間内の解除

⑪再委託の可否、再委託先の秘密保持義務

⑫契約変更に関する定め

⑬契約上の地位の移転の禁止

⑭不可抗力事由

⑮合意管轄

（事例） Ａ会社は、Ｂ会社に見積金額１００万円である下請業務を委託した。（契約書等はない）

しかし、事情が変更したため、Ｂ会社の請求書は、３００万円となっている。しかも、Ｂ会社の仕事は杜撰で、もとの発注先からクレームもきて、Ａ会社の信用が失墜した。 Ａ会社は、３００万円の支払をするべきなのだろうか？

１０.リース契約は要注意！

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個人事業主を相手にした、ホームページ作成、通信機器などのリース契約について①途中解約ができない、②リース物件の保守・修繕などで問題になっています！悪質なセールストークにのって急いで契約しないで！

（参照：中小企業庁リーフレット）

１１.契約をうまく交渉するために

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● 自社の利益を図りすぎて、相手にリスクを押しつけていないか？ ⇒ 潜在的な不満により、紛争になりやすい ● 取引先との信頼関係を作る ● 契約の権利・義務の発生、変更、消滅に関する法律関係を明確にし、お互いに把 握する ● 共通のミッションをアナウンスメントする

守りやすく、破られにくい契約書をきちんと作る！

１２.契約違反があった場合

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● 早期に話し合いを行う ● 証拠の収集 ● 金銭の問題の場合には、消滅時効を確認する ● 話し合いでは解決できない場合、ＡＤＲ、裁判等の利用

法律問題にならないようにすることが一番の得策

お し ま い

ご静聴ありがとうございました！

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