Science fictionを書こう
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Entertainment & Humor
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Transcript of Science fictionを書こう
Science Fictionを書こう
内容
● Science Fiction● ボドゥらの言葉
● 要素
● Scienceとは
● ガジェット(小物)
● 世界観
● ギミック(仕掛け)
● 出来事
● 情緒
● 思想など
● Science Fictionの根っこ
● 取り得る方法
● 出発点
● 結末
● ちょっと例を
● あなたが住む世界
Science Fiction● Science Fiction以外では書けないも
のこそがScience Fiction● Science Fiction以外で書けるものは?
(「小説家になろう」のジャンルを参
考に)
○ 恋愛
○ ファンタジー
○ フェアリー・テイル
○ 純文学
○ ヒューマンドラマ
○ 歴史
○ 推理
○ ホラー
○ アクション
○ コメディー
○ 童話
● これらはScience Fictionではない
ボドゥらの言葉● 時代の科学的、技術的な知識に基づき、未
来についてのエクストラポレーション
(外挿)に挑む、そんな、進歩の概念と結び
ついた教育的文学〔「SF文学」より、ヒュー
ゴー・ガーンズバックの言〕
● 科学知識をエクストラポレートすることに留ま
らず、小説の筋立てにおける発想に
おいても科学的な手続きを真似たり模倣した
りする〔「SF文学」より、ジョン・W・キャンベル
の言〕
● 『思索小説』という語を用いて [略] 創られ
た環境下における登場人物の反応や世
界認識が、発明品や人物、あるいはその
両方について、なにかを明かす〔「 SF文学」よ
り、ジュディス・メリルの言〕
● つねに根本的な違和感を、それが近未来の
話であろうといつまでも余韻が残る感動
を、そして知的な、むしろ心地よいズレの感
覚を供する〔「SF文学」(ジャック・ボドゥ , 文庫ク
セジュ , 白水社 , 2011年)〕
要素
● ガジェット(小物)
● 世界観
● ギミック(仕掛け)
● 出来事
● 情緒: 青春、恋愛
● 思想、思索、思弁
Science とは
● Science FictionにおけるScienceとはなにか?
● 科学ではない
○ 未来についてのエクストラポレー
ション(外挿)に挑む
○ 考え方からして、科学的であること
● Science Fictionではなく、Scientific Fiction
ガジェット(小道具)● 世界観を構成する要素
● そのガジェットはScientificか?
● ガジェットがScientificでないなら、重要だとしても……
○ ガジェットにまつわる「Science Fictionではな
いもの」でもかまわない
● そのガジェットを、現代、ファンタジーなどのガジェットに置き換えられるか?
○ 置き換えられるならScientificではない
○ 置き換えたもので作品を書けるはず
世界観
● 未来世界ならScience Fictionか?
● その世界観はScientificか?
● 世界観がScientificでないなら、重要だとしても……
○ その世界での「Science Fictionではないもの」でもかまわない
● その世界観は、現代、ファンタジーなどに置き換えられるか?
○ 置き換えられるScientificではない
○ 置き換えたもので作品を書けるはず
ギミック(仕掛け)● ギミック:
○ 仕掛け
○ 効果
○ およそ、プロット、トリック、描写や表現
● 世界と出来事を繋ぐもの
● そのギミックはScientificか?
○ 小説の筋立てにおける発想においても科学的な手続きを真似たり模倣したりする〔先のジョ
ン・W・キャンベルの言〕
● そのギミックを、現代、ファンタジーなどのギミックに置き換えられるか?
○ 置き換えられるならScientificではない
○ 置き換えたもので作品を書けるはず
出来事
● イベント、エピソード
● その出来事はScientificか?
● その出来事は、現代、ファンタジーなどのエピソードに置き換
えられるか?
○ 置き換えられるならScientificではない
○ 置き換えたもので作品を書けるはず
● ガジェット、世界観、ギミックとも関連する
○ それらがScientificから遠いなら、出来事もScientificから離
れる
情緒
● その情緒はScientificか?
○ 思想へと繋がるものはある
● いわゆる情緒が主眼なら、ガジェット、世界観、ギ
ミック、出来事を再考する
○ 再考により、それらが置き換えられるなら、置
き換えたもので作品を書けるはず
思想など
● 科学的、技術的な知識のエクストラポレーション(外挿)
● 教育的文学
● 小説の筋立てにおける発想においても科学的な手続きを真似た
り模倣する
● 思索小説
● 登場人物の反応や世界認識が、発明品/人物についてなにかを明
かす
● 根本的な違和感、余韻が残る感動を、そして知的なズレの感覚
を
根っこ
● ガジェットは作品をScience Fictionにはしない
● 世界観は作品をScience Fictionにはしない
● ギミックは作品をScience Fictionにはしない
● 出来事は作品をScience Fictionにはしない
● 情緒は作品をScience Fictionにはしない
● 思想が作品をScience Fictionにする
取り得る方法
● ガジェットからの出発は間違っている
● 世界観からの出発は間違っている
● ギミックからの出発は間違っている
● 出来事からの出発は間違っている
● 情緒からの出発は間違っている
● 思想からの出発だけが取り得る方法である*
○ 思想とは疑問である
■ 根本的な違和感
■ 余韻が残る感動
■ 知的なズレ
出発点
● 思想であり、疑問である
● それを持たないかぎり、Science Fictionは書けない● 安寧、安心、理解、共感からの出発はScience Fiction
ではない
結末
● Science Fictionには結論は存在しない● 結論は安寧、安心、理解、共感である
○ そのような作品は結論や内容、作者の意見を読者に押し付ける
● 結論はこれらと相容れない
○ 根本的な違和感
○ 余韻が残る感動
○ 知的なズレ
● 存在するのは結末だけ
○ 結末は存在しなければならない
○ 結末がなければ、思想は完成しない
ちょっと例を
● 巨大ロボット、戦闘ロボット
○ それらはゴーレムに置き換えられないか?
■ OSや機構の話ではない
■ それらが果たす役割
○ 世界観は変わるかもしれない
○ だが、作品そのものは変わるか?
■ おそらくは変わらない
■ ならば、それらはScience Fictionとして書く
理由がない
あなたが住む世界
● クラークの言う「魔法の世界」に、すでに私たちは住んでい
る
○ あなたが「科学的」と思うことのほ
とんどは、実質的に魔法である
○ 魔法の世界に住んでいる人々
に科学的であることは理解
できない
● つまり、あなたにはScience Fictionは書けない