Sano tokyowebmining 36_20140526
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Transcript of Sano tokyowebmining 36_20140526
確率過程と戯れる
Tokyo webmining #36, May 2014Unconference
Masakazu Sano / 佐野正和 / @Masa_S3Fringe81 inc.
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自己紹介
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•@Masa_S3/ 佐野正和
•Fringe81 株式会社 ( ネット広告の会社 ) でデータアナリストを担当 ( 分析・ロジック設計から簡単な実装まで )
•バックグラウンドは素粒子物理学
•最近 Qiita で分析技術ネタの連載を開始しました。やってみよう分析!シリーズ
悩み
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•広告データはカオスの塊。
•でも配信状態を最適化しなければならない。
•変数の確率的な動きをとらえるのに四苦八苦。
•動的に逐次最適化するにはどうしたらいいだろうか。
•広告配信によって何が起きているのかもっと知りたい!
アイデア
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•金融工学つかえないかな?(ずーっと、もやもやしている)
•証券価格の動きやポートフォリオを分析。広告に似ている。
•例えばブラックショールズ方程式は dS/S =μdt + η を満たす確率変数 S のダイナミクスから導出。
•ブラックショールショールズ方程式は経路積分を使っても導出できることが知られている。
•経路積分を応用できれば確率制御の可能性広がりそう。
•より一般的な確率ダイナミクスに対する経路積分表示が導けたら、ダイナミクスを表す確率分布が得られる。そしたら、分散とか平均とかの期待値計算できる。これ使って動的に最適化できそう。
経路積分 (Path integral)
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•素粒子物理学で誕生•Richard Feynman( ノーベル賞学者 ) が発明 (1948) 。•確率変数と戯れる便利ツール。•現代素粒子物理学では必要不可欠。
wikipediaの定義によって様々な確率過程の分布が定まる
議論しましょう
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•難しそうですがアイデアベースで、できるだけ易しい進行に努めます。
•前半:経路積分と確率過程についてミニレクチャー(イメージ重視)
•後半:経路積分を使ったらこんなことできそう等、アイデアベースで実務への応用可能性を意見交換したいです。
補助資料
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なぜ経路積分
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確率過程を決めれば、ほぼ自動的に対応する確率分布が 1 つ定まる ( 少なくとも形式的に定義可能 ) 。トップダウンで議論可能。
複雑な相互作用を含んだ形で自然に確率分布が定まる。対象の全体理解・最適化に応用可能か?
原理的には、変数間の複雑な相互作用効果を含んだ期待値、分散を計算できる。
ポートフォリオ最適化に応用可能か?ユーザフローの予測に応用可能か?精度向上?
素粒子物理学で蓄積された計算技術を活用できる。格子モデル、数値計算、摂動論、超対称性。。。
経路積分• 経路積分は素粒子の状態変化の実現確率を表す。• マクロの世界(ニュートン力学)では運動は決まった軌道を描く。• ミクロの世界 (量子力学 ) で電子などの素粒子は移動軌道を確定でき
ない。• 例えば電子が位置 A→位置 B へ移動を考えた場合、通りうる軌道は無
数にあり、軌道毎に実現確率が与えられる。その中で最も確率の高い軌道が実現される。小さい確率で別の軌道が実現されることもありうる。
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マクロ ミクロ
実現確率:低
実現確率:低実現確率:高この軌道のみ起こ
る
経路積分
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時間
座標
1 つのパスの実現確率
経路積分
11
時間
座標
あらゆる経路の寄与を含めた実現確率
経路積分
12
時間
座標
この部分を最大化する
最も起こりうる経路が求まる
経路積分• 例を考えてみましょう。• 正規分布
13
時間
座標
確率が最大化される経路
経路積分の応用アイデアの模索• 実用上は確率変数が互いに相互作用を持つと考えるほうが自然。• たとえば impression と search の増減率を記述できないだろうか?
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時間
Impression の増減率
Search の増減率
経路積分の応用アイデアの模索 2• ウェブ上のユーザ行動モデリングに使えないか?
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例えば、 i番目の媒体で I={imp, click, search, CV} したユニークユーザ数の増加率
離散時間
??
補助資料 2(参考文献も参照 )
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経路積分
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経路積分実現の可能性が最も高い経路:最尤法との関連
18
経路積分確率過程と経路積分
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= 1
応用事例• ブラック・ショールズ方程式• 経路積分を使うと簡単に計算できる ( 実用的 )
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原資産価格
参考文献• G. Parisi and N. Sourlas, Supersymmetric
Field Theories and Stochastic Differential Equations, Nucl.Phys. B206 (1982) 321
• Yu Nakayama, Gravity Dual for Reggeon Field Theory and Non-linear Quantum Finance , Int.J.Mod.Phys.A24:6197-6222,2009
• J. Dash, Quantitative finance and risk management : a physicist’s approach, World Scientific Pub., 2004.
• J. Dash, Path Integrals and Options, Part I, CNRS Preprint CPT88/PE.2206. , 1988
• J. Dash, Path Integrals and Options, Part II, CNRS Preprint CPT89/PE.2333., 1989
• VADIM LINETSKY, The Path Integral Approach to Financial Modeling and Options Pricing, Computational Economics, 11 (1998) pp. 129-163.
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