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令和 元年 7 月 16 日 発行 「健康と福祉の研究会」第 8 回大会を終えて 「健康と福祉の研究会」は、波多野 義郎 先生(東京学芸大学名誉教授)にお世話になったゼミ 生が中心となり、全国に散在している波多野ゼミ関係者同士の情報交換や学術研鑽の場として、平 成23年9 月に研究会として設立し、毎年、様々な分野の参加者を募り研究会を開催しております。 昨年は当番世話人の 森 千佐子 氏(日本社会事業大学)のもと、平成30 年8 月27 日(月曜日) 東京学芸大学(東京都小金井市)にて第 8 回大会を開催しました。 この大会では、特別講演①と しまして、波多野義郎先生(現 東京学芸大学名誉教授)より、ご自身の半生を振り返り研究者並 びに教育者としての心構えについてご講演頂きました。特別講演➁では久保田晃生 先生よりメル ボルン(オーストラリア)への特別研究期間制度を利用した留学体験をご講演いただきました。 いずれも、参加者にとって有意義な提言や情報提供がなされたものと思います。 また、後半の一般演題も非常に活況で、14 題の会員による研究報告や活動報告がありました。 さらに、研究会終了後には、多くの参加者を交えた懇親会が盛大に開催され、参加者間の情報交換 として色々な話に花が咲きました。 最後になりましたが、第 8 回大会に際しまして、中心になってご準備いただいた世話人ならびに 会場使用を快くご許可いただきました東京学芸大学にはこの場をお借りして深謝申し上げたいと 思います。ありがとうございました。 健康と福祉の研究会 Newsletter 8

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  • 令和 元年 7 月 16 日 発行

    「健康と福祉の研究会」第 8 回大会を終えて

    「健康と福祉の研究会」は、波多野 義郎 先生(東京学芸大学名誉教授)にお世話になったゼミ

    生が中心となり、全国に散在している波多野ゼミ関係者同士の情報交換や学術研鑽の場として、平

    成 23 年 9 月に研究会として設立し、毎年、様々な分野の参加者を募り研究会を開催しております。

    昨年は当番世話人の 森 千佐子 氏(日本社会事業大学)のもと、平成 30 年 8 月 27 日(月曜日)

    東京学芸大学(東京都小金井市)にて第 8 回大会を開催しました。 この大会では、特別講演①と

    しまして、波多野義郎先生(現 東京学芸大学名誉教授)より、ご自身の半生を振り返り研究者並

    びに教育者としての心構えについてご講演頂きました。特別講演➁では久保田晃生 先生よりメル

    ボルン(オーストラリア)への特別研究期間制度を利用した留学体験をご講演いただきました。

    いずれも、参加者にとって有意義な提言や情報提供がなされたものと思います。

    また、後半の一般演題も非常に活況で、14 題の会員による研究報告や活動報告がありました。

    さらに、研究会終了後には、多くの参加者を交えた懇親会が盛大に開催され、参加者間の情報交換

    として色々な話に花が咲きました。

    最後になりましたが、第 8 回大会に際しまして、中心になってご準備いただいた世話人ならびに

    会場使用を快くご許可いただきました東京学芸大学にはこの場をお借りして深謝申し上げたいと

    思います。ありがとうございました。

    健康と福祉の研究会 Newsletter 第 8 号

  • 講演風景(特別講演① 波多野義郎 先生)

    研究会終了後(世話人および発表者一同)

  • 第 8 回大会 スケジュール(発表テーマおよび発表者一覧):

  • オーストラリアでの研究留学を終えて

    東海大学 体育学部 生涯スポーツ学科 教授 久保田晃生

    2018 年 5 月 1 日から 2019 年 2 月 28 日までの 10 か月間,Australian Catholic University(ACU)

    の研究機関である Mary MacKillop Institute for Health Research(MMIHR)に Visiting Fellow

    として在籍しました.ACU は,オーストラリア国内に 6つのキャンパスを持つ総合大学です.MMIHR

    は,Melbourne の City にあり,多くの世界的な研究者が研究活動をおこなっています.研究所に

    は,Behaviour, Environment and Cognition Research Program,Exercise and Nutrition Research

    Program,Microstructural Imaging and Rehabilitative Plasticity Program の 3 つのチームが

    あります.特別研究期間中は,Behaviour, Environment and Cognition Research Program の

    Professor Takemi Sugiyama の下で研究活動を進めさせて頂きました.このチームには,世界的な

    研究者である Professor Ester Cerin,Professor Jim Sallis なども所属しています.Professor

    Takemi Sugiyama は,健康科学を専門とし,環境と身体活動の関連について,数多くの研究論文を

    公表しています.特別研究期間では,Professor Takemi Sugiyama の支援を得て,日本で進めてい

    た環境と身体活動に関する研究のデータを分析し,論文化を中心に進めてきました.結果,4本の

    筆頭論文と1本の共同論文を投稿することが出来ました.このうち,4本は採択され残りの2本は

    現在査読中です(表).最近の国際誌は,インターネット上のオンライン投稿で,世界中から容易

    に投稿が可能です.そのため,投稿数が増え,査読者を見つけるのが困難となり,査読期間が掛か

    るといった傾向にあるそうです(今回も最初の査読が戻るまで長いもので 6 ヶ月かかりました).

    また,国際誌の中には,紙の雑誌を持たずに,採択された論文をインターネットを通じて広く公開

    するような Open Access のみの雑誌もあります.今回1本投稿しましたが,最終的な掲載料が 30

    万円ほどです.高額な経費の確保も,今後の課題です.この他に Australian Association of

    Gerontology の年次総会で口頭発表を行いました.質疑応答は,まだまだ課題がありますが,良い

    経験をさせて頂きました.

    Melbourne の滞在は,見識を広める機会にもなりました.Melbourne には,アジア系の国を中心

    に,様々な文化が混在しています.それを反映して City 内では 10 分も歩けば,中華料理,日本料

    理,韓国料理,ベトナム料理,インドネシア料理,マレーシア料理,タイ料理,インド料理など世

    界各国の食事が堪能出来ます.クラフトビールも数多くのバーで提供され,室内よりも室外の席で

    会話をしながら豊かな時間を過ごす人が多かったのも印象的です.私は,日本以上の歩数であった

    のに,体重が右肩上がりでした.加えて,Melbourne では,メガスポーツイベントが年間を通じて

    開催されています.多くのスポーツを市民が気軽に観戦できる状況で,スポーツが生活に溶け込ん

    でいます.また,各地に大きな公園が整備され,リラックスする場として活用されています.

    Melbourne での生活は,時間の流れがとても緩やかでした.今後の人生に役立つ,とても良い期間

    を過ごすことが出来ました.

  • 表.特別期間中に投稿した論文 採択

    1) Kubota A, Matsushita M, Arao T, Merom D, Cerin E, Sugiyama T. (2019) A

    community-wide walking promotion using maps and events for Japanese older

    adults. Journal of Aging & Health, 18:898264319848868.

    2) Kubota A, Matsushita M, Smith BJ, Sugiyama T, Arao T. (2019) The impact of a

    new exercise facility on physical activity at the community level: a non-randomized

    panel study in Japan. BMC Public Health, 18;19(1):777.

    3) 久保田晃生・松下宗洋・荒尾孝・杉山岳巳.(印刷中)運動スポーツ施設の開設が近隣

    地区の身体活動と身体活動促進要因へ及ぼす影響-健康づくりの長期的調査結果からの

    検討-.厚生の指標.2020 年 1 月号

    4) Kubota A, Carver A, Sugiyama T. (in press) Associations of Local Social

    Engagement and Environmental Attributes with Walking and Sitting among

    Japanese Older Adults. Journal of Aging and Physical Activity.

    査読中

    1) Sugiyama T, Kubota A, Sugiyama M, Cole R, Owen N. (under review) Age-related

    variations in distances walked to and from local destinations: Implications for

    determining buffer sizes. Journal of Transport and Health.

    写真.Melbourne 市内にて

  • 研究会での感想・お礼・近況報告

    大分リハビリテーション専門学校 大野 智之

    第 1 回目の研究会に声を掛けて頂いて以来、昨年で通算 5 回目(懇親会のみの参加を含めると 6

    回目)の参加となりました。振り返ってみますと、鹿屋体育大学(2011)にはじまり、上海(2015)では中国の活気と逞しさを肌で感じる機会もありました。東海大学湘南キャンパス(2017)では、学部生や院生の皆様の素晴らしい発表を拝聴させて頂きました。昨年(2018)は東京学芸大学とメルボルンを繋いでの開催ということで、改めて worldwide な研究会だなと感じました。 このように、毎回貴重な経験や新たな出会いと発見をさせて頂いており、個人的にはとても楽し

    ませて頂いております。これも偏に波多野先生をはじめ、研究会世話人の先生方のご尽力によるも

    のと深く感謝申し上げます。この素敵な研究会が、今後も継続されますことと参加される皆様のご

    活躍を祈念致します。 さて、近況としては昨年度まで担任をしていた 3 年生が全員無事に社会へ巣立つことができまし

    た。ひと安心したのもつかの間、4 月から新 1 年生の担任として学生さんたちと賑やかに過ごしています。昨年度は、国家試験対策に追われながらも認定理学療法士の資格を取得し、少しずつスキ

    ルアップにも努めております。また、大分県理学療法士学会の運営に携わる一方、2020 年に大分で開催される全国理学療法学術研修大会の準備委員としても運営に携わっており、忙しくも充実し

    た日々を過ごしております。 全く関係ありませんが、今年はラグビーワールドカップの試合が大分でも開催される予定です。

    大分へお立ち寄りの際には、ぜひお声かけ下さい。

    (写真左から武田・大野)

  • 第 9 回健康と福祉の研究会のご案内

    標記研究会を下記の通り開催予定です。お知り合いの方など,研究会に興味を持って頂ける方が

    いらっしゃれば,是非,お声を掛けて下さい.多くの皆様方のご参加をお待ちしております。

    日時:2019 年 8 月 24 日(土)13 時開始予定

    場所:東海大学高輪キャンパス(1号館 201 教室)

    ※校舎マップ,アクセス情報については、下記の研究会ホームページをご参照ください.

    ※当日他団体の使用がありますので,1号館以外(他団体使用号館)への立ち入りをしない

    ように,ご協力をお願いします.

    住所: 東京都港区高輪 2-3-23

    電話: 03-3441-1171(代表)

    内容:「キーノートレクチャー」および「一般演題(近況報告)」の 2部構成

    参加申し込み:参加を希望される方は,①氏名,②所属,③発表区分(一般演題,近況報告),

    ④発表タイトルを,7 月 31 日(水)までに日本社会事業大学 森 千佐子 研究

    室([email protected])へご連絡ください.また,発表に関する抄録は 8月 10

    日(土)までに同じく森 千佐子 研究室へお送りください.なお,抄録にも発表

    区分(一般演題,話題提供),タイトル,所属,氏名を記入し,全体で 400 文字

    程度にて作成して下さい.

    参加費: 無料(※別途,懇親会費がかかります)

    健康と福祉の研究会 HP: https://healthandwelfare.web.fc2.com/index.htm

  • (資料) 第 9 回健康と福祉の研究会 特別講演にて波多野先生よりご講演頂く内容の事前資料

    です。ご覧ください。

    1990~1999 年の波多野の専門領域活動の記録

    1998 年に TGU(東京学芸大学)を定年退職(63 歳)し(4.5 ケ月間はフリーな生活),同年 8 月から2

    年間(65 歳まで)鹿屋体育大学にて教授職を与えられた.TGU 退職前 4年間(1994~1998)は TGU の代

    議員,第 4部長の重責もあり,加えて各種国際学会の行事も多く,短期間に沢山の仕事をこなす必

    要があった.何とか仕事を全うしたが,退職出来てホッとしたものである.退職を記念して米国と

    中国を家内と 2人で旅したが,授業/大学運営等のプレッシャーからの開放感は嬉しかった.

    省みると,1993 年のイチパー(国際保健体育学会)横浜大会,1995 年の WAS(世界性科学学会)横

    浜大会の計画・立案・組織づくり・募金から実行に至る全ての主宰(ともに組織委員会事務局長)業務

    だけでも,並の人では想像もつかないような大行事だったのだ.

    この間にはドイツ・シンガポールの公式行事(厚生省からの依頼による健康づくり事情の視察・情報収

    集,1990), ACS(第 1 回アジア性科学研究大会

  • と,国際副会長に任命される(WAS の事例と同パターン). こうしてこの時から

    WAS/ICHPER ともに波多野が世界の国際会議の運営の中心となったのである.

    ー帰路 パリを始めフランス国内旅行を楽しみ,Dinard でタラソテラピーを体験体験し

    たのだがこの体験が,日本タラソテラピー(海洋療法)研究会の組織化に連なった.

    万歩計が JIS 規格に基づいて精度標準化された.

    1992 AFS(アジア性科学学会第 1回大会)at 上海 FIMS-Asia (国際スポーツ医学会)大会 at上海

    イチパー欧州 at Praha(as イチパ-副会長) 「運動でヘルスケア」(中災防刊)

    1993 イチパー世界大会 at横浜パシフィコ as事務局長 Asia Youth Fitness Test Report Book

    WAS 大会 at Rio de Janeiro 日本から性教育分野の関係者がおよそ 20 名でこの旅に加わ

    り,この勢いで,日本での WAS 大会開催に向けて弾みがついたのだった.

    1994 ACS at Dehli,India AAHPERSD at Denver→UO(母校に一寸里帰り)

    1995 還暦祝会 at 東京 YMCA WAS 大会 at 横浜パシフィコで開催.大成功

    KAHPERD 大会 at ソウル(招待講演) 1993 年イチパー横浜大会,1995 年 WAS 横浜大

    会を企画運営した実績を経て,性科学学会,体育学会ともに,世界の波多野が采配を

    振るうことになってしまい,忙しくなった. 「ヘルシーウォーキング」刊行

    1996 Dr. David Bassett(U Tennessee)が万歩計(Digi-Walker)を高く評価(Research Quarterly 誌―

    「世界の波多野」がこれにより生まれたと言っても良いかも).

    第 4 部長 ACSM(アジアスポーツ医学会)大会 at Manila ICHPER-Asia 大会 at

    Manila(1 ケ月に 2回) AFS(アジア性科学学会)大会 at 台北 ISCPES(国際比較体育学

    会)大会会長 at 八王子 Seoul オリンピック科学会議 at ソウル 2nd ICHPERSD Asia

    会議 at Cebu(比)

    1997 WAS 大会 at Valentia ICHPER 大会 at Seoul 単行本「ウォーキング」を刊行

    Paffenbarger(Ball State 大,著名な運動生理学者)来日 親交を結ぶ

    1998.3(平成 10 年) 東京学芸大学定年退官 名誉教授 定年を記念して,晴代を伴って中国・米

    国を講演旅行, 両国の友人たちが暖かく受け入れてくれた. Springfield College,

    Boston, New York, Wash., DC, Roanoke College, 西安,北京,上海,蘇州,

    夏 日本万歩クラブ カナダの旅―ロッキー山脈 「図説 運動処方の理論と実際」コム社

    「ウォーキングと歩数の科学」不昧堂 「体育測定評価の研究」不昧堂

    「ベストウォーキング」朝日ソノラマ

    定年記念刊行物は揃った. 一方 学内では第四部長・代議員を経て満期退職,退職記念

    旅行も中国・米国と巡った.その上 4ヶ月間が空いたとは言え再就職も与えられた.

    ラッキーなことに翌年にはエジプトと香港,更に屋久島の旅の機会も与えられた.

    鹿屋体育大学に在勤時に運転免許を取り,九州での活動範囲が急速に拡大し,2008 年

    までの九州在任中に九州各地を訪問・観光の旅を楽しんだ.

    1998.8~2000.3 鹿屋体育大学教授 鹿屋での研究活動もそれなりに充実した物となり,学問的欲

    求にも恵まれた環境だった.指宿マラソンは初体験だったが,何とか実現をすること

    が出来た. 伴って屋久島の旅に挑戦したり,退職時には五島/平戸の旅も実施するこ

    とが出来た.

    1999.1(64 歳) 指宿マラソン完走 屋久島の旅 九保大開学式 桜島の旅

    ICHPER カイロ→ルクソール(タラサ<海洋療法を初体験>) WAS 大会 at 香港

    「ウォーキングのすすめ」刊行

    1999.3 健康づくり指導者養成テキスト「運動分野」改訂 2版(東京都健康推進財団)刊行

  • 平成 30 年度 健康と福祉の研究会 決算報告

    前年度繰越金 29,079 円

    当期収入合計 0 円

    当期支出合計 0 円

    次年度繰越金 29,079 円

    収入の部

    科目 項目 本年度決算額(円) 摘要

    会費 0 徴収無し

    雑収入 0

    利息 0

    今年度収入合計 0

    前年度繰越金 29,079

    収入合計 29,079

    支出の部

    科目 項目 本年度決算額(円) 摘要

    活動費 0

    交際費 0

    消耗品費 0

    事務印刷費 0

    備品費 0

    雑費 0

    支出合計 0

    次年度繰越予定金 29,079

    総合計 29,079

    上記のとおり報告します。

    令和元年 7 月 10 日

    世話人 久保田 晃生

    上記のとおり相違ないことを証明します。

    監査 大野 智之

  • 世話人より一言

    本会は,体育,福祉,保健,看護,リハビリ等の様々な分野から研究に従事する者のみならず,

    医療や福祉の実務者にもご参加いただいています. 年 1回の研究大会は研究者と実務家の情報交

    換の場としてより一層有益な場にしていきたいと考えております. 今後とも本研究会の活動に多

    くの皆様方のご理解とご賛同をいただければ幸いです.宜しくお願いいたします.

    <連絡先>

    「健康と福祉の研究会」事務局

    〒259-1292 神奈川県平塚市北金目四丁目1番1号

    東海大学 体育学部 生涯スポーツ学科 久保田研究室内

    TEL: 0463-58-1211 (代表)

    メールアドレス: [email protected]