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(2019 B日程 国語) 60 22 7

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(2019 B日程 国語)

(60分)

試験開始の合図があるまで、この問題冊子を開かず、

左記の注意事項をよく読むこと。

1、問題冊子は、22ページまであります。

2、解答用紙は問題冊子の中央にはさんでいます。解答はすべて、解答用紙に書き込みなさい。

3、始め、の合図でページ数を確認し、受験番号・名前を書きなさい。

4、問題の内容についての質問には、いっさい応じません。印刷のはっきりしないところがあれ

ば、静かに手をあげなさい。

5、時間を知りたいときも、静かに手をあげなさい。

6、具合が悪くなったり、トイレに行きたいときは、手をあげて監督の先生の指示に従って

行動しなさい。

7、問題冊子は、各自持ち帰ってよろしい。

注意事項

国 

語 

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(2019 B日程 国語)

(60分)

試験開始の合図があるまで、この問題冊子を開かず、

左記の注意事項をよく読むこと。

1、問題冊子は、22ページまであります。

2、解答用紙は問題冊子の中央にはさんでいます。解答はすべて、解答用紙に書き込みなさい。

3、始め、の合図でページ数を確認し、受験番号・名前を書きなさい。

4、問題の内容についての質問には、いっさい応じません。印刷のはっきりしないところがあれ

ば、静かに手をあげなさい。

5、時間を知りたいときも、静かに手をあげなさい。

6、具合が悪くなったり、トイレに行きたいときは、手をあげて監督の先生の指示に従って

行動しなさい。

7、問題冊子は、各自持ち帰ってよろしい。

注意事項

国 

語 

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国語B

( 1 )

問題は次のページから始まります

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国語B

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( 1 )

一 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。(なお、字数制限のある問いは句読点や「 」なども一字にふくみます。)

 

ドバトは本当に世界のどこにでもいる。ニュージーランドでも、アメリカの東海岸でも、

ふつうに歩いていた。日本で

も、駅や神社に行けば、かなりの確率で遭そ

遇ぐう

する。気がつくと、家のベランダで子育てしていることさえある。

 

ドバトは、もともとは地中海沿岸から中東、インドにかけて生息していたカワラバトを品種改良して生み出された。そ

のため、自然界にドバトという種は存在しない。そして日本を含め、もともとの生息地以外の場所で暮らすドバトは、す

べて移い

入にゅう

種しゅ

である。

 *家か

禽きん

化されたカワラバトは何度も人間のもとを逃げ出し、野生の仲間のもとに帰っては交配を繰く

り返した。しばらく

するとまた別のグループが家禽化され、そのうちの一部から大部分がまた逃げる。その繰り返しが二千年以上も続いた。

その過程も、彼らの分布を拡げることに大きく関か

与よ

・影え

響きょう

した。

 

人間が*愛あ

玩がん

目的以外で飼育してきた鳥には、ニワトリやアヒル(=

マガモ)、タカやウなどがいるが、カワラバトを中

心とするハトとの関係もまた、とても長い。

 

風雨も回か

避ひ

できる安全な場所として、人間がつくった建物などが有用だとわかると、カワラバトはそこに住み着くよう

になった。ほどなく、そうした建物が巣やねぐらとなっていくわけだが、帰き

巣そう

本ほん

能のう

があるため、そこで生まれ育ったハト

もまたおなじ場所で暮らすようになる。ただ、あまりにも増えすぎて生息が過密になると、一部は近くで住みやすい場所

を探す。こうして人間と関わって暮らすエリアが広がっていった。いつしか、ハトが自分たちの役に立つことを知った人

間が、積極的に「飼う」ようになって今に至る。

 

ハトがもつ帰巣本能の利用は、ある種の逆転の発想の賜た

物もの

だったのだろうと思う。

住み着いたハトが増え、その鳴き声

や糞ふ

などに困った人間が、「殺すのはしのびない。遠くで放せば、そこで暮らしてくれるだろう」と考え、それなりの距き

離り

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( 2 )

があった場所にハトを置いてきたとする。しかし、*安あ

堵ど

しつつ帰宅してみたら、なんとハ卜は自分よりも先に家に帰り

着いていた。

 

どんなに遠くに捨てても戻も

ってきてしまうハト。「もしかしたら、この性質は(   

)かもしれない!」と考えた人物

がいて、伝で

書しょ

鳩ばと

は始まったと考えられている。

 

そんな伝書鳩の起源は、古代の*メソポタミアにあったらしい。*バビロニアでは伝書鳩の通信網も

が都市を結んでいたと

いう話もある。その後、ローマ帝て

国こく

が広い領土内の情報伝達手段として、また軍事連絡手段として、カワラバトを改良し

た伝書鳩を利用した。

 

電気を使った通信技術が発明されるまで、伝書鳩による伝達が最速の通信手段だったため、ハトによる通信はヨーロッ

パを中心に長く利用されることとなった。

 

日本にドバト(カワラバト)が渡来したのは、飛鳥時代かその前後で、遣け

隋ずい

使し

や遣け

唐とう

使し

が帰国した際、ネコなどととも

に中国から連れて来られたのがその起源とされる。

 

ただし日本では、江戸時代中期以前に伝書鳩を利用した例はほぼ見られない。当時、日本にいたのは伝書鳩が再野生化

した「ただのドバト」であり、さらに「ハトが情報を伝える手段となる」という事実もあまり伝わってはおらず、その有

用性を知らなかったためだ。日本で伝書鳩が利用されるのは、十八世紀の後半以降となる。

 

天明三年(1783年)三月四日付の「大お

坂さか

町まち

奉ぶ

行ぎょう

触ふれ

書がき

」によれば、幕府の許可のもと、

大坂で米市場の運営に携た

ずさ

わっ

ていた相さ

がみ模

屋や

又また

市いち

という商人が、伝書鳩を使って違法に*米相場の情報を伝達した旨む

で幕府に捕ほ

縛ばく

され、処し

罰ばつ

されている。

ハトの足に、米相場の上下動の情報を書いた紙をくくりつけて放したのだという。

 

相場で儲も

けようとするなら、だれよりも早く相場の変動情報をつかみ、関係者に知らせることが大事となる。

それにハ

トを使うことを思いついたのは、この商人の*慧け

眼がん

といえる。

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( 3 )

 

この時代、大坂や堺の商人は、出島のオランダ商館とつきあいがあったことから、そうした相手から「伝書鳩」のこと

を教わる機会があったのだろう。また、伝書鳩は日本では作さ

出しゅつ

されなかったため、ハトの入手自体も長崎のオランダ人か

らだったと推察される。

 

奇く

しくも、相模屋又市が伝書鳩を使った時期を境に、欧州を中心に、記録として残る伝書鳩利用の例が増えてくる。

 

世界でいちばん安全な場所と信じる「自宅」に戻って眠ね

りたいという衝し

ょう

動どう

がハトの心にはあり、それを帰巣本能と呼ん

でいるが、帰巣が可能になるには、いくつかの特別な才能が必要となる。帰りたいという気持ちだけで家に帰れるわけで

はない。

 

はっきり言うと、ハトにはほかの鳥にはない特別な資質がある。私たち人間は、その事実を知らないまま、ハ卜を利用

し続けてきたことになる。

 

鳥の目と脳には、磁気を感じるセンサーが備わっている。それによって地磁気の方向がわかり、どちらが北でどちらが

南かを感覚的に知ることができる。渡り鳥の多くはもちろん、ハトにもそれがわかる。また、渡り鳥は、太陽や星の角度

から向かう方向を知り、迷わず目的地に向かうことができるが、ハトもそれを利用する。

 

加えてハトは、高い記憶能力と視覚処理能力をもっている。

 

一度通った場所は、山や木や建物などを目印(=

ランドマーク)として記憶することがハトにはできる。重要な情報は

忘れることなく、脳に留めておくことができるのだ。

 

また、大きな建物や木などをランドマークとして活用する際は、1、2度それを見ただけで、ちがう角度、ちがう高さ

からそれを見ても、同一の物体だと理解できる。たとえば、

スカイツリーも都庁も、どこから見たとしても、それがスカ

イツリーであり都庁であると、ハトは瞬し

ゅん

時じ

に理解できる。また、樹木や建物の一部だけを見て、それがなんなのかを正確

に判断することもできる。

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( 4 )

 

通った道を正確に記憶して、細かい情報をもとに、あとから思い出して正しい道を選択するのに、人間は脳の中の「海

馬」を活用する。ハトもまったくおなじだ。

 

海馬は日常的に使い続けると肥ひ

大だい

してきて、肥大することで、より高度に機能するようになる。まだカーナビのない時

代、ロンドンでタクシー運転手の海馬を調べる実験が行われ、よく道を知る運転手ほど海馬が大きくなっていることが事

実として確認されている。

    

、野生のカワラバトと、伝書鳩として代々飼育されてきたハトの脳を比べると、伝書鳩の方が明らかに、はるか

に海馬が大きい。   

、千キロメートル以上も離れた場所から、自分の家に帰ってくることができるわけだ。   

家禽となったカワラバトの「伝書鳩化」とは、帰巣に必要な能力を引き上げるための、脳を含ふ

めた種の改良の結果だった

ことになる。

 

加えて、あと2点、ハトには秘めた特別な能力がある。ひとつめは、「ハトは匂に

いがわかる」ということ。嗅き

ゅう

覚かく

が弱い

と信じられている鳥類だが、ハトには特別強い嗅覚が備わっている。その能力を使ってハトは、特定の土地の「匂い」を

感じ取っている。もちろん、嗅か

いだことのある匂いは、その土地のランドマークと重ねるかたちで完か

璧ぺき

に記憶される。

 

海辺や、特定の樹木が繁し

った山の上空には、その土地ならではの匂いがある。特定の工場がある場所では、空気の匂い

が変わる。町/町/その/すべての/なら/には/では 

の匂いがある。飛行しながら場所ごとの匂いの情報も脳に刻む

ことで、ハトは正確な帰路をたどるための手助けにしているのだ。

 

また、ハトは敏び

感かん

な大気圧センサーももっている。ある高さから十メートル上じ

ょう

昇しょう

した位置、十メートル下降した位置の、

ごくわずかな気圧のちがいがハトにはわかる。当然、低気圧が近づけばそれを察するし、前方に雨雲があって気圧が低く

なっていることも、飛びながらつかむことができる。こうした高度なセンサー類を組み合わせて使うことで、ハトは確実

に家へと帰っていたのである。

(細川博昭『身み

近ぢか

な鳥のすごい事典』)

A

B

C

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( 5 )

(注)

 

*家禽……家畜として飼育される鳥。鶏・あひる・七面鳥など。

 

*愛玩……大切にし、かわいがること。多く、小さな動物についていう。

 

*安堵……気がかりなことが除かれ、安心すること。

 

*メソポタミア……メソポタミア地方(現在のイラク)。世界最古の文明発はっ

祥しょう

の地。

 

*バビロニア……メソポタミア地方にある都市バビロンとその周辺地域。

 

*米相場……米が売買取引されるときの値段の高低。

 

*慧眼……賢か

しこ

くて鋭す

るど

い眼が

力りき

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( 6 )

問1 

傍線部⑴「その過程」の説明として最も適切なものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 

もともとは地中海沿岸から中東、インドにかけて生息していたカワラバトが、アメリカや日本で品種改良され、

すでに二千年以上も経ったという過程。

イ 

家禽化されたカワラバトが野生の仲間と交配することによって、今では自然界にドバトという種が存在しなくなっ

て、二千年以上にもなるという過程。

ウ 

日本を含めてもともとの生息地以外の場所で暮らすドバトは移入種とされ、人間のもとから逃げ出すことを繰り

返して、二千年以上になったという過程。

エ 

せっかく品種改良して家禽化したカワラバトなのに、グループの中の一部から大部分が逃げ出してしまうことを、

二千年以上も繰り返しているという過程。

オ 

家禽として飼われたカワラバトが逃げ帰って交配することが、さまざまな地域のさまざまなグループで、二千年

以上も繰り返されてきたという過程。

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( 7 )

問2 

傍線部⑵「こうして」とはどういうことを指すか、その説明として最も適切なものを次の中から一つ選び、記号で

答えなさい。

ア 

まずニワトリやアヒルが愛玩目的以外で飼育され、カワラバトも人間との関係が長くなり、やがて風雨も回避で

きる安全な場所として人間がつくった建物に住み着くようになったこと。

イ 

まずカワラバトが人間に飼育されるようになり、そのまま人間がつくった建物が巣やねぐらとなり、そこで生ま

れ育ったハトもまた同じ場所で暮らすようになったこと。

ウ 

まず人間がつくった建物にカワラバトが住み着き、その子孫も本能に従って同じ場所で暮らすようになり、さら

に増えた個体はその周囲に住みかを広げていったこと。

エ 

まず人間がつくった建物に飼育されたカワラバトが住み着き、その子孫は帰巣本能により生まれ育った場所に戻

り、過密になるとまた人間がつくった建物の近くに来たこと。

オ 

まずカワラバトが人間に愛玩されるようになり、人間がつくった建物を巣やねぐらとして、さらに子孫が増えて

生息が過密になると人間が別の場所に移り住むことにしたこと。

問3 

傍線部⑶「逆転の発想」とありますが、ここではどのような発想か、「逆転」の意味が明確になるように、解答らん

に合う形で四十字以内で説明しなさい。

問4 

傍線部⑷「もしかしたら、この性質は(   

)かもしれない!」の空らんに当てはまるものとして最も適切なも

のを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 

変えられる  

イ 

変えられない  

ウ 

使える  

エ 

使えない  

オ 

変化する

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( 8 )

問5 

傍線部⑸「ただのドバト」の説明として最も適切なものを次の中から選び、記号で一つ答えなさい。

ア 

江戸時代中期以前の日本にいた、輸入されたドバトが野生化して、伝書鳩として利用されなくなったもの。

イ 

江戸時代中頃までの日本にもともといた、野生のドバトを伝書鳩として育て、それが再び野生化したもの。

ウ 

十八世紀後半以前の日本にいた、飛来した伝書鳩がその能力を失い、野生のドバトと変わりなくなったもの。

エ 

十八世紀前後の日本にいた、伝書鳩として訓練されていないドバトで、何の有用性もないと思われていたもの。

オ 

電気通信技術が発明されるまで日本にいた、伝書鳩としての能力のない、本来のカワラバトと同じようなもの。

問6 

傍線部⑹「その有用性」を説明した次の文の空らんに入る語句を本文中から七字で抜き出しなさい。

  

ハトが   

 

になりうること。

問7 

傍線部⑺「いくつかの特別な才能」について、AさんとBさんが話し合いをしています。次の会話文(①)~(⑥)

にふさわしい語句を抜き出して答えなさい。

A「一つ目の才能は( 

① 

)があることだね。」

B「方向を( 

② 

)で判断することもできるらしいよ。」

A「次は高い記憶能力と視覚処理能力があることだね。」

B「目印となる建物などは、別の方向から見ても( 

③ 

)だと分かるのもすごいなあ。」

A「そういう旅を繰り返し、代々飼育されることで( 

④ 

)が発達したわけか。」

B「さらなる才能は、( 

⑤ 

)ことと、大気圧センサーがあること。」

A「これらが他の能力と組み合わさって、( 

⑥ 

)が可能になっているんだね。」

B「ハトは家に帰りたがるけど、ヒトは寄り道したがるよねえ。ハとヒでは大違いだなあ。」

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( 9 )

問8 

空らん   

、   

、   

にあてはまる語句として適切なものをそれぞれ次の中から選び、記号で答えなさい。

ただし同じ記号を繰り返し使うことはできません。

ア 

つまり  

イ 

むしろ  

ウ 

もちろん  

エ 

だからこそ  

オ 

あるいは

問9 

傍線部⑻「町/町/その/すべての/なら/には/では」を、意味が通るように語順を並べ替えて書きなさい。

問10 

本文には次の一文が抜けています。どの段落の最後に入れるのがふさわしいか、入れる段落の最後の五文字を本文

中の 

より前の部分から抜き出して答えなさい。ただし、句読点も字数に数えます。

 

・その驚きは、容易に想像することができる。

A

B

C

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( 10 )

二 次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。(なお、字数制限のある問いは句読点や「 」なども一字にふくみます。)

「失速?」

山下監か

督とく

は、指で机を小こ

刻きざ

みに叩た

きながら頷う

なず

いた。

「そうだ。補給ポイントを過ぎたあたりから遅れがちになり、八十キロあたりで完全に失速した。結局リタイアだ」

石尾のことだ。番狂く

わせがなければ勝てるはずのレースで、途と

中ちゅう

棄き

権けん

することなど今までなかったことだ。

自転車ロードレースでは、リタイアは必ずしも恥は

ずベきことだとは考えられていない。

たとえば*アシストが全力でエースのために働いたあとリタイアするのなら、漫ま

然ぜん

とゴールまで行くよりも賞賛される。

*ステージレースならばゴールしなければ走り続ける権利は得られないが、ワンデーレースならば、勝ち目がないとわかっ

た時点で自転車を降りてしまってもかまわない。

アマチュアならともかく、完走こそが美しいという発想はプロの世界にはない。

だが、石尾はもともと成績にむらのあるタイプの選手ではない。平へ

坦たん

ではからきしだが、アップダウンのあるコースでは

つねに上位をキープし続けていた。もちろん、*落車などのトラブルは別にして、理由のない失速などはじめてのことだ。

あまり乗り気でなかったから手を抜ぬ

いたのかとも思うが、スポンサーの手前、勝つことを期待されていることは、彼だっ

て理解していたはずだ。

「石尾はなんと言ってましたか?」

「体調が悪かったと」

「なら仕方がありませんね」

エースだってつねに百パーセントを出すことはできない。体調が悪ければリタイアもあり得ることだ。

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国語B

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( 11 )

だが、監督は苦い顔のままだ。

「もしかすると、石尾はそろそろ疲つ

れてきているんじゃないかと思ってな」

 

監督がなにを心配しているのかわかった。俺お

は頷いた。

「たしかにそうかもしれませんね」

「本人はまだ大丈夫だと言っているが・・・・・・

石尾は今シーズン、かなりいい成績を残している。シーズン初頭から、まるで*久米から解き放たれたことを喜ぶように、

いくつも勝利を挙げた。

だが、どんなに才能のある選手でも一年を通して、最高の状態をキープすることはできない。早めの時期にピークを持っ

てきた選手は、後半になるとたいてい疲ひ

労ろう

のために失速する。シーズン後半にピークを持ってくるためには、前半は抑お

目にすることになる。春と秋に二回ピークを合わせて、中ち

ゅう

盤ばん

は休む選手もいる。

一流選手は、どのレースに自分のピークを持ってくるのかを戦略的に考えて行動する。

才能があるとはいえ、石尾はまだプロになって三年しかたっていない。まだ考えが甘いのかもしれない。

「石尾はもう充じ

ゅう

分ぶん

成績を残している。疲れているのなら無理をせずに、もうシーズンを終了させたほうがいい」

無理をしてしまえば、来シーズンの成績にも響ひ

いてくる。日本人は精神論に走りがちだが、身体はやはり摩ま

耗もう

する。休む

ことだって大切だ。

「でも、石尾は沖縄を走りたがっていますよ」

自分に向いているのに、一昨年も去年も出場できなかったレースだ。あまり感情を見せない石尾が、去年本気で侮く

しがっ

ていたのを俺は知っている。休めと言っても納得しないだろう。「まあ、そうだろうが・・・・・・

だから、おまえから説得して

くれないか」

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( 12 )

俺は肩をすくめた。一応抗こ

議ぎ

してみる。

「俺は石尾係じゃないですよ」

監督はなにも言わずに鼻だけで笑った。

石尾の失速の原因は、すぐにわかった。

石尾を問い詰めても、「朝から体調が悪かった」などと言ってごまかそうとしていたが、監督がシーズンを終えるように

言っていると話すと、渋し

々しぶ

白状した。

「*サコッシュの中に、エナジーバーしか入ってなかったんです」

なんじゃそりゃ、と一い

瞬しゅん

思ったが、すぐに思い出す。石尾は偏へ

食しょく

で、食べられないものが多い。補給食にもいつも細か

い注文をつけていた。羊よ

羹かん

やバナナ、アンパンなどはいいが、エナジーバーは味が苦手だと言って食べない。

エナジードリンクも本当は嫌き

いらしいが、液体の栄養はレース後半の体力補給には不可欠だ。嫌い

々いや

ながらも、なんとか飲

めるようになったようだ。

ボトルの中身も、スポーツドリンクではなく、塩と砂糖をたっぷり入れた紅茶を指定している。一度間違えて飲んだこと

があるが、どう考えてもスポーツドリンクのほうがマシな味だった。

わがままと言えばわがままだが、選手が気持ちよく走れるようにするのは、スタッフの仕事である。単純なようで補給食

は大きな問題だ。ロードレースの選手にとっては、

食べることも競技のうちなのだ。五、六時間も走れば、必要なカロリー

は三千キロカロリーを大きく超こ

える。とても朝に食べる分だけでは追いつかない。走りながら、こまめにカロリー補給を

しなければならない。

「スタッフに言ったのか」

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国語B

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( 13 )

「現地のアルバイトスタッフでした。若い女の子だったし、よく聞いていなかったんでしょう。言っても仕方がない」

きちんと指示が行き届いていなかったのか。子供っぽい理由だけに、石尾も知られたくなかったらしい。

俺は、石尾の靴く

を蹴け

った。

「おまえ、エナジーバーくらい食えるようになれよ」

「苦手なものは苦手なんです」

聞いてみれば単純な話だった。だが、心の中でなにかが引っかかっている。

一応言ってみた。

「監督が休んでいいって言ってるぞ。どうせもう給料だって変わらないんだ。休めばいいじゃないか」

石尾は眉み

間けん

に皺し

を寄せて言った。

「絶対にいやです。沖縄は走ります」

日本杯は

当日、宇都宮の空は分厚い雲に覆お

われていた。俺は苦々しい気持ちで空を見上げた。どうも一雨きそうな気配だ。

前日は、からりとした秋晴れだったのに、ついていない。

宇都宮を舞台に繰く

り広げられる、日本最大のワンデーレース。ヨーロッパのプロチームも招待される華は

やかなレースで、

注目度も高い。

昨夜は、ファンとの交流イベントが行われた。やはりヨーロッパの選手たちの人気のほうが高いが、それでも日本選手を

応おう

援えん

してくれるファンもいる。

石尾は写真やサインには応じているものの、表情は硬か

いままだった。居心地が悪そうなのがこちらまで伝わってくる。

にこやかにファンや現地スタッフと談笑する安西の爪つ

の垢あ

でも煎せ

じて飲ませてやりたいが、今い

更さら

石尾が愛想よくなっても、

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国語B

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( 14 )

少し気持ちが悪い気がする。

パーティが終わり、ホテルの部屋に帰った石尾が、少し疲れている様子だったのが気にかかった。監督の予想はやはり当

たっているのかもしれない。

スタート地点には、大勢のファンがすでに集まっていた。やはり、ヨーロッパのチームが出場するとなると違う。

スペインのチームの選手に、ひさしぶりのスペイン語で話しかけて簡単な会話をした。ことばは使わないと簡単にさびつ

いていく。向こうにいたときは意識せずに喋し

ゃべ

れていたようなことも、口く

籠ご

もりながらしか言えない。

灰色の空の下、集団はスタートした。

勾こう

配ばい

のきつい林道を含むコースを十二周回する。毎年、途中までは日本選手たちが山さ

岳がく

賞を目指して争い、最後の三周く

らいから外国人選手が動き始めて優勝を争うというのが、決まったパターンだ。

やはりヨーロッパと日本の間には大きな壁か

がある。スペインではアマチュアチームでしか走れなかった俺が、アシストと

はいえプロでやっていけているのも、その証し

ょう

拠こ

だ。

一周目の半ば、鬱う

蒼そう

とした林道の上りで*ミノワ・サイクルチームの選手が飛び出した。すかさず石尾がついていく。ほ

かにも数人の選手があとから追いかける。安西が混じっていたが、チームメイトは少しでも多いほうがいい。

集団は追いかけてこない。どうやら、*逃げは成立したようだ。みるみるうちに、三分近いタイム差がつく。

俺は逃げグループの人数を数えた。九人と結構多い。このくらいの数のほうが逃げるのは楽だが、山岳賞の争いは厳しく

なる。日本杯の山岳賞はステージレースなどのポイント制とは違い、決められた周回のときに最初に山頂に達した者に与

えられる。今年は三周目と六周目と九周目の三回。三人ならば、仲良く一回ずつということもできるが、

九人だとそうい

うわけにもいかない。

俺はかまわないが、安西だって大お

舞ぶ

台たい

で復活をアピールしたいだろう。

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( 15 )

三周目はミノワの選手が取った。石尾が動かなかったところを見ると、後半狙ねら

いだろう。こういうとき、三回とも取るよ

うな選手は嫌われるのが、自転車ロードレースというスポーツの特と

殊しゅ

な部分だろう。

争うところは争うが、分け合える栄光は分け合う。それが紳し

士し

のスポーツといわれる所ゆ

えん以

だ。

三周目の下りが終わったところで、額に冷たいものがあたった。雨だ。ぽつぽつと降り始める。空の色ではこのまま本降

りになりそうな雰ふ

囲い

気き

だ。

石尾が横にきた。面め

倒どう

くさそうに、サングラスの水す

滴てき

を拭ぬ

う。

「調子はどうだ?」

一応尋た

ねてみる。

「別に・・・・・・

いつも通りですよ」

そう言いながらも、どこか不ふ

機き

嫌げん

だ。雨のせいかもしれない。

以前、ウインドブレーカーを着て走るのが好きではないと聞いたことがある。マイペースなようで、意外に神経質だ。

たしかにウインドブレーカーの内側は汗でむっと蒸む

れる。決して快適とはいえないが、

それでも雨に晒さ

されていると身体

はどんどん冷えていく。体温が下がるとまともに走れない。

雨はどんどん激しくなる。四周目を上りきったところで、*オッジのベンチコートを着た現地スタッフの女性が雨具を持っ

て立っていた。石尾が受け取ったのを確認して、俺も受け取る。

ペダルを回しながら、ウインドブレーカーを着る。自転車選手はなんでも自転車の上でやる。雨具をつけるためにいちい

ち止めているわけにはいかない。

下りに入る。俺は空気抵て

抗こう

を小さくするために背中を丸め、ブレーキに手をかけた。

そういえば石尾はどこにいるのだろ

う。さっきまで俺の前にいたのに、今は見えない。

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( 16 )

先に行ったということは考えられない。下りのライン取りはうまいが、石尾は体重が軽い。身体の重い俺のほうが、速い

スピードが出るはずだ。

ふいに、小こ

柄がら

な身体が俺の横をすりぬけた。石尾だ。

濡ぬ

れた白いジャージに気づいて驚く。彼は雨具を着ていなかった。

さっき、たしかに受け取ったはずなのに。

俺はあわてて彼に並んだ。

「ウインドブレーカーはどうした」

「落としてしまいました」

「おまえ、バカか!」

下りはただでさえ、身体が風に晒される。体温は急激に冷えていく。

「さっき、無線で監督に言いました。下で用意してくれるそうです」

下り途中は危険だから観戦も許可されていない。もちろん、補給の受け渡しも出来ない。

だが、この長い下りで体温が下がりきってしまえばもう戦えない。

石尾はスピードを落として俺の後ろに下がった。振り返って見ると、唇

くちびる

が青い。

 

小さな身体が、いつも以上に小さく見えた。

(近藤史恵『レミング』)

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( 17 )

(注)

 

*アシスト……チームとエース(主力選手)の利益のために働く役割の自転車ロードレース選手。

 

*ス テージレース……

複数の日程で争われるレース。それに対して一回のレースだけで勝敗を競うものをワンデーレー

スという。

 

*落車……オートバイや自転車などの競技において選手が転て

倒とう

すること。

 

*久米……チーム・オッジの前のエース

 

*サコッシュ……

自転車のロードレースにて、補給ポイントなどでチームのサポートがレーサーに渡す、中に補給食や

水筒などの補給物資が入っているたすきがけの袋のこと。

 

*ミノワ・サイクルチーム……ライバルのチーム名。

 

*逃げ……メインの集団から飛び出して、先行すること。

 

*オッジ……チーム名。現在のエースは石尾。

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国語B

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( 18 )

問1 

波線部⒜「番狂わせ」、⒝「からきしだ」、⒞「さびついていく」の文中での意味として最も適切なものを次の中か

ら一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。

⒜ 

番狂わせ      

ア 

いくつもの反則を犯すこと

            

イ 

途中で体調を大きく崩くず

すこと

            

ウ 

規則に関わる勘か

違ちが

いをすること

            

エ 

外部からの特別な指示が出ること

            

オ 

予想外の出来事で順序が変わること

⒝ 

からきしだ     

ア 

言うまでもないことだ

            

イ 

あまりよく分からない

            

ウ 

まったく成績が出せない

            

エ 

かなり不安定である  

            

オ 

とくに問題はない

⒞ 

さびついていく   

ア 

使えなくなっていく

            

イ 

汚よご

れていく

            

ウ 

古くなっていく

            

エ 

変わっていく

            

オ 

消えていく

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国語B

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( 19 )

問2 

傍線部⑴「監督がなにを心配しているのかわかった」とありますが、その「心配」の説明として最も適切なものを

次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 

石尾は体調が悪くて失速したと言っているが、ピークを調整するために乗り気でないレースに手を抜いたと思わ

れること。

イ 

石尾の疲れは体調が悪かったせいだとは信じられず、本人も気づかないうちに重い病気になってしまっているこ

と。

ウ 

石尾がシーズン初頭からいい成績を残しているものの、春と秋に二回ピークを合わせることができそうにないこ

と。

エ 

石尾がピークを調整していなかったために疲れがたまり、このままレースを続けると次のシーズンに悪影えい

響きょう

が出

ること。

オ 

石尾は失速の理由を体調のせいにするばかりで、疲れを精神力で乗り越こ

えようとする意識にとぼしく考えが甘い

こと。

問3 

傍線部⑵「肩をすくめた」から読み取れる「俺」の心情として最も適切なものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 

なかなか監督に認めてもらえないことへの軽い不満。

イ 

石尾にひどく反発されるのではないかという軽い不安。

ウ 

自分が説得しなければならなくなったことへの軽い驚お

どろ

き。

エ 

どうすれば石尾を納得させられるかという軽い迷い。

オ 

いやな役目を押しつけられることへの軽い反感。

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国語B

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( 20 )

問4 

傍線部⑶「渋々白状した」とありますが、なぜ「渋々」なのか、その理由として最も適切なものを次の中から一つ

選び、記号で答えなさい。

ア 

プロならば自分で補給食を準備するべきであるのに、人まかせにしたことが恥ずかしかったから。

イ 

偏食のために補給食のエナジーバーが食べられなかったと告げるのが、大人として気まずかったから。

ウ 

補給食に砂糖と塩をたっぷり入れた紅茶を指定するなど、選手として細かいこだわりがあったから。

エ 

補給食としてエナジーバーしか用意しなかった、まだ若い女の子のアルバイトをかばおうとしたから。

オ 

補給食を用意するアルバイトにきちんと指示しなかったことを、誰にも知られたくなかったから。

問5 

傍線部⑷「絶対にいやです。沖縄は走ります」とありますが、石尾がこれほど強く拒きょ

否ひ

するのはなぜだと考えられ

ますか、その理由が分かる一文を解答らんに合うように、本文から二十五字以上三十字以内で抜き出し、その最初と

最後の三字を書きなさい。

問6 

傍線部⑸「安西の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい」とはどういうことですか。その説明として最も適切なもの

を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。

ア 

ファンやスタッフに対して、もっとサービスができるようになってほしいということ。

イ 

レースに勝つことよりも、多くのファンから愛される選手であってほしいということ。

ウ 

イベントでも話題に困らないように、日ごろから勉強をしておいてほしいということ。

エ 

外国の選手にも気持ちで負けないだけの、確かな実力を身につけてほしいということ。

オ 

あまりに具合が悪そうなので、プロらしくしっかり体調管理をしてほしいということ。

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国語B

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( 21 )

問7 

傍線部⑹「復活をアピールしたい」とは具体的にどういうことですか。解答らんに合うように十字以内で答えなさ

い。

問8 

傍線部⑺「小さな身体が、いつも以上に小さく見えた」とありますが、この時の「俺」の気持ちを五十字以内で説

明しなさい。

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国語B

( 22 )

三 傍線部のカタカナを漢字に直して、ていねいに書きなさい。

① 

薬の使い方をアヤマる。

② 

罪人をサバく。

③ 

ジュウオウに走り回る。

④ 

海外に米をユシュツする。

⑤ 

ピアノのエンソウ会を開く。

⑥ 

内容がフクザツでわかりにくい。

⑦ 

センモン家に意見を求める。

⑧ 

言語ドウダンの行いだ。

⑨ 

試合結果にコウフンした。

⑩ 

郷里の実家にキセイする。

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一問1 

       

問2        

        

問3 

  

問4 

       

問5      

問6   

問7 

①     

   

②     

   

③     

   

④     

   

⑤     

   

⑥     

問8 

A      

B      

C       

      

問9 

  

問10 

  

二問1 

⒜      

⒝      

⒞       

      

問2 

       

問3      

問4        

   

問5 

最初           

〜 

最後            

問6 

  

問7 

                               

 

問8 

  

三  

①         

   

②         

   

③ 

   

④       

     

⑤       

     

⑥ 

   

⑦        

    

⑧       

     

⑨ 

   

⑩       

   

(国語B解)

受験番号

名前

国語 解答用紙2019B1

↓ここにシールを貼ってください↓

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B日程

国語

問題文等の訂正

解答用紙下段

問5

最初

~最後

最初

~最後

から。

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B日程・国語

一 問1

問2

問3

ハトを戻って来させないためではなく、戻って来

させるために、あえて遠くに連れてゆく

問4

問5 ア

問6

最速の通信手段

問7

磁気を感じるセンサー

太陽や星の角度

同一の物体

海馬

匂いが分かる

帰巣

問8

問9

すべての町にはその町ならでは

問10

いていた。

二 問1

(a)

(b)

(c)

問2

問3

問4

問5

(

最初)

自分に

(

~最後)

ースだ

問6

問7

山岳賞を取りたい

問8

雨具を落として体温を奪われ、戦えなくなること

を心配しつつ、選手としての甘さをはがゆく思う

気持ち。

縦横

輸出

演奏

複雑

専門

道断

興奮

帰省

※解答例以外にも正解としたり、得点を与えることがあ

る。