脳脊髄静脈の機能解剖1.はじめに 脳血管内治療において脳脊髄血管の機能解剖の理解は 重要であり,脳動脈や脊髄動脈の動脈系に関しては注目
Point of Article 副次評価項目:病変と正常脳組織 …...T1 FLASH (1回目) MPRAGE...
Transcript of Point of Article 副次評価項目:病変と正常脳組織 …...T1 FLASH (1回目) MPRAGE...
プロトコール適合集団��例の解析では,読
影 医 � 名とも� � %の画 像でガドブトロールが
“ 優 れる” と判 定した(p=�.����,p=�.���,
two-sided sign test).全解析集団��例の解析で
は,読影医�が��%,読影医�が��%の画像で,
ガドブトロールが“優れる”と判定した(p=�.����,
p=�.����,two-sided sign test).いずれの解析
集団でも,ガドブトロールの画像で“優 れる”の
評価が多かった(表�).
主要評価項目:造影効果(定性評価)
プロトコール適合集団��例の解析において,
造影検査としての総合評価に関しては,読影医
�が��%,読影医�が��%でガドブトロールが
“ 優 れる”と評価した(p=�.����,p=�.����,
two-sided sign test)(表�). また,診断の質に
関する総合評価に関しては,読影医�が��% ,
読影医�が��%で,ガドブトロールが“優れる”と
評価した(p=�.����,p=�.����,two-sided
sign test)(表 �). いずれ もガドブトロ ール が
“優れる”の比率が有意に高かった.また,全解析
集団においても同様の結果であった.
副次評価項目:造影検査としての総合評価および診断の質に関する総合評価の比較(定性評価)
�
原発性および続発性脳腫瘍患者におけるMRI用造影剤ガドブトロールとガドテリドールの盲検読影による同一患者,無作為化比較
����年�月~����年�月の間,ドイツの単一施設において,中枢神経系病変を有する術前の頭部MRI検査が予定された患者��例が登録された(プロトコール適合集団: ��例, 全解析集団: ��例).
前向き,単一施設,無作為化,クロスオーバー,ガドテリドール対照
投与方法 : ガドブトロール�.�mmol/kgおよびガドテリドール�.�mmol/kgを自動注入器により�mL/秒で静脈内投与後,少なくとも生食��mLをフラッシュした.造影剤の投与順序: 最初に,いずれかの造影剤を投与し,その後��時間~�日の間隔を空けてクロスオーバーに他方の造影剤を投与した.MRI装置 :�.�T(Siemens社製 MAGNETOM Avanto)撮像法 :造影剤投与後,T� FLASH,MPRAGE,T� SE,T� FLASHの順で撮像を行った(図).
試験概要
対 象
試験デザイン
試験方法
評 価
主要評価項目: 造影効果(定性評価)画像評価は,�名の読影医が別々に盲検下で行った.同一患者の両造影剤による造 影 画 像を比 較し,いずれかの画 像がもう一 方より,“ 優 れる”,“ 同 等 ”,“劣る”と評価した.副次評価項目:➀造影検査としての総合評価,➁診断の質(Diagnstic Quality)に関する総合評価,➂各撮像法別に, �)病変の描出, �)病変と正常組織との境界 , �)病 変の内 部 構 造,についてそれぞれ上 記 � 段 階で評 価した(定 性 評 価).そのほか,➃病変と正常脳組織の信号雑音比(SNR)およびコントラスト雑音比
(CNR)に関する評価を行った(定量評価).
原発性および続発性脳腫瘍患者におけるMRI用造影剤ガドブトロールとガドテリドールの盲検読影による同一患者,無作為化比較
� � �
安全性 安全性解析集団��例において,予期しない有害事象や重篤な有害事象は発現しなかった.
各撮像法別の病変の評価(描出,正常組織との
境界, 内部構造)では,T� FLASH(�回目)を除き,
MPRAGE,T� SE,T� FLASH(�回目)では,いずれ
もガドブトロールの画像が“優れる”の比率が
高かった(表�).
撮像法別の造影画像による病変-脳組織コント
ラスト雑音比(CNR)は,読影医�名とも,MPRAGE
(ΔLBC※=�.��; p=�.����),T� SE(ΔLBC=��.��;
p=�.����),T� FLASH(�回目)(ΔLBC=��.��;
p=�.����)でガドブトロールが有意に優れると
評価され,T� FLASH(�回目)では差はなかった.
病変の信号雑音比(SNR)は,読影医�名とも,
T� FLASH(�回目)でガドブトロールが有意に高値
( p=�.����)を示したが,その他では有意差は
認められなかった.
結 論 脳腫瘍の造影MRIにおいて,ガドブトロール
�.�mmol/kgとガドテリドール�.�mmol/kgの
定性的および定量的評価に基づき,両者の比較
を行った.その結果,ガドブトロール�.�mmol/kg
は 良 好 な造影効果を示すことが確認された.
ガドブトロールは,脳腫瘍の診断と治療選択に
関し,より豊富な情報を提供すると考えられる.
利益相反:本研究は,バイエル ヘルスケア
社からサポートを受けている.また,本研究にお
ける著者には,バイエル ヘルスケア社から資金
提供を受けている医師が含まれるほか,バイエル
ヘルスケア社の社員も含まれる.
効能・効果,用法・用量,警告,禁忌,原則禁忌を含む使用上の注意については,最終DIページをご参照ください.
表� ガドブトロールとガドテリドールの造影効果の評価(主要評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test.
評価者解析集団
読影医1 0.0226
例数
全解析集団
44読影医2 0.0005
51読影医1 0.0110
プロトコール適合集団
51読影医2 0.0002
14
8
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(32%)
(18%)
(31%)
(18%)
(0%)
(14%)
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0
6
0
8
(68%)
(68%)
(69%)
(67%)
30
30
35
34
Copyright © European Society of Radiology 2013
インフォームドコンセント 造影剤投与
1分 5分 3分30秒 1分
ベースライン T1 FLASH(1回目) MPRAGE T1 SE T1 FLASH
(2回目)
副次評価項目:病変と正常脳組織のSNRおよびCNRの比較(定量評価)
表� 造影検査としての総合評価(副次評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test.
評価者解析集団
読影医1 0.0096
例数
プロトコール適合集団
44読影医2 0.0005
51読影医1 0.0046全解析集団
51読影医2 0.0002
Copyright © European Society of Radiology 2013
13
8
15
9
(30%)
(18%)
(29%)
(18%)
0
6
0
8
(0%)
(14%)
(0%)
(16%)
31
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36
34
(70%)
(68%)
(71%)
(67%)
表� 診断の質に関する総合評価(副次評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test. Copyright © European Society of Radiology 2013
評価者解析集団
読影医1 0.0096
例数
プロトコール適合集団44読影医2 0.0075
51読影医1 0.0046
全解析集団51読影医2
13
3
15
3
(30%)
(7%)
(29%)
(6%)
31
15
36
18
(70%)
(34%)
(71%)
(35%) 0.0015
(0%)
(59%)
(0%)
(59%)
0
26
0
30
表� 各撮像法別の評価(主要評価項目および副次評価項目)病変の特性
病変の描出 病変と正常組織との境界 病変の内部構造
0.51(0.35; 0.66)
解析集団撮像法
プロトコール適合集団 0.56(0.39; 0.71) 0.55(0.38; 0.71) 0.56(0.39; 0.72)
0.53(0.38; 0.68) 0.57(0.41; 0.72) 0.57(0.41; 0.72) 0.58(0.42; 0.73)
0.72(0.57; 0.83)a 0.70(0.55; 0.82)a 0.70(0.55; 0.82)a 0.70(0.55; 0.82)a
0.74(0.61; 0.84)a 0.73(0.59; 0.83)a 0.72(0.58; 0.83)a 0.73(0.59; 0.83)a
0.79(0.66; 0.88)a 0.80(0.66; 0.89)a 0.79(0.65; 0.88)a 0.81(0.68; 0.90)a
0.80(0.68; 0.88)a 0.81(0.68; 0.89)a 0.80(0.67; 0.89)a 0.82(0.70; 0.90)a
0.76(0.61; 0.86)a 0.76(0.62; 0.86)a 0.75(0.61; 0.85)a 0.77(0.64; 0.87)a
0.78(0.64; 0.87)a 0.77(0.64; 0.86)a 0.76(0.63; 0.86)a 0.78(0.65; 0.87)a
造影効果
T1 FLASH(1回目)
全解析集団
プロトコール適合集団MPRAGE
T1 SE
T1 FLASH(2回目)
全解析集団
プロトコール適合集団
全解析集団
プロトコール適合集団
全解析集団
数値は,ガドブトロールが“優れる”とされた画像の比率(95%信頼区間)を示す.a ガドブトロールが優位であることを示す.
Copyright © European Society of Radiology 2013
図 本試験におけるワークフローとMRI撮像法
副次評価項目:各撮像法別の造影効果の評価(定性評価)
※LBC:lesion-to-brain contrast
本 試 験 は,ガドブトロールおよびガドテリドールによる脳 腫 瘍の造 影 M R Iでの比 較を目 的とした,単 一 施 設での同 一 患 者クロスオーバー比 較 試 験である.本 試 験では,ガドブトロールとガドテリドールの定性的評価および定量的評価に基づき,両者の比較を行った.その結果,ガドブトロールの脳腫瘍に対する良好な造影効果が確認された.
Point of Article
プロトコール適合集団��例の解析では,読
影 医 � 名とも� � %の画 像でガドブトロールが
“ 優 れる” と判 定した(p=�.����,p=�.���,
two-sided sign test).全解析集団��例の解析で
は,読影医�が��%,読影医�が��%の画像で,
ガドブトロールが“優れる”と判定した(p=�.����,
p=�.����,two-sided sign test).いずれの解析
集団でも,ガドブトロールの画像で“優 れる”の
評価が多かった(表�).
主要評価項目:造影効果(定性評価)
プロトコール適合集団��例の解析において,
造影検査としての総合評価に関しては,読影医
�が��%,読影医�が��%でガドブトロールが
“ 優 れる”と評価した(p=�.����,p=�.����,
two-sided sign test)(表�). また,診断の質に
関する総合評価に関しては,読影医�が��% ,
読影医�が��%で,ガドブトロールが“優れる”と
評価した(p=�.����,p=�.����,two-sided
sign test)(表 �). いずれ もガドブトロ ール が
“優れる”の比率が有意に高かった.また,全解析
集団においても同様の結果であった.
副次評価項目:造影検査としての総合評価および診断の質に関する総合評価の比較(定性評価)
�
原発性および続発性脳腫瘍患者におけるMRI用造影剤ガドブトロールとガドテリドールの盲検読影による同一患者,無作為化比較
����年�月~����年�月の間,ドイツの単一施設において,中枢神経系病変を有する術前の頭部MRI検査が予定された患者��例が登録された(プロトコール適合集団: ��例, 全解析集団: ��例).
前向き,単一施設,無作為化,クロスオーバー,ガドテリドール対照
投与方法 : ガドブトロール�.�mmol/kgおよびガドテリドール�.�mmol/kgを自動注入器により�mL/秒で静脈内投与後,少なくとも生食��mLをフラッシュした.造影剤の投与順序: 最初に,いずれかの造影剤を投与し,その後��時間~�日の間隔を空けてクロスオーバーに他方の造影剤を投与した.MRI装置 :�.�T(Siemens社製 MAGNETOM Avanto)撮像法 :造影剤投与後,T� FLASH,MPRAGE,T� SE,T� FLASHの順で撮像を行った(図).
試験概要
対 象
試験デザイン
試験方法
評 価
主要評価項目: 造影効果(定性評価)画像評価は,�名の読影医が別々に盲検下で行った.同一患者の両造影剤による造 影 画 像を比 較し,いずれかの画 像がもう一 方より,“ 優 れる”,“ 同 等 ”,“劣る”と評価した.副次評価項目:➀造影検査としての総合評価,➁診断の質(Diagnstic Quality)に関する総合評価,➂各撮像法別に, �)病変の描出, �)病変と正常組織との境界 , �)病 変の内 部 構 造,についてそれぞれ上 記 � 段 階で評 価した(定 性 評 価).そのほか,➃病変と正常脳組織の信号雑音比(SNR)およびコントラスト雑音比
(CNR)に関する評価を行った(定量評価).
原発性および続発性脳腫瘍患者におけるMRI用造影剤ガドブトロールとガドテリドールの盲検読影による同一患者,無作為化比較
� � �
安全性 安全性解析集団��例において,予期しない有害事象や重篤な有害事象は発現しなかった.
各撮像法別の病変の評価(描出,正常組織との
境界, 内部構造)では,T� FLASH(�回目)を除き,
MPRAGE,T� SE,T� FLASH(�回目)では,いずれ
もガドブトロールの画像が“優れる”の比率が
高かった(表�).
撮像法別の造影画像による病変-脳組織コント
ラスト雑音比(CNR)は,読影医�名とも,MPRAGE
(ΔLBC※=�.��; p=�.����),T� SE(ΔLBC=��.��;
p=�.����),T� FLASH(�回目)(ΔLBC=��.��;
p=�.����)でガドブトロールが有意に優れると
評価され,T� FLASH(�回目)では差はなかった.
病変の信号雑音比(SNR)は,読影医�名とも,
T� FLASH(�回目)でガドブトロールが有意に高値
( p=�.����)を示したが,その他では有意差は
認められなかった.
結 論 脳腫瘍の造影MRIにおいて,ガドブトロール
�.�mmol/kgとガドテリドール�.�mmol/kgの
定性的および定量的評価に基づき,両者の比較
を行った.その結果,ガドブトロール�.�mmol/kg
は 良 好 な造影効果を示すことが確認された.
ガドブトロールは,脳腫瘍の診断と治療選択に
関し,より豊富な情報を提供すると考えられる.
利益相反:本研究は,バイエル ヘルスケア
社からサポートを受けている.また,本研究にお
ける著者には,バイエル ヘルスケア社から資金
提供を受けている医師が含まれるほか,バイエル
ヘルスケア社の社員も含まれる.
効能・効果,用法・用量,警告,禁忌,原則禁忌を含む使用上の注意については,最終DIページをご参照ください.
表� ガドブトロールとガドテリドールの造影効果の評価(主要評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test.
評価者解析集団
読影医1 0.0226
例数
全解析集団
44読影医2 0.0005
51読影医1 0.0110
プロトコール適合集団
51読影医2 0.0002
14
8
16
9
(32%)
(18%)
(31%)
(18%)
(0%)
(14%)
(0%)
(16%)
0
6
0
8
(68%)
(68%)
(69%)
(67%)
30
30
35
34
Copyright © European Society of Radiology 2013
インフォームドコンセント 造影剤投与
1分 5分 3分30秒 1分
ベースライン T1 FLASH(1回目) MPRAGE T1 SE T1 FLASH
(2回目)
副次評価項目:病変と正常脳組織のSNRおよびCNRの比較(定量評価)
表� 造影検査としての総合評価(副次評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test.
評価者解析集団
読影医1 0.0096
例数
プロトコール適合集団
44読影医2 0.0005
51読影医1 0.0046全解析集団
51読影医2 0.0002
Copyright © European Society of Radiology 2013
13
8
15
9
(30%)
(18%)
(29%)
(18%)
0
6
0
8
(0%)
(14%)
(0%)
(16%)
31
30
36
34
(70%)
(68%)
(71%)
(67%)
表� 診断の質に関する総合評価(副次評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test. Copyright © European Society of Radiology 2013
評価者解析集団
読影医1 0.0096
例数
プロトコール適合集団44読影医2 0.0075
51読影医1 0.0046
全解析集団51読影医2
13
3
15
3
(30%)
(7%)
(29%)
(6%)
31
15
36
18
(70%)
(34%)
(71%)
(35%) 0.0015
(0%)
(59%)
(0%)
(59%)
0
26
0
30
表� 各撮像法別の評価(主要評価項目および副次評価項目)病変の特性
病変の描出 病変と正常組織との境界 病変の内部構造
0.51(0.35; 0.66)
解析集団撮像法
プロトコール適合集団 0.56(0.39; 0.71) 0.55(0.38; 0.71) 0.56(0.39; 0.72)
0.53(0.38; 0.68) 0.57(0.41; 0.72) 0.57(0.41; 0.72) 0.58(0.42; 0.73)
0.72(0.57; 0.83)a 0.70(0.55; 0.82)a 0.70(0.55; 0.82)a 0.70(0.55; 0.82)a
0.74(0.61; 0.84)a 0.73(0.59; 0.83)a 0.72(0.58; 0.83)a 0.73(0.59; 0.83)a
0.79(0.66; 0.88)a 0.80(0.66; 0.89)a 0.79(0.65; 0.88)a 0.81(0.68; 0.90)a
0.80(0.68; 0.88)a 0.81(0.68; 0.89)a 0.80(0.67; 0.89)a 0.82(0.70; 0.90)a
0.76(0.61; 0.86)a 0.76(0.62; 0.86)a 0.75(0.61; 0.85)a 0.77(0.64; 0.87)a
0.78(0.64; 0.87)a 0.77(0.64; 0.86)a 0.76(0.63; 0.86)a 0.78(0.65; 0.87)a
造影効果
T1 FLASH(1回目)
全解析集団
プロトコール適合集団MPRAGE
T1 SE
T1 FLASH(2回目)
全解析集団
プロトコール適合集団
全解析集団
プロトコール適合集団
全解析集団
数値は,ガドブトロールが“優れる”とされた画像の比率(95%信頼区間)を示す.a ガドブトロールが優位であることを示す.
Copyright © European Society of Radiology 2013
図 本試験におけるワークフローとMRI撮像法
副次評価項目:各撮像法別の造影効果の評価(定性評価)
※LBC:lesion-to-brain contrast
プロトコール適合集団��例の解析では,読
影 医 � 名とも� � %の画 像でガドブトロールが
“ 優 れる” と判 定した(p=�.����,p=�.���,
two-sided sign test).全解析集団��例の解析で
は,読影医�が��%,読影医�が��%の画像で,
ガドブトロールが“優れる”と判定した(p=�.����,
p=�.����,two-sided sign test).いずれの解析
集団でも,ガドブトロールの画像で“優 れる”の
評価が多かった(表�).
主要評価項目:造影効果(定性評価)
プロトコール適合集団��例の解析において,
造影検査としての総合評価に関しては,読影医
�が��%,読影医�が��%でガドブトロールが
“ 優 れる”と評価した(p=�.����,p=�.����,
two-sided sign test)(表�). また,診断の質に
関する総合評価に関しては,読影医�が��% ,
読影医�が��%で,ガドブトロールが“優れる”と
評価した(p=�.����,p=�.����,two-sided
sign test)(表 �). いずれ もガドブトロ ール が
“優れる”の比率が有意に高かった.また,全解析
集団においても同様の結果であった.
副次評価項目:造影検査としての総合評価および診断の質に関する総合評価の比較(定性評価)
�
原発性および続発性脳腫瘍患者におけるMRI用造影剤ガドブトロールとガドテリドールの盲検読影による同一患者,無作為化比較
����年�月~����年�月の間,ドイツの単一施設において,中枢神経系病変を有する術前の頭部MRI検査が予定された患者��例が登録された(プロトコール適合集団: ��例, 全解析集団: ��例).
前向き,単一施設,無作為化,クロスオーバー,ガドテリドール対照
投与方法 : ガドブトロール�.�mmol/kgおよびガドテリドール�.�mmol/kgを自動注入器により�mL/秒で静脈内投与後,少なくとも生食��mLをフラッシュした.造影剤の投与順序: 最初に,いずれかの造影剤を投与し,その後��時間~�日の間隔を空けてクロスオーバーに他方の造影剤を投与した.MRI装置 :�.�T(Siemens社製 MAGNETOM Avanto)撮像法 :造影剤投与後,T� FLASH,MPRAGE,T� SE,T� FLASHの順で撮像を行った(図).
試験概要
対 象
試験デザイン
試験方法
評 価
主要評価項目: 造影効果(定性評価)画像評価は,�名の読影医が別々に盲検下で行った.同一患者の両造影剤による造 影 画 像を比 較し,いずれかの画 像がもう一 方より,“ 優 れる”,“ 同 等 ”,“劣る”と評価した.副次評価項目:➀造影検査としての総合評価,➁診断の質(Diagnstic Quality)に関する総合評価,➂各撮像法別に, �)病変の描出, �)病変と正常組織との境界 , �)病 変の内 部 構 造,についてそれぞれ上 記 � 段 階で評 価した(定 性 評 価).そのほか,➃病変と正常脳組織の信号雑音比(SNR)およびコントラスト雑音比
(CNR)に関する評価を行った(定量評価).
原発性および続発性脳腫瘍患者におけるMRI用造影剤ガドブトロールとガドテリドールの盲検読影による同一患者,無作為化比較
� � �
安全性 安全性解析集団��例において,予期しない有害事象や重篤な有害事象は発現しなかった.
各撮像法別の病変の評価(描出,正常組織との
境界, 内部構造)では,T� FLASH(�回目)を除き,
MPRAGE,T� SE,T� FLASH(�回目)では,いずれ
もガドブトロールの画像が“優れる”の比率が
高かった(表�).
撮像法別の造影画像による病変-脳組織コント
ラスト雑音比(CNR)は,読影医�名とも,MPRAGE
(ΔLBC※=�.��; p=�.����),T� SE(ΔLBC=��.��;
p=�.����),T� FLASH(�回目)(ΔLBC=��.��;
p=�.����)でガドブトロールが有意に優れると
評価され,T� FLASH(�回目)では差はなかった.
病変の信号雑音比(SNR)は,読影医�名とも,
T� FLASH(�回目)でガドブトロールが有意に高値
( p=�.����)を示したが,その他では有意差は
認められなかった.
結 論 脳腫瘍の造影MRIにおいて,ガドブトロール
�.�mmol/kgとガドテリドール�.�mmol/kgの
定性的および定量的評価に基づき,両者の比較
を行った.その結果,ガドブトロール�.�mmol/kg
は 良 好 な造影効果を示すことが確認された.
ガドブトロールは,脳腫瘍の診断と治療選択に
関し,より豊富な情報を提供すると考えられる.
利益相反:本研究は,バイエル ヘルスケア
社からサポートを受けている.また,本研究にお
ける著者には,バイエル ヘルスケア社から資金
提供を受けている医師が含まれるほか,バイエル
ヘルスケア社の社員も含まれる.
効能・効果,用法・用量,警告,禁忌,原則禁忌を含む使用上の注意については,最終DIページをご参照ください.
表� ガドブトロールとガドテリドールの造影効果の評価(主要評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test.
評価者解析集団
読影医1 0.0226
例数
全解析集団
44読影医2 0.0005
51読影医1 0.0110
プロトコール適合集団
51読影医2 0.0002
14
8
16
9
(32%)
(18%)
(31%)
(18%)
(0%)
(14%)
(0%)
(16%)
0
6
0
8
(68%)
(68%)
(69%)
(67%)
30
30
35
34
Copyright © European Society of Radiology 2013
インフォームドコンセント 造影剤投与
1分 5分 3分30秒 1分
ベースライン T1 FLASH(1回目) MPRAGE T1 SE T1 FLASH
(2回目)
副次評価項目:病変と正常脳組織のSNRおよびCNRの比較(定量評価)
表� 造影検査としての総合評価(副次評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test.
評価者解析集団
読影医1 0.0096
例数
プロトコール適合集団
44読影医2 0.0005
51読影医1 0.0046全解析集団
51読影医2 0.0002
Copyright © European Society of Radiology 2013
13
8
15
9
(30%)
(18%)
(29%)
(18%)
0
6
0
8
(0%)
(14%)
(0%)
(16%)
31
30
36
34
(70%)
(68%)
(71%)
(67%)
表� 診断の質に関する総合評価(副次評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test. Copyright © European Society of Radiology 2013
評価者解析集団
読影医1 0.0096
例数
プロトコール適合集団44読影医2 0.0075
51読影医1 0.0046
全解析集団51読影医2
13
3
15
3
(30%)
(7%)
(29%)
(6%)
31
15
36
18
(70%)
(34%)
(71%)
(35%) 0.0015
(0%)
(59%)
(0%)
(59%)
0
26
0
30
表� 各撮像法別の評価(主要評価項目および副次評価項目)病変の特性
病変の描出 病変と正常組織との境界 病変の内部構造
0.51(0.35; 0.66)
解析集団撮像法
プロトコール適合集団 0.56(0.39; 0.71) 0.55(0.38; 0.71) 0.56(0.39; 0.72)
0.53(0.38; 0.68) 0.57(0.41; 0.72) 0.57(0.41; 0.72) 0.58(0.42; 0.73)
0.72(0.57; 0.83)a 0.70(0.55; 0.82)a 0.70(0.55; 0.82)a 0.70(0.55; 0.82)a
0.74(0.61; 0.84)a 0.73(0.59; 0.83)a 0.72(0.58; 0.83)a 0.73(0.59; 0.83)a
0.79(0.66; 0.88)a 0.80(0.66; 0.89)a 0.79(0.65; 0.88)a 0.81(0.68; 0.90)a
0.80(0.68; 0.88)a 0.81(0.68; 0.89)a 0.80(0.67; 0.89)a 0.82(0.70; 0.90)a
0.76(0.61; 0.86)a 0.76(0.62; 0.86)a 0.75(0.61; 0.85)a 0.77(0.64; 0.87)a
0.78(0.64; 0.87)a 0.77(0.64; 0.86)a 0.76(0.63; 0.86)a 0.78(0.65; 0.87)a
造影効果
T1 FLASH(1回目)
全解析集団
プロトコール適合集団MPRAGE
T1 SE
T1 FLASH(2回目)
全解析集団
プロトコール適合集団
全解析集団
プロトコール適合集団
全解析集団
数値は,ガドブトロールが“優れる”とされた画像の比率(95%信頼区間)を示す.a ガドブトロールが優位であることを示す.
Copyright © European Society of Radiology 2013
図 本試験におけるワークフローとMRI撮像法
副次評価項目:各撮像法別の造影効果の評価(定性評価)
※LBC:lesion-to-brain contrast
本 試 験 は,ガドブトロールおよびガドテリドールによる脳 腫 瘍の造 影 M R Iでの比 較を目 的とした,単 一 施 設での同 一 患 者クロスオーバー比 較 試 験である.本 試 験では,ガドブトロールとガドテリドールの定性的評価および定量的評価に基づき,両者の比較を行った.その結果,ガドブトロールの脳腫瘍に対する良好な造影効果が確認された.
Point of Article
プロトコール適合集団��例の解析では,読
影 医 � 名とも� � %の画 像でガドブトロールが
“ 優 れる” と判 定した(p=�.����,p=�.���,
two-sided sign test).全解析集団��例の解析で
は,読影医�が��%,読影医�が��%の画像で,
ガドブトロールが“優れる”と判定した(p=�.����,
p=�.����,two-sided sign test).いずれの解析
集団でも,ガドブトロールの画像で“優 れる”の
評価が多かった(表�).
主要評価項目:造影効果(定性評価)
プロトコール適合集団��例の解析において,
造影検査としての総合評価に関しては,読影医
�が��%,読影医�が��%でガドブトロールが
“ 優 れる”と評価した(p=�.����,p=�.����,
two-sided sign test)(表�). また,診断の質に
関する総合評価に関しては,読影医�が��% ,
読影医�が��%で,ガドブトロールが“優れる”と
評価した(p=�.����,p=�.����,two-sided
sign test)(表 �). いずれ もガドブトロ ール が
“優れる”の比率が有意に高かった.また,全解析
集団においても同様の結果であった.
副次評価項目:造影検査としての総合評価および診断の質に関する総合評価の比較(定性評価)
�
原発性および続発性脳腫瘍患者におけるMRI用造影剤ガドブトロールとガドテリドールの盲検読影による同一患者,無作為化比較
����年�月~����年�月の間,ドイツの単一施設において,中枢神経系病変を有する術前の頭部MRI検査が予定された患者��例が登録された(プロトコール適合集団: ��例, 全解析集団: ��例).
前向き,単一施設,無作為化,クロスオーバー,ガドテリドール対照
投与方法 : ガドブトロール�.�mmol/kgおよびガドテリドール�.�mmol/kgを自動注入器により�mL/秒で静脈内投与後,少なくとも生食��mLをフラッシュした.造影剤の投与順序: 最初に,いずれかの造影剤を投与し,その後��時間~�日の間隔を空けてクロスオーバーに他方の造影剤を投与した.MRI装置 :�.�T(Siemens社製 MAGNETOM Avanto)撮像法 :造影剤投与後,T� FLASH,MPRAGE,T� SE,T� FLASHの順で撮像を行った(図).
試験概要
対 象
試験デザイン
試験方法
評 価
主要評価項目: 造影効果(定性評価)画像評価は,�名の読影医が別々に盲検下で行った.同一患者の両造影剤による造 影 画 像を比 較し,いずれかの画 像がもう一 方より,“ 優 れる”,“ 同 等 ”,“劣る”と評価した.副次評価項目:➀造影検査としての総合評価,➁診断の質(Diagnstic Quality)に関する総合評価,➂各撮像法別に, �)病変の描出, �)病変と正常組織との境界 , �)病 変の内 部 構 造,についてそれぞれ上 記 � 段 階で評 価した(定 性 評 価).そのほか,➃病変と正常脳組織の信号雑音比(SNR)およびコントラスト雑音比
(CNR)に関する評価を行った(定量評価).
原発性および続発性脳腫瘍患者におけるMRI用造影剤ガドブトロールとガドテリドールの盲検読影による同一患者,無作為化比較
� � �
安全性 安全性解析集団��例において,予期しない有害事象や重篤な有害事象は発現しなかった.
各撮像法別の病変の評価(描出,正常組織との
境界, 内部構造)では,T� FLASH(�回目)を除き,
MPRAGE,T� SE,T� FLASH(�回目)では,いずれ
もガドブトロールの画像が“優れる”の比率が
高かった(表�).
撮像法別の造影画像による病変-脳組織コント
ラスト雑音比(CNR)は,読影医�名とも,MPRAGE
(ΔLBC※=�.��; p=�.����),T� SE(ΔLBC=��.��;
p=�.����),T� FLASH(�回目)(ΔLBC=��.��;
p=�.����)でガドブトロールが有意に優れると
評価され,T� FLASH(�回目)では差はなかった.
病変の信号雑音比(SNR)は,読影医�名とも,
T� FLASH(�回目)でガドブトロールが有意に高値
( p=�.����)を示したが,その他では有意差は
認められなかった.
結 論 脳腫瘍の造影MRIにおいて,ガドブトロール
�.�mmol/kgとガドテリドール�.�mmol/kgの
定性的および定量的評価に基づき,両者の比較
を行った.その結果,ガドブトロール�.�mmol/kg
は 良 好 な造影効果を示すことが確認された.
ガドブトロールは,脳腫瘍の診断と治療選択に
関し,より豊富な情報を提供すると考えられる.
利益相反:本研究は,バイエル ヘルスケア
社からサポートを受けている.また,本研究にお
ける著者には,バイエル ヘルスケア社から資金
提供を受けている医師が含まれるほか,バイエル
ヘルスケア社の社員も含まれる.
効能・効果,用法・用量,警告,禁忌,原則禁忌を含む使用上の注意については,最終DIページをご参照ください.
表� ガドブトロールとガドテリドールの造影効果の評価(主要評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test.
評価者解析集団
読影医1 0.0226
例数
全解析集団
44読影医2 0.0005
51読影医1 0.0110
プロトコール適合集団
51読影医2 0.0002
14
8
16
9
(32%)
(18%)
(31%)
(18%)
(0%)
(14%)
(0%)
(16%)
0
6
0
8
(68%)
(68%)
(69%)
(67%)
30
30
35
34
Copyright © European Society of Radiology 2013
インフォームドコンセント 造影剤投与
1分 5分 3分30秒 1分
ベースライン T1 FLASH(1回目) MPRAGE T1 SE T1 FLASH
(2回目)
副次評価項目:病変と正常脳組織のSNRおよびCNRの比較(定量評価)
表� 造影検査としての総合評価(副次評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test.
評価者解析集団
読影医1 0.0096
例数
プロトコール適合集団
44読影医2 0.0005
51読影医1 0.0046全解析集団
51読影医2 0.0002
Copyright © European Society of Radiology 2013
13
8
15
9
(30%)
(18%)
(29%)
(18%)
0
6
0
8
(0%)
(14%)
(0%)
(16%)
31
30
36
34
(70%)
(68%)
(71%)
(67%)
表� 診断の質に関する総合評価(副次評価項目)画像が“優れる”と評価された例数(%)
ガドテリドール 同等 ガドブトロールp値a
44
a two-sided sign test. Copyright © European Society of Radiology 2013
評価者解析集団
読影医1 0.0096
例数
プロトコール適合集団44読影医2 0.0075
51読影医1 0.0046
全解析集団51読影医2
13
3
15
3
(30%)
(7%)
(29%)
(6%)
31
15
36
18
(70%)
(34%)
(71%)
(35%) 0.0015
(0%)
(59%)
(0%)
(59%)
0
26
0
30
表� 各撮像法別の評価(主要評価項目および副次評価項目)病変の特性
病変の描出 病変と正常組織との境界 病変の内部構造
0.51(0.35; 0.66)
解析集団撮像法
プロトコール適合集団 0.56(0.39; 0.71) 0.55(0.38; 0.71) 0.56(0.39; 0.72)
0.53(0.38; 0.68) 0.57(0.41; 0.72) 0.57(0.41; 0.72) 0.58(0.42; 0.73)
0.72(0.57; 0.83)a 0.70(0.55; 0.82)a 0.70(0.55; 0.82)a 0.70(0.55; 0.82)a
0.74(0.61; 0.84)a 0.73(0.59; 0.83)a 0.72(0.58; 0.83)a 0.73(0.59; 0.83)a
0.79(0.66; 0.88)a 0.80(0.66; 0.89)a 0.79(0.65; 0.88)a 0.81(0.68; 0.90)a
0.80(0.68; 0.88)a 0.81(0.68; 0.89)a 0.80(0.67; 0.89)a 0.82(0.70; 0.90)a
0.76(0.61; 0.86)a 0.76(0.62; 0.86)a 0.75(0.61; 0.85)a 0.77(0.64; 0.87)a
0.78(0.64; 0.87)a 0.77(0.64; 0.86)a 0.76(0.63; 0.86)a 0.78(0.65; 0.87)a
造影効果
T1 FLASH(1回目)
全解析集団
プロトコール適合集団MPRAGE
T1 SE
T1 FLASH(2回目)
全解析集団
プロトコール適合集団
全解析集団
プロトコール適合集団
全解析集団
数値は,ガドブトロールが“優れる”とされた画像の比率(95%信頼区間)を示す.a ガドブトロールが優位であることを示す.
Copyright © European Society of Radiology 2013
図 本試験におけるワークフローとMRI撮像法
副次評価項目:各撮像法別の造影効果の評価(定性評価)
※LBC:lesion-to-brain contrast
本 試 験 は,ガドブトロールおよびガドテリドールによる脳 腫 瘍の造 影 M R Iでの比 較を目 的とした,単 一 施 設での同 一 患 者クロスオーバー比 較 試 験である.本 試 験では,ガドブトロールとガドテリドールの定性的評価および定量的評価に基づき,両者の比較を行った.その結果,ガドブトロールの脳腫瘍に対する良好な造影効果が確認された.
Point of Article