P40-41 学生リポーターの先輩訪問 2...学生リポーターの先輩訪問! 1073 41...
Transcript of P40-41 学生リポーターの先輩訪問 2...学生リポーターの先輩訪問! 1073 41...
click!学生リポーターの先輩訪問!
107340
古くは写真フィルム・カメラ・レンズ事業を,最近では画像処理やカラー技術を中心に情報事業をグローバルに展開するコニカミノルタ株式会社(以下コニカミノルタ)。この名前を聞いて,プラネタリウムや駅伝・マラソンを思い浮かべる読者も多いかも知れません。一方,私たちの身の回りを眺めてみると様々な場面でコニカミノルタを目にすることができます。春とは名ばかり,冬の寒さが残る2019年3月18日,学生分科会の8名は中央線JR豊田駅からバスで約10分,同社東京サイト八王子に到着しました。同サイト玄関で人事部の岩下昂史さんの出迎えをうけ,さっそくコニカミノルタ八王子SKT(新研究開発棟)の見学です。
コニカミノルタ八王子SKTを見学コニカミノルタ八王子SKTは,「新しい価値の創造」をめざす場として2014年にスタート。各フロアは端から端までオープンな造りになっています。同2階の技術展示スペースで岩下昂史さんとOBの若松秀明さん(S60化工62修)のお二人にコニカミノルタが築いてきた歴史と最新の技術を紹介して頂きました。同社収益の主体はオフィス機器関連事業が支えて
います。旧コニカおよび旧ミノルタ時代に培った色彩や光学,樹脂フィルム,乳化剤技術をベースに,画
像処理技術やレンズ,ポリゴンミラー,高機能材料の技術が同社の強みになっています。主力であるオフィス機器メーカーというだけでなく,そこにサーバーを組み込む,各種アプリを搭載するなど,プラットフォームビジネスにも展開しています。また特殊素材に印刷できるプリンターや独自開発した樹脂製部品の提供など同社は幅広い側面をもっています。これまで培ってきた固有技
術を応用した新しい事業も展開しています。例えば,ポリゴンミラーを用いた自動運転用車載レーダーや同センサー類。さらに画像処理技術を活かした医療機器など,ここには時代の流れに沿って数多くのものが紹介されています。
活躍中のOBOGとの座談会若松秀明さんに加えて石
いし谷がい拓也さん(H20化)と
飯塚(山本)桃子さん(H26無機28修物電子)も座談会に駆けつけて頂きました。・ 入社した動機は?石谷さん:デジタル化が一層進む中,コニカミノルタに様々な取り組みがありました。自分も参加したいという強い気持ちで入社を決めました。飯塚さん:写真フィルムやカメラ事業からオフィス機器へ大きく舵を切ったコニカミノルタ。時代の変化に
左から藤原さん,保田さん,西川さん,檜山さん,田中さん,五十嵐さん
飯塚(山本)さん,石谷さん,若松さん
新たな価値を創造し,持続・成長するコニカミノルタ株式会社
後列左から竹植M1,浴B3,山下B4,山口B3,池田B2,大関B3,岩下さん前列左から伊藤B3,飯塚(山本)さん,石谷さん,若松さん,坪田委員
click!学生リポーターの先輩訪問!
411073
合わせて,大きく変遷できる企業風土を感じ,入社を決めました。また働き易さやオープンな職場の雰囲気も選択理由の一つでした。・ 大学での勉強や研究と,会社でのお仕事との関連は?石谷さん:私は大学で量子化学を専攻していました。仕事でそれがそのまま活かされるとの印象は少なかったですが,授業で身につけた理工系の基礎知識は多くの分野において応用が利き,仕事の上で役立っています。飯塚さん:大学の研究で使用していた装置を業務でもよく使うので,得られたデータの解析・解釈は当時の知識が基礎になっています。また所属していた大学の研究室で様々な研究テーマに接する機会がありました。業務上,あらゆる分野から多くの相談がありますが,背景や課題を理解する上で助けになっています。一方で,最新の技術や装置にも対応することが求められ,さらなる勉強が必要だとも感じています。・ 会社の仕事で,やりがいを感じる時はどんな時?石谷さん:コニカミノルタには自分のアイディアを提案し,それを具現化する道が拓かれています。ポジションに関係なく自由に意見が言える環境があって,自分のテーマに主体性がでてきます。そのアイディアが成果に繋がった時はやりがいを非常に感じます。一方で環境変化により,自分のテーマが中止になってしまうこともあります。その時は頭を切り替えて次に移ります。飯塚さん:他部署から相談を受けた課題を解決できた時やりがいを感じます。また解決策を考える際に学生時代に得た知識や経験が活かされると楽しく,もっと勉強しようというモチベーションにもなります。・ 今後の展望をお聞かせください。石谷さん:自分が提案した今進行中のテーマを事業化まで進めたいと考えています。そして,それを利用
したお客様の喜ぶ顔が見たいものです。飯塚さん:より幅広い分野の相談に対応できる能力を身につけます。様々な装置の使い方や開発の知識だけでなく,多くの経験を積んで自分の視野を広げたいと考えています。若松さん:石谷さんと飯塚さんの所属する要素技術開発部門は,コーポレート部門です。将来のコニカミノルタの事業を見据えて行動するので,柔軟な頭脳と豊かな発想力が求められます。さらに一人ひとりが「こうありたい」という強い想いをもつこと,その想いを実現するための行動が取れることが大切です。会社もそれを強く後押ししています。
現役東工大生へのメッセージ
石谷さん:机上の勉強だけでなく,実際に見て,聞いて,触って,体験してみないと分からない事柄はたくさんあります。まとまった時間がとれる学生時代は人生を通しても貴重な時期です。研究や旅行,留学など何でも構いません,それに熱中してください。飯塚さん:就活する皆さん。就職してしまうと他社を知る機会が減ります。多くの会社を訪問してください。とくに現場を知ることは大切です。また学業面では自分自身,大学時代もっと広い分野をしっかり勉強しておけば良かったと思っています。東工大はそのための素晴らしい学習環境がそろっています。先生方から多くの知識を吸収してください。
コニカミノルタの訪問を終えてコニカミノルタはコピー機を主体にオフィス機器分野では世界の最先端を行きます。 見学の際Workplace Hubという統合プラットフォームの説明を聞きました。単なる複合機ではなくAIやデータ処理機能など最新のITシステムを組み込んだこれら機器類によって次世代の働き方改革の方向が見えてきます。また同社の永年培った固有技術の継続性,展開力には驚きます。変化の激しいこの時代への対応にむけ柔軟な発想力と先を見通す力も重要で,先輩方のお話からそれを可能にするコニカミノルタの未来を見据えた力強い動きを実感する事ができました。
文 :大関祥久(工学院 機械系B3)写真:竹植 希(生命理工学院 M1)