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Title ウェーバー民主主義思想の再検計 : モムゼンの問題 と方法を手掛りに Author(s) 北野, 雄土 Citation 年報人間科学. 4 P.159-P.175 Issue Date 1983 Text Version publisher URL https://doi.org/10.18910/10598 DOI 10.18910/10598 rights Note Osaka University Knowledge Archive : OUKA Osaka University Knowledge Archive : OUKA https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/ Osaka University

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Title ウェーバー民主主義思想の再検計 : モムゼンの問題と方法を手掛りに

Author(s) 北野, 雄土

Citation 年報人間科学. 4 P.159-P.175

Issue Date 1983

Text Version publisher

URL https://doi.org/10.18910/10598

DOI 10.18910/10598

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Note

Osaka University Knowledge Archive : OUKAOsaka University Knowledge Archive : OUKA

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〔一九八三年

二月〕

『年報人間科学」第四号

一五九頁-

一七五頁

ェー

バー民主

主義思想

の再検討

モムゼ

ンの問題と方法

を手掛り

ー北

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ェーバー民主主義思想

の再検討

モムゼ

ンの問題

と方法

を手掛

序、

ムゼ

ンのウ

ェー

バー解釈

の変遷

と特

一九

九年

W

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一八

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一九

二〇』

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た(・。)。

ーの民

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ーの民

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ムゼ

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ェー

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あら

った。

「国

より

から

理念

に象

され

る実

が奪

れ、

0機

がな

る(虧)。

にお

いて

イツ国民の

「権力

への利害」(髯薗Oぽけ一昌けO増①のooO)

が国家形態に関す

るすべての問題に優越すると考えられた結果、民主主義もまた国民

「権力

への利害」に奉仕するために、指導者の選抜、被支配者の

最低限の同意の確保、

行政の統制の三つの

機能に集約された(㎝)。

また、ウェーバーにと

ってワイマール共和国を支える合法性は指導

者選抜のルールにより保証されているにすぎず固有の価値を持たな

かった故に、共和国の正当性の基盤を強化するため

「人民投票的指

導者民主制」によるカリスマ的正当性の導入を図らざるを得なか

た(①)。

これはカール・シ

ュミットにより

受け継がれて

ナチスの政

権獲得に寄与したと結論づけられた(圃)。

その後、モムゼンの関心は

「人民投票的指導者民主制」に集申し

ていった。六三年の論文では

「人民投票的指導者民主制」の危険な

側面が

同様に指摘されたが(。。)、

他方

『政治論文集』の

みな

『経済と社会』も利用されてそれによるカリスマ導入の試みは、普

遍的官僚制化に対して個人の自由を維持するためになされたものだ

とも解された(o)。

六五年にモムゼンは

『経済之社会』から更に歴史の動きに関する

基本図式ー」

h普遍史的思考Lを引き出七、これによりクェーバi

一 ユ61一

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の政治思想を解釈しようとした(§。

それは

歴史を

カリスマと合理

化の闘争と見なす。即ち合理化を推進する最も重要な動因は政治や

経済の領域における官僚制であり、普遍的な官僚制化の下で個人の

自由やダイナミックな社会秩序を維持するためにウェーバーはカリ

スマを導入しようとしたのだ

とモムゼンは解釈した(一 )。

七〇年代前半に入

って、個人の自由とカリスマとが対立しかねな

いことが明確にされた。この二つのものを胸の内に併存させこれと

ともに生きることができたウ

ェーバーを評して、

モムゼンは

「限界

状況にあるリベラリスト」と言う(邑。

八○年に京都で行われた講演では五九年以来進めて来た自らのウ

ェーバi解釈の総合を彼は試

みた(邑。

ウェーバーを

ナショナリス

トと見なす見解もリベラリストと見なす見解も共に議論の前提とし

た上でナショナリズムとリベラリズムの関係を考察したモムゼンは

両者をアンチノミーの関係で捉える。しかし、この二つの価値理念

の間には共通するものがないわけではない。それは競争の最大限の

維持とダイナミックな社会秩序を尊重するところである。この思考

様式は

「多元主義的思考」と名付けられた。モムゼンは自らの解釈

を総合しようとしたが、

民主主義については、

「人民投票的指導者

民主制」を念頭に置きつつ、専

らリベラリズムとの関係を論じるの

みで、価値理念のアンチノミi更に

「多元主義的思考」との関係に

は言及しなか

った(ε。

ウェーバーの民主主義を基礎づける理念に関するモムゼンの解釈

は変化したものの、民主主義

の基礎づけに対する関心それ自体は変

化しなかった。

モムゼンは最初の著書で

「人民投票的指

制」の問題性に気づいて以来、その基礎にある理念に関心を持ち続

けた。その間に具体的政策からではなく

「普遍史的思考」からウェ

ーバーの民主主義を考察するようにな

った。

「普遍史的思考」

から

「人民投票的指導者民主制」のリベラリステイックな側面が明ら

かにな

った。だが、ナショナリズムとの関係は触れられなかった。

モムゼンは五九年の著作で民主主義とナショナリズムとの関係を論

じていたので、

「人民投禀的指導者民主制」

とナショナリズムの関

係の問題は解決済と考えたのかも知れない。しかし、そこでは

「人

民投禀的指導者民主制」をナチズムとの関連で断罪することに力点

が置かれ、

ナショナリズムどの関係は十分に論じられなか

った。今

一度

「人民投票的指導者.民主制」の基礎にある理念特

にナショナリ

ズムを考えてみることは無…意味ではあるまい。その際

「普遍史的思

考」からではなく具体的政策からそれを探究したい。五九年の方法

を使

って

「人民投票的指導者民主制」の基礎にある理念を再検討す

る所以である。

モムゼンは

「人民投票的指導者民主制」の概念を

『経済と社会』

から採

っている。それはカリスマの資質を持

つ指導者がまず政治的

従士団を支配し、

ついでこの従士団を使

って全体を支配する支配形

態である(邑。

その際支配の正当性は

「主権を持つ人民による人民

投票的承認」という形で求められる。実際に提案されたのは、こう

した支配形態の

一類型である

「マシーン」を伴う指導者民主制であ

った(一①)。

一162一

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ウェーバーの政策論は、外交、国家技術即ち国家意志を形成する

技術(5、経済、社会などの領

域にわた

っている。「人民投票的指導

者民主制」は第

一に国家技術の問題である。

この支配形態に関わる具体的

政策は

一九

一八年十

一月のドイツ革

命後

に提案された。故

にそれを基礎づける理念を考える際

には革命

後の政策を見る必要がある。だが、革命後の提案を基礎づける理念

は後述する如く大戦中にすでに用意されていた。その上、

ウェーバ

ーは大戦中に多くの政治論文を書

いたので資料も豊富である。そこ

で大戦中の国家技術上の政策を基礎づける理念をまず初めに考察し

よう。

一、大戦中の政策

『政治論文集』(第三版)によれば、

大戦中に

クェーバーは二十

篇に及ぶ政治論文を書

いた。

一九

一五年から

一九

工ハ年末

にかけて

は、ドイヅ外交の

一般原則、西欧諸列強との関係、

ロシア

の関

係、

ポーランド政策、無制限潜水艦作戦問題など多方面

て、対外政策が論じられた。戦

争が長期化しドイツの敗色が次第

濃くなる

一方で国内に平和と民

主化

への期待が高ま

っていった

一九

一七年初頭から終戦までの時期

には主に国内政策が取り上げられ、

政治論文の数は十四篇

に上

った。

一九

一七年から終戦までの国家技術上の主要な政策は以下の六つ

にまとめられる。プ

ロイセン下院

における

普通

・平等選挙法

の実

施(一。。)、

行政指導者が

帝国議会の議員の中から

選出される制度ある

いは彼が職に留まるために帝国議会の信任の獲得か少なくとも不信

任の回避を必要とする制度の導入(§、

帝国憲法

第九条第

二項の廃

止(§、帝国議会に対する調査権の付与(トっ円)、帝国宰相に助言を与え

る機関の改革(§、

政党組織の改革(・。。。)。

それぞれの政策が目指して

いる目標をまず考えておこう。

普通

・平等選挙の実施について。これは議会選挙に大衆が平等に

参加することを意味する。

議会による指導者選抜の提案について。これにより帝国議会で決

定権を握

っている政党の指導者が国家権力の担い手に准る可能性が

高まる。

憲法第九条第二項廃止の提案について。この条項は連邦参議院に

派遣される全権と帝国議会の

議員の兼職を禁じている(・。虧)。憲法上

帝国宰相は同時に連邦参議院の全権でなければならぬ。帝国大臣は

慣例上連邦参議院の全権であることが望ましい(・。㎝)。

故に連邦参議

院に席を置く宰相や大臣は帝国議会に議席を持

つことができない。

逆に言えば帝国議会に属する政党指導者は宰相や大臣に任命される

と帝国議会の議員を辞職しなければならぬ。従

って憲法第九条第二

項は、政党の足場を失うことを覚悟しなければ、帝国議会の議員でも

ある政党指導者が帝国の政治に関与

できない

ことを意味した(§。

それ故、政党指導者が政党内の権力を失うことなく国家指導者に就

任するためにはその規定を廃止しなければならなかった。

調査権付与の提案について。第

二帝政下の帝国議会は調査権を持

一163一

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たなかっ.た。その結果国家官僚を統制できない無力な議会に終始し

た。ウェーバーは書類閲覧、実地検証さらに行政指導者や

一般官僚

を喚問する権限を議会に与え

ることにより行政を強力に統制しよう

とした。

助言機関の改革について。

ウェーバーによれば(助言

て帝国議会最高委員会、七人委員会、政党間連絡委員会

が生

た(・。『)。

彼はこうした機関を改造して高度に政治的な問題、とりわ

け軍事技術的問題や緊急の外交

問題を審議するにたる機関に仕立て

上げようとした。たとえば七人の政党代表者から構成される七人委

員会に政府側代表が出席する

ことを彼は提案した。その際政府側代

表として、中規模の支邦の二人ないし三人の代表者と戦時に特に重

要な軍事

・民政部局の四人な

いし五人の長官が

出席する(笛oQ)。

これ

に加えて政党代表者に対し政党から無条件に全権が与えられること

及び政治的に重要な全事件

について如何なる場合でも情報が与えら

れることが主張された。改革された助言機関により宰相は己れの政

治的活動能力を向上さぜると共に冷静かつ明晰に責任ある政治的決

断を下すようになることを彼は期待した。これは政治活動の

一般原

則に関する以下の如き考え方

に基づいていた(§。

即ち、

ω意志決

に参加する人数が少く、回意

志決定

への参加者と彼らにより指導

される者双方の責任が

一義的であるほど、冷静かつ明晰な頭脳が責

任ある政治的決断をする確率

が高くなる。.

政党組織の改革について。政党は

「ギルド」の精神ではなく

「従

士団」(OΦh巳αqωoげ畦冖)

の精神

によって組織されねばならぬとウェ

ーバーは考えた。これは政党指導者が成功している限り平党員が指

導者に全面的に服従することを意味する。平党員は指導者の手足と

って働くので指導者は大きな活動能力を持

つ。加えて政党指導者

と平党員の責任の内容が明確になれば、前述した政治活動の

一般原

則の回により冷静かつ明晰な頭脳が責任ある政治的決断を下す可能

性が高まる。

大戦中の国家技術上の政策が目指している目標をまとめれば以下

の如くである。ω大衆

の議会選挙

への平等参加、②議会に属する政

党指導者が国家指導者に就任する可能性

の向上、㈹行政の統制、㈲

国家指導者の政治的判断力及び活動能力の向上、㈲政党指導者

の政

治的判断力及び活動能力の向上。

二、大戦中の政策の基礎

大戦中の国家技術上の政策が目指している五

つの目標は如何なる

理念に基礎づけられていたのか。これを大衆と国家の関係と、指導

者と国家の関係の二つの側面から考えてみたい。

自由と政治的成熟

まず大衆と国家の関係の側面から見て問題となるものを選んでお

こう。ωは言うまでもない。②は指導者と国家の関係の問

る。圖は大衆が選んだ議員によりなされる故、大衆と国家の関係で

問題となる。…田と㈲は指導者の側の問題である。それ故、ωと團が

一164一

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大衆と国家の関係の側面で問題

となる。

ωは大衆が議会を通じて指導者の選抜

へ参加することを、偶は大

衆が議会を通じて行政を統制す

ることを意味した。ウェーバーによ

ればこの二つは犬規模国家で可能な民主化の

一形態である。

「無組織の大衆という意味での民

(一)ΦBoの)は相当大きな団体に

おいては決して自ら

『支配』

せず、むしろ支配される

であ

て、支配する行政指導者の選抜の仕方と、彼らー

っと正確に

言えば彼らのうちのある集団i

がいわゆる

『世論』を通じて行

政活動の内容と方向に及ぼす影響力の程度とを変化させ得るにす

ぎない(ω。)。」

指導者を選抜する方法には議会が選ぶ場合と大衆が直接に選ぶ場

合とがある。行政の統制はジ

ャーナリズムだけでなく議会や政党に

ってもなされる。大戦中には議会による指導者の選抜と議会によ

る行政の統制が主張された。

ωと圖を基礎づけている理念を考えてみよう。ウェーバーは国家

に対する大衆の理想的関係を以下の如く述べている。

「政治的に成熟した民族だけが、即ち自らに関わる行政の統制権

を持ち、自らが選んだ代表者を通じて政治指導者の選抜に決定的

に共同参加する民族だけが

『共同統治者』(国Φ逵o⇒くo貯)

る(ωμ)。」

議会による指導者の選抜は引用中の

「自らが選んだ代表者を通じ

て政治指導者の選抜

に決定的

に共同参加する」

に、議会

による行政

の統制は

「自らに関わる行政

の統制権を持ち」

に該当する。従

って

ωと個は

「共同統治者」の理念に基礎づけられていると考え得る。

「共同統治者」の理念を基礎づけている高次の理念をさらに追求

したい。その理念を実現する手段の

一つである政治指導者選抜

への

共同参加は言わば

「国家

への自由」を意味する。今

一つの手段であ

る行政の統制は

「国家

への自由」と同時に

「国家からの自由」をも

意味する。故に

「共同統治者」

の理念は

「国家

への自由」

「国

家からの自由」とを同時に満たす自由の理念に基礎づけ

た(§。

ωはこの自由の理念

によ

ってのみ基礎づけられているわけではな

い。それは

「国民の統

一」なる理念

によ

っても基礎づけ

た。ウェーバーは以下の如く言う。

「我々はおそらく長く続くと思われる防衛戦に立ち向うべきこの

時において国民の統

一を維持するための不可欠の手段として、人

がドイッの政治制度の

『民主化』と呼ぶものを要求している。…

…(。。ω)」

当時のドイツにおける

「民主化」運動の中心的課題はプロイセン

における三階級選挙法の廃止とそれに代わる普通

・平等選挙の実施

であった(90F)。

クェーバーも

プロイセンにおける普通

・平等選挙の

実施を繰り返し要求している。その目的は

「国民の統

一」の維持に

った。「国民の統

一」とは実際には

何を意味するのか。

以下の

節はその意味を知る上で役立つ。

「今日では如何なる人でも民主制国家が戦時において政治的に強

力な理由を知り得る。

ストライキが起きた時イギリスの大臣は対

一 ユ65一

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等の仲間のように労働者と往き来するが、その際我国の官僚制と

は全く異なる体制が国民の利害と国家のために労働者の信頼と勝

への意志を導くことが再三再四明らかになる(◎9朝)。」

大衆が政府を信頼し戦争を戦い抜く意志を持つ状態が

「国民の統

一」である。戦時にあ

って戦

争の意義を理解し政府

への信頼と勝利

への意志を持つ国民こそ政治的に成熟した真の

「国民」

(客p二〇口)

であるとウェーバーは考えた。議会選挙に大衆を平等に参加させよ

うとしたのはこの考え方に基

づいている(。。①)。

ドイツの自立と国民的政治家

次に指導者と国家の関係の側面から大戦中の政策を基礎づける理

念を考察しよう。ωは大衆と国家の関係の問題である。②は指導者

と国家の関係の問題である。

圖の行政の統制は議会

の委員会活動の

中で政治家が訓練され国家指導者になった場合

に指導者と国家の関

係でも問題となる。㈲は国家指導者の、㈲は政党指導者の政治的判

断力と活動能力を高めようとする故に、指導者と国家の関係で問題

となる。②、圖、㈱、㈲が指導者と国家の関係から見て問題とされ

る。それぞれを基礎づける理念を考えてゆこう。

②の基礎にある理念について。ウェーバーは議会に属する政党指

導者が国家指導者になることを要求した。まず政党指導者が議会に

議席を置

いたまま国家指導者

になることにより従来通り政党内の基

盤を保持し強力な指導を行

い得ることは言うまでもない。次に政党

への指導者が国家指導者に適当

であるとされたのは何故であろうか。

彼によれば政党員は官僚と異なり公明正大に闘争することにより訓

練されている(ω『)。「闘争」により如何なる性質が身につくのか。

党員は、政党の外に存在する様

々な組織体との問における、あるい

は政党の内部における闘争の中で政党組織の頂点に向

って上昇して

ゆく。闘争の中で素早い政治的判断を強制され、常に己れの行為の

結果に対して責任を取らされる故、政党員は冷静につまり現実をあ

るがまま受けとめて判断する能力と、行為

の結果に対する責任感を

身につける。従

って政党の指導者は彼が政党内部で成功しているこ

とにより、この二つの性質をある程度備えていることが国家官僚に

べて期待される(ω。。)。

ウェーバ!が

政党の指導者が国家指導者

なることを望んだのはこれによっている。その二つの性質を現実に

即する

(ω鋤Oげ嵩Oげ)性質と名付ければ(。。り)、②を基礎づける理念は強

力で現実に即した政治指導の要請ということになる。

圖を基礎づけている理念について。行政の統制は議員が政治的に

訓練され国家指導者に選出される可能性を高める効果を持つとウェ

ーバーは考え、以下の如く述べている。

「政治家は、強力に活動する議会委員会の中で実際の行政に集中

的にたずさわることにより訓練を受け自らの力量を証明せねばな

ぬ。

こう

た訓

が議

を単

マゴ

なく

に即

て行

(ωP6げ一一〇口

P『ぴΦ一けΦ口α)

る場

であ

る。

にも

に即

た政

への期

われ

る。

て。

の政

の向

一166一

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特にドイツの外交に寄与するとウェーバーは考えた。即ち、ドイツ

が世界列強を敵に回す戦争に追い込まれたのは皇帝やその側近の官

僚達による気まぐれな外交に

よるところが大きいとみて(さ、

彼は

二度とそうしたことが起きな

いように冷静な外交をー

それを可能

にする国家指導者の政治的能力

の向上を要求した。

㈲を基礎づける理念について。まずこれにより強力な政治指導が

可能になるのは言うまでもな

い。加えて政党指導者の政治的判断力

は大衆の情緒的傾向が

国政に

悪影響を及ぼすのを抑制する(§。

衆は絶えず情緒的かつ非合理な影響力に身をさらしており

「せいぜ

い明後日までのこと」しか考えない。こうした傾向を持つ

「未組織

化大衆」即ち

「街頭の民主主義」の政治的危険に対抗し

「責任ある政治家による秩序ある大衆指導」だけだとウェーバーは

考えた。かくして政治指導が現実に即して行われる可能

る。②

、圖、㈲、㈲は強力で現実に即した政治指導なる理念によって

基礎づけられていた。これを基礎づけている高次の理念を更に探究

してゆきたい。まず強力な政治指導は現実に即した政治指導の要請

により目標を与えられ、その目標を推進してゆく。では現実に即し

か政治指導を基礎づけているのは如何なる理念であろうか。現実

即して行動する性質は現実をあるがままに受けとめて物事を判断す

る能力と、行為の結果に対する責任を引き受ける性質の

つを

む。現実とは政治的現実であり、行為とは政治的行為である。ウェ

ーバーにと

って政治とは権力

をめぐる

闘争であ

った(§。

それ故、

政治的現実とは権力をめぐる闘争なる現実であり、政治的行為とは

権力をめぐる闘争行為そのものである。従

って、現実に即して行動

する性質は、権力を扱う人間が権力をめぐる闘争の中でその現実を

あるがままに受けとめて冷静に決断し、権力を得るための行動や権

力を得た後の行動が引き起こした結果に対し責任を持

つことを意味

する。故にそれは権力を扱う人間の行為規準である。ウェーバーが

これに従う政治指導を要求した理由は何であろうか。皇帝や官僚は

権力闘争の中で訓練されていない故に、国家間の権力闘争である外

には本来向かないとウェーバーは考えていた(ε。

それ

故彼は以

下の如く述べている。

「ドイツに欠けていたものは政治家による国家指導であ

った。

世紀に

一人だけ

期待し得る

ような

政治的天才による

指導ではな

い。

政治的才能を持

つすぐれた

人物による

指導ですらもない。

およそ政治家なるものによる指導が欠けていたのだ(ホV。」

ウェーバーは権力を扱う行為規準を心得た政治家がドイッの外交

を指揮することを求めた。国際政治の現実に即して冷静にかつ責任

を持

ってドイッの外交がなされる可能性が高まると考え

る。現実に即した外交の要請を基礎づける理念は

一九

一五年から

=ハ年にかけて発表された対外政策論によって知り得る(δ。

ェーバーは現実に即した外交により戦争を側面から援護し、将来の

外交

に有利に作用する平和条約を締結させようとした。これは

ロシ

アやフランスなどの世界列強

にはさまれた

「権力国家」

(髯帥oげ雫

の蜜p冖)ドイッの自立を確保することを目的としている。ドイツの相

一167一

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立は領土だけでなく国際政治における意志決定の自由を確保するこ

とをも意味する。現実に即した政治指導の要請はドイッの自立の理

念に基礎づけられていた。

ウェーバーはドイツの自立

なる外交上の課題に従い国内政策なか

んずく国家技術的政策を提案

した。ドイツの指導者層に対しても外

交上の課題に従

って国内政策を決定すべきだと主張した。彼はプロ

イセン邦議会の下院に普通

・平等選挙法の採用を求めた箇所で以下

の如く述べている。

「対外政策上の課題に対し不可避的に対応するという観点から国

る人

だけ

(Φ一ロロ9叶一〇Pρ一①層勺O嵩け一犀Φ触)

と呼

び得

る。

の観

ら導

『民

主主

を好

 

い者は大国政治を否定する者である。大国政治にはその帰結に従

うことが不可避である(§。」

ウェーバーは政治家が、対外政策上の課題に従

って国内政治を考

えるという意味で

「国民的」

になること即ち真の

「国民」(Σ讐圃o口)

になることを迫

った。この要請を指導者の政治的成熟の要請と言い

替え得る。彼はプロイセン下院が普通

・平等選挙を実施することの

意義をドイツの指導者層に説

いてその実現を図ろうとした。これは

大衆を国家

に統合して真の

「国民」にするためであ

った。大衆と指

導者の双方を政治的に成熟させて真の

「国民」にしようとする考え

方を

「国民主義」と呼ぶことにしたい(恥Q◎)。

ところでウェーバーは

「国家

への自由」と

「国家からの自由」を

同時に満たす自由のみならず、国際政治におけるドイツの意志決定

の自由をも実現しようとした。両者はある主体の意志決定の自由を

最大限に尊重しようとする点で共通している(§。

大戦中の国家技

術的政策は

「国民主義」だけでなく、

この意味における

「自

義」によっても基礎

づけられていた(切O)。換言すれば

大戦中の政策

はこの二つの理念を同時に実現すべく編成されていた。

三、指導者民主制の基礎

一九

一八年十

一月のドイツ革命を境にして指導者選抜の方法に関

するウェーバーの見解は議会による選抜から人民投票による選抜

転換した。革命後の主要な政策は以下のとおりである。人民投票に

よる大統領の選出(鴛、大統領

への実質的権限

の付与(紹)、

支邦や市

町村の議会化

・民主化(琶、連邦参議院の改革(琶。後の二つは連邦

主義に基づいている。彼は支邦の行政指導者の議会

への責任、市町

村の長の住民による選出か議会による選出、議員や市町村の長の普

・平等

・秘密

・直接選挙などと共に、各支邦政府が派遣する全権

から構成された第

二帝政下の連邦参議院

に代えて各支邦議会により

選ばれた代表者からなる上院の設置を提案した。各支邦に議会主義

的制度を導入し上院を通じて共和国の政治に参加させようとしたの

である。「入民投票的指導者民主制」に深く

関係するのは、

人民投

票による大統領選出と大統領

への実質的権限の付与である。考察の

対象をこの二つに限定して、それぞれが目指している目標を考えて

ゆこう。

一168一

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まずこの二つの提案がなさ

れた外的事情とその提案の背後にある

支配形態に関する理論に触れ

ておきたい。外的事情の中では、君主

制の崩壊(邑、

比例代表制の導入(・。①)、大統領制をめぐる

の議

論(㎝刈)の三つが重要である『

君主制の崩壊により

大統領制の採用が

制度的に可能になった(切Qo)。

他方比例代表制により議会に様

々な職

業団体の幹部が進出する結果、議会が指導者選抜の場でなくなると

ェーバーは予想し(αO)、

議会

による

指導者選抜の提案を取り下げ

た。これに代えて人民投票による大統領選出が提案された。さてワ

マール憲法の起草者である当時の国務大臣

フーゴ:.プロイスは

制限君主制

における君主の権限に倣

って大統領に元首としての形式

的権限だけを与えれば十分であると考えていた。これに対しウェー

バーは以下に述べる理論に従

い大統領に大幅な実質的権限を与えよ

うとした。政治論文の中で非常時の権限だけが提案されたのはそれ

が当時の状況下で実現可能だ

と見なされ允からであろう。

二つの提案の背後にある支配形態に関する理論を見ておきたい。

彼は大統領選挙によ

って新し

い政党組織が出現すること

た(8)。

それは「イギリスやアメリカで発達しだ

「コーカス」や

「マ

シーン」と呼ばれる大衆政党

である。彼によれば、この政党組織は

大衆を獲得し組織せねばなら

ぬので指導における最高度の統

一性と

厳格な党規律を持ち、「選挙事務長」や

「ボス」

によ

って経営され

る(①μ)。

この組織

の目的は、

選挙で勝利を収める

ことにより党員に

報酬として官職を与えることである。故にたとえ党に関係のない新

人であ

っても彼

にカリスマの資質と政治的能力があれば彼を支持し

て選挙にのぞむ(§。

その組織は彼がガ

リスマの資質を失わず政治

的に成功している限り全面的に服従する(Φω)。指導者が

「マシーン」

の支持を得て権力を獲得し行使する支配形態をウェーバーは

「マシ

ーン」を伴う指導者民主制を呼ぶ(9。

では二つの提案のそれぞれが目指している目標を考えてみよう。

人民投票による大統領選出の提案が目指している目標について。ま

.「使命感なき職業政治家」の集合体となる恐れのある議会に妨げ

られずに、

カリスマの資質と政治的能力を併せ持

つ真の指導者が国

家指導者

に選出される確率が高まる。次

に、大統領選挙の影響によ

「マシーン」が成立した場合、政党指導者の政治的判断力及び活

動能力が向上する。その上人民投票

により大統領が選出されること

は大衆が指導者の選出

に平等に関与できることを意味する。加えて

大統領は人民の意志を背後

に持

つ故にその権威が高まる。その結果

大統領は事実上の官職叙任権を持つことになり国家官僚制

の実質的

な長として行政を強力に統制し得る(①切)。

大統領に実質的権限を付与する提案が目指している目

て。実質的権限の付与とは形式的な元首としての権限以上のものを

与えることである。具体的には

「解決困難な

危機的事態」

に際

て、停止的拒否権、官僚内閣の任命権、議会解散権、レファレンダ

ムの提起権を与えることが提案された。ここで危機的事態として想

定されたのは

二つの

場合である(琶。

それはまず連邦参議院と、議

会さらに議会の信任を受けた内閣との闘で政策上の不

一致が生じた

場合である。これに際して大統領は停止的拒否権を使

って争いに介

一1&9一

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入し、状況によってはレファレンダムに訴える。今

一つは議会で多

数派が形成されなかった場合である。この事態が生じると大統領は

官僚内閣を任命したり議会を解散したりしてそれに対処する。

革命後の政策のうち

「人民

投票的指導者民主制」に関わる二つの

提案が目指している目標をまとめれば以下の如くである。ω大衆の

指導者選抜

への平等参加、②真の指導者が国家指導者に選ばれる可

能性の向上、

行政の統制、

ω

国家指導者の政治的能力の向上、

㈲政党指導者の政治的能力の向上、㈲危機的事態

への対処。

この六つの目標を基礎づけ

ている理念を、大衆と国家の関係及び

指導者と国家の関係

の二つの側面から考えてみたい。

大衆と国家の関係からはω

と圖が問題になる。革命前には議会を

介する指導者選抜

への参加と、議会による行政の統制とが主張され

た。指導者の選抜に関しては議会を介在させる方法が、大衆による

直接選挙

へ変化したが、指導者選抜

への平等参加の要請それ自体は

変化しなか

った。他方、行政を統制する主体は議会から大統領

へ変

ったが、その要請自休は変化

しなか

った。指導者選抜

への平等参加

「国家

への自由」を、行政

の統制は

「国家

への自由」と共に

「国

家からの自由」を意味する。故に自由の理念は、それを実現する手

段に変化が見られるものの、革命後も引き継がれたと考え得る。

ωを基礎づけているものは自由の理念だけではない。革命前、ウ

ェーバーは議会を介して大衆を指導者選抜に参加させ

「国

の統

一」を作り出そうとした。大衆を指導者選抜

へ参加させるという要

請そのものは革命後も変化しなか

った。彼はこれにより大衆に

「国

民」としての自覚を持たせて大衆を国家に統合しようとした。ωは

革命前と同様

「国民の統

一」の理念によ

っても基礎づけられていた

と考え得る。彼は市民層が

「責任を取る覚悟と自負を持

つ新しい政

治的精神」を育てるかどうかがドイッの将来

にと

って決定的だと考

えた($)。大衆の政治的成熟が要請されている。

ところで大衆の国家

への統合は指導者選抜

への参加によ

ってのみ

果されるわけではない。ウェーバーは指導者がカリスマの資質を持

つことを要求した(①Q◎)。

カリスマの

人格的魅力も大衆の統合に寄与

するであろう。

さて指導者と国家の関係の側面では二つの提案が目指す目標のう

ちωと圖を除

いた残りのすべてが重要である。

②を基礎づけている理念について。革命後もウェーバーは指導者

が現実に即して行動する性質

(ω鋤O『一一〇げ犀Φ一け)を持

つことを求めた。

この性質は以下の如く説明された(①O)。即ちそれは課題

(oり鋤oげΦ)

の情熱的献身、仕事

(ω降。oゴΦ)

への責任、判断力

(bロ帥qΦロ白裝)

まり物事と人間に対し距離を置いて見ることができる能力、以上の

三つの要素から構成されている。後

の二つはす、でに革命前に言及さ

れていた。現実に即して行動する性質は権力を扱う人間の行為規準

であった。

革命後も

これに則

った政治指導

とりわけ外交の指導が

なされることが望まれた。現実に即した外交の要請は革命前と同じ

くドイツの政治的自立の理念をその基礎に持

っていた。

の理

と、「国家

への自由」と

「国家からの自由」

とを同時に満たす自由

の理念とは外界に対する主体の意志決定の自由を最大化しようとす

一170一

Page 13: Osaka University Knowledge Archive : OUKA...ウ ェ ー バ ー 民 主 主 義 思 想 の 再 検 討 モ ム ゼ ン の 問 題 と 方 法 を 手 掛 り に 序 、 モ ム

る点で共通する。②はこの意味での

「自由主義」に基礎づけられて

いた。

革命後、ドイツの自立の理念は

「完全に自立的な民族なる理想、

即ち国際連盟において我々の特

性を遠慮することなく平和的に維持

するためドイツの全領域が

一つの独立国家を目指して統

一すべく自

決すること」と表現された(8)。

これを見れば、

ドイツの対外的独

立と国内的統

一の同時的達成が目指されていたことが分る。政治家

がこの二つの課題を十分に認識し現実に即して外交と内政の両面に

わたり国家を指導することが要求された。彼は戦後のドイツが置か

れた国際的状況から生じる課題を政治家がよく心得て、即ち

「国民

的」に政治指導を行うことを求めた。他方彼は大衆にも

「国民的」

になることを望んだ。大衆と指導者の双方が政治的に成

「国民」になることが要求さ

れた。②はこの意味における

「国民主

義」にも基礎づけられていたのである。

㈲と㈲を基礎づけている理念について。㈲と㈲は政治指導が強力

になされる可能性を生み出し、ドイツの自立の確保に寄与する(己。

㈲を基礎づける現念について。

ウェーバーが大統領に国家の諸機

関に干渉する権限を与えよう

としたのは、危機による政治の空白を

できる限り早く埋めて共和国

の政治の継続性を高めるた

であ

た。これもドイツの自立に寄与する。

樹、㈲、㈲も前述した意味

における

「自由主義」に基礎づけられ

ていた。

以上の考察を通じて

「人民

投票的指導者民主制」の

一類型である

「マシーン」を伴う指導者民主制に関わる

二つの政策は、

「国民主

義」と

「自由主義」の理念に基礎づけられていたことが分る。ウェ

ーバーの国家技術上の政策は政治状況の動きに伴い変化していった

が、その根底には二つの理念が

一貫して流れていた。

 

結、指導者民主制とカリスマ

「人民投票的指導者民主制」によるカリスマの導入をウェーバー

が主張したのはなぜかという疑問がモムぜンにとって中心的問題で

あった。カリスマに対するウェーバーの期待と、

モムゼンが提示し

た個人の自由の理念や

「国民的権力思想」との関係を最後

に考えて

おきたい。

最初にモムゼンの見解をまとめておこう。まず、

カリスマへの期

待と個人の自由との関係について。普遍的な官僚制化の下で個人の

自由を維持するためにカリスマによる支配が求められた。だが、そ

れは個人の自由を侵害する危険性をも持

つ。次に、カリスマへの期

待と

「国民的権力思想」との関係について。

「国民的権力思想」

合法性の機能主義的把握を導く。その結果弱体化した共和国の正当

性根拠を補う目的でカリスマ的正当性をウェーバーは導入しようと

した。これはカール

・シュミットに受け継がれてナチスの政権獲得

に寄与した。

こうしたモムゼンの見解を如何に捉えるべきか。モムゼンは個人

の自由を如何にして維持するかというウェーバーの問題関心に共感

一171一

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マー編

口勇

訳、「ウェーバーと現代社会学

-

第十五回ドイ

ツ社会学会大会

議事録ー

」、

一九七六年、木鐸社

一六

五頁以下)。

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二頁

)。

172一

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)。

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(山

訳、

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(山

訳、

一五、

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六頁

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の翻

「選

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・山

田高

「新

の議

と政

府-

官僚制度と政党組織の政治的批判」、「世界の大思想、

三、

ウェ

ーバー政治

・社会論集」

所収、

一九七

三年、

河出

書二房新社、

三三六

)。以下この翻訳を

「議会

と政府」と略す。

勺ρ

ω.。。鮮b。山註

(中村

・山

田訳、同、三三八i

三三九頁)。なお、

勹ρ

ω●合Oムb。O

には憲法第九条第二項

の廃止が持

つ意味

に関する詳

細な記述がある。

勹ω℃ω・。。α㌣◎。α朝

(中村

・山田訳、同、

三四七-三四九頁)。

勹oり℃ω・b。Hりhこ。。象-。。昭

(中村

・山

田訳、同、三四九i三五〇頁)。

りQD℃ω.Nb。ρ

。。αO

(中村

・山田訳、同、

三五〇頁)。

勹ρ

ω・。。虧b。

(中村

・山田訳、同

、三三八頁)。

勹ω℃ω.おO・

勺ρ

ω・ω島

(中村

・山由

訳、「議会と政府」、三三八頁)。

なお

勺ρ

ω●膳bのHも参照せよ。

℃ρ

ω●おO.

勺ρ

oQ・b。b。9

但し、

「議会

と政府」

では、

中規模支邦

の代表者の

人数が三人な

いし四人とな

っている

(〈αqド

oo●。。切①・

中村

・山田訳、

「議会と政府」、

三五〇頁)。

勺ρ

ω・心O虧

(中村

・山田訳、

同、

三七八頁)。

なお

勺ρ

ω●。。虧。。

(申村

。山

田訳、同、三四三頁)も参照

せよ。

≦賃ρ

ω●窃①。。

(世良訳、同、

一〇八i

一〇九頁)。

勹ω'ω・濠

H・《一肖Φ同りΦ】P〈O一屏》

なる語

は別

の箇所で

《竃響ゲo旨窪

鳥oωω富舞$》

(国家

の共同

の主人)と言

替えられているので

「共

同統治者」と訳し

(<o鳶ド

℃ω噂ω.b。Oド

田訳、「選挙法

と民主主義

㈲」、

二五

一頁

)。引用文中

の傍点は

「政治論文集」でイタリックにな

っている箇

所を示

している。以下同様である。

国家との関係

における積極的

・消極的自由のみならず、社会組織と

の関係における自由をも

ウェーバーは実現しようとした。中村貞

二は

クェーパーの労働組合論に

「社会民主党内部の

「官僚支配」に抗しう

る人間の復権」即ち

「自由な市民

の形成」

の意図を見出

し、更にこの

意図は同時

「国民化」即ち労働者が組合

の中で政治的

に成熟すべく

自ら努力する

ことを意昧す

ると考え

(「マックス

・ヴ

ー研

究」、

一九七二年、未来社、

三二六-三三〇頁)。笹倉秀夫は、中村

言う

「自由な市民」を

「近代的な自立的社会人」と捉え、

これ

により

.

一173一

Page 16: Osaka University Knowledge Archive : OUKA...ウ ェ ー バ ー 民 主 主 義 思 想 の 再 検 討 モ ム ゼ ン の 問 題 と 方 法 を 手 掛 り に 序 、 モ ム

ーバ

ーの

リズ

ムと

ョナ

リズ

ムとを

(「いわゆる

「ヴ

ェーバ

i問題」

について

ヱーバー

「自立人」・「小集団」・「国家」

の連関構造

l

L、

大阪市立大学

法学

雑誌第

二五巻第

三四号、

一九七九年、十

ニー十三頁)。

勺oり、ω・boHメ

ロイセン選挙法改革問題

については、村

瀬興雄、『ド

イツ現代史」

(第九版

)、

一九七〇年、東京

大学出版会、

三章第六節、

第四章第

一節、第三節を参照せよ。

勺ρ

ω●boΦoO(林道義訳、

「国内状勢と対外政治」、

東京女子大学論

集第

二三巻第

二号、

一九七三年、四五頁)。

国民の政治的成熟は

「国民国家

と経済政策」

(一八九五年)

の中

「国

の経

・政

の永

への利

のす

の考

に優先

こと

で状

って

これ

る」

(〈αq一.℃ρ

ω'HQ。・

真晴

訳、

「国

」、

前掲

「世

の大

想、

三、

ェーバ

政治

・社

集」

二頁

)。

勺ρ

ψ

G。8

(中

・山

訳、

「議

政府

」、

三六

)。

剛ω"

ω・Q。㊤卜o

(中

・山

田訳

九頁

)。

勺ρ

ω'Q。Q。虧

h●

(中村

・山

田訳

一⊥

二二頁)

勺ρ

Q。・課

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噛・

(脇

『職

」、

一九

○年

波書

七七

-

九頁

)。

勺ρ

ω.。。雛

(中

・山

田訳

「議

政府

」、

四九

)。

勹ρ

ω.c。①㊤.

勺ω℃

ω.b。c。メ

もO心

(山

田訳

「選

民主

国」、

二四六

中村

・山

田訳

「議

と政

」、

三七

-

九頁

)。

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(中

・山

訳、

「議

政府

」、

三四

二頁

)。

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(中村

・山

田訳

同、

三四

二頁

)。

勺ρ

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(中村

・山

、同

二頁

)。

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三号

一九

〇年

一七

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(山

田訳

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二九頁

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訳、

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現代

」、

六号

一九

二年

一四

八頁

)

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(林

、「国

内状

対外

政治

」、

〇頁

)。

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理論

」、

一九

〇年

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五論

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「自

主義

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」と

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・山

田訳

「議

政府

」、

三〇

七頁

)。

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(山

田高

「大統

」、

経済

亠ハ号

一九

一年

一九

六頁

)。

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(由[田訳

「大

」、

一九

五、

一九

亠ハ頁

)。

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究第

三号

一九

〇年

一七

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九頁

)。

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Page 17: Osaka University Knowledge Archive : OUKA...ウ ェ ー バ ー 民 主 主 義 思 想 の 再 検 討 モ ム ゼ ン の 問 題 と 方 法 を 手 掛 り に 序 、 モ ム

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参照

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◎。

(山

訳、

一五

二頁

)。

人民

によ

領制

主張された背景

については、

上山安敏、

「議会制

とカリス

マの間

・ー

マックス

・ウ

ェーバ

ーにおける近代と反近代」、

中央公論、

 九八○

年十

二月号、中央公論社

二百

三十

二頁以下を参照せよ。

比例代表制

の成立経緯

とその内容に

ついては、

口定、

「ワイマー

ル共和国における議会主義政治体制el

その構造的不安定性に関す

る序論

的考察」、立命館法学第

二四号、

一九五八年、

二三-

二六頁を

参照せよ。

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大統領制

の採用は、君主制

が崩壊した結果生じた統合

の欠如状態を

消滅させて国民を国家に再統合しようとする意図

に基づく

る。

℃ρ

ω.切OO

(山田訳、「大統領」、

一九四頁

)。

註㈲と同

じ箇所を参照せよ。

勺ω鴇o。・窃ωb⊃

(脇訳、「職業

とし

ての政治」、五四1

五五頁)。

勺ρ

の.課O

(脇訳、同、六七ー六八頁)。

℃ω噛ω●切ω㎝h

(脇訳、同、六〇1六

一頁)。

「マシーン」にあたる

ものとして、革命前に

ウェーバーが提案した

「従士団」

の原理によ

組織

された政党がある。「マシーン」は、組織

上の

緊密性や

永続性を

ち、

絶えず新

い指導者

権力を獲得させよう

するのに対

し、

「従士団」

は、

指導者の

カリ

スマに

大きく

依存す

るので、

人格的結

合、組織

の偶然性、

一回性など

の性質を強

く持

つ。

℃ρ

の・α濠

(脇訳、「職業

としての政治」、七四頁)。「マシー

ン」

を伴う指導者民主制は

「人民投票的指導者民主制」

一類型である。

これは

「従士団」を従えていればよく、必ず

しも

「マシーン」を率

ている必要はないからである。

℃ρ

ψ

αOOh

(山田訳、「大統領」、

一九五1

}九六頁)。

危機的事態の具体的内容は、勺QD鴇ω.虧G。b。(山

田訳、

「ドイ

ツ将来

国家形態口」、

成城大学経済研究

第三四号、

一九七

一年、

一五七

-

一五八頁)

及び

勺oQ'ω.切OO

(山田訳、

「大統領」、

一九五頁)

に基

づいて考えた。

勺ω'の.齢。。

(山田訳、「ドイツ将来

の国家形態9」、

一五九頁)。

℃ω"ω・窃駐

(脇訳、「職業としての政治」、

七四頁)。

℃ρ

ω・鰹αh

(脇訳、同、

七七-

七九頁)。

℃oQ》¢

心綬

(山田訳、「ド

イツ将来

の国家形態ω」、百六

二頁)。

と㈲が生み出す強力な政治指導は、圖

の行政

の統制

や圈の危機的

事態

への対処と結び

ついて、

ドイツの自立

の確保だけでなく経済

の再

にも寄与する。ドイツ経済

の再建は

「如何にして

一方

一般

の労働

者大衆

の収益

チャンスを増大させ他方で全住民

の必需品を

十分

に供給

か」

いう

原則

に従

てな

べき

。国

の維

・向

ろう

え方

の再建

の基

る。

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虧OH

(山

田訳

「ド

ツ将来

の国

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」、

一六

)。

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