本土復帰後40年間の沖縄県民意識 - NHK88│nhk放送文化研究所年報2013...

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87 NHK では,沖縄について本土に復帰した 1972 年の 2 年前から,県民を対象に多くの世論調査を実 施してきた。ほぼ 40 年間におよぶこれらの調査群から,沖縄県民意識のエッセンスを抽出すると以 下のように,「米軍基地問題」「安全保障問題」が県民の心に重くのしかかっていることがわかった。 「敗戦」と「本土復帰」は,沖縄県民の記憶に強く植え付けられている歴史的出来事である。 2 多数の沖縄県民が長期的に持ち続けている考え方として,「開発より自然保護優先」,「振興策継 続は必要」があげられる。 3 長期的に同じ方向に変化している意識をみると,「沖縄に米軍基地が残っていること」について は,「必要+やむをえない」が増加し,「必要でない+危険である」が減少している。「沖縄に配 備されている自衛隊は日本の安全に必要か」についても,「必要+やむをえない」が増加し,「必 要でない+危険である」が減少している。 4 2012 年の沖縄と全国の調査で共通に調査した質問をもとに多変量解析を行ったところ,安全保 障の現在のあり方について<否定-肯定>の軸が析出され,軸上の位置をみると沖縄は<否定 的>,全国は<肯定的>となり,安全保障問題に対する考え方が沖縄と全国で両極になってい ることがわかった。特に高齢者層で沖縄と全国の考え方の違いが大きく,沖縄戦,米軍統治と いう歴史的体験の有無が影響しているものと考えられる。 5 本土の人は沖縄の人の気持ちを『理解していない』が2002年の57%から,2012年には71%へと 大幅に増加した。増加の背景は何なのか,両年の調査データから多変量解析で探ってみた。両 年ともに,『理解していない-理解している』の回答に影響があった質問は「米軍基地の整理縮 小が進んだか進んでいないかの認識」であり,2012年ではそれに「普天間基地の県内移設で米国 と合意したことの評価」が加わっていた。 はじめに …………………………………………………… 88 Ⅰ 沖縄県民意識の概観 ……………………………… 88 Ⅰ- 1 歴史的出来事に関する意識 Ⅰ -1-1 沖縄戦 Ⅰ -1-2 アメリカ統治 Ⅰ -1-3 本土復帰 Ⅰ- 2 政治に関する意識 Ⅰ -2-1 米軍基地 Ⅰ -2-2 安全保障 Ⅰ -2-3 自衛隊 Ⅰ -2-4 天皇と憲法 Ⅰ- 3 生活に関する意識 Ⅰ -3-1 基本的価値観 Ⅰ -3-2 郷土意識 Ⅰ -3-3 生活実感 Ⅱ 沖縄県民意識の核を探る三つの視点 ………… 112 Ⅱ- 1 変化しなかった意識と変化した意識 Ⅱ -1-1 変化しなかった意識 Ⅱ -1-2 変化した意識 Ⅱ- 2 沖縄と全国の意識ギャップの構造 Ⅱ-3 「本土の人たちはわれわれの気持ちを分かっ ていない」の深層 おわりに ………………………………………………… 121 「復帰40年の沖縄」調査 単純集計結果…………… 126 要 約 目 次 本土復帰後 40 年間の沖縄県民意識 世論調査部  河野

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 NHKでは,沖縄について本土に復帰した1972年の2年前から,県民を対象に多くの世論調査を実施してきた。ほぼ40年間におよぶこれらの調査群から,沖縄県民意識のエッセンスを抽出すると以下のように,「米軍基地問題」「安全保障問題」が県民の心に重くのしかかっていることがわかった。

1 「敗戦」と「本土復帰」は,沖縄県民の記憶に強く植え付けられている歴史的出来事である。

2 多数の沖縄県民が長期的に持ち続けている考え方として,「開発より自然保護優先」,「振興策継続は必要」があげられる。

3 長期的に同じ方向に変化している意識をみると,「沖縄に米軍基地が残っていること」については,「必要+やむをえない」が増加し,「必要でない+危険である」が減少している。「沖縄に配備されている自衛隊は日本の安全に必要か」についても,「必要+やむをえない」が増加し,「必要でない+危険である」が減少している。

4 2012年の沖縄と全国の調査で共通に調査した質問をもとに多変量解析を行ったところ,安全保障の現在のあり方について<否定-肯定>の軸が析出され,軸上の位置をみると沖縄は<否定的>,全国は<肯定的>となり,安全保障問題に対する考え方が沖縄と全国で両極になっていることがわかった。特に高齢者層で沖縄と全国の考え方の違いが大きく,沖縄戦,米軍統治という歴史的体験の有無が影響しているものと考えられる。

5 本土の人は沖縄の人の気持ちを『理解していない』が2002年の57%から,2012年には71%へと大幅に増加した。増加の背景は何なのか,両年の調査データから多変量解析で探ってみた。両年ともに,『理解していない-理解している』の回答に影響があった質問は「米軍基地の整理縮小が進んだか進んでいないかの認識」であり,2012年ではそれに「普天間基地の県内移設で米国と合意したことの評価」が加わっていた。

はじめに……………………………………………………88Ⅰ 沖縄県民意識の概観………………………………88

Ⅰ-1 歴史的出来事に関する意識 Ⅰ-1-1 沖縄戦 Ⅰ-1-2 アメリカ統治 Ⅰ-1-3 本土復帰Ⅰ-2 政治に関する意識 Ⅰ-2-1 米軍基地 Ⅰ-2-2 安全保障 Ⅰ-2-3 自衛隊 Ⅰ-2-4 天皇と憲法Ⅰ-3 生活に関する意識

 Ⅰ-3-1 基本的価値観 Ⅰ-3-2 郷土意識 Ⅰ-3-3 生活実感

Ⅱ 沖縄県民意識の核を探る三つの視点…………112Ⅱ-1 変化しなかった意識と変化した意識 Ⅱ-1-1 変化しなかった意識 Ⅱ-1-2 変化した意識Ⅱ-2 沖縄と全国の意識ギャップの構造Ⅱ-3 「本土の人たちはわれわれの気持ちを分かっ

ていない」の深層おわりに …………………………………………………121「復帰40年の沖縄」調査 単純集計結果……………126

要 約

目 次

本土復帰後40年間の沖縄県民意識世論調査部 河野 啓

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88│NHK放送文化研究所年報2013

はじめに2012年5月15日,沖縄は本土復帰40年を

迎えた。NHKでは,沖縄が本土復帰した

1972年の2年前から,県民を対象に,これ

まで11回世論調査を実施し,2012年2月に

は沖縄と全国で同一質問の調査も実施した。

このほか知事選挙,国政選挙,全国県民意識

調査などの機会をとらえて,多くの世論調査

を沖縄で実施してきた。NHKが一つの県を

対象に,これほど数多くの世論調査を行った

のは,沖縄県についてだけである。それは,

沖縄には,敗戦後本土から切り離され米軍に

より統治されるという独自の歴史が存在し,

日米安全保障条約の中に組み込まれ,いまな

お,日本の米軍基地(専用施設)の74%1)が

ここに集中しているという現実が存在するた

めである。本稿は,これら多数の世論調査結

果2)を改めて見返すことから出発した。

沖縄調査では,その時点時点での大きな出

来事に関する意見や,米軍基地や安全保障な

ど政治的問題についての意見を多く尋ねてい

る。これらは必ずしも厳密な時系列調査では

ないが,継続的に調査されており,沖縄県民

の意識の変遷をたどることができる。

過去に行われた調査はすでにその分析結果

が公表されているが,一部は,本稿の文脈に

そって編集・加筆し提示した。使用した調査

は沖縄県民対象の調査については「○年沖

縄」,また全国国民対象の調査については「△

年全国」と表示した。注2に,本稿で使用し

た各調査の「調査の概要」と「調査結果を掲載

した出版物」を一覧表にして示した。また,

2012年沖縄調査の結果は,時系列比較も含

めて末尾に掲載した。

本稿の骨格を示すと以下のようになる。ま

ず,「歴史的出来事に関する意識」「政治に関

する意識」「生活に関する意識」の三つの領域

について,40年間にわたる沖縄県民意識の

動向を概観する。次に,この意識動向を,「変

化しなかった意識と変化した意識」「国民全

体の意識とのギャップの構造」「『本土の人た

ちはわれわれの気持ちを分かっていない』と

いう意識をもたらす要因」の三つの視点から,

さらに分析することによって,沖縄県民意識

の特質を明らかにする。

Ⅰ 沖縄県民意識の概観

沖縄(琉球)の歴史は,絶えず外国との関

係の中で影響されてきた。古くは中国の影響,

廃藩置県後の日本による統治,そして太平洋

戦争と,その敗戦によりアメリカの統治に組

み込まれてきた歴史である。沖縄県民はそれ

を「ヤマト世ゆー

」,「戦いくさゆー

世」,「アメリカ世ゆー

」と呼ぶ。

沖縄の歴史を振り返ると,地理的条件から中

国と薩摩藩の狭間で苦しみながらも独自の政

治,文化を持つ琉球王朝として存在してきた

が,1879年には琉球処分で事実上王朝が滅

び,沖縄県として日本に組み込まれることと

なる。日本政府による沖縄県の皇民化計画は,

時局とともに強まっていき,1898年には沖

縄でも徴兵令が施行された。太平洋戦争以降

の 出 来 事3)で は,1944年 の 那 覇 大 空 襲,

1945年の沖縄戦があり,その後27年間にわ

たるアメリカ統治の時代は,軍による土地の

強制収容に対して民衆が起こした島ぐるみ闘

争や祖国復帰運動が高まりを見せた。1972

年の日本復帰後は,本土との経済格差解消の

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

ため沖縄経済振興計画が10年ごとに策定さ

れた。1975年には沖縄国際海洋博覧会(海洋

博),1987年には海邦国体,2000年にはサ

ミットも開催された。一方で復帰後も広大な

米軍基地が存続し,米兵による少女暴行事件

や米軍のヘリ墜落事件といった,米軍基地を

抱える沖縄ならではの問題も起きている。

2009年には政権交代により民主党政権が誕

生したが,普天間基地の移転先を巡って迷走

し,解決策が見いだせないままとなっている。

2012年の新たな沖縄経済振興計画では,初

めて沖縄で独自に計画を策定することにな

り,県による21世紀ビジョンも示された。

このように,沖縄は,現在もなお,本土とは

異なる歴史の中に置かれ続けている。

沖縄が本土に復帰して23年後,「戦後50年

の沖縄」調査(1995年)が行われた。この中

で「戦後50年の大きな出来事」を3つまであ

げてもらったところ,「沖縄の本土復帰」が

55%で,最も多かった。次いで,調査直前

に起きた「阪神大震災」が51%,「バブル経

済とその崩壊」が34%で,4番目は「敗戦」

23%となっている。50年という長期にわたっ

て考えても,「本土復帰」「敗戦」が沖縄の人

にとっていかに大きな出来事であったかわか

る。

同じ調査の中で,「戦後50年の沖縄をふり

かえって,心に強く残っていること」(複数

回答)を尋ねたが,「本土に復帰した日のこと」

が51%で最も多く,次いで「沖縄海洋博」が

37%,「沖縄の高校野球チームの甲子園での

活躍」が36%,「戦後の貧しい生活の日々」

27%,「沖縄国体(海邦国体)」25%となる。

以下,戦後の沖縄における歴史的に大きな

出来事について,人びとの意識をみていく。

もとより,世論調査は戦後から始まったも

のであり,米軍統治下という環境の中で,事

件や出来事の世論調査が存在するとは限らな

い。したがって,歴史的事象の中には,回顧

的に尋ねた調査結果をみていくしかないこと

に留意されたい。

Ⅰ-1 歴史的出来事に関する意識

Ⅰ−1−1. 沖縄戦①戦争体験の内容

沖縄の人びとには,沖縄戦への思いが強い。

ここでは,沖縄戦が県民にとってどのような

ものであったか,沖縄戦からおよそ30年経っ

た復帰5年後の調査結果からみておきたい。

まず,自分の戦争体験について尋ねた質問

(図1)で,最も多かったのが「食糧や物資の

不足で苦しんだ」で,次いで「戦闘や空襲で

図1 本人の戦争体験(複数回答) -77年沖縄-

22

20

39

48

2

16

10

34

3

4

戦闘や空襲などで負傷した

艦砲攻撃を受けたり,地上戦にまきこまれた

集団自決や目前で死んだ人を見た

戦闘や空襲で家を焼かれた

食糧や物資の不足で苦しんだ

学童疎開をした

疎開生活を送った

軍隊生活をした

戦争の体験をしなかった

その他

わからない,無回答

7%

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90│NHK放送文化研究所年報2013

家を焼かれた」である。

沖縄戦の特徴として,アメリカ軍が沖縄本

島や離島に上陸し,人びとが住む地域が戦闘

の舞台となって,兵士ばかりでなく住民も巻

き込まれたという悲惨さがある。「艦砲攻撃

を受けたり,地上戦にまきこまれた」,「集団

自決や目前で死んだ人を見た」と,沖縄戦の

悲惨な体験をした人も2割にのぼった。

また,沖縄では,「戦闘や空襲などで負傷

した」は7%,「戦闘や空襲で家を焼かれた」

は39%で,全国 (75年全国)の結果がそれぞ

れ3%,11%であったことと比べ,被害の割

合がきわめて大きいことがわかる。

②沖縄戦への思い沖縄戦に対する考え方について(図2)は,

1977年(以下,'77年と略記)から毎回調査し,

「忘れてはならない」と「忘れるようにしたい」

の2つの選択肢を示して尋ねている。その結

果をみると「忘れてはならない」が'77年には

64%だったが,増加傾向が続き'12年には9

割以上に達している。沖縄戦の体験者は'82

年に38%であったが'12年には13%と年を

重ねるたびに減少している。しかし,体験し

た人に沖縄戦を語り継ぎたいか尋ねたとこ

ろ,「思い出したくないので話さない」は7%

と少なく,「進んで話したい」は45%,「たず

ねられたら話す」は45%で,「語り継ぎたい」

は90%となった。

このように,時がたつほど沖縄戦への思い

は「忘れてはならない」「語り継ぎたい」と多

くの人が共有するものとなっている。87年

放送のETV特集「戦世の語り部たち」4)では,

看護活動を行っていた「ひめゆり学徒」の本

(宮良ルリ著『私のひめゆり戦記』)が'86年に

初めて出版されたことや,この時期に沖縄で

は沖縄関係の本,しかも沖縄戦にかかわるも

のが半数を占めることを紹介していた。ひめ

ゆりの学徒だった女性は「これまでは,生き

てきたことを負い目に感じていたし,戦争を

表すことはつらいから書けなかったけれど,

戦争が風化しないようにどうしても伝えなく

てはという思いがある」と語っていた。また

'11年には,沖縄戦当時の国民学校の4,5年

生が66年の時を経て,初めて戦争体験記を

出版した(『戦時下の学童たち-那覇高六期

生「戦争」体験記-』5))。発刊にあたっての

動機を,「戦争体験を一つに集めて残す必要

があるのではないか。(中略)私達の年代の

者にとっては最後の仕事になるのではない

か」,「平和を願う想いを,一人でも多くの人々

に読んでもらいたい」と記している。このよ

うな,いまだから話さなければならないとい

う思いが,「忘れてはならない」や「語り継ぎ

たい」という回答の多さに表れているといえ

よう。

図2 沖縄戦忘れてはならないか -時系列・沖縄-

100

80

60

40

20

01977

64

26

82

79

17

87

76

16

92

83

9

95

70

13

2002

81

10

12

91

6

忘れてはならないこととして,たえず振り返るようにしたい

今の生活と関係ないので,なるべく忘れるようにしたい

(%)

(年)

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

Ⅰ−1−2. アメリカ統治復帰6年後にアメリカ統治の影響を尋ねて

いる(図3)。「アメリカ文化の影響」について

は,「伝統的な沖縄文化のよさが失われた」

について「そう思う」が37%,「国際的な感

覚が身についた」については39%で,いい面

も悪い面もあったという評価となっている。

また,「アメリカの支配に反発して,日本国

民としての意識が強まった」は「そう思う」が

43%,「アメリカは沖縄の復興と繁栄に大き

な役割をはたした」は48%で,いずれも「そ

うは思わない」を大きく上回っている。復興

といった面では肯定的な評価が半数近くにな

る一方で,アメリカ支配に反発する人がかな

りいたことが注目される。「アメリカ支配へ

の反発」は'78年当時の中高年の男性,中年

の女性で多かった。

Ⅰ−1−3. 本土復帰①本土復帰についての態度 

'69年,日米共同声明により,沖縄返還が

発表された。その翌年,返還に先立って,衆

議院選挙が実施されることになり,選挙およ

び,本土復帰についての世論調査が実施され

た。復帰前の'70年の調査から,復帰に対す

る沖縄県民の意識をみておきたい。

「沖縄が'72年に本土へ復帰すること」につ

いて,「歓迎しない」は7%とわずかで,「歓

迎する」は54%,「まあ歓迎する」が31%と,

『歓迎する』人がほとんどだった。「歓迎する」

について男女年層別(図4)にみると,女性よ

り男性で,男性では30代以上で,女性では

(%)図3 アメリカ統治の影響 -78年県民意識(沖縄)-

A.アメリカ文化の影響で,伝統的な沖縄文化のよさが失われた

37 9 14 41

43 11 17 29

48 13 15 24

39 11 20 30

B.アメリカの支配に反発して,日本国民としての意識が強まった

C.アメリカは,沖縄の復興と繁栄に大きな役割をはたした

D.アメリカ文化の影響で,国際的な感覚が身についた■そう思う ■どちらとも言えない ■わからない,無回答 ■そうは思わない

図4 本土復帰についての態度(男女年層別) -70年沖縄-

70

60

50

40

30

20

10

0全体

<男性> <女性>男性 女性 20代 30代 40代 50歳以上 20代 30代 40代 50歳以上

歓迎する

まあ歓迎する

歓迎しない

わからない,無回答

(%)

8

7

31

54

5

7

28

7

11

33

60

49

4

11

1

8

30

37

25

3

12

22

43

6166

63

5

6

35

6

7

37

6

7

40

9

21

24

55

5048 46

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92│NHK放送文化研究所年報2013

20代で高くなっていた。

また,「歓迎する」について,ふだんの支

持政党別にみると,自民党支持者では39%,

沖縄社会大衆党支持者では76%,支持なし

では56%となった。復帰問題は政党6)にとっ

て最も大きな争点であり,復帰運動に積極的

であった沖縄社会大衆党と復帰運動には消極

的であった自由民主党では,政党支持者にお

いても本土復帰についての歓迎の程度が大き

く異なっていた。

②復帰後の暮らしへの不安感「本土復帰後の暮らしに,不安を感じるか」

について(図5)は,『(あまり+まったく)不

安はない』人は33%と少なく,『(大いに+少

し)不安』を抱える人が59%と多数となって

いた。また,「沖縄の本土復帰が実現すると,

アメリカ関係の収入が減って,沖縄経済は苦

しくなる」という意見については,「そうは

思わない」は29%と少なく,「そのとおりだ

と思う」が55%と多数で,生活,沖縄経済へ

の不安を抱える人が多かった。

復帰後の暮らしへの不安感が本土復帰への

態度とどう関連しているのかをみる(図6)

と,どの層でも「歓迎する」が最も多いが,「大

いに不安がある」では4割なのに対し,「まっ

たく不安はない」では7割となり,不安が少

ない人ほど「歓迎する」が多くなっている。

復帰を歓迎するかどうかには,暮らしへの見

通しが大きく関係していたといえよう。

③制度の変更への評価 ア.ドルから円へ

敗戦によって,沖縄にもたらされたものは

「アメリカ軍の統治」「通貨はドル」「車は右」

「広大な米軍基地」だった。本土復帰により,

「アメリカ軍の統治」だけでなく,「通貨はド

ル」,「車は右」も解消されることになる。制

度変更を県民はどのようにとらえたのであろ

うか。

NHKでは,沖縄の問題に関わる様々な番組

を放送してきたが,'82年5月放送のNHK特

集「ドル円切り替えXデー 沖縄復帰秘話」7)

は,日本の金融史上例をみない通貨切り替え

の舞台裏を紹介した番組である。復帰にまつ

わる沖縄返還協定が調印された'71年夏,ニ

クソンショックでドルが変動相場制に移行し

たため円とドルの交換レートが問題となった。

沖縄の資産を守るために琉球政府は奔走,政

府は本土復帰に伴い極秘裏に,10月9日に申

告されたドル紙幣に限りその差額を補償する

ことにした。しかし,それ以降のドルについ

ては返還直前の平均相場から交換レートが決

められたため,7か月の間にドルが目減りし,

図5 復帰後の暮らし向き -70年沖縄-

17 41 23 10 9

■大いに不安だ ■少し不安だ ■あまり不安はない ■まったく不安はない ■わからない,無回答

(%)

(%)

図6 本土復帰についての態度(復帰後の暮らしへの不安別) -70年沖縄-

全体

大いに不安

少し不安

あまり不安はない

まったく不安はない

54 31 7 8

42 35 15 8

50 38 7 4

65 27 2 6

74 14 5 6

■歓迎する ■まあ歓迎する ■歓迎しない ■わからない,無回答

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

沖縄住民は多額の損失を被った。また,ニク

ソンショックによる円の切り上げは,復帰を

前にドル経済圏にあった沖縄を経済パニック

に巻き込んで不安心理をあおり,物価高騰の

直接的な原因となった8)。

これについては,'72年の復帰直前に行わ

れた調査で「復帰と同時に,ドルは,決めら

れたレートで円と交換されますが,どう思い

ますか」と尋ねている(図7)。「当然だ」14%,

「やむをえない」35%,に対し,「不満だ」は

48%だった。物価の高騰や相当な金額のド

ルが補償外となったことから,不満が多く

なったのだろう。

イ.交通ルール変更

アメリカ軍の統治以来,本土復帰後も続い

ていた右側通行が'78年7月30日,一斉に変

更となった9)。

変更の4か月後に行った調査(図8)で交通

ルール変更の評価をみておきたい。

まず,全体評価については,「良くも悪く

もない」が最も多く27%であるが,「良くな

かった(「あまり」も含める)」は29%で「良

かった(「まあ」も含める)」は38%となり,

評価する人の方が多くなった。

交通手段の変更によって,良くなった面

(図9)については,「標識や信号機が整備さ

れ,県民の安全が確保された」に加え,「本

土の生活に慣れやすくなった」「本土との一

体感が強まった」があげられた。単に沖縄の

交通面だけでなく,本土との生活や精神面の

つながりをあげる人が多かった。

図7 ドルから円への切り替え -72年沖縄-

48 35 14 3

■不満だ ■やむをえない ■当然だ ■わからない,無回答

(%)

図8 交通ルール変更の感想 -78年沖縄-

20 18 27 18 11 5

■良かった ■まあ良かった ■良くも悪くもない ■あまり良くなかった ■良くなかった ■わからない,無回答

(%)

図9 良くなった面(複数回答) -78年沖縄-

36%

11

18

31

9

26

2

22

10

標識や信号機が整備され,県民の安全が確保された

沖縄の交通問題の解決に役立った

交通道徳が向上した

本土と同じになることで,本土の生活にも慣れやすくなった自動車を利用する観光客がふえ,

県民がうるおった

本土との一体感が強まった

その他

特によくなったことはない

わからない,無回答

図10 悪くなった面(複数回答) -78年沖縄-

32%

26

7

30

23

18

3

15

8

交通事故がふえた

変更しても沖縄の交通問題の解決には役立たなかった

交通道徳がさらに低下した

変更にともない,何かと県民の経済的負担が大きくなった

観光客の持ち込む自動車がふえ,交通渋滞がひどくなった

何でも本土と変わらなくなって沖縄らしさが失われた

その他

特に悪くなったことはない

わからない,無回答

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94│NHK放送文化研究所年報2013

また,悪くなった面(図10)としては,「交

通事故がふえた」,「何かと県民の経済的負担

が大きくなった」が多い。交通ルールの変更

は,本土と一体化させることの一環であった

が,「沖縄らしさが失われた」は18%と,一

体化への反発はそれほど大きくはなかったと

いえよう。

④復帰運動への参加返還にあたっては沖縄返還協定を巡り,米

軍基地がどうなるか,核兵器が撤去されるか

などが国会でも論戦となり,沖縄の屋良主席

も嘆願書を携えて上京,本土復帰協議会など

の団体によるデモ活動が繰り広げられた10)。

復帰運動に参加したかどうか復帰の10年

後に尋ねたところ(図11),「デモや集会など

に積極的に参加した」は12%と少なく,「復

帰運動には賛成だったが,特に行動らしい行

動はしなかった」が47%で半数近い。復帰運

動への具体的な参加は多くはなかったもの

の,運動自体は多数の人に支持されていたの

がわかる。参加したのはどのような人びとか

をみると,年層別では30代が17%と多く,

復帰運動は'72年当時の20代を中心に盛ん

だったようである。

⑤国政に民意反映への期待運動の高まりの中,復帰が実現したが,当

時は政治への期待を抱いた人が多かったとい

える。

「国政参加によって,沖縄の意見が国政に

反映するようになると思いますか」と尋ねた

と こ ろ(70年 沖 縄 ),「 大 い に 反 映 す る 」

33%,「少しは反映する」39%で合わせて

72%となり,国政に民意が反映されること

への高い期待となって表れた。この調査の1

週間後,沖縄で25年ぶりに国政選挙が再開

された。沖縄の女性にとっては初めて手にし

た一票で,投票率は83.6%と高かった。

⑥「本土復帰」評価の推移長期的にみると,県民は,本土復帰自体を

どう感じているのだろうか。本土復帰につい

て「非常によかった」「まあよかった」と肯定的

に評価する人の割合は(図12)復帰翌年の'73

年から'77年までは40%前後で,「非常に不満」

「あまりよくなかった」と否定的に評価する人

の方が上回っていた。しかし,'82年にかけて

図11 復帰運動に参加したか -82年沖縄-

12%

47

17

2

10

7

5

デモや集会などに積極的に参加した

復帰運動には賛成だったが,特に行動らしい行動はしなかった

復帰運動には関心がなく何もしなかった

復帰運動には反対だったので参加しなかった

復帰運動のことは知らない

当時沖縄に住んでいなかった

わからない,無回答

図12 復帰評価 -時系列・沖縄-

100

80

60

40

20

073 7775 82 92 02 1287非常によかった+まあよかった非常に不満である+あまりよくなかった

(%)

(年)

53 5155 63

7681

76 78

3843 40 32

1811 13 15

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95

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

肯定的評価が急激に伸び否定的評価を上回っ

た。'87年以降,75%から80%程度で推移し,

'12年も78%と多数を維持している。

Ⅰ-2 政治に関する意識

前章でみたように,沖縄戦,米軍統治,本

土復帰などが沖縄の人びとの意識に与えた影

響は大きい。これらは,いずれも米軍に関わっ

ており,米軍および安全保障に対する意見を

基軸として沖縄の政治意識が構成されている

と考えられる。ここでは,こうした政治意識

についてみていく。

Ⅰ−2−1. 米軍基地①米軍基地のあり方と見通し

沖縄返還にあたり,米軍基地問題は大きな

争点の問題のひとつであった。復帰前の'70

年,米軍基地のあり方と見通しについては実

際どのようなものであったのであろうか。

「復帰後の沖縄のアメリカ軍基地をどうし

たらよいか」と尋ねている(図13),「今まで

どおりでよい」,「もっと強化すべきだ」を合

わせた『維持,強化』は14%と少なく,「即

時全面撤去する」「段階的に縮小し,将来は

全面撤去する」「本土なみに縮小する」を合わ

せた『縮小,撤去』が75%と多数を占めた。

また,米軍基地の将来の見通しについては,

「復帰後の沖縄のアメリカ軍基地は,実際に

どうなると思いますか。たとえば,面積など

基地の規模の面や,ミサイル・空軍力等基地

の機能の面についての見通しを,リストの中

からおっしゃってください」と尋ねている(図14)。

規模の見通しについて注目してみると,「わ

からない,無回答」が30%と多いものの,「規

模・機能ともに強化される」「今と変わらない」

を合わせた『現状かそれ以上』になるという

人は24%なのに対し,「規模・機能ともに縮

小される」「規模は縮小され,機能は強化さ

れる」という『規模縮小』の見通しを抱く人が

46%と半数近かった。

沖縄返還協定を巡って「核撤去」が大きな

問題となっていたが,「復帰の時に沖縄から

核兵器は撤去されるか」について(図15),「わ

からない,無回答」が34%と多いものの,「撤

去される」は25%,「撤去されない」が41%と

なり,否定的な見通しの人が多かった。

沖縄返還にあたり,米軍基地について「本

土なみに縮小,あるいは撤去」を多数が期待

していて,将来「規模が縮小される」見通し

も半数が持っていた。

図13 復帰後の沖縄のアメリカ軍基地 -70年沖縄-

19 32 24 12 2 12

■即時全面撤去する ■段階的に縮小し,将来は全面撤去する ■本土なみに縮小する ■今までどおりでよい ■もっと強化すべきだ ■わからない,無回答

(%)

図14 復帰後の沖縄のアメリカ軍基地の見通し -70年沖縄-

27 19 19 5 30

■規模・機能ともに縮小される ■規模は縮小され,機能は強化される ■今と変わらない ■規模・機能ともに強化される ■わからない,無回答

(%)

図15 復帰時の核兵器 -70年沖縄-

25 41 34

■撤去される ■撤去されない ■わからない,無回答

(%)

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96│NHK放送文化研究所年報2013

②米軍基地と日本の安全「復帰後も,沖縄に,アメリカ軍基地が残っ

ているが,どのように思うか」(図16)という

質問についてみてみると,復帰当初の'72年

は,日本の安全にとって「必要」「やむをえな

い」を合わせ26%だった。一方,「必要でない」

「かえって危険」を合わせると56%となり,

「必要+やむをえない」 を「必要でない+か

えって危険」が大きく上回っていた。このよ

うな傾向は,復帰20年後の'95年まで続いた。

しかし,復帰30年後の'02年には,「必要

+やむをえない」が大きく増加して半数近く

となり,「必要+やむをえない」と「必要でな

い+かえって危険」がほぼ拮抗した。増加し

たのは「やむをえない」で,減少したのは主

に「必要でない」だった。'01年には米国で同

時多発テロ事件があり,日本の安全性につい

ての考え方にも変化が起きていた(02年沖

縄)。「日本もテロの被害を受ける恐れがある

と感じるようになった」63%,「日本も戦争

に巻き込まれる恐れがあると感じるように

なった」52%と多い。そのため,「必要+や

むをえない」が大きく増加したと考えられる。

復帰40年後の'12年調査では「やむをえな

い」だけでなく,「必要」も増加し,両者を合

わせた「必要+やむをえない」は56%と,過

半数になった。「かえって危険」が25%から

17%へと減少し,「必要でない+かえって危

険」は38%で,これまでで最も低くなった。

以上のように沖縄での米軍基地に対する意識

はこの20年で大きく変化している。

なお,沖縄の米軍基地について同じ質問を

した全国の結果(12年全国)と比べると,「必

要」,「やむをえない」とも全国の方が多い。

「必要+やむをえない」について,この10

年の沖縄の変化(図17)をみると,年層別で

は変化が大きい層があるが,生まれ年でみる

と比較的小さな変化となる。沖縄では世代(生

まれ年)によって,米軍基地に対する意識が

異なり,上の世代ほど「必要+やむをえない」

が少ない。しかし,この10年の意識変化が

どの世代にもみられることから,'12年沖縄

調査においても,「北朝鮮に

よる核開発やミサイル実験な

どの挑発的な活動」,「中国の

軍事力増強や海洋における活

動の拡大・活発化」について

は,半数前後の人が「大いに

脅威がある」と考えているよ

うに,日本を取り巻く安全保

障を巡る状況の変化に対応し

たものといえるだろう。

一方,'12年調査の沖縄と

全国の違いをみると,沖縄で

は,「必要+やむをえない」が

60代以上で少なくなっている

図16 米軍基地と日本の安全

72年

73年

75年

77年

82年

87年

92年

95年

02年

12年

<沖縄>

12年<全国>

■必要 ■やむをえない ■わからない,無回答 ■必要でない ■危険である

(%)

7 19 18 20 36

5 19 17 28 31

6 20 15 25 34

10 24 13 22 31

9 28 10 17 36

9 29 10 22 30

6 29 15 26 24

7 29 20 23 21

7 40 9 19 25

11 45 6 21 17

17 58 5 17 4

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97

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

のに対し,全国では逆に高齢

層ほど多い。

③米軍基地のあり方それでは,基地をどうすべ

きかについての考え方も変化

しているのであろうか(図18)。

'95年までは「全面撤去」が3

割前後となっていたが,'02

年には大きく減り,一方で,

「本土並みに少なく」が増え

て過半数となった。「現状の

ままでよい」も増加し,「全

面撤去すべきだ」と「現状の

ままでよい」とが拮抗してい

る。この割合は,'12年もほ

とんど変わっていない。ただ,

「全面撤去」と「本土並みに少

なく」を合わせた『削減』すべ

きという人は,8割近くで,

この30年ほとんど変わらず,

沖縄の人は一貫して米軍基地

を減らすべきだと考えている。

全国と比べると,「全面撤去」が多く,「現

状のまま」が少ない。

基地に対する考え方は沖縄戦の体験や居住

経験とも関連がみられ,沖縄戦の体験を持っ

ている人は「全面撤去」が全体より多い。また,

他県に居住経験のある人は「全面撤去」がや

や多く,「現状のまま」という人は少ない。

年層別に沖縄と全国についてみる(図19)

と,沖縄では,「本土並みに少なく」がどの

年層でも最も多く,5割を超えている。20代

から40代にかけて「現状のままでよい」が減

少するのに対し,年層が高くなるほど,「全

面撤去」が増加しており,40代以上で「全面

撤去」が「現状のままでよい」を上回っている。

一方,全国では,20代,70歳以上で「現状の

ままでよい」と「本土並みに少なく」が同程度

になっているが,30代から60代では,「本土

並みに少なく」が最も多く6割近くとなって

いる。「現状のまま」はどの年層でも「全面撤

去」を大きく上回っている。

このように,年層別には,沖縄と全国は異

なるが,20代の若い世代では「現状のままで

よい」が多く,全国と共通した傾向がみられる。

図17 米軍基地と日本の安全(『必要+やむをえない』,年層・世代別)

80

60

40

20

020代 30代 40代 50代 60代

<年層別> <世代別>

70歳以上

復帰10年以降

復帰後10年まで

米国統治後半

米国統治前半

戦前

12年沖縄

02年沖縄

12年全国

(%)

72

60

54

71

59

48

73

57

55

71

59

41

76

50

48

79

49

32

72

60

71

59

54

71

59

50

77

53

47

77

51

41

※復帰10年以降に生まれた世代は, 02年調査では20歳になっていないため,02年調査には登場していない。

(生まれ)

図18 米軍基地観

82年

87年

92年

95年

02年

12年

<沖縄>

12年<全国>

■ 全面撤去 ■本土並みに少なく ■わからない,無回答 ■現状のまま ■もっと増やす

(%)

33 44 7 15 2

28 49 176 1

34 47 8 11 0

33 38 15 14 0

21 55 6 19 0

22 56 3 19 1

9 52 4 34 1

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98│NHK放送文化研究所年報2013

④米軍基地の整理縮小 沖縄の米軍専用施設の面積11)は,40年の

歳月を経て,復帰時から18%減少したが,

これについて,人びとはどう認識しているの

だろうか。

「沖縄のアメリカ軍基地の整理・縮小は進

んだと思うか」という質問に対して(図20),

「進んだ」という人は22%と少なく,「進んで

いない」という人が61%と多い。また,「進

んでいない」は10年前より増えている。

沖縄県の米軍基地の整理縮小が進展しない

理由について,'02年と'12年

を比べると,「他に移転が難

しい」が大幅に増加してい

る。いま問題になっている普

天間基地は,県内の名護市辺

野古への移設が実現しても,

沖縄の基地が減るわけでは

ない。なかなか県外に移設で

きない基地問題の現状が「進

んでいない」の増加につな

がったのであろう。

⑤沖縄に基地集中への見方「在日アメリカ軍の専用施設の74%が沖縄

に集中している」ことについて尋ねたところ

(図21),沖縄では,「おかしいと思う」人は

57%で,「どちらかといえば」も含めると『お

かしい』が86%とほとんどを占める。全国で

も『おかしい』は68%と多数であるが,「お

かしいと思う」は25%で沖縄と比べ少なく,

受け止め方が異なっている。

年層別にみると(図22),全国では「おかし

い」と疑問を抱く人が高齢層では少なくなる

が,沖縄では年層が高くなるほど多くなって

いる。そのため,年層が高くなるほど沖縄と

全国の意識差は開いている。

⑥普天間基地の名護市移設問題 '95年に起きた米兵による少女暴行事件を

きっかけとして,'96年に普天間基地の県内

への移設が日米で合意された。'09年に民主

党政権が誕生し,移設先として「最低でも県

外」と当時の鳩山総理大臣が主張したが,翌

年には移設先を名護市に戻すことになる。し

かし,その後の知事選挙で,それまでの方針

図19 米軍基地観(年層別)-12年沖縄,12年全国-

70

60

50

40

30

20

10

020代 30代 40代 50代 60代 70歳

以上20代 30代 40代 50代 60代 70歳

以上

(%)

55

33

10

0

53

23

22

1

59

21

161

60

23

152

56

24

141

52

28

162

47

46

6

1

57

32

10

0

60

29

9

1

54

30

14

0

56

30

9

1

42

38

6

1

<全国><沖縄>

全面撤去すべき    本土並みに少なくすべき    現状のままでよい    もっと増やす

図20 米軍基地の整理縮小

24 15 11 50

■進んだ ■どちらともいえない ■わからない,無回答 ■進んでいない

(%)

02年

22 12 5 6112年

<沖縄>

図21 沖縄に基地が集中していることについて

57 29 3 8 4

■おかしいと思う ■どちらかといえばおかしいと思う ■わからない,無回答 ■どちらかといえばおかしいと思わない ■おかしいと思わない

(%)

12年沖縄

25 43 7 17 812年全国

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99

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

を変えて「県外移設」を求めていくと訴えた

仲井真知事が再選され,普天間基地移設問題

は政府と沖縄県で意見が分かれたまま解決の

めどが立っていない。

アメリカ軍普天間基地の返還にあたって,

代わりの施設を名護市に移設することについ

て(図23)は,『賛成』(「どちらかといえば」

も含む)21%に対し,『反対』(同)が72%と

多数を占める。一方,全国では,『賛成』

36%,『反対』45%で,普天間基地移設に関

する沖縄と全国の意識には違いがある。

さらに,「沖縄の米軍基地をどうすべきか」

という質問に対する回答別に名護市移設への

賛否をみると(表1),沖縄では,「現状のまま」

の人で賛否が拮抗している。また,他の回答

の人では『賛成』が少なく,『反対』が多くなっ

ている。全国では,「現状のまま」の人で『賛成』

が多く,「全面撤去」「本土並みに少なく」の

人では『反対』が多い。また,沖縄,全国とも,

米軍基地に対する考えが「現状のまま」から

「本土並み」,「全面撤去」へと変わるほど,『反

対』が増え,沖縄では『反対』がさらに多くな

る。

次に,移設に『反対』の人に対し,普天間

基地を今後どうすべきか尋ねた結果をみる。

『反対』と答えなかった人も含め,全体を分

母にしたところ(図24),沖縄では,「海外」

30%,「国内の沖縄県以外」18%,「代わりの

施設は作らず撤去」18%の順となり,撤去も

含めた『県外』の人が66%と多数を占める。

全国では『県外』は合わせて33%と少なく,

沖縄県民と対照的である。

図22 沖縄に基地が集中していることについて(「おかしいと思う」年層別)

70

60

50

40

30

20

10

0

(%)

20代 30代 40代 50代 60代 70歳以上

20

40

28

51

24

56

31

63

25

68

21

64

<沖縄>

<全国>

図23 普天間基地の名護市移設の賛否

6 14 7 32 40

■賛成 ■どちらかといえば賛成 ■わからない,無回答 ■どちらかといえば反対 ■反対

(%)

12年沖縄

6 30 19 34 1112年全国

図24 普天間基地の移設先

2 18 30 18 28410

■沖縄県内の他の場所 ■国内の沖縄県以外 ■海外 ■代わりは作らず撤去 ■普天間にそのまま ■その他 ■わからない,無回答 ■非該当 =「反対」と答えなかった人

(%)

12年沖縄

3 18 8 127 7 5512年全国

表1 普天間基地の名護市への移設賛否(米軍基地観別)

  全体

米軍基地観

現状のまま

本土並みに少なく

全面撤去

沖縄

合計 1123 212 630 244 人

『賛成』 21 42 18 9 %

『反対』 72 48 76 89

わからない,無回答 7 10 6 3

全国

合計 1117 380 582 101 人

『賛成』 36 51 33 9 %

『反対』 45 28 52 80

わからない,無回答 19 21 15 11 『賛成』=「賛成」+「どちらかといえば賛成」 『反対』=「反対」+「どちらかといえば反対」 ■ 層別にみて最も多い回答 (互いに従属な%の差の検定 信頼度95%)米軍基地観の「もっと増やす」「わからない,無回答」は実数が少ないため 表には掲載していない。

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100│NHK放送文化研究所年報2013

Ⅰ−2−2. 安全保障①侵略を受ける危険性 

'12年調査時は,北朝鮮による核開発やミ

サイル発射,中国の軍事力増強や海洋におけ

る活動の拡大,ロシア軍の極東における活動

の活発化,竹島の領有権を巡る韓国の動きな

ど,日本を取り巻く安全保障の問題が顕在化

してきている。

「日本が侵略を受ける危険性」については,

『危険がある(非常に+ある程度)』と考える人

が沖縄,全国とも大多数を占めている(図25)。

「侵略を受ける危険性」については,沖縄と全

国の意識の差はほとんどない。

これらの日本周辺の4つの国をあげて,「ど

の程度脅威を感じるか」と尋ねたところ,沖縄

では「大いに脅威を感じる」と答えた人は,「北

朝鮮」については55%,「中国」は47%と多い

が,「韓国」は18%,「ロシア」は13%と少ない。

国別の脅威感も全国との差はあまりない。

②日米安保・平和に役立っているか「日米安保が日本の平和と安全に役立って

いるかどうか」については,『役立っている(非

常に+ある程度)』が半数を超えている。しか

し,全国の75%と比べると少なく,沖縄と

全国で意識の差が大きい(図26)。

『役立っている(非常に+ある程度)』を男

女年層別にみてみる(図27)と,沖縄も全国

もグラフの形自体に大きな違いはない。性別

では女性より男性で多く,年層別では40代

を頂点としたゆるやかな山型のグラフとなっ

ている。どの層でも全国より沖縄の方が低い

が,女性,60代以上で一層低くなる。

③今後の日米同盟関係のあり方「今後のアメリカとの同盟関係」について

(図28)は,沖縄では協力の度合いを『強化+

維持』と『減らす+解消』がほぼ拮抗している

が,全国では『強化+維持』が7割以上を占め

ていて,全国の方が沖縄より日米同盟関係に

肯定的な人が多い。

④日本の安全を守る方策「今後の日本の安全を守る方策」について

(図29)は,「国連に協力」が49%,「アメリ

カとの協力関係継続」が30%などとなってい

る。「アメリカとの協力関係継続」に注目す

ると,'02年より増えているが,全国よりは

少ない。

「日米安全保障条約は沖縄の負担になって

いると感じることがあるかどうか」尋ねたと

ころ(02年沖縄),「そう思う」人は57%と多

かった。沖縄大学の新崎盛暉は『沖縄現代史』

の中で「米軍支配下においても復帰後も,沖

縄の歴史にあるものは,日米安保体制と沖縄

民衆の戦いであった」と記している12)。日米

安保についての全国との意識の差は,沖縄の

図25 侵略を受ける危険性

17 64 4 14 1

■非常に危険がある ■ある程度危険がある ■わからない,無回答 ■あまり危険はない ■まったく危険はない

(%)

12年沖縄

63 317 11612年全国

図26 日米安保・平和に役立っているか

8 45 9 30 8

■非常に役に立っている ■ある程度役に立っている ■わからない,無回答 ■あまり役に立っていない ■まったく役に立っていない

(%)

12年沖縄

57 618 21612年全国

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101

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

人の日米安保条約による負担感に起因してい

るのではないだろうか。

Ⅰ−2−3. 自衛隊①自衛隊の沖縄配備への賛否

自衛隊が沖縄に配備されることについて復

帰時の'72年に尋ねたところ(図30),『賛成

(どちらかといえばも含めて)』は30%に対

し,『反対(どちらかといえばも含めて)』は

57%と倍近くになった。反対の内訳をみて

も「どちらかといえば,反対」は16%で,「反

対」が41%と最も多く,自衛隊が配備される

ことに強い抵抗があったと考えられる。反対

と答えた人にその理由を尋ねると(図31),

「前の戦争のにがい経験があるから」42%,

「自衛隊の存在そのものに疑問を感じるから」

25%だった。

図27 日米安保・平和に役立っているか(『役立っている(非常に+ある程度)』,男女年層別)

100

80

60

40

20

0男 女 20代 30代 40代 50代 60代 70歳

以上20・30代

40・50代

60歳以上

20・30代

40・50代

60歳以上

(%)

<男性> <女性>

82

6570

43

66

53

70

54

81

59

80

57

76

48

74

46

75

66

85

70

83

57

63

45

76

46

69

39

12年沖縄

12年全国

図28 今後の日米同盟関係のあり方

12 34 10 35 8

■同盟関係をより強化していくべきだ ■現状のまま維持していくべきだ ■わからない,無回答 ■協力の度合いを今より減らしていくべきだ ■日米安保の解消を目指していくべきだ

(%)

12年沖縄

49 922 31812年全国

図29 日本の安全を守る方策

19 49 4 13 150

■ある程度の防衛力を持って,アメリカとの協力関係を続けていく ■国連に協力して国際的な安全保障体制を築いていく ■日本独自の防衛力だけで,外国からの侵略に備えていく ■いっさいの防衛力を持たないで,中立を保っていく ■その他 ■わからない,無回答

(%)

02年

49 530 80

8

47 638 503

12年

12年

<沖縄>

<全国>

図30 自衛隊配備の賛否 -72年沖縄-

18 12 16 41 12

■賛成 ■どちらかといえば,賛成 ■どちらかといえば,反対 ■反対 ■わからない,無回答

(%)

図31 自衛隊配備反対の理由(反対の人) -72年沖縄-

100%=395人

42%

25

12

11

6

3

2

前の戦争のにがい経験があるから

自衛隊の存在そのものに疑問を感じるから

アメリカ軍の肩代わりをするだけで,基地はなくならないから

沖縄県民を力で押さえつけるおそれがあるから

アメリカ軍といっしょになって,近隣の国に脅威を与えるから

その他

わからない,無回答

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102│NHK放送文化研究所年報2013

②自衛隊と日本の安全'75年以降,自衛隊についても,米軍基地

の質問に合わせて「復帰後,自衛隊が沖縄に

配備されているが,どのように思うか」と尋

ねている(図32)。時系列でみると,'95年に

かけて「必要」はほとんど変化はないものの,

「やむをえない」が大きく増加している。'12

年では,日本の安全にとって「必要でない」「か

えって危険」は合わせて13%に対し,「必要」

「やむをえない」は83%だった。'02年と比べ

ると,「必要」が大きく増えている。なお,

'12年の結果は全国とほとんど違いがない。

「必要+やむをえない」について年層別に

みると(図33左),'02年と比べて,どの層で

も「必要+やむをえない」が増えているが,

その増加の程度は年層による違いがある。こ

れを生まれ年で分けて世代別にみると(図33

右),復帰以前に生まれた世代では,変化が

一定で,復帰後(復帰後10年まで)に生まれ

た世代で変化が大きい。

③自衛隊の役割自衛隊について,「必要+やむをえない」が

多数となっている背景に,自衛隊の役割を人

びとがどう考えているかとい

うことがあるだろう。'92年

と'95年の沖縄調査で,自衛

隊の役割を尋ねている。'95

年調査で回答が多い順にみる

と,「人命救助や災害の復旧

に協力する組織」36%,「国内

の治安や安全を保つための組

織」24%,「他国の侵略に備

える自衛のための組織」16%,

「自衛力をこえた戦力を持つ

軍隊」13%となった。「自衛」

あるいは「軍隊」 とみる人は

合わせて29%に対し,「救助・

災害復旧」「治安維持」は合わ

せて61%と多い。また,'92

年と比べると,「治安維持」が

14%から24%へと増えてい

る。'95年は,1月に阪神淡路

大震災,3月に地下鉄サリン

事件があったため,自衛隊の

イメージが変化したものと思

われる。自衛隊配備には「先

図32 自衛隊と日本の安全

75年

77年

82年

87年

92年

95年

02年

12年

<沖縄>

12年<全国>

■必要 ■やむをえない ■わからない,無回答 ■必要でない ■危険である

(%)

21 26 17 25 11

16 33 14 22 15

23 35 11 17 15

22 42 10 16 10

20 36 17 18 9

19 47 18 11 6

19 48 11 16 7

30 52 4 9 5

33 49 5 11 2

図33 自衛隊と日本の安全(必要+やむをえない,年層・世代別)

100

80

60

40

20

020代 30代 40代 50代 60代 70歳

以上復帰10年以降

復帰後10年まで

米国統治後半

米国統治前半

戦前

(%)

83

80

63

85

81

70

84

8373

83

82

67

84

83

64

78

81

60

83

80

85

81

63

85

82

72

86

81

68

79

63

※復帰10年以降に生まれた世代は, 02年調査では20歳になっていないため,02年調査には登場していない。

12年沖縄

02年沖縄

12年全国

<年層別> <世代別>

(生まれ)

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103

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

の戦争の経験」などから反対が多かった沖縄

だが,「必要+やむをえない」が多数となった

のは,「救助・災害復旧」や「治安維持」のた

めの組織というイメージが広がってきたこと

によろう。さらに,'12年に「必要」が大幅に

増加した背景には,'11年の東日本大震災で

の自衛隊の活動があるものと思われる。

Ⅰ−2−4. 天皇と憲法①天皇観

地上戦が行われ,戦後27年にわたってア

メリカの統治下に置かれた沖縄。昭和天皇が

その沖縄の地を踏むことはなかった。沖縄の

人は天皇をどのように見ているのだろうか。

「天皇は尊敬すべき存在だ」と思うかと尋

ねたところ(図34),「そう思う」という人が

'02年から'12年にかけて大幅に増え半数と

なった。ただし,全国は72%とさらに多く,

沖縄と全国で意識の差が大きい。

「そう思う」について,沖縄で実施した調査,

同時期に実施した全国調査の結果を図に加え

てみると(図35),沖縄と全国との数値の差

は今回も含めて4回とも,あまり変わってい

ない。全国的な傾向の中で沖縄も増加したと

考えられる。    

「そう思う」という人を年層別にみると(図36),

沖縄と全国ともに年齢が高く

なるほど多くなっている。

'02年 と 比 べ る と, 女 性 の

20・30代,40・50代で増加

して,年層間の差が縮まり,

全国の年層別のグラフの傾き

に近づく形となっている。

②憲法観   「沖縄の人びとの祖国復帰

の運動の原動力は,日本国憲

法の適用を求める力であった

とはよく言われることであ

る。国民主権,戦争放棄,基

本的人権の尊重という日本国

憲法の3本の柱は,まさに沖

縄の求めるものであった。」

と,琉球大学の高良鉄美13)は

著書の中で述べている。

今の憲法について4つの選

択肢を示して尋ねたところ

(図37),「理想的だが,現実

図34 天皇観「天皇は尊敬すべき存在だ」

82年

87年

92年

95年

02年

12年

<沖縄>

12年<全国>

■ そう思う ■どちらともいえない ■わからない,無回答 ■そうは思わない

(%)

41 16 7 37

45 19 297

34 28 7 32

29 39 6 26

30 27 11 33

51 24 6 19

72 13 2 13

昭和

平成

図35 天皇観「天皇は尊敬すべき存在だ」(そう思う)

78

36

56

41 45

34

56

29 32

51

30

51

72

82 87 92(昭和) (平成)

95 96 02 12年

80

60

40

20

0

(%)

※78年,96年は16歳以上の結果 92年の全国はオムニバス調査結果

■沖縄 ■全国

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104│NHK放送文化研究所年報2013

とかい離」と考えている人が43%と最も多

かった。時系列でみると,「理想的だが,現

実とかい離」は,'02年より増えている。全国

と比べると,「非理想的だが,定着」がやや

少ない。

③憲法改正の是非「憲法改正」について(図38)は,半数が「改

正する必要あり」と答えてい

る。「必要あり」と考えてい

る人は,'02年より増えてい

るが,全国よりは少ない。

④9条改正の是非いわゆる‘戦争放棄’を定

めた「9条の改正」について(図

39)は,「憲法」とは逆に,半

数以上が「改正する必要はな

い」と答えている。この結果

は,「改正する必要がある」も

含めて全国とほとんど変わら

ないが,時系列でみた場合の

増減の仕方に違いがある。全

国は,'02年と比べて「必要あ

り」が減って「必要なし」が増

えている。沖縄は,'02年に

比べて「わからない,無回答」

が減って,「必要あり」と「必

図36 天皇観(「そう思う」,男女年層別)

100

80

60

40

20

0男 女 20代 30代 40代 50代 60代 70歳

以上20・30代

40・50代

60歳以上

20・30代

40・50代

60歳以上

(%)

<男性> <女性>

45

69

25

56

75

3443

57

12

44

60

14

45

69

22

50

77

32

53

73

52

74

84

6356

11

43

69

26

61

76

48 52

62

14

52

76

28

66

81

62 12年沖縄

02年沖縄

12年全国31

図37 憲法観

92年

02年

12年

<沖縄>

92年

02年

12年

<全国>

■理想的で,実現 ■理想的だが,現実とかい離 ■わからない,無回答 ■非理想的だが,定着 ■非理想的で,現実とかい離 ■その他

(%)

15 40 28 12 5

13 34 16 1125 1

14 43 16 9190

0

22 3

10 12

15 44 10 23 7

0

0

0

22

22

12

9

40

47

図38 憲法改正の是非

02年

12年

<沖縄>

02年

12年

<全国>

■改正する必要があると思う ■どちらともいえない ■わからない,無回答 ■改正する必要はないと思う

(%)

42 18 21 19

50 15 2015

58 23

57 23

8

8

11

12

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105

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

要なし」の両方が増える形と

なっている。そして,「必要

なし」の増え方の方が大きい。

「改正する必要はない」を層

別にみると,'02年と比べ男

性は変わらないものの,女性

で増えている。

Ⅰ-3 生活に関する意識

これまで,政治的意識に関わる調査結果を

みてきた。それは沖縄の歴史的状況,政治状

況が反映したものであると同時に,それらは

生活意識にも相互に反映していると考えられ

る。ここでは沖縄の生活に関する意識として

基本的価値観,郷土意識,生活実感について

確認しておきたい。基本的価値観,郷土意識

については,'78年と'96年の県民意識調査が

あり,16年前の'96年を中心にみていく。

Ⅰ−3−1. 基本的価値観①独自の価値観「今の世の中は,すべて金次第で良くない」

「実力があっても学歴がなければ,なかなか

社会では認めてくれない」「大きな組織の力

が強すぎて一人一人の庶民は無力だ」「いろ

いろなことはあっても,今の日本はまあ良い

社会だ」,といった「社会観」(図40)について

「そう思う」と考える人は全国と比べ少なく

47県 中43位,45位,47位,47位 と い う 結

果である。

全国と比べて一般的な世の中の仕組みや風

潮に賛同する人が少なく,本土とは違う独自

の価値観を持つ人が多い。

②独自の文化意識「この土地のことばが好き」「この土地のこ

とばを残してゆきたい」「沖縄県の人びとの

ものの考え方には,ほかの県の人びととは

違った特徴がある」「一番好きな音楽は民謡」

はいずれも全国で1位という結果になってい

る(図41)。宗教については「信仰はしていな

い」が9割近くと,全国を大きく上回り,こ

とば,民謡,宗教など独自の文化意識がみら

れる。

Ⅰ−3−2. 郷土意識①高い郷土意識

郷土意識は全国一という結果が出ている

図39 9条改正の是非

02年

12年

<沖縄>

02年

12年

<全国>

■改正する必要があると思う ■どちらともいえない ■わからない,無回答 ■改正する必要はないと思う

(%)

20 12 20 48

24 10 5512

31 52

26 58

9

7

9

9

図40 価値観 -96年県民意識-

48%55

5662

5070

6076

6373

今の世の中は,すべて金次第で良くない

今の世の中では,実力があっても学歴がなければ,なかなか社会では認めてくれない

今の世の中は,大きな組織の力が強すぎて一人一人の庶民は無力だ

今の世の中では,自分のことばかり考えて,ほかの人のこと

には無関心な人が多い

いろいろなことはあっても,今の日本はまあ良い社会だ

■沖縄 ■全国

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106│NHK放送文化研究所年報2013

(図42)。「○○県人だという気持ちをもって

いる」「この土地の人びとの人情が好き」はい

ずれも全国で1位,「地元の行事や祭りには

積極的に参加したい」も全国を上回るなど,

郷土を愛する姿勢がみられる。本土との距離,

島しょという地理的な条件は文化の違いを生

み,郷土意識を育んできたのであろう。

②県の政治に関心政治意識についてみると(図43),「一番関

心がある政治」を,国,都道府県,市区町村

の3つの中から選んでもらったが,沖縄の場

合は「国の政治」に関心のある人が全国の半

分程度で,47県中最下位だった。「市区町村

の政治」に関心のある人も,全国をかなり下

回ったのに対して「県の政治」には高い関心

を示し1位となっている。

「公共の利益のためには,個人の権利が多

少制限されてもやむをえない」については,

肯定的意見がかなり少なく,全国の結果の半

分程度で最下位である。

支持政党については,政権政党であった「自

民党」支持率は全国で一番低い。

国の政治への関心の低さ,政権政党への低

い支持率,公共の利益のために個人の権利が

多少制限されることへの賛同が低い,そして,

強い指導者に政治をまかせるという考えが少

ないことなど,これらは,国の政治への信頼

感の低さからくるものであろう。沖縄戦の体

験,戦後は日本と切り離され米軍による統治,

復帰後も沖縄に基地が集中していることな

ど,歴史的,政治的にも厳しい状況に置かれ

続けている。それらが,政治観に反映されて

いると考えられる。

図41 文化意識 -96年県民意識-

83%61

8557

226

8864

この土地のことばが好き

この土地のことばを残してゆきたい

好きな歌(民謡)

宗教(信仰はしていない)

■沖縄 ■全国

図42 郷土意識 -96年県民意識-

86%69

7244

8561

5547

○○県人だという気持ちをもっている

○○県の人びとのものの考え方には,ほかの県の人びと

とは違った特徴がある

この土地の人びとの人情が好き

地元の行事や祭りには積極的に参加したい

■沖縄 ■全国

図43 政治意識 -96年県民意識-

24%43

2110

1929

1227

5852

(国の政治)

(都道府県の政治)

(市区町村の政治)

(自民党)

(支持政党はない)

2140

公共の利益のためには,個人の権利が多少制限されてもやむをえない

4356

税金があがっても,社会福祉をもっと充実

させてほしい

■沖縄

■全国

一番関心がある政治

支持政党

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107

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

Ⅰ−3−3. 生活実感①意識面でも本土と格差「生活満足感」「世間一般に比べた暮らし向

き」について(図44)はそれぞれ全国で46番

目で「世間一般に比べた暮らし向き」は全国

との開きもかなりある。また,「ふだんの生

活はできるだけ切りつめてお金や財産を残し

たい」は55%と多く,1位である。また,沖

縄の人は,社会福祉充実のために税金が増え

ることに賛成する人は全国と比べ少なかった

(図43)。公には頼りたくないという意識が

強いようである。そのため,現在はできるだ

け生活を切りつめ,将来に備えているのであ

ろう。

②暮らし向きの変化ここで,40年にわたり継続的に実施してき

た「暮らし向きが1年前と比べて楽になった

か,苦しくなったか」についてみると(図45),

『苦しくなった』(「少し苦しくなった」含む)と

いう人が'73年から'92年にかけて減少してい

て,経済・生活の向上と連動していることが

うかがわれる。'02年で『楽になった』(「少し

楽になった」含む)が低下し,『苦しくなった』

が増加しているが,前年の9.11米国同時多発

テロ事件で,米軍基地が集中する沖縄への観

光が打撃を受けたことが理由の1つとして考

えられる。

'12年は「楽になった」と答えた人が5%,

「苦しくなった」という人は10%だった。'02

年と比べると,「苦しくなった」が減っている。

一方,全国より「楽になった」が多い。暮ら

し向きは依然厳しいが,10年前や全国と比

べると,厳しさの度合いがや

や低くなっている。

③経済成長と振興策'72年復帰当時の沖縄県民

一人あたりの所得14)は国民

一人あたりの6割と低く,所

得格差は大きかった。'60年

代から高度経済成長を続けて

きた日本とそれから取り残さ

れた沖縄では大きな経済格差

があり,一人あたりの所得格

差も開いていたのである。そ

れを埋めるために国は沖縄の

図44 生活意識 -96年県民意識-

77%82

5567

5542

生活満足感        (非常に満足+やや満足)

世間一般に比べた暮らし向き(ゆとり+多少ゆとり)

ふだんの生活はできるだけ切りつめてお金や財産を残したい

■沖縄 ■全国

図45 暮らし向き・1年前との比較

72年

73年

75年

77年

82年

87年

92年

95年

02年

12年

<沖縄>

12年<全国>

■ 楽になった ■少し楽になった ■変わらない ■わからない,無回答 ■少し苦しくなった ■苦しくなった

(%)

15 18 36 2 16 14

5 10 31 4 31 19

9 10 35 1 23 22

7 10 40 1 24 19

7 13 43 1 19 18

9 10 49 1 19 13

10 18 53 2 12 6

7 14 57 3 12 7

6 8 49 1 20 17

5 8 54 0 23 10

13 59 0 27 10

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108│NHK放送文化研究所年報2013

振興計画を10年ごとに策定してきた。しか

し,格差は縮まってきているものの依然とし

て存在している。

また,'10年度の沖縄の完全失業率15)は

7.6%で全国一高い。'11年度は7.1%まで下

がったものの,全国も4.5%に下がっていて,

差は縮まっていない。

ア.失業の主な原因

失業者が多い主な原因について尋ねたとこ

ろ(図46),5回の調査とも「県内に働き口が少

ないから」が最も多く,4,5割の人があげて

いる。'02年と比較すると,「県外で働きたが

らない人が多い」と「一応の生活ができる」が

減った。一方で,「希望に合った働き口がない」

が増え,「働き口が少ない」を合わせると6割

を占める。限られた産業しか育っていない沖

縄の実情を反映した結果ともいえよう。

イ.沖縄振興策を評価

前述したように,'72年の復帰後,沖縄と

本土との経済社会基盤の格差是正などを促す

ため,「沖縄振興開発特別措置法」('02年から

は自立を重視した「沖縄振興特別措置法」)が

制定された。

沖縄に対しては,10年ごと

に国の振興計画が策定され,

その規模は40年間で合わせ

て約10兆円となっている。ま

た,公共事業に他の都道府県

よりも高い補助金が受けられ

る高率補助制度などの特別な

施策も実施されている。

'12年調査で「国は,復帰し

てから40年間にわたって沖

縄の振興策を実施してきまし

た。あなたはこうした振興策

が沖縄の発展にどの程度役

立ったと思いますか」と尋ね

ているが,沖縄・全国とも7

割近くの人が『役立った』(「非

常に」+「ある程度」)と答えて

いて,差がほとんどない。

さらに,「高率補助など,

現在行われているような沖縄

の復帰に伴う国の特別な施

策」について(図47)は,「今

図46 失業の主な原因

■県内に働き口が少ないから ■国や県の雇用対策が十分でないから ■県外で働きたがらない人が多いから ■就職に有利な技術・技能を持っている人が少ないから ■待遇や仕事の内容など,希望に合った働き口が見つからないから ■仕事を探さなくても一応の生活ができるから ■その他 ■わからない,無回答

82年

87年

92年

02年

12年

<沖縄> (%)

42 14 8 515188

50 12 11 315137

40 9 10 418228

42 13 11 3110128

42 15 8 207188

図47 今後の沖縄特別施策について

■もうやめるべきだ ■今のまま続けるべきだ ■さらに強化すべきだ ■わからない,無回答

77年

82年

87年

92年

02年

12年

<沖縄>

12年<全国>

(%)

7 37 1838

4 46 1437

9 57 1717

6 54 2020

8 56 1521

7 60 824

17 68 96

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109

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

のまま続けるべきだ」という人が沖縄で

60%,全国で68%だった。

沖縄・全国とも「これまでの振興策は評価

する」,「今後もこのまま続けるべきだ」とい

う人が多数を占めているのである。

④経済発展の方向ア.難しい「農業や畜産」「企業誘致」

沖縄の経済発展のために良いと思われる方

向について(図48)は,'82年あたりまでは,亜

熱帯の気候を生かした花や野菜づくりなどの

「農業や畜産」,雇用を増やす「企業誘致」だっ

たが,「農業や畜産」が減り,「企業誘致」も伸

びていない。「農業や畜産」「企業誘致」とも輸

送コストの問題や市場規模の小ささなど,本

土経済圏から遠隔地に位置する不利さから思

うように進展していないという実情を反映し

たものと思われる。

一方,「観光に力を入れる」

が増加し,'12年には38%と

最も多くなった。「観光」は

'76年以降増加傾向にあり,

'87年,'02年と著しく増加し

た。

沖縄では,国をあげての事

業が展開され,'75年には国

際海洋博覧会(海洋博),'87

年には海邦国体,'00年には

沖縄サミットが開催されてい

る。また,'01年4月〜9月放

送のNHK朝の連続テレビ小

説「ちゅらさん」は沖縄と東

京下町を舞台に豊かな自然が

描かれ沖縄ブームをもたらし

た。

沖縄の豊かな海をテーマに

開催された'75年の海洋博で

は,観光収入(図49)が一時

的に倍以上増加した。海洋博

実施後に良かった点をいくつ

でもあげてもらったところ

(76年沖縄),最も多かった

のが,「道路や港湾,空港な

どが整備され,生活環境がよ

図48 経済発展の方向 -時系列・沖縄-

40

30

20

10

0

(%)

7675 77 82 87 92 02 12(年)

3538

26

31

242427

16

2828

23 22

1415

29

28

20

18

20

18

31

25

23

16

26

15

13

28

20

13

農業や畜産    企業を誘致し,工業

観光       農産物・水産物の加工

5000

4500

4000

3500

3000

2500

2000

1500

1000

500

0

(億円)

72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 09(年度)

図49 観光,基地関係収入の推移

出典は,沖縄県企画部統計課「県民経済計算」

観光収入

軍関係受取計

農林水産業純生産額

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110│NHK放送文化研究所年報2013

くなった」で49%。一方,良くなかった点は,

「見学者が少なく,物価だけがあがって,倒

産がふえるなど,沖縄の経済を混乱させた」

66%だった。海洋博は,経済の起爆剤とし

て企画されたにもかかわらず,マイナス評価

として経済面を多くの人があげる結果となっ

た。

観光収入は,翌年には海洋博以前の状況に

戻ったが,その後回復をみせ,米国同時多発

テロのあった'01年,リーマンショック後の

'09年に大きく落ち込んだものの,増加傾向

が続いている。

復帰当初は,観光収入よりも基地関係の受

取(=軍用地料,基地従業員所得,米軍の消

費支出)の方が大きかったが,'78年以降観光

収入の方が勝っている。

イ.自然保護と開発

'75年,海洋博がきっかけとなり,沖縄本

島北部の西海岸を中心に,大型リゾートホテ

ルが次々に進出した。沖縄のすばらしい海は

汚染が進み,環境破壊が大きな問題となる中,

'87年調査の2つの質問(87年沖縄)から,県

民は自然保護優先の考え方をしているのがわ

かる。

まず,国の特別天然記念物ノグチゲラの保

護と開発との関係についての質問では,「地

域の発展や水不足の解消に役立つのだから,

ノグチゲラを犠牲にしても開発を進めるべ

き」17%に対し,「開発によって,ノグチゲラ

が絶滅するおそれがあるから,開発をおさえ,

早急に保護対策をとるべき」が69%と自然保

護優先の考え方が圧倒的に多い。

次に,石垣市の白保地区でサンゴ礁の海を

埋め立てて新空港を建設する問題が持ち上

がっていたが,「早く建設すべき」は14%と少

なく,「環境面から慎重に」,「代替地を探す

こと」と答えた人が合わせて60%と多かった。

また,'87年からは,「開発を優先すべきか,

自然保護を優先すべきか」尋ねているが,『自

然保護を優先すべき』(「どちらかといえば」

も含む)がずっと7割台となっており圧倒的

に多い(P.112 表2)。

沖縄の人びとにとって,「美しい自然」は

誇りであり,すぐれた自然の景観が沖縄の観

光の魅力となっていること,それを守ること

の大切さが理解され,自然保護優先の考え方

が浸透しているといえよう。

ウ.観光への期待   

'82年に観光についての考えをいくつか尋

ねているが(82年沖縄),「観光開発によって,

景観がそこなわれたり海が汚されている」に

ついて「そう思う」が57%とマイナス面をあ

げる人が多数だが,プラス面である「本土の

人が沖縄を理解するのに役立っている」は

79%とさらに多かった。

'87年の調査では,この年に開かれた海邦

国体について,「非常に関心がある」33%,「ま

あ関心がある」51%と合わせて84%で関心

は非常に高かった。また,海邦国体の評価(複

数回答)で多いものをあげると,「道路やス

ポーツ施設が整備されるからよい」が68%,

「沖縄を全国に知ってもらう良い機会だ」61

%,「スポーツの振興に役立つ」57%,「公共

工事の拡充や観光客の増加など,経済的発展

のきっかけとなる」43%で,肯定的評価が並

んでいる。このように海邦国体においても,

スポーツ振興,経済発展といった直接的な効

果だけでなく,「沖縄を全国に知ってもらう」

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111

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

という面を県民が期待していることが注目さ

れる。

エ.米軍基地は暮らしや仕事に

『役立っていない』

次に,「沖縄に米軍基地があることは,あ

なたの暮らしや仕事に役立っているか」尋ね

たところ(図50),『役立っていない(全然+

どちらかといえば)』は69%で,『役立ってい

る(大きく+どちらかといえば)』29%を大き

く上回る。また,この傾向は35年間変わり

がない。

⑤復帰の感想復帰の感想を,選択肢をあげていくつでも

答えてもらったところ(図51),「教育水準が

高くなった」,「生活が豊かになった」は'92

年がピークとなっており,「1年前と比べた

暮らし向き」と同じ傾向と

なっている。復帰の評価も

92年がピークとなっている

が,経済状況が改善されてき

たことが,その評価につな

がったといえよう。また,す

べての調査を通じて最も多い

のは「海が汚れ,緑が失われ

るなど自然が損なわれた」で,

'92年 に は72% に 達 し て い

図50 米軍基地と仕事

■大きく役立っている ■どちらかといえば,役立っている ■わからない,無回答 ■どちらかといえば,役立っていない ■全然役立っていない

77年

82年

87年

92年

02年

12年

<沖縄> (%)

4 19 4215 20

4 18 526 20

8 17 436 26

3 16 4510 26

7 22 407 25

6 22 352 34

図51 復帰の感想(複数回答) -時系列・沖縄-

80

70

60

50

40

30

20

10

0

(%)

5458

72

海が汚れ緑が失われるなど自然が損なわれた

5854

28 3032

人間関係に温かみが失われてきた

33 3337

4346

教育水準が高くなった

3632

11

23

35

生活が豊かになった

2326 25

29

18

日本人としての自覚が強まった

18 19151814

貧富の差が縮まった

14 151714 13

生活に落ち着きがなくなった

11 13

32

1815

「復帰前の沖縄のほうがよかった」と感じることがある

12 11

■ 82年 ■ 87年 ■ 92年 ■ 02年 ■ 12年

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112│NHK放送文化研究所年報2013

る。生活の向上の一方で,開発に対する危機

感を抱く人が多くなった。景気低迷などで開

発が落ち着いてきたことと呼応するように,

'92年以降減少傾向が続いているが,'12年の

調査でも半数以上が「自然が損なわれた」と

考えている。

「『復帰前の方が良かった』と感じることが

ある」はこの質問を始めた'82年が最も高い

が,'87年にかけて大きく減少している。また,

「日本人としての自覚が強まった」も'87年が

ピークである。'87年は,「本土並み」を印象

づける国家的なイベントとして国体が開かれ

たこともあり,本土と一体感が最も強まった

年となった。'87年は「本土の人は沖縄の人の

心を分かってくれない」が最も低かった。

また,郷土意識が強い沖縄ではあるが,「人

間関係に温かみが失われてきた」と考える人

が徐々に増える傾向にある。

Ⅱ 沖縄県民意識の核を探る三つの視点

これまで,多数の調査結果をみてきた。こ

こではそれらの調査領域・質問を整理し,総

合的なまとめを行う。具体的には,沖縄の意

識の動向,全国との違い,沖縄の思いについ

てまとめ,今後の沖縄を考える上での視点を

提供したい。

Ⅱ-1 変化しなかった意識と変化した意識

これまで,40年にわたる調査からテーマ

ごとに意識変化をみてきたが,ずっと変化し

なかったのはどのような意識であったのか,

変化したのはどのような意識で,どの時点で

変わったのか,25年以上継続して調査した

項目についてまとめておきたい。

Ⅱ−1−1. 変化しなかった意識半数以上の沖縄の人がずっと持ち続けてい

る意識(表2),つまり,多くに共通する意識

をみておこう。

①自然保護優先「復帰40年の感想」についての質問(複数

回答)で「海が汚れ,緑が失われるなど自然

が損なわれた」と考えている。とりわけリゾー

ト開発のピークと重なる'92年は72%と多

かった。環境破壊を指摘する人が多いのは,

開発に対する考え方によるものであろう。「開

表2 変わらず高い意識(50%以上の回答,25年以上継続調査項目)                       (%)質問項目 回答 72年 73年 75年 77年 82年 87年 92年 95年 02年 12年

復帰40年の感想 自然が損なわれた 54 58 72 58 54

開発か自然保護か 自然保護(「どちらかといえば」含む) 70 79 77 79

米軍基地と仕事 役立っていない(「どちらかといえば」含む) 62 72 69 71 65 69

自衛隊基地と仕事 役立っていない(「どちらかといえば」含む) 68 71 67 66 67 65

沖縄特別施策 続ける+強化すべき 75 83 74 74 77 85

沖縄戦 忘れてはならないこと 64 79 76 83 70 81 91

米軍基地観 全面撤去+本土並みに少なく 77 77 81 71 76 78

■ 最も高い

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113

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

発を優先すべきだと思いますか,自然保護を

優先すべきだと思いますか」という質問につ

いては,『自然保護を優先すべき』(「どちら

かといえば」も含む)が7割台となっている。

ちなみに'92年からの調査項目で「沖縄の誇

り」について3つ選んでもらう質問では,最も

多いのが3回の調査とも,「美しい自然」で,

'92年58%,'02年67%,'12年69%である。

②特別施策は継続・強化すべき「沖縄にアメリカ軍基地があることは,あ

なたの暮らしや仕事に役立っていると思う

か」については,『役立っていない』(「全然」

あるいは「どちらかといえば」)が62%から

72%である。「沖縄に自衛隊基地があること」

についても,『役立っていない』が65%から

71%で,経済面での「基地」の効果は認めな

い人が多数となっている。

現在行われているような沖縄の復興に伴う

国の特別な施策については,「今のまま続け

るべきだ」あるいは「さらに強化すべきだ」と

肯定的な人は74%から85%である。'11年

の沖縄県の完全失業率は7.1%で,全国の

4.5%と比べ高い水準にあり,全国で最も高

い。失業率は全国より高い状態がずっと続い

ており,国の特別施策は不可欠な状況という

ことなのであろう。

③沖縄戦「沖縄戦の体験」を「持っていない」という

人はこの質問を始めた'82年ですでに60%で

あったが,'12年では86%となり歳月が経つ

につれ増加している。

しかし,「沖縄戦」については,「忘れては

ならないこととして,たえず振り返るように

したい」が'77年の64%から'12年には91%

とむしろ増加し,ほとんどの人が抱く思いと

なっている。体験者が減少していくという危

機感が「沖縄戦の記憶」の重要性を改めて再

認識させているのであろう。

戦後67年が経ち,沖縄戦の体験者は60代

以上となったが,沖縄戦について,「忘れて

はならないこと」と考えている人は,男女と

も60歳未満ではむしろ'02年より増え,90%

以上となった。

'45年に沖縄戦の組織的戦闘が終結した6

月23日は,琉球政府及び沖縄県が定めた「慰

霊の日」である。この日は休日となり,糸満

市摩文仁では沖縄全戦没者追悼式が催され,

県内各地の慰霊碑でも祈りがささげられる。

このように,沖縄戦を知らない世代にも日常

を通して持続的に沖縄戦の実態が継承されて

いる。

④米軍基地米軍基地については,「全面撤去すべき」

あるいは「本土並みに少なくすべき」と多数

が考えている。復帰前の'70年に実施した調

査では,「復帰後の沖縄の米軍基地」について,

『縮小,撤去』を期待する人が75%を占めて

いた。本土復帰時に抱いた米軍基地のあり方

に対する思いは変わってない。

以上のように,沖縄県民の多くが持ち続け

ている意識として,「開発より自然保護」「振

興策継続」「沖縄戦を忘れない」,米軍基地に

ついては「撤去あるいは本土並み」があげら

れる。これらは,長期に継続しており,沖縄

で生活していく人びとの考え方のベースと

なっている意識ともいえよう。

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114│NHK放送文化研究所年報2013

Ⅱ−1−2. 変化した意識次に,変わった意識をみると,ある時点を

ピークに元に戻っていくものと同じ方向に変

化が継続しているものとがある。まず,前者

の意識をピークの時点(最も高かった時)ご

とにみる。

①ピークがある意識ア.72年から87年にピーク 復帰による生

活の変化(表3)

'70年の復帰前の調査では,復帰時の懸念

材料として,生活がどうなるかが最も多かっ

たが,復帰評価と暮らし向きの評価は呼応す

るような推移をたどっている。

'72年の復帰直前,暮らし向きについて,1

年前と比べ「楽になった」,今後については「苦

しくなるだろう」という回答が最も多かった。

復帰直後の'73年は逆に1年前と比べ「苦しく

なった」,今後については「楽になるだろう」

が最も多くなった。復帰前後で,生活実感が

大きく変化した。

'87年に最も高くなっているのが,「本土の

人が沖縄の人を理解」,「沖縄の人が本土の人

を理解」,「自民党支持」である。復帰の感想(図

51)でも,「日本人としての自覚が強まった」

が最も高くなる。沖縄の人が本土への一体感

を最も意識した時期といえよう。

イ.92年・95年にピーク 高まった復帰の評価

'92年が最も高いのは(表4),「今後の暮ら

し向き」が「変わらないだろう」,復帰の評価

が『よかった』,復帰の感想でプラス評価の「生

活が豊かになった」,また,国や県への要望

で「公害防止・自然保護」である。また,「今

表3 変わった意識(15%以上変化,25年以上継続調査項目)                          (%)72年から87年にピーク 72年 73年 75年 77年 82年 87年 92年 95年 02年 12年

暮らし向き・1年前との比較 楽になった(「少し」含む) 33 15 20 17 20 19 28 21 14 13

暮らし向き・今後 苦しくなるだろう(「少し」含む) 60 33 43 41 40 38 21 36 40

暮らし向き・1年前との比較 苦しくなった(「少し」含む) 30 50 45 42 37 32 17 19 37 33

暮らし向き・今後  楽になるだろう(「少し」含む) 12 34 23 22 22 27 30 22 19

復帰評価 あまりよくなかった+非常に不満 53 51 55 32 18 11 13 15

国や県への要望 農業対策 40 35 24 25 13 20

天皇観  尊敬すべき存在とは思わない 37 29 32 26 33 19

沖縄の人を理解しているか 理解している(「十分」+「まあ」) 21 24 29 42 45 37 38 35 26

本土の人を理解しているか 理解している(「十分」+「まあ」) 29 31 36 45 50 45 43 37 36

支持政党 自民党 25 22 20 26 35 25 13 15 13

■ 最も高い ■ 最も低い

表4 変わった意識(15%以上変化,25年以上継続調査項目)                          (%)92年・95年にピーク 72年 73年 75年 77年 82年 87年 92年 95年 02年 12年

暮らし向き・今後 変わらないだろう 15 20 26 31 33 31 41 36 39

復帰評価 よかった(「非常に」+「まあ」) 38 43 40 63 76 81 76 78

復帰40年の感想 生活が豊かになった 11 23 35 23 26

国や県への要望 公害防止・自然保護 19 21 31 45 30 18

暮らし向き・1年前との比較 変わらない 36 31 35 40 43 49 53 57 49 54

■ 最も高い ■ 最も低い

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115

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

後の暮らし向き」が『楽になるだろう』,1年

前と比べ暮らし向きが『楽になった』は'92年

が2番目(表3)となっていて,生活水準の向

上を実感したことから,復帰を評価する人が

最高となったとみられるが,自然破壊への懸

念もピークとなった。

'95年は,「暮らし向き・1年前との比較」

で「変わらない」が最も高くなったが,『楽に

なった』が'92年より減ったことによる。

ウ.12年にピーク 本土の人は沖縄の人の

気持ちを『理解していない』が7割

'12年(表5)は,国や県に対する要望は「失

業対策」,天皇は「尊敬すべき存在」,「支持

政党なし」,本土の人が沖縄の人の気持ちを,

また沖縄の人が本土の人の気持ちを『理解し

ていない』が最も高くなっている。

②同じ方向に変化している意識同じ方向に一貫して変化している意識(表6)

をみると,「米軍基地と日本の安全」について

は,「必要+やむをえない」が増加し,「必要で

ない+危険である」が減少している。「自衛隊

と日本の安全」についても,米軍基地について

と同様に,「必要+やむをえない」が増加し,「必

要でない+危険である」が減少している。

また,国や県への要望(3つまで)について

は,「医療制度・施設の充実」が増え,「物価

対策」が減少している。

経済発展の方向として,「農業や畜産を盛

表5 変わった意識(15%以上変化,25年以上継続調査項目)                          (%)12年にピーク 72年 73年 75年 77年 82年 87年 92年 95年 02年 12年

国や県への要望 失業対策 38 40 45 24 50 52

天皇観 尊敬すべき存在だと思う 41 45 34 29 30 51

支持政党 支持政党はない 31 44 41 38 32 44 54 59 60

沖縄の人を理解しているか 理解していない(「あまり」+「まったく」) 59 61 62 50 48 51 48 57 71

本土の人を理解しているか 理解していない(「あまり」+「まったく」) 48 53 54 48 43 43 41 54 59

■ 最も高い ■ 最も低い

表6 変わった意識(15%以上変化,25年以上継続調査項目)                          (%)増加傾向 72年 73年 75年 77年 82年 87年 92年 95年 02年 12年

米軍基地と日本の安全 必要+やむをえない 26 24 26 34 38 38 35 36 47 56

自衛隊と日本の安全 必要+やむをえない 48 50 57 64 56 66 67 83

国や県への要望  医療制度・施設の充実 26 30 33 39 45 55

経済発展の方向 観光に力を入れる 16 15 18 25 26 35 38

減少傾向 72年 73年 75年 77年 82年 87年 92年 95年 02年 12年

米軍基地と日本の安全 必要でない+危険である 56 59 60 53 53 52 51 44 44 38

自衛隊と日本の安全  必要でない+危険である 36 37 32 26 27 17 22 13

国や県への要望 物価対策 51 43 30 23 19 17

経済発展の方向   農業や畜産を盛んにする 31 27 28 20 16 13 13

復帰40年の感想 復帰前の沖縄のほうがよかった 32 18 15 12 11

沖縄戦 忘れるようにしたい 26 17 16 9 13 10 6

■ 最も高い ■ 最も低い

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116│NHK放送文化研究所年報2013

んにする」が徐々に減少し,「観光に力を入

れる」が増加している。

復帰の感想で「復帰前の沖縄のほうがよ

かった」が'82年から'87年にかけて減ってい

るが,それ以降もさらに減少している。

ほかには,沖縄戦について,先に「忘れて

はならないこと」が高く,しかも増加してい

るのをみたが,そのもう一方の「忘れるよう

にしたい」は減少している。

③「最も多い意識」の交代ここまでは,回答の増減についてみてきた

が,質問項目の中で「最も多い回答」が変わっ

たもの(表7)に注目してみる。「暮らし向き・

1年前との比較」は,まず復帰直後の'73年,

'75年は『苦しくなった』だったが,'82年以

降は「変わらない」となった。「復帰評価」は,

'73年から'77年は「あまりよくなかった+非

常に不満」だったが,'82年以降は『よかった』

となっている。「国や県への要望」では'77年

と'82年は「物価対策」であったが,最近は「医

療制度・施設の充実」や「失業対策」となって

いる。「経済発展の方向」では,'75年は「農

業や畜産を盛んにする」だったが,'02年から

は「観光に力を入れる」となった。また,「米

軍基地と日本の安全」については,'95年まで

は「必要でない+危険である」だったが,'12

年は「必要+やむをえない」となった。

25年以上という歳月を経て,「最も多い回

答」が入れ替わったのは,生活や経済面の項

目が多い。また,復帰への肯定的評価は'92

年をピークにその後も8割と安定している

が,「本土の人は沖縄の人の気持ちを理解し

ている」という本土との一体化の意識は復帰

15年の'87年を境に弱まっている。

Ⅱ-2 沖縄と全国の意識ギャップの構造

沖縄と日本全体の考え方にどの程度違いが

あるのだろうか。'12年に全国と沖縄で共通

に調査した質問をもとに多変量解析を行っ

表7 最も多い意識の交代(25年以上継続調査項目)                             (%)72年 73年 75年 77年 82年 87年 92年 95年 02年 12年

暮らし向き・1年前との比較

楽になった(「少し」含む) 33 15 20 17 20 19 28 21 14 13

変わらない 36 31 35 40 43 49 53 57 49 54

苦しくなった(「少し」含む) 30 50 45 42 37 32 17 19 37 33

復帰評価よかった(「非常に」+「まあ」) 38 43 40 63 76 81 76 78

あまりよくなかった+非常に不満 53 51 55 32 18 11 13 15

国や県への要望

物価対策 51 43 30 23 19 17

公害防止・自然保護 19 21 31 45 30 18

農業対策 40 35 24 25 13 20

失業対策 38 40 45 24 50 52

医療制度・施設の充実 26 30 33 39 45 55

経済発展の方向  農業や畜産を盛んにする 31 27 28 20 16 13 13

観光に力を入れる 16 15 18 25 26 35 38

米軍基地と日本の安全必要+やむをえない 26 24 26 34 38 38 35 36 47 56

必要でない+危険である 56 59 60 53 53 52 51 44 44 38 太字は質問項目の中で最も多い回答(信頼度95%)

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117

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

た。(多数の選択肢を計算してカテゴライズ

した結果を配置し累計化した結果から,沖縄

と,全国の考え方の違いをみた。)

使用した質問は,「復帰特別施策への考え

方」「米軍基地と日本の安全」「自衛隊と日本

の安全」「米軍基地観 まとめ」「米軍基地の

整理縮小」「普天間基地の名護市移設の賛否」

「政権評価・県内移設で米国と合意」「政権評

価・県外を目指すと表明」「沖縄に米軍基地が

集中していることについて」「これからの沖縄

への期待/6項目」「天皇観」「憲法観」「9条の

評価」「9条改正の是非」「日本の安全方策」「暮

らし向き・1年前との比較 まとめ」「政治の

満足感 まとめ」「与那国島への自衛隊配備と

日本の安全」「今後の在日米軍のありかた」「侵

略危険 まとめ」「日米安保・役立っているか

 まとめ」「今後の日米同盟関係のありかた」

の27質問105項目である。これらを多数の回

答に共通して認められる根源的な要因(特性

尺度)を統計学的に導き出す手法(数量化Ⅲ

類)で多変量解析を行った。

このうち,Ⅰ軸(概念)は

説明力(要約率)が最も高い

が,「わからない,無回答」

と答えるか,そうでないかを

示す概念であるので,その次

に説明力のあるⅡ軸をみた。

このⅡ軸は,沖縄と全国の

差,年層差が最も大きいとい

う特徴がある。Ⅱ軸への寄与

度の高い変数をみる(表8)

と,「米軍基地と日本の安全」

「米軍基地観」「普天間基地の

名護市移設の賛否」「自衛隊

と日本の安全」「今後の日米

同盟関係のありかた」「沖縄に基地が集中し

ていることについて」「政権評価・県内移設

で米国と合意」「日米安保・役立っているか」

で,安全保障関係に集中している。「9条改

正の是非」「9条の評価」「憲法観」「侵略危険」

「暮らし向き」については,寄与度は低い。

また,「今後の沖縄への期待」についても,「軍

事基地がなくなってほしい」は,Ⅱ軸への寄

与度は高い。

つまりⅡ軸は,安全保障の現在のあり方に

ついて,どのような意識を持つかという概念

となる。軸の意味をみるため,カテゴリスコ

ア(表9)の大きいものをみると,プラスの方

向には,「米軍基地と日本の安全」「自衛隊と

日本の安全」について「日本の安全に必要で

はない」「日本の安全にとってかえって危険」,

「米軍基地観」は「全面撤去すべきだ」,「普天

間基地の名護市移設の賛否」では「反対」と

いったように,否定的,厳しい意見が並ぶ。

マイナスの方向には,逆に「米軍基地と日本

表8 カテゴリースコアの説明変数別範囲(数量化Ⅲ類)◦計算に用いたサンプル数 沖縄=1123 全国=1117◦相関係数 Ⅱ軸 0.41

Ⅱ軸Ⅱ軸

天皇観 1.5

米軍基地と日本の安全 5.6 政治の満足感 まとめ 1.4

米軍基地観 まとめ 5.4 復帰特別施策への考え方  1.3

普天間基地の名護市移設の賛否 4.9 米軍基地の整理縮小 1.1

自衛隊と日本の安全 4.6 9条改正の是非 0.9

今後の日米同盟関係のありかた 4.6 9条の評価 0.9

沖縄に基地が集中していることについて 4.4 侵略危険 まとめ 0.8

政権評価・県内移設で米国と合意 4.2 憲法観 0.8

日米安保・役立っているか まとめ 4.2 期待(文化や教育の面でも共通) 0.7

日本の安全方策 3.7 期待(本土並みに経済的に豊かに) 0.5

今後の在日米軍のありかた まとめ 3.4 期待(国際的に開かれていてほしい) 0.4

期待(軍事基地がなくなってほしい) 3.2 期待(沖縄独自の文化がさらに盛んに) 0.3

与那国島への自衛隊配備と日本の安全 3.1 暮らし向き・1年前との比較 まとめ 0.2

政権評価・県外を目指すと表明 2.4 期待(沖縄らしいこころの豊かさ) 0.1

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118│NHK放送文化研究所年報2013

の安全」について「日本の安全にとって必要」

など肯定的な意見が並んでいる。

すなわち,安全保障の現在のあり方につい

て,<否定-肯定>の軸と考えられる。年層

別にこの軸の平均得点(Ⅱ軸概念を有する度

合)をみる(図52)と,沖縄は全国よりプラス

側に位置していて,安全保障の現在のあり方

について沖縄は否定的,全国は肯定的となる。

また,年層別には全国は高齢層で右下がりと

なり,肯定的となるのに対し,沖縄はゆるや

かな右上がりとなり,否定的意見となる。

沖縄が全国と異なるのは,歴史体験,生活

環境によるのではないだろうか。戦後50年('95

年)の沖縄調査では沖縄戦の体験,アメリカ

の占領下にあったことを意識

形成の土壌としてあげている

が,安全保障意識については,

これらがより直接的に関係す

る事柄となるであろう。さら

に沖縄では慰霊の日の行事,

「語り継ぐ」,「忘れない」といっ

た沖縄戦の体験の継承,地元

紙中心の新聞,そして生活の

場に隣接する米軍基地の存

在,これらによって,特定の

世代だけでなく,多くの県民

と共有されていくのであろう。

このような日々の生活に根差

した本土にはない環境が沖縄

と全国の意識の違いに反映さ

れていると考えられる。沖縄

では年層による意識の違いが

あまりないのは,沖縄戦を語

り継ぎ,忘れないようにした

いという意識を世代を超えて

共有しているからであろう。

また,高齢になるほど沖縄と全国の意識の

違いが大きくなる。全国では高齢になると安

全保障に対し肯定的になるのに対し,沖縄は,

沖縄戦を体験している70歳以上,アメリカ

の統治を多感な時代に体験している50代と

60歳以上は安全保障に対して厳しい見方の

ままとなっている。そのため,高齢者ほど意

識の違いが大きくなる。

20代,30代という復帰後に生まれた世代

は安全保障に対し否定的見方が40代以降に

比べ弱い。

ゴルフ,高校野球,ボクシングなどのスポー

ツや芸能分野の沖縄出身者の活躍,沖縄を舞

表9 カテゴリースコア(Ⅱ軸)米軍基地と日本の安全 政権評価・県内移設で米国と合意

日本の安全にとって必要である −2.6 高く評価する −2.6

日本の安全のためにやむをえない −0.8 ある程度評価する −1.7

日本の安全に必要でない 2.2 あまり評価しない 0.2

日本の安全にとってかえって危険である 3.0 まったく評価しない 2.3

わからない,無回答 0.5 わからない,無回答 −0.9

自衛隊と日本の安全 沖縄に米軍基地が集中していることについて

日本の安全にとって必要である −1.1 おかしいと思う 1.7

日本の安全のためにやむをえない 0.1 どちらかといえばおかしいと思う −0.7

日本の安全に必要でない 1.8 どちらかといえばおかしいと思わない −2.1

日本の安全にとってかえって危険である 3.5 おかしいと思わない −2.7

わからない,無回答 0.5 わからない,無回答 −0.8

米軍基地観 まとめ 日米安保・平和に役立っているか まとめ

全面撤去すべきだ 3.1 非常に役立っている −2.4

本土並みに少なくすべきだ 0.3 ある程度役立っている −0.4

現状のままでよい+もっと増やすべきだ −2.3 (あまり+まったく)役立っていない 1.8

わからない,無回答 −0.2 わからない,無回答 0.5

普天間基地の名護市移設の賛否 今後の日米同盟関係のありかた

賛成 −2.6 同盟関係をより強化していくべきだ −1.5

どちらかといえば賛成 −1.7 現状のまま維持していくべきだ −1.0

どちらかといえば反対 0.2 協力の度合いを今より減らしていくべきだ 1.8

反対 2.3 日米安保の解消を目指していくべきだ 3.1

わからない,無回答 −0.9 わからない,無回答 0.5

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119

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

台としたドラマの人気。また,サミットの舞

台となるなどメディアに取り上げられること

も多くなった16)。復帰後に育った人は,沖

縄が認められているという感覚が実感なので

あろう。また,基地問題は変わらず存在する

が,アメリカ統治を知らないという意味では,

その前の世代とは育った政治的環境が異な

り,体験として持っている基地観は異なるも

のなのであろう。

Ⅱ-3 「本土の人たちはわれわれの気持ちを分かっていない」の深層

「本土の人は、 沖縄の人の

気持ちを理解していると思

いますか」と尋ねたところ

(図53),「あまり理解してい

ない」あるいは,「まったく

理解していない」を合わせた

『理解していない』が'02年時

の57%から,'12年には71%

へと大幅に増加した。最後に,

本土の人への沖縄県民の意識

がこのように悪化した背景を

分析する。

2回の調査の質問から『理

解している(十分+まあ)』,

『理解していない(あまり+

まったく)』に分かれるのは

どのような要因によるものか

をみておきたい。

まず,意識や基本属性が「理

解している」,「理解していな

い」と関わる程度(影響の大

きさ)をみるため,「理解し

ている」,「理解していない」を外的基準変数

として,数量化Ⅱ類で計算した(表10)。分

類(説明)に影響がある変数の違いをみるた

めに,計算は調査別に行った。まず,同じ変

数(質問)で計算し,次に'12年の調査につい

ては,新たな調査項目を変数に追加した。項

目ごとの「理解している」,「理解していない」

に対する影響の大きさは偏相関係数でみるこ

とができる。

'02年について使用した17項目の中で偏相

関係数が0.1以上となったのは,「米軍基地

と仕事」「経済発展方向」「米軍基地の整理縮

小」「日本の安全方策」「沖縄の開発は調和が

20代 30代 40代 50代 60代 70歳以上

復帰10年以降

復帰後10年まで

米国統治後半

米国統治前半

戦前

(生まれ)

図52 沖縄と全国の意識構造上の位置(Ⅱ軸,年層別,世代別)

0.3

0.2

0.1

0.0

-0.1

-0.2

-0.3

安全保障の現在のあり方

否定的

肯定的

<年層別> <世代別>

12年沖縄

12年全国

図53 本土の人は沖縄の人の気持ちを理解しているか -時系列・沖縄-

80

60

40

20

0

(%)

(年)7573 77 82 87 92 95 02 12

59

21

61

24

62

29

50

42

48

45

51

37

48

38

57

35

71

26

理解している(十分+まあ)    理解していない(あまり+まったく)

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120│NHK放送文化研究所年報2013

とれているか」「米軍基地と日本の安全」「自

衛隊と日本の安全」の7項目だった。

ところが,'12年については,「自衛隊基地

と仕事」「米軍基地の整理縮小」「失業の主な

原因」の3項目だけであった。説明力となる

相関比は,'02年が0.159に対し,'12年は0.090

と低い。そこで,'12年について,新たな項

目を加えることとした。その結果,相関比は

'02年には及ばないが,0.125まで増加し偏相

関係数が0.1以上の項目は6項目となった。

「政権評価・県内移設で米と

合意」「沖縄に基地が集中し

ていることについて」「自衛

隊基地と仕事」「米軍基地と

仕事」「失業の主な原因」「米

軍基地の整理縮小」である。

「政権評価・県内移設で米

と合意」「沖縄に基地が集中

していることについて」は,

新設した項目で偏相関係数が

高く効き方も大きい。'12年

調査に盛り込むことになった

のは,普天間飛行場の移設問

題や米軍の占有施設が沖縄に

集中していることなど米軍基

地のあり方が問題となってい

たことによるものだが,これ

らが'12年調査の沖縄への理

解度と大きく関係していたと

いえよう。

回答ごとには,沖縄への理

解度に対する寄与度(表11)

の高いものからみると,2回

に共通して,「理解している」

という方向に関係しているの

は,「米軍基地の整理縮小」の「進んだ」「どち

らともいえない」で,逆に「理解していない」

方向に関係しているのは「進んでいない」と

なっている。

また'12年で,「沖縄に基地が集中している

ことについて」は,「理解している」という方

向に関係しているのは,「どちらかといえば

おかしいと思う」「どちらかといえばおかし

いと思わない」で,「理解していない」へは「お

かしいと思う」となった。

表 10 沖縄理解度の要因(数量化Ⅱ類)◦外的基準 本土は沖縄を理解しているか 02年 12年① 12年②

平均 理解している(十分+まあ) 0.51 0.50 0.59

   理解していない(あまり+まったく) −0.31 −0.18 −0.21

有効ケース数 524 1066 1066

相関比 0.159 0.090 0.125

◦偏相関係数 02年 12年① 12年②

復帰評価 まとめ 0.04 0.07 0.06

沖縄の開発は調和がとれているか 0.11 0.07 0.06

経済発展方向 0.15 0.03 0.05

失業の主な原因 0.08 0.10 0.10

復帰特別施策への考え方  0.07 0.06 0.06

米軍基地と日本の安全 0.11 0.07 0.06

自衛隊と日本の安全 0.10 0.07 0.07

米軍基地と仕事 0.15 0.09 0.10

自衛隊基地と仕事 0.08 0.10 0.11

米軍基地観 まとめ 0.09 0.05 0.04

米軍基地の整理縮小 0.15 0.10 0.10

沖縄戦忘れてはならないか 0.04 0.08 0.08

沖縄戦の体験 0.02 0.08 0.06

日本の安全方策 0.13 0.09 0.09

性別 0.03 0.04 0.04

年層6区分 0.06 0.07 0.05

地域区分(沖縄) 0.09 0.04 0.04

普天間基地の名護市移設の賛否 0.06

政権評価・県内移設で米国と合意 0.13

政権評価・県外を目指すと表明 0.04

沖縄に基地が集中していることについて   0.13

日米安保・平和に役立っているか まとめ 0.07

※■ は,偏相関係数 ≧ 0.1

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121

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

「政権評価・県内移設で米と合意」につい

ては,「理解している」という方向に関係し

ているのは,「ある程度評価する」「あまり評

価しない」で,「理解していない」へは,「まっ

たく評価しない」となった。つまり,沖縄県

民の思いとは逆行す

る形で米国と普天間

基地移設について合

意したことが失望感

につながり,「理解

していない」と考え

る人の一層の増加と

なったといえよう。

沖縄県民の思いを

理解するには,米軍

基地の整理縮小と合

わせ,沖縄の立場に

立った基地問題の進

展への取り組みが要かなめ

ということである。

おわりに

40年の調査を振

り返って最も沖縄の

気持ちを象徴してい

る質問が「本土の人

は沖縄の人の気持ち

を理解しているか」

ではないだろうか。

そこには,普天間基

地移転問題や基地の

整理縮小など,米軍

基地への対応が関連

し て い る こ と を

NHKが継続して行ってきた11回にわたる沖

縄調査の分析で明らかにしてきた。基地縮小

の方向が「沖縄の気持ちの理解」につながる

のである。

また,沖縄と全国の人では,安全保障問題

表11 カテゴリースコア02年 12年② 02年 12年②

沖縄の開発は調和がとれているか 自衛隊基地と仕事

調和がとれている (0.0) 0.3 大きく役立っている (−0.4) 0.7

調和がとれていない −0.2 −0.1 どちらかといえば,役立っている 0.1 0.0

どちらともいえない 0.2 0.0 どちらかといえば,役立っていない −0.1 0.0

わからない,無回答 (0.9)(0.7) 全然役立っていない −0.1 −0.3

経済発展方向 わからない,無回答 (0.5) (1.3)

農業や畜産を盛んにする 0.5 0.3 米軍基地の整理縮小

企業を誘致し,工業を盛んにする 0.2 0.0 進んだ 0.5 0.3

観光に力を入れる −0.1 −0.1 進んでいない −0.2 −0.1

農産物・水産物の加工に力を入れる 0.0 0.0 どちらともいえない 0.2 0.4

その他+わからない,無回答 (−1.2) (−0.5) わからない,無回答 (−0.9)(−0.9)

失業の主な原因 日本の安全方策

県内に働き口が少ない 0.1 0.2 ある程度の防衛力を持ちアメリカと協力 0.5 0.1

国や県の雇用対策が十分でない 0.3 −0.4 国連に協力して国際的な安全保障体制 −0.2 −0.2

県外で働きたがらない −0.2 0.2 日本独自の防衛力だけで備える (−0.6)(0.3)

就職に有利な技術・技能を持っている人が少ない (−0.3) −0.2 いっさいの防衛力を持たず中立 0.2 −0.2

待遇や仕事の内容など −0.2 0.0 その他+わからない,無回答 −0.1 0.8

仕事を探さなくても一応の生活できる −0.1 −0.6 政権評価・県内移設で米と合意

米軍基地と日本の安全 高く評価する (1.6)

日本の安全にとって必要 (0.3) 0.4 ある程度評価する 0.5

日本の安全のためにやむをえない 0.1 −0.1 あまり評価しない 0.1

日本の安全に必要でない 0.2 0.0 まったく評価しない −0.3

日本の安全にとってかえって危険 −0.1 −0.1 わからない,無回答 (0.1)

わからない,無回答 (−0.9)(0.4) 沖縄に基地が集中していることについて

自衛隊と日本の安全 おかしいと思う −0.2

日本の安全にとって必要 −0.1 0.1 どちらかといえばおかしいと思う 0.5

日本の安全のためにやむをえない 0.1 −0.1 どちらかといえばおかしいと思わない 0.3

日本の安全に必要でない −0.3 0.0 おかしいと思わない (−0.7)

日本の安全にとってかえって危険 (−0.6) 0.6 わからない,無回答 (0.4)

わからない,無回答 (0.5) (−0.7)

※02年,12年②どちらかの偏相関係数が0.1以上のアイテムについてカテゴリースコアを掲載

※( )は実数が50未満と少ないため,参考にとどめた

米軍基地と仕事

大きく役立っている (0.3) −0.5

どちらかといえば,役立っている 0.5 −0.1

どちらかといえば,役立っていない 0.1 −0.2

全然役立っていない −0.4 0.3

わからない,無回答 (0.1) (1.1)

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122│NHK放送文化研究所年報2013

に対する考え方の違いが大きいことがわかっ

た。すなわち,沖縄の人は安全保障の上で沖

縄の米軍基地の果たす役割が小さいと考えて

おり,そう考えていない本土の人は「沖縄の

気持ちを理解していない」と映るのである。

'72年の復帰当日,内閣主催の記念式典が

開催され,その席で総理に続いて,沖縄県の

屋良朝苗主席のあいさつ17)があった。復帰

式典ができる喜びを表明する一方で,「沖縄

県民のこれまでの要望と心情に照らし復帰の

内容をみますと,必ずしも私どもの切なる願

望が入れられたとは言えないことも事実であ

ります。そこには米軍基地の問題を始め内蔵

するいろいろの問題があり,これらを持ち込

んで復帰したわけであります。したがってこ

れからもなお,厳しさは続き新しい困難に直

面するかもしれません」と述べている。

沖縄の復帰前,返還協定を巡る国会での野

党の追及に,佐藤総理大臣は「一日も早く批

准し,その上で不十分な点を直していく」と

答弁18)している。しかし,沖縄には本土復

帰後も日米安全保障条約により米国への基地

の供与が義務づけられ,現在もなお,全国の

米軍専用施設面積の約74%が集中している。

県の総面積でみると約10%,特に沖縄本島

ではその2割近くを米軍基地が占める。米兵

による少女暴行事件('95年)や沖縄国際大学

への米軍ヘリ墜落('04年)といった米軍基地

を抱える地域ならではの問題も起きており,

'12年秋には普天間飛行場にオスプレイが配

備された。オスプレイには墜落の危険性があ

るとして住民は反発している。10月には米

兵による暴行事件がまた起きている。基地問

題は40年経っても身近な“危機”として存在

し続けている。

沖縄県民についての世論調査は,'70年か

ら実施してきている。恐らく,当時の調査企

画者もこれほど長く続くとは考えていなかっ

たであろう。なぜなら,40年後も米軍基地が

そのまま存続するとは思っていなかったであ

ろうから。継続的に実施してきたこれらの調

査結果からは沖縄の世論の軌跡をたどること

ができる。復帰評価,相互理解,米軍基地,

沖縄戦など,陳腐化しない沖縄の人の気持ち

をとらえる質問があったから,沖縄調査は長

期にわたって継続し,時系列比較が可能と

なったといえる。とりわけ,'70年調査は,希

望と不安を抱きながら復帰を迎える沖縄県民

の姿をみることができる貴重なものである。

日米安全保障条約により沖縄に米軍基地が

存在し続ける限り,基地問題は沖縄の最大課

題であり,この調査を継続していく意義があ

ると考える。

(こうの けい)

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123

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

注:1)米軍専用施設面積 

1972年5月15日 2011年3月31日 変化率(100=1972年)

全国 475222 千m2 309641 千m2 65.2%

沖縄 278925 千m2 228783 千m2 82.0%

本土 196297 千m2 80858 千m2 41.2%

全国に占める沖縄県の比率 58.7% 73.9 %

資料:平成24年3月「沖縄の米軍及び自衛隊基地(統計資料集)」   沖縄県知事公室基地対策課   1972年5月復帰時の本土の面積は沖縄防衛局管理部業務課

2) 調査の概要

略称 調査名 調査時期 調査方法

調査対象 調査相手主な公表資料(発行年)

地域 対象 相手数(人)

有効数(人)

有効率(%)

70年沖縄 沖縄国政参加選挙調査 1970年11月 5日~11月 8日 面接 沖縄 有権者 1200 768 64.0 文研月報昭和46年4月号(1971年)

72年沖縄 沖縄住民意識調査 1972年 5月 2日~ 5月 4日 面接 沖縄 有権者 1000 657 65.7 文研月報昭和47年8月号(1972年)

73年沖縄 沖縄住民意識調査 1973年 4月14日~ 4月16日 面接 沖縄 有権者 1000 677 67.7 (部内報告書)

75年沖縄 沖縄住民意識調査 1975年 4月19日~ 4月20日 面接 沖縄 有権者 900 552 61.3 文研月報昭和50年10月号(1975年)

77年沖縄 沖縄住民意識調査 1977年 3月12日~ 3月13日 面接 沖縄 20歳以上 750 537 71.6 文研月報昭和52年8月号(1977年)

82年沖縄 本土復帰10年の沖縄 1982年 2月21日~ 2月22日 面接 沖縄 20歳以上 900 650 72.2 放送文化1982年6月号

87年沖縄 本土復帰15年の沖縄 1987年 1月31日~ 2月 2日 面接 沖縄 20歳以上 900 618 68.7 放送研究と調査1987年6月号

92年沖縄 本土復帰20年の沖縄 1992年 3月 7日~ 3月 8日 面接 沖縄 20歳以上 900 706 78.4 放送研究と調査1992年6月号

95年沖縄 戦後50年調査(沖縄) 1995年 5月12日~ 5月15日 面接 沖縄 20歳以上 900 683 75.9 放送研究と調査1995年11月号

02年沖縄 復帰30年の沖縄 2002年 3月 2日~ 3月10日 面接 沖縄 20歳以上 900 587 65.2 放送研究と調査2002年7月号

12年沖縄 復帰40年の沖縄 2012年 2月18日~ 3月 4日 面接 沖縄 20歳以上 1800 1123 62.4 放送研究と調査2012年7月号

76年沖縄 沖縄県知事選挙 1976年 6月10日~ 6月11日 面接 沖縄 有権者 900 607 67.4 (部内報告書)

78年沖縄 沖縄県知事選挙 1978年12月 2日~12月 3日 面接 沖縄 有権者 900 656 72.9 文研月報昭和54年5月号(1979年)

75年全国 回顧と評価 1975年11月24日~11月25日 面接 全国 有権者 3600 2637 73.3 文研月報昭和51年5月号(1976年)

92年全国 日本人と憲法 1992年 3月 7日~ 3月 8日 面接 全国 16歳以上 3600 2522 70.1 放送研究と調査1992年6月号

02年全国 日本人と憲法 2002年 2月 2日~ 2月 4日 面接 全国 16歳以上 3600 2336 64.9 放送研究と調査2002年6月号

12年全国 安全保障意識 2012年 2月18日~ 2月26日 面接 全国 20歳以上 1800 1117 62.1 放送研究と調査2012年7月号

78年県民意識 全国県民意識調査

1978年 3月 4日~ 3月 5日 面接 沖縄 16歳以上

900 638 70.9 日本人の県民性(1979年)

1978年 2月 ~ 5月 面接 全国 42300 32421 76.6

96年県民意識  全国県民意識調査

1996年 6月28日~ 7月 7日 面接 沖縄 16歳以上

900 665 73.9現代の県民気質(1997年)

1996年 6月28日~ 7月 7日 面接 全国 42300 29620 70.0

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124│NHK放送文化研究所年報2013

4)NHK ETV特集 1987年5月7日放送「ETV8「戦世の語り部たち-復帰15年・沖縄からの報告-」

5)琉球政府立那覇高等学校六期生(昭和28年卒)編集『戦時下の学童たち-那覇高六期生「戦争」体験記』(戦争体験記発行委員会,2011年)p1,p4

6)沖縄の政党アメリカの全面占領下の時期と,本土復帰以後で政党の事情は異なっている。本土復帰前はアメリカの全面占領に規定された政党の活動の時期であり,本土復帰後は政党の本土への系列化・一体化が進んだ時期となる。<自民党沖縄県連>1970年に結成されたその前進の政党は,アメリカの全面占領を肯定し,復帰運動には一貫して消極的だった。<沖縄社会大衆党>1950年に結成された祖国復帰をかかげる穏健な大衆政党。県内の政治を中心に活動している沖縄独自の政党で,ここから民社党沖縄県連,社会党沖縄県連など新党が多く誕生。

7)NHK総合 1982年5月14日放送 NHKスペシャル「ドル円切り替えXデー 沖縄復帰秘話」

8)伊波美智子「天井知らずの物価高騰」『戦後をたどる 「アメリカ世」から「ヤマトの世」へ』(「那覇市歴史博物館」編,2007年)p260

9)NHK総合 1978年7月30日放送「730大作戦〜沖縄・交通方法変更〜」総費用215億円の交通方法の変更を,NHKでは沖縄県警の実施本部や那覇市内から全国に生中継した。

10)NHK総合 1971年12月17日放送「ドキュメンタリー本土復帰」

11) 注1に同じ12)新崎盛暉 『沖縄現代史』(岩波新書,1996年)

p23513)高良鉄美 『沖縄から見た平和憲法』(未来社,

1997年)p182

3)沖縄に関する主な出来事年 復帰前・後の年数

1945 −27 米軍沖縄に上陸,沖縄戦

1951 −21 日米安全保障条約調印(旧安保)

1952 −20 サンフランシスコ平和条約発効,沖縄・奄美・小笠原,米軍の施政権下に

1960 −12 安保条約改定(新安保)

祖国復帰協議会結成

1965 −7 米国がベトナムの北爆を開始

1969 −3 日米共同声明(沖縄返還)

1971 −1 ニクソンショック(ドル変動相場制への移行)

1972 0 本土復帰

1973 1 オイルショック(第1次)

1975 3 国際海洋博覧会開催

ベトナム戦争終結

1978 6 交通方法,日本式に変更

   保守県政誕生

1987 15 第42回国民体育大会(海邦国体)開催

1989 17 県,新石垣空港白保海上案を断念

1990 18 革新県政に交代

(1990)(18) バブル経済崩壊

1991 19 湾岸戦争

1992 20 首里城復元

1993 21 天皇・皇后初の沖縄訪問

1995 23 「平和の礎」建設

   米兵による少女暴行事件

   沖縄に関する特別行動委員会設置

1996 24 普天間基地の返還合意

1997 25 名護市の住民投票で普天間移設反対が多数に

1998 26 保守県政に交代

2000 28 サミット開催

「琉球王国のグスク及び関連遺産群」世界遺産に

2001 29 米国同時多発テロ

2002 30 美ら海水族館リニューアルオープン

2003 31 沖縄都市モノレール「ゆいレール」開通

2004 32 沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落

2008 36 世界金融危機(リーマンショック)

2009 37 民主党政権誕生

2010 38 尖閣諸島周辺で中国漁船衝突事件

     北朝鮮軍,韓国ヨンピョン島砲撃事件

普天間「県外」に転じた仲井真氏知事再選

2011 39 東日本大震災

円高進む

金正日総書記死去

2012 40 新たな沖縄振興計画スタート

普天間飛行場にオスプレイを配備

米兵による暴行事件

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125

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

450

400

350

300

250

200

150

100

50

0

(万円)90

80

70

60

50

40

30

20

10

0

(%)

72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09

61.0

70.6

71.274.6

70.3

69.3

71.073.4

69.1

71.973.8 74.3 76.0

73.9 74.2 75.072.4

72.867.1

65.768.7 70.5 67.9

68.268.4

68.5

71.5 72.3

71.6 73.8

73.6

72.669.9

70.8

69.2 69.2

74.276.9

■ 沖縄県民一人あたりの県民所得 ■国民一人あたりの国民所得    所得格差

資料:おきなわのすがた(県勢概要)沖縄県企画部企画調整課所得格差は国=100  ※「一人あたり県(国)民所得」は左側目盛,「所得格差」は右側目盛

(年度)

14)一人あたりの県民(国民)所得と所得格差の推移

80

60

40

20

0

(千人)10

8

6

4

2

0

(%)

72 75 77 80 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11

3.0

5.3 5.1

6.8

5.0 5.3 5.24.9

4.43.9 4.0 4.3

4.4

5.1

5.86.5

6.0

7.78.3

7.98.4 8.3

7.8 7.67.9 7.7

7.4 7.4 7.5 7.67.1

1.41.9 2.0 2.0

2.62.8 2.8

2.5 2.3 2.1 2.1 2.22.5

2.93.2 3.4 3.4

4.14.7 4.7 5.0 5.3

4.74.4

4.1 3.9 4.0

5.1 5.14.5

5.4

■ 沖縄県失業者数    完全失業率(沖縄県)    完全失業率(全国)

※失業者数は左側目盛,完全失業率は右側目盛資料:おきなわのすがた(県勢概要)沖縄県企画部企画調整課2011年の全国完全失業率は,岩手県,宮城県,福井県を除いた結果となっている。

11

21

29

23 25 27 27 2624 22 23 24 25

2933

3836

4751 50

53 5249 49

51 5047 48

50 5147

(年)

15) 完全失業率の推移

16)NHK沖縄放送局編集 『NHK沖縄放送局史〜NHK・OHK70年のあゆみ』(NHK沖縄放送局,2012年)

17)注9に同じ18)注10に同じ

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126│NHK放送文化研究所年報2013

第1問 -沖縄の誇り(LA)-あなたは,沖縄のどんなところに特に誇りをもっていますか。リストの中から当てはまるものがあれば3つまであげてください。

92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄1.美しい自然 57.6 60.3 67.1 68.7 2.豊かな芸能 26.6 31.8 29.3 31.0 3.沖縄のことば 26.2 19.6 20.3 22.2 4.海外と広く交流をしていた沖縄の歴史 17.8 16.3 14.7 13.8 5.家族や親戚を大切にしていること 42.9 43.5 43.6 47.1 6.出身地を大切にしていること 12.0 9.1 14.3 < 22.5 7.沖縄の将来を真剣に考える人が多いこと 2.8 4.0 2.9 3.4 8.平和を求める気持ちが強いこと 30.6 33.4 27.6 30.8 9.働き者であること 9.8 7.5 7.3 > 4.5 10.治安がよいこと 4.8 10.8 7.8 10.2 11.物が豊富でなんでも手に入ること 3.0 4.0 2.0 2.3 12.教育熱心なこと 0.7 1.6 1.7 1.6 13.長寿の人が多いこと 48.0 44.2 39.0 > 27.8

(14)誇りに思うことはない 0.4 0.3 0.7 0.3 (15)わからない,無回答 1.1 2.3 1.0 0.8

第2問 -暮らし向き・1年前との比較-あなたの暮らし向きは,1年前とくらべて,楽になったでしょうか。それとも苦しくなったでしょうか。リストの中から1つお答えください。

72沖縄 73沖縄 75沖縄 77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.楽になった 15.4 5.2 9.4 7.1 7.4 9.1 9.9 7.0 5.6 4.9 > 1.12.少し楽になった 17.8 9.6 10.1 10.2 12.5 9.5 17.7 14.1 8.0 8.4 > 2.93.変わらない 35.5 30.6 34.8 39.5 42.8 48.5 53.3 57.0 48.7 < 53.8 < 59.34.少し苦しくなった 15.7 31.0 22.6 23.5 18.9 18.9 11.5 12.0 19.8 23.0 < 26.95.苦しくなった 14.0 19.4 21.9 18.8 17.7 12.9 5.8 6.9 17.4 > 9.6 9.6

(6)わからない,無回答 1.7 4.3 1.1 0.9 0.8 1.0 1.8 3.1 0.5 0.4 0.4

第3問 -暮らし向き・今後-あなたの暮らし向きは,今後どうなると思いますか。リストの中からあなたのお感じに近いものを1つお答えください。

72沖縄 73沖縄 75沖縄 77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.楽になるだろう 5.0 10.8 3.8 4.3 4.0 7.0 10.8 4.6 5.2 > 1.02.少し楽になるだろう 6.7 23.5 19.6 17.9 17.7 19.7 19.4 17.2 14.2 > 4.03.変わらないだろう 14.6 19.8 26.1 30.5 32.5 30.9 40.7 36.1 38.6 > 32.44.少し苦しくなるだろう 39.0 22.7 23.0 28.3 24.6 24.8 14.3 22.7 < 28.0 < 40.45.苦しくなるだろう 20.7 9.9 19.7 12.8 15.8 12.8 6.2 13.1 11.6 < 20.4

(6)わからない,無回答 14.0 13.3 7.8 6.1 5.4 4.9 8.6 6.3 > 2.3 1.8

「復帰40年の沖縄」調査 単純集計結果【時系列】※調査結果はすべて%で表示している※「< >」は,それぞれ開いている方が統計的に有意に高いことを示す(信頼度95%)※選択肢の番号に( )が付いているものは,回答リストには載っていないことを示す

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127

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

第4問 -復帰評価-沖縄が本土に復帰して,間もなく40年になります。この40年間をふりかえったとき,本土復帰についてあなたのお気持ちに近いものをリストの中から1つお答えください。

73沖縄 75沖縄 77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄1.非常によかった 7.1 7.1 6.7 13.7 19.9 21.1 21.0 22.92.まあよかった 30.5 36.2 33.5 49.4 55.8 60.2 55.2 55.33.あまりよくなかった 37.1 37.3 40.4 25.4 13.6 9.6 11.1 11.44.非常に不満である 15.4 13.4 14.9 6.8 4.4 1.0 2.2 3.3

(5)わからない,無回答 9.9 6.0 4.5 4.8 6.3 8.1 10.6 > 7.1

第5問 -復帰40年の感想(MA)-復帰40年を振り返って,リストのような感想があります。この中からあなたのお感じになることをいくつでもあげてください。

82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄1.生活に落ち着きがなくなった 17.2 13.8 12.5 11.4 12.6 2.海が汚れ,緑が失われるなど自然が損なわれた 54.3 58.4 71.7 58.1 53.8 3.日本人としての自覚が強まった 25.2 29.0 18.0 17.7 19.2 4.生活が豊かになった 11.4 22.5 35.4 22.7 25.6 5.教育水準が高くなった 36.6 43.4 46.3 36.3 32.3 6.「復帰前の沖縄のほうがよかった」と感じることがある 31.5 17.5 15.4 11.8 11.0 7.人間関係に温かみが失われてきた 28.2 30.3 31.6 32.5 33.0 8.貧富の差が縮まった 14.9 17.5 14.0 13.8 14.6

(9)その他 0.5 0.2 1.1 1.4 0.5 (10)わからない,無回答 6.8 6.5 5.2 8.5 8.7

第6問 -国や県への要望(LA)-あなたは,国や県に対して,どんなことに力をいれてほしいと思いますか。リストの中から主なものを3つまでお答えください。

77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄1.農業対策 39.9 34.5 23.9 24.9 12.6 < 19.92.工業振興策 15.3 15.2 14.2 10.6 10.1 > 7.03.観光対策 14.9 11.1 15.4 16.4 24.4 21.54.教育対策 26.1 22.0 22.3 26.5 23.2 < 36.35.医療制度・施設の充実 25.9 30.0 32.8 39.1 44.5 < 54.96.公害防止・自然保護 19.0 20.6 31.1 44.9 30.2 > 18.17.道路・交通の整備 18.1 17.1 19.6 23.9 12.8 11.78.物価対策 50.7 43.2 30.3 23.1 18.9 16.99.失業対策 37.8 40.3 45.0 23.7 49.6 52.010.治安の維持 4.5 4.2 3.4 6.2 8.3 9.011.アメリカ軍基地の撤去 16.4 24.5 23.8 27.3 21.5 24.412.基地の跡地利用対策 9.9 12.3 10.8 15.4 14.8 11.9

(13)その他 0.2 0.2 0.5 0.4 0.7 0.4(14)わからない,無回答 3.7 3.4 15.5 2.8 2.7 > 1.0

第7問 -開発か自然保護か-話は変わりますが,あなたは,開発を優先すべきだと思いますか,自然保護を優先すべきだと思いますか。あなたのお気持ちに近いものをリストの中から1つお答えください。

87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄1.開発を優先すべきだ 8.3 3.8 6.1 5.92.どちらかといえば,開発を優先すべきだ 15.5 9.9 10.6 12.63.どちらかといえば,自然保護を優先すべきだ 39.5 47.0 43.3 46.74.自然保護を優先すべきだ 30.1 32.3 33.9 31.9

(5)わからない,無回答 6.6 6.9 6.1 > 2.8

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128│NHK放送文化研究所年報2013

第8問 -沖縄の開発は調和がとれているか-ところで,今沖縄で進められている開発は,自然保護との調和がとれていると思いますか。それとも,とれていないと思いますか。リストの中から1つお答えください。

92沖縄 02沖縄 12沖縄1.調和がとれている 4.7 5.3 5.32.調和がとれていない 62.6 50.9 51.33.どちらともいえない 26.5 35.3 39.6

(4)わからない,無回答 6.2 8.5 > 3.7

第9問 -経済発展の方向-今後、 沖縄が経済的に,発展していくには,どういう方向をとるのが一番よいと思いますか。リストの中から1つお答えください。

75沖縄 76沖縄 77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄1.農業や畜産を盛んにする 31.3 28.3 27.2 27.8 20.4 15.6 12.6 12.82.企業を誘致し,工業を盛んにする 16.1 23.7 28.1 28.8 30.9 23.4 28.3 26.33.観光に力を入れる 16.3 13.5 15.1 18.0 24.9 25.5 34.9 38.14.農産物・水産物の加工に力を入れる 24.3 22.7 21.6 19.5 17.5 22.9 15.2 < 19.5

(5)その他 0.7 0.5 0.4 0.3 0.0 1.1 1.4 > 0.4(6)わからない,無回答 11.2 11.2 7.6 5.5 6.3 11.5 7.7 > 2.8

第10問 -失業の主な原因-沖縄県の失業問題についてうかがいます。沖縄県で失業者が多い主な原因はどこにあると思いますか。リストの中から1つお答えください。

82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄1.県内に働き口が少ないから 42.0 49.7 39.7 41.7 41.72.国や県の雇用対策が十分でないから 14.2 12.0 8.8 12.9 15.43.県外で働きたがらない人が多いから 7.7 10.5 10.1 11.4 > 8.34.就職に有利な技術・技能を持っている人が少ないから 8.0 7.1 7.5 8.2 7.95.待遇や仕事の内容など,希望に合った働き口が見つからないから 18.2 12.9 22.1 11.9 < 17.66.仕事を探さなくても一応の生活ができるから 4.6 4.5 7.8 9.7 > 6.9

(7)その他(具体的に          ) 0.8 0.5 0.6 1.2 0.4(8)わからない,無回答 4.6 2.8 3.5 2.9 1.8

第11問 -沖縄の振興策評価-国は,復帰してから40年間にわたって沖縄の振興策を実施してきました。あなたは,こうした振興策が,沖縄の発展にどの程度役立ったと思いますか。

12沖縄 12全国1.非常に役立った 7.7 9.12.ある程度役立った 61.4 58.03.あまり役立たなかった 21.3 19.84.まったく役立たなかった 1.5 1.3

(5)わからない,無回答 8.1 < 11.7

第12問 -沖縄特別施策への考え方-他の都道府県よりも高い補助金が受けられる高率補助など,現在行われているような沖縄の復帰に伴う国の特別な施策について,あなたはどう思いますか。リストの中から1つお答えください。

77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.もうやめるべきだ 7.3 3.7 9.2 6.1 8.0 7.4 < 16.82.今のまま続けるべきだ 37.4 46.2 57.3 53.8 55.9 60.3 < 68.03.さらに強化すべきだ 37.6 36.6 17.0 20.3 21.0 24.3 > 5.7

(4)わからない,無回答 17.7 13.5 16.5 19.8 15.2 > 8.0 9.4

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129

本土復帰後40年間の沖縄県民意識

第13問 -米軍基地と日本の安全-復帰後も,沖縄に,アメリカ軍基地が残っていますが,あなたは,これについてどのように思いますか。リストの中から1つお答えください。

72沖縄 73沖縄 75沖縄 77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.日本の安全にとって必要である 7.2 4.6 6.0 9.5 9.4 8.9 5.8 7.3 7.3 < 11.1 < 16.72.日本の安全のためにやむをえない 18.7 18.9 19.7 24.4 28.2 29.3 28.9 29.1 39.9 < 44.9 < 57.73.日本の安全に必要でない 19.5 27.9 25.2 22.0 16.6 21.8 26.1 23.3 19.1 21.2 > 16.64.日本の安全にとってかえって危険である 36.4 31.2 34.4 31.3 36.0 30.3 24.4 20.5 24.5 > 17.1 > 4.5

(5)わからない,無回答 18.3 17.4 14.7 12.8 9.8 9.7 14.9 19.8 9.2 > 5.7 4.7

第14問 -自衛隊と日本の安全-復帰後,自衛隊が沖縄に配備されていますが,あなたは,これについてどのように思いますか。同じリストの中から1つお答えください。

75沖縄 77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.日本の安全にとって必要である 21.4 16.4 22.5 21.8 20.0 19.0 19.1 < 30.5 33.42.日本の安全のためにやむをえない 26.3 33.1 34.6 42.4 36.4 46.6 47.5 52.3 48.73.日本の安全に必要でない 24.8 22.3 16.8 15.9 18.0 10.7 15.7 > 8.8 10.84.日本の安全にとってかえって危険である 10.9 14.5 14.9 10.2 8.9 6.1 6.5 4.6 > 2.3

(5)わからない,無回答 16.7 13.6 11.2 9.7 16.7 17.6 11.2 > 3.8 4.7

第15問 -与那国島への自衛隊配備と日本の安全-中国の軍備増強に備えて,沖縄の一番西の与那国島にあらたに自衛隊を配備する動きがあります。あなたは,これについてどう思いますか。同じリストの中から1つお答えください。

12沖縄 12全国1.日本の安全にとって必要である 23.9 26.92.日本の安全のためにやむをえない 36.4 40.43.日本の安全に必要でない 20.5 17.14.日本の安全にとってかえって危険である 11.9 > 5.8

(5)わからない,無回答 7.3 < 9.8

第16問 -米軍基地と仕事-沖縄にアメリカ軍の基地があることは,あなたの暮らしや仕事に役立っていると思いますか。リストの中から1つお答えください。

77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄1.大きく役立っている 4.3 4.0 7.9 3.4 6.5 6.42.どちらかといえば,役立っている 18.6 17.7 17.2 15.6 21.8 22.43.どちらかといえば,役立っていない 20.3 20.2 25.7 25.8 25.4 < 34.14.全然役立っていない 41.9 52.0 43.4 45.0 39.9 > 34.6

(5)わからない,無回答 14.9 6.2 5.8 10.2 6.5 > 2.5

第17問 -自衛隊基地と仕事-では,沖縄に自衛隊の基地があることは,あなたの暮らしや仕事に役立っていると思いますか。同じリストの中から1つお答えください。

77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄1.大きく役立っている 2.6 3.7 5.8 4.0 3.9 < 6.22.どちらかといえば,役立っている 14.2 17.4 19.1 16.6 19.3 < 25.33.どちらかといえば,役立っていない 19.7 18.8 25.4 24.6 29.1 33.24.全然役立っていない 47.9 52.2 41.6 41.6 37.8 > 31.8

(5)わからない,無回答 15.6 8.0 8.1 13.2 9.9 > 3.5

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130│NHK放送文化研究所年報2013

第18問 -米軍基地観-沖縄のアメリカ軍基地について,あなたのお気持ちに近いものをリストの中から1つお答えください。

82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.全面撤去すべきだ 32.6 28.3 33.6 33.4 20.6 21.7 > 9.02.本土並みに少なくすべきだ 44.2 48.7 47.3 37.5 55.0 56.1 52.13.現状のままでよい 14.9 17.0 10.9 13.8 18.6 18.9 < 34.04.もっと増やすべきだ 1.8 0.5 0.1 0.0 0.3 0.6 1.1

(5)わからない,無回答 6.5 5.5 8.1 15.4 5.5 > 2.7 3.8

第19問 -米軍基地の整理縮小-沖縄のアメリカ軍基地の整理・縮小は進んだと思いますか。進んでいないと思いますか。

02沖縄 12沖縄 12全国(1)進んだ  23.5 22.3 > 5.7(2)進んでいない 49.9 < 61.3 < 70.7(3)どちらともいえない 15.3 > 11.6 12.9(4)わからない,無回答 11.2 > 4.9 < 10.7

第19問SQ [第19問で「2」の人に]-米軍基地の整理縮小が進展しない理由-「進んでいない」のはどうしてだと思いますか。あなたのお考えに近いものをリストの中から1つお答えください。(全体分母) 02沖縄 12沖縄 12全国1.国がアメリカとの交渉を積極的に進めないため 16.7 18.8 18.82.アメリカ軍が沖縄の基地を重視しているため 15.2 > 11.5 11.63.他に基地を移転することが難しいため 9.9 < 19.9 < 30.84.日米安全保障条約があるため 5.1 6.1 4.45.県民が望んでいないため 1.7 < 3.9 4.0

(6)その他  0.3 0.2 0.1(7)わからない,無回答 1.0 0.9 1.0

非該当 50.1 > 38.7 > 29.3

(該当者分母) 02沖縄 12沖縄 12全国1.国がアメリカとの交渉を積極的に進めないため 33.4 30.7 26.62.アメリカ軍が沖縄の基地を重視しているため 30.4 > 18.8 16.53.他に基地を移転することが難しいため 19.8 < 32.4 < 43.54.日米安全保障条約があるため 10.2 10.0 > 6.25.県民が望んでいないため 3.4 6.4 5.7

(6)その他  0.7 0.3 0.1(7)わからない,無回答 2.0 1.5 1.4

(100%= 293人   688人   790人)

第20問 -普天間基地の名護市移設の賛否-アメリカ軍普天間基地の返還にあたって,代わりの施設を名護市に移設することについて,どう思いますか。リストの中から1つお答えください。

12沖縄 12全国1.賛成 6.3 5.82.どちらかといえば賛成 14.2 < 30.33.どちらかといえば反対 31.9 34.04.反対  40.2 > 10.9

(5)わからない,無回答 7.3 < 19.0

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

第20問SQ1 [第20問で「1」「2」の人に]-名護市移設・賛成の理由-あなたが,そうお考えになる主な理由をリストの中から1つお答えください。(全体分母) 12沖縄 12全国1.住宅が隣接する普天間基地の危険性を早く取り去ることが重要だから 11.1 < 15.02.移設を受け入れることが沖縄の経済振興につながるから 5.2 < 8.03.名護市以外への移設は難しいから 2.8 < 8.94.名護市に移設することが,国の防衛上必要だから 0.9 < 3.2

(5)その他  0.2 0.2(6)わからない,無回答 0.4 0.9

非該当 79.4 > 63.9

(該当者分母) 12沖縄 12全国1.住宅が隣接する普天間基地の危険性を早く取り去ることが重要だから 54.1 > 41.42.移設を受け入れることが沖縄の経済振興につながるから 25.1 22.13.名護市以外への移設は難しいから 13.4 < 24.64.名護市に移設することが,国の防衛上必要だから 4.3 < 8.9

(5)その他  0.9 0.5(6)わからない,無回答 2.2 2.5

                             (100%= 231人   403人)

第20問SQ2 [第20問で「3」「4」の人に]-名護市移設反対の人に,どこに移設すべきか-それではあなたは,普天間基地の移設について今後どうすべきだと思いますか。リストの中から1つお答えください。(全体分母) 12沖縄 12全国1.沖縄県内の他の場所に移設すべきだ 2.5 2.5 2.国内の沖縄県以外の場所に移設すべきだ 17.6 > 7.3 3.海外に移設すべきだ 29.9 > 17.8 4.代わりの施設は作らずに撤去すべきだ 17.7 > 7.8 5.普天間にそのまま残しておくべきだ 3.6 < 7.3

(6)その他  0.2 0.6 (7)わからない,無回答 0.6 < 1.6

非該当 27.9 < 55.1

(該当者分母) 12沖縄 12全国1.沖縄県内の他の場所に移設すべきだ 3.5 5.6 2.国内の沖縄県以外の場所に移設すべきだ 24.4 > 16.3 3.海外に移設すべきだ 41.5 39.6 4.代わりの施設は作らずに撤去すべきだ 24.6 > 17.3 5.普天間にそのまま残しておくべきだ 4.9 < 16.1

(6)その他  0.2 < 1.4 (7)わからない,無回答 0.9 < 3.6

                                 (100%= 810人   502人)

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132│NHK放送文化研究所年報2013

第21問 -政権評価-民主党政権は,普天間基地の移設について,当初「県外を目指す」としていましたが,結局県内移設でアメリカと合意しました。このことについて2つに分けてうかがいます。

A)まず,「県内移設」でアメリカと合意したことについてどう思いますか。リストの中から1つお答えください。

12沖縄 12全国1.高く評価する 2.5 3.22.ある程度評価する 12.8 < 27.73.あまり評価しない 33.3 < 39.94.まったく評価しない 46.7 > 22.5

(5)わからない,無回答 4.6 < 6.7

B)では,当初「県外を目指す」という姿勢を示したことについてどう思いますか。リストの中から1つお答えください

12沖縄 12全国1.高く評価する 22.5 > 8.42.ある程度評価する 36.3 > 31.93.あまり評価しない 19.2 < 30.34.まったく評価しない 16.9 < 22.4

(5)わからない,無回答 5.0 < 7.0

第22問 -沖縄に基地が集中していることについて-    在日アメリカ軍の専用施設の74%が沖縄に集中しています。このことについてあなたはどう思いますか。リストの中から1つお答えください。

12沖縄 12全国1.おかしいと思う 57.2 > 24.92.どちらかといえばおかしいと思う 28.6 < 42.73.どちらかといえばおかしいと思わない 7.7 < 16.84.おかしいと思わない 3.8 < 8.4

(5)わからない,無回答 2.8 < 7.2

第23問 -日米安保・平和に役立っているか-あなたは,日本がアメリカと結んでいる日米安全保障条約は,日本の平和と安全にどの程度役立っていると思いますか。リストの中から1つお答えください。

12沖縄 12全国1.非常に役立っている 8.2 < 18.12.ある程度役立っている 45.1 < 57.33.あまり役立っていない 29.9 > 16.44.まったく役立っていない 7.5 > 1.9

(5)わからない,無回答 9.3 > 6.4

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

第24問 -今後の日米同盟関係のありかた-あなたは,日米安全保障条約に基づくアメリカとの同盟関係を,今後どうしていくべきだと思いますか。リストの中から1つお答えください。

12沖縄 12全国1.同盟関係をより強化していくべきだ 12.1 < 21.62.現状のまま維持していくべきだ 34.0 < 49.43.協力の度合いを今より減らしていくべきだ 35.4 > 17.74.日米安保の解消を目指していくべきだ 8.4 > 2.6

(5)わからない,無回答 10.1 8.7

第24問SQ1 [第24問で「1」「2」の人に]-同盟関係の強化・維持の理由-    あなたが,そうお考えになる主な理由をリストの中から1つお答えください。(全体分母) 12沖縄 12全国1.日本の安全に役立つから 16.8 < 30.12.アジア太平洋地域全体の安定につながるから 15.5 < 19.73.日本の防衛費の抑制につながるから 2.1 < 4.54.アメリカとの関係は,経済など防衛以外の分野でも重要だから 10.8 < 15.4

(5)その他  0.3 0.2(6)わからない,無回答 0.6 1.2   非該当 53.9 > 29.0

(該当者分母) 12沖縄 12全国1.日本の安全に役立つから 36.5 < 42.42.アジア太平洋地域全体の安定につながるから 33.6 > 27.73.日本の防衛費の抑制につながるから 4.6 6.34.アメリカとの関係は,経済など防衛以外の分野でも重要だから 23.4 21.7

(5)その他  0.6 0.3(6)わからない,無回答 1.4 1.6

                                 (100%= 518人   793人)

第24問SQ2 [第24問で「3」「4」の人に]-同盟関係の弱化・解消の理由-あなたが,そうお考えになる主な理由をリストの中から1つお答えください。(全体分母) 12沖縄 12全国1.アメリカの軍事行動に巻き込まれる恐れがあるから 10.6 > 2.22.他の国とももっと協調すべきだから 6.3 5.13.在日アメリカ軍基地をめぐる日本の負担が大きいから 20.9 > 10.14.自分の国は自分の力で守るべきだから 5.3 > 2.5

(5)その他  0.0 0.0(6)わからない,無回答 0.6 0.4   非該当 56.2 < 79.7

(該当者分母) 12沖縄 12全国1.アメリカの軍事行動に巻き込まれる恐れがあるから 24.2 > 11.02.他の国とももっと協調すべきだから 14.4 < 25.13.在日アメリカ軍基地をめぐる日本の負担が大きいから 47.8 49.84.自分の国は自分の力で守るべきだから 12.2 12.3

(5)その他  0.0 0.0(6)わからない,無回答 1.4 1.8

                                 (100%= 492人   227人)

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134│NHK放送文化研究所年報2013

第25問 -今後の在日米軍のありかた-あなたは,日本に駐留しているアメリカ軍について,今後どのようにすべきだと思いますか。リストの中から1つお答えください。

12沖縄 12全国1.今より増やす 0.4 < 2.22.今の程度でよい 22.1 < 44.43.今より減らす 64.0 > 45.74.まったく必要ない 10.2 > 2.3

(5)わからない,無回答 3.3 < 5.3

第26問 -沖縄戦忘れてはならないか-     次に,沖縄戦についてうかがいます。沖縄戦について,あなたのお考えはリストのどちらに近いでしょうか。

77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄1.忘れてはならないこととして,たえず振り返る

ようにしたい 63.7 78.6 76.1 82.6 69.5 81.1 < 91.0

2.今の生活と関係ないので,なるべく忘れるようにしたい 25.9 16.6 16.3 8.8 13.3 9.9 > 5.5

(3)わからない,無回答 10.4 4.8 7.6 8.6 17.1 9.0 > 3.5

第27問 -沖縄戦の体験-あなたは,沖縄戦の体験を持っていますか。

82沖縄 87沖縄 92沖縄 02沖縄 12沖縄(1)持っている 37.8 32.4 27.8 27.1 > 13.2(2)持っていない 59.7 66.2 68.1 72.4 < 86.5(3)わからない,無回答 2.5 1.5 4.1 0.5 0.4

第27問SQ  [第27問で「1」の人に]-体験者に,沖縄戦の継承-あなたは沖縄戦について,これからの若い世代に語りつぎたいと思いますか。リストの中から1つお答えください。(全体分母) 02沖縄 12沖縄1.進んで話したい 9.7 > 6.02.たずねられたら話す 12.4 > 5.93.思い出したくないので話さない 2.2 > 1.04.沖縄戦に関心がない 0.3 0.2

(5)わからない,無回答 2.4 > 0.2  非該当 72.9 < 86.8

(該当者分母) 02沖縄 12沖縄1.進んで話したい 35.8 45.32.たずねられたら話す 45.9 44.63.思い出したくないので話さない 8.2 7.44.沖縄戦に関心がない 1.3 1.4

(5)わからない,無回答 8.8 > 1.4

                      (100%= 159人   148人)

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

第28問 -本土の人は沖縄の人を理解しているか-ところで,現在,本土の人は,沖縄の人の気持ちを理解していると思いますか。リストの中から1つお答えください。

73沖縄 75沖縄 77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.十分理解している 3.4 1.4 1.9 3.4 4.5 3.0 4.0 3.4 2.4 3.32.まあ理解している 17.9 22.6 26.8 38.8 40.9 34.4 34.0 31.9 > 23.6 23.03.あまり理解していない 48.6 51.6 53.3 46.8 43.5 45.9 42.3 49.2 < 57.2 < 61.34.まったく理解していない 10.6 9.1 8.9 3.4 4.0 5.5 5.3 8.0 < 13.4 > 8.1

(5)わからない,無回答 19.5 15.2 9.1 7.7 7.0 11.2 14.5 7.5 > 3.5 4.2

第29問 -沖縄の人は本土の人を理解しているか-    では,沖縄の人は,本土の人の気持を理解していると思いますか。同じリストの中から1つお答えください。

73沖縄 75沖縄 77沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.十分理解している 4.3 4.0 3.2 4.8 5.8 4.4 4.1 3.4 2.6 > 1.12.まあ理解している 25.1 26.6 32.8 39.8 43.7 40.9 38.8 33.2 33.1 > 22.13.あまり理解していない 42.8 47.5 48.8 44.6 40.1 40.9 37.3 49.9 52.5 < 60.54.まったく理解していない 4.9 5.4 4.7 2.9 3.2 2.5 3.2 4.4 6.6 5.6

(5)わからない,無回答 22.9 16.5 10.6 7.8 7.1 11.2 16.5 9.0 > 5.2 < 10.7

第30問 -これからの沖縄への期待(LA)-    あなたは,これからの沖縄は,どうなってほしいと思いますか。リストの中から3つまであげてください。

92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.沖縄独自の文化がさらに盛んになってほしい 59.6 56.8 60.5 61.3 63.12.本土と文化や教育の面でも共通になってほしい 32.0 29.1 29.1 < 36.0 35.93.沖縄らしいこころの豊かさが生きていてほしい 68.7 70.0 66.8 66.5 66.44.本土並みに経済的に豊かになってほしい 45.5 42.5 47.0 < 53.8 > 44.55.軍事基地がなくなってほしい 34.7 31.8 30.3 30.8 > 20.96.国際的に開かれていてほしい 30.3 28.4 27.9 30.7 > 18.9

(7)その他 1.0 0.0 0.2 0.4 0.3(8)わからない,無回答 3.5 3.4 2.6 > 1.1 < 2.9

第31問 -転入者増の評価-沖縄への移住者がこのところ増加しています。これについて,あなたはどう思いますか。リストの中から1つお答えください。

12沖縄1.良いことだ 31.32.どちらかといえば良いことだ 43.63.どちらかといえば良いことではない 17.54.良いことではない 4.0

(5)わからない,無回答 3.6

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136│NHK放送文化研究所年報2013

第31問SQ1 [第31問で「1」「2」の人に]-転入者増・評価する理由-あなたが,そうお考えになる主な理由をリストの中から1つお答えください。(全体分母) 12沖縄1.沖縄の経済活性化につながる 32.92.本土の人に沖縄を理解してもらうのにつながる 34.73.沖縄の人が本土を理解することにつながる 6.1

(4)その他  0.4(5)わからない,無回答 0.9  非該当 25.0

(該当者分母) 12沖縄1.沖縄の経済活性化につながる 43.82.本土の人に沖縄を理解してもらうのにつながる 46.33.沖縄の人が本土を理解することにつながる 8.1

(4)その他  0.6(5)わからない,無回答 1.2

                      (100%= 842人)

第31問SQ2 [第31問で「3」「4」の人に]-転入者増・評価しない理由-    あなたが,そうお考えになる主な理由をリストの中から1つお答えください。(全体分母) 12沖縄1.沖縄らしさがなくなることへつながる 12.42.沖縄の人の雇用や経済的利益に悪影響を及ぼす 7.13.物価が本土並みに上がる 0.9

(4)その他  0.8(5)わからない,無回答 0.3  非該当 78.5

(該当者分母) 12沖縄1.沖縄らしさがなくなることへつながる 57.72.沖縄の人の雇用や経済的利益に悪影響を及ぼす 33.23.物価が本土並みに上がる 4.1

(4)その他  3.7(5)わからない,無回答 1.2

                      (100%= 241人)

第32問 -天皇観-話は変わりますが,あなたは,「天皇は尊敬すべき存在だ」と思いますか。そうは思いませんか。

82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国(1)そう思う 41.2 44.5 33.6 29.4 30.0 < 51.0 < 71.8(2)そうは思わない 36.6 29.3 31.6 25.8 32.5 > 19.1 > 12.8(3)どちらともいえない 15.5 19.1 27.6 38.5 26.6 24.3 > 13.2(4)わからない,無回答 6.6 7.1 7.2 6.3 10.9 > 5.6 > 2.1

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

第33問 -憲法観-あなたは,憲法について,どのようなお考えをお持ちですか。リストの中から1つお答えください。

92沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国1.今の憲法は,国民にとってだいたい理想的なもので,その考え方はほぼ実現

されている 15.0 12.9 13.6 15.3

2.憲法の考え方そのものは,国民にとってだいたい理想的なものだが,現実とはかなり開きがある 39.5 34.1 < 42.6 44.3

3.今の憲法は,日本の実情からみて望ましいものではないが,現実には定着している 11.6 16.0 19.2 < 22.7

4.今の憲法は,日本の実情からみて望ましいものではなく,また現実ともかけ離れている 5.4 11.1 8.6 7.3

(5)その他 0.1 0.9 > 0.2 0.2(6)わからない,無回答 28.3 25.0 > 15.8 > 10.1

第34問 -憲法改正の是非-   あなたは,今の憲法を改正する必要があると思いますか。それとも,改正する必要はないと思いますか。

02沖縄 12沖縄 12全国(1)改正する必要があると思う 41.6 < 49.9 < 56.8(2)改正する必要はないと思う 19.3 19.8 22.6(3)どちらともいえない 17.9 15.0 12.4(4)わからない,無回答 21.3 > 15.3 > 8.1

第34問SQ1 [第34問で「1」の人に]-憲法改正・賛成の理由-   それでは,あなたが改正する必要があるという理由は何ですか。あなたが最も重要だと思う理由を,リストの中から1つお答えください。(全体分母) 02沖縄 12沖縄 12全国1.アメリカに押しつけられた憲法だから 4.8 < 8.1 6.22.国際社会での役割を果たすために必要だから 3.4 5.3 6.83.時代が変わって対応できない問題が出てきたから 32.9 36.2 < 43.5

(4)その他 0.0 0.1 0.0(5)わからない,無回答 0.5 0.1 0.3   非該当 58.4 > 50.1 > 43.2

(該当者分母) 02沖縄 12沖縄 12全国1.アメリカに押しつけられた憲法だから 11.5 16.3 > 10.92.国際社会での役割を果たすために必要だから 8.2 10.7 12.03.時代が変わって対応できない問題が出てきたから 79.1 72.7 76.7

(4)その他 0.0 0.2 0.0(5)わからない,無回答 1.2 0.2 0.5

                                     (100%= 244人   560人   634人)

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138│NHK放送文化研究所年報2013

第34問SQ2 [第34問で「2」の人に]-憲法改正・反対の理由-それでは,あなたが改正する必要がないという理由は何ですか。あなたが最も重要だと思う理由を,リストの中から1つお答えください。(全体分母) 02沖縄 12沖縄 12全国

1.全体として,今の憲法がいい憲法だと思うから 3.4 3.0 4.4

2.多少問題はあるが,改正するほどのことはないから 7.0 8.6 < 11.6

3.戦争の放棄を定めた第9条を守りたいから 8.5 7.7 6.4

(4)その他 0.0 0.0 0.0

(5)わからない,無回答 0.3 0.4 0.2

  非該当 80.7 80.2 77.4

(該当者分母) 02沖縄 12沖縄 12全国

1.全体として,今の憲法がいい憲法だと思うから 17.7 15.3 19.4

2.多少問題はあるが,改正するほどのことはないから 36.3 43.7 51.4

3.戦争の放棄を定めた第9条を守りたいから 44.2 39.2 > 28.5

(4)その他 0.0 0.0 0.0

(5)わからない,無回答 1.8 1.8 0.8

                                     (100%= 113人   222人   253人)

第35問 -9条の評価-   憲法第9条は,戦争を放棄し,戦力を持たないことを決めています。あなたは,この第9条は,日本の平和と安全に,どの程度役立っているとお考えですか。リストの中から1つお答えください。

92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国

1.非常に役に立っている 21.1 21.7 16.7 < 24.4 24.8

2.ある程度役に立っている 39.9 38.9 47.0 49.0 50.7

3.あまり役に立っていない 17.3 18.0 17.0 15.9 15.8

4.まったく役に立っていない 4.5 2.6 2.4 2.9 3.1

(5)わからない,無回答 17.1 18.7 16.9 > 7.8 > 5.6

第36問 -9条改正の是非-あなたは,いわゆる「戦争の放棄」を定めた第9条を改正する必要があると思いますか。それとも改正する必要はないと思いますか。

02沖縄 12沖縄 12全国

(1)改正する必要があると思う 20.1 23.7 25.6

(2)改正する必要はないと思う 48.4 < 54.6 58.1

(3)どちらともいえない 11.9 12.0 > 9.4

(4)わからない,無回答 19.6 > 9.7 > 6.9

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

第36問SQ [第36問で「1」の人に]-9条改正・改正の内容-では,あなたは,その第9条をどのように改正すべきだとお考えですか。リストの中から1つお答えください。(全体分母) 02沖縄 12沖縄 12全国

1.自衛力を持てることを明記して,国の防衛やPKO(国連平和維持活動)にあたる 11.1 10.8 11.7

2.自衛力を持てることを明記するとともに,国連を中心とする軍事活動に参加できるようにする 2.4 < 4.4 < 7.2

3.自衛力を持てることを明記するとともに,同盟国を助ける軍事活動にも参加できるようにする 1.9 < 5.3 6.0

4.自衛隊を含めた軍事力を放棄する 2.4 1.5 > 0.4

(5)その他 0.3 0.3 0.0

(6)わからない,無回答 2.0 1.5 > 0.4

  非該当 79.9 76.3 74.4

(該当者分母) 02沖縄 12沖縄 12全国

1.自衛力を持てることを明記して,国の防衛やPKO(国連平和維持活動)にあたる 55.1 45.5 45.8

2.自衛力を持てることを明記するとともに,国連を中心とする軍事活動に参加できるようにする 11.9 18.4 < 28.0

3.自衛力を持てることを明記するとともに,同盟国を助ける軍事活動にも参加できるようにする 9.3 < 22.2 23.4

4.自衛隊を含めた軍事力を放棄する 11.9 6.4 > 1.4

(5)その他 1.7 1.1 0.0

(6)わからない,無回答 10.2 6.4 > 1.4

                                     (100%= 118人   266人   286人)

第37問 -日本の安全を守る方策-   あなたは,これからの日本の安全を守っていくうえで,どのような方法が一番よいと思いますか。リストの中から1つお答えください。

02沖縄 12沖縄 12全国

1.ある程度の防衛力を持って,アメリカとの協力関係を続けていく 18.9 < 30.4 < 38.4

2.国連に協力して国際的な安全保障体制を築いていく 48.7 49.2 46.5

3.日本独自の防衛力だけで,外国からの侵略に備えていく 3.6 4.5 < 6.4

4.いっさいの防衛力を持たないで,中立を保っていく 13.3 > 8.4 > 3.3

(5)その他 0.2 0.1 0.0

(6)わからない,無回答 15.3 > 7.5 > 5.4

第38問 -侵略を受ける危険性-     あなたは,現在の世界の情勢から考えて,日本が戦争や紛争に巻き込まれたり,他国から侵略を受けたりする危険性がどの程度あると思いますか。リストの中から1つお答えください。

12沖縄 12全国

1.非常に危険がある 17.2 16.8

2.ある程度危険がある 64.1 62.9

3.あまり危険はない 13.5 15.9

4.まったく危険はない 1.3 1.3

(5)わからない,無回答 3.8 3.0

 

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140│NHK放送文化研究所年報2013

第39問 -安全保障面での脅威感-リストのAからDについて,あなたは,安全保障の面でどの程度脅威を感じますか。AからDのそれぞれについて,リストの中から1つお答えください。

A) ロシアの極東における軍の活動活発化の傾向12沖縄 12全国

1.大いに脅威を感じる 12.7 < 15.82.ある程度脅威を感じる 40.0 43.83.あまり脅威を感じない 33.3 > 27.94.まったく脅威を感じない 5.6 > 3.7

(5)わからない,無回答 8.4 8.8

B) 北朝鮮による核開発や弾道ミサイル実験などの挑発的な行動12沖縄 12全国

1.大いに脅威を感じる 55.1 57.62.ある程度脅威を感じる 33.1 33.23.あまり脅威を感じない 7.0 5.84.まったく脅威を感じない 1.5 0.8

(5)わからない,無回答 3.2 2.6

C) 中国の軍事力増強や,海洋における活動の拡大・活発化12沖縄 12全国

1.大いに脅威を感じる 46.7 47.62.ある程度脅威を感じる 38.1 39.23.あまり脅威を感じない 9.0 7.24.まったく脅威を感じない 1.8 1.3

(5)わからない,無回答 4.4 4.7

D) 韓国との間で竹島の領有権をめぐる問題があること12沖縄 12全国

1.大いに脅威を感じる 17.5 19.62.ある程度脅威を感じる 44.5 40.83.あまり脅威を感じない 27.7 29.84.まったく脅威を感じない 5.0 4.6

(5)わからない,無回答 5.3 5.2

第40問 -支持政党-    あなたは,ふだん,どの政党を支持していますか。

70沖縄 72沖縄 75沖縄 77沖縄 78沖縄 82沖縄 87沖縄 92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国(1)民主党 2.7 9.3 11.7(2)自民党 27.9 24.7 21.7 19.6 27.9 25.8 35.4 24.5 12.7 15.2 12.9 < 17.8(3)公明党 3.6 3.7 4.0 4.7 3.7 2.9 4.7 4.5 1.8 3.4 2.8 2.7(4)みんなの党 1.3 2.0(5)共産党(70年は沖縄人民党) 4.7 4.4 3.1 4.3 2.3 3.2 3.1 1.4 2.0 2.2 1.8 > 0.8(6)社民党 2.7 3.4 > 0.5(7)たちあがれ日本 0.3 0.1(8)新党きづな 0.1 0.0(9)国民新党 0.4 0.1(10)新党大地・真民主 0.0 0.0(11)新党改革 0.1 0.0(12)社会大衆党 16.5 13.2 5.4 5.2 5.9 3.1 2.1 2.4 2.0 0.5 0.6 > 0.0(13)その他の政治団体 1.6 0.3 1.1 0.0 0.3 1.1 0.6 0.3 0.1 0.2 0.1 0.5(14)特に支持する政党はない 23.8 30.6 44.2 41.2 35.7 37.5 31.9 44.3 54.3 58.6 59.6 61.5(15)わからない,無回答 17.3 18.3 6.7 11.0 10.1 10.5 8.6 10.2 17.0 12.4 7.4 > 2.2(社会党) 4.6 4.9 11.8 11.4 11.3 12.6 12.6 10.6 8.2 (上記以外の政党) 0.0 0.0 2.0 2.8 2.9 3.3 1.0 1.7 1.9 2.0

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本土復帰後40年間の沖縄県民意識

第41問 -政治の満足感-あなたは全体として,今の政治にどの程度満足していますか。リストの中から1つお答えください。

92沖縄 95沖縄 02沖縄 12沖縄 12全国

1.満足している 3.0 1.5 1.4 0.9 0.6

2.どちらかといえば,満足している 19.8 12.9 14.5 > 8.9 < 12.5

3.どちらかといえば,不満だ 41.9 46.6 48.6 51.4 52.4

4.不満だ 17.6 19.0 26.9 < 33.7 32.1

(5)わからない,無回答 17.7 20.1 8.7 > 5.1 > 2.4

第42問 -職業-    あなたの職業は,リストのように分けるとどれにあたりますか。1つお答えください。

02沖縄 12沖縄 12全国

1.農林漁業者 3.9 4.0 3.3

2.自営業者 9.5 7.0 6.4

3.経営者 1.4 1.7 1.5

4.管理職 3.6 2.6 3.8

5.販売・サービス職 11.9 < 16.6 > 11.5

6.技能・作業職 10.2 11.0 11.5

7.事務・技術職 14.3 14.3 13.4

8.専門職・自由業 8.3 7.4 5.6

9.主婦 18.2 17.5 < 23.4

10.生徒・学生 1.7 2.0 1.2

11.無職 15.7 14.7 < 18.4

(12)その他  0.2 0.0 0.0

(13)無回答 1.0 1.2 0.1

第43問 -居住歴-     リストのABについて,それぞれ,「はい」か「いいえ」でお答えください。

A)あなたは沖縄県以外に1年以上つづけて住んだことはありますか。12沖縄

1.はい 49.7

2.いいえ 49.9

(3)わからない,無回答 0.4

B)では,15歳ごろまで,主に沖縄県で育ちましたか。12沖縄

1.はい 89.6

2.いいえ 10.0

(3)わからない,無回答 0.4

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