検査法の変更について(CLEIA 法の導入について)検査年月 検査数 梅毒...

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検査法の変更について(CLEIA 法の導入について) 1.対象検査項目 現在の検査項目、HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体、HTLV-1抗体、HIV1/2抗体、 HCV 抗体、梅毒 TP 抗体、パルボウイルス B19 抗原のすべての検査項目につい て、検査方法を凝集法から化学発光酵素免疫法(CLEIA法)に変更する。 試薬の性能は、現行と同等又はそれ以上の感度、特異性が確認されている。 HBs 抗原検査の感度は 0.1ng/mL 以上、パルボウイルス B19 抗原検査は 1×10 6 copies/mL 以上となっている。 2.検査システムについて 全献血血液を対象に感染症検査ならびに生化学検査のスクリーニング検査を 自動で行うシステムで、感染症の検査装置、生化学の検査装置及び数種類の検 体ラック搬送ユニットで構成されています。(240 検体/時間) 3.導入スケジュール 11 12 1 2 3 4 6 7 8 移行期間(約 6 ヶ月を予定) 九州の血液センターから、北海道、東京、埼玉、岡山、愛知、広島、宮城、 大阪、石川の各血液センターに順次機器を設置し、動作確認、教育訓練後に運 用を開始する。 1038 1491 300 感染症検査装置 凝集法 CLEIA法 平成19年11月14日血液事業部会運営委員会配布資料 73

Transcript of 検査法の変更について(CLEIA 法の導入について)検査年月 検査数 梅毒...

  • 検査法の変更について(CLEIA 法の導入について)

    1.対象検査項目 現在の検査項目、HBs 抗原、HBc 抗体、HBs 抗体、HTLV-1 抗体、HIV1/2 抗体、

    HCV 抗体、梅毒 TP 抗体、パルボウイルス B19 抗原のすべての検査項目につい

    て、検査方法を凝集法から化学発光酵素免疫法(CLEIA法)に変更する。

    試薬の性能は、現行と同等又はそれ以上の感度、特異性が確認されている。

    HBs 抗原検査の感度は 0.1ng/mL 以上、パルボウイルス B19 抗原検査は

    1×106copies/mL 以上となっている。

    2.検査システムについて

    全献血血液を対象に感染症検査ならびに生化学検査のスクリーニング検査を

    自動で行うシステムで、感染症の検査装置、生化学の検査装置及び数種類の検

    体ラック搬送ユニットで構成されています。(240 検体/時間) 3.導入スケジュール 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 6 月 7 月 8 月 移行期間(約 6 ヶ月を予定)

    九州の血液センターから、北海道、東京、埼玉、岡山、愛知、広島、宮城、

    大阪、石川の各血液センターに順次機器を設置し、動作確認、教育訓練後に運

    用を開始する。

    1038

    1491

    300

    感染症検査装置

    凝集法 CLEIA法

    平成19年11月14日血液事業部会運営委員会配布資料

    73

    GTYHNテキストボックス資料4-5

  • 参考

    検体投入部 遠心機 開栓機 感染症検査装置

    感染症検査装置(CL4800)

    74

  • 凝集法及びCLEIA法の原理 【凝集法】

    担体表面の抗体(抗原)と検体中の抗原(抗体)が抗原抗体反応により凝集像を形成する。

    【CLEIA 法例】

    固相化抗体と ALP 標識抗体で検体中の抗原(抗体)を挟み抗原抗体複合体を形成する。ALP

    標識抗体と基質液との反応で発光し、発光量をカウントする

    血清学的ウイルス検査の開始時期 1972 年 HBs抗原検査を開始

    1986 年 HIV-1、HTLV-1の抗体検査を開始

    1989 年 HCV抗体検査の開始、HBc抗体検査の開始

    1994 年 HIV1/2抗体検査を開始

    75

  • 血清

    学的

    検査

    に関

    する

    技術

    的情

    報(

    CL4800)

    原理

    製造

    販売

    試薬

    承認

    番号

    感度

    設定

    性能

    ウイ

    ンド

    ウ期

    注)

    本表

    の試

    薬は

    、輸

    血用

    血液

    製剤

    のた

    めの

    検査

    を目

    的と

    して

    使用

    して

    いる

    もの

    であ

    り、

    診断

    を目

    的と

    して

    いる

    もの

    では

    あり

    ませ

    ん。

    ※1 

    50-pool NAT陽

    性者

    の追

    跡調

    査結

    果に

    基づ

    くRPHA法

    のウ

    イン

    ドウ

    期の

    推定

    ※2 

    Schreiber GB et al. The risk of transfusion-transmitted viral infection. N Engl J Med. 1996;334:1685-90.

    日本

    赤十

    字社

    市販

    のHIV-1 抗

    体セ

    ロコ

    ンバ

    ージ

    ョン

    パネ

    ルを

    用い

    、既

    承認

    品と

    同等

    の感

    度が

    得ら

    れる

    よう

    設定

    した

    BBI社

    製HIV-1セロコンバージョンパネルを

    測定

    した

    結果

    、PRB941-04、

    PRB951- 06、PRB958-05を

    検出

    した

    。ま

    た、BBI社

    製Anti-HIV

    2Performance Panel(PRF202)、

    BBI社

    製 Worldwide HIV-1

    Performannce

    Panel(WWRB301(M),WWRB302)を

    測定

    した

    結果

    、データシート上

    の陰

    性を

    除く

    全例

    を検

    出し

    た。

    平均

    80日

    (44~

    125日

    )※

    182日

    (54~

    192日

    )※

    2平

    均22日

    (6~

    38日

    )※

    2

    BBI社

    製感

    度検

    定パ

    ネル

    (PHA807)

    を用

    いた

    検出

    感度

    は、

    サブ

    タイ

    プadは

    0.1ng/mL、

    サブ

    タイ

    プay

    は0.1ng/mLで

    あっ

    た。

    BBI社

    製セ

    ロコ

    ンバ

    ージ

    ョン

    パネ

    ル(

    №PHM935A,

    B)

    を用

    いて

    検出

    感度

    を検

    討し

    た結

    果、

    パネ

    ル№

    PHM935 13を

    検出

    した

    最小

    検出

    感度

    は1.0mIU/mLで

    あり

    、CDC推

    奨基

    準値

    であ

    る10mIU/mL以

    上を

    陽性

    とし

    た。

    BBI社

    製HCVセロコンバージョンパネルを

    測定

    した

    結果

    、PHV905-07、PHV907-

    05、PHV908-04を

    検出

    した

    。ま

    た、

    ProMedDx社

    より

    購入

    した

    ジェノタイ

    プ既

    知検

    体71例

    を測

    定し

    た結

    果、

    全例

    を検

    出し

    た。

    市販

    のHBs抗

    原感

    度パ

    ネル

    を用

    い0.1ng/mLを

    検出

    する

    よう

    設定

    した

    HBV陽

    性検

    体を

    用い

    、既

    承認

    品と

    同等

    の感

    度が

    得ら

    れる

    よう

    設定

    した

    WHO標

    準物

    質(anti-hepatitis

    Immunoglobuline-1st Reference

    Preparation )を

    基準

    に設

    定し

    た。

    市販

    のHCV 抗

    体セ

    ロコ

    ンバ

    ージ

    ョン

    パネ

    ルを

    用い

    、既

    承認

    品と

    同等

    の感

    度が

    得ら

    れる

    よう

    設定

    した

    HBc抗

    体陰

    性検

    体の

    測定

    を行

    い、

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    率は

    99.5%

    以上

    であ

    る。

    HBs抗

    体陰

    性検

    体の

    測定

    を行

    い、

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    率は

    99.5%

    以上

    であ

    る。

    HCV抗

    体陰

    性検

    体の

    測定

    を行

    い、

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    率は

    99.5%

    以上

    であ

    る。

    HIV抗

    体陰

    性検

    体の

    測定

    を行

    い、

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    率は

    99.5%

    以上

    であ

    る。

    CLEIA法

    21700AMZ00716000

    21800AMZ10350A01

    特異

    性試

    HBs抗

    原陽

    性パ

    ネル

    が陽

    性、

    HBs

    抗原

    陰性

    パネ

    ルが

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    HBc 抗

    体陽

    性パ

    ネル

    が陽

    性、

    HBc

    抗体

    陰性

    パネ

    ルが

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    HBs 抗

    体陽

    性パ

    ネル

    が陽

    性、

    HBs

    抗体

    陰性

    パネ

    ルが

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    HCV 抗

    体陽

    性パ

    ネル

    が陽

    性、

    HCV

    抗体

    陰性

    パネ

    ルが

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    HIV 抗

    体陽

    性パ

    ネル

    が陽

    性、

    HIV

    抗体

    陰性

    パネ

    ルが

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    HBs抗

    原陰

    性検

    体の

    測定

    を行

    い、

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    率は

    99.5%

    以上

    であ

    る。

    CLEIA法

    CLEIA法

    CLEIA法

    2ス

    テッ

    プサ

    ンド

    イッ

    チ法

    に基

    づい

    た化

    学発

    光酵

    素免

    疫測

    定法

    によ

    り、

    血清

    又は

    血漿

    中の

    抗HIV-1

    抗体

    及び

    抗HIV-2抗

    体を

    検出

    する

    もの

    であ

    る。

    2ス

    テッ

    プサ

    ンド

    イッ

    チ法

    に基

    づい

    た化

    学発

    光酵

    素免

    疫測

    定法

    によ

    り、

    血清

    又は

    血漿

    中の

    抗HCV抗

    体を

    検出

    する

    もの

    であ

    る。

    2ス

    テッ

    プサ

    ンド

    イッ

    チ法

    に基

    づい

    た化

    学発

    光酵

    素免

    疫測

    定法

    によ

    り、

    血清

    又は

    血漿

    中の

    HBs抗

    原を

    検出

    する

    もの

    であ

    る。

    2ス

    テッ

    プサ

    ンド

    イッ

    チ法

    に基

    づい

    た化

    学発

    光酵

    素免

    疫測

    定法

    によ

    り、

    血清

    又は

    血漿

    中の

    抗HBc抗

    体を

    検出

    する

    もの

    であ

    る。

    1ス

    テッ

    プサ

    ンド

    イッ

    チ法

    に基

    づい

    た化

    学発

    光酵

    素免

    疫測

    定法

    によ

    り、

    血清

    又は

    血漿

    中の

    抗HBs抗

    体を

    検出

    する

    もの

    であ

    る。

    21900AMX00939000

    21900AMX00264000

    21900AMX00936000

    富士

    レビ

    オ株

    式会

    ルミ

    パル

    スプ

    レス

    ト®HBs Ag-N

    ルミ

    パル

    スプ

    レス

    ト®オ

    ーソ

    ®HCV

    ルミ

    パル

    スプ

    レス

    ト®HIV-1/2

    ルミ

    パル

    スプ

    レス

    ト®HBc Ab-N

    ルミ

    パル

    スプ

    レス

    ト®HBs Ab-N

    CLEIA法

    HBV

    HCV

    HIV

    HBs抗

    原検

    査HBc抗

    体検

    査HBs抗

    体検

    査HCV抗

    体検

    査HIV-

    1・

    2抗

    体検

    1

    76

  • 血清

    学的

    検査

    に関

    する

    技術

    的情

    報(

    CL4800)

    原理

    製造

    販売

    試薬

    承認

    番号

    感度

    設定

    性能

    ウイ

    ンド

    ウ期

    注)

    本表

    の試

    薬は

    、輸

    血用

    血液

    製剤

    のた

    めの

    検査

    を目

    的と

    して

    使用

    して

    いる

    もの

    であ

    り、

    診断

    を目

    的と

    して

    いる

    もの

    では

    あり

    ませ

    ん。

    ※1 

    50-pool NAT陽

    性者

    の追

    跡調

    査結

    果に

    基づ

    くRPHA法

    のウ

    イン

    ドウ

    期の

    推定

    ※2 

    Schreiber GB et al. The risk of transfusion-transmitted viral infection. N Engl J Med. 1996;334:1685-90.

    日本

    赤十

    字社

    特異

    性試

    51日

    (36~

    72日

    )※

    2

    梅毒

    TP抗

    体陽

    性パ

    ネル

    が陽

    性、

    梅毒

    TP抗

    体陰

    性パ

    ネル

    が陰

    性と

    判定

    され

    る。

    HTLV-Ⅰ

    抗体

    陽性

    パネ

    ルが

    陽性

    、HTLV-Ⅰ

    抗体

    陰性

    パネ

    ルが

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    B19抗

    原陽

    性パ

    ネル

    が陽

    性、

    B19

    抗原

    陰性

    パネ

    ルが

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    梅毒

    TP抗

    体陰

    性の

    測定

    を行

    い、

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    率は

    99.5%

    以上

    であ

    る。

    HTLV-Ⅰ

    抗体

    陰性

    検体

    の測

    定を

    行い

    、陰

    性と

    判定

    され

    る率

    は99.5%

    以上

    であ

    る。

    抗梅

    毒TP抗

    体既

    知検

    体550例

    を測

    定し

    た結

    果、既

    承認

    品と

    の一

    致率

    は100%で

    あっ

    た。

    BBI社

    製Anti-HTLV-Ⅰ

    /Ⅱ

    Mixed

    Titer Performance Panel

    PRP205を

    測定

    した

    結果

    、データ上

    の陰

    性を

    除く

    全例

    を検

    出し

    た。

    ヒト

    パル

    ボウ

    ィル

    スB19DNA陽

    性パネル(n=152)を

    測定

    した

    結果

    、DNA

    量 106IU/mL以

    上で

    あっ

    た117例

    を全

    例検

    出し

    た。

    ルミ

    パル

    スプ

    レス

    ト®TP

    ルミ

    パル

    スプ

    レス

    ト®HTLV-Ⅰ

    パル

    ボB19抗

    原キ

    ット

    21500AMZ00417000

    B19抗

    原陰

    性検

    体の

    測定

    を行

    い、

    陰性

    と判

    定さ

    れる

    率は

    99.5%

    以上

    であ

    る。

    抗梅

    毒TP抗

    体陽

    性検

    体を

    用い

    、既

    承認

    品と

    同等

    の感

    度が

    得ら

    れる

    よう

    設定

    した

    抗HTLV-Ⅰ

    抗体

    陽性

    検体

    を用

    い、

    既承

    認品

    と同

    等の

    感度

    が得

    られ

    るよ

    う設

    定し

    た。

    ヒト

    パル

    ボウ

    ィル

    スB19抗

    原陽

    性検

    体を

    用い

    、DNA量

    106geq/mL(=IU/mL)を

    検出

    する

    よう

    設定

    した

    2ス

    テッ

    プサ

    ンド

    イッ

    チ法

    に基

    づい

    た化

    学発

    光酵

    素免

    疫測

    定法

    によ

    り、

    血清

    又は

    血漿

    中の

    抗梅

    毒ト

    レポ

    ネー

    マ・パ

    リー

    ダム

    (TP)抗

    体を

    検出

    する

    もの

    であ

    る。

    2ス

    テッ

    プサ

    ンド

    イッ

    チ法

    に基

    づい

    た化

    学発

    光酵

    素免

    疫測

    定法

    によ

    り、

    血清

    又は

    血漿

    中の

    抗HTLV-

    Ⅰ抗

    体を

    検出

    する

    もの

    であ

    る。

    2ス

    テッ

    プサ

    ンド

    イッ

    チ法

    を原

    理と

    する

    化学

    発光

    酵素

    免疫

    測定

    法(CLEIA)に

    よる

    血清

    又は

    血漿

    中の

    ヒト

    パル

    ボウ

    ィル

    スB

    19抗

    原検

    出用

    試薬

    であ

    る。

    富士

    レビ

    オ株

    式会

    CLEIA法

    CLEIA法

    梅毒

    抗体

    検査

    HTLV-Ⅰ

    抗体

    検査

    21700AMZ00702000

    CLEIA法

    ヒト

    パル

    ボB19抗

    原検

    2

    77

  • 検査年

    月検査数

    梅毒

    (抗体

    )HBV

    HBs抗

    原HBV

    HBc抗体

    HCV

    (HCV抗体)

    HIV

    (HIV抗体)

    HTLV-1抗

    体ヒトハ

    ゚ルボウイルス

    B19(抗

    原)

    116

    108

    211

    44

    38

    171

    13

    0.24

    0.22

    0.43

    0.09

    0.08

    0.35

    0.03

    個別NAT

    実施数

    100

    207

    44

    38

    個別NAT

    陽性数

    26

    25

    19

    0

    101

    25

    168

    46

    14

    124

    1

    0.20

    0.05

    0.33

    0.09

    0.03

    0.24

    0.00

    ※ NAT(HBV:HBV-DNA,HCV:HCV-RNA,HIV:HIV-1RNA)

    陽性数

    陽性

    率(%

    )検査

    項目

    別陽

    性率

    (日

    本赤

    十字

    社九

    州血

    液センター)

    2007年

    12月

    PK7200

    (凝

    集法

    )50,973

    2008年

    1月

    CL4800システム

    (CLEIA法

    )49,076

    検査項目

    陽性数

    陽性

    率(%

    参 考

    78

  • 平成 20 年 10 月 29 日

    薬事・食品衛生審議会

    血液事業部会運営委員会資料

    感染症検査結果陽性血液にかかる当面の取り扱いについて

    日本赤十字社 血液事業本部

    1.はじめに

    献血血液の HBV 及び HCV をはじめとした感染症検査については、平成20年1

    月の九州センターより従来の凝集法から CLEIA 法(化学発光酵素免疫法)の

    CL4800 への移行準備を進めて、8月には全国導入を終了したところです。

    一方、感染症検査結果が陽性と判定された方へは、通知事業として検査結果を

    お知らせしており、また輸血医療を実施した医療関係者へは「血液製剤等に係る

    遡及調査ガイドライン」に基づいて情報を提供し、遡及調査を行っています。

    2.遡及調査への当面の対応について

    CLEIA 法導入後、献血血液のスクリーニングで使用する感染症検査試薬につい

    ては、感度の一層の向上が達成されたものの、特に HBs 抗原検査結果においては

    陽性と判定される事例が多くなっていました。

    1) HBV

    CLEIA 法導入前は、凝集法で HBs 抗原検査が陽転した場合、EIA 法による中和

    試験を実施して、陽性の場合に遡及調査を実施していました。

    CLEIA 法導入後は、HBs 抗原検査結果が陽性(C.O.I.値 1.0 以上が陽性)と判

    定された場合、確認試験としての中和試験の対象範囲が C.O.I.値 2.0 以上に限

    定されていたことから、C.O.I.値 1.0 以上 2.0 未満に関しては全例陽性と判断

    せざるを得なかったため、遡及調査件数が急増しました。

    その後、試薬の改善が行われ 10 月 20 日以降は C.O.I.値 1.0 以上 2.0 未満に

    ついても中和試験が可能となり、中和試験または個別 NAT のいずれかが陽性

    の場合に遡及調査を実施することとしました。

    2) HCV

    CLEIA 法導入前は、凝集法で HCV 抗体検査が陽転した場合、遡及調査を実施し

    ていました。

    CLEIA 法導入後は、CLEIA 法にて陽転の血液と前回の血液について個別 NAT を

    実施して、いずれかが陽性の場合に遡及調査を実施することとしました。

    3) HIV

    CLEIA 法導入前は、凝集法で HIV 抗体検査が陽転した場合、追加試験として EIA

    法を行い、更に確認試験として個別 NAT で陽性の場合に遡及調査を実施していま

    した。

    CLEIA 法導入後は、確認試験としてウエスタンブロット法及び個別 NAT を実施

    して、いずれかが陽性の場合に遡及することとしました。

    79

  • 平成

    20年

    10月

    29日

    日本

    赤十

    字社

    血液

    事業

    本部

    出荷

    適否

    基準

    C.O

    .I. 

    12.0

    以上

    が陽

    性、

    12.0

    未満

    が陰

    性(但

    し、

    HB

    s抗体

    200m

    IU/m

    L以

    上の

    場合

    は適

    合と

    する

    判定

    確認

    試験

    C.O

    .I. 

    1.0

    以上

    の「陽

    性」検

    体に

    つい

    て中

    和試

    験を

    実施

    (10

    月20日

    ~)

    通知

    、遡

    及調

    査の

    確認

    試験

    とし

    て個

    別N

    AT(TM

    A法

    )を

    実施

    WB

    法及

    び個

    別N

    AT

    (TM

    A法

    )IF

    法(日

    赤内

    部試

    薬)

    通知

    、遡

    及調

    査の

    確認

    試験

    とし

    て個

    別N

    AT(P

    CR

    法)

    を実

    献血

    者へ

    の通

    知中

    和試

    験陽

    性の

    場合

    に通

    知個

    別N

    AT(TM

    A法

    )陽

    性の

    場合

    に通

    知C

    L法

    及び

    IF法

    の2

    法陽

    性の

    場合

    に通

    知個

    別N

    AT(P

    CR

    法)の

    結果

    を付

    記し

    て全

    員に

    通知

    受血

    者の

    遡及

    調査

    確認

    試験

    陽性

    又は

    個別

    NA

    Tが

    陽性

    の場

    合に

    遡及

    調査

    施(10月

    20日

    ~)

    今回

    陽性

    の検

    体及

    び前

    回の

    検体

    につ

    いて

    個別

    NA

    T(TM

    A法

    )を

    実施

    して

    陽性

    の場

    合に

    遡及

    調査

    実施

    WB

    法ま

    たは

    個別

    NA

    T(TM

    A法

    )が

    陽性

    の場

    合に

    遡及

    調査

    実施

    HB

    c抗

    体陽

    性で

    前回

    献血

    ある

    方が

    対象

    。今

    回及

    び前

    回の

    検体

    で個

    別N

    ATを

    実施

    して

    、結

    果を

    付記

    して

    遡及

    調査

    する

    1回

    目の

    検査

    で陽

    性を

    示し

    た検

    体は

    、2重

    測定

    して

    合計

    3回

    の試

    験の

    内2回

    以上

    で陽

    性の

    場合

    に「陽

    性」と

    判定

    する

    。(「陽

    性」と

    判定

    され

    た血

    液は

    輸血

    用血

    液製

    剤及

    び血

    漿分

    画原

    料と

    しな

    い。

    )C.O

    .I. 

    1.0

    以上

    が陽

    性、

    1.0

    未満

    が陰

    性 

    新し

    い感

    染症

    検査

    法(C

    L4800)の

    判定

    と陽

    性血

    液に

    かか

    る当

    面の

    取り

    扱い

    につ

    いて

    (案

    HB

    s抗原

    HC

    V抗

    体H

    IV抗

    体H

    TLV

    -1

    抗体

    HB

    c抗

    体 

      

      

      

    検査

    項目

    対応

    ※10月

    19日

    以前

    の受

    血者

    の遡

    及調

    査 

    確認

    試験

    実施

    可能

    例(C

    .O.I

    2.0

    以上

    ):確

    認試

    験陽

    性の

    場合

    に遡

    及調

    査を

    実施

    (当

    該陽

    性献

    血と

    遡及

    調査

    対象

    献血

    の個

    別H

    BV

    -N

    ATを

    実施

    し医

    療機

    関へ

    情報

    提供

    。)

      確

    認試

    験実

    施不

    能例

    (C

    .O.I

    1.0

    以上

    、2.0

    未満

    ):遡

    及調

    査の

    実施

    (当

    該陽

    性献

    血と

    遡及

    調査

    対象

    献血

    の個

    別H

    BV

    -N

    ATを

    実施

    し医

    療機

    関へ

    情報

    提供

    。)

    80

  • 165

    176

    149

    173

    192

    167

    221

    171

    158

    245

    353

    361

    524

    603

    564

    654

    643

    623

    467

    199

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    700

    4月5月

    6月7月

    8月9月

    10月

    11月

    12月

    1月2月

    3月

    件数

    平成19

    年度

    平成20

    年度

    遡及調査月別発生状況

    平成

    20年

    1月C

    L480

    0導入開始

    平成

    20年

    8月C

    L480

    0全面導入

    追加試験適用拡大

    81

  • 日本赤十字社におけるHBs抗原検査実施体制

    HBs抗原検査(CLEIA法):1回測定

    陽性か

    1回以上陽性か

    Yes

    HBs抗原検査(CLEIA法):2回測定

    検査判定「不適」

    HBs抗原検査(CLEIA法):中和試験※個別HBV-NAT追加試験

    Yes

    陽性か

    Yes(and/or)

    ※中和試験HBs抗原陽性検体の特異性を確認する目的で、検査系にHBs抗体を添加し、HBs抗原検査の反応が抑制されることを確認する試験。抑制率(%)が50%以上を陽性と判定する。

    献血者から始まる遡及調査

    82