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令和元年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」調査結果
《調査内容》
■受入環境(多言語対応、通信環境、公共交通等)の現状及び課題を明らかにするため、訪日外国人旅行者を対象に、旅行中に困ったこと等についてアンケートを実施した。
■加えて、令和元年度は新たに訪問地ごとの傾向についても調査を行った。
《調査方法》
■訪日外国人旅行者の利用が多い5空港(成田国際空港、東京国際空港、関西国際空港、新千歳空港、福岡空港)において、対面式のアンケート調査を実施した。
調査場所 調査日(令和元年度) 回収件数
成田国際空港 9月30日~10月4日、10月28日~29日、12月2日~4日 1,149
東京国際空港 11月19日~20日、11月24日~27日 651
関西国際空港 9月1日~4日、10月7日~11日 1,554
新千歳空港 10月15日~18日 211
福岡空港 11月5日~9日 441
回収合計 4,006
調査概要
2
20代が最も多く、20代・30代で回答者の6割以上を占める。 国・地域については、5大市場(中国、韓国、台湾、香港、アメリカ)にて各国・地域400件以上、タイ・マレーシア・インドネシアの3市場にて計600件以上の回答を取得した。
回答者の6割以上が訪日経験2回以上のリピーターである。
全てn=4,006
性別
男性
46%
女性
54%
その他 0%
回答者の属性(性別、年齢、国籍、日本への渡航回数、滞在日数)
3
10代以下 3%
20代
37%
30代
28%
40代
15%
50代 10%
60代以上 7%
年齢
国・地域
中国
17%
韓国 12%
台湾11%香港11%
アメリカ10%
欧州・豪州・カナダ17%
タイ 9%
その他東南アジア
・南アジア11%
その他 3% 1~3日 8%
4~5日
30%
6~7日 27%
8~10日
16%
11~19日 13%
20日以上 6%
滞在日数
1回目
37%
2回目
16%3回目 10%
4回目 6%
5回目 6%
6-10回目
11%
11回以上 13%
日本への渡航回数
《分類結果》全体4,006人
調査内容
①今回の訪日旅行の訪問地(複数選択)
4
● 回答者の訪問地を都市部と地方部に分類し、分析を実施。
●「都市部」とは三大都市圏を指し、東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・京都・兵庫の8都府県。「地方部」とはその他の道県を指すこととする。
②今回の旅行中に「困ったこと」および
困った地域(①の訪問地より複数選択)
⇒「困った」と回答した人を対象に
深掘り(施設 等)
③受入環境に関する主な項目について、
今回の旅行中に「便利と感じた」地域
(①の訪問地より複数選択)
⇒「便利と感じた」と回答した人
を対象に深掘り(理由 等)
アンケートの主な設問
都市部・地方部両方訪問した人 1、553人
都市部のみ訪問した人 1、777人
地方部のみ訪問した人 676人
無料公衆無線LAN環境
SIMカードの購入
モバイルWi-Fiルーターのレンタル
国際ローミング
クレジット/デビットカードの利用
ATMの利用
両替
その他決済手段(モバイルペイメント等)
多言語表示の少なさ・わかりにくさ(観光案内板・地図等)
施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない
入国手続き
チェックイン/出国手続き ※令和元年度新規追加項目
公共交通の利用
鉄道の割引きっぷ
災害、けが・病気の際の医療機関、海外旅行保険
観光案内所の利用や観光地での案内
宿泊施設や空港などへの荷物の配送サービス
飲食店、宿泊施設の情報の入手・予約
観光地におけるツアー、旅行商品(情報入手、種類等)
トイレの利用・場所・設備
多様な文化宗教への配慮(礼拝室、食事等)
ゴミ箱の少なさ ※令和元年度新規追加項目
その他
困ったことはなかった
● 訪日旅行中全体を通して「困ったことはなかった」と回答した割合が過去最高の38.6%となり、継続調査している受入環境に関する各項目全てにおいても「困った」と回答した割合が減少した。
● 個別項目では従前から困った割合が高かった「施設等のスタッフとのコミュニケーション」は前年比3.6%減、「無料公衆無線LAN環境」は同7.7%減となったほか、今年度新たに調査項目に追加した「ゴミ箱の少なさ」が、23.4%と旅行中困ったことの第1位となった。
(未調査)
18.7%
4.8%
2.9%
5.0%
10.0%
5.1%
6.5%
5.5%
16.4%
20.6%
3.4%
16.6%
7.2%
1.9%
1.7%
2.3%
3.6%
1.6%
3.4%
2.0%
1.9%
36.6%
平成30年度 n=4,03721.2%
7.0%
7.5%
8.1%
14.2%
5.2%
14.7%
2.7%
21.8%
26.1%
6.9%
18.9%
12.1%
4.0%
5.3%
3.0%
6.8%
4.2%
5.8%
4.2%
34.8%
平成29年度 n=3,225
調査結果 1. 訪日旅行中に全体を通して困ったこと 3か年比較
5
(未調査)
(未調査)
令和元年度
11.0%
3.1%
1.4%
2.6%
7.0%
3.1%
2.8%
2.6%
11.1%
17.0%
1.9%
1.3%
12.2%
5.6%
0.9%
1.6%
1.1%
2.8%
0.9%
1.6%
1.4%
23.4%
1.8%
38.6%
n=4,006
(未調査)
(未調査)
調査結果 2-1.訪問地
6
今回の訪日旅行の訪問地(n=4,006、複数選択、最大10都市まで)
● 宿泊者数及び外国人に人気のウェブサイトにおける掲載状況を基に、特定の地域を抽出し、訪問状況についてアンケートを実施した。
● 1人当たり訪問地数は平均2.89地域(4,006人が計11,569地域を訪問)となった。
旅行者の属性
7
46%38%
15%
16%
17%
15%
9%
11%
11%
6%
6%
8%
5%
6%
9%
8%10%
20%
9% 13%22%
地方部のみ訪問した人
都市部・地方部両方訪問した人
都市部のみ訪問した人
1回目
2回目
3回目
n=1,553人
5回目
4回目
6~10回目
11回目以上
n= 1,777人 n= 676人
11% 14%19%
36%39%28%
26%
26%
18%
16%12%
22%
8% 5%11%4%
4~5日
n= 676人
3%
2%
都市部・地方部両方訪問した人
都市部のみ訪問した人
地方部のみ訪問した人
1~3日
6~7日
8~10日
11~19日
20日以上
n= 1,553人 n= 1,777人
訪日回数 滞在日数地方部のみ訪問した旅行者は訪日リピーターが大部分
地方部のみ訪問した旅行者は滞在日数が短い
調査結果 2-2. 都市部/地方部の比較(属性)
● 地方部のみを訪問する旅行者は、リピーターが多く、短期滞在の傾向が強い。
※「都市部」とは三大都市圏を指し、東京・神奈川・千葉・ 埼玉・愛知・大阪・京都・兵庫の8都府県。「地方部」とはその他の道県を指すこととする。
8
調査結果 2-3. 都市部/地方部の比較(困ったこと)
● 訪日旅行中に何らかの「困った」ことがあった人の割合は、都市部と地方部でほとんど差は見られない。● 受入環境の項目別に見ると、地方部のみ訪問した人は「無料公衆無線LAN」で困る割合が高い一方で、「公共交通の
利用」では困る割合が低い。
困った割合都市部・地方部両方訪問した人n=1,553
都市部のみ訪問した人n=1,777
地方部のみ訪問した人n=676各受入環境項目における困った割合困った割合
地方部のみ訪問した人は「無料公衆無線LAN」で困る割合が高い
地方部のみ訪問した人は「公共交通の利用」で困る割合が低い
都市部と地方部でほとんど差は見ら
れない
*その他小売店とは「ドラックストア、コンビニ、土産物産、量販店等」などを指す。その他宿泊施設とは「ゲストハウス、カプセルホテル等」を指す
9
国立公園
飲食店(レストラン、カフェ等)
百貨店・ショッピングセンター
鉄道車内
鉄道駅構内
9%
バス車内
城郭・神社仏閣
ホテル
空港ターミナル
旅館
バスターミナル構内
美術館・博物館
6%
観光案内所
タクシー
11%
その他
7%
港湾ターミナル
30%
16%
30%
25%
6%
19%
18%
16%
14%
12%
10%
3%
2%
1%
その他宿泊施設
「無料公衆無線LAN環境」で困った施設/交通機関
都市部(母数=都市部で、「無料公衆無線LAN環境」で困った人、n=315)
地方部(母数=地方部で、「無料公衆無線LAN環境」で困った人、n=187)
百貨店・ショッピングセンター
鉄道駅構内
19%
飲食店(レストラン、カフェ等)
国立公園
その他小売店*
鉄道車内
バス車内
城郭・神社仏閣
ホテル
バスターミナル構内
4%
空港ターミナル
美術館・博物館
6%
観光案内所
18%
12%
旅館
タクシー
港湾ターミナル
その他
その他宿泊施設*
25%
24%
18%
16%
17%
5%
16%
16%
11%
11%
4%
4%
19%
調査結果 2-4. 都市部/地方部の比較(困った施設・交通機関)①
● 「無料公衆無線LAN環境」について困る割合の高い施設としては、「飲食店」及び「百貨店・ショッピングセンター」が挙げられる。
● その他、都市部では「鉄道駅構内」で困る割合が地方部に比べ高く、地方部では「バス車内」「バスターミナル構内」で困る割合が都市部に比べ高い。
その他小売店*
*その他小売店とは「ドラックストア、コンビニ、土産物産、量販店等」などを指す。その他宿泊施設とは「ゲストハウス、カプセルホテル等」を指す
10
飲食店(カフェ、レストラン等)
その他小売店*
百貨店・ショッピングセンター
鉄道駅構内
城郭・神社仏閣
その他
ホテル
1%
バスターミナル構内
美術館・博物館
旅館
空港ターミナル
その他宿泊施設*
医療機関
港湾ターミナル
56%
33%
27%
17%
11%
8%
6%
4%
4%
3%
3%
1%
0%
都市部(母数=都市部で、「クレジット/デビットカードの利用」で困った人、n=218)
地方部(母数=地方部で、「クレジット/デビットカードの利用」で困った人、n=92)
空港ターミナル
百貨店・ショッピングセンター
その他小売店*
鉄道駅構内
港湾ターミナル
飲食店(カフェ、レストラン等)
ホテル
城郭・神社仏閣
7%
旅館
バスターミナル構内
美術館・博物館
その他
その他宿泊施設*
3%
医療機関
16%
58%
26%
11%
8%
5%
5%
4%
3%
3%
1%
1%
●「クレジット/デビットカードの利用」について困る割合の高い施設としては、都市部・地方部で共通して、「飲食店」「その他小売店」「百貨店・ショッピングセンター」の順に高い
● その他、都市部では「鉄道駅構内」で困る割合が地方に比べ高い
「クレジット/デビットカードの利用」で困った施設/交通機関
調査結果 2-4. 都市部/地方部の比較(困った施設・交通機関)②
*その他小売店とは「ドラックストア、コンビニ、土産物産、量販店等」などを指す。その他宿泊施設とは「ゲストハウス、カプセルホテル等」を指す
11
美術館・博物館
飲食店(レストラン、カフェ等)
旅館
7%
鉄道駅構内
12%道路標識
2%
その他小売店*
百貨店・ショッピングセンター
バスターミナル構内
鉄道車内
城郭・神社仏閣
観光案内所
20%
国立公園
その他
ホテル
19%
バス車内
その他宿泊施設*
空港ターミナル
タクシー
医療機関
港湾ターミナル
39%
39%
4%
28%
26%
8%
11%
9%
5%
8%
8%
4%
4%
1%
1%
都市部(母数=都市部で、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」で困った人、n=336)
地方部(母数=地方部で、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」で困った人、n=155)
19%
鉄道車内
百貨店・ショッピングセンター
城郭・神社仏閣
飲食店(レストラン、カフェ等)
その他小売店*
鉄道駅構内
観光案内所
バス車内
国立公園
12%道路標識
美術館・博物館
その他宿泊施設*
ホテル
旅館
1%
タクシー
5%
バスターミナル構内
空港ターミナル
その他
9%
医療機関
11%
港湾ターミナル
32%
20%
19%
16%
15%
2%
12%
10%
7%
6%
4%
3%
3%
24%
● 「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」について困る割合の高い施設としては、都市部・地方部共通して「飲食店」「百貨店・ショッピングセンター」「その他小売店」が高い
● 都市部では「鉄道駅構内」を挙げる割合が最も高く、一方、地方部では「飲食店」に次いで「城郭・神社仏閣」が高い。
「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」で困った施設/交通機関
調査結果 2-4. 都市部/地方部の比較(困った施設・交通機関)③
*その他小売店とは「ドラックストア、コンビニ、土産物産、量販店等」などを指す。その他宿泊施設とは「ゲストハウス、カプセルホテル等」を指す 12
飲食店(レストラン、カフェ等)
鉄道駅構内
タクシー
百貨店・ショッピングセンター
その他小売店*
鉄道車内
城郭・神社仏閣
2%
11%
観光案内所
国立公園
その他
美術館・博物館
ホテル
バス車内
7%
その他宿泊施設*
空港ターミナル
バスターミナル構内
医療機関
港湾ターミナル
9%
23%
50%
32%
35%
4%
14%
8%
5%
8%
11%
6%
4%
11%
1%
2%
旅館
都市部(母数=都市部で、「施設等のスタッフとのコミュニケーション」で困った人、
n=505)
地方部(母数=地方部で、 「施設等のスタッフとのコミュニケーション」で困った人、
n=263)
飲食店(レストラン、カフェ等)
2%
10%
バスターミナル構内
医療機関
空港ターミナル
城郭・神社仏閣
百貨店・ショッピングセンター
その他小売店*
鉄道駅構内
1%
港湾ターミナル
観光案内所
14%
美術館・博物館
国立公園
1%
バス車内
51%
鉄道車内
その他宿泊施設*
33%
ホテル
旅館
タクシー
その他
6%
10%
31%
13%
17%
11%
9%
9%
10%
5%
9%
2%
●「施設等のスタッフとのコミュニケーション」について困る割合の高い施設としては、都市部・地方部で共通して「飲食店」が突出して高い
● 他にも「その他小売店」「百貨店・ショッピングセンター」「鉄道駅構内」で困る割合が高い
「施設等のスタッフとのコミュニケーション」で困った施設/交通機関
調査結果 2-4. 都市部/地方部の比較(困った施設・交通機関)④
13
バス
72%
20%
新幹線
タクシー
新幹線以外の鉄道
飛行機(国内線)
その他
船
24%
5%
4%
4%
0%
都市部(母数=都市部で、「公共交通機関の利用」で困った人、n=408)
地方部(母数=地方部で、「公共交通機関の利用」で困った人、n=98)
バス
新幹線
飛行機(国内線)
8%
新幹線以外の鉄道
タクシー
船
その他
51%
21%
4%
50%
2%
3%
「公共交通機関の利用」で困った公共交通機関
●「公共交通の利用」について困る割合の高い交通機関としては、都市部では「新幹線以外の鉄道」を挙げる割合が突出して高い。
● 一方、地方部では「バス」及び「新幹線以外の鉄道」が高い。
調査結果 2-4. 都市部/地方部の比較(困った施設・交通機関)⑤
旅行者が「便利」と回答した割合
14
70%31%
68% 54%
都市部・地方部両方訪問した人(n=1,553)【参考】都市部、或いは地方部のいずれか
のみを訪問した人(n=2,453)
無料公衆無線LAN環境
78%46%
76% 67%
87%
56%
84% 75%
87%
52%
81% 73%
86%8%
都市部 地方部
83%58%
都市部のみ訪問した人n=1,777
地方部のみ訪問した人n=676
クレジットカード/デビットカードの利用
多言語表示
施設用のスタッフとのコミュニケーション
公共交通の利用
● 訪日旅行中に体験したことのうち、受入環境の各項目について「便利」と回答した割合は、都市部に比べ地方部が顕著に低い。
● 特に、「無料公衆無線LAN環境」「公共交通の利用」については大きな差が見られ、地方部に比べて都市部の方がより快適に旅行できる環境が整っていることが伺える。
調査結果 2-5. 都市部/地方部の比較(便利と感じたこと)
15
● 便利と感じた理由については、都市部と地方部で大きな差違は見られなかった。● 「無料公衆無線LAN環境」及び「クレジットカード/デビットカードの利用」では「利用可能な場所が多かった」が第一位、「多言語対応」では「多言語対応されている場所が全体的に多かった」が第一位となった。
● 「無料公衆無線LAN環境」「クレジットカード/デビッドカードの利用」「多言語表示」ともに、訪日客がより利用しやすいよう質的側面を重視しつつ、対応箇所数の増加を図ることが重要であると言える。
調査結果 2-6. 都市部/地方部の比較(便利と感じた理由①)
母数:都市部・地方部両方訪問した人(n=1,553)のうち、都市部/地方部について「便利」と回答した人(複数回答)
無料公衆無線LAN環境クレジットカード/デビットカードの利用 多言語表示
都市部
n=1,093
地方部
n=476
都市部
n=1,219
地方部
n=707
都市部
n=1,345
地方部
n=873
16
●「施設用のスタッフとのコミュニケーション」では「スタッフが英語(あるいは自分の言語)を話せた」が第一位、「公共交通の利用」では「目的地への経路を簡単に特定できた」が第一位となった。
● 「施設スタッフとのコミュニケーション」についてはICT技術も活用しつつ人的対応における多言語対応力の向上を進めること、「公共交通の利用」については案内の強化に加えて訪日客がストレスなく購入、乗車できる環境を整備することが重要であると言える。
調査結果 2-6. 都市部/地方部の比較(便利と感じた理由②)
施設用のスタッフとのコミュニケーション 公共交通の利用
母数:都市部・地方部両方訪問した人(n=1,553)のうち、都市部/地方部について「便利」と回答した人(複数回答)
都市部
n=1,345
地方部
n=801
都市部
n=1,334
地方部
n=120