回復期リハビリテーション看護に従事する 看護師の...

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17 日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017 The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 21, No. 1, 17-29, 2017 報告 回復期リハビリテーション看護に従事する 看護師のコンピテンシー The Competencies of Nurses Engaged in Recovery Rehabilitation Nursing 松本志保子 1)* 片山はるみ 2) Shihoko Matsumoto 1) * Harumi Katayama 2) Key words : recovery rehabilitation nursing, competencies キーワード : 回復期リハビリテーション看護,コンピテンシー Abstract Purpose: This study aimed to clarify the competencies of nurses engaged in recovery rehabilitation nursing and to assess difficulty levels involved to develop on-the-job training programs. Method: Behavioral Event Interview was conducted on 16 nurses who had been working for over three years in a recovery rehabilitation ward. Data were analyzed using a qualitative descriptive approach. Results: A total of 190 behaviors of nurses were obtained. After abstraction, a total of 10 competencies were identified as follows: ‘Fostering a caring relationship aimed at overcoming disability’; ‘Gathering information about life after discharge from the beginning of hospitalization’; ‘Maintaining physical and mental condition to aid rehabilitation’; ‘Management the objective towards reconstruction of life’; ‘Promoting behavior modification including interventions to encourage self-efficacy’; ‘Helping preparations for a return home’; ‘Providing support for families’; ‘Instilling belief and enthusiasm among nurses who lack experience in rehabilitation nursing’; ‘Taking a multidisciplinary approach for the benefit of patients and their families’; and ‘Allowing time for reflection and personal growth’. Finally, indications of behavior, scored from 1 to 4 according to level of difficulty, were provided for each competency. Conclusion: In present study, the competencies of nurses engaged in recovery rehabilitation nursing and those difficulty levels were clarified. It should be verified statistically about the difficulty levels. 要 旨 目的:本研究は,回復期リハビリテーション(以下「回リハ」とする)看護に従事する看護師 のコンピテンシーを明らかにし,継続教育に活用できるよう難易度による段階を設定すること を目的とした. 方法:回リハ病棟での勤務経験が 3 年以上の看護師16名を対象に行動結果面接を行い,質的記 述的に分析した. 結果と考察:分析の結果,190の看護師の行動が得られた.抽象化を経て10のコンピテンシーが 明らかとなった.それらは,[障がいの克服へと導くために信頼関係を築く],[退院後の生活を 見据えた情報を入院時から得る],[リハビリテーションが効果的に行えるよう心身のコンディ ションを整える],[生活の再構築に向けて目標を管理する],[自己効力感が高まるような関わ りで行動変容を促す],[在宅復帰への準備を整える],[家族を支える],[後輩には信念をもっ てリハビリテーション看護を手解きする],[患者・家族の利益のために多職種で協働する],[内 省を自己成長に繋げる]であった.また,それぞれのコンピテンシーに対して難易度による 4 段階の行動の指標を設けた. 受付日:2016年 1 月14日  受理日:2016年12月22日 1) 浜松医科大学大学院医学系研究科 Graduate School of Hamamatsu University School of Medicine 2) 浜松医科大学医学部看護学科 Hamamatsu University School of Medicine, Department of Nursing *責任著者 Corresponding author: e-mail [email protected]

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17日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017

The Journal of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies Vol. 21, No. 1, 17-29, 2017

報告

回復期リハビリテーション看護に従事する 看護師のコンピテンシー

The Competencies of Nurses Engaged in Recovery Rehabilitation Nursing

松本志保子 1)* 片山はるみ 2)

Shihoko Matsumoto1) * Harumi Katayama2)

Key words : recovery rehabilitation nursing, competencies

キーワード : 回復期リハビリテーション看護,コンピテンシー

AbstractPurpose: This study aimed to clarify the competencies of nurses engaged in recovery rehabilitation nursing and to assess difficulty levels involved to develop on-the-job training programs.Method: Behavioral Event Interview was conducted on 16 nurses who had been working for over three years in a recovery rehabilitation ward. Data were analyzed using a qualitative descriptive approach.Results: A total of 190 behaviors of nurses were obtained. After abstraction, a total of 10 competencies were identified as follows: ‘Fostering a caring relationship aimed at overcoming disability’; ‘Gathering information about life after discharge from the beginning of hospitalization’; ‘Maintaining physical and mental condition to aid rehabilitation’; ‘Management the objective towards reconstruction of life’; ‘Promoting behavior modification including interventions to encourage self-efficacy’; ‘Helping preparations for a return home’; ‘Providing support for families’; ‘Instilling belief and enthusiasm among nurses who lack experience in rehabilitation nursing’; ‘Taking a multidisciplinary approach for the benefit of patients and their families’; and ‘Allowing time for reflection and personal growth’. Finally, indications of behavior, scored from 1 to 4 according to level of difficulty, were provided for each competency.Conclusion: In present study, the competencies of nurses engaged in recovery rehabilitation nursing and those difficulty levels were clarified. It should be verified statistically about the difficulty levels.

要 旨目的:本研究は,回復期リハビリテーション(以下「回リハ」とする)看護に従事する看護師のコンピテンシーを明らかにし,継続教育に活用できるよう難易度による段階を設定することを目的とした.方法:回リハ病棟での勤務経験が 3 年以上の看護師16名を対象に行動結果面接を行い,質的記述的に分析した.結果と考察:分析の結果,190の看護師の行動が得られた.抽象化を経て10のコンピテンシーが明らかとなった.それらは,[障がいの克服へと導くために信頼関係を築く],[退院後の生活を見据えた情報を入院時から得る],[リハビリテーションが効果的に行えるよう心身のコンディションを整える],[生活の再構築に向けて目標を管理する],[自己効力感が高まるような関わりで行動変容を促す],[在宅復帰への準備を整える],[家族を支える],[後輩には信念をもってリハビリテーション看護を手解きする],[患者・家族の利益のために多職種で協働する],[内省を自己成長に繋げる]であった.また,それぞれのコンピテンシーに対して難易度による 4段階の行動の指標を設けた.

受付日:2016年 1 月14日  受理日:2016年12月22日1) 浜松医科大学大学院医学系研究科 Graduate School of Hamamatsu University School of Medicine2) 浜松医科大学医学部看護学科 Hamamatsu University School of Medicine, Department of Nursing*責任著者 Corresponding author: e-mail [email protected]

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結論:本研究では回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーとそのレベル毎の難易度を示した.難易度については今後統計学的な検証が必要である.

Ⅰ.緒言

 WHO はリハビリテーションについて,「リハビリテーションは,能力低下やその状態を改善し,障がい者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる.障がい者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく,障がい者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする.障がい者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が,リハビリテーションに関するサービスの計画と実行にかかわり合わなければならない」と定義している(WHO, 1981).これまでに,リハビリテーション医学では,訓練の評価をするためFunctional Independence Measure: FIM

(Grangeret al., 1983)や Barthel Index(Mahoney and Barthel, 1965)など,日常生活活動の程度を点数化する評価スケールが開発,活用されてきた. 一方,リハビリテーション看護は「疾病・障がい,加齢等による生活上の問題を有する個人や家族に対し,障がいの経過や生活の場にかかわらず,可能な限り日常生活活動(ADL)の自律と QOL(生命・生活・人生の質)の向上を図る専門性の高い看護」

(NPO 法人日本リハビリテーション看護学会)と定義されており,患者の主観的な体験に価値を置くという特性を持っているため,効果の評価は患者の体験がどのように変化しているか,その人のありたい自分にどれだけ近づいているか,という視点からなされる(酒井,2005).これらはスケールの得点には表れにくい変化であるばかりか,具体的な介入内容を言語化することも困難であり,このことはリハビリテーション看護の専門性が見えにくい原因のひとつである(石鍋,2011)と考えられている.このリハビリテーション看護の専門性の見えにくさは,第一に,系統的な継続教育を困難にしている.すなわち,専門性に沿った教育内容の提供,目標設定やその評価の障壁となっているのである. 2000年の診療報酬改定において新設された回復期リハビリテーション(以下「回リハ」とする)病棟は,種々の原因によって「ADL 低下を来たした患者

に対し,病棟単位の多職種チームによる集中的なリハビリテーションで機能や能力を改善し,在宅復帰させる役割を果たす専門病棟」(厚生労働省,2000)であり,急速な医療改革の中で重要な位置づけを持つ(園田,2015).また,現在我が国で進行中の超高齢社会に対し,厚生労働省が平成37年(2025年)を目途に目指している地域包括ケアシステムの構築の中で,医療・看護,介護・リハビリテーション,保健・予防は専門的サービスとして位置づけられており,回リハ病棟には従来以上に多職種連携・協働が求められている. しかし,リハビリテーション看護の専門性が見えにくいことはこの課題においても支障となっているように思われる.協働するスタッフには,対等なパートナーシップを発揮するために自律した専門職者であることが求められるのだが,専門性の見えにくさが看護師の発言力を弱くし,対等なパートナーシップを築きにくい現状が指摘されている(石鍋,2011). 以上に述べた課題の解決に向け,専門性を明らかにする方法のひとつとして本研究ではコンピテンシーの概念に着目した.看護職者におけるコンピテンシーの概念を用いた実証研究の前例として,我が国では看護管理者に関するコンピテンシー(虎ノ門看護部,2013;武村,佐藤,2014),皮膚・排泄ケア認定看護師に関するコンピテンシー,(西澤ら,2008)児童虐待に関わる周産期病棟・NICU 看護職者に求められるコンピテンシー(前田ら,2007)などが散見されるが,リハビリテーション看護に特化したものは見当たらない.一方海外では,アメリカ合 衆 国 に お い て「The competency model for professional rehabilitation nursing」(Stephanie et al., 2015)が示されているが,これは過去の文献をまとめて整理したものであり,具体的な行動を示したものではなかった. したがって,本研究では,リハビリテーション看護の中でも,特に現在の我が国において社会的要請が高まっている回リハ看護に従事する看護師に着目し,その専門性をコンピテンシーの概念を用いて行

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動のレベルで明らかにすることを目指す.回リハ看護のコンピテンシーを明らかにすることで,まずは回リハ看護の実践家を育成するために必要な系統的な継続教育プログラムの作成や目標管理に根拠を提供したい.またこれを明らかにすることは,看護師自身が自己の専門性を認識できるようになるだけでなく,多職種連携・協働の促進にも貢献できると考えられる.

Ⅱ.目的

 本研究は,回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーを明らかにし,継続教育に活用できるように難易度による段階を設定することを目的とした.

Ⅲ.方法

1.用語の定義1)回復期リハビリテーション看護

 今回の対象は我が国において厚生労働省の認可を受けた回リハ病棟に勤務している看護師である.これを踏まえて「回リハ看護」を定義する. 一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会は回リハ看護師の認定コースを設けており,ここでは,①-略-サービスの対象者及びその家族に対する質の高い看護の提供,②-略-個人,集団,組織に対するリスクマネジメント,③-略-多職種との共同とチームアプローチの実践の 3 つの活動を実践できる看護師を育成することを目的としている(一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会,2015). 緒言で述べたリハビリテーション看護の定義も踏まえ,本研究では「回リハ看護」を,「我が国の回リハ病棟において,法令の定める特定の疾病・障がい等による生活上の問題を有する個人やその家族に対し,個人,集団,組織に対するリスクマネジメント,多職種によるチームアプローチを基盤とし,可能な限り日常生活活動(ADL)の自律と QOL(生命・生活・人生の質)の向上を図る専門性の高い看護」と定義する.

2)コンピテンシー(competency) コンピテンシーはアメリカ合衆国を中心に発展した概念であり,職能を知識や技術だけではなく,人間関係調整能力を含めた総合的な能力として,具体的な思考や行動の仕方で示すものである.本研究では,アメリカ合衆国の人事コンサルティング会社であるHay-McBer 社の依頼によってMaClelland(1976)が手掛け,その後発展した職務コンピテンシーを主に参考にした.Spencer & Spencer(1993)/梅津ら訳

(2011)は competency を,「ある職務または状況に対し基準に照らして効果的,あるいは卓越した業績を生む原因として関わっている個人の根源的特性であり,意図を伴う行動である」と定義した.その後一連の研究に関与する研究者らの手によって1970年代には200種類以上の職業を対象とした調査から 6 領域20項目の一般的な職務コンピテンシーが抽出され,それらの定義を示したコンピテンシー・ディクショナリーや職種の特異性を踏まえた数種類のコンピテンシー・モデルが示された(Spencer & Spencer, 1993).これら一連の研究はマックバー社に関連している多くの研究者によって手掛けられていることにより,個々の研究が誰の業績であるかを判別することが困難であったため,本研究では一連の研究によるコンピテンシー,コンピテンシー・モデルの語には「マックバー」を付けて標記することとする. 一方,看護実践に目を向けると,‘competence’ と‘competency’ について,前者は仕事を引き受けるための,専門的判断を含む知識,技術,価値観及び態度を含む知的な潜在能力であり,後者は,これらの潜在能力を基盤とした実際のケアの行為である

(Mustard, 2002)と定義されている.他にも幾つかの定義がある(Short, 1984; Gonczi, 1994; Cowan et al., 2005; Defloor et al., 2006; Cowin et al., 2008)ものの,概ね Mustard の定義に集約される. 以上を踏まえ,本研究では継続教育の評価に活用することを想定して competency を明らかにすることとし,「コンピテンシー」を,「専門的判断を含む知識,技術,価値観及び態度,そしてそれらを統合する能力からなる潜在的なコンピテンスを前提として,看護師によって実際の行為として意図的にケアに表現される行動特性である」と定義する.

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2.研究デザイン 質的記述的研究法を用いた.

3.対象と調査方法1)対象者の選定

 回復期リハビリテーション病棟協会会員であり,入院料 1 (社会保険研究所,2014)を取得している病院に勤務し,回リハ病棟での勤務経験が 3 年以上であり,上司から高業績者として推薦され,研究への協力に同意の得られた看護師16名を対象とした. コンピテンシーの抽出は高業績者を対象に情報を得ることが必要とされる(McClelland et al., 1977).それに適う対象を選定するため,国の基準を満たしている施設を選択するとともに,同じ状況で 2 - 3 年仕事をして一人前とみなすことができ(Benner, 1984/井部ら訳,1992),看護部長あるいは直属の上司に高業績者であると評価されている看護師の推薦を求めた.

2)データ収集方法 必要なインフォームド・コンセントの手続きの後,行動結果面接(Behavioral Event Interview: BEI )を実施した.BEI は McClelland et al.(1977)がコンピテンシーを抽出する際に開発した面接方法であり,梅津ら(2011)が行動結果面接の邦訳をあてたものである(Spencer & Spencer, 1993/梅津ら訳,2011).これを基にしてインタビュ ーガイドを作成し,回リハ看護の実践での成功体験や失敗体験について,実際の状況の中で具体的にどのような行動をとったのか,あるいはその行動の基にはどのような考えがあったのかということを語ってもらった.面接中はできるだけ自然な語りが得られるように働きかけた.面接に際して静穏な個室を準備してもらい,内容の正確を期すため,許可を得て IC レコーダに録音した.面接時間は予め30 - 40分を設定したが,当日の対象者の状況に合わせて臨機応変に増減した.

4.分析方法 まず,インタビューによって得られた録音データから逐語録を作成し,回リハ看護に従事する看護師の具体的行動に相当する部分を取り出して要約し,これをコードとした.次に,各コードの類似性と相違性を比較検討して抽象化し,これをサブカテゴリーとしてそこに含まれるコードを代表しうるような名称を付与した.さらにサブカテゴリーの類似性

と相違性を比較検討して抽象化し,これをカテゴリーとしてそこに含まれるコードやサブカテゴリーを代表しうるような名称を付与した. カテゴリーが抽出された段階で,これらの内容がコンピテンシーとして適切であるかどうかを確認するため,マックバー・コンピテンシーと,そのモデルの一つである「支援・人的サービスの従事者」モデル(Spencer & Spencer, 1993)と照合した.最後に,カテゴリーをコンピテンシー,サブカテゴリーを行動の指標とし,コンピテンシー毎に行動の指標を用いて 4 段階の難易度を設定した. 本研究におけるデータの入手元が高業績者からのインタビューであり,低次の段階の行動特性は得られていないため,より高度な特性を参考にして行動の指標の内の若干数については研究者らで作成した. なお,一連の分析の過程におけるデータの厳密性を確保するため,回リハ病棟をもつリハビリテーション病院の看護部長を含め,看護実践経験が 5 年から30年の経験豊富な看護学研究者10名から構成される検討会議を開き,抽象度を上げるごとに複数回ずつ繰り返しメンバー・チェッキングを行った.特

表1 協力施設・対象者の概要

変  数 n %

協力施設(n= 4 )

 地域

  関東地方 2 50.0

  中部地方 2 50.0

病床数

  150~ 2 50.0

  250~ 2 50.0

対象者(n=16)

 年齢(mean ± SD) 37.1±5.8

  20~ 1 6.2

  30~ 11 68.8

  40~ 3 18.8

  50~ 1 6.2

看護師経験年数

   5 ~ 4 25.0

  10~ 3 18.8

  15~ 5 31.2

  20~30 4 25.0

回リハ看護経験年数

   3 ~ 4 2 12.5

   5 ~ 9 56.3

  10~ 5 31.2

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表2 カテゴリーとサブカテゴリー,その基となったコードの例

カテゴリー(コード数,サブカテゴリー数)

サブカテゴリー† コード(No.)†

1 .障がいの克服へと導くために信頼関係を築く(11, 8)

患者の生活・背景に合わせた会話を持つ

日常生活の話しをして,不安だとかどういうことを頑張れるとかを聞いて,社会で普通にされているようなことが穏やかな気持ちを作れるんじゃないのかな.(B-A-16)

認知レベルに合わせて信頼関係を形成するための方法を工夫する

認知レベルが低下し,かなり動きが激しい患者さんがいて,個室だったので床にマットを敷いて危険がないようにして一緒に横になって話しかけたりしているうちに私のことを認識してくれるようになり,それから ADL が向上して立ち上がれるようになった.

(C-C-3)

2 .退院後の生活を見据えた情報を入院時より得る(6, 6)

安全に動ける環境を整えるため多角的に情報を集める

この人がどうしたら安全に過ごせるか,入院時にまずは環境を整えたり ADL を把握するなどのために情報を集める.(A-A-16)

生活の再構築に向けこれまでの人生や大事にしているものを知るための情報を得る

患者さん自身の生きてきた過程とか,大事にしているものを理解した上で,もう一度生活を立て直すのにどんなことが必要かということを考えながらアンテナを張って情報を集める.(D-D-2)

3 .リハビリテーションが効果的に行えるよう心身のコンディションを整える(21, 9)

リハビリテーションを効果的にするために全身のフィジカルアセスメントを行う

歩きたいって気持ちが強いがゆえにリハビリを頑張りすぎて体力が落ちたり全身状態が悪くなることが起きると大変なので観察します.(A-D-13)

患者の行動の意味を見極め,改善のための方向性を導き出す

病室の植木鉢をひっくり返すなど激しい不穏状態の患者さんに対して,お薬の量を調整し,患者さんがどうしたいのかをよく見ながら昼間起こして,良いタイミングで訓練を入れて,とかやっていた.

(A-C-4)

4 .生活の再構築に向けて目標を管理する(24, 7)

患者・家族の希望を取り入れて目標を設定する

経済状況,家に帰ってきたら何でも自分でしてもらいたいっていう家族の望み,老老介護になるのか,息子さん娘さんの協力が得られるかなどを知ることによって私たちの関わり方は随分変わってくる.(B-B-5)

実践した看護を患者の到達度から総合的に評価する

高次脳障がいのかなり体も大きい患者さんがいて,皆が苦手意識をもってしまっていたので,もっとコミュニケーションとろうと呼びかけて積極的に介入していったらかなり改善され,自宅に帰れないって思ってたのに帰れました.(C-C-1)

5 .自己効力感が高まるような関わりで行動変容を促す

(34, 11)

患者のリハビリ意欲を引き出すようなムードをつくる

最初は動くのがいやだと言っていても,「じゃあお風呂に入ってみるか」って誘導したら,頑張ってみようかなって言ってくれた.

(B-B-8)

回復が困難と思われる事例であっても辛抱強く経過を見守る

脳梗塞を繰り返し起こし,齲歯による膿瘍が側頭葉まで広がって高次脳機能障がいにもなり,脱抑制に苦労していて,主治医もここでみるのは厳しいんじゃないかと言い出したけれど辛抱強く関わっているうち環境にも慣れてきて,抗精神薬でコントロールできるようになり,スタッフたちも「もう少し見たい」って言うようになり,最終的には落ち着いた行動がとれるようになった.(C-D-5)

6 .在宅復帰への準備を整える(19, 8)

退院後の不安がなくなるように細かく退院指導計画を立てる

指導の日程を細かく調整してできるだけ多くケアの指導をして不安がないように帰していく.(B-C-3)

本人・家族の希望を叶えるため,社会資源を徹底的に活用する

もともと脳梗塞がある上に大腿骨頸部骨折を負い,全介助で,奥さんが一人で介護しなければならない状況なのにどうしても自宅に連れて帰りたい希望があって,一番困ったのが車いすへの移乗とトイレだったけれど,奥さんと話し合い,リフトを導入してお家に帰りました.(C-B-2)

7 .家族を支える(9, 7)

患者・家族の関係が安定するように意図的に関わる

◯歳と若い人で奥さんと小さい子供さんが一緒に居られる時間を作ってあげました.(B-D-4)

家族の役割の変化等を察して支える

家族の一人が入院したことで今までとはちがう役割を負っている家族を見つけた時には,体調崩してないですかと聞いたり,ここまでどうして見えるんですかということを聞いて「私のこともみてくれている」という気持ちになっていただく.(D-D-9)

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にサブカテゴリーとマックバー・コンピテンシー(Spencer & Spencer, 1993)との照合,そして 4 段階の難易度の設定における厳密性についてはメンバー間の一致率を算出し,これが80%を超えるまで繰り返し検討を重ねた.

5.倫理的配慮 本研究は浜松医科大学医の倫理委員会の承認(第25 - 246号)を受けて実施した.研究対象者に,研究参加の任意性と拒否・同意撤回の自由,研究参加による利益,不利益の軽減,個人情報とプライバシーの保護,研究目的に限ったデータの使用,データの保管と破棄,研究結果の公表等について文書と口頭で説明し,署名により研究参加の同意を得た.

Ⅳ.結果

1.対象者の概要 協力の得られた 4 施設に所属していた16名の対象者のうち,15名が女性であり,平均年齢は37.1±5.8歳であった(表1).16名から合計422分の録音データが得られた.

2.分析結果の概要 分析の結果,回リハに従事する看護師の具体的行

動を示す190のコードが得られ,86のサブカテゴリーと10のカテゴリーが抽出された(表2).

3.データの適切性 本研究で得られたデータのコンピテンシーとしての適切性を確認するため,抽出された86のサブカテゴリーと,マックバー・コンピテンシーとの適合性が照合された.まずサブカテゴリーを縦軸に,マックバー・コンピテンシー項目を横軸にとって作成したマトリックスが用いられ,10名の研究者の個別のマーキングにより,適合箇所が抽出された.一致率の低いサブカテゴリーの表現を修正する作業が繰り返し行われ,一致率が80%以上に達したことによってそれぞれのサブカテゴリーの,マックバー・コンピテンシーの項目への適合が判定された(表3).次に適合したサブカテゴリー数の加算により,度数が算出された(表4).最後に,マックバー・コンピテンシー・モデルの一つである「支援・人的サービスの従事者」モデルと比較検討した結果,回リハ看護に従事する看護師の行動は,度数が高い順に「対人関係理解」,「分析的思考」,「達成重視」,「情報探求」,「顧客サービス志向」,「他の人たちの開発」などから構成されるコンピテンシー・モデルを有していた.

8 .後輩には信念をもってリハビリテーション看護を手解きする(8, 8)

後輩指導にあたり,自分のケアを実際に見せる

病棟で実際にケアしてる場面で自分のやっているのをみてもらったりする.(A-A-19)

専門領域を越えて知識・技術を共有し,後進を育成する

一年目のスタッフには,敢えてがっつり支えてもらった状況で歩いてもらい,「これで歩ける?」っていうのをセラピストに頼んでやってもらう.(A-C-23)

9 .患者・家族の利益のために多職種で協働する(36, 13)

スタッフ間のコミュニケーションがとれる

スタッフとコミュニケーションはちゃんととれることが必要.(D-D-1)

患者が前向きに取り組めるように支援するためにチームを機能させる

何に困っていてどうしたらその人が前向きにリハビリをできるかってことについて,どの職種が欠けてもだめなので,このチームでやれて良かったねっていえるのような多職種間のコミュニケーションを意識しています.(D-A-9)

10.内省を自己成長に繋げる(22, 9)

自己の看護観を表現する生活を見る視点が学べるのは回復期だし,これが看護の原点だと思います.(D-C-6)

自己の仕事への信念を表現する

ご本人さんと家族のニーズをどう考えていくかっていうことを大切にしているのと,チーム医療の中で患者さん帰していくので,看護師だけじゃなくて他職種とうまく連携していくことが大事にしているところです.(C-D-1)

190コードから86のサブカテゴリー,そして10のカテゴリーが抽出された.† 例として一部を抜粋して示してある.

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23日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017

表3

 サ

ブカ

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1.

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2.

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4.

マネ

ジメ

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5.

認知

6.

個人

の効

果性

†研 究 者 間 一 致 率

達 成 重 視

へ の 関 心

秩 序 , ク オ リ テ ィ , 正 確 性

イ ニ シ ア テ ィ ブ

情 報 探 求

対 人 関 係 理 解

顧 客 サ ー ビ ス 重 視

イ ン パ ク ト と 影 響 力

組 織 の 理 解

関 係 の 構 築

他 の 人 た ち の 開 発

位 の 伴 う パ ワ ー の 活 用

指 揮 命 令 ー 自 己 表 現 力 と 地

チ ー ム ワ ー ク と 協 調

チ ー ム ・ リ ー ダ ー シ ッ プ

分 析 的 思 考

概 念 化 思 考

ン ト 専 門 能 力

技 術 的 / 専 門 的 / マ ネ ジ メ

セ ル フ ・ コ ン ト ロ ー ル

自 己 確 信

柔 軟 性

組 織 へ の コ ミ ッ ト メ ン ト

1.

障が

いの

克服

へと

導く

ため

に信

頼関

係を

築く

患者

に対

応す

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注意

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人 ◯◯

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た会

話を

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9人 ◯

◯90

患者

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えた

いこ

とを

察す

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患者

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◯90

患者

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24 日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017

表4

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13項

目)

カテ

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1.

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2.

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3.

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イ ニ シ ア テ ィ ブ

情 報 探 求

対 人 関 係 理 解

顧 客 サ ー ビ ス 志 向

イ ン パ ク ト と 影 響 力

組 織 の 理 解

関 係 の 構 築

他 の 人 た ち の 開 発

位 の 伴 う パ ワ ー の 活 用

指 揮 命 令 ー 自 己 表 現 力 と 地

チ ー ム ワ ー ク と 協 調

チ ー ム ・ リ ー ダ ー シ ッ プ

分 析 的 思 考

概 念 化 思 考

ン ト 専 門 能 力

技 術 的 / 専 門 的 / マ ネ ジ メ

セ ル フ ・ コ ン ト ロ ー ル

自 己 確 信

柔 軟 性

組 織 へ の コ ミ ッ ト メ ン ト

1.

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へと

導く

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2.

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3.

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4.

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5.

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6.

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7.

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8.

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9.

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10.

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己成

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036

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828

189

*表

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加算

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13項

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25日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017

4.抽出された10のカテゴリーについて 抽出された10のカテゴリーは以下の通りであった

(表2).1)[障がいの克服へと導くために信頼関係を築

く] この行動は「患者の生活・背景に合わせた会話を持つ」,「認知レベルに合わせて信頼関係を形成するための方法を工夫する」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは患者を障がいの克服へと導くために意図的に信頼関係を構築するための行為であった.

2)[退院後の生活を見据えた情報を入院時から得て活かす]

 この行動は「安全に動けるため多角的に情報を集める」,「生活の再構築に向けこれまでの人生や大切にしているものを知るための情報を得る」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは限られた入院期間内で多角的に情報を得ることを意図し,入院時の早期から退院後を見据えて情報を得る行為であった.

3)[リハビリテーションが効果的に行えるよう心身のコンディションを整える]

 この行動は「リハビリテーションを効果的にするために全身のフィジカルアセスメントを行う」,「患者の行動の意味を見極め,改善のための方向性を導き出す」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは患者の主目的であるリハビリの効果が最大限になることを意図し,病態の観察や看護アセスメントを繰り返し行う行為であった.

4)[生活の再構築に向けて目標を管理する] この行動は「患者・家族の希望を取り入れて目標を設定する」,「実践した看護を患者の到達度から総合的に評価する」サブカテゴリーから構成されていた.これらは,新たな人生をスタートさせる患者自身が目標をもてることを意図し,これまでの人生や大切にしていることなどを理解した上で目標を管理する行為であった.

5)[自己効力感が高まるような関わりで行動変容を促す]

 この行動は「患者のリハビリ意欲を引き出すようなムードをつくる」,「回復が困難と思われる事例であっても辛抱強く経過を見守る」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは患者が主体的に

リハビリに参加して個々の目標を達成することを意図し,行動変容のプロセスに寄り添う行為であった.

6)[在宅復帰への準備を整える] この行動は「退院後の不安がなくなるように細かく退院指導計画を立てる」,「本人・家族の希望を叶えるため,社会資源を徹底的に活用する」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは退院が近づく時期の患者の在宅復帰をスムーズに果たすことを意図し,患者・家族の新たな生活を支える地域資源の活用などを模索する行為であった.

7)[家族を支える] この行動は「患者・家族の関係が安定するように意図的に関わる」,「家族の役割の変化等を察して支える」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは患者を支えるチームの一員として家族に意図的に関わり,家族機能の維持・再構築を支援する行為であった.

8)[後輩には信念をもってリハビリテーション看護を手解きする]

 この行動は「後輩指導にあたり,自分のケアを実際に見せる」,「専門領域を超えて知識・技術を共有し,後進を育成する」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは自分自身がリハ看護の実践者としてモデルとなることを意図し,後輩を育成する行為であった.

9)[患者・家族の利益のために多職種で協働する]

 この行動は「スタッフ間のコミュニケーションがとれる」,「患者が前向きに取り組めるように支援するためにチームを機能させる」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは多職種がそれぞれに専門的アプローチができるようにすることを意図した多職種協働の行為であった.

10)[内省を自己成長に繋げる] この行動は「自己の看護観を表現する」,「自己の仕事への信念を表現する」などのサブカテゴリーから構成されていた.これらは専門職者としての意図的な内省であり,経験した事象を自己の成長に繋げる行為であった.

5.レベル毎の難易度の設定 10のカテゴリーそれぞれに付帯するサブカテゴリーより, 1 から 4 段階の難易度が設定された(表

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26 日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017

表5 回復期リハビリテーションに従事する看護師のコンピテンシーと行動の指標

コンピテンシー(カテゴリー)

行 動 の 指 標 (サ ブ カ テ ゴ リ ー)

レベル 1 レベル 2 レベル 3 レベル 4

1 .障がいの克服へと導くために信頼関係を築く

患者に対応する時の態度に注意を払う

患者が伝えたいことを察する

患者の良い反応が得られるような関わりを実践する

認知レベルに合わせて信頼関係を形成するための方法を工夫する

患者の生活・背景に合わせた会話を持つ

患者のこれまでの歩んできた人生を尊重してかかわる

患者との信頼関係を崩すような状況に敏感に気づく

看護師の存在自体が患者の安心感につながることを意図してかかわる

2 .退院後の生活を見据えた情報を入院時より得る

入院時に把握すべき情報を認識する*

患者に直接接して情報を得る

入院生活に取り入れるため,患者のこれまでの生活で大切にしていたことを知る

生活の再構築に向けこれまでの人生や大事にしているものを知るための情報を得る

患者・家族のニーズを理解するために情報を得る*

安全に動ける環境を整えるための情報を多角的に集める

日常生活上の患者の小さなこだわりは何かを知る

自宅での生活を見据えたリハビリができるために情報を得る

3 .リハビリテーションが効果的に行えるよう 心 身 の コ ン デ ィションを整える

リハビリテーションを効果的にするために全身のフィジカルアセスメントを行う

表情等から患者の精神的な変調に気づく

リハビリの進行を妨げる可能性がある薬や起こり得る合併症を予測してアセスメントする

患者の行動の意味を見極め,改善のための方向性を導き出す

患者が前向きにリハビリに取り組めるよう,生活のリズムを整える

患者のストレスフルな状況を理解する

困難事例を多角的にアセスメントし,少しづつ体力をつけていくような介入方法を辛抱強く行う

行動観察から患者がしたいことを読み取って危険を回避する

4 .生活の再構築に向けて目標を管理する

患者・家族の希望を取り入れて目標を設定する

行動観察によって患者の意図・意思を洞察する

回復の過程を見立てながら退院後の生活を想定する

患者の好転を分析的に捉える

患者・家族のニーズを把握して目標を設定する*

患者自身が生活上の目標をもてるように支援する

目標達成を阻害する要因を患者と確認し,解決を支援する

実践した看護を患者の到達度から総合的に評価する

5 .自己効力感が高まるような関わりで行動変容を促す

患者が自分の力を発揮できるように援助する

これからの生活のビジョンを患者自身が描くことができるように支援する

非言語的に患者の困難感や屈辱的感情に気づく

患者が役割を変化させて新たな生活を作り出すプロセスに関わる

患者のリハビリ意欲を引き出すようなムードをつくる

患者が自信を持てるように小さなステップを重ねられるようケなア計画を立てる

ADL の向上だけではない本 音 を 聴 い て 精 神 的 サポートをする

回復が困難と思われる事例であっても辛抱強く経過を見守る

6 .在宅復帰への準備を整える

退院後の不安がなくなるように細かく退院指導計画を立てる

介護者が自ら体験ができる場を提供するなど不安なく退院できるよう支援する

家族のモチベーションも視野に入れて退院指導計画をたてる

患者・家族の意思を尊重して在宅ケアのシステムを作る

患者・家族が納得できるように退院指導を行う

介護者の能力を見極めながら日常生活援助の方法を一緒に工夫する

身体に侵襲があるようなケアでも家族ができると思えるように創意工夫する

本人・家族の希望を叶えるため,社会資源を徹底的に活用する

7 .家族を支える

家族の不安な気持ちを察して言葉をかける*

回復の兆しに気づき患者・家族と喜びを共有する

家族が回復過程にかかわれる機会が得られるようなタイミングで面会を勧める

家 族 が 苦 し い 胸 の 内 を「話してもいい」と思えるような関係性を築く

患者・家族の関係が安定するように意図的に関わる

家族に回復の状況について情報提供する

家族をチームの一員として患者支援に活かす

家族の役割の変化等を察して支える

8 .後輩には信念をもってリハビリテーション看護を手解きする

後輩指導にあたり,自分のケアを実際に見せる

自己の信念を経験を踏まえて後輩に伝える

後輩には教育的なかかわりを意識して指導する

スタッフの態度が患者・家族への対応に影響することを承知して,スタッフの心の余裕を推し量る

後輩指導にあたり,実際の場面でケアを提案する

柔軟な発想ができるよう後輩に指南する

スタッフの能力開発のため,意図的な発問をする

専門領域を越えて知識・技術を共有し,後進を育成する

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27日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017

9 .患者・家族の利益のために多職種で協働する

ス タ ッ フ 間 の コ ミ ュ ニケーションがとれる

スタッフ間で生活行動場面の情報を共有し,援助方法を検討する

全身状態,発達課題や家族の状況等看護師の専門性を生かした観察で得た情報を他職種に発信する

多職種の専門的アプローチを患者の状態に合わせて調整する

看護チームの方針の統一に参加する

本人の願いを最大限に尊重するよう多職種で話し合う

楽なゴールを目指すのではなく,一歩先のゴールを目指すよう発信する

患者が前向きに取り組めるように支援するためにチームを機能させる

10.内省を自己成長に繋げる

自己の看護観を表現する反省点を糧に前向きな気持ちを持てる

実践の中で自らの課題を見つけて自己研鑽する

リハビリテーション看護への醍醐味を語る

看護領域の独自性を言える

実践の中から学習を積む課題の克服の為,上司に助言を求める

自己の仕事への信念を表現する

* 筆者らの加筆による.難易度は今後統計学的検証が必要である.

5).なお,全体の統一性を図るため, 1 つのレベルに対して 2 項目のサブカテゴリーが行動の指標として用いられた.このさい, 3 項目以上のサブカテゴリーが分類されたか所については10名の研究者の合意のもと,分かりやすいもの 2 項目が選択され, 0あるいは 1 項目しか分類されなかったか所には,生データ等の文言を参考にして加筆された行動の指標が用いられた.

Ⅴ.考察

1.抽出したコンピテンシーの適切性について マックバー・コンピテンシーはさまざまな分野での適応が可能であるが,20項目全てのコンピテンシーがどの職務にでも必要なわけではないし,重要度も職業によって異なるため,それぞれの職務に不可欠なコンピテンシーはどれかを選別することと,それぞれの職業で具体的な基準を決めるための分析が求められる(Spencer & Spencer, 1993).そこで,本研究で抽出された86のサブカテゴリーとマックバー・コンピテンシーとを照合し,また本研究の対象と最も類似していると考えられた「支援・人的サービスの従業者」モデルとを比較・検討した.その結果本研究で得られたカテゴリーとサブカテゴリーは,「支援・人的サービスの従業者」モデルの構成コンピテンシーである13項目の内の10項目,すなわち「イニシアティブ」,「対人関係理解」,「顧客サービス志向」,「他の人たちの開発」,「チームワーと協調」,「分析的思考」,「概念化思考」,「専門的能力」,「自己確信」,「柔軟性」,に適合していると考えられた.不適合であった「インパクトと影響力」,

「指揮命令-自己表現力と地位の伴うパワーの活用」,「セルフ・コントロール」の 3 項目は,「支援・人的サービス」の中でも,教師,医師などに特徴的な項目として Spencer & Spencer(1993)は説明しており,今回これらの 3 項目が回リハ看護の従事する看護師の行動として不適合であったことは妥当であると考えられた.また,本研究において,「支援・人的サービス」のモデルに含まれていなかった「達成重視」,「情報探求」,「関係の構築」の 3 項目が回リハ看護に従事する看護師の行動として適合しており,このことは,用語の定義に照らし,回リハ看護の特徴的な行動として解釈できるものであった.これらのことより,回リハ看護に従事している看護師はマックバー・コンピテンシーの20項目の内,表4に示すような13項目からなるコンピテンシー・モデルを有していることが確認された. 以上より,本研究で得られた10のカテゴリーを回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーとして,86のサブカテゴリーを行動の指標として用いることの適切性が確認された.

2.回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーについて

 本研究では,回リハ看護に従事する看護師が,法令の定める特定の疾病・障がい等による生活上の問題を有する個人やその家族に対し,個人,集団,組織に対するリスクマネジメント,多職種によるチームアプローチを基盤とし,可能な限り ADL の自律と QOL の向上を図る専門性の高い看護を実践するために必要な10の具体的なコンピテンシーを見出すことができた.看護師の行動は[障がいの克服へと導くために信頼関係を築く]ことで,決して楽では

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28 日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017

ないリハビリの道を共に歩もうとすることから始まる.そして,看護師は[退院後の生活を見据えた情報を入院時より得て活かす]に表わされるように,限られた時間や労力を有効に使い,患者・家族が望む生活が現実となるために必要な情報を集めていた.また,様々な合併症を抱える患者の全身状態がリハビリにどう影響するかなどについて分析的に捉え,病態の観察や看護アセスメントを繰り返しながら

[リハビリテーションが効果的に行えるよう心身のコンディションを整える]ことを意図して行動していた.さらに,これまでの人生や大切にしていることなどを理解した上で[生活の再構築に向けて目標を管理する]ことで新たな人生をスタートさせる患者自身が目標をもつことを意図し,患者の主体性を引き出し,伸ばすために[自己効力感が高まるような関わりで行動変容を促す]ことを実践していた.いよいよ退院が近づく時期には地域支援の活用などを模索しながら[在宅復帰への準備を整える]こと,そして家族が苦しい胸の内を話してもいいと思えるような関わりや定期的に成果を伝えるなど,患者と共に障がいを乗り越えようとする[家族を支える]ことを行っていた.これらの過程において,リハビリテーションの実践者としてモデルとなることを意図した[後輩には信念をもってリハビリテーション看護を手解きする]ことや,多職種がそれぞれに専門的アプローチができるようにすることを意図した

[患者・家族の利益のために多職種で協働する]ことを行っていた.また,看護師自身が捉えた失敗の体験に対して事象を振り返ることで研鑽を積み,[内省を自己成長に繋げる]ことなどを行っていた.これらは,看護師によって実際の行為として意図的にケアに表現している行動特性であった. これら10のコンピテンシーは,一部は他の看護領域と共通するものも含まれていると思われる.今後は様々な看護領域に共通のコンピテンシーと,それぞれに特徴的なものとを整理して示していく必要がある.しかし,他の看護領域と共通する内容がありながらも,これら10項目の行動は別々に表現されるのではなく,互いに影響しあいながら回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーとして発揮されるものであると考えられる.

3.回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーの活用可能性

 山元ら(2003)はリハビリテーション専門病院勤務の看護師は職業的アイデンティティのなかで患者に必要とされる存在の認知が一般病院の看護師より有意に低かったことを報告している.また石鍋

(2011)も,「他の職種と協働するなかで,看護の専門性って何だろうか,と常に自問自答を迫られている」とリハビリテーション看護の専門性の見えにくさを指摘している.荒木ら(2012)もまた,リハビリテーション医療において看護は各専門職と役割がオーバーラップするため,協働の場で看護の役割を少化して捉えてしまう傾向にあることを指摘している.これらより,リハビリテーション看護はチーム医療の中での看護の専門性を見出すことが容易ではない看護分野のひとつといえる. 本研究で明らかとなった難易度毎の回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーは,系統的な継続教育プログラムの作成や目標管理に根拠を提供するだけでなく,看護師自身が自己の専門性を認識することや,これまでの課題であったインタープロフェッショナルワークの促進に貢献するものであると考えられる.

4.研究の限界と今後の課題 本研究の対象者は高業積を上げている看護師であった.そのため相対的に低次の行動の指標については情報が不足しており,また難易度の設定については研究者間の経験をもとに行ったため検証が不十分である.したがって,今回作成したコンピテンシーの難易度が評価ツールとして使用できるかについて,今後統計学的に検証を行う必要がある.

Ⅵ.結論

 回リハ看護に従事する看護師のコンピテンシーとして,[障がいの克服へと導くために信頼関係を築く],[退院後の生活を見据えた情報を入院時より得る],[リハビリテーションが効果的に行えるよう心身のコンディションを整える],[生活の再構築に向けて目標を管理する],[自己効力感が高まるような関わりで行動変容を促す],[在宅復帰への準備を整

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29日看管会誌 Vol. 21, No. 1, 2017

える],[家族を支える],[後輩には信念をもってリハビリテーション看護を手解きする],[患者・家族のために多職種で協働する],[内省を自己成長に繋げる]の10項目が明らかとなった. 設定した 4 段階の難易度については今後統計学的な検証が必要である.

謝辞:本研究を実施するにあたり,インタビュー調査の依頼をご快諾頂きました調査協力施設の看護管理者の皆様,インタビュー調査にご協力頂きました看護師の皆様,ならびに浜松医科大学大学院医学系研究科基礎看護学講座メンバーの皆様に心より感謝申し上げます.本稿は平成27年度浜松医科大学大学院医学系研究科修士課程(看護学専攻)修士論文として提出したものを一部加筆・修正したものである.

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