今月のテーマ記事...
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今月のテーマ記事
「懲戒処分について(第1回)」
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・懲戒処分とは・懲戒処分の種類・懲戒処分の一般的要件
平成26年1・2月号
目次・所長からのご挨拶(2頁)・各弁護士からのご挨拶(3頁)・今月のつぶやき~永遠の0(ゼロ)~(4頁)・今月のテーマ記事(5,6頁)・今後のニュースレター発行とセミナー開催のご案内(7頁)・事務所からのご案内(8頁)・事務所へのアクセス(9頁)
所長からのご挨拶
1 2014年がはじまって早1ヶ月が経ちました。
安倍晋三総理大臣のアベノミクスと呼ばれる大胆な金融政策,機動的な財政政策,民間投資を喚起する成長戦略の「3本の矢」はうまくいっているでしょうか。景気は地方まではまだまだといったところではないでしょうか。昨日ダボス会議にて,法人税減税を表明されました。4月からは消費税が上がります。他方,特定秘密保護法案が可決され,様々な不安の中,安倍カラーと呼ば
れる政策も実現されつつあります。国民の権利侵害がなされないようしっかり監視していく必要もあります。定数不均衡訴訟も提起され,一票の重みに対する議会の対応の鈍さも問題にされています。
2 当事務所は,個人事務所として、1994年11月に開業しましたが,2013年1月に法人化をして,弁護士法人ユスティティア森本綜合法律事務所という名称になりました。ちょうど設立から1年経ちました。ユスティティア (Justitia)とは、ローマ神話に登場する女神で、ラテン語で「正義」を意味し、天秤と剣を手にし,目隠しをした像で知られています。ギリシャ神話ではテミスと呼ばれています。天秤は公平さを表し、剣は闘いの象徴ですから、依頼者の正当な権利の実現のために闘うという当事務所の象徴としてふさわしいものとしてこの名称を選択しました。
3 当事務所の今年度の重点取扱分野は,交通事故,企業法務です。交通事故については,専用のホームページを開設しています。
http://www.nagasaki-kotsujiko.com をご覧下さい。整形外科の貝田勇治先生,鑑定士の里山繁先生らと協力して,交通事故のワンストップ事務所を目指しています。企業法務については,顧問先企業の皆様を中心に定期的なセミナーを開催
していく予定にしています。昨年1回「弁護士が教える!未払残業代請求への対応策について」を開催し,好評でした。セミナーの予定に関しては,7頁をご覧下さい。事務所全体のホームページも作成中です。
http://www.justitia-law.com をご覧下さい。いずれも定期的に更新していく予定にしていますので,今後の当事務所の活動を注目しておいて下さい。
4 代表社員弁護士森本は,2013年4月から長崎県弁護士会常議員会の副議長,同年9月より長崎県弁護士政治連盟の副支部長を拝命しました。前者は弁護士会の決議機関,後者は弁護士会の業務に関わる立法活動を後押しするための政治活動機関です。今年度の重点取扱分野は企業法務です。湯川弁護士の今年度の重点取扱分野は,離婚,福祉関係です。山下雄一弁護士は,島原事務所を取り仕切り,島原半島の事件を中心に当
事務所の島原半島地区でのブランド確立を目指します。春明弁護士は,今年度の重点取扱分野は,交通事故,労働事件です。
今後も弁護士法人ユスティティア森本綜合法律事務所を宜しくお願いします。
弁護士法人ユスティティア 森本綜合法律事務所
代表社員弁護士 森本精一
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各弁護士からのご挨拶
湯川優子
弁護士の湯川優子です。大村市出身です。弁護士7年目となりました。諫早事務所において,離
婚事件や相続(遺産分割)などの家事事件や高齢者の方を取り巻く諸問題,交通事故事件,債務整理等の様々な事案を担当しています。また,昨年より韓国ドラマの魅力にはまり,近頃,韓国語の勉強を始め
たばかりです。変化の時代を皆様と共に進んでいけるよう日々精進してまいります。
本年も宜しくお願い致します。
山下雄一
弁護士の山下雄一です。出身は千葉県ですが,縁あって長崎県にて弁護士として活動することと
なり,現在では森本綜合法律事務所の島原事務所にて,交通事故,離婚,相続,成年後見など,島原半島における様々な事件を担当しております。島原事務所の開設は平成25年5月であり,8か月ほど経過したところ
ですが,島原半島にも多数の法律問題があることが良くわかり,今後もこれらの解決に少しでも力になれるよう精いっぱい努力していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
春明航太
弁護士の春明(はるあけ)航太です。私は,大村市の出身であり,愛着のある地元で活動できることを嬉しく
思っております。現在は,本店(諫早事務所)にて,交通事故や労働問題を中心に,あら
ゆる分野の法律問題を取り扱っています。若さとフットワークの軽さを武器にドンドンと動いていきたいと考えて
います。どうぞ宜しくお願い致します。
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今月のつぶやき~永遠の0(ゼロ)~
森本綜合法律事務所の弁護士の山下雄一です。
「永遠の0(ゼロ)」映画版,昨年末に公開されました。「生きて帰りたい」という当たり前の感情を口にすることすら非難されてしまったり,国に対する批判が法律で取り締まられるような時代です。いわば,個人の権利・自由よりも,国家の利益が優先される時代でした。
ところで,弁護士の使命は,「基本的人権を擁護し,社会正義を実現すること」(弁護士法1条1項)です。国家権力により個人の人権が侵害されようとしているときに,権力と闘い,個人の自由を守るべく不断に努力すること,あるいは,多数派により少数派の基本的な人権を犠牲にすることを防ぐこと,私は,これが弁護士のもっとも基本的な使命だと考えています。なぜなら,個人の権利や自由は,守ろうとする努力を続けていかなければ,国家権力により容易に奪われてしまうものですが,このことは歴史を見れば明らかだからです。
近年,「国家の防衛」,「社会の安心・安全」等の名のもと,個人の権利を容易に侵害することを認めようとする動きが散見されますが,個人の権利・自由よりも,国家の利益が優先されることになりかねず,今後の動きについては厳重に注意することが必要だと改めて感じました。
当事務所では,本年も,このような基本的な使命を忘れずに精力的に活動して参ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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今月のテーマ記事「懲戒処分について」第1回(全2回)~担当弁護士 春明航太~5
第1 懲戒処分とは懲戒処分とは,一般に,「従業員の企業秩序違反行為又は基本的な労働義務違反等
に対してなされる,制裁罰であることが明確な労働関係上の不利益措置」と定義されます。平たく言えば,従業員が職場のルールに違反したり(例:服務規律違反)や業務命令に違反したり(例:職務怠慢)した場合に,その違反に対する制裁として,何らかの罰を与えるというものです。
第2 懲戒処分の種類懲戒処分の種類には,処分内容が軽いものから順に以下のようなものがあります。
1 戒告「将来を戒めること」戒告処分は,従業員に対して将来を戒めるよう注意するだけなので,戒告処分
それ自体によって従業員に不利益は生じません。2 譴(けん)責
「始末書を提出させて将来を戒めること」始末書の提出を伴う点で戒告と異なります。
3 減給「本来従業員が受け取るべき賃金額から一定額を差し引くこと」ただし,減給には限度額の制限があります。例えば,1つの懲戒事由に対する
減給の総額は,当該従業員の平均賃金の1日分の半額を超えることはできないので,注意が必要です。
4 出勤停止「労働契約を存続させながら従業員の就労を一定期間禁止すること」これは,「自宅謹慎」「懲戒休職」と呼ばれることもあります。出勤停止期間
は1~2週間とされることが多く,出勤停止期間中は,賃金が支給されず,勤続年数にも算入されないのが一般的です。
5 降格「役職・職位・職能資格を引き下げること」降格は,企業の人事権の行使として行われることがありますが,以下では,あ
くまでも懲戒処分として行われる降格を取り扱います。6 諭旨解雇
「懲戒解雇処分を若干緩和した懲戒処分の総称」例えば,「従業員に対して自主的な退職届の提出を促し,退職届が提出されれ
ば退職金を支払い,退職届が提出されない場合には退職金を支払わずに懲戒解雇する」といった形式がとられることがあります。
7 懲戒解雇文字通り,懲戒処分として解雇することをいいます。最も重い懲戒処分であ
り,解雇予告や解雇予告手当の支払いなしに行われ,また,退職金が支給されないこともあります。
懲戒解雇については,次回(第2回)で詳しくお話ししたいと思います。
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第3 懲戒処分の一般的要件懲戒処分を法的に有効に行うためには,以下の要件を満たしていることが必要で
す。以下の要件を満たさずに行われた懲戒処分は,後から無効と判断されてしまう可能性があるので特に注意が必要です。
1 懲戒処分に関する規定が設定・周知されていることあらかじめ就業規則等において,①従業員のどのような行為に対して懲戒処
分を科するか,②懲戒処分の種類にはどのようなものがあるか等を,定めておき,それを従業員に知らせておく必要があります。従業員が問題行為を行ったことが判明した後になって,慌てて懲戒処分の規
定を作ったとしても,さかのぼってその懲戒処分の規定を適用することはできません。したがって,あらかじめ就業規則を作り,懲戒処分に関する規定を設けてお
かないと,従業員の問題行為に対応することが困難になってしまいます。また,後述する要件2との関係で,懲戒処分対象行為については,ある程度
包括的な定めをしておくことが重要です。
2 懲戒処分の対象行為に該当する行為が行われたこと懲戒処分対象行為に該当する行為が実際に行われることが必要です。
後に従業員から懲戒処分の有効性を争われる場合に備えて,懲戒処分対象行為が行われたことを裏付ける証拠を可能な限り確保しておく必要があります。
3 懲戒処分の種類が重すぎないこと懲戒処分対象行為が行われたとしても,その行為に対して科される懲戒処分が
不当に重い内容のものであれば,後から違法と判断されてしまう可能性があります。この点は,同種の事例で過去にどのような懲戒処分を科してきたかや,当該従
業員の過去の懲戒処分歴等,個別の事例に即して具体的に判断する必要があります。どのような行為に対してどのような懲戒処分を科すことができるかは非常に難しい判断となるので,さまざまな事情をもとに慎重に検討することが必要となります。
4 懲戒処分をするにあたって適正な手続がとられたこと懲戒処分の規定がある場合に,従業員によって懲戒処分対象行為がなされたと
しても,直ちに懲戒処分をしてよいということにはなりません。懲戒処分を行うには,懲戒処分を受けることになる従業員に対して懲戒対象行
為を告知した上で意見を述べる機会を与える等,適正な手続きを経る必要があります。この点は,次回(第2回)に懲戒解雇を例にとって説明したいと思います。
今後のニュースレター発行とセミナー開催のご案内
今後のニュースレターの発行とセミナー開催のご案内
本年は,4つのテーマについて各3回ずつ計12回のニュースレターを発行致します。さらに各テーマのニュースレターの3回目が発行された時期に合わせて,各テーマに関するセミナーを当事務所の弁護士が行います。
ニュースレターの発行予定
「懲戒処分について」平成26年1月~3月(全3回)不正のあった社員に対する戒告,減給,降格など,法律上の処分をする場
合について,法律上の問題点の解説などを当事務所所属の春明航太弁護士が行います。
「問題社員対策」平成26年4月~6月(全3回)法律上の処分をするまでではないが,問題のある社員について,どのよう
な対応をするのが得策か,当事務所所属の森本精一弁護士が解説します。
「農地をめぐる諸問題」平成26年7月~9月(全3回)農地は売買や賃貸するために農業委員会の許可がいるなど,特別の規律が
なされています。これらについて,当事務所所属の湯川優子弁護士が解説します。
「高齢者住まい法」平成26年10月~12月(全3回)高齢社会において,高齢者の住居確保などを目的として高齢者住まい法
(正式名称;高齢者の居住の安定確保に関する法律)が制定されました。これについて,当事務所所属の湯川優子弁護士が解説します。
セミナーの開催予定
セミナーの開催予定は以下の通りとなっております。正式な開催日時,場所等は別途ご案内いたします。皆様のご参加をお待ちいたしております。
第1回セミナー「従業員への懲戒処分について」
3月15日(土)開催予定
第2回セミナー「問題社員対策」6月21日(土)開催予定
第3回セミナー「農地をめぐる諸問題」9月20日(土)開催予定
第4回セミナー「高齢者住まい法」12月13日(土)開催予定
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当事務所のご案内
相談受付時間
平日・土曜9時~18時(土曜日は諫早事務所のみ)
※上記時間外,日曜日,祝日等は留守電対応となっております,営業時間内に事務所より折り返しお電話いたします。
相談料
原則として,初回30分無料,30分超過後1時間まで5000円(別途消費税),以後30分ごとに5000円(別途消費税)が加算となります。ただし,交通事故(被害者側)に関するご相談は時間に関わらず無料となり
ます(任意保険の弁護士費用特約がご利用可能な場合を除く)。また,離婚についてのご相談は,初回に限り無料となります。このほか,電話相談,メール相談,キャンペーン等も行っておりますので,
お気軽にお問い合わせください。
離婚・相続サポートプラン
離婚・相続事件において,弁護士より定期的にアドバイスを受けられるリーズナブルなサポートプランをご用意しております。詳しくはお問い合わせください。
顧問契約のご案内
法的問題発生の前段階で,弁護士によるリーガルサービスを受けることは,法的紛争の回避,問題発生の予防に役立つものです。また,既に問題が発生している場合でも,弁護士による適切なアドバイスを速やかに得ることで,問題を早期に解決することができます。
当事務所と顧問契約を結んでいただけると,以下のような特典があります。
・法律相談を何度でも無料で,速やかに受けることができます。
・電話・FAX・メールでお気軽にご相談可能です。
・問題が発生した場合の着手金・報酬が割引となります。
・当事務所が開催する各種セミナーに優先的に無料でご参加いただけます。
顧問料は,月額30000円(別途消費税)からとなっております。
是非ご検討ください。
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当事務所へのアクセス
【諫早事務所】
〒854-0016
諫早市高城町5番10号 諫早商工会館404号
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島鉄バス「市役所前」より徒歩1分
電 話:0957-22-8100FAX:0957-22-9702
【島原事務所】
〒855-0042
島原市片町616番地1
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FAX:0957-73-9981
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