「セルロース微粒子 複合微粒子 材料の創成」 - JST...• 生体適合性 •...

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「セルロース微粒子/複合微粒子 材料の創成」 Graduate School of Engineering, Kobe University Soft Matter Interface Laboratory (SMIL:-) 神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻 南 秀 人 コーディネーター 神戸大学 連携創造本部 客員教授 河口 範夫 A-STEP発 新技術説明会 JST東京本部別館 2014. 11. 27

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  • 「セルロース微粒子/複合微粒子

    材料の創成」

    Graduate School of Engineering, Kobe University

    Soft Matter Interface

    Laboratory (SMIL:-)

    神戸大学 大学院工学研究科 応用化学専攻

    南 秀 人

    コーディネーター 神戸大学 連携創造本部 客員教授

    河口 範夫

    A-STEP発 新技術説明会

    JST東京本部別館 2014. 11. 27

  • 高分子微粒子材料の設計と機能化

    http://www.toray.co.jp/news/rd/nr080811.html

    http://www.eink.com/technology.html

    塗料 接着剤

    医薬

    電子材料

    化粧品

    http://www.rohto.co.jp/uv/orezo/

    各種化学製品

    農薬

    食品

    http://www.kao.com/jp/corp_news/

  • 日本企業およそ100社が、すでにサンプル出荷の始っている次世代の繊維「ナノセルロースCellulose Nanofibers(CNF)」の実用化に向けて結集する。

    「ナノセルロース」は鉄の5分の1の重さだが、強度は約5倍で、線熱膨張はガラスの50分の1。石英ガラスに匹敵する。

    鉄の5倍の強度「ナノセルロース」 日本で実用化へ 〜読売新聞 2014.6.28〜

    自動車部品や建材、人工血管まで幅広い分野での活用を目指す。また、木材などから作るため、環境にも優しいという。

  • • 生体適合性

    • 化学的安定

    セルロース

    • 補強複合材料

    • 微粒子 化粧品

    カラム充填剤 etc.

    • パルプ

    水にも有機溶剤 にも溶解しない

    問題点 ・過酷な条件(強アルカリ,強酸処理) ・食品材料への適応不可 ・セルロースからの変性

    ・ビスコース法 ・銅アンモニア法 ・誘導体化法

    →温和な条件での加工および,粒子構造の制御は検討課題

    従来法

  • “イオン液体”によるセルロースの溶解

    R. P. Swatloski, S. K. Spear, J. D. Holbrey, R. D. Rogers, J. Am. Chem. Soc., 124, 4974 (2002)

    100˚C

    セルロース

    イオン液体

    +

    イオン液体([Bmim]Cl)

    (at 80˚C)

    粘度 : 147 mPa•s

    1.05 g/cm3 密度 :

    融点= 70˚C 1-Butyl-3-methylimidazolium chloride

    →イオン液体を利用してのセルロース(複合)粒子の合成は殆ど行われていない

  • イオン液体を利用した溶媒放出法による セルロース微粒子の合成

    ホモジナイザイーによる懸濁

    ヘキサデカン 分散安定剤

    セルロース/イオン液体/粘度調節剤

    (10,000 rpm, 5 min)

    (7/43/50, w/w/w)

    セルロース/イオン液体/粘度調節剤 ヘキサデカン中 懸濁滴 (10 wt%)

    市販の セルロース結晶

    (Aldrich®)

    イオン液体

    50 µm

    100˚C

    分子量 = 5,000

    Aminopropyl-terminated poly(dimethylsiloxane)

    n ≈ 66

    分散安定剤 (Silaplane FM-3321)

    (チッソ株式会社)

    Precipitation

    イオン液体 粘度調節剤

    セルロース イオン液体 粘度調節剤

    放出溶媒

    セルロース 粒子

    放出溶媒

    セルロース/イオン液体/粘度調節剤

    ヘキサデカン中 懸濁滴 (10 wt%)

    →セルロース(複合)粒子の作製および構造制御が簡便

  • 図 ホモジナイザーにより作製したセルロース /イオン液体 /粘度調節剤 (7/43/50,

    w/w/w)のヘキサデカン中の液滴(a)および各段階におけるセルロース粒子(c〜e)の光

    学顕微鏡写真。溶媒放出法により得られたセルロース微粒子の走査型電子顕微鏡写

    真 (b)

    20 µm 20 µm

    (a)

    Ⅰ. 溶媒放出 Ⅱ. 洗浄

    10 µm

    (b)

    20 µm 20 µm

    (c) 溶媒放出法直後 (d) 洗浄後(1回目)

    20 µm

    (e) 洗浄後(2回目)

  • 図 溶媒放出法により得られたセルロース粒子の顕微鏡観察

    視野での乾燥過程動画

    50 µm

    観察温度: 20˚C

    再生速度: 20 times

    11% 100%

  • 溶媒放出法によるセルロース粒子 の生成機構

    放出溶媒

    析出過程

    イオン液体 粘度調節剤

    セルロース/ イオン液体/ 粘度調節剤

    ヘキサデカン

    洗浄過程

    放出溶媒

    洗浄溶媒

    セルロース 粒子

    放出溶媒 洗浄溶媒

    蒸発過程

    収縮 セルロース 粒子

    洗浄溶媒

    セルロース 粒子

  • 図 溶媒放出法により得られたセルロース粒子(セルロース/イオン液体/粘度調

    節剤(7/43/50, w/w/w))の凍結乾燥後の走査型電子顕微鏡写真。低倍率 (a) お

    よび高倍率(b) 。

    比表面積 a)

    44.6 m2/g

    (非多孔質粒子の場合: 0.38 m2/g)

    a) BET法により測定. 仮定: 平均直径; 10 μm, セルロースの密度; 1.6 g/cm3.

    1 µm 10 µm

    (a) (b)

  • 図 溶媒放出法により得られたセルロース粒子(セルロース/イオン液体/粘度調節剤

    (7/43/50, w/w/w))の超臨界二酸化炭素による乾燥後の走査型電子顕微鏡写真。低

    倍率 (a) および高倍率(b) 。

    比表面積

    371.3 m2/g

    10 µm 1 µm

    放出溶媒 液体CO2 超臨界CO2

    40˚C 溶媒交換

    10 µm 2 µm

    (a) (b)

  • 放出溶媒 洗浄溶媒

    洗浄

    セルロース/汎用ポリマー複合粒子の合成

    (7/43/50, w/w/w)

    セルロース/ イオン液体/ 粘度調節剤

    乾燥

  • モノマー 開始剤

    媒体置換

    放出溶媒 洗浄溶媒

    洗浄

    セルロース/汎用ポリマー複合粒子の合成

    (7/43/50, w/w/w)

    セルロース/ イオン液体/ 粘度調節剤

    重合

    セルロース/汎用ポリマー 複合粒子

  • 77% 65%

    72% 72%

    3 mm

    ポリスチレン

    ポリメタクリル 酸メチル

    100%

    3 mm 3 mm

    100%

    重合

    体積比

    乾燥

    体積比

    図 スポイト滴下により作製したセルロース大粒子を用いて汎用ポリマーを重合させた複合粒子のデジタルカメラ写真。 ポリスチレン系(a, b, c)およびポリメタクリル酸メチル系(a’, b’, c’)。モノマー含有状態(a,a’), 重合後(b,b’), 乾燥後(c, c’)

    3 mm 3 mm 3 mm

    (a)

    (a’)

    (b)

    (b’)

    (c)

    (c’)

    重合 乾燥

  • 80

    0

    40

    0

    12

    00

    16

    00

    20

    00

    24

    00

    28

    00

    32

    00

    36

    00

    40

    00

    Tra

    nsm

    itta

    nce(a

    . u.)

    Wave number [cm-1]

    セルロース/ポリスチレン複合粒子

    cf. セルロース

    cf. ポリスチレン

    図 セルロース/ポリスチレン複合粒子のFT-IRスペクトル

    セルロース ポリスチレン

  • エポキシ樹脂

    複合粒子 (四酸化ルテニウムによる染色)

    図 超薄切片法による粒子断面サンプルの作製

    60~100nm

  • 200 nm 1 µm

    (a) セルロース/ポリスチレン RuO4 染色

    図 セルロースと汎用高分子(a:ポリスチレン,b:ポリメタクリル酸メチル)との複合粒子の超薄切片の透過型電子顕微鏡写真

    200 nm 1 µm

    (b) セルロース/ポリメタクリル酸メチル

  • 図 分子拡散法を利用してモノマーを含有/重合させたミクロンサイズ系の セルロース/ポリメタクリル酸メチル (開始剤:BPO, 分子拡散温度:室温)粒子

    水-メタクリル酸メチル 分散液

    5 h

    70 ℃

    6 h

    安定剤あり

    20 µm

    40 µm

    40 µm

    乾燥

    40 µm

    セルロース粒子 モノマー含有重合前

    重合後 乾燥後

    →実用化に向けては大量生産プロセス確立,複合レベルの改善の必要あり

  • Cellulose solution

    droplets

    SPG membrane

    図 シラスポーラスガラス(SPG)膜乳化キットを用いて作製した大きさの揃った

    セルロース/イオン液体/粘度調節剤滴の光学顕微鏡写真 (a) 及び,それより得ら

    れたセルロース粒子の走査型電子顕微鏡写真 (b)

    20 µm 20 µm

    SPG膜乳化キット

  • イオン液体を利用したセルロース(複合)粒子 の作製とその構造制御

    10 µm 20 µm

    10 µm 5 µm 10 µm

    10 µm

    セルロース濃度 低 高

    2 µm

    2

    µm

    内部孔構造

    「H25 JST A-STEP 探索タイプ」成果

  • 兵庫県立工業技術センター 特許第3787598号、特許第4667538号

    JNC株式会社 ライフケミカル推進室 https://www.jnc-

    corp.co.jp:4430/fine/jp/cellufine/index.

    html

    真球状のセルロース系クロマトグラフィー担体

    吸水・吸油性に優れる天然素材を用いた使用感のよいファンデーション

    セルロース微粒子・複合体の実用例

    http://www.kyoto-

    u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120

    912_1.htm(京都大学)

    セルロースナノファイバー(CNF)を樹脂中に均一分散!

  • 南 G(応用化学専攻 ソフトマター界面創製グループ)

    材料化学

    無機化学

    界面 科学

    イオン液体

    Soft Matter Interface

    Laboratory (SMIL:-)

    ・自己組織化 ・不均一合成

    ・無機/有機複合 ・高熱伝導材料 ・構造制御

    Vibration

    Particle

    Pore

    Kinetic energy

    Shell

    防振/防音材料

    超撥水性表面

    機能性複合材料

    Thermal conductive pathways

    高分子合成 〜スマート材料の創製〜

    機能化

    セルロース

    高熱伝導物質

  • お問い合わせ先

    神戸大学 連携創造本部

    コーディネーター:客員教授 河口範夫

    TEL 078-803-5945

    FAX 078-803-5389

    e-mail : [email protected]

    URL : http://www.innov.kobe-u.ac.jp