「全学オンライン授業...

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マスター タイトルの書式設定 1 「全学オンライン授業 アンケート」の結果概要 東北⼤学 学務審議会 ⾼度教養教育・学⽣⽀援機構 教育評価分析センター(CIR)

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  • マスター タイトルの書式設定

    1

    「全学オンライン授業アンケート」の結果概要東北⼤学

    学務審議会⾼度教養教育・学⽣⽀援機構 教育評価分析センター(CIR)

  • マスター タイトルの書式設定

    2

    調査の概要

    2

    学⽣調査 教員調査• 調査名称︓ 「全学オンライン授業アンケート(学⽣向け)」• 実施期間︓2020年6⽉11⽇〜25⽇• 調査⽅法︓Google Form• 質問項⽬︓下記21項⽬

    1-1〜1-10 履修コマ数と学修時間について2〜3 会話時間やストレスについて4〜6 情報技術とその影響について7〜8 学修の充実度について9〜12 授業・運営体制に関する⾃由記述

    • 回答総数︓4,063• 回答率︓ 22.4%

    • 調査名称︓ 「全学オンライン授業アンケート(教員向け)」• 実施期間︓2020年6⽉11⽇〜25⽇• 調査⽅法︓Google Form• 質問項⽬︓下記21項⽬

    1-1〜1-10 担当コマ数と投下時間について2〜3 会話時間やストレスについて4〜6 情報技術とその影響について7〜8 教育の充実度について9〜12 授業・運営体制に関する⾃由記述

    • 回答総数︓ 1,023 (うち教員回答数: 966)• 回答率︓ 約30%(推定値)

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    3

    学⽣調査

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    4

    回答数と回答率

    4

    • 学部学⽣の回答率は27.7%• ⼤学院⽣の回答率は14.8%• 全体としては22.4%の回答率であった

    学部学生297773.3%

    大学院生, 104525.7%

    その他, 41, 1.0%

    回答学生種別

    4063件の回答

    22.4%27.7%

    14.8%11.8%

    0.0%

    5.0%

    10.0%

    15.0%

    20.0%

    25.0%

    30.0%

    35.0%

    40.0%

    45.0%

    50.0%

    全学オンライン授業アンケート回答率(学⽣向け)4063件の回答

  • マスター タイトルの書式設定

    5

    授業タイプ別平均履修コマ数(学部)

    5

    • 全体としてはオンデマンド型の受講が最も多い

    • 2年⽣以降ではリアルタイム型の授業の受講も増え、オンデマンド型を上回る場合もある

    • 講義資料型は学年による差は少ない

    3.9

    5.2

    7.0

    2.9 2.9

    5.6 4.8

    12.9

    7.3

    5.9

    2.2

    8.3

    1.3

    8.7

    2.0 1.9 1.8

    0.5

    2.2 1.5 1.8

    0.0

    2.0

    4.0

    6.0

    8.0

    10.0

    12.0

    14.0

    1年 2年 3年 4年 5年 6年 学部全体

    1-1. リアルタイム授業の履修コマ数(単位:コマ) 1-4. オンデマンド授業の履修コマ数(単位:コマ)1-7. 講義資料による授業の履修コマ数(単位:コマ)

  • マスター タイトルの書式設定

    6

    授業タイプ別平均授業内学修時間(学部)

    6

    • 授業内学修時間は、全体としては、履修コマ数にほぼ⽐例したものとなっている

    • ⼀コマあたりの授業内学修時間は、全体としては講義資料型が若⼲短い

    5.1

    9.2 11.5

    6.9 4.7

    15.7

    7.7

    18.6

    12.4

    9.6

    6.1

    11.2

    1.0

    14.4

    3.2 3.4 5.3

    2.8

    5.5 3.5 3.6

    0.02.04.06.08.0

    10.012.014.016.018.020.0

    1年 2年 3年 4年 5年 6年 学部全体

    1-2. リアルタイム授業に参加していた時間(単位:時間)1-5. オンデマンド授業の教材を視聴していた時間(単位:時間)

    1-8. 講義資料による授業の教材を精読していた時間(単位:時間)

    1.2

    1.6 1.5

    1.8

    1.0 1.2

    1.4 1.4 1.6

    1.3 1.3 1.2

    0.1

    1.5

    1.1 1.2 1.3

    1.1 0.9

    0.6

    1.2

    0.00.20.40.60.81.01.21.41.61.82.0

    1年 2年 3年 4年 5年 6年 学部全体

    1-2. リアルタイム授業に参加していた一コマあたりの時間(単位:時間)

    1-5. オンデマンド授業の教材を視聴していた一コマあたりの時間(単位:時間)

    1-8. 講義資料による授業の教材を精読していた一コマあたりの時間(単位:時間)

    ※6年⽣で、オンデマンド型を履修していたと回答した学⽣は1名だったため要注意

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    7

    授業タイプ別平均授業外学修時間(学部)

    7

    • 講義資料型の授業外学修時間は、リアルタイム型やオンデマンド型と⽐較すると若⼲⻑い

    • 特に⾼学年で講義資料型を受講した場合は、授業外学習に費やす時間が⻑くなる傾向がある

    • リアルタイム型とオンデマンド型の授業外学修時間にはあまり違いはない

    • 授業外学修時間を、授業内学修時間と⽐較した場合、リアルタイム型とオンデマンド型は若⼲短く、講義資料型は若⼲⻑い

    5.1 6.8

    12.3

    5.3 2.7

    14.1

    7.1

    16.0

    9.0 10.4

    4.6

    10.2

    30.0

    12.3

    4.1 3.9 8.3

    5.9 7.8 11.8

    4.8

    0.0

    5.0

    10.0

    15.0

    20.0

    25.0

    30.0

    35.0

    1年 2年 3年 4年 5年 6年 学部全体

    1-3. リアルタイム授業の予習・復習や課題に取り組んでいた時間(単位:時間)

    1-6.オンデマンド授業の予習・復習や課題に取り組んでいた時間(単位:時間)

    1-9. 講義資料による授業の予習・復習や課題に取り組んでいた時間(単位:時間)

    1.2 1.2

    1.6 1.4

    0.6

    1.1 1.3 1.2 1.2

    1.4

    1.0 1.1

    1.5 1.2

    1.4 1.4

    2.0

    2.4

    1.3

    2.0

    1.6

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    1年 2年 3年 4年 5年 6年 学部全体

    1-3. リアルタイム授業の予習・復習や課題に取り組んでいた一コマあたりの時間(単位:時間)

    1-6.オンデマンド授業の予習・復習や課題に取り組んでいた一コマあたりの時間(単位:時間)

    1-9. 講義資料による授業の予習・復習や課題に取り組んでいた一コマあたりの時間(単位:時間)

    ※6年⽣で、オンデマンド型を履修していたと回答した学⽣は1名だったため要注意

  • マスター タイトルの書式設定

    8

    その他学修時間、会話時間

    8

    • その他の学修時間(研究活動を含む)は⾼学年時で⻑くなる傾向

    • 会話の時間は各学年とも⼀定の時間を確保できており、特定の学年が孤⽴しがちということはない

    1.4 1.8 1.7

    12.0

    8.8

    12.4

    2.8

    12.3 11.7

    13.8

    11.1

    14.7

    25.1

    12.4

    0.0

    5.0

    10.0

    15.0

    20.0

    25.0

    30.0

    1年 2年 3年 4年 5年 6年 学部全体

    1-10.その他、東北大学での学修(研究に関わる活動を含む)に費やした時間(ない場合は0と回答)(単位:時間)

    2. 6月1日からの1週間において対面で人(家族含む)と会話した時間(単位:時間)

  • マスター タイトルの書式設定

    9

    今後の希望―対⾯かオンラインか

    9

    • 全体として、オンライン化の推進には肯定的

    • 1年⽣では対⾯形式の希望が相対的に多いが、⼀度も⼤学での対⾯型授業を経験できていない状況を考えると妥当

    • 授業形態への要求のなかに、キャンパスへの通学によってもたらされるはずの様々な恩恵への要求が混ざっている可能性あり

    14.8

    6.2

    4.4

    2.8

    0.0

    6.3

    9.0

    31.8

    18.0

    15.3

    17.4

    0.0

    12.5

    23.0

    39.9

    47.1

    48.1

    54.7

    72.7

    68.8

    45.4

    9.2

    20.4

    24.9

    18.0

    27.3

    6.3

    16.4

    4.2

    8.4

    7.2

    7.0

    0.0

    6.3

    6.2

    0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0

    1年

    2年

    3年

    4年

    5年

    6年

    学部全体

    すべてが対面形式 主として対面形式 併用(授業形態によって変える)

    主としてオンライン形式 すべてがオンライン形式

  • マスター タイトルの書式設定

    10

    その他の評価

    10

    • 1年⽣は他の学年と⽐べると、全般的に評価が若⼲低い

    • PCや情報機器の操作は、全体の平均が3を下回っており、特に低学年ほど苦⼿意識がある可能性がある

    • 学修の充実感については、1年⽣のみ平均が3を下回っている。横のつながりの不⾜が原因の可能性あり

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    3.5

    4.0

    4.5

    5.0

    1年 2年 3年 4年 5年 6年 学部全体

    4. 情報技術による日常生活の変革に関心がある

    5. PCや情報機器の操作が得意である

    6. 今般のオンライン授業の実施は,学修の仕方を考える良い機会である

    7. 6月1日から1週間の学修は充実していた

    8. これまでのところ,今学期の学修は充実している

  • マスター タイトルの書式設定

    11

    教員調査

  • マスター タイトルの書式設定

    12

    教育状況1︓担当コマ数による授業形態の違い

    12

    0.42 0.83

    1.791.98

    2.74.12

    0.46 0.9

    0.9

    1.162.22

    4.89

    0.12 0.28 0.320.85 1.4

    5.2

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    講義資料のみ

    オンデマンド

    リアルタイム

    • 授業担当者︓n=785, 教員の81%• 授業担当者の平均担当コマ数︓3.4• 担当コマ数の分布は下表の通り

    • 1~2コマ担当者は同傾向• 4コマ以上になると講義資料のみが増加• 10コマ以上だとリアルタイムは3割弱

    1 2 3 4 5~ 10~n 211 185 107 116 130 36% 21.8 19.2 11.1 12.0 13.5 3.7

  • マスター タイトルの書式設定

    1313

    • 値は当該形態担当者の平均値• 授業時間︓オンデマンドは録画時間,

    講義資料のみは資料を作成する時間• 1コマあたりの投下時間は下表の通り

    • 授業形態により投下時間のバランスは異なるが,合計時間には⼤差はない

    教育状況2︓授業形態による違い

    4.5

    6.3

    9.99

    7.8

    6

    2.32.2

    2.5

    0

    2.5

    5

    7.5

    10

    12.5

    15

    0

    0.5

    1

    1.5

    2

    2.5

    3

    リアルタイムn=497

    オンデマンドn=440

    講義資料のみn=233

    授業時間 準備時間 コマ数(左軸)

    リアルタイム

    オンデマンド

    講義資料のみ

    授業時間 2.0 2.9 4.0準備時間 3.9 3.6 2.4合計 5.9 6.5 6.4

  • マスター タイトルの書式設定

    1414

    • 「常に感じた」+「時々感じた」の⽐率は,4コマ以上担当69.2%1~3コマ担当62.6%授業担当なし44.2%

    • 質問⽂は,「6⽉1⽇からの1週間におけるストレス」であり,教育に特化して聞いているわけではないが,授業担当状況と相関あり

    • ただし,合計担当コマ数とストレス間の相関は,r=-.173

    • 授業担当者だけに絞ると,r=.132

    ストレス [n=966]

    19

    93

    84

    61

    222

    111

    81

    142

    68

    20

    46

    19

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    授業担当なし

    1~3コマ担当

    4コマ以上担当

    常に感じた 時々感じた あまり感じなかった 感じなかった

  • マスター タイトルの書式設定

    1515

    • 全体の64.1%は「併⽤」(授業形態によって変える)を選択

    • 従前がほぼ「全て対⾯」だったことを考慮すると,オンライン授業のメリットを感じているとも⾔える

    • ちなみに「今般のオンライン授業の実施は,教育の仕⽅を考える良い機会」と⾔えるかを問うたところ,全体の78%が肯定的回答(5段階で4以上)

    • コマ数が少ない授業担当者の⽅が,対⾯への憧憬が強い︖

    今後の希望 [n=966]

    34

    128

    57

    129

    307

    183

    10

    29

    18

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    授業担当なし

    1~3コマ担当

    4コマ以上担当

    全て対面 主に対面 併用 主にオンライン 全てオンライン

  • マスター タイトルの書式設定

    16

    学⽣調査・教員調査の⾃由記述から

  • マスター タイトルの書式設定

    17

    学⽣調査の⾃由記述から―頻出トピックの抽出を頼りに

    17

    肯定的・好意的側⾯

    • オンデマンド型による内容理解・復習の容易さ• 移動・勉強の時間・労⼒節約、効率向上• Google Classroomの使い易さ• 早期の試⾏期間の設定• 迅速なオンライン授業の整備・提供

    不安や不満

    • 課題の多さ→主体的学びを制約• 評価⽅法の不明瞭さ• 動画配信のサイト、⽅法、タイミング(時間

    割通りの配信希望)• Wifi環境→プライバシー露⾒の危惧• ⽬の疲労、頭痛、肩こり• ⽣活(受講)のリズム→疲れやストレス• ISTUとGoogle Classroomとの不統⼀

  • マスター タイトルの書式設定

    18

    学⽣調査の⾃由記述から―授業の改善に向けて

    18

    学⽣の声を反映させたオンライン授業の改善ポイント

    • 教育オンライン化は、同時に学⽣の履修コマ数の適正化を組み合わせることで、授業外学習を促して単位の実質化を進める機会となり得る。

    • リアルタイム型では、適度に休憩を⼊れる、録画で⾒直せるようにする等、学⽣の疲労、学習利便性、⾃律的学習の促進に配慮が必要。

    • 学⽣の⾃律的・主体的学びや復習を促すために、リアルタイム型では授業PPTや資料の提供、オンデマンド型では早めの動画配信、講義資料型では丁寧な説明を⼼掛ける。

    • ISTUについては、倍速視聴ができない、⾳声が⼩さい、⿊板の⽂字が⾒えにくい、録画が翌⽇配信になってしまうといった声が共通して聞かれる。

    • 学⽣が質問等をしやすい環境やルートを意識的に準備する。

  • マスター タイトルの書式設定

    19

    教員調査の⾃由記述から―頻出トピックの抽出を頼りに

    19

    肯定的・好意的側⾯

    • 東北⼤学における授業オンライン化、学⽣⽀援に関する決断と対応の迅速さ

    • オンライン授業実施に対する丁寧なサポートや情報提供(ETA活⽤を含む)

    • ISTUの整備・機能、G Suite契約の先⾒性、Google Classroomの使い易さ

    • オンデマンド型授業の効率性、教育効果• Form等による学⽣の意⾒収集の容易さ

    不安や不満

    • オンライン授業の教育効果に対する疑念(PBL、グループワーク、実習等の難しさ)

    • 学⽣の反応把握の難しさ、伝わらなさ• 試験の実施⽅法や成績評価の⽅法• 複数のプラットフォームの連携不⾜、ユーザーフレ

    ンドリーでないこと• オンライン化に際してのサポート不⾜• Google Classroomの使い難さ• 授業GP(好事例)共有への期待• 10⽉以降の授業⽅法

  • マスター タイトルの書式設定

    20

    教員調査の⾃由記述から―教育研究の改善に向けて

    20

    授業オンライン化やその運営に対する教員の期待・提案

    • コロナ終息後、平常時においても教育オンライン化を推進していくことへの期待。• 各教員の裁量や⼯夫の余地が与えられたことで、部局の事情に沿った取組が可能になった。• オンライン授業に⽤いる多様なプラットフォームの整備と相互連携を進め、教員や部局のニー

    ズに沿った授業展開を可能に。(⼀部に、プラットフォームの統⼀を求める声もある)• 教育オンライン化による学⽣への教育効果の把握が必要。• 教育オンライン化が教育活動の効率化や研究活動等の時間確保をもたらすことへの期待。• オンライン化された授業コンテンツが東北⼤学の資産として活⽤できるように。特にオンデマンド

    型は繰り返し使⽤できることで効率性、学習効果の向上に期待。• オンライン化に伴うコンテンツ流⽤の危惧、著作権処理を徹底する必要。

  • マスター タイトルの書式設定

    21

    まとめ

    21

    • 教育オンライン化に対する評価︓ 本学の教育オンライン化に関する迅速な決断に対する評価が⾼く、実際の準備・運営やサポー

    トの担当者に対する感謝の声が聞かれる。• オンライン授業の利点と課題︓ 「オンデマンド型」や「リアルタイム型の録画提供」は、学⽣の学習利便性を⾼め、⾃律的・主体

    的学び、復習を促す可能性がある。 単位の実質化の観点から、履修コマ数を適正化し、課題をこなす時間的余裕を確保させること

    が必要。 オンライン授業のみの場合、学⽣・教員共に疲労感があることに留意。

    • 今後の授業形態︓ 多くの学⽣・教員が、今後の授業形態として「対⾯・オンライン併⽤」を希望。

    • 教育オンライン化への期待︓ アフターコロナ時代の新たな⼤学教育を⾒据え、「オンライン授業」の積極的活⽤・展開への

    期待が⾼い。