医薬品インタビューフォーム ZOPICLONE …2013年8月(新様式第1版)...

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2013 8 (新様式第 1 ) 日本標準商品分類番号:871129 医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会の IF 記載要領 2008 に準拠して作成 ZOPICLONE Tab.7.5mgTab.10mgAMELゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:片面割線入りフィルムコーティング錠 ゾピクロン錠 10mg「アメル」:片面割線入りフィルムコーティング錠 製剤の規制区分 習慣性医薬品(注意-習慣性あり) 処方せん医薬品(注意-医師等の処方せんにより使用すること) 格・含 ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:1 錠中、ゾピクロン 7.5mg を含有する。 ゾピクロン錠 10mg「アメル」:1 錠中、ゾピクロン 10mg を含有する。 和名:ゾピクロン 洋名:Zopiclone 製造販売承認年月日・ 薬価基準収載・発売年月日 製造販売承認年月日: ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:2013 2 15 ゾピクロン錠 10mg「アメル」:2013 2 15 薬価基準収載年月日: ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:2013 6 21 ゾピクロン錠 10mg「アメル」:2013 6 21 ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:2013 8 ゾピクロン錠 10mg「アメル」:2013 8 開発・製造販売(輸入)提携・販売会社名 製造販売元:共和薬品工業株式会社 医薬情報担当者の連絡先 問い合わせ窓口 共和薬品工業株式会社 営業本部 営業推進部 学術情報課 TEL.0120-041189(フリーダイヤル) FAX.06-6308-0334 受付時間:9 時~ 17 45 (土日祝祭日除く) 医療関係者向けホームページ http://www.kyowayakuhin.co.jp/amel-di/ IF 2013 2 月作成の添付文書の記載に基づき作成した。 最新の添付文書情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページ http://www.info.pmda.go.jp/ にてご確認ください。

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2013 年 8 月(新様式第 1 版) 日本標準商品分類番号:871129

医薬品インタビューフォーム日本病院薬剤師会の IF 記載要領 2008 に準拠して作成

ZOPICLONE Tab.7.5mg・Tab.10mg「AMEL」

剤 形ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:片面割線入りフィルムコーティング錠

ゾピクロン錠 10mg「アメル」:片面割線入りフィルムコーティング錠

製剤の規制区分習慣性医薬品(注意-習慣性あり)

処方せん医薬品(注意-医師等の処方せんにより使用すること)

規 格・含 量ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:1 錠中、ゾピクロン 7.5mg を含有する。

ゾピクロン錠 10mg「アメル」:1 錠中、ゾピクロン 10mg を含有する。

一 般 名和名:ゾピクロン

洋名:Zopiclone

 製造販売承認年月日・

薬価基準収載・発売年月日

製造販売承認年月日:ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:2013 年 2 月 15 日ゾピクロン錠 10mg「アメル」:2013 年 2 月 15 日

薬価基準収載年月日:ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:2013 年 6 月 21 日ゾピクロン錠 10mg「アメル」:2013 年 6 月 21 日

発 売 年 月 日ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:2013 年 8 月ゾピクロン錠 10mg「アメル」:2013 年 8 月

 開発・製造販売(輸入)・ 提携・販売会社名

製造販売元:共和薬品工業株式会社

医薬情報担当者の連絡先

問い合わせ窓口

共和薬品工業株式会社 営業本部 営業推進部 学術情報課

TEL.0120-041189(フリーダイヤル) FAX.06-6308-0334受付時間:9 時~ 17 時 45 分(土日祝祭日除く)

医療関係者向けホームページ http://www.kyowayakuhin.co.jp/amel-di/

本 IF は 2013 年 2 月作成の添付文書の記載に基づき作成した。

新の添付文書情報は、医薬品医療機器情報提供ホームページ

http://www.info.pmda.go.jp/ にてご確認ください。

 

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IF 利用の手引きの概要  ー日本病院薬剤師会ー

1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯

医療用医薬品の基本的な要約情報として医療用医薬品添付文書(以下,添付文書と略

す)がある。医療現場で医師・薬剤師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正

使用情報を活用する際には,添付文書に記載された情報を裏付ける更に詳細な情報が

必要な場合がある。

医療現場では,当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者等に情報の追加請求

や質疑をして情報を補完して対処してきている。この際に必要な情報を網羅的に入手

するための情報リストとしてインタビューフォームが誕生した。

昭和 63 年に日本病院薬剤師会(以下,日病薬と略す)学術第 2 小委員会が「医薬品イ

ンタビューフォーム」(以下,IF と略す)の位置付け並びに IF 記載様式を策定した。そ

の後,医療従事者向け並びに患者向け医薬品情報ニーズの変化を受けて,平成 10 年 9月に日病薬学術第 3 小委員会において IF 記載要領の改訂が行われた。

更に 10 年が経過した現在,医薬品情報の創り手である製薬企業,使い手である医療

現場の薬剤師,双方にとって薬事・医療環境は大きく変化したことを受けて,平成 20年 9 月に日病薬医薬情報委員会において新たな IF 記載要領が策定された。

2.IF とは

IF は「添付文書等の情報を補完し,薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要

な,医薬品の品質管理のための情報,処方設計のための情報,調剤のための情報,医薬品

の適正使用のための情報,薬学的な患者ケアのための情報等が集約された総合的な個

別の医薬品解説書として,日病薬が記載要領を策定し,薬剤師等のために当該医薬品の

製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。

ただし,薬事法・製薬企業機密等に関わるもの,製薬企業の製剤努力を無効にするも

の及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない。言

い換えると,製薬企業から提供された IF は,薬剤師自らが評価・判断・臨床適応する

とともに,必要な補完をするものという認識を持つことを前提としている。

[IF の様式]

①規格は A4 版,横書きとし,原則として 9 ポイント以上の字体(図表は除く)で記載

し,一色刷りとする。ただし,添付文書で赤枠・赤字を用いた場合には,電子媒体で

はこれに従うものとする。

②IF 記載要領に基づき作成し,各項目名はゴシック体で記載する。

③表紙の記載は統一し,表紙に続けて日病薬作成の「IF 利用の手引きの概要」の全文

を記載するものとし,2 頁にまとめる。

[IF の作成]

①IF は原則として製剤の投与経路別(内用剤,注射剤,外用剤)に作成される。

②IF に記載する項目及び配列は日病薬が策定した IF 記載要領に準拠する。

③添付文書の内容を補完するとの IF の主旨に沿って必要な情報が記載される。

④製薬企業の機密等に関するもの,製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤

師をはじめ医療従事者自らが評価・判断・提供すべき事項については記載されな

い。

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⑤「医薬品インタビューフォーム記載要領 2008」(以下,「IF 記載要領 2008」と略す)

により作成された IF は,電子媒体での提供を基本とし,必要に応じて薬剤師が電

子媒体(PDF)から印刷して使用する。企業での製本は必須ではない。

[IF の発行]

①「IF 記載要領 2008」は,平成 21 年 4 月以降に承認された新医薬品から適用となる。

②上記以外の医薬品については,「IF 記載要領 2008」による作成・提供は強制される

ものではない。

③使用上の注意の改訂,再審査結果又は再評価結果(臨床再評価)が公表された時点

並びに適応症の拡大等がなされ,記載すべき内容が大きく変わった場合には IF が

改訂される。

3.IF の利用にあたって

「IF 記載要領 2008」においては,従来の主に MR による紙媒体での提供に替え,PDFファイルによる電子媒体での提供を基本としている。情報を利用する薬剤師は,電子媒

体から印刷して利用することが原則で,医療機関での IT 環境によっては必要に応じて

MR に印刷物での提供を依頼してもよいこととした。

電子媒体の IF については,医薬品医療機器総合機構の医薬品医療機器情報提供ホー

ムページに掲載場所が設定されている。

製薬企業は「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」に従って作成・提供する

が,IF の原点を踏まえ,医療現場に不足している情報や IF 作成時に記載し難い情報等

については製薬企業の MR 等へのインタビューにより薬剤師等自らが内容を充実さ

せ,IF の利用性を高める必要がある。また,随時改訂される使用上の注意等に関する事

項に関しては,IF が改訂されるまでの間は,当該医薬品の製薬企業が提供する添付文

書やお知らせ文書等,あるいは医薬品医療機器情報配信サービス等により薬剤師等自

らが整備するとともに,IF の使用にあたっては, 新の添付文書を医薬品医療機器情

報提供ホームページで確認する。

なお,適正使用や安全性の確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での

発売状況」に関する項目等は承認事項に関わることがあり,その取扱いには十分留意す

べきである。

4.利用に際しての留意点

IF を薬剤師等の日常業務において欠かすことができない医薬品情報源として活用し

て頂きたい。しかし,薬事法や医療用医薬品プロモーションコード等による規制によ

り,製薬企業が医薬品情報として提供できる範囲には自ずと限界がある。IF は日病薬

の記載要領を受けて,当該医薬品の製薬企業が作成・提供するものであることから,記

載・表現には制約を受けざるを得ないことを認識しておかなければならない。

また製薬企業は,IF があくまでも添付文書を補完する情報資材であり,今後インタ

ーネットでの公開等も踏まえ,薬事法上の広告規制に抵触しないよう留意し作成され

ていることを理解して情報を活用する必要がある。

(2008 年 9 月)

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目 次

Ⅰ.概要に関する項目

1.開発の経緯........................................ 12.製品の治療学的・製剤学的特性....... 1

Ⅱ.名称に関する項目

1.販売名............................................... 22.一般名............................................... 23.構造式又は示性式............................. 24.分子式及び分子量............................. 25.化学名(命名法)............................... 26.慣用名,別名,略号,記号番号............. 37.CAS 登録番号................................... 3

Ⅲ.有効成分に関する項目

1.物理化学的性質................................. 42.有効成分の各種条件下における

安定性............................................... 53.有効成分の確認試験法...................... 54.有効成分の定量法............................. 5

Ⅳ.製剤に関する項目

1.剤 形............................................... 62.製剤の組成........................................ 63.懸濁剤,乳剤の分散性に対する

注意................................................... 74.製剤の各種条件下における安定

性...................................................... 75.調製法及び溶解後の安定性............. 116.他剤との配合変化(物理化学的

変化)............................................. 117.溶出性............................................. 118.生物学的試験法............................... 159.製剤中の有効成分の確認試験法..... 15

10.製剤中の有効成分の定量法............. 1511.力 価............................................. 1512.混入する可能性のある夾雑物......... 1613.治療上注意が必要な容器に関す

る情報............................................. 1614.その他............................................. 16

Ⅴ.治療に関する項目

1.効能又は効果.................................. 172.用法及び用量.................................. 173.臨床成績......................................... 17

Ⅵ.薬効薬理に関する項目

1.薬理学的に関連ある化合物又は

化合物群......................................... 192.薬理作用......................................... 19

Ⅶ.薬物動態に関する項目

1.血中濃度の推移・測定法................ 202.薬物速度論的パラメータ................ 233.吸 収............................................. 234.分 布............................................. 235.代 謝............................................. 246.排 泄............................................. 257.透析等による除去率....................... 25

Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目

1.警告内容とその理由....................... 262.禁忌内容とその理由(原則禁忌

を含む)........................................... 263.効能又は効果に関連する使用上

の注意とその理由........................... 264.用法及び用量に関連する使用上

の注意とその理由........................... 265.慎重投与内容とその理由................ 266.重要な基本的注意とその理由及

び処置方法...................................... 277.相互作用......................................... 278.副作用............................................. 289.高齢者への投与............................... 29

10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与......... 2911.小児等への投与............................... 3012.臨床検査結果に及ぼす影響............. 3013.過量投与......................................... 3014.適用上の注意.................................. 3015.その他の注意.................................. 31

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16.その他............................................. 31

Ⅸ.非臨床試験に関する項目

1.薬理試験......................................... 322.毒性試験......................................... 32

Ⅹ.管理的事項に関する項目

1.規制区分......................................... 332.有効期間又は使用期限.................... 333.貯法・保存条件............................... 334.薬剤取扱い上の注意点.................... 335.承認条件等...................................... 336.包 装............................................. 337.容器の材質...................................... 338.同一成分・同効薬........................... 349.国際誕生年月日............................... 34

10.製造販売承認年月日及び承認番

号.................................................... 3411.薬価基準収載年月日....................... 3412.効能又は効果追加,用法及び用

量変更追加等の年月日及びその

内容................................................. 3413.再審査結果,再評価結果公表年

月日及びその内容........................... 3414.再審査期間...................................... 3415.投薬期間制限医薬品に関する情

報.................................................... 3416.各種コード...................................... 3517.保険給付上の注意........................... 35

ⅩⅠ.文献

1.引用文献......................................... 362.その他の参考文献........................... 36

ⅩⅡ.参考資料

1.主な外国での発売状況.................... 372.海外における臨床支援情報............. 37

ⅩⅢ.備考

その他の関連資料........................... 38

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Ⅰ.概要に関する項目

1.開発の経緯

ゾピクロンは、1971 年にローヌ・プーラン社で開発されたシクロピロロン系誘導体の一つ

で、ベンゾジアゼピン系とは全く異なった化学構造を有するが、薬理学的プロフィールは類似

している。臨床的には深睡眠(徐波睡眠)を増やし、レム睡眠にはほとんど影響しないことか

ら、自然に近い睡眠をもたらすとされている。1)

スローハイム錠 7.5、錠 10 は、共和薬品工業株式会社が後発医薬品として開発を企画し、「医

薬品の製造又は輸入の承認申請に際し添付すべき資料について(昭和 55 年 5 月 30 日 薬発第

698 号)」に基づき規格及び試験方法を設定、加速試験、生物学的同等性試験を実施し、平成 10 年

1 月に承認を取得して翌年 9 月に上市した。

なお、医療事故防止のため、平成 25 年 2 月 15 日に販売名を「スローハイム錠 7.5、錠 10」から

『ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」、錠 10mg「アメル」』として代替新規承認を取得し、同年 6 月

に薬価収載された。

2.製品の治療学的・製剤学的特性

(1)レム睡眠には影響せずに深睡眠の減少を回復し、睡眠・覚醒のリズムを改善する。2)

(2)作用の持続時間(血中濃度半減期)が短いため、いわゆる残遺効果が少ない。2)

(3)睡眠薬としての効力と運動機能に対する抑制作用とがよく解離しており、臨床上の有用

性と安全性が示唆される。2)

(4)速やかな入眠作用を有し、また不眠症患者にみられる乱れた睡眠パターンを改善し、自然

な眠りを回復する不眠症の治療薬である。3)

(5)主な副作用は、にがみ、ふらつき、眠気、口渇、倦怠感、頭重、頭痛、嘔気、不快感、めまい等で

ある。

(6)重大な副作用として、依存性、呼吸抑制、肝機能障害、精神症状、意識障害、一過性前向性健

忘、もうろう状態、アナフィラキシー様症状があらわれることがある。

-1-

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Ⅱ.名称に関する項目

1.販売名

(1)和 名:

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

ゾピクロン錠 10mg「アメル」

(2)洋 名:

ZOPICLONE Tab.7.5mg「AMEL」ZOPICLONE Tab.10mg「AMEL」

(3)名称の由来:

本剤の一般名「ゾピクロン」、共和薬品工業㈱の屋号「アメル」(AMEL)に由来する。

2.一般名

(1)和名(命名法):

ゾピクロン(JAN)

(2)洋名(命名法):

Zopiclone(JAN,INN)

(3)ステム:

睡眠性精神安定薬:-clone(hypnotic tranquillizer)

3.構造式又は示性式

4.分子式及び分子量

分子式:C17H17ClN 6 O3

分子量:388.81

5.化学名(命名法)

(±)-6-(5-Chloro-2-pyridyl)-6,7-dihydro-7-[(4-methyl-1-piperazinyl)carboxy]-5H-

pyrrolo[3,4-b]pyrazin-5-one(IUPAC)-2-

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6.慣用名,別名,略号,記号番号

特になし

7.CAS 登録番号

43200-80-2(Zopiclone)

-3-

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Ⅲ.有効成分に関する項目

1.物理化学的性質

(1)外観・性状:

白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。

(2)溶解性:

溶 媒 日局表現

クロロホルム 溶けやすい

N,N-ジメチルホルムアミド酢酸(100)無水酢酸

やや溶けやすい

アセトニトリルアセトンメタノール

やや溶けにくい

エタノール(95) 溶けにくい

ジエチルエーテル2-プロパノール

極めて溶けにくい

水 ほとんど溶けない

0.1mol/L 塩酸試液に溶ける。

(3)吸湿性:

該当資料なし

(4)融点(分解点),沸点,凝固点:

融点:175 ~ 178℃

(5)酸塩基解離定数:

pKa:6.8(滴定法)

(6)分配係数:

該当資料なし

(7)その他の主な示性値:

旋光性を示さない。

光によって徐々に着色する。

-4-

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2.有効成分の各種条件下における安定性

液性(pH):0.1mol/L 塩酸溶液は 24 時間は安定である。

光 :0.1mol/L 塩酸溶液は約 1000lx 白色蛍光燈下で 24 時間は安定である。

直射日光下では、固体の状態で 24 時間後にごくわずかに分解物の増加が認めら

れる。

3.有効成分の確認試験法

(1)炎色反応試験法(2)(2)Vongerichten 反応による呈色反応

(3)紫外可視吸光度測定法

(4)赤外吸収スペクトル測定法(臭化カリウム錠剤法)

4.有効成分の定量法

電位差滴定法 (0.1mol/L 過塩素酸 1mL=38.881mgC17H17ClN6O3)

-5-

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Ⅳ.製剤に関する項目

1.剤 形

(1)剤形の区別,規格及び性状:

(2)製剤の物性:

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

硬度:20.5N(2.0kg)以上

ゾピクロン錠 10mg「アメル」

硬度:29.4N(3.0kg)以上

(3)識別コード:

Ⅳ-1-(1) 参照

錠剤本体、PTP 包装資材に表示。

(4)pH,浸透圧比,粘度,比重,無菌の旨及び安定な pH 域等:

該当資料なし

2.製剤の組成

(1)有効成分(活性成分)の含量:

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

1 錠中、ゾピクロン 7.5mg を含有する。

ゾピクロン錠 10mg「アメル」

1 錠中、ゾピクロン 10mg を含有する。

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(2)添加物:

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」、錠 10mg「アメル」

リン酸水素カルシウム水和物、乳糖水和物、コムギデンプン、デンプングリコール酸ナ

トリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン

(3)その他:

該当資料なし

3.懸濁剤,乳剤の分散性に対する注意

該当しない

4.製剤の各種条件下における安定性

(1)長期保存試験での安定性 4):

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」、錠 10mg「アメル」で実施した長期保存試験での安定性

試験方法及び結果は次のとおりである。

試験区分 長期保存試験

試験期間 36 ヵ月

試験条件 温度:成り行き、湿度:成り行き

包装形態 PTP 包装、バラ包装

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

1)PTP 包装品*(n=1)試験項目 規 格 開始時 36 ヵ月

性  状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 103% 100%

定量試験 95.0 ~ 105.0% 101.0% 99.0%

*PTP 包装品:未包装バルク製剤をポリ塩化ビニルフィルム、アルミニウム箔で PTP 包装したもの。

2)バラ包装品*(n=1)

試験項目 規 格 開始時 36 ヵ月

性  状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 103% 100%

定量試験 95.0 ~ 105.0% 101.0% 100.0%

*バラ包装品:未包装バルク製剤を褐色ポリエチレン瓶に入れ、密栓したもの。

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ゾピクロン錠 10mg「アメル」

1)PTP 包装品*(n=1)試験項目 規 格 開始時 36 ヵ月

性  状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 102% 97%

定量試験 95.0 ~ 105.0% 102.0% 101.0%

*PTP 包装品:未包装バルク製剤をポリ塩化ビニルフィルム、アルミニウム箔で PTP 包装したもの。

2)バラ包装品*(n=1)

試験項目 規 格 開始時 36 ヵ月

性  状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 102% 102%

定量試験 95.0 ~ 105.0% 102.0% 102.0%

*バラ包装品:未包装バルク製剤を褐色ポリエチレン瓶に入れ、密栓したもの。

(2)加速試験での安定性 4):

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」、錠 10mg「アメル」で実施した加速試験での安定性試験

方法及び結果は次のとおりである。

試験区分 加速試験

試験期間 6 ヵ月

試験条件 温度:40±1℃、湿度:75±5%RH

包装形態 PTP 包装、バラ包装品

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

1)PTP 包装品(n=9)試験項目 規 格 開始時 2 ヵ月 4 ヵ月 6 ヵ月

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし 変化なし 変化なし

溶出試験 日局 溶出試験 適合 適合 適合 適合

定量試験 95.0 ~ 105.0% 100.2% 99.8% 100.3% 99.5%

*PTP 包装品:未包装バルク製剤をポリ塩化ビニルフィルム、アルミニウム箔で PTP 包装したもの。

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2)バラ包装品(n=9)試験項目 規 格 開始時 2 ヵ月 4 ヵ月 6 ヵ月

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし 変化なし 変化なし

溶出試験 日局 溶出試験 適合 適合 適合 適合

定量試験 95.0 ~ 105.0% 99.9% 100.0% 99.6% 99.8%

*バラ包装品:未包装バルク製剤を褐色ポリエチレン瓶に入れ、密栓したもの。

ゾピクロン錠 10mg「アメル」

1)PTP 包装品(n=9)試験項目 規 格 開始時 2 ヵ月 4 ヵ月 6 ヵ月

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし 変化なし 変化なし

溶出試験 日局 溶出試験 適合 適合 適合 適合

定量試験 95.0 ~ 105.0% 99.1% 98.8% 99.7% 98.7%

*PTP 包装品:未包装バルク製剤をポリ塩化ビニルフィルム、アルミニウム箔で PTP 包装したもの。

2)バラ包装品(n=9)

試験項目 規 格 開始時 2 ヵ月 4 ヵ月 6 ヵ月

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし 変化なし 変化なし

溶出試験 日局 溶出試験 適合 適合 適合 適合

定量試験 95.0 ~ 105.0% 99.2% 99.5% 99.0% 99.3%

*バラ包装品:未包装バルク製剤を褐色ポリエチレン瓶に入れ、密栓したもの。

(3)無包装下での安定性 5):

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」で実施した苛酷試験での安定性試験方法及び結果は次のとおりである。

試験区分 苛酷試験(温度、湿度、光)

試験期間90 日間(温度は一部 120 日間、光安定性試験は 25 日間)

試験条件温度:40±1℃湿度:30±2℃、75±5%RH光 :(曝光量) 60 万 lux・hr

包装形態温度:密栓湿度:遮光・開放光 :開放

-9-

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1)温度(密栓)

試験項目 規 格 開始時 30 日目 60 日目 90 日目 120 日目

性 状白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

- 変化なし - 変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 100.5% - 98.7% - 98.2%

硬 度 2.0kg 7.6kg 7.9kg 7.5kg 7.9kg -

定量試験 95.0 ~ 105.0% 99.9% - 100.0% - 99.6%

2)湿度(遮光・開放)

試験項目 規 格 開始時 30 日目 60 日目 90 日目

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし 変化なし 変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 101.2% 103.7% 101.7% 99.3%

硬 度 2.0kg 7.6kg 6.3kg 6.4kg 6.7kg

定量試験 95.0 ~ 105.0% 99.0% 101.5% 101.0% 101.5%

3)光(開放)

試験項目 規 格 開始時 60 万 lux・hr

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 101.2% 102.3%

硬 度 2.0kg 7.6kg 6.3kg

定量試験 95.0 ~ 105.0% 99.0% 98.0%

ゾピクロン錠 10mg「アメル」

ゾピクロン錠 10mg「アメル」で実施した苛酷試験での安定性試験方法及び結果は次のとおりである。

試験区分 苛酷試験(温度、湿度、光)

試験期間 90 日間(光安定性試験は 25 日間)

試験条件温度:40±1℃湿度:25±2℃、75±5%RH光 :(曝光量) 60 万 lux・hr

包装形態温度:遮光・密栓湿度:遮光・開放光 :密栓

-10-

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1)温度(遮光・密栓)

試験項目 規 格 開始時 30 日目 60 日目 90 日目

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし 変化なし 変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 102.6% 102.4% 102.8% 100.9%

硬 度 3.0kg 10.8kg 8.7kg 9.4kg 9.2kg

定量試験 95.0 ~ 105.0% 101.5% 101.9% 100.8% 100.2%

2)湿度(遮光・開放)

試験項目 規 格 開始時 30 日目 60 日目 90 日目

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし 変化なし 変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 102.6% 102.2% 102.8% 100.9%

硬 度 3.0kg 10.8kg 6.4kg 7.1kg 6.0kg

定量試験 95.0 ~ 105.0% 101.5% 102.8% 101.6% 103.0%

3)光(開放)

試験項目 規 格 開始時 60 万 lux・hr

性 状白色の片面割線入り

フィルムコーティング錠白色の片面割線入りフィルムコーティング錠

変化なし

溶出試験 30 分間 80%以上 102.6% 102.7%

硬 度 3.0kg 10.8kg 8.3kg

定量試験 95.0 ~ 105.0% 101.5% 101.6%

5.調製法及び溶解後の安定性

該当しない

6.他剤との配合変化(物理化学的変化)

該当しない

7.溶出性

(1) 溶出挙動における類似性 6)

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

医療用医薬品の品質に係る再評価の実施等について(平成 10 年 7 月 15 日付 医薬発審第

634 号)」に基づき、ゾピクロン製剤であるゾピクロン錠 7.5mg「アメル」(試験製剤)及び

標準製剤の溶出挙動の同等性を評価した。

-11-

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試験方法 日本薬局方(JP13) 一般試験法 溶出試験法 パドル法

試験条件 試験液量:900mL、温度:37±0.5℃

回 転 数 50 回転

試 験 液

pH1.2 日本薬局方(JP13)崩壊試験第 1 液

pH4.0 酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液(0.05mol/L)

pH6.8 日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)

水 日本薬局方 精製水

判定基準:

回転数 試験液 判 定

50

pH1.2pH4.0 試験製剤は 15 分以内に平均 85%以上溶出する。

pH6.8 標準製剤の平均溶出率が 40%及び 85%付近の適当な2時点において、試験製剤の平均溶出率は標準製剤の平均溶出率±15%の範囲にある。

標準製剤が規定された試験時間における平均溶出率の 1/2 の平均溶出率を示す適当な時点において、試験製剤の平均溶出率は標準製剤の平均溶出率(50%未満)±8%の範囲にあり、規定された試験時間において、試験製剤の平均溶出率は標準製剤の平均溶出率(50%以上)±15%の範囲にある。

品質再評価の実施基準に基づき、ゾピクロン製剤であるゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

(試験製剤)及び標準製剤の溶出挙動の同等性を評価した結果、両剤の溶出挙動は同等であ

ると判定された。

各試験液における溶出挙動は下図の通りである。

図.溶出曲線(n=6;mean±S.D.)50 回転[pH1.2] 50 回転[pH4.0]

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50 回転[pH6.8] 50 回転[水]

表.溶出挙動における同等性(試験製剤及び標準製剤の平均溶出率の比較)

試験条件 判定基準 平均溶出率(%)判定結果試験

方法回転数(rpm) 試験液 溶出率 判定時間 標準製剤 試験製剤

パドル法

50

pH1.2 85%以上 15 分 93.6 99.8 適合

pH4.0 85%以上 15 分 85.0 99.6 適合

pH6.840%付近 10 分 36.2 41.1 適合

85%付近 90 分 85.7 93.2 適合

1/2 の平均溶出率

15 分 38.5 43.8 適合

規定された試験時間

360 分 83.2 86.7 適合

ゾピクロン錠 10mg「アメル」

「医療用医薬品の品質に係る再評価の実施等について(平成 10 年 7 月 15 日付 医薬発審第

634 号)」に基づき、ゾピクロン製剤であるゾピクロン錠 10mg「アメル」(試験製剤)及び

標準製剤の溶出挙動の同等性を評価した。

試験方法 日本薬局方(JP13) 一般試験法 溶出試験法 パドル法

試験条件 試験液量:900mL、温度:37±0.5℃

回 転 数 50 回転

試 験 液

pH1.2 日本薬局方(JP13)崩壊試験第 1 液

pH4.0 酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液(0.05mol/L)

pH6.8 日本薬局方試薬・試液のリン酸塩緩衝液(1→2)

水 日本薬局方 精製水

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判定基準:

回転数 試験液 判 定

50

pH1.2pH4.0 試験製剤は 15 分以内に平均 85%以上溶出する。

pH6.8 標準製剤の平均溶出率が 40%及び 85%付近の適当な2時点において、試験製剤の平均溶出率は標準製剤の平均溶出率±15%の範囲にある。

標準製剤が規定された試験時間における平均溶出率の 1/2 の平均溶出率を示す適当な時点において、試験製剤の平均溶出率は標準製剤の平均溶出率(50%未満)±8%の範囲にあり、規定された試験時間において、試験製剤の平均溶出率は標準製剤の平均溶出率(50%以上)±15%の範囲にある。

品質再評価の実施基準に基づき、ゾピクロン製剤であるゾピクロン錠 10mg「アメル」

(試験製剤)及び標準製剤の溶出挙動の同等性を評価した結果、両剤の溶出挙動は同等であ

ると判定された。

各試験液における溶出挙動は下図の通りである。

図.溶出曲線(n=6;mean±S.D.)50 回転[pH1.2] 50 回転[pH4.0]

50 回転[pH6.8] 50 回転[水]

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表.溶出挙動における同等性(試験製剤及び標準製剤の平均溶出率の比較)

試験条件 判定基準 平均溶出率(%)判定結果試験

方法回転数(rpm) 試験液 溶出率 判定時間 標準製剤 試験製剤

パドル法

50

pH1.2 85%以上 15 分 97.7 101.6 適合

pH4.0 85%以上 15 分 93.5 96.6 適合

pH6.840%付近 15 分 39.4 43.8 適合

85%付近 120 分 86.4 92.6 適合

1/2 の平均溶出率

15 分 33.9 38.5 適合

規定された試験時間

360 分 79.7 86.5 適合

(2) 溶出規格

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」、錠 10mg「アメル」

日本薬局方外医薬品規格第三部に定められたゾピクロン 7.5mg 錠・10mg 錠の溶出規格

に適合していることが確認されている。

表示量 回転数 試験液 規定時間 溶出率

7.5mg 50rpm pH4.0 の0.05mol/L 酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液

30 分 80%以上

10mg 50rpm pH4.0 の0.05mol/L 酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液

30 分 80%以上

8.生物学的試験法

該当しない

9.製剤中の有効成分の確認試験法

(1)Vongerichten 反応による呈色反応

(2)紫外可視吸光度測定法

(3)薄層クロマトグラフ法

10.製剤中の有効成分の定量法

液体クロマトグラフ法

11.力 価

該当しない

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12.混入する可能性のある夾雑物

該当資料なし

13.治療上注意が必要な容器に関する情報

該当資料なし

14.その他

該当資料なし

-16-

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Ⅴ.治療に関する項目

1.効能又は効果

○不眠症

○麻酔前投薬

2.用法及び用量

1.不眠症

通常、成人 1 回、ゾピクロンとして、7.5 ~ 10mg を就寝前に経口投与する。

なお、年齢・症状により適宜増減するが、10mg を超えないこと。

2.麻酔前投薬

通常、成人 1 回、ゾピクロンとして、7.5 ~ 10mg を就寝前または手術前に経口投与する。

なお、年齢・症状・疾患により適宜増減するが、10mg を超えないこと。

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉

(1)本剤を投与する場合、反応に個人差があるため少量(高齢者では 1 回 3.75mg)から投与

を開始すること。また、肝障害のある患者では 3.75mg から投与を開始することが望ま

しい。やむを得ず増量する場合は観察を十分に行いながら慎重に投与すること。ただし、

10mg を超えないこととし、症状の改善に伴って減量に努めること。

(2)不眠症には、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中におい

て一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。

3.臨床成績

(1)臨床データパッケージ(2009 年 4 月以降承認品目):

該当しない

(2)臨床効果:

該当資料なし

(3)臨床薬理試験:忍容性試験:

該当資料なし

(4)探索的試験:用量反応探索試験:

該当資料なし

(5)検証的試験:

1)無作為化並行用量反応試験:

該当資料なし

-17-

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2)比較試験:

該当資料なし

3)安全性試験:

該当資料なし

4)患者・病態別試験:

該当資料なし

(6)治療的使用:

1)使用成績調査・特定使用成績調査(特別調査)・製造販売後臨床試験(市販後臨床試

験):

該当資料なし

2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要:

該当資料なし

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Ⅵ.薬効薬理に関する項目

1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群

ベンゾジアゼピン系化合物 :トリアゾラム、ブロチゾラム、ロルメタゼパム、リルマザホン

塩酸塩水和物、フルニトラゼパム、エスタゾラム、ニトラゼパ

ム、ニメタゼパム

非ベンゾジアゼピン系化合物:ゾルピデム酒石酸塩、エスゾピクロン

2.薬理作用

(1)作用部位・作用機序 7):

脳内の大脳辺縁系を中心に大脳皮質、小脳、脊髄等に分布するベンゾジアゼピン受容体に

結合し、抑制性神経伝達物質であるガンマアミノ酪酸(GABA)の働きを促進し、神経活動

を抑制する。

(2)薬効を裏付ける試験成績:

該当資料なし

(3)作用発現時間・持続時間 3):

(10mg 投与時)

作用発現時間:15 ~ 30 分

持続時間:6.5 ~ 8 時間

-19-

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Ⅶ.薬物動態に関する項目

1.血中濃度の推移・測定法

(1)治療上有効な血中濃度:

該当資料なし

(2)最高血中濃度到達時間 8):

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

63.8±8.9 分(健康成人男子にゾピクロン錠 7.5mg「アメル」を 1 錠投与した場合)

ゾピクロン錠 10mg「アメル」

97.5±14.9 分(健康成人男子にゾピクロン錠 10mg「アメル」を 1 錠投与した場合)

(3)臨床試験で確認された血中濃度 8):

ゾピクロン製剤であるゾピクロン錠 7.5mg「アメル」、錠 10mg「アメル」の医薬品製造

販売承認申請を行うに当たり、ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」、錠 10mg「アメル」又は標

準製剤を健康成人男子 16 例(1 群 8 例)に単回経口投与し、血漿中の未変化体濃度を測定

して、薬物動態から両製剤の生物学的同等性を検証した。

治験デザイン

「生物学的同等性に関する試験基準(昭和 55 年 5 月 30 日 薬審第 718 号)」に準じ、非盲検下における 2 剤 2 期のクロスオーバー法を用いた。初めの 2 泊 3 日の入院期間を第Ⅰ期とし、2 回目の入院期間を第Ⅱ期とした。なお、第Ⅰ期と第Ⅱ期の間の休薬期間は 7 日間とした。

投与条件

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」被験者に対して 10 時間以上の絶食下において、1 錠中にゾピクロンとして 7.5mg含有するゾピクロン錠 7.5mg「アメル」 1 錠又は標準製剤 1 錠を 150mL の水とともに単回経口投与した。また、投与後 4 時間までは絶食とした。

ゾピクロン錠 10mg「アメル」被験者に対して 10 時間以上の絶食下において、1 錠中にゾピクロンとして 10mg含有するゾピクロン錠 10mg「アメル」 1 錠又は標準製剤 1 錠を 150mL の水とともに単回経口投与した。また、投与後 4 時間までは絶食とした。

採血時点第Ⅰ期及び第Ⅱ期ともに採血は、治験薬の投与前、投与後 20、40、60、80、100、120、180、300、480 及び 780 分後の 11 時点とした。採血量は 1 回につき 10mL(血漿として約 3.9mL)とした。

分 析 法 HPLC 法

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ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」

<薬物動態パラメータ>

AUC(0→780)

(ng・min/mL)Cmax

(ng/mL)Tmax(min.)

T1/2

(min.)

ゾピクロン錠7.5mg「アメル」

20822.9±846.2 64.3±3.4 63.8±8.9 263.5±8.7

標準製剤(錠剤、7.5mg) 20178.5±827.9 62.7±3.6 62.5±8.8 277.7±17.9

(Mean±S.E.,n=16) 得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について 95%信頼区間法にて統計解析を行

った結果、両製剤の生物学的利用性の平均値の差は AUC(0→780)、Cmax ともに標準製剤

の平均値の±20%以内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。

AUC(0→780) Cmax

2 製剤間の平均値の差(%) 3.2 2.6

95%信頼区間(%) -7.09≦δ≦0.71 -10.91≦δ≦5.70

なお、血漿中濃度並びに AUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回

数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

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ゾピクロン錠 10mg「アメル」

<薬物動態パラメータ>

AUC(0→780)

(ng・min/mL)Cmax

(ng/mL)Tmax(min.)

T1/2

(min.)

ゾピクロン錠10mg「アメル」

30541.6±1049.0 93.3±7.7 97.5±14.9 261.9±10.1

標準製剤(錠剤、10mg) 30535.5±1237.0 103.0±7.3 72.5±9.8 253.6±9.0

(Mean±S.E.,n=16) 得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について 90%信頼区間法にて統計解析を行

った結果、両製剤の生物学的利用性の平均値の差は AUC(0→780)、Cmax ともに標準製剤

の平均値の±20%以内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。

AUC(0→780) Cmax

2 製剤間の平均値の差(%) 1.2 -9.4

90%信頼区間(%) -4.20≦δ≦4.16 -19.01≦δ≦19.01※

※左右対称補正値

なお、血漿中濃度並びに AUC、Cmax 等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回

数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

(4)中毒域:

該当資料なし

(5)食事・併用薬の影響:

「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 7.相互作用」参照

-22-

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(6)母集団(ポピュレーション)解析により判明した薬物体内動態変動要因:

該当資料なし

2.薬物速度論的パラメータ

(1)コンパートメントモデル:

該当資料なし

(2)吸収速度定数:

該当資料なし

(3)バイオアベイラビリティ 9):

80%

(4)消失速度定数 8):

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:0.0026738±0.0000960(hr-1)

ゾピクロン錠 10mg「アメル」:0.0026999±0.0001000(hr-1)

(5)クリアランス 9):

247mL/min

(6)分布容積 9):

1.4L/kg

(7)血漿蛋白結合率 3):

健常成人:69.0±3.7%(7.5mg 投与時)

高齢者 :68.4±3.2%(10mg 投与時)

3.吸 収 9)

95%以上

4.分 布

(1)血液-脳関門通過性 3):

〈参考:ラット〉

通過する。

(2)血液-胎盤関門通過性 3):

通過する。

(3)乳汁への移行性:

ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠を起こす可能性がある。

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(4)髄液への移行性:

該当資料なし

(5)その他の組織への移行性 3):

肝、小腸、胃、大腸、肺、脂肪、骨髄に分布する。

5.代 謝

(1)代謝部位及び代謝経路 2):

代謝部位:主として肝臓

代謝経路:主要代謝物は、N-デスメチル体及び N-オキシド体である。

(2)代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種:

CYP3A4、一部 CYP2C8 で代謝される。

(3)初回通過効果の有無及びその割合:

該当資料なし

(4)代謝物の活性の有無及び比率 3):

N-オキシド体 :活性

N-デスメチル体:無活性

(5)活性代謝物の速度論的パラメータ:

該当資料なし

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6.排 泄

(1)排泄部位及び経路:

該当資料なし

(2)排泄率 2):

48 時間までに尿中に 71.8%、糞中に 11.3%、また、唾液中に約 8.0%分泌される。

(3)排泄速度:

該当資料なし

7.透析等による除去率 9)

HD クリアランスは血漿クリアランスに影響しない。

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Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目

1.警告内容とその理由

【警告】

本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。ま

た、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意する

こと。

2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

(1)本剤の成分又はエスゾピクロンに対し過敏症の既往歴のある患者

(2)重症筋無力症の患者〔筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。〕

(3)急性狭隅角緑内障の患者〔眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。〕

【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与すること)】

肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している

場合〔炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。〕

3.効能又は効果に関連する使用上の注意とその理由

設定されていない

4.用法及び用量に関連する使用上の注意とその理由

<用法・用量に関連する使用上の注意>

(1)本剤を投与する場合、反応に個人差があるため少量(高齢者では 1 回 3.75mg)から投与

を開始すること。また、肝障害のある患者では 3.75mg から投与を開始することが望ま

しい。やむを得ず増量する場合は観察を十分に行いながら慎重に投与すること。ただし、

10mg を超えないこととし、症状の改善に伴って減量に努めること。

(2)不眠症には、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中におい

て一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。

5.慎重投与内容とその理由

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)衰弱者〔薬物の作用が強くあらわれ、副作用が発現しやすい。〕

(2)高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

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(3)心障害のある患者〔血圧低下があらわれるおそれがあり、心障害のある患者では症状の

悪化につながるおそれがある。〕

(4)肝障害、腎障害のある患者〔作用が強くあらわれるおそれがある。〕

(5)脳に器質的障害のある患者〔作用が強くあらわれるおそれがある。〕

6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法

重要な基本的注意

(1)不眠症に対する投与は継続投与を避け、短期間にとどめること。やむを得ず継続投与を

行う場合には、定期的に患者の状態、症状等の異常の有無を十分確認のうえ慎重に行う

こと。

(2)本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こるこ

とがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

7.相互作用

本剤は主に薬物代謝酵素 CYP3A4、一部 CYP2C8 で代謝される。

(1)併用禁忌とその理由:

該当資料なし

(2)併用注意とその理由:

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

筋弛緩薬スキサメトニウム塩化物水和物ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物パンクロニウム臭化物

中枢神経抑制剤フェノチアジン誘導体バルビツール酸誘導体等

これらの作用が増強されることがあるので、併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。

相加的に抗痙攣作用、中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。

アルコール(飲酒)

相互に作用を増強することがある。 飲酒により中枢神経抑制作用が増強されることがある。

麻酔時

呼吸抑制があらわれることがあるので、慎重に投与すること。

本剤により呼吸抑制があらわれることがあり、麻酔により相加的に呼吸が抑制される可能性がある。

薬物代謝酵素 CYP 3A4 を誘導する薬剤

リファンピシン等

本剤の作用を減弱させることがある。

これらの薬剤の肝代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、効果の減弱を来すことがある。

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薬物代謝酵素 CYP 3A4 を阻害する薬剤

エリスロマイシンイトラコナゾール等

本剤の作用を増強させることがある。

これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血漿中濃度が増加するおそれがある。

8.副作用

(1)副作用の概要:

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

(2)重大な副作用と初期症状:

重大な副作用(頻度不明)

1)依存性:連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投

与すること。また、投与の中止により、振戦、痙攣発作、不眠等の離脱症状があらわれ

ることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

2)呼吸抑制:呼吸抑制があらわれることがある。また呼吸機能が高度に低下している

患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので、このような場

合には気道を確保し、換気を図るなど適切な処置を行うこと。

3)肝機能障害:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、c-GTP の上昇等を伴う肝機能障

害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合に

は、中止するなど適切な処置を行うこと。

4)精神症状、意識障害:幻覚、せん妄、錯乱、夢遊症状、悪夢、易刺激性、攻撃性、異常行動

等の精神症状及び意識障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察

し、異常が認められた場合には投与を中止すること。

5)一過性前向性健忘、もうろう状態: 一過性前向性健忘(中途覚醒時の出来事をおぼ

えていないなど)、もうろう状態があらわれることがあるので、本剤を投与する場合

には少量から開始するなど、慎重に投与すること。なお、十分に覚醒しないまま、車の

運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。異常が認められ

た場合には投与を中止すること。

6)アナフィラキシー様症状:アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、

観察を十分に行い、蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、

適切な処置を行うこと。

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(3)その他の副作用:

その他の副作用

以下のような副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明

精神神経系 ふらつき、眠気、頭重、頭痛、不快感、めまい等

肝臓 AST(GOT)の上昇、ALT(GPT)の上昇、Al-P の上昇

腎臓 蛋白尿、BUN の上昇

血液 白血球減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少、血小板減少

消化器 口中のにがみ、口渇、嘔気、食欲不振、口内不快感、胃部不快感、消化不良等

過敏症 注) 発疹、そう痒症

骨格筋 倦怠感、脱力感等の筋緊張低下症状

その他 転倒

注)発現した場合には、投与を中止すること。

(4)項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧:

該当資料なし

(5)基礎疾患,合併症,重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度:

該当資料なし

(6)薬物アレルギーに対する注意及び試験法:

1)本剤の成分又はエスゾピクロンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと。

2)アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、血

管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3)過敏症(発疹、そう痒症)があらわれた場合には、投与を中止すること。

9.高齢者への投与

運動失調が起こりやすい。また、副作用が発現しやすいので、少量(1 回 3.75mg)から投与を

開始すること。

10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には、治療上の有益性が危険

性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

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〔妊娠中及び授乳中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に本剤を投与さ

れた患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があ

らわれることがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。〕

(2)授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせ

ること。

〔ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠を起こす可能性がある。〕

11.小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

12.臨床検査結果に及ぼす影響

該当資料なし

13.過量投与

症状:

本剤の過量投与により傾眠、錯乱、嗜眠を生じ、更には失調、筋緊張低下、血圧低下、メトヘ

モグロビン血症、呼吸機能低下、昏睡等に至ることがある。他の中枢神経抑制剤やアルコ

ールと併用時の過量投与は致死的となることがある。また、合併症や衰弱状態等の危険因

子がある場合は、症状は重篤化する可能性があり、ごくまれに致死的な経過をたどること

がある。

処置:

呼吸、脈拍、血圧の監視を行うとともに、催吐、胃洗浄、吸着剤・下剤の投与、輸液、気道の

確保等の適切な処置を行うこと。また、本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置と

してフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフル

マゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。なお、血液透析に

よる除去は有効ではない。

14.適用上の注意

薬剤交付時:

PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。(PTP シート

の誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤

な合併症を併発することが報告されている)

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15.その他の注意

(1)投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を

投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延す

るおそれがある。

(2)臨床用量の約 800 倍(100mg/kg/日)をマウス、ラットに 2 年間投与した試験において、

マウス雄の皮下、雌の肺、ラット雄の甲状腺、雌の乳腺での腫瘍発生頻度が対照群に比べ

高いとの報告がある。

16.その他

該当資料なし

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Ⅸ.非臨床試験に関する項目

1.薬理試験

(1)薬効薬理試験(「Ⅵ.薬効薬理に関する項目」参照):

(2)副次的薬理試験:

該当資料なし

(3)安全性薬理試験:

該当資料なし

(4)その他の薬理試験:

該当資料なし

2.毒性試験

(1)単回投与毒性試験 3):

急性毒性LD50(mg/kg)

投与経路動物種・性

経 口 皮 下 腹腔内 静脈内 筋肉内

SD 系ラット ♂ 831 540 771 283 381

(2)反復投与毒性試験:

該当資料なし

(3)生殖発生毒性試験:

該当資料なし

(4)その他の特殊毒性:

該当資料なし

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Ⅹ.管理的事項に関する項目

1.規制区分

製  剤:習慣性医薬品(注意―習慣性あり)

処方せん医薬品(注意-医師等の処方せんにより使用すること)

有効成分:ゾピクロン 習慣性医薬品(注意―習慣性あり)

2.有効期間又は使用期限

使用期限:3年(安定性試験結果に基づく)

3.貯法・保存条件

遮光、室温保存

4.薬剤取扱い上の注意点

(1)薬局での取り扱いについて:

〈安定性試験〉4)

終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度 75%、6 ヵ月)の結果、ゾピクロン錠

7.5mg「アメル」、錠 10mg「アメル」は通常の市場流通下において 3 年間安定であるこ

とが推測された。

(2)薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等):

「Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 14.適用上の注意」参照

5.承認条件等

該当しない

6.包 装

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:PTP100 錠(10 錠×10)、500 錠(10 錠×50)、バラ 1000 錠

ゾピクロン錠 10mg「アメル」:PTP100 錠(10 錠×10)、500 錠(10 錠×50)、バラ 1000 錠

7.容器の材質

PTP 包装:ポリ塩化ビニルフィルム+アルミニウム箔、ポリプロピレン袋

バラ包装 :ポリエチレン瓶(ポリエチレンキャップ) PTP サイズ:10 錠シート  35×88(mm)

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8.同一成分・同効薬

同一成分:アモバン錠 7.5、アモバン錠 10(サノフィ株式会社)

同効薬 :ゾルピデム酒石酸塩、エスゾピクロン 等

9.国際誕生年月日

1984 年 12 月 10 日

10.製造販売承認年月日及び承認番号

製造販売承認年月日

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:2013 年 2 月 15 日

(名称変更前 スローハイム錠 7.5:1998 年 1 月 13 日)ゾピクロン錠 10mg「アメル」:2013 年 2 月 15 日

(名称変更前 スローハイム錠 10:1998 年 1 月 13 日)承認番号

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:22500AMX00378ゾピクロン錠 10mg「アメル」:22500AMX00379

11.薬価基準収載年月日

ゾピクロン錠 7.5mg「アメル」:2013 年 6 月 21 日

(名称変更前 スローハイム錠 7.5:1998 年 7 月 10 日)ゾピクロン錠 10mg「アメル」:2013 年 6 月 21 日

(名称変更前 スローハイム錠 10:1998 年 7 月 10 日)

12.効能又は効果追加,用法及び用量変更追加等の年月日及びその内容

該当しない

13.再審査結果,再評価結果公表年月日及びその内容

該当しない

14.再審査期間

該当しない

15.投薬期間制限医薬品に関する情報

本剤は、投与期間に関する制限は定められていない。

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16.各種コード

販売名 HOT(9 桁)番号厚生労働省薬価基準収載医薬品コード

レセプト電算コード

ゾピクロン錠7.5mg「アメル」

100594301 1129007F1115 620059401

ゾピクロン錠10mg「アメル」

100599801 1129007F2090 620059901

17.保険給付上の注意

本剤は保険診療上の後発医薬品である。

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ⅩⅠ.文献

1.引用文献

1)深井三郎:今日の新薬 新薬開発事典、薬業時報社、P.14、1991.2)筒井末春 編集:新しい睡眠薬の使い方、医薬ジャーナル社、P.102、1990.3)大阪府病院薬剤師会 編集:医薬品要覧 第 5 版、薬業時報社、P.42、1992.4)共和薬品工業株式会社 社内資料:安定性試験

5)共和薬品工業株式会社 社内資料:安定性試験(無包装)

6)共和薬品工業株式会社 社内資料:溶出試験

7)内海光朝:臨床と薬物治療、17 巻、3 号、P265、1998.8)共和薬品工業株式会社 社内資料:生物学的同等性試験

9)平田純生 他編著:透析患者への投薬ガイドブック 改訂 2 版、じほう、P.206、2009.10)山口徹 他編集:今日の治療指針 2013、医学書院、P.1444、2013.

2.その他の参考文献

該当資料なし

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ⅩⅡ.参考資料

1.主な外国での発売状況

該当資料なし

2.海外における臨床支援情報 10)

妊婦に関する海外の公的リスク分類 (米国 FDA、オーストラリア分類)

本邦における本剤の使用上の注意「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項の記載は以下のとお

りであり、米国 FDA、オーストラリア分類とは異なる。

【使用上の注意】「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には、治療上の有益性が危険

性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

〔妊娠中及び授乳中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に本剤を投与さ

れた患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があ

らわれることがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。〕

(2)授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせ

ること。

〔ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠を起こす可能性がある。〕

海外リスク分類 分類基準

米国 FDA Pregnancy Category(FDA-PC) C

オーストラリア医薬品評価委員会(ACPM) C

[参考]:海外リスク分類基準の概要

FDA-PC分類基準 C:動物を用いた研究では、薬物に催奇形性、または胎児(芽)致死作用が証明されて

おり、ヒト妊婦での対照比較研究は実施されていないもの。

あるいは、ヒト妊婦、動物ともに研究が入手できないもの。

ACPM分類基準 C:その薬理効果によって、胎児や新生児に有害作用を引き起こし、または、有害作

用を引き起こすことが疑われる薬だが、奇形を引き起こすことはない。これらの

効果は可逆的なこともある。

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ⅩⅢ.備考

その他の関連資料

該当資料なし

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