【公式】埼玉県神川町の温泉&キャンプ場 天然温泉かんなの湯 ... · 2020. 8. 21. · Created Date: 8/16/2020 9:33:42 PM
新泉地紀行 五十七 山口県はぎ温泉 湯老人・佐藤哲治 · 2017. 11. 8. ·...
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♨♨ 新新泉泉地地紀紀行行 ♨♨ その百五十七 山口県はぎ温泉
湯老人・佐藤哲治
1)部屋から菊ヶ浜を見る
2)月見の湯
萩最寄りの駅として玉江、萩、東萩の三つの駅がある。東萩がメインの駅かどうかはっきりしないが東萩で降りる乗客が一番
多いようだ。萩の市街地は北の菊ヶ浜(日本海)、西の橋本川、東の松本川(橋本川の支流?)に囲まれた三角州の部分となる。
市街地はこじんまりとしているが、山域が広いので萩は山口県で県都・山口市に次ぐ広さを誇っている。市街地が小さいと
いうものの、津和野のような牧歌的な田舎町を想像していた湯老人にはかなり大きい今風の町に思われた。町歩きの際度々
道に迷い当惑したほどである。ただ高層の建物がほとんどないので気持ちが落ち着く。
東萩駅構内に窓口一つだけの小さな観光案内所がある。ここに荷物を渡し、その日泊まる宿の名を告げれば宿が荷物をピッ
クアップしてくれる。コインロッカーなどでお金を使うことなく観光客が身軽に町歩きできるよう作られたシステムで、観光を終えれば
そのまま宿に直行できる。痒い所に手が届くサービスと言えるが、泊まる宿が観光案内所に登録していることが必要。
車(タクシーも含む)を使わない萩観光には三つの手段が考えられる。一つは徒歩。この場合多大の労力と強靭な体力が必要で
あろう。又時間もかかる。二番目にレンタサイクル。この場合松陰神社周辺の山裾を上るスポットでは自転車をこぐのが大変であろ
うが、城下町周辺の平坦地を回るには絶好の移動手段となる。最後は萩循環まぁ-るバスの利用である。まぁ-るバスは東回
りコースと西回りコースの2路線があり、いずれも 30 分間隔で運行している。始発 7:00、終発 18:00 で萩市内のめぼしい観光
スポットを網羅する。運賃はどこまで乗っても 1回 100円、1日乗車券 500円、2日乗車券 700円である。若者達は颯爽とレンタ
サイクルで萩の町を疾走、湯老人はよろよろとまぁ-るバスのステップに足をかけるのである。
萩随一の観光スポットである松陰神社は東萩駅から歩いて 15 分、駅から東南方向の山裾に位置する。まぁ-るバスでも途中の
停留所が多いので 10 分以上かかる。松陰神社の敷地内に松下村(しょうかそん)塾や吉田松陰幽囚ノ旧宅(松陰の実家杉家
住宅)などがあって伊藤博文の旧宅も近く、湯老人の訪ねた 2015 年 3 月 30 日(月)、神社は観光客でごった返していた。
はぎ温泉/“宵待ちの宿 萩一輪”、0838-25-7771、〒758-0057 萩市堀内
(ほりうち)482-2
JR 美祢(みね)線長門湯本駅発 8:38 の電車に乗車、萩に向かう。この電車は
長門市を経由しそのまま山陰本線に乗り入れて東萩まで直行、東萩到着は
9:40である。山陰本線長門市/東萩間の電車は通勤・通学時間帯を除くとほと
んどなく、この電車を逃すとえらいことになる。目覚ましをかけ、心を引き
締めて就寝、無事 8:38 の電車に間に合ったのは幸いである。と言うが最早
老い先短い湯老人、目覚ましをかけなくても早朝否応なしに目が覚めるので
ある。
“萩一輪”を予約した時、湯老人は萩を舞台とする NHK の大河ドラマ「花燃ゆ」
が始まったことをすっかり忘れていた。湯老人は最近大河ドラマをみたことが
なく、「花燃ゆ」が頭に浮かばなかったのは自然の成り行きであろう。「花燃ゆ」
のせいで有難くない問題が生じる。大河ドラマや朝ドラの舞台になった場所、
特に観光地はドラマの宣伝効果で訪れる人が増加し、往々にして混雑する事態
となる。混む場所が大嫌いな湯老人にとっては大いなる障害発生だ。萩に
行くべきかそれとも予約をキャンセルして行先を変更すべきか。湯老人は 3 日
3晩?悩んだ。4日目?に至りやっと結論、以前より混雑が増した(と思う)
萩を断固正面突破しようと決断したのだ。たかだか物見遊山の旅といえど
苦労はつきない。ついでながら、湯老人は朝ドラも紅白歌合戦もほとんどみな
い。テレビではニュース、スポーツ中継、映画などを時々みるだけである。もっとも
インターネット中心の今時の若い人は湯老人以上で、一層テレビから離れた生活を送っ
ているのだろう。
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かなり広い駐車場は乗用車や観光バスで混雑しており、駐車場の出入り誘導に係員が汗だくである。「花燃ゆ」の視聴率はパ
ッとしないようだが、それでも流石に NHKの大河ドラマ、その宣伝効果は相当なものである。腐っても鯛?。
3)旧萩藩校・明倫館
4)高杉晋作誕生地
湯老人の場合、活き鮑陶板(コンロ?)焼き、のどぐろ煮付け、団扇海老刺身、見覧牛(けんらぎゅう)陶板(鉄板?)焼きなど豪華
な料理がテーブルを飾った。見覧牛とは萩で開発されたブランド牛で、見島牛(和牛・父)とオランダ原産のホルスタイン種(母)を交配させ
て誕生したそうだ。だから見(見島)覧(オランダ)牛!。最近色々な所でご当地ブランドの牛肉や鶏・豚肉にお目にかかるが、味音
痴の湯老人はうまさの違いなどほとんど分からない。これら料理の中で湯老人がもっとも気に入ったのは団扇海老の刺身
である。団扇ほど大きくはないが、茶色の体が平べったく団扇に似ていると言われればそんな気がする海老で、一見蟹の
ようにも見える。身は半透明白色、一口食べれば上品な甘みと旨みが口中に広がる。好みによるが湯老人は伊勢海老の刺
身よりこちらの方がうまいように感じた。団扇海老は西日本で多く獲れ、比較的知られた食材である(いや余り知られてい
ないか?)。湯老人が前回団扇海老を食べたのはいつだったか、相当前のことで最近はずっとご無沙汰している。それもあ
ってことさらうまく感じたのかもしれない。当館の朝食は夕食に負けず劣らず立派。朝食会場のテーブルに所狭しと様々なお
かずが並ぶ。そのいずれも工夫が凝らされておいしい。朝から食べ過ぎだ。朝東萩駅まで送ってくれた男性(ひょっとした
らオーナー?)、「うちの部屋風呂は温泉ではない。湯量が少ないので仕方ない。その代り料理には力を入れている。」そうだ。
納得。
宿泊日:2015年 3月 30日(月) 宿泊料:20,260円(生ビール 1杯・冷酒/萩一輪純米大吟醸1本(300ML.)含。)
温 泉: 宿には温泉の成分表などなかったようなので、萩市観光協会公式サイトからはぎ温泉の説明をそのまま転記する。
泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物冷鉱泉で源泉温度や湯量は不明。効能は神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節
のこわばり・疲労回復など。萩近辺には他に萩本陣温泉など 7 ヶ所の温泉があり、これら 8 ヶ所の温泉を萩温泉郷
と総称する。泉質はいずれもほとんど同じで、個性の強い温泉はなさそうだ。開発(掘削)されたのは最近の事と
思われる。萩は観光、町歩きがメインの場所、宿に眺めのよい大きな風呂があればそれで十分、泉質・効能云々は野暮
というものであろう。ここに比べ前泊“一福旅館”の湯は本当に素晴らしかった。湯の違いは湯老人でもある程度
分かる。
ほとんどのバス乗客が松陰神社前で降りるのを横目に、湯老人はそのま
ま松陰誕生地前に向かった。松陰の墓と誕生地、毛利藩主をまつる黄
檗宗の名刹・東光寺、松陰の叔父で松下村塾の創始者・玉木文之進旧宅
などを見るには、高台にある松陰の墓から松陰神社へだらだら下って
行く方が楽なのだ。足腰にガタがきた湯老人、少しでも楽な歩きを選ぶ
ことが肝要である。暑さを感ずるほどの快晴の下、のんびり歩いてい
た湯老人はレンタサイクルで上ってくるカップルとすれ違った。女性の方はのろ
のろとかなり苦しげで遅れがち、坂道の傾斜は結構きついようである。
この後、松陰神社前の松陰食堂の松陰まんじゅうを笑い飛ばしたがた
めの祟りか、撮りためたデジカメの写真が一瞬にして消滅した一大事は
前回記した通り。松陰様のお怒りを鎮めるため、ここはいったん話を
今宵の宿“萩一輪”に転ずる。
“萩一輪”は「日本の夕陽百選」(こういうのがあるようです)に選ばれ
た菊ヶ浜(日本海)に面しており、宵待ちの宿という洒落た文句のつく
ことから推測できるように女性客をターゲットにした宿である。従い、湯
老人のような不細工な爺さんにはちょっと敷居が高い。部屋数は露天
風呂付客室 13 室、和洋ルーム 2 室、デザイナーズルーム 2 室、和室 19 室、計
36 室。部屋・食事などの違いで宿泊料金は幅広いが、平均的な宿泊料
金は通常期の平日2人宿泊で 1泊 2食 15,000 円前後であろうか。湯老
人は 1人泊かつ眺望・菊ヶ浜、夕部屋食の条件で泊まったため宿泊料金
は約 18,000 円と少々高めとなった。やや不満の残る温泉(温泉力その
ものののこと)に比べ、“萩一輪”の食事はかなり上等で充実している。
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5)侍が歩いてきそうだ
6)桜
7)木戸孝允誕生地
8)萩(指月)城跡近く
写真の消えたデジカメに意気消沈した湯老人は松陰神社前で再びまぁーる
バスに乗車、萩城下町周辺に向かう。バスは田床山(たとこやま、373M.)の
山麓を走り、眼下に松本川や萩の市街地、その先の日本海が見える。快晴
の下誠に美景ではあるが、祟りを被った湯老人の心は深く傷つき一向に晴
れる事はなかった。萩市役所前で下車し、大通りを渡って旧萩藩校明倫館
をまず見学する。風雪を経た木造校舎は風格十分。いつまでもくよくよし
てはいられないと心を切り替え、下手な写真を撮るべく改めてデジカメのシ
ャッターを切る。約 1 万 5 千坪と明倫館の敷地はやたらに広く、敷地内に「花
燃ゆ大河ドラマ館」が開館している。開館期間は平成 27 年 1 月 11 日-平成
28年 1月 10日。大河ドラマを観ない湯老人は当然「花燃ゆ大河ドラマ館」をパ
スし、明倫館見学のみに的を絞った。敷地が広いので真面目に見学すると
今日中に宿に辿り着けないかもしれない。そんな不安を覚えた湯老人はそ
こそこに明倫館を切り上げ、次なる標的、木戸孝允旧宅やら高杉晋作誕生
地やら諸々を目指して歩く。そろそろ足が疲れてきた。
分かりやすそうで実は分かりにくい萩の町、萩観光案内図なるパンフレットと
首っ引きで道を探す。汗をかいて歩いているのは湯老人と同類の爺婆軍
団、若者達は大抵レンタサイクルですいすい追い抜いて行く。貧乏湯老人は入場
料のかかる場所を極力避けて、ただただ日差しのきつい町の中をうろうろ
徘徊。暑いし、足はだるいし、腹は減ってくるしで、一体自分は何をやっ
ているのかと大いなる疑問が生じるのであった。十分な時間的余裕を持っ
てゆっくり歩くのが萩の町の楽しみ方で、たかだか半日で萩をできる限り
見ようとする神風観光は疲れるばかりで得るものは少ない。
いずれにせよ腹が減った。萩城周辺と城下町を隔てる外堀通りでレストランを
見つけた。大きなガラス窓の開放的な造りで一見洒落た感じの店である。空席
があったので入店、ドライカレーと生ビールを注文し、お冷やを一口飲んで少し
落ち着く。店内は団塊世代らしきカップルが多く、一人客は湯老人だけである。
いつもの事ながら少々肩身が狭い。その内犬連れの 7-8人のグループがやって
来た。店内は無理なので外のテラス席に座るようだ。5 分?経ったがまだ生ビール
は出てこない。改めて周囲を見回すと雰囲気がどうもおかしい。客は皆料理
ができるのをかなり待っている様子でいずれも不機嫌そうな顔付き。その内
ウェイトレスとある客の会話が耳に入った。何等かの理由で客の注文した料理を
作ることができないらしく、別のものに変えて欲しいとウェイトレスが懇願してい
る。「何で今頃、もっと早く言ってくれ」と怒った客だが、渋々他の料理を
注文した。更に 5 分程経ったが誰の料理も出てこない。これではどれだけ
待たされるか分からない。行列と待つことが大嫌いな湯老人、レストラン内の
不穏な空気をさとって注文をキャンセル、店を飛び出したのであった。推測する
に、想定以上の客が集中したため厨房が混乱したのであろう。それにしては
犬連れ 7-8人をテラス席に入れたりしていたがどうなることやら。
「花燃ゆ」の視聴率は低いもののその宣伝効果で萩観光の客が増加、このレストラ
ンの客も増えたのであろうか。しかしマネージメントがなっていない。湯老人を
翌朝東萩駅まで送ってくれた前出“萩一輪”の男性(オーナーのような気がする?)
が語っていた。「萩には中国人や韓国人がまだ来ないのでそんなに騒々しく
はない。しかし「花燃ゆ」効果は確かに凄い。ドラマが始まって“萩一輪”の
宿泊客が 1.5倍になった。」。
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9)指月山
10)菊ヶ浜
砂浜で一休みする。海水浴場でもある湾曲した砂浜が美しい。左手(西)にお椀をふせたような指月山(143M.)が見える。
砂浜のごみを拾っている年寄りの男女、小型犬を散歩させている中年女性、他に人影はない。
今回の萩観光ははなはだ不本意な出来栄えに終わった。祟りで写真は消えるし(くどいなあ)、指月公園のみならず史料館
や博物館も未訪である。久坂玄瑞・青木周弼・山県有朋・桂太郎・品川弥二郎等々、幕末・明治に活躍した人物達所縁の場所は
全く見ていない。萩の極く一部を観光したに過ぎない。幸い萩は福岡から近い。再訪して今度はゆっくり萩の町を探索し
よう。
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・・ 発発行行者者のの許許可可ななくく本本紙紙をを第第三三者者にに転転載載さされれまますすここととははごご遠遠慮慮くくだだささいい。。
レストランを飛び出し、外堀を越えて町歩きを続行する。食べ物屋は勿論、
一般の商店も見かけない。日差しは相変わらずきつく、汗はかくし空腹
でめまいがする。涼しいレストランで我慢して待てばよかったと後悔するが
後の祭り、その内路上に倒れそうだ。とその時、1 軒の喫茶店が目に
入った。パンか何か食べる物位あるだろう、とよろよろ店に入る。4 人
掛けボックス席が三つだけの小さな店でここも窓が大きく明るい。メニューを
見ればやれ嬉しやカレーランチの文字。マスターは湯老人とおっつかっつの年齢と
思われ、銀髪の奥さん(多分)が料理を作る。カレーランチはスープ・サラダ・コーヒー
付きでこのコーヒーがマイルドで実にうまい。それで 800 円はお得な昼食で
あった。腹を満たし少しは元気を取り戻して 萩城跡に歩を進める。
本日は 10:00頃から現在まで 4時間程あちこち歩いている。疲れたので
萩城跡で観光は打ち止めにしよう。早目に宿に入り風呂で疲れた足を
マッサージしよう。
萩城は慶長 9(1604)年毛利輝元によって指月(しづき)山麓に築城
された。別名指月城とも言われ、山麓の平城と山頂の山城からな
る。現在は石垣と堀の一部が残るだけで、旧本丸跡が指月公園と
して整備されている。春には 600 本余りのソメイヨシノが咲く当地の
桜の名所である。湯老人が訪れた時萩の桜は 5-6分咲きであった。
2-3日前福岡の桜が満開だったのでそれより 1週間遅れ位か。さっ
きから何だかむやみに足が痛い。これから広そうな公園内を歩く
のは願い下げにしたい。おまけに入園料 210 円がかかる。外から
見るだけでよしとしよう。そんな理由から公園入口で湯老人は
踵を返した。園内には日本でここでしか見られないミドリヨシノが 1本
だけあり、珍しい純白色の花を咲かせるそうだ。咲いているか
どうかはっきりしないが、後で知ってちょっと後悔、ちょっと
残念。指月公園から“萩一輪”まで徒歩 10分弱、途中菊ヶ浜の