工作機械産業における技術者・技能者の 確保及び技術・技能...

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平成 22 年度 工作機械産業における技術者・技能者の 確保及び技術・技能伝承に関する調査研究 平成 23 3 社団法人 日本工作機械工業会 この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。 http://ringring-keirin.jp/

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平 成 22年 度

工作機械産業における技術者・技能者の

確保及び技術・技能伝承に関する調査研究

報 告 書

平 成 23年 3月

社団法人 日本工作機械工業会

この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。http://ringring-keirin.jp/

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目 次

1.はじめに ------------------------------------------------------- 1

2. 調査研究の概要 ----------------------------------------------- 2

3. 工作機械トップセミナーの開催 --------------------------------- 3

4. 工作機械の教育映像の作成 ------------------------------------- 8

5. 工作機械基礎講座の開設 ------------------------------------- 15

6. 産学連携人材育成パートナーシップへの協力 ------------------- 36

6.1 工作機械インターンシップマニュアルの充実について ------ 36

6.2 海外における工作機械関連教育のアンケート調査 ---------- 39

6.3 海外インタビュー調査 ----------------------------------- 54

巻末 工作機械分野におけるインターンシップマニュアル(改訂版) ---- 69

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1.はじめに

世界の工作機械市場では、中国、韓国、台湾等の成長著しい新興国の躍進がめざましく、

我が国工作機械業界には更なる競争力強化が求められており、持続的な成長のためには、

他国の工作機械との差別化を図り、生産性の向上を追求しながら、高付加価値の製品・サ

ービスを提供し続けることが重要である。

これらを実現させるためには、若く優秀な人材を工作機械産業に確保し、育成すること

がこれまで以上に重要な課題となっている。

当会人材確保研究会では、平成22年度では、工作機械トップセミナーの開催、学生

や新入社員等を対象とした教育用工作機械DVDの作成、また、経済産業省が実施する産

学連携人材育成パートナーシップへの協力により、昨年度作成したインターンシップマニ

ュアルの充実、工作機械基礎講座の開設や海外における工作機械関連教育の実態調査等幅

広く積極的に活動した。

工作機械トップセミナーは、第25回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2010)

の期間中に全国9地域より63の大学・高専の学生・教職員455名を招待し、工作機械

メーカーの経営者、著名なインダストリアルデザイナー、工作機械メーカーや工作機械ユ

ーザの技術者より工作機械産業の重要性やそこで働くことの素晴らしさについてご講演い

ただき、参加された学生・教職員から大変好評を得ることができた。

また、教育用DVDについては、構成・内容等について検討し、まもなく完成させるこ

ととなっている。

産学連携人材育成パートナーシップへの協力では、昨年度作成した「インターンシップ

マニュアル」について、当会会員企業、大学等の研究者へのアンケート調査を実施し、調

査結果を踏まえて充実させた。「工作機械基礎講座」は、工作機械を設計する上で欠かせ

ない基本理論と実際の設計の結びつきについて、工作機械・生産加工の分野で活躍されて

いる大学の研究者より講義いただき、当会会員企業の多数の新人技術者が参加した。

本調査研究が、同じ課題・問題点を持っている製造業を初めとする各業界において、一

助となっていただければ幸いである。

(社)日本工作機械工業会

人材確保研究会

委員長 木 越 清 彦

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2.調査研究の概要

2.1 テーマ

工作機械産業における技術者・技能者の確保及び技術・技能伝承に関する調査研究

2.2 調査研究期間

平成22年4月1日~平成23年3月31日

2.3 目的

本調査研究は、次世代を担う技術者・技能者を確保及び育成することを目的に大学、工業

高等専門学校等の学生及び教職員を対象に工作機械セミナーを開催し、企業の技術者や大学

等の学識経験者からの講演をいただくとともに工作機械展示会等の見学を通じ、学生に工作

機械産業や工作機械技術の面白さ、楽しさ等を理解してもらうことを目的とする。

2.4 委員会構成及び委員会開催状況

2.4.1 委員会構成

委 員 長 木越 清彦 中村留精密工業(株)常務取締役営業本部長

研究者側委員 清水 伸二 上智大学理工学部機能創造理工学科教授

同 新野 秀憲 東京工業大学精密工学研究所精機デバイス部門教授

同 青山 英樹 慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授

同 国枝 正典 東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻

同 松村 隆 東京電機大学工学部機械工学科教授

企業側委員 長江 昭充 ヤマザキマザック(株)専務取締役 技術生産本部本部長

同 河邊 誠造 三井精機工業(株)常務取締役

同 小山 正 (株)ジェイテクト事業企画部部長

同 近藤 定巳 オークマ(株)人事部部長

同 矢澤 孝二 (株)牧野フライス製作所 総務部ゼネラルマネージャー

同 水野 脩 (株)カシフジ 専務取締役

同 岡 俊男 (株)森精機製作所 人事部副ゼネラルマネージャー

同 椙尾 茂樹 (株)大阪機工 取締役執行役員

2.4.2 委員会開催状況

第1回 平成22年 6月24日(木) 機械振興会館B3-S会議室

第2回 平成22年10月 7日(木) 機械振興会館B3-S会議室

第3回 平成22年12月22日(水) 機械振興会館B3-S会議室

第4回 平成23年 2月 8日(火) 機械振興会館B3-S会議室

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3.工作機械トップセミナーの開催 次世代を担う若く優秀な人材に工作機械の重要性、工作機械技術の面白さ、楽しさを理解してもらい、

ひいては、工作機械産業に就業してもらうことを目的に産学連携の下、工作機械トップセミナーを開催

した。開催概要は以下の通り。

(1)日 時 平成22年10月31日(日)

(2)場 所 東京ビックサイト 会議棟 国際会議場

(3)主 催 (社)日本工作機械工業会

(4)協 力 (社)日本機械学会(RC249)

(5)参加校・人数 全国9地域 63校 455名

①関東以外の招待学生 27校254名

【北海道地区】 3校 11名

〔北海道大 3名、北海道工大 4名、室蘭工大 4名〕

【東北地区】 2校 16名

〔東北大 9名、日大 7名〕

【新潟地区】 3校 34名

〔新潟大 20名、長岡技科大 11名、長岡工業高専 3名〕

【北陸地区】 5校 81名

〔金沢大 21名、金沢工大 12名、富山大 18名、福井大 20名、福井工大 10名〕

【東海地区】 3校 37名

〔名古屋大 17名、中部大 17名、豊橋技科大 3名〕

【関西地区】 5校 46名

〔阪大 10名、大阪工大 11名、京大 10名、神戸大 10名、摂南大 5名〕

【中国地区】 2校 9名

〔岡山大 5名、広島大 4名〕

【九州地区】 4校 20名

〔九州大 4名、九州工大 4名、熊本大 8名、佐賀大 4名〕

②一般参加学生 42校 201名(招待校と6校重複)

【関東地区】 26校 172名

足利工大 1名、神奈川大 7名、共立女子大1名、慶応大 14名、

埼玉大 4名、芝浦工大 4名、上智大 47名、湘南工科大 2名、

千葉大 1名、千葉工大 1名、電機大 17名、電通大 9名、東大 3名、

東工大 13名、農工大 18名、東京都市大 3名、理科大 2名、

東洋大 3名、日大 12名、日工大 1名、明治大 1名、横国大 4名、

立教大 1名、早大 1名、産業技術短大 1名、多摩職能開発センター 1名

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【関東地区以外】 16校 29名

金沢大 5名、関西大 1名、九州大 2名、九州工大 1名、

近畿職能開発大 1名、熊本大 1名、神戸大 1名、滋賀県立大 4名、

名古屋大 1名、広島工大 1名、名城大 6名、琉球大 1名、

岡山工業高 1名、酒田工業高 1名、長崎工業高 1名、

創造社デザイン専門学校 1名、

(6)プログラム

【第一部 JIMTOF2010産学連携特別企画

「工作機械トップセミナー ~ようこそ、夢のある工作機械の世界へ~」

時 間 セミナー内容

13:00~13:10 開会挨拶:中村会長

13:10~13:20 来賓挨拶:藤木 俊光 氏(経済産業省製造産業局産業機械課課長)

13:20~14:10 講 演:「日本の工作機械業界の魅力」

講 師:山崎 智久 氏(ヤマザキマザック㈱・取締役社長)

14:10~15:00 講 演:「インダストリアルデザイナーが語るものづくりの魅力」

講 師:奥山 清行 氏(㈱KEN OKUYAMA DESIGN・代表)

15:00~15:15 休 憩

15:15~16:05

講 演:「最先端の鉄道車両を実現する生産加工技術」

講 師:藤野 謙司 氏(東日本旅客鉄道㈱・JR東日本研究開発センター

先端鉄道システム開発センター・課長)

16:05~16:45

講 演:「機械設計の話 ~コンカレント開発とマシニングセンタの設計~」

講 師:梶川 真吾 氏(㈱牧野フライス製作所・開発本部厚木開発部Mグループ

主軸要素開発チーム・チームリーダ)

会場には450名超の学生が集まる 中村会長のあいさつ

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【第二部 「懇親パーティ」】

①挨拶・乾杯:中村健一 (社)日本工作機械工業会会長

②参加会員:34社103名(うち32社が会場内に企業ブースを設置)

山崎社長(ヤマザキマザック)の講演

PRコーナーは多くの学生で賑わう 企業のトップと懇談

奥山氏の講演

藤野氏(東日本旅客鉄道)の講演 梶川氏(牧野フライス製作所)の講演

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(7)学生からのアンケート集計結果(抜粋)

【セミナーについて】

・メーカーのトップからデザイナー、ユーザー、

設計など様々な視点から講演を聴くことがで

きた。 ・セミナーの内容は大学の講義では聴くことが

できない貴重なものだった。 ・講師の方々の仕事への熱意が伝わってきた。

・山崎社長のわかりやすい講演で工作機械業界

への理解が深まった。 ・奥山氏の仕事へのこだわりやプロ意識の高さ

に驚いた。 ・設計部門のやりがいや雰囲気を感じた。

【懇親会について】

・様々な企業の方と話すことで、仕事内容や社

風が分かり今後の就職活動の参考になった。

・通常の就職セミナーと違い、企業の方と気軽

な雰囲気で話すことができた。

・企業のトップと話せる貴重な場だった。

・地元の企業の方と面識ができた。

・懇親会により就職志望先の一つになった。

・色々な企業の方と話したが、時間が足りない。

時間を延ばして欲しい。

・OBとの交流もできれば、なお良いと思う。

・他大学の学生交流ができた。

【JIMTOF見学について】

・普段見ることができない最先端の工作機械を

実際に見ることができ、勉強になった。

・工作機械業界には多くのメ-カ-があること、

それぞれが個性を持っていることに驚いた。

・展示会の規模の大きさに圧倒された。

・自分の研究分野の現状を知ることができた。

・海外の方も多く国際的な展示会だと感じた。

・全ブースを見てみたいが時間が足りない。 ・また来場したい。

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【企画展示について】

・旋盤を組み立てる高校生の技術に驚いた。自

分も負けていられないと思った。 ・ポスター展が良かった。他大学でどんな研究

をしているか知ることができた。 ・パワートレインを組み立てる匠の素晴らしい

技術を間近で見ることができた。 ・企画展示の実演回数を増やして欲しい。機会

を逃してしまい見学できなかった。

【JIMTOF学生ツアーについて】

・参加したことで工作機械に対する理解が深ま

った。

・工作機械が工場で実際に稼働しているところ

を見てみたい。

・機会があれば次回も参加したい。

・今後もこの企画を続けて欲しい。後輩にとっ

て工作機械を知る良い機会となると思う。

・無償でありがたい。

・せっかくの機会なのに見学時間が短い。スケ

ジュールにゆとりを持って欲しい。

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4.工作機械の映像教材の作成 (1)映像教材作成の目的 人に何かを教え、伝える際には、単に言葉で説明するだけでなく、実際にモノを見せて

説明することで理解度は飛躍的に高まる。 そのため、プレゼンテーションソフトが手軽に利用できる現在では、大学の授業や企業

の新人教育において、画像や動画を駆使した教育が当たり前に行われるようになっている。 当然ながら、工作機械に関する教育現場においても機械の構造や加工事例などを画像や

動画で見せながら教えることが出来れば、工作機械に対する理解を深められることは勿論、

興味を引き出すことも可能になると考えられる。 しかし、工作機械に関して言えば、こうした画像や動画が簡単に入手できる状況になく、

加えて多様に分類される機種を網羅的に収集した画像・動画集も存在しない。 そのため、教育用の目的で工作機械の画像や動画の提供依頼が当会にも多く寄せられて

おり、体系的に整理された画像・映像集作成へのニーズは以前からあった。 そこで、大学においては授業を通して工作機械への興味を喚起し、理解を深めてもらえ

るような、また、企業においてはより効率的な新人教育授業を可能とするためのツールの

一つとして、工作機械の映像教材を作成することとなった。 (2)映像教材の基本コンセプト 映像教材を作成するにあたり、まずはその基本コンセプトを明確にした。 世の中には、様々な映像教材が存在するが、それらは画像や動画に音声による解説が加

えられたものが多いように思われる。 こうした教材は確かにわかりやすく、授業だけでなく個人で学習する際にも有用である。 一方で、それを見る人のレベルがあらかじめ想定されているため、そのレベルから外れ

た人からすれば、「難しくて理解できない」あるいは「物足りない」ということになってし

まう。 また、実際の大学の授業や企業教育で使用する場合、当然のことながら学校、企業、講

師によって教える内容、ポイントは異なってくる。 例えば、大学の場合を考えれば、工作機械として独立した講座を設けているところもあ

れば、生産システム講座の1コマとして工作機械を教えるにとどまるところもあるだろう。

このように、工作機械の授業に割く時間数が異なれば、おのずとその授業内容も変わって

くる。 一方企業の場合、例えばマシニングセンタの専業メーカであれば、マシニングセンタに

ついては時間を割いて広く・深く教えるが、その他の機種は役割を教える程度というケー

スもあるかもしれない。すなわち、重点を置くポイントが企業によって異なるということ

である。 このように、状況によって教える内容、ポイントが異なる場合にも、既存の形態の教材

では柔軟な対応が難しいと考えた。 そこで、作成する映像教材では、以下の2点を基本コンセプトとすることとした。

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①解説は極力少なくする。 「視覚に訴えて理解を深める」ことが本教材の最大の目的であることから、工作機械

をどのように教えるかは講師にお任せすることとして割り切り、解説は必要最小限に

とどめる。 講師は、自分が教える内容・ポイントに併せて収録されている画像・動画を効果的に

使い教育する。 ②画像・映像を体系的に整理して収録する。 講師が、教えている内容にあわせてすぐに画像・映像を使えるように、工作機械の機

種・加工方法・構造・要素などに別けて体系的に整理・収録する。 例えば、講師が「旋盤の主軸構造」を教えたいとすれば、直ぐにその画像が引き出せ

るようにする。 (3)使用するソフトウェア 基本コンセプトを決めた上で、映像教材の作成に適したソフトウェアの選定を行った。 特殊な使用環境を求めないという大前提のもとに、Microsoft 社の Power Point と Adobe社の Flash のいずれかを使用することで検討を行った。 Power Point はプレゼンテーションソフトとして広く一般的に利用されており、使用者

が目的に併せて容易に内容をカスタマイズできるという利点があるものの、使用環境によ

っては、動画が動かないなどのトラブルが起こる可能性もある。 一方 Flash は利用者がカスタマイズすることはほとんどできないが、使用環境を選ばず

にスムーズな動画再生を行うことができる。 今回作成する映像資料では、2項の基本コンセプトを鑑み、使用者がカスタマイズでき

なくても便利に利用できるとの判断から Flash を採用することとした。 (4)基本構成の検討 基本コンセプト、使用するソフトウェアが決まり、教材の基本構成の検討に入った。 工作機械の機種・加工方法・基本構造・構成要素等を体系的に整理しなければならない

為、検討当初は構成が複雑になってしまったが、上智大学 清水伸二 教授が執筆された

工作機械の教科書「初歩から学ぶ工作機械(大河出版)」の構成を参考にし、最終的に表1

の基本構成を決定した。

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表 1 工作機械の映像教材 基本構成 Part1 工作機械とは

この Part では、工作機械の社会的役割や重要性など、工作機械とはどんな機

械であるかを紹介する。平成20年度に作成した工作機械産業の紹介 DVD「機

械をつくる不思議な機械」を再編集。 Part2 加工方法と主な工作機械

工作機械を加工方法と機種で分類し、どのような種類の工作機械があって、

それぞれがどのような加工を行うかを紹介する。

1.旋削加工と旋盤・ターニングセンタの紹介 2.フライス・マシニングセンタ加工とフライス盤・マシニングセンタの紹介

3.研削加工と研削盤の紹介 4.その他の加工方法

放電加工、レーザ加工、歯車加工、ラップ加工、ブローチ加工等

Part3 工作機械の主要構成要素の基本構造とその仕組み

工作機械がどのような要素で構成されているか、またそれぞれの構成要素が

どのような構造、仕組みになっているか、代表的な機種(旋盤、マシニングセ

ンタ、研削盤)別に紹介 1.主要構造要素

①構造本体の基本構造と特性 ②サドル・テーブル ③主軸頭(主軸台)・

砥石軸頭(砥石台) ④主軸・砥石軸 2.駆動機構 ①主軸駆動機構 ②回転・旋回駆動機構 ③直進送り駆動機構

④送りサーボ機構 ⑤新しい駆動機構 3.周辺装置・ツーリング ①主な周辺装置とその役割 ②ツーリングシステム ③各種計測システム

の紹介

Part4 加工映像事例集

工作機械による加工映像を、自動車部品加工、航空機部品加工、金型加工等々、

加工製品ごとに収録した加工映像データベース。 身近な製品の加工映像を収録することで、工作機械と身の回りの製品との関わり

への理解を深めてもらう。

(5)収録する画像・映像の収集 4項で決定した構成にあわせて、収録する画像・映像の収集を行った。 日工会会員をはじめ、工作機械要素メーカ、工具メーカなどに、各社が保有している画像・

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動画の提供をお願いし、多数の資料をご提供いただいた。 提供いただいた画像・映像の中から、最適なものを選び出し、収録する予定である。 なお、通常の画像・映像では表せないものについては CG を作成し、表現していく予定であ

る。 (6)映像教材の作成 全ての準備が終わり、映像教材の作成に入った。以下に、現在制作中の試作版を紹介するが、

いずれも製作途中のため、見やすさや構成等を考慮して内容が変更される可能性があることを

申し添えておく。 図1はスタート画面である。まだ正式タイトルは未定となっているが、映像資料の正式名称

とそれぞれの Part が表示されている。ここで見たいパートを選択すると、そのパートに詳細

に移動する。

図1 映像教材のスタート画面 図2に Part2 の詳細画面を示す。 それぞれの機種ごとに項目が設定されており、見たい加工方法と機種を選択するとその詳細

ページに移動する。

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図2 Part2 加工方法と主な工作機械の画面

図3に旋削加工と旋盤・ターニングセンタの画面を示す ここからさらに詳細機種を選択すると、その機種の画像と動画一覧画面に移動する。

図3 旋削加工と旋盤・ターニングセンタの画面

図4に旋盤の画像と動画画面を示す。上段の Photo には各種旋盤の外観写真やカバーのない

構造写真などの一覧が表示されており、それぞれ選択すると拡大表示される。 下段の movie には旋盤で行われる加工の模式図のアイコンを表示しており、見たいアイコン

を選択すると動画が立ち上がる。

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図4 旋盤の画像と動画選択画面 図5に外丸削りの動画画面を示す。 画面の左右にある白い矢印をクリックすると前・後の動画に移動する。また、画面下の数字

をクリックすることで、他の動画にジャンプすることもできる。

図5 外丸削りの動画画面

以上、工作機械の映像教材の作成についての報告となるが、現在も作成途中であり、現状で

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は試作版を紹介するにとどまっている。 できるだけ早く、工作機械の教育現場で活用いただけるよう、鋭意製作を進めていく。 最後に、貴重な画像・映像資料をご提供いただいた関係各位並びに、映像教材作成にご尽力

いただいた、映像化WGメンバーに感謝申し上げる。

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5.工作機械基礎講座の開設 当会・人材確保研究会では、工作機械業界の将来を担う、有為な人材の確保・育成の取り組みの一つ

として、工作機械メーカの新入社員を対象とした「工作機械基礎講座」を開催した。 本講座は、入社1~3年程度の新人技術者を対象として、「大学の機械系学科で学ぶ、4力学を中心と

した基礎学問を工作機械の開発設計にどのように応用していくか」いう視点にたったカリキュラムに基

づき、東京工業大学名誉教授 伊東誼氏、神戸大学名誉教授 森脇俊道氏、はじめ我が国工作機械及び

生産加工分野の第一線で活躍されている研究者より講義いただいた。 また、講義終了後には、講師及び工作機械メーカのベテラン技術者との懇談会を実施し、講義内容の

質疑とともに、日頃の業務における疑問点などについて意見交換を行った。 なお、今回は試験的試みとして実施したが、受講者からのアンケート結果や会員企業からの要望を踏

まえ、定期開催に向けて内容の充実を図っていく。 本講座の概要は以下の通り。 (1)開 催 日 程:2011年1月11日(火)~13日(木) 3日間 (2)会 場:中央大学 駿河台記念館 (3)受講対象者:入社1~3年程度の会員メーカ新人技術者。 (4)受 講 者 数:会員メーカ24社より39名が受講

熱心に講義を聴く受講者 懇談会ではベテラン技術者からアドバイス

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(5)プログラム

時 間 1日目(1月11日)

13:00-13:15 開講挨拶

(社)日本工作機械工業会 八賀 聡一 事務局長

13:15-14:45 工作機械総論

講師:東京工業大学 伊東 誼 名誉教授

14:45-15:00 休憩

15:00-16:30 工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組みⅠ

講師:日本大学 山田 高三 専任講師

16:30-16:45 休憩

16:45-18:15 工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組みⅡ

講師:東京工業大学 伊東 誼 名誉教授

18:15- 講師、ベテラン技術者との懇談会

時 間 2日目(1月12日)

9:00-12:15

(10:30~10:45 休憩)

機械加工概論(切削加工)

講師:東京電機大学 松村 隆 教授 12:15-13:00 昼食休憩

13:00~16:30

(14:45~15:00 休憩)

機械加工概論(研削加工)

講師:日本大学 李 和樹 教授 16:30-16:45 休憩

16:45-18:15 工作機械の制御

講師:京都大学 茨木 創一 准教授

18:15- 講師、ベテラン技術者との懇談会

時 間 3日目(1月13日)

9:00-10:30 加工性能への影響因子と基本特性(静・動特性)

講師:摂南大学 森脇 俊道 教授、工学部長 10:30-10:45 休憩

10:45~12:15 加工性能への影響因子と基本特性(熱変位抑制)

講師:東京農工大学 堀 三計 助教

12:15-13:00 昼食休憩

13:00~16:30

(14:45~15:00 休憩)

加工性能への影響因子と基本特性(びびり振動抑制)

講師:首都大学東京・中央大学

渡部 和 非常勤講師

16:30-16:45 休憩

16:45-18:15 講師との懇談会

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(6)工作機械基礎講座受講者アンケート調査まとめ

工作機械基礎講座受講者に対して、アンケート調査を実施し、受講者39名より回答を得た。

受講者は、入社年度は 2008 年度がもっとも多い。

1

0

4

4

4

18

4

4

0 5 10 15 20

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

入社

年度

人数

N=39

図 1 回答者の入社年度調査結果

問 1-1 受講の理由

上司の指示を前提として、現在の業務との関連している、工作機械設計のための基本理論と

実際の設計との結びつきを学びたいという本講座の趣旨にあった理由が挙げられている。

[n=39、複数回答可]

92%

72%

67%

28%

13%

13%

5%

3%

3%

上司等の指示があったから

現在の業務と関連しているから

工作機械設計のための基本理論と実際の設計との結びつきを学びたいから

講座の構成(科目の内容、講師等)がよかったから

受講料が妥当であったから

就職前に大学・高専等の教育機関で工作機械を学んでいないから

開催場所の交通の便がよかったから

都合がよい日時(時間帯、期間)の開催であったから

その他

図 2 本講座の受講を決定した理由

����

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問 2-1 受講前の期待(どのような知識・スキルの修得を期待しているか)

[n=38、複数回答可]

74%

63%

63%

13%

工作機械設計時に生じる問題点解決の考え方

工作機械設計への機械工学の適用方法

工作機械要素技術の適用方法

その他

図 3 受講によって習得を期待した知識・スキル

問 2-2 受講前の期待(工作機械設計時に生じる問題として、大別して「軽量化高剛性の構造

設計」、「びびり振動抑制」、「熱変形減少対策」並びに「NC 技術」となるが、いずれに

関心があるか)

[n=38、複数回答可]

76%

55%

42%

13%

軽量化高剛性の構造設計

熱変形減少対策

びびり振動抑制

NC技術

図 4 関心がある問題点

問 3-1 受講後の評価(達成状況)

[n=39 ※数値は人数]

3

1

3

22

24

19

5

5

7

9

9

10

0% 20% 40% 60% 80% 100%

工作機械設計への機械工学の適用方法

工作機械要素技術の適用方法

工作機械設計時に生じる問題点解決の考え方

1. 十分に達成 2. 概ね達成 3. あまり達成できず 4. 達成できず 無回答

図 5 達成状況

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問 3-2 開催場所

開催場所は現在の東京で良いという回答が大半となった。別の場所が良いという意見として

は、名古屋と大阪が挙げられている。

[n=39]開催場所は、別の場所が良い, 10, 26%

開催場所は、現状(東京)のままでよい, 29,

74%

図 6 開催場所の適切さ

問 3-3 開催日数

3 日の短期集中開催についても適当という意見が大半となった。適当ではないという意見と

しては、詰め込みすぎで時間が短すぎるという意見が多かった。

[n=39]実施方法は適当でな

い, 9, 25%

実施方法は適当である, 27, 75%

図 7 実施方法(3 日の短期集中開催)の適切さ

問 3-4 適当と思われる受講料

適当と思われる受講料は 1~3 万円がもっとも多くなっている。

[n=38]

1万円以上3万円未満,28, 74%

10万円以上, 0, 0%5万円以上10万円未満, 0, 0%

3万円以上5万円未満,3, 8%

1万円未満, 7, 18%

図 8 適当と思われる 1 人あたり受講料

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問4-1 各科目の期待と評価(受講前)

受講前の各回への期待としては、「加工性能への影響因子と基本特性」が最も高く、「機械加

工概論」、「工作機械の制御」は相対的に低い。

[n=39 ※数値は人数]

14

18

16

17

17

20

20

18

12

8

21

26

25

23

3

20

19

19

20

20

17

18

13

18

20

17

12

13

15

24

5

2

4

2

2

2

1

8

9

7

1

1

1

1

12

1 3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

①工作機械総論

1) 構造本体

2) サドル・テーブル

3) 主軸頭及び砥石軸頭

4) 主軸・砥石軸

5) 結合部

6) 駆動機構

1) 切削

2) 研削

④工作機械の制御

1) 静特性

2) 動特性

3) 熱特性

4) 運動特性

⑥現場用語の英文

②工

作機

械の

主要

構成

要素

の基

本構

造と

仕組

み③

機械

加工

概論

⑤加

工性

能へ

の影

響因

子と

基本

特性

1. 非常に期待 2. 期待 3. あまり期待しない 4. 期待しない 無回答

図 9 受講前の各科目への期待

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問4-2 各科目の期待と評価(受講後)

受講後の評価についても、概ね満足したとの結果が得られている。各回の違いはほぼ受講前

の期待と同様の傾向を示している。すなわち、「機械加工概論」と「工作機械の制御」は相対的

には満足度が低い。

「工作機械総論」は高い評価を得ている。「工作機械の制御」は難しかったという回答が多い。

【総合的な評価】

[n=39 ※数値は人数]

18

12

2

4

15

19

24

33

28

23

2

3

4

7

1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

①工作機械総論

②工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組み

③機械加工概論

④工作機械の制御

⑤加工性能への影響因子と基本特性

1. 非常に満足 2. 満足 3. やや不満 4. 不満

図 10 総合的な評価

【講義の内容】

[n=39 ※数値は人数]

18

8

5

4

12

20

26

29

28

27

1

4

5

7

0

1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

①工作機械総論

②工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組み

③機械加工概論

④工作機械の制御

⑤加工性能への影響因子と基本特性

1. 非常に満足 2. 満足 3. やや不満 4. 不満 無回答

図 11 講義内容

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【講師の教え方】

[n=39 ※数値は人数]

26

14

10

10

16

12

23

28

25

23

1

2

1

4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

①工作機械総論

②工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組み

③機械加工概論

④工作機械の制御

⑤加工性能への影響因子と基本特性

1. 非常に満足 2. 満足 3. やや不満 4. 不満

図 12 講師の教え方

【講義の時間配分】

[n=39 ※数値は人数]

24

25

21

20

25

5

6

7

5

2

10

8

11

14

12

0% 20% 40% 60% 80% 100%

①工作機械総論

②工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組み

③機械加工概論

④工作機械の制御

⑤加工性能への影響因子と基本特性

1. ちょうど良い 2. 長い 3. 短い

図 13 時間配分(90 分)

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【講義の難易度】

[n=39 ※数値は人数]

1

1

5

10

7

17

23

28

22

28

19

15

6

7

3

1

1

1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

①工作機械総論

②工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組み

③機械加工概論

④工作機械の制御

⑤加工性能への影響因子と基本特性

1. 大変難しかった 2. 難しかった 3. 易しかった 4.非常に易しかった 無回答

図 14 難易度

【受講者の理解度】

[n=39 ※数値は人数]

3

2

3

3

1

33

34

25

15

26

2

2

10

19

11

1

1

1

1

1

1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

①工作機械総論

②工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組み

③機械加工概論

④工作機械の制御

⑤加工性能への影響因子と基本特性

1. よく理解できた 2. 理解できた 3. あまり理解できなかった 4. 理解できなかった 無回答

図 15 理解度

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表 1「1.工作機械総論」の感想・意見・要望

内容がバラエティに豊んでいておもしろかった。

同じ技術でも時代とともに用語が変化していく場合があることを知れて良かったです。

自社で取り扱っていないものを含めた工作機械の全体像ということで、社内で聞けない話であったた

め興味深かった。それぞれの工作機械の特性、得意とする加工についても聞いてみたいと思った。

雑学の話が興味深く、楽しめながら学べました。

温故知新 よいものは真似る。よいか悪いか判断できる力を身につけたい。

雑学的な内容を含め、過去のアイデアの中には、今だからこそできることがあるなど古き事に学ぶこ

とが多い事を再認識した。工作機械の分野だけでなく広く知識を得る必要があるのも再認識できた。

古いことから新らしいことがあり、普段ふれることのできないことを聞けることができて良かった。わか

らない用語が多かったのでもう少し用語の説明もして欲しかった。

海外の情勢について、さらに詳しく、聞きたいです。

工作機械の基本的なことを自分がいかに知っていないかが、分かったので、とてもためになりました。

疑問だった工作機械の分類などの話が聞けてよかったです。

ところどころに入っている雑学をからめた話が非常に興味深く、貴重なお話だったと思います。

実例、雑学等を含めた講義内容であって、普段学べない知識を得る事ができ良かった。

講義が 90 分に対してパワーポイントのスライドの枚数が多すぎたように感じました。

鳥瞰図的な設計や、モジュラー方式など取り入れていない構想方式を知ることができた。

内容が豊富で、欧米等との比較がありとても良かった。

工作機械の歴史、そして世界情勢、またこれから工作機械を設計する者としてどのような勉強をして

行くかの道標を学べたと思いました。

時間的なこともあると思いますが、4 章の市場動向や国際比較の部分をもう少し聞きたかった。

工作機械の勉強の仕方や歴史、工作機械の追及する現象は変わらないことなどが、大変役立ちま

した。もっとお話をお聞きしたいと思いました。

話の流れがよく分からなかった。各チャックの構造や旋盤の歴史をもっと詳しく知りたかった。

このような基礎の教育は大学や会社では受ける機会がなかったので、とても勉強になりました。どうし

ても会社ですと実務をベースとした教育になってしまうので、このような知識を教えていただけて、楽し

く講義を受けることが出来ました。

新めて機種分類や体系を整理できたので良かった。・ヨーロッパ等の動向も話が聞けて良かった。

過去使用できなかった技術で現在使えそうなものの例をもう少し紹介してほしかったです。あとは独

学のみですね。いろんなものに興味を持って個人の力を高めていくしかないことが改めて分かった。

横の知識を得るように自ら学ぶ必要があるといわれ、その通りだと感じた。

今後の勉強の方針について悩んでいたので「工作機械技術の鳥瞰図的な展望」は参考になった。

他国(アジア、ヨーロッパ)との技術差について、さらに詳しく知りたいです。

工作機械技術の鳥瞰図的な学び方ができるようがんばりたいです。

雑学的な事をお教え頂きありがとうございました。仕事上、そういった事を教わる機会がないため勉

強になりました。

説明もわかりやすく、適度に雑学も入りとても為になりました。工作機の歴史とこれからの課題が良く

わかりました。

自己研鑽について、とてもわかりやすかったです。

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表 2「2.工作機械の主要構成要素の基本構造と仕組み」の感想・意見・要望

工作機械の基本構造について、復習の意味も込めて理解を深めることができた。

変位基準設計の考え方がわかって良かった。ベアリングの選定についてもう少し講義してほし

かった。

様々な工作機械の名称が知れて良かった。

大学で学習した内容と設計業務の関連、ギャップについて

工作機械技術の鳥瞰図的な展望。もう一度、自分のポジションを確認し、たて横のつながりを

考えたい。

忘れていた所、新たにしった事があり、特に学術的に裏付けはないけど現実では、という話は、

新たな側面をしる事になり、どこまで講義でならった事を用いていいのか判断しないといけない

事を感じた。

工作機械の基本構造や仕組みが若年者にもわかりやすかった。この講座の後にもつながる話

しが多く、他の講座も入りやすく聞きやすかった。

工作機械の基本構造を考えるうえで、必要となってくる学術的な知識としてどのようなものが必

要なのかが分かり、実際の例を挙げて解説してもらうことができたのでとても分かり易かった。

社内の規格等の判定に関する、学術的に、数式で、証明されることが、分かった。社内では、

結論に至るまでの学術的な過程が、ありまいよく分からないことが多いので、そういったもの

が。

図解を用いた内容で分かり易かった。今後主流となる 5 軸機につちえの内容も含めて欲しい。

図も多く、説明も丁寧で分かりやすかったです。内容的にも知りたかったことがたくさん紹介さ

れていたので良かったです。

機械構成の復習をするとともに、高剛性の鋳物や、減衰性能にとって効果的な構造というもの

を理解できた。大物部品等の設計に生かしたい。

テキストが 1 ページ当り 4 枚のスライドだと小さくて、見にくかった。結合部について、あまり意識

していなかったが、とても勉強になった。

工作機械の主要構成要素の確認と、基本構造と仕組みについて学べて、とても良かったと思

います。

工作機械の実務と、大学で学んだ工学とのつながりを事例で理解できた。また、自らの勉強不

足が分かり、今後の課題が明確になり、役立ちました。参考文献を紹介いただけるのも良かっ

たです。

工作機械の各要素の構造と働きについてもっと詳しく知りたかった(主軸、サドル・クロス、タレ

ット、心押など)

山田先生の資料の図が小さいことだけが辛かったです。参考文献の本を事前に知らせていた

だけると、予習や当日に使えたりするので、良いのではないでしょうか。

内容量に対して時間が短くもう少し詳細な話も聞きたかった。

・良いデータが資料に印刷されていないことがお多々あり、書き写すことが多く説明に集中でき

なかった。 ・もっと時間を使って詳しく説明してほしかった。摺動面の形状がなぜあんなに種類

があるか、特徴をおしえてほしかったなど。

動剛性・静剛性・熱特性など、工作機械設計時に考えることがわかってよかった。

「工作機械の設計学」の解説を随所で行っていただけたので、とても勉強になった。他の事例

についてもうかがいたかった。

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後半の各ユニット・構造についてを、もう少し詳しく説明があれば良いと思いました。(構造等は

さらに多くの実例とその技術的裏付けについて紹介)、静圧

工作機械の全体の体系図など、教わる場所がなかったのでとても良かった。山田先生には、

企業で若い時に苦労された事などもっと聞きたかった。

”その 1”はいまいちねらいがよくわからなかった。基礎なら基礎、深くやるならもう少し時間をと

ってやったほうが良いと思いました。

前半と後半で講師の方を統一してほしかった。

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表 3「3.機械加工概論」の感想・意見・要望

研削は専門外でしたが、わかりやすく、理解できた。

理論式が多く、理解することが難しかった。切削時の温度分布の数値計算結果がわかりやす

かった。

構成刃先について学べて良かった。

セグメント砥石についても少し触れた話があればよかったです。砥石の計算方法など、今後使

えそうな部分もあり、とても良かったです。

切削加工時の映像を様々な条件下で見たかった。

切削については、よく理解できました。研削については、やったことのない分野ですが、講義を

聞いて興味がもてました。

切削加工を聞くにあたり、切削力を求めるのをイメージ的にうかんだのですが、その用い方、切

削温度、工具摩擦へと発展していくのをしりもっと深く学び知るべきだと感じました。研削加工

においいては、61 ページあたりの幾何学から理解できなく、結果的な内容しか理解できなかっ

たので学び直しておきたいと思った。(数学的内容)

普段やらない加工のことが学べ、これからどう勉強していくかがわかり良かった。加工と機械と

のつながりがわからず、加工をどうとらえて設計にいかしていくかがわからなかった。

切削・研削についての物理的なとらえ方を知ることができ、計算としていろいろな値を求めるこ

とで評価できることが分かったので、とてもよかったです。

旋削加工での説明した方が理解しやすいと思いますが、エンドミル加工の例も知りたい所でし

た。

大学での研究分野だったため、復習の部分が多くなってしまったため。

普段の業務で使用していない内容で学生時代の事を忘れている内容が大部分であり、復習

になった。設計を本格的にする際には必要な内容であると思う事から、常に復習と内容理解を

していきたいと思った。

基本的なところから説明があったので、入社 1 年目の自分には良い復習になりました。

切削、研削の基礎知識や解析について学んだ。普段、あまり旋盤や研削加工にあまり触れな

かったが当然部品製作にはそれらも使っているため知識を得ることができて良かった。又、加

工に関わる要素につしても再確認できた。

この分野は多少知識があったので良くわかったが、実践に近い内容があまり無く少し残念だっ

た。研削機の振動や抑制方法はとても勉強になった。

工作機械を設計する中で、とても不安要素であった構造設計について、実例を見る事で学べ

た事はとても有益でした。

加工の考え方、向き合い方が理解でき、今後、勉強していくうえでのアプローチがわkり、大変

役立ちました。

加工における現象などは理解できたが、公式がなかなか理解できなかった。

切削・研削ともに、数式がむずかしく、今回の講義だけでは、内容を把握することが出きなかっ

たと思います。ただ、内容がわからなくても、新しい知識を教えていただけるだけでも非常に貴

重な体験になったと思います。

短い時間でこの内容の講義では理解がついて行かない。

・フライス加工やホブ切りについての加工論まで説明してほしかったです。 ・MC ナイロン工具

を使用したラッピングの場合、砥粒が工具にささった状態での加工と遊離砥粒での加工が混

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在します。この場合、研削加工ですか? 研磨加工ですか?

機械設計との関係がいまひとつつかめなかった。加工に関しての知識が不足していた為内容

があまり理解出来なかった。

身近に切削理論等を実務で使っている人がいなかったので、どのような時に必要になるかが

分からず聞くだけになってしまった。

・フライス等の切削理論まで紹介がほしかったです。 ・動的研削システムについて、非常に興

味を持ちました。

大事なことは、力、温度、磨耗の 3 つが大切であることがわかりました。実際私は、仕事の上で

かかわる機会、加工をする機会はないと思いますが、設計する上で大切なことだと思い勉強に

なりました。

切削、研削に関する基礎、起きている現象がよく理解できた。

研削にふれたことがないのでイメージが難しかったです。

研削加工は既知の内容であり復習のつもりで聞いていた。切削加工は講義は進度が速くつい

ていけなかった。もう少しボリュームを減らしても良いと思う。

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表 4「4.工作機械の制御」の感想・意見・要望

最初の方は理解できたが、途中から進度が早くなり理解できなくなった。もう一度見直そうと思

う。

P 制御と PI 制御の違いを知れて良かった。

摩擦力による象限突起、およびバックラッシによるロストモーションは合わさってでる場合もある

のか、またその場合はどのような結果が現われ、どのように対策するのか疑問がわいた。

勉強不足のため難しかった。今後勉強して理解を深めたい。

勉強不足です。

以前学習した事もあったため、話に流れがあり分かりやすかった。反面、後半の空間誤差が思

っている以上に大きいので本当なのか、戻って確認したいと思った。

実例をもとに、各ステップごとにわかれていて、わかりやすかった。今まで、業務で制御をやって

いないのでわからない用語があったりと内容は難しい。

制御については、知識をほとんど持っておらず、仕事でも関係することが少なかったので、具体

的な例を上げてもらって説明していただけたので、大変わかりやすかったです。

実際の業務で専門ではないが、知識がある程度必要だと感じていた分野なので、機械出身・

電気出身関係なく学ぶ必要があると思った。

普段あまり制御の分野には触れていないため、この講義は自分にとって良い刺激になりまし

た。

制御系はあまり知識がなかったのだが、わかり易いチュートリアルを用いて、簡単な制御の仕

組みを知ることができた。より工作機械に側した応用的な生後、補正方法の説明がもっと欲し

かった。

制御の概念がよくわかった。又、ゲインを調整することでどういうことがおこるのかがよく解った

普段、設計を行なっていく中で、知る機会がほとんどない事柄を今回、初歩から学べたのでと

ても良かったです。

元々制御に関する知識がほとんど無かったので全体的に少し難しく感じました。

メカ設計で、制御の知識がないので、基本から説明していただけ、大変役立ちました。また、デ

ータベースでしたので、仕事の内容と関連づけて、理解がしやすかったです。

内容が難しくて理解に苦しんだ。基礎の基礎からやってほしい。

全く制御について知識がなかったが、「回転テーブルの制御システム」の例題がわかりやすく、

大まかなことは理解出来たと思います。制御は電気の方に任せればいいと思っていましたが、

自分でも勉強してみたいと思いました。

業務外の為理解が難しかった。

普段の仕事では縁のない内容だったので、なんとなくという形で聞かせていただきましたが、大

学時代の復習ができてよかったです。

基本的な内容で、わかり易かった。

制御工学を少し勉強していたので、なんとなくわかりましたが、機械設計する上で、制御につい

ての知識的な事をどの程度知っておかないといけないのかという疑問がありました。

NC の基礎(part-1)は説明はわかりやすかったが、大学レベルで少し物足りなかった。どちらか

というと動的輪郭誤差(part-3)の章をもう少し学びたかった。

Part1 はよく理解できたが Part2、Part3 はあまり理解できなかった。

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表 5「5.加工性能への影響因子と基本特性」の感想・意見・要望

静剛性、動剛性、熱変形、びびりについて基本的な部分から説明していただけたのでわかりや

すかった。今後の業務で行かせるところも多々あるので、利用していきたいと思う。

軸受ははめこみ部の形にならってしまうので、そこの精度を良くする事が大切になる事を知れ

て良かった。

特にびびり振動の講義では実際の開発勤務されていたときの話も交じっていて大変興味深か

った。

設計上の注意点などのアドバイスを聞くことができて、とても参考になりました。

計算式に関してはもう一度、勉強する必要があると痛感した。振動の判定方法の順序を理解

できた。

静剛性・動剛性・熱剛性等、解析する方法など表面的にですが、理解できました。開発・研究

に携わる機会があれば、より深く学んでおく必要があるので、今後の情報にも目を向けるように

したいです。弊社では、まだまだ解析に関する設備が不足しています。大学等のお力を借り、

共同研究していく方法等必要だと感じた。

熱度形を考える上で伝熱工学を基礎に学えればいいことが分かったのでしっかり学習していき

たい。

少し内容が重複しているところがあった。

びびり振動抑制の講義がとても良かった。びびり振動抑制の話しはもちろんだが、設計者とし

ての考え方や体験談もあり、自分がこれからどの仕事に取りくんでいくかのヒントとなった。

剛性とびびりとわかっていなかった部分について数式などを教えてもらいとてもよかったです。

熱変形では、伝熱工学とのつながりが分かり、大学で習っていたことを思い出し、色々な分野

での知識が必要になってくることを認識させられました。

ケーススタディ演習がとても良かったと思います。

今回の講義を受けた上で、応用編の講義を受けてみたい。特に渡部先生が講義中に言って

いた主軸の詳しい話を聞いてみたいです。

実務上の内容も含まれていて非常に参考になった。

配布されていないスライドが説明で使われていたのでメモが大変でした。パワーポイントのスラ

イドはなるべく全て配布してほしいです。

熱変位、振動設計など、あまり重視して設計してこなかったが、重要なファクターの 1 つである

ことが分かった。振動工学などを再度勉強し直そうと思う。

静・動特性や熱、びびりについては大学時代でもよくわからなかったが、わかりやすく教えても

らってよかった。

仕事の都合上、治具の設計が多いので切削やびびりに関してどのように対応するかを学べ

て、とても良かったです。

今後の設計で役に立つ内容だったので参考になりました。

実際の仕事で体験した課題や疑問に思っていたことの解決へのアプローチ、考え方を学べて、

大変役立ちました。

熱変位などは自分なりに理解できたと思う。しかし、公式がなかなか頭に入らなかった。

静・動特性、熱変形抑制、びびり振動抑制とどれも難しく、基礎は理解していないと、講義を受

けても無いようについていけないと思いました。特にびびり振動は、ほとんど理解することが出

来ず、これだけの講座があってもよいと思いました。

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剛性と減衰の関係は理解できたがインパクトハンマーの計測で機械全体の固有振動数を求め

る所があまり理解できませんでした。

熱や振動に関して、基礎的な話や実際での対応など、今後の設計でとても役立つ内容で、有

意義でした。

計算部分は知識が不足していることもあり理解しずらかった。動剛性・静剛性を上げることが

重要なのはよく分かったが、実際、どのように対策をするのかの実例がほしかった。

化粧カバー周り、オプション周りの設計しか行っていなかったため、内容は難しかったが先輩方

の考えをうかがえて勉強になった。

びびりに関する理論、研究紹介は非常に興味を持ちました。

びびりについての事、知識不足のためあまり理解できなかったがこれからがんばっていきたいと

思いました。

今まであいまいだった理解が今回の講義で基礎から理解できた。

・静・動特性に関しては内容、時間配分、教え方が適当であったと思う。 ・熱変形抑制に関し

ても内容、時間配分、教え方が適当であったと思う。 ・びびり振動抑制に関しては計算式の

部分で理解に及ばなかったが全体として非常にためになった。

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(1)今後取り上げて欲しいテーマ及び内容

各要素、部品の選定方法及びノウハウ。機種のマイナーチェンジレベルだと前キシュの部品に近いも

のを選定するが、新キシュの場合、なかなか選定できないため。

開発プロセスの例

大手企業の開発過程での問題点や失敗談等の内容。

軽量化技術や各分野におけるめざましい技術など工作機械にいかせたらおもしろそうなものがあった

ら。

振動抑制制御について

主軸や砥石軸等のユニットや油圧・空圧、クーラント関係、スウェッジ処理をテーマにして欲しいです。

海外の安全規格と日本の規格の対応について。モータ、BRG など主要部品について。

工作機械の新しい技術、過去の工作機械での失敗事例から、学べるようなことがあれば。

今回の講義を受けた上での応用編を受けてみたいです。

・スライドの磨耗に関する内容。 ・油圧・空圧に関する内容。

・一般的な MC,旋盤、研削盤などの設計時におけるコツ。 ・CAE 解析

国内メーカの現状やその技術などを知りたい。

油圧・空圧等の回路の設計、注意点

コストダウンについて、構造設計のみではなく、材料面からもどのようなノウハウがあるのか、取り上

げて欲しいです。

機械設置の基礎部(床面)の影響について、取り上げてほしいです。

工作機械の各要素の構造と働き(NC 旋盤、マシニング、複合加工機別で)

クーラントや潤滑ユニットについて、環境対策や新技術があれば、教えていただきたい。

海外のメーカーで使用されている特殊な技術等があれば教えて頂きたい。

・実際の工作機械を使って、熱変位や振動を測定したり、その対応の仕方などを実習形式で行って

みたい。

・旋盤や形削り盤の加工状態は確かに基本だけど、フライス盤やホブ盤などの継続切削における理

論もテーマにしてほしい。

設計ノウハウを多く取り上げてほしい。

板金、曲げ、鋳物の特性などを知りたい。

環境問題への産・学・官それぞれの取組。また問題点。

・鋳造に関する内容。

・クーラントや潤滑油の酒類や特性、又、回収機構の方法。

設計の実例をあげて説明して欲しい。研削のテーマ。

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(2)その他

懇談会、参

加者交流に

ついて

懇談会の終了時刻が分からず、ホテルのチェックイン時刻の設定時にこまっ

た。いつ終了するのか分からず不安だった。

懇談会の形式が知識の共有のためかガチガチで立食のようなかるい方がいろ

んな事を聞きやすく交流ができたのではないかと感じた。

今回どの企業が参加しているのか、知りたかった。懇談会のやり方は、考え直

してほしい。他企業とせっかく出会えるので、情報交換の場になればと思う。

懇談会で、他の参加社と会話をするのが難しかったので立食パーティのような

形の方が良いと思われます。他にどこの会社の人が参加しているか分かるよう

な名簿も有ればよかったです。

懇談会で、他社の人と話せるような立食のような、形もよかったのではないかな

と思いました。

懇談会で始めの 30 分でもよいので周りの人とのフリートークの時間がほしかっ

た。せっかく同世代の人があつまったので色々情報交換したかった。

・講義後の懇談会は講師の方にメーカーとしてもっと突っ込んで聞きたい事も

あるので立食形式にしたほうが良いのではと思う。(各メーカーの方とも話がし

易い為)

・懇親会での質疑応答は、始まってから 15 分~30 分にしてほしい。受講者同

士の会話ができなかった。

・懇談会は必ず続けてほしい。

同じ年代の人達が集まったのに、コミュニケーションを取る機会がなかった。

懇談会をもう少し変えた方がいいと思いました。

懇談会は立食など、少人数のグループでローテーションをするほうが質問がし

やすいかなと感じました。しかし、積極的に質問をできなかったのは自分自身

の責任なので、貴重な機会を作っていただいたにもかかわらず失礼致しまし

た。

講師につい

渡部先生の講義に非常に吸収しやすく感じました。

伊東先生の雑学をきくだけでもとても勉強になった。

講義全体を通して、先生方の説明が非常にわかりやすく、専門外の話も理解

することができました。

他のレベル

の講座、次

回講座への

参加希望

若手として今回参加しましたが、もう少し経験を積んだときにも、その時のレベ

ルに合った講座というのがあれば、是非参加したいと思います。社会に出た年

代別での講座という形というのが今後なっていけば良いと感じた。

・来年度も、本講義が開講するのであれば参加すべきと会社に伝えようと考え

ている。

今回は、基礎講座ということで若手技術者が対象でしたが、中級者、上級者

向けの講座もぜひ開催して頂きたいと思います。

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実施方法、

内容につい

今回、三日間という短い期間にとても凝縮された講義だったので、もう少し実

施期間を増やして頂きたいです。

講座の進行スピードが速く、聞きたいところが省略されたりする場面があったの

で、時間をもう少し長くして欲しいです。知識がなく、全然わからなかったところ

があったので、事前情報をもっとくわしくして予習できるようにして欲しいです。

・1 つ 1 つのテーマを選択形式にして、より深く詳細に学べられたら良いなと思

います。

広い範囲をカバーしようとしていただいたと思うのですが、もう少し範囲をしぼっ

て解説していただくと、より理解できると思いました。式を理解する時間がもう少

しあれば深く理解できると思います。

・全体的に講義のボリュームに対して時間が短すぎると思う。

学部の内容(4 力、伝熱、波労)が多く、大学院レベル、研究(概要)、実例をメ

インとしてほしいと感じました。(本講座の先生方ならではの内容)

全体的に内容が多く講義の時間が短く感じました。もう少し 1 つの講義に長い

時間をかければ、理解が深まったと思います。

もう少し休みを入れた方が良いと思う。集中力が続かない。

講習会の前に資料を配布し、各自で予習しておいてもらっていた方が理解しや

すいと思う。

・MC 旋盤・研削盤等機械別での基礎講座があると良いと思いました。

・実際の設計とからめて実例等をさらに教えていただきたいと思いました。

受講者側の

問題

入社 1 年目では実務として設計をしていないので、まだこの講座をうけるレベル

ではなかったかなと感じました。

・電気工学出身の私にとって、初めて聞く情報が多く、材料力学、流体力学の

基礎知識がある程度備わっている前程で講義が進むので理解できない部分

が多かった。

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その他 3 日間を非常に有意義にすごすことができた。すぐに役立つわけではないが、

わからないところがあればもう一度資料を見直して勉強したいと思う。

基礎的な内容とのことだったが、自分にとっては難しい内容が多く、危機感を

覚えた。会社を超えて同じ講座を受けられたことは、大変意義深かったと思う。

社内では得ることの出来ない部分の知識や考え方を学ぶことができました。今

の自分自身の知識レベルも他の方との交流で把握することができました。今回

の講座を受けて、今後の学習目標を立てることができました。

濃い内容で、とても勉強になりました。今後の業務に活していきたいと思いま

す。

今回講義を受けてこれから勉強していかなければならないことが明確になり良

かったと思います。

今回、このような場を設けていただき、大変良い勉強の機会となった。設計の

基礎を見直すと共に、解析や設計要素について、再度考え直すこととなった。

学生時代に学んだ工学と、工作機械を設計するうえで留意する

社内の教育では、このようなことを教わる機会はないので、非常に貴重な経験

をさせていただいたと思います。特に工作機械総論は工作機械やこの業界を

わかりやすく説明されていて、学生の頃にでも是非とも聞いてみたいと思う内

容でした。

・良い勉強になりましたのでぜひ次回も開催してください。

定期的にくりかえして学びたいと思いました。

非常に勉強になりました。これからもいろいろとがんばっていきたいと思います。

とても、勉強になりました。

参加させていただき、ありがとうございました。

以上

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6.産学連携人材育成パートナーシップへの協力 経済産業省では、文部科学省、日本経団連、大学、学術会議等との協力の下、産学双方

が人材育成における各々の役割を認識し、大学が真に産業界の求める人材を育成するとと

もに、産業界がその人材を適切に評価し、能力を充分に活用していく関係を構築するため

の具体的方策について検討する「産学連携人材育成パートナーシップ」事業を実施してい

る。

当会では、機械分科会(主査:白鳥正樹氏/前日本機械学会副会長/横浜国立大学教授))

に中村健一((社)日本工作機械工業会会長)、清水伸二教授(上智大学)が委員として参

加し、人材確保研究会が本事業への対応組織(工作機械WG)としての位置づけの下、昨

年度作成したインターンシップマニュアル(平成21年度「工作機械産業における技術者

の確保及び技能承継に関する調査研究」報告書 54頁参照)の有効性の検証、海外にお

ける工作機械関連教育の実態調査を株式会社三菱総合研究所への委託調査により実施した。

調査結果は以下の通り。

6.1 工作機械インターンシップマニュアルの充実について

平成21年度に整備した工作機械業界におけるインターンシップマニュアルを充実さ

せ、活用度を高めるためには、大学における教育研究情報を共有することが重要である。

そこで、機械分野で活躍する研究者・技術者を輩出している国内大学・短期大学・高等専

門学校の学部学科、および(社)日本工作機械工業会の会員企業を対象に以下の概要でア

ンケート調査を実施した。

(1)大学等を対象とした調査

件名 工作機械に係わる教育情報等の調査 調査内容 インターンシップに関して

工作機械に係わる学科における、本年度の講義科目名一覧 調査方法 書面調査法(書面調査票を郵送にて調査対象に配布・回収) 調査対象 社団法人日本機械学会畠山賞 2009 年度贈賞対象となった大学、短期大学、高等専門

学校の学科(計 259 学科) 大学:182 学科 高等専門学校:71 学科 短期大学:6 学科

調査期間 2010 年 12 月 1 日~12 月 24 日(回答締切) ※ただし締切後、2011 年 1 月 11 日までに回答があったものを集計した。

回収数 調査票(インターンシップ分) 大学 高専 短大 合計 回収数(学科) 81 31 3 115

回収率 44.5% 43.7% 50.0% 44.4%

講義科目名一覧 大学 高専 短大 合計 回収数(学科) 68 28 2 98

回収率 37.4% 39.4% 33.3% 37.8%

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(2)工作機械業界を対象とした調査

件名 工作機械分野の人材育成に関するアンケート調査(企業向け) 調査内容 インターンシップについて

工作機械基礎講座について 調査方法 書面調査法(書面調査票を電子メールにて調査対象に配布・回収)

※社団法人日本工作機械工業会を通じて実施 調査対象 社団法人日本工作機械工業会の会員企業(計 94 社) 調査期間 12 月 12 日(発送日)~12 月 28 日(回答締切)

※ただし締切後、12 月 28 日までに回答があったものを集計した。 回収数 24 企業

本報告書において、紙面の関係でアンケート結果を掲載できないが、アンケート調査結

果を踏まえ、昨年度作成したインターンシップマニュアルを改訂した。 改訂の方針として、昨年度、既存のインターンシップマニュアル等の文献も参考に骨子

を作成した上で、人材確保研究会の意見、同研究会委員からの情報を反映して工作機械分

野ならではのマニュアルとして作成を行ったものである。 工作機械業界には中小企業が多いため、インターンシップに関して大企業と同様のノウ

ハウがない。そこで、工作機械業界の中小企業でも活用可能なインターンシップマニュア

ルとして、以下の方針で作成されている。

想定するインターンシップ 大学と協働で実施する 2 週間程度の期間 対象は工学系の学部学生(特に 3 年生)

インターンシップマニュアルの方針 マニュアルとして考え方だけではなくやり方を示す ひな形や実施事例を充実させる

以上の経緯を踏まえ、以下の 2 点に留意して、マニュアルの改訂を行った。

全体の文章・分量を極力増やさない インターンシップを実施していない企業に難しい印象を与

えない

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インターンシップマニュアルの主な改訂事項は以下の通りである。 なお、改訂した「工作機械分野におけるインターンシップマニュアル」を巻末に掲載す

る。

表 1 インターンシップマニュアルの主要改訂事項

修正箇所 企業・大学アンケート/WG の議論 対応

冒頭

企業向けアンケートで、インターン

シップの実施状況を聞いたところ、

実施していない企業も多かった。

実施していない企業の「実施してい

ない理由」に対応する Q&A 形式で、

わかりやすい導入ページを追加。

本マニュア

ルで対象と

するインター

ンシップに

ついて

インターンシップの内容として作業

の一連の流れを体験するプログラ

ムを示したが、これが有効であると

いう意見がある一方、有効ではな

いという意見もあった。

あくまでも例示したに過ぎないため、

冒頭のこのページに、「本マニュアル

はあくまでも考え方を示したものであ

り、個別の実施に際しては個別の状

況に応じての対応が求められる。」と

追加。

1.目的の明

確化

目的意識について相手とのギャッ

プを感じるという回答が企業、大学

のそれぞれに存在する。

(変更せず)記述の修正を指摘した

設問ではなく、目的の明確化が必要

という現在の記述の重要性が確認さ

れた。なお、採用に関する考え方に

は「本音」と「建前」の部分があるた

め、文章でこれ以上具体的に記述す

ることは難しい。

2.大学との

事前調整

留学生の受入が可能であるか記

述すべきと言う意見があった。 「留学生」を追加。

3.受入体制

の整備

学生と受け入れ側の性格の不一

致が問題となるという指摘があっ

た。

確認事項に学生の性格を追加。実

施人数や期間について、備考を追

記。

3.受 入 体 制

の整備 企業側の受入体制が不十分で成

果が得られなかった事例がアンケ

ートで収集された。

(変更せず)すでに受入体制の整備

が必要なことを記述済み。記述の修

正を指摘する設問ではなく、当該記

述の重要性が確認された。

3.受 入 体 制

の整備 遠方の場合、「宿泊費」をどうする

かが課題となるとの指摘があった。

出張旅費に含まれていると思われ

るが明示すべきとの意見があった。

「交通費・旅費・宿泊費・食費をどの

ように負担するか」を追加。

5.正式受諾

と確認文書

の取交

同上 「(宿泊費を含む)」を追加。

9.リスクへの

対応

アンケートで、インターンシップ後、

会社の担当(責任)者と教員との意

見交換会を設定したらどうかという

意見があった。

「実施後に教員との意見交換の機会

を設けることにより、次年度以降のプ

ログラムの改善につながることが期待

される。」を追記。

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6.2 海外における工作機械関連教育のアンケート調査 人材確保研究会におけるこれまでの議論の中では、日本の工作機械業界における人材確

保・育成・活用に関する現状・課題およびその解決策が議論されてきた。今年度はこれま

での議論を踏まえ、以下の点を明らかにすることを目的として、海外の大学(特に機械系

学科)・企業(特に工作機械系企業)へのアンケートおよびインタビュー調査を実施した。 大学・企業における人材確保・育成・活用の現状・課題について、日本と海外の類似

点・相違点は何か。 人材の確保・育成・活用へ向けた海外の取り組みとして、日本が参考にすべき点は何

か。

海外アンケート調査

6.2.1 調査設計

件名 Questionnaire Survey Regarding the Educational Status of Machine Tools for International

Universities / Questionnaire Survey Regarding the Status of Human Resources for International Machine Tool Manufacturers

調査内容1 学生の機械工学への関心・志望状況について プログラムにおける教育について 学生の就職について 産学連携について

調査方法 書面調査法(書面調査票を電子メールにて調査対象に配布・回収) ※社団法人日本工作機械工業会が、各国の工作機械工業会を通じて実施

調査対象 各国の工作機械企業、大学の機械工学科 調査期間 1 月 24 日~2 月 11 日(回答締切)

※ただし締切後、2 月 25 日までに回答があったものを集計した。 回収数 8 大学(企業からの回答は得られなかった)

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6.2.2 アンケート調査結果

6 カ国の大学から回答を得た。

表 1 回答した大学

国 大学名 学部プログラム名 教授 准教授その他

研究員 学生数

米国

University of North Carolina Charlotte

Mechanical Engineering and Engineering Science

10 9 20 730

英国 The University of Nottingham

Manufacturing Engineering and Management Beng = 3years Product Design and Manufacture (PDM) Meng = 4years

約6 約6

only

demons

trate

laborato

ry

session

s

約 80 all

years

PDM

約 80

all years

ベル

ギー

Katholieke Universiteit Leuven

Bachelor in Mechanical Engineering, then followed by a graduate program “Master in Mechanical Engineering”. In this master, there are several options like: Manufacturing & Management, Mechatronics & Robotics, Automotive,

11 12 200 180

ドイ

Technische Universitaet Munchen

Mechanical Engineering 33 7 150 約 2000

台湾 National Taiwan University

Department of Mechanical Engineering

30 16 10 600

台湾

National Tsing Hua University , Taiwan

Dept. of Power mechanical Engineering

25 9 5 400

台湾 Tatung University

The department of mechanical engineering(precision machine group and electric machine group)

10 6 440

中国 ハルビン工業

大学 機械設計製造および自

動化 70 100 150 300 人/

学年

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(1) 機械工学への学生の関心・志望状況

まず、機械工学への人気について聞いた結果を示す。全般的に機械工学系の人気は高

い。

表 2 他の工学系と比較した機械工学系プログラムの志望者からの人気

国 大学名 人気 考えられる理由

米国 University of North Carolina Charlotte

人 気 が あ

る Considerable hands on experimental activity

英国 The University of Nottingham

人 気 が な

In my opinion there is a broad misconception that manufacturing is not an exciting subject.

ベルギー Katholieke Universiteit Leuven

人 気 が あ

Because of the wide range of topics tackled. The mechanical engineering program is quite broad (polyvalent) and this also requested by the industry

ドイツ Technische Universitaet Munchen

人 気 が あ

る good job opportunities in this field

台湾 National Taiwan University

人 気 が あ

Mechanical engineering is a fundamental industry in Taiwan. Most universities have this program.

台湾 National Tsing Hua University , Taiwan

人 気 が あ

る good opportunities for employment

台湾 Tatung University 平均的

In Taiwan the students all recognize EE as their first desire. And the mechanical engineering is also one the students can accept

中国 ハルビン工業大学 人 気 が あ

る 応用の領域が広く、就職しやすい。

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志願者数についても増加または横ばいとの回答が多い。

表 3 過去 3 年程度を振り返っての志望者数の傾向

国 大学名 志願者数の傾向 理由

米国 University of North Carolina Charlotte

増加傾向 Has a good reputation on campus and nationally

英国 The University of Nottingham 横ばい

The opinion of potential students has not changed significantly. PDM and ‘with management’ helps to attract students.

ベルギー Katholieke Universiteit Leuven

横ばい

ドイツ Technische Universitaet Munchen

増加傾向 technical makers are of increasing interest of students

台湾 National Taiwan University 横ばい

The number of students is controlled by the Ministry of Education. We are the top one university in Taiwan, so we don’t have student shortage problem.

台湾 National Tsing Hua University , Taiwan

横ばい

台湾 Tatung University 減少傾向 The society is getting rich. The number of the public university is getting more

中国 ハルビン工業大学 増加傾向 国家の経済の高速発展は製造業

の機会を増やしている。 入学時の学力については低下しているという回答が多い。

表 4 入学時の学力(数学・物理等の基本的な知識等)

国 大学名 入学時の学力

米国 University of North Carolina Charlotte 平均的に向上

英国 The University of Nottingham 平均的に低下

ベルギー Katholieke Universiteit Leuven 平均的に低下

ドイツ Technische Universitaet Munchen 平均的に低下

台湾 National Taiwan University 平均的に変わらない

台湾 National Tsing Hua University , Taiwan

平均的に変わらないが、態度やモ

チベーションは低下

台湾 Tatung University 平均的に低下

中国 ハルビン工業大学 平均的に変わらない

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表 5 実施状況(網掛けが実施)

米国

ベル

ギー

イツ

台湾

中国

Uni

vers

ity

of N

orth

Car

olin

a

Cha

rlot

te

The

Uni

vers

ity

of

Not

ting

ham

Kat

holie

ke

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t

Leu

ven

Tec

hnis

che

Uni

vers

itae

t

Mun

chen

Nat

iona

l

Tai

wan

Uni

vers

ity

Nat

iona

l

Tsi

ng H

ua

Uni

vers

ity

,

Tai

wan

Tat

ung

Uni

vers

ity

ハル

ビン

工業

大学

材料

力学

流体

力学

機械

力学

熱力

機構

機械

要素

設計

★機

械加

工学

(切

削・研

削)

★機

械加

工学

(工

作機

械)

★特

殊加

工学

(放電

加工

、レ

ーザ

加工

、超

音波

など

、化

的・電

気化

学的

加工

など

) 概

一部

★塑

性加

工学

(鍛造

、プ

レス

など

) 概

★鋳

造・凝

固工

概観

★加

工実

習の

経験

一部

設計

製図

設計

工学

計測

・制御

工学

電気

・電子

工学

(電子

回路

など

情報

工学

(情報

処理

・プロ

グラ

ミン

グな

ど)

材料

工学

(材料

の機

能・物

性・プ

ロセ

スな

ど)

化学

工学

(移動

論、

プロ

セス

工学

など

経営

・生産

工学

(工程

管理

、原

価管

理な

ど)

選択

環境

工学

(LC

Aな

ど)

人間

工学

・感性

工学

プロ

ジェ

クト

マネ

ジメ

ント

(品質

・資源

管理

など

企業

経営

(経営

戦略

、財

務会

計な

ど)

選択

その

★生

産加

工・工

作機

械関

連科

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表 5で★をつけた生産加工・工作機関関連科目の授業数が、最近10年間で変化があるか聞いた結

果を示す。変わりない、または減っているという回答となっている。

表 6 最近10年間の生産加工・工作機械関連科目の授業時間数

国名 大学名 関連授業

科目数 理由

米国 University of North Carolina Charlotte

変わりないCourse hours are mandated by the State of North Carolina

英国 The University of Nottingham 変わりない

ベルギー Katholieke Universiteit Leuven

Machine tools are not taught within the bachelor program. It is part of the master program!!

ドイツ Technische Universitaet Munchen

減っているmachine tools ; reason : offer subjects are considered important such as aerospace

台湾 National Taiwan University

変わりない

台湾 National Tsing Hua University , Taiwan

変わりない

台湾 Tatung University 変わりない

In our department there is no one professor who is very familiar to the industry of machine tool.

中国 ハルビン工業大学 減っている

授業後の学生の独立的に思考する時間を増や

すために、ほとんどの授業時間は減少されまし

た。 表 5で★をつけた生産加工・工作機関関連科目への学生の関心が高いかどうかを聞いた結果を示

す。平均的との回答が多かった。

表 7 生産加工・工作機械関連科目への学生の関心

国名 大学名 学生の関心

米国 University of North Carolina Charlotte 平均的

英国 The University of Nottingham 平均的

ベルギー Katholieke Universiteit Leuven 平均的

ドイツ Technische Universitaet Munchen 低い

台湾 National Taiwan University 平均的

台湾 National Tsing Hua University , Taiwan 平均的

台湾 Tatung University 低い

中国 ハルビン工業大学 平均的

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企業が卒業生に求める知識・スキル等と、大学の教育内容との間にギャップを感じるか聞いた

結果を示す。ある程度、または強く感じるという回答が多い。

表 8 企業が卒業生に求める知識・スキルと大学の教育内容との間のギャップ

国名 大学名 有無 内容 取り組み

米国

University of North Carolina Charlotte

ある程度 We do not have enough CONC. activity

英国 The University of Nottingham ある程度

Industrial collaborators often complain about the 'soft skills' of graduators. Written work , team work etc

ベル

ギー

Katholieke Universiteit Leuven

ある程度

Within engineering, you can not teach everything. There are always gap’s, but the strength of our program is that students should be able (once in industry) to learn things by themselves

Sometimes, you can close gaps by elective courses (of students want to know more in a specific domain). But elective courses are typical in our master program, not in the bachelor program.

ドイ

Technische Universitaet Munchen

強く感じる In education there is too much theory without link to practical application

more practical matters in early semesters

台湾 National Taiwan University

ある程度 We allow industrial experts to co-lecture some practical courses.

台湾

National Tsing Hua University , Taiwan

強く感じる experience / knowledge of real processing / design work

・ off- campus industrial internship ・

BSC-project report based on industry-liaison

台湾 Tatung University 特に感じない

The term in the undergraduate program is too short to cultivate a fully capable machine tool engineer。We just inspire the student to know the important role of machine tool industry and try to give the student the least essential mechanical engineering knowledge and the most necessary skill to make something

In our department there is no one professor who is very familiar to the industry of machine tool.

中国 ハルビン工業大

学 強く感じる

大学から卒業した学部の学

生は身につける知識は広い

ですが、知識を応用して実際

の問題を解決する経験を持

っていなくて、必要な訓練も

あまりありません。

卒業論文の研究段階では

関連する企業に学生を大

学と共同指導してもらいま

す。それから、企業の見学

と見習いなどを増やしま

す。

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海外からの教員の招聘について聞いた結果を示す。台湾の大学について、実施している回答と

なった。

表 9 海外からの教員の招聘

国名 大学名 有無 国や人数

米国 University of North Carolina Charlotte 無

英国 The University of Nottingham 無

ベルギー Katholieke Universiteit Leuven 無

ドイツ Technische Universitaet Munchen

台湾 National Taiwan University 有

Almost 95% of teaching staff are recruited from

PhD graduates of overseas universities, among

which 80% are from USA.

台湾 National Tsing Hua University , Taiwan 有 90% faculty members got PhD from overseas

台湾 Tatung University 有

We try to inspire the students to have the

passion to make something,we have a stirling

engine car contest

Every year March,professor Matsuo comes to

Taipei to help us once a year。

中国 ハルビン工業大学 無

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(2) 学生の就職

直近の卒業生の進路について聞いた結果を示す。

表 10 直近の卒業生の進路

国名 大学名

卒業生・

修了学生

うち民間企

業就職者

うち機械

関連企業

うち工作

機械企業 備考

英国 The University of

Nottingham 約 20 約 15 約 1~5 約0~1

ドイツ

Technische

Universitaet

Munchen

500 450 50 20

台湾 National Taiwan

University 150 50 30 5

台湾

National Tsing

Hua University ,

Taiwan

100 90 40 <2

台湾 Tatung University 96 80 75 3

中国 ハルビン工業大

学 300 70 40 20

約40%は進学

して、約50%

は就職します。

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人気が高い業界は、国によって異なっている。

表 11 就職先(民間企業)として人気が高い業界

国名 大学名 業界 理由

米国

University of

North Carolina

Charlotte

電気・電子

精密機器

その他

英国 The University

of Nottingham サービス業

Fastest route to a management position and

hence higher pay.

ベルギ

Katholieke

Universiteit

Leuven

It is quite impossible for me to answer the

above questions. Flanders is a typical SME

country (and some large companies). So our

engineers are active in a wide range of industrial

activities.

In addition, we do not have typical machine tool

companies (development, building) in Flanders

(Belgium).

We have of course many SME’s active in

manufacturing. In this companies, you find our

engineers (graduated at the K.U.Leuven), but

also engineers graduated from the high schools).

ドイツ

Technische

Universitaet

Munchen

輸送用機械 Cars are a very emotional stuff similar to aero

planes

台湾 National Taiwan

University 電気・電子

Many emerging industries need ME students for

facility engineers, such as semiconductor, flat

panel, computer and mobile phone.

台湾

National Tsing

Hua University ,

Taiwan

電気・電子 good business in that field

台湾 Tatung

University 電気・電子

In Taiwan the big size company are all

Electric/Electronic ones

中国 ハルビン工業大

学 情報通信業 給料が高い。

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他の民間企業と比較した工作機械メーカーの就職人気は、人気がないという回答が多い。

表 12 他の民間企業と比較した工作機械メーカーの就職人気

国名 大学名 人気 理由

米国 University of North

Carolina Charlotte 人気がない

英国 The University of

Nottingham 人気がない

They are few in the UK and also it would be

connected with "dirty work".

ベルギ

Katholieke

Universiteit Leuven

Not easy to answer, because we do not have

machine tool companies in Belgium. The most

important one is LVD (sheet metal working)

and of course in this company some

engineers graduated from our university are

working there.

ドイツ

Technische

Universitaet

Munchen

人気がない

low salaries ; highly dependent on economical

growth rates; highly impacted by economical

downturn

台湾 National Taiwan

University 人気がない

Students show less interest in machine tool

manufacturers as first career, due to low

salary, low bonus and poor working

environment.

台湾 National Tsing Hua

University , Taiwan 人気がない size and profit not very big

台湾 Tatung University 人気がない

The company in the machine tool industry are

all small and medium scale,and the students

almost do not know about the companies

中国 ハルビン工業大学 平均的 中国では機械と関連する企業の給料は中等

レベル以上の位置にあります。

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就職人気の変化についてみると、台湾や中国の大学で人気が向上しているとの回答があった。

表13 過去3年程度の工作機械メーカーの就職人気の変化

国名 大学名 tendency of

popularity reasons

米国 University of North

Carolina Charlotte 低下 Few jobs

英国 The University of

Nottingham 変化なし

Students tend to be very interested in the

process but not in machine building

ベルギ

Katholieke

Universiteit Leuven

ドイツ

Technische

Universitaet

Munchen

変化なし

台湾 National Taiwan

University 変化なし No significant data.

台湾 National Tsing Hua

University , Taiwan 向上

The market of machine tools in mainland

China is increasing.

台湾 Tatung University 向上

中国 ハルビン工業大学 向上 就職の機会は多いです。

学生の就職先の民間企業に対する要望としては、インターンシップ先の確保、学生プロジェク

トへのトピックスの提供等が挙げられている。

表 14 学生の就職先の民間企業に対する要望

国名 大学名 学生の就職先への希望

台湾 National Tsing Hua

University , Taiwan

・To provide more student intern positions

・To provide topics for student project

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(3) 産学連携について

産学連携の状況について聞いた結果を示す。

表 15 産学連携活動の状況

国名 大学名

企 業 と

の 共 同

研 究 の

推進

寄 付 講

座 の 開

企 業 か

ら の 教

員 の 派

企 業 か

ら の 教

育 に 必

要 な 機

材・資金

等 の 提

その他 具体的内容

米国

University of

North

Carolina

Charlotte

○ ○ Companies contract

for students to do

research

英国

The

University of

Nottingham

○ ○ Guest speakers from

industry will often be

invited.

ベル

ギー

Katholieke

Universiteit

Leuven

○ ○

We have quite some

research programs

with industry!

We have some

companies and

organizations that

sponsors

manufacturing

equipment for doing

research & education

ドイツ

Technische

Universitaet

Munchen

○ ○

Doctoral thesis being

sponsored by

companies such as

BMW and Audi.

台湾

National

Taiwan

University

○ ○

Company sponsored

projects are one of

major sources of

researches.

台湾

National

Tsing Hua

University ,

Taiwan

○ ○ BSc-project topics

provided by industries.

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国名 大学名

企 業 と

の 共 同

研 究 の

推進

寄 付 講

座 の 開

企 業 か

ら の 教

員 の 派

企 業 か

ら の 教

育 に 必

要 な 機

材・資金

等 の 提

その他 具体的内容

台湾 Tatung

University ○ ○

We have a cooperative

education plan with

Tatung-Okuma

company which is

located in the suburb

near Taipei city.

The Tatung-Okuma

company help us by

affording the

necessary expense ,

we design a special

Make-something

training courses in

summer and winter

vacations.

This plan has been

continued for many

years.

中国 ハルビン工

業大学 ○ ○ ○

企業との総合実験室、

企業での学生見習

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海外企業との産学連携については、以下の通りである。

表 16 海外企業との産学連携

国名 大学名 海外との産学連携

米国 University of North

Carolina Charlotte

We have an affiliates program which has overseas as well

as American companies as members

英国 The University of

Nottingham

We have not looked at contracting overseas staff for

education purposes but this is certainly of interest. It

should also be noted that the selections students make is

also bored upon how they are the future of the industry.

Perhaps they consider the outlook to be overly negative.

ベルギー Katholieke

Universiteit Leuven

On student level, this is not much done!

But on research level (PhD program) we have many

alliances with industry

ドイツ

Technische

Universitaet

Munchen

no

台湾 National Taiwan

University no

台湾 National Tsing Hua

University , Taiwan

Overseas summer intern of 2 months. (the school

provides travel fund. The company provides

accommodation and small salary)

台湾 Tatung University

We have all the students learn Japanese from the first

year。 The Japanese language ability is very helpful for

the cooperative plan with the Tatung-Okuma company。

中国 ハルビン工業大学 海外企業との総合実験室を設立して、教育と訓練のため

の海外企業の製品展示

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6.3 海外インタビュー調査

6.3.1 調査設計

(1)調査対象

本調査では、シンガポールに所在する以下の大学・企業を対象に、インタビューを実施した。

但し、南洋工科大学(Nanyang Technological University)については、現地での日程調整がつかな

かったため、インタビューと類似した設問による質問紙によるアンケートに代えた。

表 2 海外インタビュー訪問先

種別 名称 企業 YAMAZAKI MAZAK SINGAPORE PET LTD

MAKINO ASIA PTE LTD OKAMOTO (SINGAPORE) PTE LTD

大学 Department of Mechanical Engineering, National University of Singapore School of Mechanical and Aerospace Engineering, Nanyang Technological University

(2)インタビュー調査の質問構成

インタビューでは、企業・大学に対して以下の事柄について、調査を行った。 <企業に対するインタビュー内容>

就職先としての、工作機械メーカーの人気状況他業種メーカーと比較して、工作機械メーカー

は大学・大学院卒業者から人気があるか) 他業種と製造業と比較した場合の人気はどうか。 製造業の中で、工作機械メーカーと他メーカーとを比較した場合の人気はどうか。 他業種や他メーカー(例えばバイオ系企業)に学生を奪われているようなことはないか。

貴社における、機械工学系大学・大学院卒業生の採用状況(採用する卒業生に求める知識・スキ

ル、実際に採用した卒業生の水準) 近年採用している学生数とその学歴構成(大学・大学院、ポリテクニクなど)はどうなって

いるか。 採用する学生には、どのような知識・スキルを身に付けて欲しいと思うか。また、求める知

識・スキルの内容・水準は、採用する学生の出身学歴などによって区別されているか。 採用する学生は、求める知識・スキルをどの程度満足しているか。

優秀な人材を採用するために貴社が実施している取り組み 機械工学及び生産加工・工作機械関連教育における課題、および課題を解決するための取り組

み(大学と連携した教育活動など) 機械系人材の育成についてどのような課題が認識されているか。 その課題を解決するためにどのような取り組みがなされているか。 特に、大学と連携した教育として取り組んでいることはあるか。

例)「企業の技術者・研究者を大学講師として派遣」 「インターンシップなどによる学生の受け入れ」 「大学・企業による共同研究への学生参加」 「大学の教育カリキュラムへの助言・提案を実施」 など

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<大学に対するインタビュー内容> 機械工学、生産加工・工作機械に対する学生の関心・志望状況 他学部・学科と比較した場合の人気はどうか。 十分な数の学生を確保できているか。

機械工学系学士プログラムの教育内容(生産加工・工作機械関連の授業時間数の割合) 機械工学系の基礎科目(機械力学、材料力学、流体力学、熱力学など)の授業時間は十分確

保できているか。 講義だけでなく、演習・実習はどの程度重視されているか。 特に、企業と連携した教育として取り組んでいることはあるか。 例)「企業の技術者・研究者を大学講師として受け入れ」 「インターンシップなどによる企業への学生派遣」 「大学・企業による共同研究への学生参加」 「企業からの助言・要望による大学カリキュラムの改善」 など

機械工学系学士プログラム卒業生の中での、就職先としての工作機械メーカーの人気(他企業

と比較した場合の、工作機械メーカーの人気) 他業種と製造業と比較した場合の人気はどうか。 製造業の中で、工作機械メーカーと他メーカーとを比較した場合の人気はどうか。 他業種や他メーカー(例えばバイオ系企業)に学生を奪われているようなことはないか。

機械工学系人材教育の課題、課題を解決するための取り組み状況 大学以外の教育機関(ポリテクニクなど)との役割分担はあるか。 機械系人材の育成についてどのような課題が認識されているか。 その課題を解決するためにどのような取り組みがなされているか。

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6.3.2 インタビュー結果

(1)YAMAZAKI MAZAK SINGAPORE PET LTD

(a) 就職先としての、工作機械メーカーの人気状況

① 採用のスタイル

現状で、新卒はほとんど採用しておらず、基本的に中途採用で人材を確保しているため、

学生からの人気というのは分かりにくい。 シンガポール国内の工作機械メーカーは、ほぼ日系企業の 3 社のみであり、工作機械とい

う業界が小さいため、業界内からの中途採用だけでは人材が揃わない。家電製品など、他

の製造業からの中途採用を実施している。設計関係の部門の場合、半導体関係の製造業か

ら中途採用することが多い。

② 工作機械メーカーの人気

はっきりとは分からないが、学生から人気があるかというと、残念ながらあまりないと思

う。 学生の人気が先端分野にシフトしているというのは、日本だけでなく、シンガポールでも

同様だと思う。例えば電気系の設計を専門とする人材が目指すのは電機メーカーであって、

工作機械メーカーではない。 シンガポールの大学を卒業したような人材は、機械系企業に就職したいとは思わないので

はないか。待遇面も、他業種に比べて良いとは言えないし、「工作機械」というもの自体も

あまり知られていない。卒業生の関心は、金融や証券などの業界に向かっていると思う。 シンガポールで盛んな先端分野とは、バイオテクノロジー産業、航空機産業、エネルギー

産業などがある。こうした分野では待遇も良いらしく、目指す人が多い。 製造業としては、化学プラント系の企業も多い。 こうした産業は、政府の誘致により集積地域を作っていることがある。

③ 労働者の構成

製造現場では、シンガポール人と外国人が半々程度。一般作業者は外国人(マレーシア人

が多く、中国人も若干在籍している)が多く、スーパーバイザー以上はシンガポール人が

多い。 中国人のリクルートには専門のエージェントを活用する。エージェントが関係している中

国の学校があり、必要に応じて募集をかける。 シンガポール全体で見たとき、労働者全体の1/5程度が外国人であるらしく、日本と比べ

て格段に多い。当社(YAMAZAKI MAZAK SINGAPORE PET LTD)では半分程度が外国

人だが、それほど珍しい訳ではない。建設業などは、外国人の割合はさらに高い。 当社は20年ほど前にシンガポールに設立されたが、その当時はまだ人件費も安かった。経

済発展に伴って人件費が上がったため、外国人を受け入れる必要が高まった。

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(b) 機械工学系人材の採用状況

① 生産部門の学歴、求める能力

シンガポール人を採用するのであれば、スーパーバイザー以上の職であることが多い。生

産技術関係のスーパーバイザーには、ある程度の専門知識が必要である。採用に当たって

は、最低限、図面が読めることや製図の知識が求められる。 こうした人材は、ITE(技術教育研修所、日本における高等学校と高等専門学校の中間的な

位置づけ)と同程度かそれよりも高い学歴を持っている。 最も採用数が多いのは、カレッジ(ポリテクニク水準の教育機関の総称。教育期間は主に

2年間で、ディプロマを発行する)出身者である。 生産部門では、4年制大学を出ているものは少ない。 一般作業者レベルでは、高い学歴は必要でなく、機械工学を専門的に勉強していることも

ない。スーパーバイザー以上については、カレッジレベルで機械系の内容を学び、他企業

の経験を積んだ人を採用している。

② 販売部門などの学歴、求める能力

中途採用がほとんどということもあり、学歴よりも経験・実力を重視している。結果とし

て、販売部門などの人材の学歴は、幅広く分布している。 シンガポール国内の業界が狭い(主な工作機械メーカーは日系 3 社だけ)なので、優秀な

人材は取り合いになっている。メーカー以外に機械商社なども数社存在しており、そうし

た企業とも、人材の取り合いとなっている。 営業などは、機械を専門に学んでいなくても、やる気次第で結果を出すことはできると思

う。

③ 採用した人材の能力

採用した人材の能力は、必ずしも満足できる水準ではないと聞いている。何かに取り組ま

せるにしても、日本人によるヘルプが必要なことが多い。 営業などにおいても、日本とシンガポールで意識や商習慣の違いもあり、期待するように

動いてくれないもどかしさを感じることがある。 一方、総務・経理など、多くの会社で共通して必要とされる人材は、優秀な人材が多いよ

うだ。

④ 教育機関への期待

日本のように新卒採用が多い場合には教育機関への期待も強くなるが、当社は新卒採用を

実施していないので、直接的な期待はあまりない。強いて言えば、機械系の企業に興味を

持ってくれるような教育をして欲しいとは思う。

(c) 優秀な人材を採用するための取組

① 社員の規模・構成

社員数は約150人240人。内、製造部門は約50名150名で、残りの100名140名程度は営

業(販売、メンテナンス、操作指導)・設計・総務・経理などの部門に所属している。 日本人は10数名であり、現地採用も3名ほど在籍している。

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② 採用活動の状況

採用上の取組でそれほど目立ったことは実施していない。現地のエージェントやインター

ネットを利用して採用を行っている。 シンガポールには、こうした採用のためのエージェントが多い。

③ 政府による雇用・採用支援

近年の経済不況が始まってから、政府の支援で学生・元社会人の企業派遣が始まった。 派遣中の費用は政府負担であり、しばらく企業で働く。働きによっては、そのまま雇用す

るという制度である。 派遣されるのは新卒とは限らない。・ 当社も数名ほど受け入れた。製造部門では採用しなかったが、マーケティング部門で 1 名

採用に至った。

(d) 機械工学系人材教育における課題、課題を解決するための取組

① 産学連携の状況

当社(シンガポール)では製造・販売が主であり、基礎的な開発は実施していない。その

ため、大学(の教員)から何か助言を得るようなことも特に実施していない。むしろ、切

削工具メーカーなど、関係している企業から技術的な助言を受けることはある。 大学などの教育機関には製品を納入しており、教育機関はこれら製品により学生実習を行

っている。ただし、当社としては、教育機関は顧客という意識であり、産学連携している

という感覚はあまり持っていない。

② ハイエンド機器による教育機関での実習

カレッジなど教育機関に、かなりハイエンドな機械を購入していただいており、これら機

器を使用した実習を行っているようだ。 購入していただいているのはCNC機器などかなりハイエンドな製品である。日本では旧式

の旋盤などを今も使用していると思うが、そうした状況とシンガポールは大きく異なる。 実習を行うにあたって、機器の性能・機能に学校教員が追いついていないほどの状況であ

る。教員が機器の使用に習熟するよう、当社で教員向けの実習を長期間行っている。 教員向けの実習は行っているが、産学連携であるとか、教育への協力という意識はあまり

持っていない。当社にとって教育機関は重要な顧客であり、実習の実施についても、顧客

に対するサービスの一環と捕らえている。

③ インターンシップの受け入れ

インターンシップも実施しており、先日はシンガポール内の大学から、2 ヶ月 3 人ほどを

受け入れた。彼らはアプリケーション部門(クライアントに操作方法を指導する部門)で

実習していた。 ただし、インターンシップには、採用活動という意味ではあまり期待していない。新卒で

は求めるスキルを持った人材がいないためである。

④ 社内教育の状況

技術的な面についての従業員育成はOJTが主である。OJTで従業員に求められるのは、知

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識というより人間性ではないか。基礎知識はもちろん必要だが、それよりも人間性ではな

いか。

(2)MAKINO ASIA PTE LTD

(a)就職先としての、工作機械メーカーの人気状況

シンガポールは人口も少なく、出生率も低い。国内の人的な資源は限られており、結果と

して優秀な人材の取り合いが他製造業やサービス産業との間で発生している。 エンジニアは社会的に認められている職業ではあるが、金融サービス業などに比べて必ず

しも魅力的とは言えない。 エレクトロニクス、半導体、製薬、バイオメディカルの産業と比べて、工作機械はニッチ

な産業である。 ニッチ産業であり、経験豊富な人材が限られているため、新卒者(fresh graduate)がより必

要とされている。入社時には、新卒者は会社のニーズに合わせた集中的なトレーニングが

課される。 但し、シンガポール国立大学や南洋工科大学の工学部学生にとって、機械工学は依然とし

て人気の学科である。

(b)機械工学系人材の採用状況

学士・修士・博士の工学系人材を採用しており、近年は11人(2008年)→15人(2009年)

→23 人(2010 年)と増えている。シンガポール国立大学と南洋工科大学に限ってみると、

2010年には1000人以上の応募があり、最終的に採用したのは15人だった。 シンガポールの学生と外国人学生との違いとして挙げられるのは、外国人学生の方が、イ

ノベーティブ精神や独創性に富んでいることである。 大学の専門が特定の産業と一致している例は少ない(IT、航空宇宙産業くらい)。したがっ

て、入社後にその産業の専門知識を身に付けることになる。

(c)優秀な人材を採用するための取組

大学キャンパスでの直接的な採用活動を行っている。例えば、シンガポール国立大学や南

洋工科大学でのキャリアフェア、学生団体などを通じた広告を実施している。 オンラインのリクルート・サイト(JobsDB, JobStreet, Jobs Factory, Monster.com)を利用して

いる。また、将来的にはFacebook, LinkedIn等のソーシャルメディアの利用も考えている。 外国人エンジニアの採用も実施している。例えばヨーロッパ、中国、インドからの直接採

用を実施している。また、欧州、インド、中国、シンガポールの各種教育機関に所属する

共同研究者からの推薦を通じた採用も実施している。 人事上の処遇や環境整備などにも配慮している。例えば、以下のような取り組みを実施し

ている。 新卒者の初任給の競争的な水準設定。 研究開発に関わるエンジニアに対する役職手当の支給。 エンジニアのキャリアパスの透明化・明確化。 新卒者に対する徹底的なトレーニング。

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日本、中国、インドにあるMakino系列企業への赴任の機会提供。 有意義で挑戦的な仕事の提供。 高水準の福利厚生と労働環境

(d)機械工学系人材教育における課題、課題を解決するための取組

① 大学教育に関する取組(政府)

大学で教えている内容と企業の求めているもののギャップという点については、シンガポ

ール政府も認識している。 数年前、委員会を立ち上げ、大学の教育プログラムについて検討した。

(3)OKAMOTO (SINGAPORE) PTE LTD

(a)就職先としての、工作機械メーカーの人気状況

①人気状況に対する認識

当社は技術部門を有していないため、専門知識を持つ大学・大学院生はそれほど必要とし

ない。そのため、ローカルにおける大学・大学院生から見た工作機械メーカーの人気とい

うものは把握しきれていない。 ポリテクニクからは若干採用しているが、不定期で且つ中途採用なので新卒者の状況は把

握できていない。

② 技術系人材のキャリアパス、キャリア意識

ポリテクニクを卒業した技術系人材であっても、全員が専門性を生かした就職をしている

わけではないと聞いている。 あえて理系の学校に進学する→理系の知識を生かした就職して経験積む→経済・経営を学

びキャリアチェンジするという方が、将来的な所得は大きくなるので、そのようなキャリ

アに進もうとする人材が多いと言う話を聞いたことがある。 機械系のポリテクニク卒業者であっても、卒業直後から違う分野で就職する学生が多いよ

うだ。ポリテクニクの教員から直接聞いた話によると、どうやら日本と比べてシンガポー

ルでは、職業選択における賃金水準の影響力が、日本では想像できないほど大きいようだ。

③先端分野への人材流出

シンガポールでは、航空機、半導体、バイオ産業などが最先端分野として、政府から強い

支援を受けている。 こうした最先端分野に、学生も目が行き勝ちである。こうした分野については新聞などへ

の露出も多いし、政府支援も大きい。高い教育水準にあるシンガポールでは、こうした分

野に学生も進みやすい。

(b)機械工学系人材の採用状況

①職員の構成

12月末現在で、職員は238名であり、内日本人は5名。

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職員の中で、シンガポール人は 5 割弱。職階によってシンガポール人の割合が異なってお

り、一般作業者としては少なく、マネージャ職としては多い。 職員の中で、大学・大学院卒業者は10名弱。当社の主なマネージャ職はポリテクニク卒業

者が多い。マネージャの中には、入社当初高校卒だったが、入社後に働きながらポリテク

ニクを卒業した者もいる。 但し、職員全体で見ると、非ポリテクニク卒業者の方が多数派であり、ポリテクニクと卒

業者が少数派。当社が技術部門を有していないということもあり、ポリテクニク卒業レベ

ルの専門性が必要なケースが少ない。

② 採用する人材に期待する知識・スキル

機械加工分野においては、NC マシンを使いこなせる人材が必要であり、できれば採用時

点で扱える人材が望ましい。しかし、こうした職業に、シンガポール人は中々集まらなく

なっている。採用が不足した場合には、中国などに不足分の人材を求める。 組立作業分野では、採用時に求めるべき知識・スキルはあまりないと考えている。必要な

知識・スキルは、入社後のOJTを通じて学んでもらうので、採用時にはむしろ「学ぶ能力・

姿勢」を備えていることが重要になる。

③ 採用の状況

ポリテクニクから採用しようとしても、定着しているのは 5%程度。採用しても、多くは

しばらくして転職してしまう。 定期採用をしていないこともあり、新卒採用のニーズはあまりない。募集をかけても、新

卒者が応募してくることは少ない。 一般作業者(ワーカーレベル)は採用しようとしても、シンガポール国内では集まらない。

こうした人材は、エージェントを活用して外国人を採用することが多い。最近採用する外

国人の国籍は中国、インド、インドネシアが多い。最近ではマレーシアも賃金水準が上昇

しつつあり、労働者を集めにくくなりつつある。 当社の立地がジョホールバル(マレーシア)と近接していることもあり、労働者の中にジ

ョホールバル居住のマレーシア人がいる。こうしたマレーシア人は、マレーシアの物価水

準で生活しながら、シンガポールの賃金水準(マレーシアの約2倍)で働ける状況のため、

定着率が非常に高い。 シンガポールでは、一定の賃金水準がないと永住権を取得できないため、永住権取得を目

指す外国人労働者は懸命に働く。様々な階層の人々が、それぞれのステータスに応じて、

「手の届く目標」を持てるというのは、シンガポールの特徴かもしれないと考えている。 シンガポール人には以前のようなハングリーさは無くなっており、求める人材がシンガポ

ール国内で確保しづらくなっているのは問題だと考えている。一旦雇用が停滞すると、労

働者の高齢化が進む。短期的(今後数年程度)は問題ないが、10年程度経過した後、熟練

者が退職したときにどう対応するのかは課題だと思う。

(c)優秀な人材を採用するための取組

一般作業者(ワーカーレベル)は外国人労働者を採用することがあるが、そうした場合に

はエージェントを活用して募集をかける その他メディアを通じた募集広告を打つなどを実施している。

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(d)機械工学系人材教育における課題、課題を解決するための取組

① 教育機関への機械納入

ITE,南洋ポリテクニク等には、学内で実習に利用するための工作機械を納入している。機

械の操作方法やメンテナンスは、当社のオペレーターが教員に指導している。 こうした取引を通じて教員とつながりができており、そのつながりを通じて学生の工場見

学などの取り組みを行っている。

② その他産学連携活動

当社が保有している半導体技術などを紹介する、大学教員向けセミナーを実施している。

「大学教員」であっても、「最先端」がどこにあるのかよく分かっていないことも多いらし

く、興味を持ってセミナーを聞いていただいたと考えている。 一度、ハノイ工科大学からインターンショップ学生を受け入れたことがある。このときの

インターンシップ期間は2~3ヶ月であった。当社としては、最終的にシンガポールに定着

して欲しいと考えていたが、受け入れた学生本人にそうしたつもりは無い様子だったため、

このインターンシップは満足いく結果ではなかった。

③ 大学教員のミッション

シンガポールでは、大学教員や研究機関の研究者にも明確なミッションが存在している様

子。多くの教員は、将来的にシンガポールの新たな産業につながるような研究を行うこと

を求められる。 産業応用が難しい基礎的・長期的研究に取り組む教員に対しては、有名学術雑誌での論文

掲載などの基準も設けられている。

④ 政府の役割

シンガポールの経済開発庁(EDB)は、国内企業を積極的に訪問し、企業の現状やニーズ

を収集・把握している。当社でも、2ヶ月に1回程度の頻度で定期訪問を受けている。 政府は半導体に関連した工作機械メーカーであるということで興味を持っているようだ。

半導体関連で投資をしようとした場合、政府支援の仕方が非常に手厚い。 政府は、集めた企業の情報を基に誘致活動や新規投資を行っている。実際に投資を決めた

企業には、例えば工場用地の斡旋や免税措置などの、支援がある。

(4)Department of Mechanical Engineering, National University of Singapore

(a)機械工学系に対する学生の関心・志望状況

① 機械工学科への学生の関心・人気

機械工学科が設置された当初は、工学部の中での人気はあまりなかった。学生を獲得する

ため、カリキュラムの改善に努めた結果、現在は工学部の中でもトップクラスの人気とな

った。現在、機械工学科には1学年に約400人程度の学生が在学し、教員は77人在籍して

いる。

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学部としては、工学は医学・法学についで3番目の人気である。 工学部の中では、これまで化学(学生数200人程度)、電気(600人程度)、土木(150人程

度)機械工学(300人程度)などが人気だったが、最近は機械工学(400人程度)が学生数

も多くトップクラスの学生が集まっている。

② 人気の要因

人気の要因として、一つには周囲領域に人材ニーズがあることが挙げられる。卒業後にも

仕事があるので、人気なのではないか。もう一つには、機械に関する広い領域を学べるこ

とがあると考えている。例えば「制御」「精密」「生物」など、機械に関する様々な領域を

この「機械工学科」で学ぶことができる。 日本では機械系の学科が色々な名前を掲げていたが、シンガポール国立大学では「機械工

学科」という名称を維持してきた。例えば「バイオエンジニアリング」「材料」など様々な

先端的な領域は、機械工学科の中で立ち上がり、その内いくつかは機械工学科から独立し

た学科となっている。

③ 学生と教員数のバランス

現在の機械工学科は、教員数に対して学生数が多すぎると考えている。 受け入れる学生数は、政府の決定に拠る所が大きい。政府からはさらに多くの学生を受け

入れるように言われているが、現状でこれ以上の受け入れは難しい。

(b)教育プログラムの内容

① デザイン中心のプログラム

シンガポール国立大学における機械工学科の教育内容・方法は、私が(日本在学中に)見

ていた日本の大学教育とはかなり異なっている。 デザインや実習を主軸にカリキュラムを構成しており、学部 1 年生の時点から設計・もの

づくりに携わっている。学生は比較的楽しんで取り組んでいると思う。 2年生になると本格的にデザインに取り組むようになるので、1年生の時点で製図を教えて

いる。 今年から、100人程度の学生を対象に、特にデザインだけを集中的に教育する学科(Design

Centric Curriculum: DCC)を立ち上げた。

② 課題解決を通じた基礎科目の習得

設計に取り組めば、必然的に基礎的な科目を身に付けておく必要が生まれる。ただ基礎科

目を学んでも、学びの目的が分からなければモチベーションは湧かない。 基礎科目を活用せざるを得ないような課題を与えるようにしている。例えば、シンガポー

ルに自動車産業はほとんど存在していないが、大学の課題としてエコカーの設計やエネル

ギー制御など自動車に関わることに取り組んでいる学生も多い。 課題との関係が分かるようにすれば、基礎科目に対する学生の理解も深まる。そうなるよ

うに、教員としても努力している。

③ 企業課題への取組

企業から課題を受け入れ、それを学生のグループに取り組ませることも実施している。企

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業からの課題に取り組んでいるのは、学生が半分程度(1学年約200人程度)である。 機械系に関係している企業へ大学からお願いして様々な課題を収集しており、その中でも

教育的な意義のあるテーマだけを受け入れている。 課題提供をお願いする企業に制限は特にない。シンガポールに所在している企業ならどこ

でも良い。

④ 企業人による授業

科目の中に、企業人による授業を組み込むように配慮している。 学部 4 年生向けに用意されている全ての選択科目(指定された科目群の中から、決められ

た単位数を履修するように設定されている)については、科目の中で企業人による授業を

含むようになっている。

⑤ インターンシップの実施状況

一部の学生は、インターンシップも経験しており、期間は6ヶ月である。 インターンシップでは、受け入れ企業によっては雑用しかやらしてもらえないケースなど、

学生にとってリスクもあるので注意が必要である。そのため、学生の派遣に当たっては、

インターンシップ中にどのようなことに取り組むのかを、あらかじめ教員がチェックする

ようにしている。 但し、インターンシップは義務(必修)ではない。6 ヶ月のインターンシップを行わない

学生に対しては、学生の興味に合わせて特定の教員から課題を与えて、6 ヶ月間システム

作りなどに取り組ませる。

⑤ 外部委員会による企業ニーズのくみ上げ

機械工学科では、企業人を委員に含んだConsultative committeeを用意しており、カリキュラ

ムについて助言を受けている。彼らの助言を受けて、「building management」という科目を導

入したこともある。

(c)卒業生の進路状況

① 学生の進路選択

学生は、課程を通じて設計・ものづくり中心に取り組んでいるので、機械系企業への就職

にも興味を持っているのではないかと思う。但し、学科として、必ずしも機械系企業に就

職することを強く勧めているわけではない。 個人的には、機械系を勉強したことで「何ができるようになったのか」を、学生へ積極的

に伝えるようにしている。 外国へ行く卒業生も多い。土木工学などでは7~8割の卒業生が外国へ進出しているようだ。

② シンガポール国内の工作機械企業

シンガポール国内における主な工作機械企業は、日系の 3 社(YAMAZAKI MAZAK SINGAPORE PTE LTD, MAKINO Asia PTE LTD, OKAMOTO (SNGAPORE) PTE LTD)であ

り、日本企業以外のプレーヤーは聞かない。 最近、シンガポール国立大学が出資したベンチャーとして工作機械企業が設立された。同

社では複合加工機を製作している。まだ設立されたばかりで規模は小さいが、学生の実習・

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インターンシップ受け入れや卒業生の就職など、大学との間で良い協力関係を気づいてい

ると思う。

(d)機械工学系人材教育の課題、課題を解決するための取組

① 外国人学生の受け入れ

外国からは優秀な学生が集まってくるため、在学者全体に占める外国人の割合は高い。 但し、外国人学生の 9 割程度はシンガポールに留まって就職するため、それ自体はあまり

問題視されていない。

② 産業界ニーズの把握

大学としても、企業人の参加したConsulting committeeを組織するなど、企業のニーズをカ

リキュラムに取り入れるよう配慮している。 シンガポール政府の関与も大きい。政府は、各機関での教育内容を調査・把握しているし、

国内企業へ訪問調査を常時行っており、ニーズの抽出に勤めている。 こうした調査結果を背景に、政府からカリキュラムの内容についても様々な要請がある。

但し、全てに従う必要があるわけではなく、政府からの要請に対してどう対応するかは、

ある程度大学に任されている。 教育面だけでなく、研究テーマについても政府からの要請・誘導がある。政府・企業・大

学の三者が、良い関係を築けていると思う。

(5)School of Mechanical and Aerospace Engineering, Nanyang Technological University

(a)機械工学系に対する学生の関心・志望状況

工学部には5 つの学科(school)が存在する。「人気」という点から見ると、機械・航空工

学科(School of Mechanical and Aerospace Engineering)は平均的である。

(b)教育プログラムの内容

学生が履修するカリキュラムは大きく3つのパターンがある。 Mainstream 多くの学生が選択する通常パターン。学部4年次に8領域から専門を選択する。 当該コースは「技術起業プログラム(Technopreneurship Programme)」や22週のインタ

ーンシップ(Industrial Attachment)を含んでおり、卒業に155単位が要求される。 Design Stream Option デザインに重点をおいた履修パターン。機械・生産工学に関わるコア科目を履修した

後、デザインに重点を置いて履修科目を選択する。 技術起業プログラムや最終年次プロジェクトでも、デザインに重点を置く。

Mechatronics Stream Option 機械、マイクロプロセッサー、電子、ソフトウェア、ロボティクスなどの知識が要求

されるメカトロニクスに深い専門性を持つための履修パターン。

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(c)機械工学系人材教育の課題、課題を解決するための取組

以下のような課題に取り組む必要がある。 社会の改善に資するようなシステムのデザイン・統合 経済成長に資するような熟練労働力に関する知識プールの構築支援 当該分野への、学生の興味のさらなる喚起 問題解決型の学習環境改善

6.3.3 インタビュー結果とりまとめ

以上に示した個別のインタビュー記録について、その内容や日本への示唆を整理した。その結果

を以下に示す。

(1)シンガポールの現状

(a)工作機械企業の活動状況

シンガポール国内の工作機械企業は、ほぼ日系現地企業3社のみ。 シンガポール国立大学は、規模はまだ小さいものの、工作機械ベンチャーの立ち上げ・本

格展開に取り組んでいる。

(b)人材の採用状況

採用の方法としては、企業の状況に合わせて様々な採用活動が実施されている。 一般作業員(ワーカーレベル) 賃金水準の上昇から、シンガポール国内での確保が困難になってきている。 主な労働力は、専門のエージェントを活用しながら周辺国から採用。採用先の周辺国

としては、マレーシア、中国、インド、インドネシアなどが多い。 現場監督・マネジメント シンガポール人が雇用されていることが多い。 大学卒業・大学院修了の人材よりも、ポリテクニク卒業者レベルであることが多い。

技術開発 技術開発まで実施している企業では、大学・大学院の新卒採用を実施している。

(c)機械系分野・業種の人気

シンガポール国立大学では、工学は医学・法学に次いで人気学部であり、機械工学科は 1学年約400人の学生が所属しており、工学部の中でもトップクラスの人気を集めている。

学生の就職先として見た場合、シンガポール政府が強力に後押ししている「先端分野(バ

イオ、航空機、エネルギー、半導体産業など)」に学生の目は行きがちであり、工作機械業

界自体があまり知られていない。 理系分野への進学→技術系職種の就職→ある程度経験を積んだ時点で経済・経営分野の教

育を受けなおし、キャリアチェンジするようなパターンも少なくない。日本と比較して、

シンガポールでは職業選択における賃金水準の影響力が大きい。 ただし、技術開発を実施している企業では大学・大学院からの新卒者の採用を実施してお

り、応募者の競争率が数10倍にもなっている。

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(2)注目すべき取組

(a)デザイン、課題解決を重視したカリキュラム

シンガポール国立大学では、現在はデザイン・設計を軸としたカリキュラム構成を設定し

ている。学部2 年生以降には本格的にデザインへ取り組むことになるため、学部1 年次の

時点で製図の教育を行う。今年から、100 人程度の学生を対象に、特にデザインを集中的

に教育するDesign Centric Curriculum(DCC)を開始した。 デザイン・設計の中で、学生に基礎科目の必要性に気付かせ、振り返らせるような課題

を与えるように工夫している。 課題と基礎科目の関係に気付かせ、学生のモチベーションや理解を高めるように努力し

ている。 南洋工科大学でも、通常の履修パターンに加えて、デザインを特に重視した履修パターン

(Design Stream Option)を用意している。

(b)先端機器導入・実習

今回インタビューを実施した日系現地企業から、大学やポリテクニクなどの教育機関へ、

工作機械を多数納入しており、教育機関はこれら機器を使って学生に実習を行っている。 納入している機械は、複合加工機、CNC機器などかなりのハイエンド機器であり、教育機

関では高度な実習を行っている。 実習を実施するため教員が機器の使用に慣れるよう、メーカーからの技術指導を受けてい

る。

(c)企業からの課題・講師受け入れ

シンガポール国立大学では、シンガポール国内の機械系企業から課題を受け入れ、学生グ

ループに取り組ませている。学生の約半数(1 学年 200 人程度)は、企業から受け入れた

課題に取り組んでいる。 企業に依頼して課題を募集し、教育的な意義の認められる課題を選択して学生に与えて

いる。企業はシンガポールに所在していれば良く、外資系か否かなどは関係ない。 学部 4 年生向けに用意されている選択科目(指定された科目群の中から、決められた単

位数を履修するように設定されている)については、科目の中で企業人による授業を必

ず組み込むようにしている。

(d)インターンシップ

シンガポール国立大学では、一部の学生には 6 ヶ月間に渡るインターンシップを実施して

いる。 インターンシップでは、雑用ばかりを押し付けられ、教育効果が上がらないといったリス

クもあるため、インターンシップ期間中の取組内容などを事前に教員がチェックするよう

に配慮している。 インターンシップを実施しない学生に対しては、学生の興味に合わせて特定の教員から

課題を与えて、インターンシップと同じ6ヶ月の間システム作りなどへ取り組ませる。 南洋工科大学でも22週間のインターンシップ期間を用意している。

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(e)産業界ニーズの反映

シンガポール国立大学機械工学科では、企業人を委員に迎えConsultative committeeを用意

し、カリキュラムへの助言を受けている。 南洋工科大学でも有識者委員会を組織しており、新たなカリキュラムを2011年8月に公開

予定。 シンガポール政府の関与も大きい。政府が国内企業への訪問調査を継続的に実施しており、

そこで集めた企業ニーズに基づいて、教育機関へもカリキュラムに関する様々な要請が寄

せられている。

(f)採用の取組

様々な職種の必要に応じて海外へも積極的なリクルートが行われている。一般作業者につ

いては人件費が安い周辺国に対して、エージェントを活用しながらリクルートが行われて

いる。より専門性の高い人材についても、海外の共同研究相手大学などから人材を獲得す

るケースが見られる。 新卒者初任給の金額を、競争的に設定している企業も存在している。

(3)結論および日本への示唆

(a)日本との類似

シンガポールは、全体的に賃金水準が上昇しつつある点、人材確保において他業種(バイオ、

航空機、エネルギー、半導体産業、金融など)と競合が発生している点、において日本の工

作機械産業を取り巻く環境と類似している。

(b)人材確保への取り組み

賃金水準の上昇に伴って、一般作業者レベルにおいてシンガポール人労働者を確保すること

は困難になっており、各企業では、専門のエージェントなどを活用しながら周辺国からの確

保が盛んに行われている。 より高度な人材については、海外の共同研究機関からの採用や、初任給水準の競争的設定な

どに取り組む企業が見られた。

(c)大学・産業界とのミスマッチへの取組

大学は、カリキュラムポリシー(デザイン教育の重視)を明確化しており、ポリシーに基づ

いた改善を着実に実施している。 大学では、実習のための先端機器の導入や、企業から募集した課題を用いたPBL、長期イン

ターンシップの実施など、現実的な知識・スキルを育成するための取り組みが積極的に導入

されている。 シンガポール国立大学では、機械工学科として、外部委員を含めたConsultative committeeを

設置し、カリキュラムに対する助言を受けている。また、政府としても企業ニーズの把握と

大学への助言を継続的に実施しており、大学と産業界と関係を密に保つような仕組みが構築

されている。

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工作機械分野におけるインターンシップマニュアル(改訂版)

我が社でもインターンシップ?インターンシップのメリットは採用だけではありません。インターンシップを担当させることが、従業員の訓練・経験となります。インターンシップのノウハウは従業員教育等に活かせます。大学・大学教員との連携を強めるきっかけにもなります。

今は新人採用は考えていないので必要性がな

知名度が低いので

十分な受入体制がとれない

知名度が低いので、応募者は見込めな

いインターンシップの形態はさまざまです。専門的な実習を伴う理論実践型もあれば、職業意識醸成型もあります。人数や期間など、自社に可能な方法を検討しましょう。まさに貴社をPRする機会です。

大学と関係を作っていくことで、一般的な知名度にはよらない、貴社を知ってもらう機会を作ることができます。

過去に経験がない希望があれば受け入れるが、

依頼がない依頼がない本マニュアルを参照下さい。本マニュアルは、インターンシップの経験がない企業を対象に作成されたものです。

成功・失敗を分ける重要なポイントが本マニュアルには記載されています

大学はインターンシップに協力する企業を探しています。日本工作機械工業会にご相談下さい。

その他 各地のインターンシップ推進協議会等の団体でも インターン

1

ルには記載されています。その他、各地のインターンシップ推進協議会等の団体でも、インターンシップを行う大学の紹介をしています。大学だけではなく、どのような企業が受け入れているのかも公開されているので参考になります。

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工作機械業界インターンシップマニュアル 目次

本マニュアルで対象とするインターンシップについて

インターンシップ実施の全体フロー

1. 目的の明確化目的の明確化

2. 大学との事前調整

大学への確認事項一覧

3. 受入体制の整備

「受入準備マ アル と「指導マ アル 「受入準備マニュアル」と「指導マニュアル」

4. プログラムの策定

(参考)現場の流れフローを考慮した工作機械インターンシップのプログラム策定例

(参考)プログラムの内容と学生からの評価の例

5. 正式受諾と確認文書の取交

覚書の例

誓約書の例

6 実施6. 実施

7. 学生の評価

8. プログラムの評価と改善

9. リスクへの対応

参考(事例集)

参考文献

2

本マニュアルで対象とするインターンシップについて

本マニュアルで対象とするインターンシップは主に以下を想定している。

工作機械分野に多い中小企業も含めて実施可能なものとする

2週間程度の期間で実施する

大学との協力において実施する

正課の授業科目として実施(単位認定の対象)を含む。

正課外の取組(単位認定の対象外)を含む。

大学と無関係に企業が独自に実施するものは含まない。

職業意識醸成型、理論実践型のいずれか、あるいは両方の目的で実施する

職業意識醸成型

学生の職業意識の醸成を目的とする

低学年から実施可能

理論実践型 理論実践型

学生の専攻分野に関連した知識・技能を育成することを目的とする

対象は工学系の学部学生(特に3年生)

本マニュアルは考え方を示したものであり、実施に際しては、個別の状況に応じた取組が必要です。本マニュアルは考え方を示したものであり、実施に際しては、個別の状況に応じた取組が必要です。

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インターンシップ実施の全体フロー

日工会

マッチング

大学側

受入仮依頼

学生の決定

正式依頼

事前研修・事前学習

実習中のモニタ事後研修・評価・

報告条件の確認・内容の調整

研修報告 評価票実習記録実施要綱 承諾書

学生の決定 事前研修・事前学習

2 大学との事前調整

学生 確認文書の取交 実習参加 実習の評価

受入窓口部

2.大学との事前調整

5.正式受諾と確認文書の取交

(窓口)(窓口)

受入準備マニュアル

確認文書依頼状

部門

実習

8.プログラムの評価と改善1.目的の

明確化3.受入体制の整備

指導マニュアル

マニュアル

実施部門

6.実施 7.学生の評価4. プログラムの策定

9.リスクへの対応

4

10~3か月前 実施前(3か月) 実施中 実施後

1. 目的の明確化

インターンシップの効果を高めるために、自社としての導入の目的を明確にする。

その目的を社内のコンセンサスとして共有することによって、スムーズな受入、実施、指導担当者の負担軽減につなげる。

インターンシップの効果を高めるために、自社としての導入の目的を明確にする。

その目的を社内のコンセンサスとして共有することによって、スムーズな受入、実施、指導担当者の負担軽減につなげる。

実施目的の設定実施目的の設定

イ タ シ プを受け入れる と 自社 意義 メリ トを を参考に整理するインターンシップを受け入れることの自社の意義、メリットを以下を参考に整理する。 工作機械業界、自社について学生にアピールする 自社の研修担当者の訓練の機会とする 実習プログラムの内容や経験を、自社の従業員教育等にも横展開する 大学・大学教員との連携を強める員 携 強 大学の教育に産業界ニーズが反映されることを期待する

具体的な目的を以下を参考に設定する。 工作機械やものづくりに対する学生の興味を喚起する。 工作機械メーカでのワークスタイルを学生に実感してもらう 工作機械メ カでのワ クスタイルを学生に実感してもらう。 工作機械業界のアピールを行う 自社のアピールを行う

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1. 目的の明確化

社内でのコンセンサス作り社内でのコンセンサス作り

インターンシップを受け入れることの自社負担(人的・物的・財政的)を明確にする。 実習実施部門:実習期間中の担当者の負担、業務への影響・リスク、PC等の設備準備負担実習実施部門 実習期間中の担当者の負担、業務 の影響 リスク、PC等の設備準備負担 受入窓口部門:大学との調整業務の負担 全社:学生への報酬・交通費・宿泊費等

意義・目的・負担・対応方針について実習実施部門・受入窓口部門での認識を共有する。 実習実施部門における担当者の負担に対しては どのように分散化(フォロー)するかの方法を明確にする

プチ

実習実施部門における担当者の負担に対しては、どのように分散化(フォロー)するかの方法を明確にする。

インターンシップを受け入れる自社としての目的を決定したか。 自社の負担も含めて実習実施部門・受入窓口部門で認識を共有出来たか。

チェックリストト

6

2. 大学との事前調整

大学からインターンシップ受入の打診を受け、大学が意図するインターンシップの目的や条件を確認する。

大学側から「実施要綱」を受け取り、内容を確認する。

自社の目的との調整を行い、大学と目的を共有した上で、受諾の内諾を行う。

大学からインターンシップ受入の打診を受け、大学が意図するインターンシップの目的や条件を確認する。

大学側から「実施要綱」を受け取り、内容を確認する。

自社の目的との調整を行い、大学と目的を共有した上で、受諾の内諾を行う。

打診と目的や条件の確認打診と目的や条件の確認

大学・大学教員からインターンシップ受入の予備的な打診を受ける。 大学側がアプローチする理由は以下が想定される。

教員と企業 共 究 業 体等 的ネ クがある 教員と企業に共同研究や業界団体等で人的ネットワークがある。 過去に当該大学の採用実績がある、役員が当該大学出身者である。

アプローチを受ける部署としては人事部、総務部が想定される。 アプローチ方法としては以下が想定される。

電話、電子メール、ダイレクトメール(アンケート形式等)、直接訪問電話、電子 、ダイ ク (アンケ 形式等)、直接訪問 日本工作機械工業会による企業と大学のマッチングも想定される。

大学側からは通常「実施要綱」かそれに相当する情報が提供されるため、内容を確認する。 目的

大学が期待する効果として、職業意識醸成型か、理論実践型かを確認する。 採用との関係の有無を確認する 無関係としていることが一般的である 採用との関係の有無を確認する。無関係としていることが 般的である。 単位認定の有無を確認する。

学生 どのような属性の学生(学部・学年、留学生)が来るのかを確認する。

実施人数・時期・期間何人程度の学生がい 頃 どの程度の期間来るのか 時期は分散し いるかを確認する 何人程度の学生がいつ頃・どの程度の期間来るのか、時期は分散しているかを確認する。

時期は7~9月、2~3月が多い。 業務の希望・希望する配属先・実習地

企業側からの提案を求められる場合もあるため、必要に応じて事例の提供を依頼する。 配属先・実習地について条件があるかを確認する。

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報酬 報酬の有無(支払の可否)、交通費・旅費・宿泊費・食費の負担について確認する。

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2. 大学との事前調整

大学との目的の共有と受諾大学との目的の共有と受諾

大学からの打診内容と自社の目的を共通のものとするために、大学と調整を行う。 自社としてのインターンシップの目的を大学に伝える。

大学 方針だけ はなく 学生が何をやりた かを聞き出す 大学の方針だけではなく、学生が何をやりたいかを聞き出す。 工作機械業界及び自社を選定した理由と期待を確認する。

大学、学生の工作機械やものづくりに対する認識(イメージ)を聞き出し、業界や自社の情報提供を行って間違った認識があれば払拭する。

目的を共有した上で、自社内の調整を行い、受諾の内示を行う。 受諾の内示に際しては、受入窓口部門と実習実施部門とで認識共有をしておく。(「3. 受入体制の整備」参照)

現場、総務・人事の一方で大学に了解して進めたものの、もう一方から途中でストップがかかる、といったことが生じないようにする必要がある。

大学から「実施要綱」に相当する情報を受け取ったか。 「実施要綱」から必要な情報を確認できたか。 大学と自社の目的、学生の希望は合致していると判断できるか。 工作機械や自社に対する大学・学生の認識は正確か確認できたか

チェックリス

8

工作機械や自社に対する大学・学生の認識は正確か確認できたか。スト

大学への確認事項一覧

分類 内容 備考

目的 職業意識醸成型 or 理論実践型 企業活動の概観か、専門分野の知識・技能の育成か

採用との関係 無関係とされる場合が多い。

単位認定の有無 単位認定される場合とされない場合がある。

大学側担当者 担当者

連絡先・連絡可能時間

学生 学部・学年 「理論実践型」を目的とする場合は、実習内容との対応が必要であるため、大学での教育内容も確認する。

事前研修・事前学習の有無 実習内容と重複しないようにする。

氏名氏名

サイズ 制服、安全靴が必要である場合など。

性格

実施人数・時期・期間 実施人数 募集時に受入条件を明確にする実施人数・時期・期間 実施人数 募集時に受入条件を明確にする

時期

期間 単位認定には2週間程度が必要とされる場合が多い

業務の希望 業務の希望業務の希望 業務の希望

配属先・実習地の条件

報酬 報酬の有無

交通費・旅費・宿泊費・食費の負担

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交通費 旅費 宿泊費 食費 負担

リスク 学生の保険加入の有無

学生の「実習記録」等の扱い どこまでどのように開示されるか。

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3. 受入体制の整備

インターンシップ受入の社内体制として、受入窓口部門、実習実施部門を設置する。 それぞれの部門で責任者と担当者を決定する。

受入窓口部門では、「受入準備マニュアル」、実習窓口部門では「指導マニュアル」を作成する。

受 窓 部門と実習実施部門 連携が重 ある

インターンシップ受入の社内体制として、受入窓口部門、実習実施部門を設置する。 それぞれの部門で責任者と担当者を決定する。

受入窓口部門では、「受入準備マニュアル」、実習窓口部門では「指導マニュアル」を作成する。

受 窓 部門と実習実施部門 連携が重 ある受入窓口部門と実習実施部門の連携が重要である。受入窓口部門と実習実施部門の連携が重要である。

受入窓口部門受入窓口部門

般的には人事関連部門が担当する一般的には人事関連部門が担当する。大学との連絡・調整、学生の受入(就業規則の説明、事前教育などのオリエンテーションを含む)、事務手続を担う。

責任者 大学との契約・協定などの対外的業務や受入部門間の調整等

担当者 受入部門との連絡・調整、各種手続き、対外的な窓口業務等

以下の内容の「受入準備マニュアル」を作成する。 インターンシップの意義と導入目的 インターンシップ全体の流れとスケジュール 承認の手続や手順(経費の処理も含む) 承認の手続や手順(経費の処理も含む) 学生への報酬等 交通費・旅費・宿泊費・食費をどのように負担するか

特に学生が遠方の場合 保険等の取り扱い

締結書類のフ ム 締結書類のフォーム

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3. 受入体制の整備

実習実施部門実習実施部門

実習プログラムの作成、実習期間中の指導やケア、評価など実質的な学生の指導全般を担う。 責任者

施部 部 部 終 定 部 づ 実習実施部門の部門長(部課長)。受入の最終的な承認・決定。部署内のコンセンサスづくり、受け入れを円滑に行うための業務調整、指導担当者の任命と指導・監督、学生の業務内容の決定・承認、学生の指導に対するアドバイスや評価等。

担当者 実質的に学生の指導・管理を行う。実習プログラム及び日々のスケジュールの立案・調整、学生の業務指

導、評価、会社生活のケア。

担当者は指導内容に応じて、若手社員とベテラン社員それぞれのメリットを考慮するとともに、負担を集中させないように選定する。

学生と比較的年齢の近い若手社員は親しみやすく、社員本人の指導訓練にもなる。ベテラン社員は指導力が高いため 学生が理解しやすく 興味や面白さを実感させ易い指導力が高いため、学生が理解しやすく、興味や面白さを実感させ易い。

ある程度の危険を伴う作業についてはベテラン社員が担当することが望ましい。 実習期間中は指導担当者の本来業務を周囲がカバーするなど、組織での対応が必要。

以下の内容の「指導マニュアル」を作成する。 インターンシップの意義と導入目的(「受入準備マニュアル」の再掲)

実習テ マと実習プログラムの策定方法 実習テーマと実習プログラムの策定方法 準備事項 指導担当者の役割と注意点(安全管理、機密保持等) 学生との接し方と注意 学生の評価基準

受入窓口部門の責任者と担当者を決定したか。 受入窓口部門は「受入準備マニュアル」を作成したか。 実習実施部門の責任者と担当者を決定したか。

チェックリ

学習プログラムの評価基準

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実習実施部門の責任者と担当者を決定したか。 実習実施部門は「指導マニュアル」を作成したか。

リスト

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「受入準備マニュアル」と「指導マニュアル」 転記

インターンシップの意義と導入目的

インターンシップの意義と導入目的

受入準備マニュアル 指導マニュアル

と導入目的

受入責任者 通常人事部門

受入担当者 通常人事部門

インターンシップ全体の どの時期にどの程度の学生を

と導入目的

実施責任者 部門別に。

実施担当者 部門別に

実習テーマと実習プログ 実習テーマや実習プログラムインターンシップ全体の流れとスケジュール

どの時期にどの程度の学生を受け入れるか。

承認の手続や手順 社内でどの時期にどの部門でどのように連絡手続を行うか。

実習テーマと実習プログラムの策定方法

実習テーマや実習プログラムはどのような考え方で策定するか。

準備事項 インターンシップを行う上で準備が必要な名札、制服、PC等。どのように連絡手続を行うか。

学生への報酬 学生への報酬、交通費、旅費、宿泊費、食費の負担方針

保険等の取り扱い 学生への保険加入方針

備が必要な名札、制服、PC等。

指導担当者の役割と注意点

指導担当者はどこからどこまでを行うか。

学生との接し方と注意 アルバイトとの違い。

秘密保持 メ 事故

締結書類のフォーム ほとんどのフォームは大学から提示されることが多い。

誓約書は企業として準備することがある

秘密保持、ハラスメント、事故対策を含む。

学生の評価基準 学生の評価をどう行うか。プレゼン、レポートを行わせて評価をすることも考えられるとがある。 価をすることも考えられる。

実習プログラムの評価基準

実習プログラムの評価をどう行うか。プレゼン、学生対象のアンケートなど。

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4. プログラムの策定

自社の目的、大学の目的を考慮して、期待した効果を得るためのプログラムを策定する。

大学側から受け取った「実施要綱」を参照し、必要に応じて大学との調整も行う。

自社の目的、大学の目的を考慮して、期待した効果を得るためのプログラムを策定する。

大学側から受け取った「実施要綱」を参照し、必要に応じて大学との調整も行う。

策定の考え方の明確化策定の考え方の明確化

どのようなことを重点的に学ばせるか、また自社が求めるメリットなどに応じてどのようなプログラムとするか、基本的な考え方を明確にする。

大学から 「実施 綱 的を確認する 大学からの「実施要綱」で目的を確認する。 「職業意識醸成型」は企業活動を概観させる。 「理論実践型」は学生の専攻分野に関連した知識・技能を育成する

自社の目的を確認する。 中小企業は企業活動全般を理解しやすい点が強みとなる。中小企業 企業活動 般を理解 やす 点 強み なる。

具体例

「職業意識醸成型」の具体例(「(参考)現場の流れフローを考慮した工作機械インターンシップのプログラム策定例」参照)

工作機械製造あるいは、基本的なものづくりの流れとともに、各部門の具体的役割や相互の連携などを学ばせるために 企画・仕様決定→設計→機械加工→組立て→検査といった各部門を順番に体験していくプロばせるために、企画・仕様決定→設計→機械加工→組立て→検査といった各部門を順番に体験していくプログラム。

「理論実践型」の具体例

特定の課題を設定して、期間内にその課題をクリアさせることで、工作機械製造に求められる知識や課題解決の考え方、各部門間の連携などを学ばせるプログラム。

例)与えられた 作機械の課題(振動など)の原因を突き止め 設計し 作り 評価する 例)与えられた工作機械の課題(振動など)の原因を突き止め、設計し、作り、評価する。 例)簡単なエンジン、ギアボックス等を設計し、試作する。

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4. プログラムの策定実習内容の策定実習内容の策定実習内容の策定実習内容の策定

策定の考え方に基づいて、定められた期間内で最大の効果が得られるよう具体的プログラム構成、スケジュール、実習内容を検討する。

新人教育プログラムを2週間程度にしたものをイメージすると良い。中小企業は企業活動全体を理解させやすい とが強みになる 中小企業は企業活動全体を理解させやすいことが強みになる。

大学が学生に対する事前研修・事前学習を予定している場合は、その内容と重複しないようにする。

ビジネスマナー、業界・企業知識、業務時用の基礎知識の説明が行われ、パソコン講座や事前学習レポートの作成等が行われることもある。

具体例(巻末事例集を参照) 研究開発・設計実習、工場実習などをどのように組み合わせ、各実習で何をどこまで学ばせるか検討する。

どのような課題を設定するか、課題解決のプロセスと難易度、実習のポイントなどを踏まえつつ、プログラム構成を検討する。

導入部では、会社概要・製品の説明、就業規則の説明、安全講習の実施、工場見学等を行う。

座学実習は 自社の基本情報(製品知識)や安全講習 実習で使用する機器の操作方法等 最低限必要な内容 座学実習は、自社の基本情報(製品知識)や安全講習、実習で使用する機器の操作方法等、最低限必要な内容に止める。

研究開発実習や設計実習では、単なる試験補助やCADによる製図作業ではなく、何を目的とした試験か或いは設計する製品に求められる機能や生産性・コストなどの考え方など、目的意識を持たせるような内容にする。

工場実習では、単に加工・組立て・検査を行うだけでなく、前後工程との関連やその工程で考慮すべきポイントなど 取組意識を持たせるような内容にするど、取組意識を持たせるような内容にする。

まとめには、報告書の作成や報告会の開催、必要に応じて懇親会等を行う。

職場に任せきりにするのではなく、座学、工場見学、発表、グループワークなども取り入れ、社風を実感できるプログラムにする。

ざっくばらんにコミュニケーションが取れるよう若手社員との1週目の週末に懇親会を企画する。 ペアコーチを設けて、指導を受けやすいようにする。

大学の目的(「実施要綱」)、自社の目的と合致したものとなっているか。 大学が学生に対して実施する事前研修・事前学習との重複は考慮されているか。 導入、まとめが適切に設定されているか。

チェックリ

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導入、まとめが適切に設定されているか。 座学実習は最低限にとどめているか。 各実習内容は目的意識、取組意識を持たせるように工夫されているか。

リスト

(参考)現場の流れフローを考慮した工作機械インターンシップのプログラム策定例

全体像をつかみやすい中小企業の特徴を活かしたプログラムとしては、現場の一連の流れを体験させるプログラムも有効である。

カリキュラム策定のポイント

ものづくりの流れが学べるように前後工程との関連も理解できるような内容とする。

大学では学べない内容を学ばせるようにする。

例えば、設計であれば、単なる製図実習ではなく、工作機械設計で考慮すべきポイントやコストの考え方なども学べるような 例えば、設計であれば、単なる製図実習ではなく、工作機械設計で考慮す きポイントやコストの考え方なども学 るような内容にする等。

例えば、以下のような現場の流れの中で、各行程内にある実習課題を組み合わせることでインターンシッププログラムを策定するのも一例。

企画仕様決定

設計 生産管理 製造 品質管理

研究・開発

仕様決定

• 与えられた技術課題解決手法の検討

• 加工実験

• CAD製図

• 解析・シミュレーション

• 生産スケジューリング

• 在庫・部品管理

• 加工データ準備

• 部品加工

• 加工段取

• 組立て

• 精度検査

• 製品検査

• etc• 性能評価試験

• 仕様決定

• etc

• 設計業務補助

• etc

• 加工デ タ準備

etc

• 組立て

• etc

• etc

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学生に興味を持たせるには工夫が必要

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(参考)プログラムの内容と学生からの評価の例

良かった 改善して欲しい

大学では体験できないような業務に関われたり、最先端の技術の「すごさ」を見せて驚かせることができると、学生からの評価は高くなる。

良かった 改善して欲しい

内 容 (雑用のような作業ではなく)実際に企業で行っている業務に関われた・貢献できた。

実際に物ができていくこところを見られた。

最先端 とが体験 きた

テーマが難しすぎた/簡単すぎた。

大学の演習の延長のようだった。

単純作業が多かった。簡単なことしかやらせてもらえなか た最先端のことが体験できた。

通常経験できない○○を見られた、運転できた。

現場の人の苦労や大変さを体験できた。

現場の技術・知識が学べた。

かった。

実習内容が少なかった。

時間がたくさん余った、暇な時間が多かった、待ち時間が多かった。

実習内容が当初聞いていたものと変更にな た雰囲気を感じることができた。

報告会、スピーチ等のプレゼンの機会が持てた。

実習内容が当初聞いていたものと変更になった。

説明が不足していて何をやっているか理解するのが大変だった。

対応 分からないことも丁寧に指導してくれた。 チーム内の連絡が行き届いていなかった。

親切でフレンドリーだった。

やり方だけではなく背景まで教えてくれた。

交流 実際に働く人と本音の話ができた。

実習生同士の交流ができた。

働いている方、周囲の部署の方と話す時間があまりなかった。実習 同 交流 。他の実習生と関わることができなかった。

その他 夜は少し時間をもてあましてしまった。

交通費、食費が実費だった。

期間が短かった

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期間が短かった。

出所:日本工作機械工業会アンケートを参考に作成

5. 正式受諾と確認文書の取交

大学側での学生の選定後、正式な依頼に応じて最終的な受諾の判断を行う。

大学側から「依頼状」を受け取り、大学に「承諾書」を提出する。

学生と確認文書の取り交わしを行う。

大学側での学生の選定後、正式な依頼に応じて最終的な受諾の判断を行う。

大学側から「依頼状」を受け取り、大学に「承諾書」を提出する。

学生と確認文書の取り交わしを行う。

学生と契約書/誓約書/覚書を交わす。 学生と契約書/誓約書/覚書を交わす。

正式受諾正式受諾

大学側で学生が選定され 正式な「依頼状」が出される。大学側で学生が選定され、正式な「依頼状」が出される。 大学側の担当者・連絡先・連絡可能時間を確認する。

「依頼状」を受けて「承諾書」を大学に提出する。 「承諾書」は、「受入承諾書」、「受入票」等の名称であることもある。 大学側で書式が決まっているのが一般的である。 単なる承諾だけではなく 担当者と連絡先 実習内容 勤務時間や研修場所の情報の記入が必要な場合がある 単なる承諾だけではなく、担当者と連絡先、実習内容、勤務時間や研修場所の情報の記入が必要な場合がある。

確認文書の取り交わし確認文書の取り交わし

学生・大学と確認文書を取り交わす 学生 大学と確認文書を取り交わす。 大学側で書式が準備されている場合もある。 大学を通して要請する場合もある。 学生のみと取り交わすこともある。

確認文書とは契約書/誓約書/覚書のいずれかであり、以下に例を挙げる内容等が考えられるが、簡単な誓約書の場合も多い多い。

就業規則・諸規則・指示等の遵守 守秘義務 賠償義務 災害補償・保険

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経費・報酬 知的財産等の帰属

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5. 正式受諾と確認文書の取交大学と取り交わす覚書の例

インターンシップ事業に関する覚書について

○○株式会社(以下、甲という)と○○大学(以下、乙という)は、甲乙間でインターンシップの実施に当たり次のとおり覚書を締結する。

(別紙)

1.実習先甲 ○○市○○町○○丁目○○株式会社 本社営業部

大学と取り交わす覚書の例

1.実習先、実習生、条件、実習期間及び実習内容別紙記載のとおりとする。2.事故災害時の対応について乙は実習を行う学生を「学生教育研究災害傷害保険」及び「インターンシップ賠償責任保険」に加入させ、実習中における関係他者(甲、人物、財物等)に対する損害 損傷等により被る法律上の損害賠償を補償する

○○株式会社 本社営業部

2.実習生○○大学△△学部○×学科 ○年 ○○ ○○

3.条件財物等)に対する損害、損傷等により被る法律上の損害賠償を補償する。3.誓約書の提出実習生は、実習に先立ち、甲に対して誓約書を提出する。4.実習の中断甲並びに乙は、実習を継続するのに重大な支障、または正当な理由がある場合には、双方協議の上、これを中断することができる。5 協議

条件(1)通勤費及び出張旅費(宿泊費を含む)通勤に要する費用については実費相当額を支給する。(2)手当(報酬)支給しない。(3)食費学生の自己負担とする5.協議

この覚書に定めなき事項、又は本覚書に疑義が生じた事項については、その都度、甲乙協議のうえ決定するものとする。6.効力の開始と終了についてこの覚書は、下記の署名日付から実習が終了するまで効力を有する。本覚書の締結を証するため、本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、それぞれ1通を保有するものとする

学生の自己負担とする。(4)出社及び帰学の旅費支給しない。(5)被服貸与しない。(6)損害保険及び傷害保険

それぞれ1通を保有するものとする。

平成 年 月 日甲 ○○市○○町○○丁目○○株式会社代表取締役社長 ○ ○ 太 郎 印

学校側の対応とする。

4.実習期間(1)実習期間平成 年 月 日( )から平成 年 月 日( )まで。(2)実習時間

乙 ○○市○○町○○丁目○○大学学 長 ○ ○ ○ ○ 印

(2)実習時間午前9時00分から午後5時00分まで。(ただし、午後0時から午後1時までは休憩時間とする。)

5.実習内容モノづくりと販売の第一線を実習することにより、事業の重要性を把握し、社会認識に役立てると共に 今後の学習意欲の向上を図る

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社会認識に役立てると共に、今後の学習意欲の向上を図る。

出所:経済産業省委託事業「企業向けインターンシップ導入マニュアル」平成1 5 年2 月財団法人北海道地域総合振興機構( はまなす財団)を参考に作成

5. 正式受諾と確認文書の取交

学生と取り交わす誓約書の例

誓約書○○○○○○株式会社(受入企業名) 御中この度、私が貴社で研修を行うに当り、次の事項を厳守し、かつ履行することを誓約します。

1 貴社の定める就業規則およびその他服務上の諸規則を遵守する。

学生と取り交わす誓約書の例

1.貴社の定める就業規則およびその他服務上の諸規則を遵守する。2.貴社の担当責任者の指示命令に従い、貴社が秘密保護規程ならびに個人情報保護規則によ

り秘密として管理している事項について、研修中及び研修終了後においても許可なく第三者に開示もしくは漏洩しない。

また、貴社の名誉を毀損するような言動、貴社の営む事業を阻害するような言動は行わない。3 故意または重大な過失により貴社に損害を与えた場合は その損害の責任を負う3.故意または重大な過失により貴社に損害を与えた場合は、その損害の責任を負う。

平成 年 月 日氏名 印

大学から「依頼状」を受け取ったか。 大学側の担当者・連絡先・連絡可能時間を確認したか。 大学側に「承諾書」を提出したか。

チェックリ

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大学側に 承諾書」を提出したか。 必要に応じて、大学と覚書等を交わし、学生から「確認文書」を受け取ったか。

リスト

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6. 実施

学生を受け入れ、実習を行う。

成果について学生から報告させる。

学生を受け入れ、実習を行う。

成果について学生から報告させる。

実習の実施実習の実施

策定したプログラムに従って実習を行う。 学生・教員による事前訪問・挨拶が行われる場合がある。 作業服、PC等は予め準備しておく。 実習期間中に問題が発生した場合、当初の条件と変更(残業、内容変更等)がある場合は、大学側担当者に連絡する。実習期間中に問題が発生した場合、当初の条件と変更(残業、内容変更等)がある場合は、大学側担当者に連絡する。 実習期間中に教員による巡回が行われる場合がある。

実習期間中に学生が大学に提出するための「実習記録」を作成している場合、実習期間後で大学で学生による報告会が予定されている場合は、守秘義務等に配慮した内容となるように大学・学生と調整する。

「実習記録」は、実習日誌といった名称である場合もある。

学生による報告学生による報告

インターンシップのまとめとして、得られた成果を学生から報告させることは、学生の教育の面だけでなく、プログラムの良否の判断材料とする上でも有効である。レポートの提出、あるいは報告会を実施する。

学生には 何を学んだかだけでなく さらにどのようなことが学びたかったなども報告させることで プログラムの不足点など 学生には、何を学んだかだけでなく、さらにどのようなことが学びたかったなども報告させることで、プログラムの不足点なども確認できる。

報告会には役員なども参加すると、学生の充実感が増すものと考えられる。また、大学側担当者や教員にも参加してもらうことで、成果や課題などが共有できる。

単に報告させるだけでなく、報告に対するコメントを与えることで、学生の充実感が増すものと考えられる。実習が長期に渡る場合は 発表会だけではなく日報や週報を提出させると より実習進捗が把握しやすい

条件や内容の変更があった場合、大学側担当者に連絡したか。 学生の「実習記録」については、守秘義務等の関係で問題ないことを確認したか。 学生による報告を実施したか。

チェックリ

実習が長期に渡る場合は、発表会だけではなく日報や週報を提出させると、より実習進捗が把握しやすい。

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学生による報告を実施したか。リスト

7. 学生の評価

大学からの依頼に応じて、学生の評価を行う。

大学に「評価票」を提出する。

大学からの依頼に応じて、学生の評価を行う。

大学に「評価票」を提出する。

学生の評価学生の評価学生の評価学生の評価

大学側から実習に参加した学生の評価を「評価票」として提出を求められるケースが多い。

学生の評価を行う中で、自社のプログラム上の課題などが見えてくる場合もあるため、しっかりとした評価を行うことが重要である。

大学側が求める評価とは別に自社のプログラムの評価に繋がるような独自の手法で評価することも効果的である。

実習実施部門と受入部門で結果は共有する。 大学側から「評価票」を求められた場合、書式は大学から提示されることが一般的である。

「評価票」を適切に記入するためには 書式を事前に入手し 評価項目と評価方法を大学側と取り決めておく 「評価票」を適切に記入するためには、書式を事前に入手し、評価項目と評価方法を大学側と取り決めておくことが望ましい。

評価項目の例 言葉遣い・挨拶・態度等のマナー 意欲・積極性 実務内容 実務内容 総合評価

「評価票」では、学生の評価だけではなく、大学側のインターンシッププログラムの評価も求められる場合がある。

大学によっては懇親会やシンポジウムと言った場を設けて受入企業を招き、インターンシップに関する自由な意見を収集する場合もある。

予め「評価票」の書式を入手して、学生の評価項目と評価方法を取り決めて学生の評価を行ったか。チェックリ

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リスト

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8. プログラムの評価と改善

プログラムや指導方法などについて評価を行い、次期のプログラム策定に活かす。プログラムや指導方法などについて評価を行い、次期のプログラム策定に活かす。

プ グラムの評価と改善プ グラムの評価と改善プログラムの評価と改善プログラムの評価と改善

プログラムや指導方法などについて、当初明確にした自社の目標を達成できたかの評価を行い、次期のインターンシップに活用する。

プログラム策定、「受入準備マニュアル」、「指導マニュアル」への反映 評価結果を実施担当者等にフィードバックすることによって、現場の改善ややる気の向上につながっていくことも期待できる。 実施後に教員との意見交換の機会を設けることにより、次期以降のプログラムの改善につながることも期待される。

具体例 自社の評価項目、評価手法を決めて評価を行い、課題を明らかにする。 自社の評価項目、評価手法を決めて評価を行い、課題を明らかにする。 参加した学生に感想を求め、評価に活かすことも効果的である。

大学を通じてではなく、直接学生から収集した方が率直な意見が得られる場合がある。 「学生の評価」で述べた大学主催の懇親会やシンポジウムで得た情報を活かすことも効果的である。

学生や大学からの情報も参考に、受入窓口部門、実習実施部門で評価を行い、自社の目標を達成する上での改善点を明らかにしたか。

チェックリ

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リスト

9. リスクへの対応

実習中に起こる事故、機密漏洩などのリスクへの対応を行う。

事前対応と事後対応の両方がある。

実習中に起こる事故、機密漏洩などのリスクへの対応を行う。

事前対応と事後対応の両方がある。

リスクへの対応リスクへの対応

学生が被災する事故 学生自身が通勤中や実習中の事故で傷害を受けるリスク

保険 の加入が必要だが インタ ンシ プが雇用関係にあたるかどうかによ て適用される保険が異なる 保険への加入が必要だが、インターンシップが雇用関係にあたるかどうかによって適用される保険が異なる。 アルバイトのように雇用とみなされる場合との違いを明確にする必要がある。

インターンシップの正式受諾時までに保険の加入を確認する。 学生の能力・適性に応じた実習内容の工夫

学生の行為による損害 学生が実習中に設備等の破損、第三者への傷害、業務に対して損害を与えてしまうリスク 上記と同様に保険の加入、賠償責任の分担を事前に「確認書の取交」等で明確にしておく。 学生の能力・適性に応じた実習内容の工夫

学生による機密漏洩 企業秘密が学生を通じて漏洩してしまうリスク 企業秘密が学生を通じて漏洩してしまうリスク。 学生への守秘義務については、「確認書の取交」、実習時の導入部等で明確にしておく。 学生自身が実習期間中、実習後に作成する「実習記録」、「研修報告」による漏洩についても注意する。

「実習記録」、「研修報告」は担当教員限りになるかどうかを確認する。

大学で学生を集めて研修報告会を行う際は、複数グループに分け、競合他社との同時開催を避ける等の配慮を依頼する慮を依頼する。

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9. リスクへの対応

費用負担者

リスク分類

学生 企業等

雇用とみなされる場合 雇用とみなされない場合

適用される保険の種類

学生が被災する事故 傷害保険 労働者災害保険 施設賠償責任保険

学生の行為による損害 受入企業の損害 個人賠償責任保険 財産保険 財産保険

第三者の損害 個人賠償責任保険 施設賠償責任保険 施設賠償責任保険

出所:文部科学省高等教育局専門教育課「インタ ンシップの導入と運用のための手引き」出所:文部科学省高等教育局専門教育課「インターンシップの導入と運用のための手引き」

代表的な保険として、学生が任意で加入する財団法人日本国際教育支援協会の「学生教育研究災害傷害保険(学研災)がある。http://www.jees.or.jp/gakkensai/index.htm

バ プ

アルバイト(雇用)とインターンシップの違い

アルバイト インターンシップ

内 容 ・報酬を目的に与えられた仕事を行う

・一従業員として、与えられた業務の一部について就業

・学生自らが主体的に目的を持って就業

体験をする

・インターンシップ生として実習カリキュラムに基づき就業体験

報 酬 雇用契約に基づき支給 原則なし

期 間 雇用契約に基づき決定 2週間程度が多い

学生の目的 報酬 就業体験

「正式受諾と確認文書の取交」時に、保険、守秘義務等のリスクに関する確認を行ったか。 実習の導入でも学生に十分な説明を行ったか。

チェックリ

出所:経済産業省委託事業「企業向けインターンシップ導入マニュアル」平成1 5 年2 月 財団法人北海道地域総合振興機構( はまなす財団)を参考に作成

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リスト

参考(事例集)

「ギアボックスの作成」をテーマに一連の流れを理解させる例

歯車加工については、安全面の考え方により、実際に行わせる方法、シミュレーションのみ行わせて加工品は別途準備する方法の2つが考えられる。

ギ ボ ク を他 要素 変える と 色 なプ グ ムが考えられる

午前 午後

ギアボックスを他の要素に変えることで色々なプログラムが考えられる。

簡単に設計・組立てができる内容ではなく、学生が考えたり、悩んだりできるような内容が良い。例えば、設計のしかたによって、製作した製品の性能が大きく変わるような内容や、簡単に見えて組立てが難しいといった内容など。

午前 午後

第1日目 オリエンテーション(実習概要説明、会社概要説明、工場見学)

歯車についての基礎講座

第2日目 ギアボックスの仕様検討 ギアボックスの仕様検討

第3日目 CAD使用方法講習 CAD設計

第4日目 CAD設計 CAD設計

第5日目 CAD設計 NCプログラミング研修第5日目 C 設計 Cプ グラミング研修

第6日目 NCプログラミング研修 NCプログラミング

第7日目 歯車加工実習(or シミュレーション実習) 歯車加工実習(or シミュレーション実習)

第 歯車加 実習( シ シ 実習) 歯車測定第8日目 歯車加工実習(or シミュレーション実習) 歯車測定

第9日目 ギアボックス組み立て ギアボックス組み立て

第10日目 レポート作成 成果報告会

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参考(事例集)

「数値シミュレーション」をテーマに一連の流れを理解させる例

午前 午後午前 午後

第1日目 オリエンテーション(実習概要説明、会社概要説明、工場見学)

工作機械の精度についての基礎講座

第2日目 数値解析ソフトの使用方法研修 数値解析ソフトの使用方法研修

第3日目 数値解析ソフトの使用方法研修 数値解析シミュレーションプログラミング

第4日目 数値解析シミュレーションプログラミング 数値解析シミュレーションプログラミング

第5日目 数値解析シミュレーションプログラミング 数値解析シミュレーションプログラミング第5日目 数値解析シミ レ ションプ グラミング 数値解析シミ レ ションプ グラミング

第6日目 シミュレーションの実行 シミュレーションの実行

第7日目 工作機械実機による精度測定方法研修 工作機械実機による精度測定

第 作機械実機 よる精度測定 シ シ 結果 検証第8日目 工作機械実機による精度測定 シミュレーション結果の検証

第9日目 シミュレーションプログラムの修正 シミュレーションプログラムの修正

第10日目 レポート作成 成果報告会

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参考(事例集)

第1週は共通の座学及び加工実習を行い、第2週は各設計部門で実習を行う例

午前 午後午前 午後

第1日目 オリエンテーション 会社説明、移動して入寮

第2日目 工作機械とは?基本構造 工場見学

第3日目 当社の独自技術(ワ ク演習 座談会) 当社の独自技術(ワ ク演習 座談会)第3日目 当社の独自技術(ワーク演習・座談会) 当社の独自技術(ワーク演習・座談会)

第4日目 加工技術について プログラム・実習

第5日目 電気について ソフトについて、配属

第6日目 各部設計演習 各部設計演習

第7日目 各部設計演習 各部設計演習

第8日目 各部設計演習 各部設計演習

第9日目 各部設計演習 実習レポート作成

第10日目 まとめ、発表(セミナールーム) 退寮手続、移動、解散

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参考(事例集)

午前 午後午前 午後

第1日目 オリエンテーション、職場紹介、工作機械概略・業務フロー説明・工場見学

第2日目 工作機械機械構成説明、手書き図面作製実習

第3日目 手書き図面作製実習第3日目 手書き図面作製実習

第4日目

第5日目 CADでの図面作製実習(部品図)

第6日目 CADでの図面作製実習(組み図)

第7日目 3D-CADでの図面作製実習(組み図)

第8日目 解析実習第 日目 解析実習

第9日目 設計業務補助(設計計算など)

第10日目 学習のまとめ、成果発表会、懇談会

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参考文献

インターンシップ・ガイドブック インターンシップの円滑な導入と運用のために

文部省

平成12年2月平成12年2月ぎょうせい

インターンシップの導入と運用のための手引き ~インターンシップ・リファレンス~

文部科学省高等教育局専門教育課文部科学省高等教育局専門教育課

平成21年7月http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/san_gaku_ps/sanko_6.pdf

企業向けインタ ンシ プ導入 アル企業向けインターンシップ導入マニュアル

財団法人北海道地域総合振興機構( はまなす財団)

平成15年2 月http://www.hkd.meti.go.jp/hokij/intern_manual/

工作機械業界における人材確保育成に関するアンケート調査

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社団法人

日本工作機械工業会

禁 無 断 転 載

平成22年度工作機械産業における技術者・技能者の確保及び技術・技能伝承に関する調査研究報告書

平成23年3月

賛2011.3(社)日本工作機械工業会

東京都港区芝公園 3- 5- 8 〒105-0011

電話 03(3434)3961代