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1 「生物基礎」授業プリント 〈第1編 生物と遺伝子〉 第1章 生物の特徴 1.生物の多様性と共通性 ○生物の多様性 地球上には約 種類の生物が存在する … 種類が違うということは、どこか違うところがあるということ … しかし、生物には もある

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「生物基礎」授業プリント

〈第1編 生物と遺伝子〉

第1章 生物の特徴

1.生物の多様性と共通性

○生物の多様性

地球上には約 種類の生物が存在する

… 種類が違うということは、どこか違うところがあるということ

… しかし、生物には もある

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○生物の共通性:すべての生物に共通すること

・からだが でできている

・体内で (=化学反応)を行っている

動物:食物を してエネルギーを得る

植物: によって有機物を作る

・ (=子孫を残す)を行う

親から子へ が受け継がれる

・ (=体内環境を一定の範囲内に維持するはたらき)を持つ

例:酸素や二酸化炭素の体内濃度は、急激に変化しない

・刺激に対して する

例:明るいところへ出ると瞳が なる

※ウイルス(インフルエンザやエイズなどの病原体)

からだが細胞でできていない、代謝を行わない、生殖を行わない

遺伝子は持っていて、標的となる細胞に感染して、その細胞が増殖するときに

自分のコピーを作らせる

ウイルスは、生物と無生物の の存在とされている

○生物の共通性:グループごとに共通すること

植物: を行う

脊椎動物: がある

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○生物の共通性と多様性の由来

地球上の生物は、 から した

同じ (=形や性質)を受け継いだから、共通性がある

進化の過程で、新たな を獲得したから、多様性がある

:生物の進化にもとづく類縁関係(どのくらい近い関係にあるか)

:系統を表す図

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○細胞

・細胞は生命の である

生物から細胞1個を取り出したとき、環境さえ整えば細胞は生きられ

るが、細胞をさらに分割したら生きられない

・細胞の大きさは以下の通り

※ 1人の大人の身体は、約 個の細胞からできている

1 mm = m 1μm = m 1 nm = m

○細胞の種類

・ :核がある

→ 真核細胞からなる生物を という

・ :核がない

→ 原核細胞からなる生物を という

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○真核細胞に含まれるもの(主なもの)

・ :DNA の保管庫

・ :生きていくのに必要なエネルギーを生み出す

(細胞の発電所)

・ :光合成を行う

・ :細胞小器官のまわりを満たす流動性のある部分

・ :細胞を包む膜(厚さ 5~10 nm)

細胞に必要なものを取り込み、不要なものを排出する役割

・ :細胞膜の外側を囲む

※ 核・ミトコンドリアなど特定の機能があるものは といわれる

※ 核と細胞壁以外のものは といわれる

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ミトコンドリア

葉緑体

細胞質基質

細胞膜

細胞壁

※ 葉緑体と細胞壁は、 の細胞のみに存在する

※ 細胞膜の厚さ = 原子 個くらいの厚さ

○原核細胞に含まれるもの

・ に包まれていない DNA 、 、

細胞

細胞小器官

細胞質

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○真核生物と原核生物

・ほとんどの生物は

・原核生物は と

細菌(バクテリア):大腸菌、乳酸菌など

古細菌:メタン生成菌など

○単細胞生物と多細胞生物

・ :1つの細胞だけでできている生物

・ :複数の細胞でできている生物

… 細胞の (=役割分担)により、能力アップ

※ 原核生物はすべて

※ 真核生物のほとんどは だが、単細胞生物もいる

真核生物で単細胞生物のものの例:ゾウリムシ、ミドリムシ、アメーバ

(単細胞生物の例)

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○細胞の観察方法:プレパラートの作り方

① :細胞を素早く殺し、生きているときに近い状態で固める

(酢酸 or カルノア液 に 10 分ほど浸す)

② :細胞をバラバラにする

(60℃の 3%塩酸中に 3 分ほど浸す)

③ :核を染めて観察しやすくする

(酢酸カーミン or 酢酸オルセインを滴下する)

④ :細胞が重なって観察しにくくならないよう広げる

(試料にカバーガラスをかけ、上から親指で押しつぶす)

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2.エネルギーと代謝

○生命活動へのエネルギーの利用

・ :生体内で起こる化学反応

:体外から取り入れた単純な物質から複雑な物質を合成する

… 代表例は

:複雑な物質を単純な物質に分解する

… 代表例は

※同化では、エネルギーが

※異化では、エネルギーが

単純な物質:エネルギーが

複雑な物質:エネルギーが

エネルギー

単純な物質:エネルギーが

複雑な物質:エネルギーが

エネルギー

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○ATPと ADP

・ATP =

・ADP =

○ATPによるエネルギーの仲介

x x

アデニン(塩基)

リボース(糖)

リン酸 リン酸 リン酸

アデニン(塩基)

リボース(糖)

リン酸 リン酸

x x

x x

ATP

ADP リン酸

… エネルギーが

… エネルギーが

エネルギー エネルギー

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※同化の場合、

※異化の場合、

エネルギー エネルギー 筋収縮、物質の合成などの

生命活動に利用される

エネルギー エネルギー

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○酵素

・ :それ自身は変化しないが、他の化学反応が進むのを助けるもの

例:過酸化水素水を常温で放置すると、水と酸素にゆっくり分解する

→ 酸化マンガン(Ⅳ)、ニワトリの肝臓、大根などを入れると

反応が急激に進む

… 酸化マンガン(Ⅳ)や、ニワトリの肝臓・大根に含まれる

が触媒としてはたらくため

・ :生体内で作られる触媒

… 本来なら体温よりずっと高温でないと起こらない反応が、

酵素のおかげで起こっている

・生体内には非常に多くの酵素がある

… それぞれの酵素が作用する相手は決まっている

○酵素がはたらく場所:細胞の中や消化管など

・細胞の中

葉緑体の中に に関係する触媒がある

ミトコンドリアや細胞質基質の中に に関係する触媒がある

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・消化管

デンプン

マルトース

グルコース

だ液やすい液の中の が触媒としてはたらく

小腸にある が触媒としてはたらく

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3.光合成と呼吸

○光合成: の代表例

+ +

エネルギー

エネルギー 光エネルギー

の中で行われる

有機物

酸素

水 二酸化炭素

からだのいろいろな場所へ

運ばれる

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○呼吸: の代表例

+ +

生命活動のためのエネルギー

※酸素を使って有機物を分解するときにエネルギーが発生するという仕組みは

と同じである。

では と が発生するが、呼吸では は発生しない。

呼吸で発生するエネルギーの約 %が ATP合成に使われる

エネルギー エネルギー

の中で行われる

有機物

酸素 生命活動に使われる

二酸化炭素 + 水

二酸化炭素 水

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○ミトコンドリアと葉緑体の由来

・最初に誕生した は DNA、細胞膜、細胞壁しか持たない

… ミトコンドリア、葉緑体がない

が に進化する過程で、

ミトコンドリアと葉緑体を持つようになった

※真核細胞がミトコンドリアと葉緑体を持つようになった過程

ある生物の細胞内にほかの生物が取り込まれて共生する =

※このように、ミトコンドリアと葉緑体がもともとは独立した生物だったと考えら

れる根拠の1つは、ミトコンドリアと葉緑体には独自の があり、

細胞内で分裂して することである。