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「平成28年度全国フォーラム」 大分市で開催 2017年2月13 …大分市で開催...
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「平成 28 年度全国フォーラム」大分市で開催
スーパー連携大学院コンソーシアムに正会員 6 大学で実施して
いる文部科学省平成 24 年度大学間連携共同教育推進事業「産学
官共同ネットワークによるイノベーション博士養成と地域再生」(以
下、本取組)の活動経過報告として、「平成 28年度全国フォーラム」
を 2016 年 12 月 16 日に大分市の全労済ソレイユにて開催した。
「地域連携による地域活性化と地域人材育成」をテーマに産学官
連携に精力的に活動されている大分地域 2 社からの講演と、本取
組のこれまでの活動および課題、スーパー連携大学院コンソーシ
アムの将来計画に関し、関係者 3 氏の講演が行われた。
講演に先立ち、大分大学から越智義道教育担当理事、豊田昌宏
工学部長、本取組代表校の電気通信大学 中野和司理事、スーパー連携大学院コンソーシアム 梶谷誠会長が
挨拶に立ち、スーパー連携大学院の取り組みによる博士進学率の上昇や地域経済の発展への期待が述べられ
た。
最初の講演として、大分産業人クラブ会長の(株)池永セメント工業所 池永征司代表取締役社長から「大分産業
人クラブの活動と地域活性化への思い」について講演いただいた。池永セメント工業所の基幹事業は道路の側溝
の製造であったが、道路整備が進むことで減る需要への対策として、大分大学、経産省等との産学官連携による大
規模な新規事業開拓に成功した事例の紹介があった。また大分産業人クラブについて、大分大学と共催している
「テクノカフェ大分」等の産学官連携活動では、産学官連
携によるイノベーションにより地域企業の魅力を向上させ
ることで、地域の問題を解決していきたいという地域活性
化への思いが語られた。さらに、地域活性化のためには
優秀な人材の確保が重要で、特に新規事業の開拓のた
めには研究力のある理系人材が必須であり、大学との連
携による人材育成への期待が述べられた。
続いて大分地域の企業の(株)ブライテック 技術開発
部 相原茂部長より「磁気計測装置の商品化と産学連
携」について講演いただいた。(株)ブライテックは産学官
連携により世界最小の「ベクトル磁気センサ」を開発し、
従来モータの開発では主にコンピュータシミュレーション
の計算結果に基づいて設計されていたが、このセンサの
開発によりモータ実機の状態を直接測定できるようになっ
た。日本国内で消費される電力のうちモータによるものは
55%にも上り、このセンサ技術はモータの消費電力低減
に大きな効果を上げると期待されており、「ものづくり日本
大賞」の九州経済産業局長賞を受賞していることが紹介
された。
「平成 28 年度全国フォーラム」 大分市で開催
スーパー連携大学院コンソーシアム web ニュース
2017 年 2 月 13 日
電気通信大学 中野理事 スーパー連携大学院 コンソーシアム 梶谷会長
大分大学 越智理事 大分大学 豊田工学部長
(株)池永セメント工業所 池永社長
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質疑応答では、相原氏ご自身の社会人博士経験も踏まえ、
イノベーション力のある学生をしっかり育てるには、学生が一
度企業に就職して博士号取得後の研究の場を確保したうえで、
自分の研究に打ち込むのが良いのではないかとの意見が述
べられた。
次に各地域の現状と課題について、コンソーシアムの宇梶
純良統括コーディネーターならびに北見地域の取り組みとして
北見工業大学 田牧純一特任教授から報告がなされた。
宇梶コーディネーターからは、室蘭、首都圏、富山、大分、
秋田の各地域での活動や、産学官連携の体制づくり、人材育
成、共同研究マッチング活動の紹介があり、地域ごとに共通す
る課題、地域独特の状況とその対応などが説明された。特に地域に共通する課題としては、大学既存の産学官連
携活動とスーパー連携大学院との協力体制や機能の明確化、大学内の産学官連携部門と教育部門の連携の取り
方などが挙げられた。
田牧特任教授からはオホーツク地域の特徴、現状や展望、北見工業大学の取り組みについて紹介があった。修
士学生の全国と北海道内での就職分野における比率の違いや、オホーツク地域の社会人教育ニーズ等に関するア
ンケート調査の結果等が紹介された。オホーツク地域では市町村と大学の共同研究や、修士学生の公務員への就
職率が他地域と比べて高いことや、今後スーパー連携大学院の e-ラーニングや産学官共同研究による研究教育を、
オホーツク地域の社会人教育や地域ニーズの解決に繋げて行きたいとの期待が述べられた。
最後に、電気通信大学 田野俊一教授より「スーパー連携大学院コンソーシアムの現状と将来計画」について講
演が行われた。2016 年に第一期の博士後期課程修了生が誕生したことに伴い、PDCA サイクルの「C」にあたる「評
価」が開始されており、明らかとなった課題について「A」にあたる「改革」計画していることや、博士育成を巡る日本
の現状についての紹介があり、スーパー連携大学院の改革は欧米の後追いではなく日本に適合したノンアカデミア
博士の育成モデルが必要であり、教育対象の裾野を広げて実施していきたいこと、またその試行の成果を元に文部
科学省の「卓越大学院プログラム(仮称)」への採択を目指して活動していく旨の説明があった。
講演後活発な意見交換が行われ、目標とする人材像に必要な能力や、そのために履修すべき科目の明確化、ス
ーパー連携大学院が輩出する具体的な人材像をいくつかのパターンを分かりやすく提示すべきだという意見等があ
り、今後も産学官のメンバーで検討を続けていくことが確認された。
フォーラム終了後、会場を変えて情報交換会が開催され、大分県産業科学技術センター 平井寿敏センター長の
発声で会がスタートし、和やかな雰囲気のなか各地域間の親交を深める会となった。最後に池永セメント工業所 池
永征司代表取締役社長の中締めで盛会裏に「全国フォーラム」を終了した。
電気通信大学 田野教授 北見工業大学 田牧特任教授 宇梶統括コーディネーター
スーパー連携大学院 web Agora 2017 年 2 月 13 日号 制作・発行 一般社団法人スーパー連携大学院コンソーシアム 〒182-8585 東京都調布市調布ヶ丘 1-5-1 電気通信大学本館 5F スーパー連携大学院コーディネーター室内 TEL 042-443-5939 FAX 042-443-5940 e-mail [email protected] URL http://super-daigakuin.jp
(株)ブライテック 相原部長
web Agora 2017 年 2 月 13 日