富士フイルムグループの成長戦略 - Fujifilm...富士フイルムグループの成長戦略 富士フイルムホールディングス株式会社 経営企画部コーポレートコミュニケーション室
富士宮市 | 静岡県富士宮市 - はじめに · 2019-04-18 · 1 はじめに...
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はじめに
富士山の麓に広がる富士宮市は、県内随一の畜産王国です。特に年間を通して冷涼な気候である朝霧高原では牛、豚、鶏などの多くの家畜が飼われています。富士山の雪解け水はミネラル豊富な湧水となります。動物たちはその恵みを一身に受けて、お
いしい食材として皆様の食卓に届けられます。畜産農家は家畜のふん尿を手間暇かけて堆肥にしています。その堆肥は畑作、茶畑、稲作など
の耕種農家が利用し、おいしい農産物を作っています。この堆肥カタログは、市内で生産された堆肥を、農家に限らず多くの方に利用していただくた
めに作成いたしました。環境にやさしい農業の輪にあなたも参加してみませんか。
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○「堆肥供給畜産農家一覧」の「№」欄の番号順に紹介しています。○『おすすめしたい農家さん』は実際に堆肥を作っている畜産農家が使用をおすすめしたい耕種農家を掲載しています。参考として下さい。
○成分表は、乾物あたりの成分です。○炭素率の極端に高い堆肥を施用すると、分解のために土壌中の窒素が使われ窒素不足となることがあります。炭素率の極端に低い堆肥を施用すると、土壌中で分解が進み、根に障害を起こすことがあります。
○価格については、平成 30年 7月の調査時の価格を表示しています。
※注意事項時期によっては、堆肥が少ないことがあります。ご購入の際は、事前に農家へ
お問い合わせ下さい。価格・配達等の詳細については、各農家に直接問い合わせて下さい。
カタログの見方
堆肥カタログ利用の手引き堆肥カタログ利用の手引き
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では、土がフカフカになると、どんないいことがあるのでしょうか?
堆肥とは
堆肥とは、家畜のふんや落ち葉、木の皮などの有機物を微生物の力で分解・発酵させてつくる、土壌改良のための資材です。肥料とは違い、植物に直接栄養分を与えるものではありませんが、栽培前に土に混ぜ込むことで、フカフカの土にする働きがあります。
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土づくり Q&A
酸度調整って何?
土の酸性、アルカリ性といった酸度を変えて、植物の育ちやすい土にすることです。
土の酸度ってどれくらい?
基本的に強酸性です。土が酸性になる理由としては■日本に降る雨は弱酸性■雨でアルカリ分(石灰等)が流れてしまう■化成肥料は酸性■植物そのものは土壌を酸性にする が挙げられます。
つまり、植物を育ているだけで土は酸性になっていきます。
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どのくらいの酸度がいいの?植物によって差がありますが、基本的には「中性~弱酸性」です。下記のリストは、各作物が好む土壌の酸性度です。
(※参考:農水省公開資料)
pH 作物・植物
4.0 ~ 4.5 ブルーベリー・ラン
4.5 ~ 5.0 シャクナゲ・茶・ツツジ
5.0 ~ 5.5 柑橘類・栗・鍬
5.5 ~ 6.0 サツマイモ・生姜・ラッキョウ・にんにく・水稲
6.0 ~ 6.5 アスパラ・ネギ・ニラ・パセリ・白菜・レタス・オクラ・ナスなど
6.5 ~ 7.0 ほうれん草・エンドウ・ガーペラ・ぶどうなど
土づくり Q&A
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土は植物が根を張るための土台であり、水や空気、肥料分を供給する大事な役割を持っています。カチカチに固まった土では水や空気がうまく供給されず、植物は元気に育つことができません。堆肥をすき込むと土の中の微生物がふえ、活発に働くようになります。微生物が有機物
を分解する働きによって、土がフカフカにやわらかくなり、水や空気の通り道ができます。根がしっかりと張り、水や肥料の吸収もよくなります。これが、植物の成長には理想的な状態なのです。
土づくり Q&A
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散布について製品によって成分が多少異なるので、パッケージに記載されたとおりにまくのが基本で
す。牛ふん堆肥や馬ふん堆肥、落ち葉堆肥をはじめとする植物性堆肥の場合、1㎡当たり 2~ 3kg が目安です。初めて野菜を育てる場所や、特に土がかたくなっている場所では、やや多めにまいてもかまいません。
①堆肥の散布は、野菜の種まきや植えつけの 2週間ほど前に行うのがベストです。まず、栽培する区画の土を軽く耕し、石や植物の根などがあれば取り除いておきます。また、堆肥の散布前に土壌酸度を測り、必要に応じて酸度調整を済ませておきます。
②必要な散布量を測り、区画全体にまんべんなく堆肥をまいて、クワで土となじませるようによく耕します。目安として、30cmくらいの深さまで耕せればOKです。
③畝立てをして、このまま 2週間ほどおいてから、種まきや植えつけをします。マルチングする場合は、マルチを張って 2週間おきます。
土づくり Q&A
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土づくり Q&A
どうすればいいの?
酸度調整を使うアルカリ資材は、主に3種類あります。下記を参考に試してみましょう。
■消石灰(しょうせっかい)■苦土石灰(くどせっかい)■牡蠣殻石灰(かきがらせっかい)
消石灰 苦土石灰 牡蠣殻石灰使用レベル 生産農家向け 家庭菜園向け 初心者向け
メ リ ッ ト一度に使う量が少ないため、コストパフォーマンスがよい。効き目が早い。
苦土(マグネシウム)の補給ができる。効果が穏やか。
pH 値を測らずに散布しても悪影響が出にくい。
デメリット皮膚につくと炎症が起きる。土の中の微生物が死んでしまう。
少量の散布では効き目が弱い。
効き目はものすごくゆっくり。
使 い 方 植えつけの2週間前に土に混ぜる。
土に混ぜる。袋に記載の量に従う。
細かく砕いたものを土に混ぜる。
コ メ ン ト慣れていない方は、使うメリットより危険性の方が高いです。
ガーデニングをされる方は一番無難です。
多少撒きすぎても問題はないので、初心者にお勧めです。
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○堆肥の成分水分:散布のしやすさに関わってきます。 水分が高い=重く、舞いにくいので、市街地でも使えます。 水分が低い=�軽いため、傾斜地でも使えますが、舞いやすいので、市街地で使う
ときは注意してください。窒素、リン酸、カリ:�堆肥に含まれる主な肥料成分です。堆肥を施す際には土に足りな
い成分を補いましょう炭素率(C/N):堆肥の腐熟度の指標ですが、現在はそれほど重要視されていません。 ��平均値(牛 16・鶏 7・豚 11)
○副資材畜産堆肥と混合するおがくず、もみがら、バークなどのことを副資材と呼びます。水分
調整や通気性確保の役割があります。剪定枝など、堆肥化したあとも形が残っているものもあります。施肥する際にはそのこ
とを考慮する必要があります。
土づくり Q&A
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作物にあった堆肥の選び方
○畜種畜種によって効果が異なります。目的にあった畜種の堆肥を選びましょう。牛:�肥料成分が少なく、ゆっくりと効くことが特徴となっています。土壌を改良する目
的として利用され、土の中の繊維質を増やすことから土作りに用いられます。毎年施用することで徐々に効果が現れます。作付けの1か月前に施用します。
豚:�肥料成分のバランスが良く、効き方も比較的早いです。 牛糞と鶏糞の中間です。鶏:肥料成分が高く、効き方も早いので有機質肥料として基肥に使用します。
○この作物にはこの堆肥がおすすめ!・稲作 完熟牛ふん堆肥がおすすめです。 窒素分の低い牛ふん堆肥は土作りに向いています。・畑作 目的によって使い分けが必要です。 下の表を参考に目的(土づくりor 肥料効果)にあった畜産堆肥を選びましょう。・果樹 完熟牛ふん堆肥がおすすめです。 豚ふん、鶏ふん堆肥を使う場合は、土壌分析をして化学肥料を減らしましょう。・茶畑 豚ふん、鶏ふん堆肥がおすすめです。 牛ふん堆肥に比べ、肥料効果が高いので施肥量が少なく済みます。・花き �畑作と同じです。土作りの際は、堆肥を散布した後、耕起して分解を促進してく
ださい。
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堆肥の使い方
○堆肥を入れる時期一般的には春・秋の栽培前ですが、この時期は堆肥の在庫が少なくなりがちなので注意
しましょう。牛ふん堆肥は肥料効果が長いため、前作の収穫直後に施用するのも効果的です。鶏ふん堆肥は肥料効果が化学肥料に近いため、栽培を開始する直前が効果的です。
○作物別の施肥量目安(t/10a)(kg/㎡)作物名 牛ふん堆肥 豚ふん堆肥 鶏ふん堆肥水 稲 1.0 ~ 2.0 0.5 ~ 1.0 0.15 ~ 0.3葉 菜 1.0 ~ 2.7 0.5 ~ 1.4 0.3 ~ 0.7根 菜 2.5 1.3 0.6果 菜 1.7 ~ 3.4 0.9 ~ 1.7 0.4 ~ 0.8
甘夏・ハッサク・オレンジ等 2.0 ~ 3.0 0.5 ~ 0.75 0.25 ~ 0.35ウメ・カキ・ナシ等 1.0 ~ 2.0 0.3 ~ 0.5 0.15 ~ 0.25
○堆肥を使ったら、肥料を減らす畜産堆肥を施したら、肥料を減らす必要があります。特にリン酸とカリは注意が必要です。これを行わないと肥料過剰になって様々な障害が発生する恐れがありますので、定期的
な土壌分析が大切です。
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多量施用の危険性
○窒素過剰炭素率(C /N比)の低い堆肥(鶏ふん・豚ふん堆肥)や未熟な堆肥を
多量に施用すると急激に分解が進み、土壌中の無機態窒素濃度が高まり、作物の濃度障害が起こりやすくなります。また、農作物の窒素濃度が過度に高まると品質の低下や病虫害の被害を受けやすくなります。
○窒素飢餓未熟なバーク(樹皮)やオガクズなどが混入している炭素率の高い堆肥(木質混合堆肥)
を多量施用すると、有機物を分解する微生物と作物の間で、土壌中の窒素の奪い合いが起きてしまいます。その結果、作物は一時的な窒素不足に陥り、生育不良になります。
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○土壌の異常還元未熟な堆肥は易分解性有機物(土壌中で速やかに分解される有
機物)を多く含むので、土壌中に多量にはいると、微生物が急激に増殖し、土壌中の酸素を消費して土壌が極度の還元(酸欠)状態になることがあります。還元状態になると、根に障害が起こり、また嫌気性微生物(増殖に酸素を必要としない微生物)の働きによって有機酸などの生育阻害物質が生成され、生育不良になります。
○養分の過剰とバランスの悪化家畜ふん堆肥は肥料成分を豊富に含みますが、その成分バランスは作物が吸収する養分
バランスとは異なるため、多量施用を繰り返すと、吸収されずに残った成分が蓄積し、特定の成分が過剰になるとともに養分バランスが悪くなり、生育不良になる場合があります。また、銅や亜鉛を多く含む豚ふん堆肥や鶏ふんを大量に連用すると土壌に蓄積しやすくなります。
多量施用の危険性
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○土壌の物理性悪化 水分の多い未熟堆肥を多量に施用した畑で大型機械が走行すると、土壌の圧密化が促進
され、通気や排水が不良になります。また、オガクズやモミガラを多く含む堆肥を多量に施用した場合は、隙間が多くなりすぎ乾燥害を受けやすくなります。�
堆肥の施用によって土壌の有機物含量を維持・増加させることは、土壌の総合的な能力の向上をもたらし、作物の生産性を増大させます。しかしながら、多量施用は多くの危険性をはらんでいることも理解し、土壌をかけがえのない大切な土台と考え、適正な施用を行わなければなりません。
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