「 繊維の歴史 」 ー 繊維の今と将来 ーyamanehp/files/file01.pdf繊維材料の機能2...
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繊 維 科 学 入 門
1.ガイダンス
2.繊維の歴史
3.天然繊維
4.化学繊維
5.性能の追求
6.機能性の追及
7.快適性と繊維素材
8.繊維加工(染色)
9.バイオベース繊維
10.医療と繊維
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繊 維細くて長い固体
細長い アスペクト比(長さ/直径)=100~1000以上
しなやかさ諸橋轍次著「大漢和辞典」より
繊 3x10-9m = 3nm(30Å)
尺 寸 分 厘 毛 糸 忽 微 繊 沙 塵10-1 10-2 10-3 10-4 10-5 10-6 10-7 10-8 10-9 10-10 (m)
テントを張ったり,船を係留するためのロープ維
すなわち、古代中国人は繊維を直径数 nm程度の分子鎖から直径
数cmのロープ類までの細くて長い物質と考えていたことになる。
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繊維とは代表長さ
繊維 ⇒ 細くて長い固体 代表直径
アスペクト比 (代表長さ)/(代表直径)
実用的な繊維では アスペクト比 ≒ 1,000 ~ ∞
ただし 繊維を切断することによりアスペクト比が100以下に
なることもある。
例
鎖状高分子、DNA,繊維、針金、麺類、ひも、ロープ、ケーブル、テープ
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長く細いから しなやか
繊維を線状の物質と考えると
5の自由度がある。(+方向に2,-方向に3)繊維の自由度
z (+, -)
x (+, -)
y (+, -)
一端を固定して引っ張ると、
一定以上の長さ以上には伸
びない。
縮める方向には自由度があり、点
状にまで縮めることが出来る。
曲げに対しては、
あらゆる方向に自由度を持つ。
繊維(自由度5) ⇒ 織物(自由度4) ⇒ アパレル製品(自由度3)一次元 二次元 三次元
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繊維の機能 1
1.アパレル、工業用繊維
衣用繊維、工業用ロープ、シート
医用繊維(手術用縫合糸、不織布)
2.補強機能 - FRP、FRM、FRC
しなやかで強い繊維で、プラスチック、金属、セラミックスを補強
3.食品(口当たりの変化)- 麺類、綿菓子、大豆タンパク繊維
かたまりや粒を細長い形状にすることにより、口当たりが変わる。
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繊維材料の機能 2
4.記録媒体 - 映像用フィルム、録音テープ、磁気テープ、DNA
細長い形状のため、情報を順序を付けて記録することが出来る。
5.易溶解性 - ケミカルレース用ポリビニルアルコール繊維
細長い形状で構造を作成した後に除去できる。
6.易分解性 - 自然環境下や生体内で分解する繊維もある。
自然分解性、酵素分解性(脂肪族ポリエステル、天然高分子)
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繊維の分類
ポリオレフィン ポリエチレン、ポリプロピレン等
繊維
有機
無機セラミックス
金属
天然無機
ポリエーテル
ポリカーボネート
ポリエステル
ポリアミド
ポリウレタン
ポリ尿素
付加重合型
縮重合型
天然有機
人造
再生
炭素、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ホウ素、ホウ素、ガラス等
ロックウール、石綿、ウィスカー
炭水化物系
タンパク質
核酸
セルロース、アルギン酸、キチン、キトサン
羊毛、絹、筋肉、ポリグルタミン酸、コラーゲン
貴金属
鉄
銅
金、銀糸
ステンレススティール、スティール
電線
ハロゲン ポリ4フッ化エチレン、ポリ塩化ビニル等
アクリル ポリアクリロニトリル、アクリル/塩ビ共重合体
ポリビニルアルコール
有機の繊維は高分子である。
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天然繊維、天然高分子由来の繊維
セルロース繊維 ・・・・綿、麻
再生セルロース繊維 ・・・・・ビスコースレーヨン
キュプラ、ポリノジック
リヨセル、テンセル
セルロース誘導体繊維・・・・アセテート
(半合成繊維)
非セルロース系多糖類・・・・キチン、キトサン、アルギン酸
デンプン
多糖類
OO
CH2OH
天然タンパク質繊維 ・・・・羊毛、絹、獣毛
合成ポリアミノ酸繊維・・・・ポリグルタミン酸繊維
再生タンパク質繊維 ・・・・落花生、トウモロコシ、
大豆、カゼイン、コラーゲン
タンパク質系
-NH-CH-CO-|R
-
セルロースの構造
OH
CH2OH
OH
H OH
HH
H O
O
OH
H
H
CH2OH
H
H O
OH
CH2OH
OH
H OH
HH
H
O
OH
H
H
CH2OH
H
H
O
O
OH
H
OH
H
セロビオース
β -1,4 グルコシド結合
1
2 3
56
4
セルロースの壁で囲まれた細胞をリグニン、ペクチンの
ノリで接着している。
細胞質
液胞
細胞膜
細胞壁
OH
COOH
OH
H H
OHHH
OHO
H
COOH
OH
H H
OHH
OH
COOH
OH
H H
OH H. OHn
O
O
ペクチン酸の構造
リグニン:複雑な芳香族有機セメント物質細胞壁:セルロースが主成分
細胞壁間隙:リグニン、ペクチン
-
セルロースの結晶構造
O
H2 C
OH
H O
O
O O
O
O
O
O
H2 C
H
H
O
H2 C
O
O
OO
O
O
O O
OH
H
O
H
O
OH
H
a = 0.835 nm
b = 1.03 nm
c = 0.79 nm
β = 84°
セルロースの結晶構造
分子鎖間に強固な水素結合が存在するため、
一般の溶媒に不溶、熱可塑性を示さない。
ab 面におけるセルロース分子の水素結合
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セルロース繊維の分類
綿、カポック、パンヤ種子毛繊維
セルロース繊維
靭皮繊維
葉脈繊維
茎 (幹) 繊維
果実繊維
草本
木本
亜麻、ラミー、大麻、イチビ、イラクサ、サン麻
ケナフ
コウゾ、ミツマタ、ガンピ、クズ、クワ、オヒョウ
マニラ麻、サイザル麻、ニュージーランド麻、パイナップル
シュロ、タコノキ、バショウ
単子葉植物竹、ワラ、イ草、芦、カヤ、ガマ、トウモロコシ
エスパルト
木 材
ヤシ、ビンロウジュ
針葉樹、広葉樹
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綿の種に密生する毛状の繊維(綿毛)
生長しつつある地毛
生長途中の綿毛
熟する前のワタの種子の横断面 綿繊維の生長
綿繊維(リント)
地毛
種子の表皮細胞
綿繊維の横断面
細胞液
第1次膜 第2次膜
扁平でルーメンが見える
よりがある
綿繊維の断面と側面
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綿の原産地
インダス河流域の古代インダス文明の
モヘンジョダロ遺跡付近 ペルーの渓谷地帯
5000年ほど前の赤染めの綿織物が出土
チカマ渓谷にある遺跡より紀元前
3000年頃の綿製品が出土
コロンブスが新大陸を発見したときに
原住民たちが優れた綿織物を使用していた。
旧大陸綿
新大陸綿
北緯40℃
綿は熱帯植物 ⇒ 北緯40o以北では生育しない
中北部ヨーロッパでは綿がどのようにして得られるのか知られていなかった
-
ヨーロッパ人が想像した「Wool Plant」(羊毛の木)
中北部ヨーロッパでは14世紀頃になっても、インドの綿の木の枝先に
は羊が住んでいて、空腹になると下にたわんで草を食べると信じられて
いた。
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靭皮繊維・葉脈繊維の構造
靭皮部
木質部
髄
クチクル組織
表皮
コルク層
靭皮繊維束コルク細胞壁
内腔 (ルーメン)
靭皮繊維
柔軟靭皮細胞
中間層壁
亜麻靭皮の組織構造
サイザル麻の横断面マニラ麻の横断面
-
麻の原産地
産業革命までヨーロッパ
の基本繊維は亜麻
亜麻
苧麻
苧麻
大麻
マニラ麻サイザル麻
ミイラの包帯は亜麻
古代中国の主要な被
服材料は苧麻と絹
ここで麻と羊毛が競合する
黄麻
亜麻、大麻、黄麻、苧麻:靭皮繊維
マニラ麻、サイザル麻 :葉脈繊維
-
エジプトの壁画
亜麻の取り入れ
櫛に通して種子をとる 茎を束ねる 土砂をたたき落とす 根から引き抜く
2本の棒の間を通してきれいにする
積み重ねた粗繊維から粗糸を引き出し糸玉に巻く
紡ぐための準備として糸を柔らかくする
亜麻から糸を引きだし、膝の上で緩くよりをかけて丸く巻く
桶の中で湿らせた糸を2個のつむで紡ぐ
亜麻の紡績
-
糸紡ぎ
1
2
3
4
紡錘
撚掛けとドラフト
糸取り準備
巻取り
撚掛け準備
古代紡績図 エジプトの紡錘 紡ぎ車による紡績原理
-
麻の種類、特性、用途
繊維(束条)単繊維(細胞)
強伸度
長さ(㎝)
幅(㎜)
長さ
(㎜)
幅
(μm)強度(g/d)
伸度
(%)
大麻アサ科の一年生草本の靭皮繊維
100|500
0.5|5
15|25
16|50
5 |7
1|3
なわ、索条、網、帆布、かや、服地(ラミーや綿との混紡)
亜麻アマ科の一年生草本の靭皮繊維
15
|100
ー25|30
15|18
4|5
2レース、ハンカチ、ナプキン、テーブルクロス、かや、畳縁、服地
黄麻シナノキ科の一年生草本の靭皮繊維
150 |500
ー1.5|5
20|25
5.5 1.7麻袋、帆布、天幕、じゅうたん、製紙用原料(ジュートくず)
苧磨イラクサ科の多年生草本の靭皮繊維
200 |400
ー 150 406|7
3|4
かや、ハンカチ、レース、カーテン地、漁網、縫糸、越後上布、薩摩上布(手紡)
マニラ麻
バショウ科の葉柄から得られる葉繊維
100 |300
0.2|1
2|12
10|50
4.9 |6.4
1.9 |3.9
船舶ロープ、麻袋、和紙原料
サイザル麻
石芯科の多年生草本の葉繊維
80
|200
ー1.3|4
20|32
4.2 1.9 船舶ロープ、麻袋
ニュージーランド麻
ユリ科多年生草本の葉繊維
40
|100
ー5|10
10|20
ー ー 同上
硬質︵葉鞘︶繊維
軟質︵靭皮︶繊維
用 途種類 種 属
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デンプンの構造
デンプン
OH
CH2OH
OH
H OH
HHH H OH
CH2OH
OH
H
H
O
OH
CH2OH
OH
H OH
HHH OH
CH2OH
OH
H
HH
OO OH
OH
H
OH
α-1, 4 グルコシド結合
1
2 3
4
56
マルトース
セルロース
OH
CH2OH
OH
H OH
HH
H O
O
OH
H
H
CH2OH
H
H O
OH
CH2OH
OH
H OH
HH
H
O
OH
H
H
CH2OH
H
H
O
O
OH
H
OH
H
セロビオース
β-1,4 グルコシド結合
1
2 3
56
4
-
デンプンはアミロースとアミロペクチンの混合物
OH
CH2OH
OH
H OH
HHH H OH
CH2OH
OH
H
H
O
OH
CH2OH
OH
H OH
HHH OH
CH2OH
OH
H
HH
OO OH
OH
H
OH
アミロース(直鎖状)
OH
CH2OH
OH
H OH
HHH H OH
CH2OH
OH
H
H
O
OH
CH2
OH
H OH
HHH OH
CH2OH
OH
H
HH
OO OH
OH
H
OH
OH
CH2OH
OH
H OH
HHH H OH
CH2OH
OH
H
H
O
OH
CH2OH
OH
H OH
HO
HH
OH
OHアミロペクチン(高度に分岐)
ピラノース環20~25個ごとにα-1, 6 結合
-
各種デンプン粒の性質
デンプンのフィルム:オブラート
デンプンの繊維:麺類種 類
粒 径
(nm)
アミロース含量
(%)
糊化温度
(℃)
ア ミ ロ メ イ ズ 25 52 85~87
大 麦 20 22 59 ~ 64
エ ン 麦 25 27 ー
小 麦 30 26 65 ~ 67
空 豆 30 24 64 ~ 67
エ ン ド ウ 30 35 98
し わ エ ン ド ウ 40 66 98
ジ ャ ガ イ モ 40 23 62 ~ 65
リ ン ゴ 10 19 55 ~ 57
バ ナ ナ 35 16 68 ~ 70
モ チ ト ウ モ ロ コ シ 15 1 66 ~ 69
アミロペクチンは非常に高分子量で、
高度に分岐しているため、流動性が悪く
細く強い繊維や薄く強いフィルムが得られ
ない。
純粋なアミロースが得られれば
繊維化やフィルム化が可能。
⇩
研究中
糊化したデンプンのモチモチ感は
アミロペクチンの含有量に依存
-
キチン・キトサン
キチンは動物、植物、菌界にわたって広く分布し、自然界における
生産量は毎年数十億トンに達すると言われている。
OH
CH2OH
OH
HN
HH
H
OH
O
OH
CH2OH
OH
H N
HH
H
OH
CH2OH
OH
H N
HH
OH. OH
HCOCH3
HCOCH3
HCOCH3
n
OH
CH2OH
OH
H NH2
HH
H
OH
O
OH
CH2OH
OH
H NH2
HH
H
OH
CH2OH
OH
H NH2
HH
OH. OH
n
キチンの構造
キトサンの構造
カニ、エビ、ザリガニなどの甲殻類
イカの甲羅、昆虫などの節足類甲羅:キチン、CaCO3、タンパク質
アルカリにより除去
酸により除去
キチンを脱アセチル化
(種々の脱アセチル化度を持つ)
-
キチン、キトサンの応用例
用 途 物 質 備 考
生体吸収性材料 N-acylchitosan 徐放性薬剤投与、分解性手術糸
カチオン性凝集剤 Chitosan ポリ電解質錯体、金属キレート、汚水処理
化粧品材料 CM-, HE-chitin 水分保持、静電気除去、皮膚保護
食品添加物 Chitin, chitosan -
コレステロール低減剤 Chitosan 血中コレステロール値低減
細胞、酵素の固定媒体 Chitosan バイオリアクター
カラム充填剤Chitosan,
N-acylchitosanカチオン性アフィニティー クロマトグラフィー
紙添加物 Chitosan 紙強度向上、印刷性向上
繊 維 Chitin, chitosan キチン/セルロースブレンド繊維
-
キチン・キトサンの生理活性
細胞外リゾチーム活性を向上 微生物に対する自己防御作用向上
傷の治癒促進 手術糸、ガーゼ、不織布、人工皮膚
ウイルス、細菌、カビなどに対する抗微生物活性
キチン・キトサン硫酸塩の抗血栓作用
キチンの3,6硫酸塩はヘパリンと比較して2倍の抗血栓作用
ヘパリンの1/10のリポタンパクリパーゼの分泌活性
-
OH
COOH
OH
H H
OHH
H
OH
O
OH
COOH
OH
H H
OHH
H
OH
COOH
OH
H H
OHH
OH. OH
n
アルギン酸の構造
アルギン酸繊維アルギン酸は、
褐藻などに含ま
れる多糖類で、食
物繊維の一種で
ある。ほかに紅藻
のサンゴモなどに
も含まれる。アルギン酸のナトリウム金属塩は水溶性
2価以上の金属塩は水に不溶
アルギン酸ナトリウムの炭酸ナトリウム溶液(8~9%)を塩化カル
シウム水溶液を凝固液として湿式紡糸
アルギン酸繊維の性質
強 度 難燃性 アルカリの作用 備 考
アルギン酸 湿度とともに低下 難燃 アルカリ水溶液に可溶 ー
製織可能アルギン酸カルシウム
アルギン酸繊維よりやや強いが、湿度とともに低下
難燃 アルカリ水溶液に可溶
難燃性織物、レース及びニット製品の模様付け繊維、外科用手術糸、ガーゼ、脱脂綿
-
タンパク質系繊維
タンパク質 ⇒ 20数種のL-α-アミノ酸が特定の順序で脱水縮重合した共重合体
ポリアミノ酸 ⇒ 1種あるいは数種のα-アミノ酸が重合したポリマー
+ +
縮合重合
タンパク質(ポリペプチド)
ポリアミノ酸
H N C
H R
H
C
O
OH H N
H
C
H
R'
C
O
OH H2 N C
R
H
C
O
N
H
C
R'
H
C
O
OH H2O
N
H
C
R
H
C
O
n
-
羊毛の構造
毛根のさや
第1次毛根の構造
羊毛
表皮
立毛筋
脂腺
ケラチン化帯
末ケラチン化部
汗腺
乳頭
表皮基底層
真皮
アウタールートシース
インナールートシース
α-へリックス
プロトフィブリル(左巻きコイルド-コイル構造)
ミクロフィブリル
マトリックス
マクロフィブリル
細胞膜錯体
細胞核残査
エピキュティクル
エンドキュティクル
キュティクル
パラ細胞
オルト細胞
羊毛の微細構造
コルテックス
-
乾燥時 オルソコルテックスとパラコルテックスの性能比較
メリノ羊毛
羊毛繊維の2層構造
名 称 オルソコルテックス パラコルテックス
硬さ
存在場所
吸湿性、膨潤性
シスチン含有量
ケラチン化
トリプシンによる消化溶解
塩基性染料の染着性
酸性染料の染着性
ーS-S-結合
軟
クリンプの外側
大
約 9.8 %小
易 溶
大
小
分子内が比較的多い
硬
クリンプの内側
小
約 1.7 %大
難 溶
小
大
ほとんど分子間
オルトコルテックス パラコルテックス
乾燥時:捲縮して水分の蒸発を防ぐ
雨天時:伸張して水分を発散する
水分を吸収してふくらむ
繊維同士が引っかかる
-
スケール
X
エピキューティクル Ep
エクソキューティクル Ex
エンドキューティクル End
δ層水分
コルテックスへ
羊毛表皮(スケール)の構造
内部(コルテックス)
羊毛の摩擦による異方性
シスチン結合
Ep > Ex > End
水分吸収・膨潤性
End > Ex > Ep
湿潤時には End が水を吸収して膨潤 ⇨ 伸びて外側に広がる
-
カイコの生活史
雄
雌
卵
6~10日目 18日目幼 虫
5齢蚕
繭を破って出てくる蛾幼虫の皮を脱ぎ捨てた蛹
繭を完成した幼虫
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ミクロフィブリルの束
フィブリル
1本の絹糸
フィブロイン4層のセリシン
三角プリズムの様な内部繰り返し反射が多い
無数のミクロフィブリルによる吸収,透過
屈折光
透過光
表面1次反射光
入射光
絹の構造
絹の断面
日本のフィブロインを
セリシンが包んでいる
絹様風合いを持たせた合成繊維
-
絹繊維の性質
1.唯一の天然長繊維(繊維長 800~1500m)
繊維の内でもっとも細いものの一つ
鮮度:1.3~2.8 デニール(9,000mで1.3~2.8g)
2.強度は鋼鉄に匹敵し、弾性に富む。
乾強度3.3~4.2g/デニール、湿強度2.64~3.36g/デニール
乾伸度17~21%、湿伸度21~26%、弾性率6.5~12Ga
3.比重 1.34~1.38
4.吸湿性11%、吸水性25.3% 吸収した水の放出は速い
5.繊維断面が三角形であるため、独特の美しい光沢がある。
6.耐光性は十分でなく、紫外線により黄褐変し、脆化して強度が低下。
7.坊黴性は良好であるが、防虫性は劣る。
8.保温性は良好。
9.染色性は良好であり、酸性、酸性媒染、反応性、天然染料などで鮮明な色調に染まる。
-
中国の養蚕の起源は、紀元前25~20世紀にさかのぼる(一説には紀元前60世紀ごろから)
絹の起源とシルクロード
①北方ユーラシアのステップ地帯
を横断する
「ステップ路」
② 中央アジア、オアシス地帯を経
由する
「オアシス路」
③ 紅海、あるいはペルシャ湾から、
インド、東南アジアを経て華南に
「南海路:海のシルクロード」
6世紀中頃までは、養蚕はヨーロッパ
には伝えられていなかった。
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養蚕の起源と伝播経路
カスピ海
黒海
フランスイタリア
スペイン
エジプト
地中海
ブルガリア
トルコ
シリアギリシャ
イラクイラン
インド
アフガニスタン
ロシア中央アジア
中国
朝鮮
日本
AD15
AD8AD6AD6
AD7
AD4AD6 AD4
AD4
AD4
AD4~5
BC2BC2
BC30
BC 28
BC12
AD3BC1~2
AD3
養蚕の発祥地
19世紀中頃
イタリア 50,000 t / yearフランス 26,000 t / year
欧米での繊維の文化
フランス ⇒ 絹 ⇒ ドレス
イタリア ⇒ 絹 ⇒ イタリアンシルク、デザイン
イギリス ⇒ 絹、羊毛 ⇒ フォーマルウェア
アメリカ ⇒ 綿 ⇒ カジュアルウェア
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四大天然繊維
綿 :短繊維(2~6cm)
麻 :短繊維(1~4cm)
羊毛:短繊維(7~30cm)
絹 :長繊維(~1200m)
19世紀後半のヨーロッパでは、絹のような長繊維を人工的
に作り出す必要性が高まっていた。
19世紀中頃に蚕の”微粒子病”が広まり
ヨーロッパでは養蚕業がほぼ壊滅する。
化学繊維の開発
ルイ・パスツールジャン=アンリ・ファーブル
繊 維長く細いから繊維の機能 1繊維材料の機能 2繊維の分類天然繊維、天然高分子由来の繊維セルロースの構造綿の原産地麻の原産地エジプトの壁画糸紡ぎタンパク質系繊維羊毛の構造スケールカイコの生活史絹の構造絹繊維の性質絹の起源とシルクロード養蚕の起源と伝播経路化学繊維の開発