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2017 年 東北大学入試問題研究会 1 東北大学 2017 前期 入試問題 〔理 系〕 2 次試験の出題範囲 数学 I,数学 II,数学 III,数学 A,数学 B 数学 B は「数列」,「ベクトル」とする. 時間・配点 理・工・農学部 150 300 (理・工 300/800・農 300/900) 医学部 150 250 (250/950) 歯学部 150 200 (200/600) 薬学部 150 400 (400/1100) 〔文 系〕 2 次試験の出題範囲 数学 I,数学 II,数学 A,数学 B 数学 B は「数列」,「ベクトル」とする. 時間・配点 文・教育 経済・医 (看護) 学部 100 200 ( 200/1000・教育 200/800 経済 200/600・医 (看護) 200/750 ) 法学部 100 300 (300/900) 〔平成 29 年度 東北大学一般入試個別学力試験 出題意図〕 毎年,東北大学では 6 1 日~10 31 日の期間その年の出題意図と講評を開示していま す. http://www.tnc.tohoku.ac.jp/ito.php

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2017年 東北大学入試問題研究会 1

東北大学 2017年 前期 入試問題

〔理 系〕

• 2次試験の出題範囲

数学 I,数学 II,数学 III,数学 A,数学 B

数学 Bは「数列」,「ベクトル」とする.

• 時間・配点

理・工・農学部 150分 300点 (理・工 300/800・農 300/900)

医学部 150分 250点 (250/950)

歯学部 150分 200点 (歯 200/600)

薬学部 150分 400点 (400/1100)

〔文 系〕

• 2次試験の出題範囲

数学 I,数学 II,数学 A,数学 B

数学 Bは「数列」,「ベクトル」とする.

• 時間・配点

文・教育

経済・医 (看護)学部 100分 200点

(文 200/1000・教育 200/800

経済 200/600・医 (看護) 200/750

)法学部 100分 300点 (300/900)

〔平成 29年度 東北大学一般入試個別学力試験 出題意図〕

毎年,東北大学では 6月 1日~10月 31日の期間その年の出題意図と講評を開示していま

す. http://www.tnc.tohoku.ac.jp/ito.php

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2017年 東北大学入試問題研究会 2

理系学部

理 1 (曲線と直線の共有点)

a, b を実数とする.y = |x2 − 4| で表される曲線を C とし,y = ax+ b で表される

直線を l とする.

(1) l が点 (−2, 0) を通り,l と C がちょうど 3つの共有点をもつような a, b の条件

を求めよ.

(2) l と C がちょうど 3つの共有点をもつような点 (a, b) の軌跡を ab 平面上に図示

せよ.

⋆ 出題意図 : 放物線と直線の共有点の個数に関する条件を考えることで,図形と式の関係についての理

解を見る.

⋆ 講評 : (1) a, b の範囲を独立に捉え,b = 2a の関係を明示していない答案が多くあった.

(2) 厳密な場合分けを行っておらず,部分的な解答が目立った.

C

−2

(傾き a) = 4

l

2

4

x

y

O

• (1)の解法はグラフ利用と方程式の処理に分かれる.折衷策もあり.

• (2)は全滅状態.l が点 (−2, 0)を通ると思い込んでいる答案も

ある.

• 2次方程式の解の配置の練習は必要.

方程式の過去問 (理系)

17年 1 絶対値のついた 2次関数のグラフと直線との共有点

14年 1 分数関数の値域,2次方程式の解の配置 

13年 1 3次方程式の解と係数の関係と 2つの 3次方程式の共通解

09年 6 方程式 |x(x− 2)|+ 2a|x| − 4a|x− 2| − 1 = 0 の実数解の個数

14東北大・理系 1 (方程式)

x = t+ 13t

(0 < t 5 1

2

)とする.

(1) x のとり得る値の範囲を求めよ.

(2) x の方程式 x2 + ax+ b = 0 が (1)の範囲に少なくとも 1つの解をもつような

点 (a, b) の存在範囲を図示せよ.

13東北大・理系 1 (方程式)

k を実数とする.3次式 f(x) = x3 − kx2 − 1 に対し,方程式 f(x) = 0 の 3つ

の解を α, β, γ とする.g(x) は x3 の係数が 1である 3次式で,方程式 g(x) = 0

の 3つの解が αβ, βγ, γα であるものとする.

(1) g(x) を k を用いて表せ.

(2) 2つの方程式 f(x) = 0 と g(x) = 0 が共通の解をもつような k の値を求めよ.

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2017年 東北大学入試問題研究会 4

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2017年 東北大学入試問題研究会 5

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2017年 東北大学入試問題研究会 6

理 2 > 文 4 (確率)

A 君と B 君はそれぞれ,0から 5までの数字が 1つずつ書かれた 6枚のカードが

入った箱を 1つもっている.2人は,自分の箱の中から無作為に 3枚のカードを取り

出して得点を競うゲームをする.取り出された 3枚のカードに 0が含まれていない場

合の得点は 3枚のカードに書かれた数の平均値とし,0が含まれている場合は残り 2

枚のカードに書かれた数の合計とする.このとき,次の問いに答えよ.

(1) A 君,B 君の少なくとも一方が 0を取り出して,しかも双方とも得点が 3点とな

る確率を求めよ.

(2) A 君の得点が B 君の得点より大きいときの,A 君の得点が整数ではない確率を

求めよ.

⋆ 出題意図 : 数字が書かれた 6 枚のカードを使ったゲームにより,確率の基本的法則についての理解を

見る.とくに条件付き確率の意味を理解する.

⋆ 講評 : (1) 半数以上が正解を得ていたが,見直せばすぐに気付きそうな誤答も少なくなかった.

(2) 条件付き確率が問われていることに気付いていないと思われる答案も多くあった.

文 4 < 理 2 (確率)

A 君と B 君はそれぞれ,0 から 5までの数字が 1つずつ書かれた 6枚のカード

が入った箱を 1つもっている.2人は,自分の箱の中から無作為に 3枚のカードを

取り出して得点を競うゲームをする.取り出された 3枚のカードに 0 が含まれて

いない場合の得点は 3枚のカードに書かれた数の平均値とし,0が含まれている場

合は残り 2枚のカードに書かれた数の合計とする.このとき,次の問いに答えよ.

(1) A 君,B 君の少なくとも一方が 0 を取り出して,しかも双方とも得点が 3点

となる確率を求めよ.

(2) A 君の得点が整数でなく,かつ,B 君の得点より大きい確率を求めよ.

⋆ 出題意図 : 数字が書かれた 6 枚のカードを使ったゲームにより,確率の基本的法

則についての理解を見る.とくに独立な試行の意味を理解することが大切.

⋆ 講評 : (1) 全事象が何かを正しく把握していなかったり,場合分けに漏れがあっ

たりして,見直せばすぐに気付きそうな誤答も少なくなかった.

(2) 題意を取り違えて,条件付き確率を求めている答案もあった.

• 正答率は

(1) 理系 11/15 文系 10/15

(2) 理系 0/15 文系 3/15

• 得点が 3点となるのは (0, 1, 2),(1, 3, 5),(2, 3, 4)であることは把握できており,A,Bの一方が

0を取る,A,Bの両方が 0を取るに分けて正答を得た答案が多い.

• 条件付き確率の定義から正答を得た答案もある.• 文系の再現答案の中には条件付き確率を求めているものはなかった.

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2017年 東北大学入試問題研究会 7

確率の過去問 (理系)

17年 2 得点を競うゲームでの確率および条件付き確率

16年 3 サイコロ投げで直角三角形,鈍角三角形ができる確率

15年 3 2次方程式の解についての確率

14年 3 数字が書かれた玉を取り出すときの確率

13年 3 サイコロの目の和によるゲームと確率

12年 3 袋A,Bから取るカードの数字が一致する回数の期待値,n回でカードがすべて取り除かれる

確率

11年 3 赤玉 3個,白玉 7個の非復元事象における確率

10年 3 5桁の整数をつくるときの確率

09年 3 青玉 7個,赤玉 3個を順に取り出すときの確率および期待値

08年 4 数直線上を原点に向かって移動する点の確率

• 03年,07年では出題されなかったが,確率は頻出分野である.

• 15年から期待値は範囲外となり,条件付き確率が加わった.

• 09年,10年,11年は標準的な出題であった.最近の 14年,15年,16年では数え上げの問題が続い

ている.コツコツ数え上げるという姿勢が大切である.

• 以前は反復試行の問題が多かったが,14年,15年,16年は数え上げによる「確率の計算」,14年後

期は「場合の数」,16年後期,17年は「条件付き確率」に関する問題であった.解答を答案としてま

とめる練習も必要である.

• 確率と他分野との融合としては,98年に漸化式,04年に 3次関数の微分,05年に極限,07年後期に

多項式との融合問題がある.

16東北大・後期・理 3経 3 (条件付き確率)

サイコロを 7個同時に 1回振るとき,1から 6の目がすべて出る事象を Aとし,

同じ目が 6個以上出る事象を B とする.事象 B が起こらなかった場合に事象 A

の起こる確率を求めよ.

15東北大・理系 3 (方程式絡みの確率)

サイコロを 3回投げて出た目の数を順に p1, p2, p3 とし,x の 2次方程式

2p1x2 + p2x+ 2p3 = 0 …… (∗)

を考える.

(1) 方程式 (∗) が実数解をもつ確率を求めよ.(2) 方程式 (∗) が実数でない 2つの複素数解 α, β をもち,かつ αβ = 1 が成り立

つ確率を求めよ.

(3) 方程式 (∗) が実数でない 2つの複素数解 α, β をもち,かつ αβ < 1 が成り立

つ確率を求めよ.

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2017年 東北大学入試問題研究会 8

【解答例 (理系)】

(1) 0から 5までの数字が 1つずつ書かれた 6枚のカードが入った箱の中から無作為に 3枚のカードを取り

出すときの A,B各人の取り出し方は

6C3 = 6 · 5 · 43 · 2 · 1 = 20 (通り)

あり,これらは同様に確からしい.3枚のカードに書かれた数字を a, b, c (a < b < c)とすると,得点は

次の表のようになる.

a 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 2 2 2 3

b 1 1 1 1 2 2 2 3 3 4 2 2 2 3 3 4 3 3 4 4

c 2 3 4 5 3 4 5 4 5 5 3 4 5 4 5 5 4 5 5 5

得点 3 4 5 6 5 6 7 7 8 9 2 73

83

83

3 103

3 103

113

4

この 20通りのうち,得点が 3点となるのは

(a, b, c) = (0, 1, 2), (1, 3, 5), (2, 3, 4)

の 3通りである.条件を満たす取り出し方は

• Aが 0を取り出して,Bが 0を取り出さない

• Aが 0を取り出さずに,Bが 0を取り出す

• Aと Bがともに 0を取り出す

の 3通りがある.これらは排反であるから,求める確率は

120

· 220

+ 220

· 120

+ 120

· 120

= 5400

=1

80……(答)

である.

• 双方の得点が 3点となるすべての中から A, Bがともに 0を取り出さない場合を除くと

32 − 22

202= 1

80

である.

(2) A の得点が B の得点より大きいという事象をX,A の得点が整数ではないという事象を Y とすると,

求める確率は

P (X ∩ Y )

である.

(1)の表より得点 sの確率分布は次の表のようになる.ただし,tは sより小さい得点であるときの確

率である.

得点 s 2 73

83

3 103

113

4 5 6 7 8 9

確率120

120

220

320

220

120

220

220

220

220

120

120

t 0 120

220

420

720

920

1020

1220

1420

1620

1820

1920

Y を満たす Aの得点は 73, 8

3, 10

3, 11

3の 4通りであり

P (X ∩ Y ) = 120

· 120

+ 220

· 220

+ 220

· 720

+ 120

· 920

= 28400

=7

100……(答)

である.

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2017年 東北大学入試問題研究会 9

(答案例 1)

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2017年 東北大学入試問題研究会 10

(答案例 2)

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2017年 東北大学入試問題研究会 11

(答案例 3)

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2017年 東北大学入試問題研究会 12

(答案例 4 文系)

(答案例 5 文系)

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2017年 東北大学入試問題研究会 13

理 3 (有理数解・整数解)

a, b, c を 1以上 7以下の互いに異なる整数とする.

(1) 2次方程式 ax2+ bx+ c = 0 が有理数解をもつような組 (a, b, c) の総数を求めよ.

(2) 2次方程式 ax2 + bx+ c = 0 が少なくとも一つの整数解をもつような組 (a, b, c)

の総数を求めよ.

⋆ 出題意図 : 2 次方程式が有理数解と整数解をもつ場合の数をそれぞれ求める.論理的に可能性をし

ぼって,緻密な場合分けによる議論ができることを見る.

⋆ 講評 : (1) 有理数解になるのは,判別式が平方数になるときであることに気付かないと先に進めない.

(2) 求める数は,有理数解をもつ場合の数から,2つの解がどちらも整数でない有理数になる場合の

数を引いたものである.このことを理解せずに間違った場合分けを行う答案が多くあった.

• 白紙もある.4/15

• 有理数解である条件を

「(判別式) = 0」2/15,「√b2 − 4acが有理数」2/15(この後は白紙)

としていた答案もある.

• 確率との融合も考えられます.

17滋賀大・後期・経済 3

1個のさいころを 3回投げて,出る目を順番に a, b, c とする.xの 2次方程式

ax2 + bx+ c = 0 について,次の問いに答えよ.

(1) 重解をもつ確率を求めよ.

(2) 実数解をもつ確率を求めよ.

• 3次方程式の有理数解に関する問題を紹介します.

17滋賀大・教育・経済 1

a を整数とする.x に関する方程式

4x3 − (a+ 9)x− 2(a− 2) = 0

について,次の問いに答えよ.

(1) 実数 k が解であるとき,a を k を用いて表せ.

(2) 少なくとも 1つの解が自然数となるような a の値をすべて求めよ.

(3) 少なくとも 1つの解が整数ではない正の有理数となるような a の値を求めよ.

整数の過去問 (理系)

17年 3 2次方程式が有理数解や整数解をもつような係数の組

16年 2 pq = qp + 7を満たす素数の組 (p, q)を求める

15年 6 「k–連続和」で表される整数の個数

• 整数は 15年に入試範囲に入ってから毎年出題されている.もう頻出分野としてよいでしょう.

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2017年 東北大学入試問題研究会 14

【解答例】2次方程式 ax2 + bx+ c = 0 …… 1⃝の判別式をDとすると

D = b2 − 4ac

である.

(1) 1⃝が有理数解をもつ条件は,「Dが平方数である …… (∗)」ことである.a, b, c は 1以上 7以下の互いに異なる整数であるから

(∗) =⇒ D = 0 ⇐⇒ b2 = 4ac = 4 · 1 · 2 = 8

であり,b = 3であることが必要である.

( i ) b = 3のとき,D = 9− 4acより

(∗) ⇐⇒ ac = 2

であり,条件を満たすのは (a, c) = (1, 2), (2, 1)の 2個である.

(ii) b = 4のとき,D = 16− 4ac = 4(4− ac)より

(∗) ⇐⇒ ac = 3, 4

である.4, a, cは 1以上 7以下の互いに異なる整数であり,ac = 4となることはないから

ac = 3

であり,条件を満たすのは (a, c) = (1, 3), (3, 1)の 2個である.

(iii) b = 5のとき,D = 25− 4acより

(∗) ⇐⇒ ac = 4, 6

である.a, cは 1以上 7以下の互いに異なる整数であり,(a, c) = (2, 2)となることはないから,条

件を満たすのは (a, c) = (1, 4), (4, 1), (1, 6), (6, 1), (2, 3), (3, 2)の 6個である.

(iv) b = 6のとき,D = 36− 4ac = 4(9− ac)より

(∗) ⇐⇒ ac = 5, 8, 9

である.a, cは 1以上 7以下の互いに異なる整数であり,ac = 9となることはないから

ac = 5, 8

であり,条件を満たすのは (a, c) = (1, 5), (5, 1), (2, 4), (4, 2)の 4個である.

(v) b = 7のとき,D = 49− 4acより

(∗) ⇐⇒ ac = 6, 10, 12

であり,条件を満たすのは (a, c) = (1, 6), (6, 1), (2, 3), (3, 2), (2, 5), (5, 2),

(2, 6), (6, 2), (3, 4), (4, 3)の 10個である.

以上,( i )~(v)より,求める総数は

2 + 2 + 6 + 4 + 10 = 24 (個) ……(答)

である.

• (∗)よりD = d2 (dは 0以上の整数)とおくことができる.

b2 − 4ac = d2 ⇐⇒ b2 − d2 = 4ac

⇐⇒ (b− d)(b+ d) = 4ac

4acは偶数であるから,b− d, b+ dの少なくとも一方は偶数である.また,(b− d) + (b+ d) = 2b

は偶数より,b− d, b+ dの偶奇は一致する.したがって,b− d, b+ dは共に偶数であり,b, dの

偶奇は一致する.

a, b, c は 1以上の整数より,(b− d)(b+ d) = 4ac > 0であり

b > d

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2017年 東北大学入試問題研究会 15

でもある.b, dに対し ac =(b− d)(b+ d)

4より

(b, d, ac) =(7, 5, 6), (7, 3, 10), (7, 1, 12),

(6, 4, 5), (6, 2, 8), (6, 0, 9),

(5, 3, 4), (5, 1, 6),

(4, 2, 3), (4, 0, 4),

(3, 1, 2),

(2, 0, 1)

である.a, b, c は 1以上 7以下の互いに異なる整数であるから

(b, d, ac) = (6, 0, 9), (4, 0, 4), (2, 0, 1)

は不適であり,条件を満たすのは

(b, a, c) =(7, 1, 6), (7, 2, 3), (7, 3, 2), (7, 6, 1),

(7, 2, 5), (7, 5, 2),

(7, 2, 6), (7, 3, 4), (7, 4, 3), (7, 6, 2),

(6, 1, 5), (6, 5, 1),

(6, 2, 4), (6, 4, 2),

(5, 1, 4), (5, 4, 1),

(5, 1, 6), (5, 2, 3), (5, 3, 2), (5, 6, 1),

(4, 1, 3), (4, 3, 1),

(3, 1, 2), (3, 2, 1)

である.よって,求める総数は 24個である.

(2) 1⃝が整数解をもつためには有理数解をもつことが必要であるから,(1)の解について「少なくとも一つ

が整数解になる …… (∗∗)」かどうかを調べる.(1)の解は

x =−b±

√D

2a, D = b2 − 4ac

であるから

( i ) b = 3,ac = 2のとき,x = −3± 12a

= − 2a, − 1

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 2

であり,(a, c) = (1, 2), (2, 1)は (∗∗)を満たす.(ii) b = 4,ac = 3のとき,x = −4± 2

2a= − 3

a, − 1

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 3

であり,(a, c) = (1, 3), (3, 1)は (∗∗)を満たす.(iii) (ア) b = 5,ac = 4のとき,x = −5± 3

2a= − 4

a, − 1

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 2, 4

であり,(a, c) = (1, 4), (4, 1)は (∗∗)を満たす.(イ) b = 5,ac = 6のとき,x = −5± 1

2a= − 3

a, − 2

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 2, 3

であり,(a, c) = (1, 6), (2, 3), (3, 2)は (∗∗)を満たすが,(a, c) = (6, 1)は (∗∗)を満たさない.

(iv) (ア) b = 6,ac = 5のとき,x = −6± 42a

= − 5a, − 1

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 5

であり,(a, c) = (1, 5), (5, 1)は (∗∗)を満たす.

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2017年 東北大学入試問題研究会 16

(イ) b = 6,ac = 8のとき,x = −6± 22a

= − 4a, − 2

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 2, 4

であり,(a, c) = (2, 4), (4, 2)は (∗∗)を満たす.(v) (ア) b = 7,ac = 6のとき,x = −7± 5

2a= − 6

a, − 1

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 2, 3, 6

であり,(a, c) = (1, 6), (2, 3), (3, 2), (6, 1)は (∗∗)を満たす.(イ) b = 7,ac = 10のとき,x = −7± 3

2a= − 5

a, − 2

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 2, 5

であり,(a, c) = (2, 5), (5, 2)は (∗∗)を満たす.(ウ) b = 7,ac = 12のとき,x = −7± 1

2a= − 4

a, − 3

aより

(∗∗) ⇐⇒ a = 1, 2, 3, 4

であり,(a, c) = (2, 6), (3, 4), (4, 3)は (∗∗)を満たすが,(a, c) = (6, 2)は (∗∗)を満たさない.

以上,( i )~(v)より,求める総数は

24− 2 = 22 (個) ……(答)

である.

• (1)の 24個から整数解をもたないものを除く.

a, b, cは 1以上の整数であるから, 1⃝が有理数解をもつとき b >√b2 − 4acであり

x =−b±

√b2 − 4ac2a

は共に負である.したがって,整数でない 2つの有理数解は

− qp, − s

r

とおくことができる.ただし,p, q, r, sは正の整数であり,p = 2,r = 2,pと qは互いに素であ

り,rと sも互いに素である.このとき 1⃝は

k

(x+

qp

)(x+ s

r

)= 0 (kは正の整数)

すなわち

k(px+ q)(rx+ s) = 0 …… 2⃝

と表すことができる.

ax2 + bx+ c = k(px+ q)(rx+ s)

となる a, b, cを求める.aは

a = kpr = k · 2 · 2 = 4k

であり,7以下の整数であるから k = 1である.また, 2⃝の積の順序を考えると,p 5 rとしてもよ

い.4 5 pr 5 7を満たす (p, r)は

(p, r) = (2, 2), (2, 3)

のいずれかである.

さらに,k = 1のとき bは

b = ps+ qr = 2(q + s)

であり,7以下の整数であるから q + s 5 3である.したがって

(q, s) = (1, 1), (1, 2), (2, 1)

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2017年 東北大学入試問題研究会 17

である.pと q,rと sが互いに素であることに注意すると

(p, r) = (2, 2)のとき

(2x+ 1)(2x+ 1) = 4x2 + 4x+ 1

a = bであり,不適.

(p, r) = (2, 3)のとき

(2x+ 1)(3x+ 1) = 6x2 + 5x+ 1

(2x+ 1)(3x+ 2) = 6x2 + 7x+ 2

であり,有理数解をもつが整数解をもたない 2次方程式は 2個である.

求める総数は 24− 2 = 22 (個)である.

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2017年 東北大学入試問題研究会 18

(答案例 1)

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2017年 東北大学入試問題研究会 19

(答案例 2)

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2017年 東北大学入試問題研究会 20

理 4 = 文 1 (平面ベクトル)

s を正の実数とする.鋭角三角形 ABC において,辺 AB を s : 1 に内分する点を

D とし,辺 BC を s : 3 に内分する点を E とする.線分 CD と線分 AE の交点を F

とする.以下の問いに答えよ.

(1)−→AF = α

−→AB + β

−→AC とするとき,α と β を求めよ.

(2) F から辺 AC に下ろした垂線を FG とする.FG の長さが最大となるときの s を

求めよ.

⋆ 出題意図 : ベクトルを用いて,平面図形の性質を考察する問題.とくに内分点のベクトル表記,垂線

の長さに関する立式,相加相乗平均の応用などの理解について見る.

⋆ 講評 : (1) ベクトルを用いずに,メネラウスの定理を使う解答も多かった.その場合に,計算ミスが

やや目立った.

(2) 最後の答えが合っていても,途中の論拠をきちんと示していなければ減点になる.残念ながら,正

答できた人はかなり少なかった.

• (1)−→AGと 2通りに表現して,1次独立. 理系 9/15,文系 4/15.

メネラウスの定理の利用 理系 6/15,文系 8/15.

文系では手つかずの答案もある.

• (2)は白紙も多い.理系 7/15,文ではほとんど手がでない.

• (2)FG =

√|−→AF|2 − |

−→AG|2 =

√|−→AF|2 −

−→AF ·

−→AC

|AC|2−→AC

2

とした答案もあったが,この後計算しきれず

に挫折.

ベクトルの過去問 (理系)

17年 4 三角形の内部の点の位置ベクトルと垂線の長さについて

14年 2 平行六面体の切り口の面積

13年 2 四面体の体積

11年 4 「どのような θ」をとっても垂直にならないための条件

10年 4 空間ベクトルと内積 (垂直二等分面)

08年 2 等比数列となる内積の総和と極限

• 16年はベクトルではないが,平面図形 (円に内接する四角形,円周角の定理),空間図形 (球と平面の

切り口)の図形絡みの問題が出題された.15年も空間座標の問題 (三角形を折り曲げてできる立体の

体積)であった.

• 平面ベクトルと空間ベクトルを比較すると空間ベクトルが多く出題されている.• 08年は内積と数列と絡めたもので eの定義と絡んだ極限計算が出題された.

11東北大・理系 4 (平面ベクトル)

平面上に長さ 3の線分 OA を考え,ベクトル−→OA を

−→a で表す.0 < t < 1 を満

たす実数 t に対して,−→OP = t

−→a となるように点 P を定める.大きさ 2のベクト

ル−→b を

−→a と角 θ (0 < θ < π) をなすようにとり,点 B を

−→OB =

−→b で定める.

線分 OB の中点を Q とし,線分 AQ と線分 BP の交点を R とする.

このとき,どのように θ をとっても−→OR と

−→AB が垂直にならないような t の値

の範囲を求めよ.

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2017年 東北大学入試問題研究会 21

【解答例】

(1) △ABEと直線 CDにメネラウスの定理を用いると

A C

B

DE

F

G

s⃝

1⃝s⃝

3⃝

AFFE

· ECCB

· BDDA

= 1

AFFE

· 3s+ 3

· 1s

= 1

AF : FE = (s2 + 3s) : 3

であるから

−→AF = s2 + 3s

s2 + 3s+ 3

−→AE

= s2 + 3ss2 + 3s+ 3

3−→AB+ s

−→AC

s+ 3

= 3ss2 + 3s+ 3

−→AB+ s2

s2 + 3s+ 3

−→AC

である.−→AF = α

−→AB+ β

−→ACとすると,

−→AB,

−→ACは 1次独立より

α =3s

s2 + 3s + 3, β =

s2

s2 + 3s + 3……(答)

である.

(2) FGは△FACの面積の ACを底辺とみたときの高さであり,ACは一定であるから,FGが最大となる

のは△FACの面積が最大となるときである.

△FAC = AFAE

△EAC

= s2 + 3ss2 + 3s+ 3

× 3s+ 3

△BAC

= 3ss2 + 3s+ 3

△BAC

であり,△BACは正の定数である.s > 0より,相加平均と相乗平均の不等式を用いると

3ss2 + 3s+ 3

= 3

s+ 3 + 3s

5 3

3 + 2

√s× 3

s

= 3

3 + 2√3

である.等号は s = 3sすなわち s =

√3 (> 0)のとき成り立つ.

よって,FGが最大となるのは

s =√3 ……(答)

のときである.

• Fを通り直線 AC,ABと平行な直線と,直線 AB,ACとの交点をそ

A C

B

DE

F

G

B′

C′

れぞれ B′,C′ とすると

−→AF =

−−→AB′ +

−−→AC′

であり,(1)の α, β を用いると

−−→AB′ = α

−→AB,

−−→AC′ = β

−→AC

である.このとき

FG = FC′ sin∠GC′F

= AB′ sin∠C′AB′

= α|−→AB| sin∠CAB

であり,|−→AB| sin∠CABは正の定数であるから,FGが最大になるのは α = 3s

s2 + 3s+ 3が最大と

なるときである.以後,解答と同じ.

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2017年 東北大学入試問題研究会 22

(答案例 1)

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2017年 東北大学入試問題研究会 23

理 5 (複素数)

α, β, γ を複素数とし,

zz + αz + βz + γ = 0 …… (∗)

を満たす複素数 z を考える.以下の問いに答えよ.

(1) z は

(α− β)z − (α− β)z + γ − γ = 0

を満たすことを示せ.

(2) |α| = |β| \= 0 と仮定し,また γ は負の実数であると仮定する.このとき,(∗)を満たす z がちょうど 2個あるための必要十分条件を α, β を用いて表せ.

⋆ 出題意図 :複素数平面における方程式がちょうど2つの解をもつための条件を求める問題.ド・モア

ブルの定理の幾何的理解が必要である.

⋆ 講評 : (1) 多くの人が解けていた.共役複素数を使えば簡単に解けるはずだが,遠回りに長い計算を

して時間を無駄にしている答案も目立った.

(2) 複素数平面における円の方程式とド・モアブルの定理の幾何的意味について理解できている人は

少なく,完璧な答案が書けた人はごく少数である.

• (1)多くは出来ているが,白紙 0点が 2/15,0点 3/15.

• (2)の完答は 1/15.γ が実数であることから (α − β)z − (α − β)z = 0を示したのは 6/15. 他は全く

の白紙状態である.

複素数の過去問 (理系)

17年 5 複素数係数の方程式の解がちょうど 2個あるための条件

16年 4 複素数の極形式と 3次方程式の解と係数の関係

11年 5 複素数で表された方程式

• 複素数に関する問題も頻出分野になりつつある.• 過去,複素数平面が入試範囲に入っていたのは 97年から 05年までであり,この間に出題された複素

数平面の問題は少ない.複素数平面に限って後期試験もみてみると

02年後期2(iαβ = 1, 1

α+ 1

α= β + β を満たす複素数 α, β について

),

01年後期2 (3直線がつくる正三角形 )

である.

• 複素数平面が出題範囲から外れても

15年後期5 (実部と虚部がどちらも整数である複素数)

12年後期5 (ド・モアブルの定理)

が出題されている.15年後期5は複素数を題材にした論証問題である.

• 16年度の後期では複素数平面の問題が出題されている.

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2017年 東北大学入試問題研究会 24

11東北大・理系 5 (複素数)

a を実数,z を 0 でない複素数とする.z と共役な複素数を z で表す.

(1) 次を満たす z を求めよ.

z + 1− az

= 0

(2) 次を満たす z が存在するような a の範囲を求めよ.

z + 1− az

= 0

(3) 次を満たす z が存在するような a の範囲を求めよ.

z(z)2 + z − az

= 0

16東北大・理系 4 (複素数)

多項式 P (x)を

P (x) =(x+ i)7 − (x− i)7

2i

により定める.ただし,i は虚数単位とする.以下の問いに答えよ.

(1) P (x) = a0x7 + a1x

6 + a2x5 + a3x

4 + a4x3 + a5x

2 + a6x+ a7とするとき,係

数 a0, · · · , a7 をすべて求めよ.

(2) 0 < θ < π に対して,

P(cos θsin θ

)= sin 7θ

sin7 θ

が成り立つことを示せ.

(3) (1)で求めた a1, a3, a5, a7を用いて,多項式Q(x) = a1x3 + a3x

2 + a5x+ a7

を考える.θ = π7として,k = 1, 2, 3について

xk = cos2 kθsin2 kθ

とおく.このとき,Q(xk) = 0 が成り立つことを示し,x1 + x2 + x3 の値を求

めよ.

16東北大・後期・理学部 5 (複素数)

z, wを相異なる複素数で zの虚部は正,wの虚部は負とする.このとき,以下

の問いに答えよ.

(1) 1, z, − 1, wが複素数平面の同一円周上にあるための必要十分条件は

(1 + w)(1− z)

(1− w)(1 + z)

が負の実数となることであることを示せ.

(2) z = x+ yiが x < 0と y > 0を満たすとする.1, z, − 1, 1 + z2

2が複素数平

面の同一円周上にあるとき,複素数 zの軌跡を求めよ.

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2017年 東北大学入試問題研究会 25

【解答例】

zz + αz + βz + γ = 0 …… (∗)

(1) (∗)の両辺で共役をとると

zz + α z + βz + γ = 0 …… (∗)′

であり,(∗), (∗)′ の辺々を引くと

(α− β)z − (α− β)z + γ − γ = 0 …… (∗∗)

を得る. …… (証明終わり)

(2) γ は実数より,γ = γ であり,(∗∗)は

(α− β)z − (α− β)z = 0

⇐⇒ (α− β)z = (α− β)z

すなわち,(α− β)z は実数であり

(α− β)z = t (tは実数)

とおくことができる.

( i)α− β = 0のとき

(∗) ⇐⇒ zz + βz + βz + γ = 0

⇐⇒ (z + β)(z + β) = ββ − γ

γ は負の実数であるから,ββ − γ = |β|2 − γ > 0であり

|z + β| =√|β|2 − γ

zは−βを中心とする半径√

|β|2 − γの円周上の点である.(∗)を満たす zは無数にあるから,条

件を満たさない.

(ii)α− β \= 0のとき,z = t

α− βであり

(∗) ⇐⇒ t

α− β· tα− β

+ α t

α− β+ β t

α− β+ γ = 0

⇐⇒ t2

|α− β|2+

α(α− β) + β(α− β)

|α− β|2t+ γ = 0

⇐⇒ t2 + (|α|2 − |β|2)t+ γ|α− β|2 = 0

|α| = |β|より

t2 = −γ|α− β|2

γ が負の実数であり,α − β \= 0であるから,−γ|α − β|2 > 0であり,tはちょうど 2個存在す

る.すなわち,zはちょうど 2個存在する.

( i ),(ii)より,求める必要十分条件は

α \= β ……(答)

である.

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2017年 東北大学入試問題研究会 26

理 6 (定積分)

a, b, c を実数とし,

I(a, b) =

∫ π2

0

eax cos bx dx, J(a, b, c) =

∫ π2

0

eax sin bx sin cx dx

とおく.ただし,a \= 0 とする.このとき,以下の問いに答えよ.

(1) I(a, b) を求めよ.

(2) J(a, b, c) を I(a, b+ c) と I(a, b− c) を用いて表せ.

(3) 次の極限を求めよ.

limt→∞

8

∫ π2

0

ex sin tx sin 2tx cos 3tx cos 4tx dx

⋆ 出題意図 : 部分積分法や三角関数の和積公式を使った定積分の計算を正しく行う力を見る.また,極

限を正しく求めることができるかを見る.

⋆ 講評 : (1) 多くは正答しているが,部分積分の式変形を間違えているものも少なくなかった.

(2) 大半が正答できた.

(3) どこかで式変形を間違えるものが多く,極限まで正しく求められた人は極めて少数である.

• (1)の部分積分で躓くものもいるが,(1)ができれば (2)もできるといった感じである.

(1)での計算は部分積分の2回実行して I(a, b)について整理するものがほとんど.eax cos bxと eax sin bx

の積分をセットで考えるとした答案は 1/15.

• (3)は手つかずの答案が多い.積を和に直す公式,半角の公式といった基本的な公式も含めて定積分

の計算練習を十分にしておかなければならない.

積分の過去問 (理系)

17年 6 定積分の計算 (指数関数)× (三角関数)の定積分と極限

16年 6 定積分で表された関数 f(x) =

∫ π

0

| sin(t− x)− sin 2t| dtの 0 5 x 5 πにおける最大最小

15年 4 定積分と不等式 定積分による不等式評価と極限

14年 5 定積分の計算 定積分

∫ π2

π4

cos((2n+ 1)x)

sinxdx の計算

13年 4 定積分と不等式 an =

∫ π6

−π6

en sin θ dθ, bn =

∫ π6

−π6

en sin θ cos θ dθ における bn の計算と

limn→∞

1n

log(nan)

6 体積 直円柱を平面で分けるときの非回転体の体積

12年 4 定積分で表された関数 f(x) =

∫ π2

0

cos |t− x|1 + sin |t− x| dt (0 5 x 5 π) の最大値,最小値

11年 2 面積 曲線の媒介変数表示を求め,面積を求める

10年 5 体積 不等式で表された領域による回転体の体積と微分

09年 5 積分の計算 f(θ) = max{sin θ, sin(θ − 2a)},I =

∫ π

0

f(θ) dθ と 0 5 a 5 π2で

の I の最大値

• 08年は数学 IIIの微積分の出題はなかったが,09年以降は毎年出題されている.理系である限りやは

り数学 IIIの微積分は頻出分野である.

• 面積・体積よりは定積分に関する問題が多く出題されている.十分な計算練習を積んでおくことが大切である.

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2017年 東北大学入試問題研究会 27

16東北大・理系 6 (定積分)

関数

f(x) =

∫ π

0

| sin(t− x)− sin 2t| dt

の区間 0 5 x 5 πにおける最大値と最小値を求めよ.

14東北大・理系 5 (定積分)

整数 n に対して,

In =

∫ π2

π4

cos((2n+ 1)x)

sinxdx

とする.

(1) I0 を求めよ.

(2) n を正の整数とするとき,In − In−1 を求めよ.

(3) I5 を求めよ.

15東北大・理系 4 (定積分と不等式)

a > 0 を実数とする.n = 1, 2, 3, · · · に対し,座標平面の 3点

(2nπ, 0),

((2n+ 1

2

)π, 1{(

2n+ 12

)π}a), ((2n+ 1)π, 0)

を頂点とする三角形の面積を An とし,

Bn =

∫ (2n+1)π

2nπ

sinxxa dx, Cn =

∫ (2n+1)π

2nπ

sin2 xxa dx

とおく.

(1) n = 1, 2, 3, · · · に対し,次の不等式が成り立つことを示せ.2

{(2n+ 1)π}a 5 Bn 5 2(2nπ)a

(2) 極限値 limn→∞

An

Bnを求めよ.

(3) 極限値 limn→∞

An

Cnを求めよ.

13東北大・理系 4 (定積分と不等式)

数列 {an}, {bn} を

an =

∫ π6

−π6

en sin θ dθ, bn =

∫ π6

−π6

en sin θ cos θ dθ (n = 1, 2, 3, · · ·)

で定める.ただし,e は自然対数の底とする.

(1) 一般項 bn を求めよ.

(2) すべての n について,bn 5 an 5 2√3bn が成り立つことを示せ.

(3) limn→∞

1n

log(nan) を求めよ.ただし,対数は自然対数とする.

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2017年 東北大学入試問題研究会 28

【解答例】

(1) I = I(a, b) =

∫ π2

0

eax cos bx dx,H =

∫ π2

0

eax sin bx dxとおき,それぞれを部分積分すると

I =

[eax

acos bx

]π2

0

−∫ π

2

0

eax

a(− sin bx) · b dx

= 1a

(e

aπ2 cos bπ

2− 1)+ b

aH

H =

[eax

asin bx

]π2

0

−∫ π

2

0

eax

acos bx · b dx

= 1ae

aπ2 sin bπ

2− b

aI

でありaI − bH = e

aπ2 cos bπ

2− 1 …… 1⃝

bI + aH = eaπ2 sin bπ

2…… 2⃝

である.a× 1⃝+ b× 2⃝より

(a2 + b2)I = a(e

aπ2 cos bπ

2− 1)+ be

aπ2 sin bπ

2

であるから

I(a, b) =1

a2 + b2

{e

aπ2

(a cos

2+ b sin

2

)− a

}……(答)

である.

• eax cos bxの原始関数を求める.

(eax cos bx)′ = aeax · cos bx− eax · b sin bx …… ア⃝(eax sin bx)′ = eax · b cos bx+ aeax · sin bx …… イ⃝

a× ア⃝+ b× イ⃝より(aeax cos bx)′ + (beax sin bx)′ = (a2 + b2)eax cos bx

であり

eax cos bx = 1a2 + b2

{eax(a cos bx+ b sin bx)}′

であるから

I(a, b) = 1a2 + b2

[eax(a cos bx+ b sin bx)

]π2

0

= 1a2 + b2

{e

aπ2

(a cos bπ

2+ b sin bπ

2

)− a}

である.

(2) 和を積に直す公式を用いると

cos(b+ c)x− cos(b− c)x = −2 sin bx sin cx

であり

J(a, b, c) =

∫ π2

0

eax sin bx sin cx dx

=

∫ π2

0

eaxcos(b− c)x− cos(b+ c)x

2dx

= 12

∫ π2

0

eax cos(b− c)x dx− 12

∫ π2

0

eax cos(b+ c)x dx

=1

2I(a, b − c) − 1

2I(a, b + c) ……(答)

である.

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2017年 東北大学入試問題研究会 29

(3) 積を和に直す公式を用いると

sin tx sin 2tx cos 3tx cos 4tx

=cos 4tx sin tx× cos 3tx sin 2tx

= 12(sin 5tx− sin 3tx)× 1

2(sin 5tx− sin tx)

= 14(sin2 5tx− sin 5tx sin tx− sin 5tx sin 3tx+ sin 3tx sin tx)

であるから

8

∫ π2

0

ex sin tx sin 2tx cos 3tx cos 4tx dx

=2

∫ π2

0

ex(sin2 5tx− sin 5tx sin tx− sin 5tx sin 3tx+ sin 3tx sin tx) dx

=2{J(1, 5t, 5t)− J(1, 5t, t)− J(1, 5t, 3t) + J(1, 3t, t)}

=2{12

(I(1, 0)− I(1, 10t)

)− 1

2

(I(1, 4t)− I(1, 6t)

)− 1

2

(I(1, 2t)− I(1, 8t)

)+ 1

2

(I(1, 2t)− I(1, 4t)

)}=I(1, 0)− 2I(1, 4t) + I(1, 6t) + I(1, 8t)− I(1, 10t)

である.(1)より

I(1, b) = 112 + b2

{e

π2

(cos bπ

2+ b sin bπ

2

)− 1}

= eπ2

cos bπ2

1 + b2+ e

π2

sin bπ2

1b+ b

− 11 + b2

→ 0 (b → ∞)

であり

limt→∞

I(1, 4t) = limt→∞

I(1, 6t) = limt→∞

I(1, 8t) = limt→∞

I(1, 10t) = 0

である.

よって

limt→∞

8

∫ π2

0

ex sin tx sin 2tx cos 3tx cos 4tx dx

=I(1, 0)

= 11 + 0

{eπ2 (1 + 0)− 1}

=eπ2 − 1 ……(答)

である.

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2017年 東北大学入試問題研究会 30

(答案例 1)

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2017年 東北大学入試問題研究会 31

文系学部

文 2 (2次関数の最小値・面積)

p, q を実数とする.関数 f(x) = x2 + px+ q の −1 5 x 5 2 における最小値が 0 以

上となる点 (p, q) 全体からなる領域を D とする.以下の問いに答えよ.

(1) pq平面上に領域 D を図示せよ.

(2) D の点 (p, q) で q 5 5 を満たすもの全体のなす図形の面積を求めよ.

⋆ 出題意図 : 2次関数のグラフに関する領域図示と面積計算の問題.場合分けをして正しく領域を図示

できることと,積分の考え方を正しく理解できていることを見る.

⋆ 講評 : (1) 範囲の条件式は導けても,それを正しく図示できていない答案がかなりあった.

(2) 積分の意味をちゃんと理解していないために,不要な領域分割を行って計算ミスをする答案も目

立った.

• (1)は出来ている.

• (2)は講評にあるように「不要な領域分割を行って計算ミス」が目立つ.

• (2)では (面積) =

∫ −4

− 92

(−2p− 4) dp+

∫ 2

−4

p2

4dp+

∫ 6

2

(p− 1) dpとするものもあった.

(1)

q = p2

4

−4

4

2

1

−2−1

p

q

O

(2)

q = p2

4

−4

4

2

1− 92 6

−2−1

5

p

q

O

2次関数のグラフの過去問 (文系)

17年 1 最小値が 0となる 2次関数と面積

13年 1 2次方程式の解の配置と頂点の y 座標の取り得る値の範囲

09年 4 y = x2 − 2ax+ a2 + a+ 2 が領域 2y > x+ 1 + 3|x− 1| 内にあるための a の条件

• 数学 Iにおいては,2次方程式の解の配置,2次関数の最大・最小の練習が必要である.

13東北大・文系 1 (2次方程式と放物線)

a を実数とする.以下の問いに答えよ.

(1) 2次方程式 x2 − 2(a+1)x+3a = 0 が,−1 5 x 5 3 の範囲に 2つの異なる実

数解をもつような a の値の範囲を求めよ.

(2) a が (1) で求めた範囲を動くとき,放物線 y = x2 − 2(a+ 1)x+ 3a の頂点の

y 座標が取りうる値の範囲を求めよ.

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2017年 東北大学入試問題研究会 32

積分の過去問 (文系)

17年 2 最小値が 0となる 2次関数と面積

16年 2 2次関数のグラフと折れ線との共有点,面積

14年 1 放物線と 2本の接線で囲まれる図形の面積

13年 4 2つの図形の共通部分の面積とその最大値

12年 1 y = x2 上の 2点における法線と面積

11年 4 放物線と 2本の接線で囲まれる部分の面積

• 08年,09年,10年,15年は積分の出題はなかったが,積分 (すべて面積)は頻出項目である.

16東北大・文系 2 (放物線と面積)

放物線 C : y = − 12x2 を考える.以下の問いに答えよ.

(1) 関数 y = −2|x|+ kのグラフが放物線 C と共有点をもつような実数 kの範囲

を求めよ.

(2) a, b を実数とする.関数 y = −2|x − a| + bのグラフが放物線 C と共有点を

ちょうど 4個もつような点 (a, b)全体のなす領域Dを xy平面に図示せよ.

(3) (2)で求めた領域Dの面積を求めよ.

(答案例 1)

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2017年 東北大学入試問題研究会 33

(答案例 2)

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2017年 東北大学入試問題研究会 34

(答案例 3)

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2017年 東北大学入試問題研究会 35

文 3 (整数)

a を 3で割り切れない正の整数とする.a を 3で割ったときの商を b,余りを c と

する.次の問いに答えよ.

(1) c = 2 のとき,2a+ 1 = as+ 3t を満たす負でない整数 s, t を b を用いて表せ.

(2) n を n = 2a− 2 を満たす整数とする.このとき n = as+ 3t を満たす負でない整

数 s, t が存在することを示せ.

⋆ 出題意図 : 整数について約数や倍数などの基本的性質を理解した上で,緻密な推論の組み立てを要す

る.与えられた条件を加味しながら丁寧な場合分けの議論ができることを見る.

⋆ 講評 : (1) s, t が整数であるという条件がうまく使えていない答案が目立つ.

(2) 題意が十分理解できていないと思われる答案もあった.

• (1)の段階で全く出来ていません.方針を立てる以前のところで躓いていおり,全員 0点です.

• (2)はすべて白紙です.

整数の過去問 (文系)

17年 3 n= as+ 3t を満たす負でない整数 (s, t)が存在すること

16年 3 3元の不定方程式:7l + 9m+ 12n = 54 (l = 0, m = 0, n = 0)

• 15年から出題範囲に入った整数であるが,頻出分野になった.

• 17年は難問です.

16東北大・文系 3 (整数)

ある工場で作る部品 A,B,Cはネジをそれぞれ 7個,9個,12個使っている.

出荷後に残ったこれらの部晶のネジをすべて外したところ,ネジが全部で 54 個

あった.残った部品A,B,Cの個数をそれぞれ l, m, nとして,可能性のある組

(l, m, n)をすべて求めよ.

00東北大・後期・文系 3 (整数)

a, b, cは a2 − 3b2 = c2 を満たす整数とするとき,次のことを証明せよ.

(1) a, bの少なくとも一方は偶数である.

(2) a, bがともに偶数なら,少なくとも一方は 4の倍数である.

(3) aが奇数なら bは 4の倍数である.

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2017年 東北大学入試問題研究会 36

【解答例】

a は 3で割り切れない正の整数であるから

a = 3b+ c (c = 1, 2 ; bは 0以上の整数) …… 1⃝

(1) c = 2のとき, 1⃝より

2a+ 1 = as+ 3t

⇐⇒ 2(3b+ 2) + 1 = (3b+ 2)s+ 3t

⇐⇒ (3b+ 2)s+ 3t = 6b+ 5 …… 2⃝

ここで

(3b+ 2) · 1 + 3(b+ 1) = 6b+ 5 …… 3⃝

であるから, 2⃝, 3⃝の辺々をひくと

(3b+ 2)(s− 1) + 3(t− b− 1) = 0

(3b+ 2)(s− 1) = 3(b+ 1− t)

3b+ 2と 3は互いに素より{s− 1 = 3k

b+ 1− t = (3b+ 2)k(kは整数)

とおくことができる.s, tは負でない整数,bは 0以上の整数より{3k + 1 = 0

b+ 1− (3b+ 2)k = 0

k = − 1

3

k 5 b+ 13b+ 2

= 13

+

13

3b+ 25 1

3+ 1

6= 1

2

すなわち

− 13

5 k 5 12

である.kは整数より

k = 0

である.

よって,

s = 1, t = b + 1 ……(答)

である.

• 2⃝と t = 0より

s = 6b+ 5− 3t3b+ 2

5 6b+ 53b+ 2

= 2 + 13b+ 2

b = 0かつ sは負でない整数より s = 0, 1, 2のいずれかである.

2⃝ ⇐⇒ t =6b+ 5− (3b+ 2)s

3

であるから

( i ) s = 0のとき,t = 6b+ 53

= 2b+ 1 + 23

tが整数であることに反する.

(ii) s = 1のとき,t =6b+ 5− (3b+ 2) · 1

3= b+ 1

(iii) s = 2のとき,t =6b+ 5− (3b+ 2) · 2

3= 1

3tが整数であることに反する.

( i ),(ii),(iii)より s = 1, t = b+ 1

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2017年 東北大学入試問題研究会 37

(2) 「n = as+ 3tを満たす負でない整数 s, tが存在するとき,これを s0, t0 とすると

n+ 3 = as0 + 3(t0 + 1)

より,s = s0, t = t0 + 1として,n+ 3 = as+ 3tを満たす負でない整数 s, tが存在する.」  …

… (∗)(∗)より,n = 2a− 2, 2a− 1, 2aについて,n = as+ 3tを満たす負でない整数 s, tが存在することを

示せばよい.

( i ) c = 1のとき, 1⃝より a = 3b+ 1である.

(ア) n = 2a− 2のとき

n = 2(3b+ 1)− 2 = 6b = 3 · 2b = a · 0 + 3 · 2b

であり,(s, t) = (0, 2b)として存在する.

(イ) n = 2a− 1のとき

n = 2(3b+ 1)− 1 = 6b+ 1 = (3b+ 1) + 3b = a · 1 + 3 · b

であり,(s, t) = (1, b)として存在する.

(ウ) n = 2aのとき

n = a · 2 + 3 · 0

であり,(s, t) = (2, 0)として存在する.

(ii) c = 2のとき, 1⃝より a = 3b+ 2である.

(ア) n = 2a− 2のとき

n = 2(3b+ 2)− 2 = 6b+ 2 = (3b+ 2) + 3b = a · 1 + 3 · b

であり,(s, t) = (1, b)として存在する.

(イ) n = 2a− 1のとき

n = 2(3b+ 2)− 1 = 6b+ 3 = 3(2b+ 1) = a · 0 + 3 · (2b+ 1)

であり,(s, t) = (0, 2b+ 1)として存在する.

(ウ) n = 2aのとき

n = a · 2 + 3 · 0

であり,(s, t) = (2, 0)として存在する.

以上より,n = 2a− 2を満たすすべての整数 nについて,n = as+3tを満たす負でない整数 s, tが存

在することが示された. …… (証明終わり)

• (∗)の明記がない場合は,kを 0以上の整数として

(ア) n = 2a− 2 + 3k (イ) n = 2a− 2 + 3k + 1 (ウ) n = 2a− 2 + 3k + 2

について,議論すればよい.

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2017年 東北大学入試問題研究会 38

(答案例 1)

(答案例 2)

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2017年 東北大学入試問題研究会 39

数学の出題範囲および答案作成についての一般的注意 (05年~07年)

一般入試の数学の出題範囲や入学試験で解答に使っても良い公式などについては,次のように考えている.

(1) 東北大学の一般入試では,高等学校までの指導要領の範囲(小学校および中学校で学習することを含め

る)を理解していれば解ける問題を出題する.

(2) 新課程の「微分積分の考え」では「微分は三次までの関数」,「積分は二次までの関数」となっているが,

微分積分についてきちんと理解できていれば十分解答できると判断できる場合は,少し次数が高い関数

の微積分を含む問題も出題する場合があり得る.

(3) 素因数分解などの整数の性質に関することは,高等学校では特に取りあげて学ばないが小学校や中学校

で既に学習しているので,この様なものを含む問題も出題範囲に入れる.

(4) 中学校で学ぶ図形の性質である「対称性」,「角の二等分線」,「線分の垂直二等分線」,「垂線」,「平行線」,

「平行四辺形」,「三角形の合同条件」,「三角形の相似条件」,「三平方の定理」などに関するものを含む問

題は出題範囲に入れる.

(5) 指導要領の「数学 III」,「積分法」では部分積分は「簡単な関数について 1回の適用で結果が得られる

もの」としているが,部分積分を 2回行うことを排除するわけではなく,それにより簡明な正解が得られ

ている答案に対し 2回部分積分を行ったことを理由に減点はしない.

(6) 極限値を求める問題では,分数関数の分子も分母も 0 に近づく場合,分子と分母を各々微分した関数の

極限に等しいというロピタルの定理を適用して答を求めたものと推察される解答が見受けられる.しか

し,ロピタルの定理は,その証明だけではなく,使って良い条件が難しく,高等学校の指導要領を大きく

逸脱する知識が要求される.実際,入試でロピタルの定理を使って解いた解答は,この定理をきちんと理

解して解いたとは思えないものがほとんどである.したがって,ロピタルの定理は入試の解答では使うべ

きではないと考える.

(7) また,2行 2列の行列に関する「ハミルトン・ケーリーの定理」または「ケーリー・ハミルトンの定理」

と呼ばれる定理のように,指導要領の範囲外の定理を使う場合には,証明を含めてきちんと理解していて

使うとしても,「これこれこういう内容の○○の定理を使う」と断った上で使うべきである.

(8) a, bで x軸と交わる曲線 y= (x- a)(x- b)が x 軸と囲む面積に関する公式を使う答案が散見される.

この公式を使っていると,採点者には受験生が積分の意味を理解していることが確認できない.最低限

「これこれこういう内容の公式を使う」と書いた上で使うべきであるが,解答欄に余裕のある場合は使う

べきでない公式である.

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2017年 東北大学入試問題研究会 40

過去10年の出題

理 系

年度

分野数学 I · A 数学 II 数学 B 数学 III 数学 C

17年2 確率

3 整数1 曲線と直線の

共有点4 平面ベクトル

5 複素数

6 定積分

16年

1 平面図形

2 整数

3 確率

5 空間図形

4 複素数

6 積分

15年

3 確率

6 整数

5 平面図形・空間図形

2 微分1 2次曲線

4 積分

14年1 方程式

3 確率2 空間ベクトル

5 積分

6 微分4 1次変換

13年 3 確率 1 方程式 2 空間ベクトル4 積分 (計算)

6 積分 (体積)5 1次変換

12年 3 期待値 1 領域

4 積分

5 微分

6 数列の極限

2 1次変換

11年 3 確率 1 不等式 4 平面ベクトル 2 面積5 複素数

6 1次変換

10年 3 確率1 不等式

2 微分4 空間ベクトル 5 積分 6 1次変換

09年2 2次不等式

3 確率1 式と証明

4 積分

6 微分5 行列

08年 4 確率

1 多項式

6 積分

3 微分

2 数列 5 行列

• 確率は毎年出題される.整数も頻出分野になってきた.• 数学 IIIからは積分の計算が多く出題されている.定積分と不等式は要注意の項目である.

• 15年,16年は数学 Bからの出題がないが,ベクトルの演習も必要である.数列も極限と合わせて練

習しておくこと.

• 東北大の出題傾向はつかみにくい.全分野を満遍なく学習しておく必要がある.

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2017年 東北大学入試問題研究会 41

文 系

年度

分野数学 I ·A 数学 II 数学 B

17年3 整数

4 確率(<理 1

) 2 積分 1 平面ベクトル(=理 1

)16年

3 整数

4 平面図形(=理 1

) 2 積分 1 平面ベクトル

15年 3 確率(<理 3

) 2 図形と方程式(<理 3

)4 微分

1 数列

14年 2 確率(=理 3

) 1 積分

4 三角関数3 平面ベクトル

13年1 2次方程式

3 確率4 積分 2 空間ベクトル

12年 3 確率1 積分

2 三角関数4 平面ベクトル

11年 3 確率1 指数

4 積分2 平面ベクトル

10年 3 確率1 不等式

2 図形と方程式2 空間ベクトル

09年3 確率

4 2次不等式1 指数 2 平面ベクトル

08年 4 確率1 微分

2 多項式3 平面ベクトル・数列

• 近年理系との共通問題あるいは改題が増えており,文系の受験者にとっては難化傾向にある.• 数学 Iでは確率は定番となっており,整数も頻出分野となってきた.2次関数,2次不等式も注意が必

要.

数学 IIでは積分が圧倒的で,微分,三角関数,指数関数,図形と方程式が次に続く.

数学 Bではベクトルが圧倒的.空間,平面を比較すると平面ベクトルの方が多く出題されている.

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2017年 東北大学入試問題研究会 42

 過去10年の出題

17年 (理系)

1 数 I,II (2次関数)

絶対値のついた 2次関数のグラフと直線との共有点

2 >文 4  数 A (確率)

得点を競うゲームでの確率および条件付き確率

3 数 A (整数)

2次方程式が有理数解や整数解をもつような係数の組の個数

4 =文 1  数 B (平面ベクトル)

三角形の内部の点の位置ベクトルと垂線の長さ

5 数 III (複素数)

複素数係数の方程式の解がちょうど 2個あるための条件

6 数 III (定積分)

(指数関数)× (三角関数)の定積分と極限

17年 (文系)

1 =理 4 数 B(平面ベクトル)

三角形の内部の点の位置ベクトルと垂線の長さについて

2 数 II(積分)

2次関数の最小値・不等式で表された領域の面積

3 数 A(整数)

n= as+ 3t を満たす負でない整数 s,tが存在すること

4 <理 2 数 A(確率)

得点を競うゲームでの確率

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2017年 東北大学入試問題研究会 43

16年 (理系)

1 =文 4 数 A (図形の性質)

垂心が垂足三角形の内心であることに関する問題

2 数 B,A (数学的帰納法,整数)

pq = qp + 7を満たす素数の組 (p, q)を求める

3 数 A (確率)

サイコロ投げで直角三角形,鈍角三角形ができる確率

4 数 III (複素数)

複素数の極形式と 3次方程式の解と係数の関係

5 数 A,I (空間図形,2次関数)

空間における 2円の面積の和の最大値

6 数 III (定積分)

定積分で表された関数の最大値と最小値

16年 (文系)

1 数 B(平面ベクトル)

斜交座標.領域内を動く点 Pによる内積−→OP ·

−→OC の最大値

2 数 II(面積)

2次関数のグラフと折れ線との共有点,面積

3 数 A(整数)

3文字の不定方程式

4 =文 4 数 A (図形の性質)

垂心が垂足三角形の内心であることに関する問題

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2017年 東北大学入試問題研究会 44

15年 (理系)

1 数 III (楕円)

楕円の法線と x軸,y軸とで図まれる三角形の面積

2 数 II (微分)

3次関数のグラフに引いた接線

3 >文 3 (確率)

サイコロの目で定まる 2次方程式の解についての確率

4 数 III (定積分)

定積分による不等式評価と極限

5 数 II (図形と方程式)

鋭角三角形を折り曲げてできる四面体の体積

6 数 III (整数)

「k–連続和」で表される整数の個数

15年 (文系)

1 数 B (数列)

漸化式の一般項

2 =理 5 (図形と方程式)

鋭角三角形を折り曲げてできる四面体の体積

3 <理 3 (確率)

サイコロの目で定まる 2次方程式の解についての確率

4 数 II (微分)

3次関数の最大・最小

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2017年 東北大学入試問題研究会 45

14年 (理系)

1 数 III,I (微分,方程式)

分数関数の値域,2次方程式の解の配置

2 数 B (空間ベクトル)

平行六面体の切り口の面積

3 数 A (確率)

数字が書かれた玉を取り出すときの数字の積についての確率

4 数 C (1次変換)

1次変換による三角形の移動

5 数 III (定積分)

定積分

∫ π2

π4

cos((2n+ 1)x)

sinxdx の計算

6 数 III (微分)

微分法の不等式への応用,数学的帰納法

14年 (文系)

1 数 II (積分)

放物線と 2本の接線で囲まれる図形の面積

2 =理 3 (確率)

数字が書かれた玉を取り出すときの数字の積についての確率

3 数 B (平面ベクトル)

線分に直交する角の二等分線

4 数 II (三角関数)

2 sinx+ sin y = 1を満たすときの 2 cosx+ cos yの最大値と最小値

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2017年 東北大学入試問題研究会 46

13年 (理系)

1 数 II (方程式)

3次方程式の解と係数の関係と 2つの 3次方程式が共通解をもつ条件

2 数 B (空間ベクトル)

四面体の体積

3 数 A (確率)

サイコロの目の和によるゲームと確率

4 数 III (積分)

積分の計算と極限 (ハサミウチ)

5 数 C (1次変換)

回転移動による点の像 Pn と原点との距離 OPn

6 数 III (体積)

非回転体の体積

13年 (文系)

1 数 I (方程式とグラフ)

2次方程式の解の配置と頂点の y 座標の取り得る値の範囲.

2 数 B (空間ベクトル)

四面体の体積.

3 数 A (確率)

サイコロの目の和によるゲームの確率.

4 数 II (面積)

共通部分の面積とその最大値.

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2017年 東北大学入試問題研究会 47

12年 (理系)

1 数 II (領域)

2つの媒介変数で表された点の動く範囲

2 数 C (1次変換)

対称移動の合成,回転移動の積

3 数 A (期待値,確率)

袋 A,Bから取るカードの数字が一致する回数の期待値,n 回でカードがすべて取り除かれる確率

4 数 III (積分)

f(x) =

∫ π2

0

cos |t− x|1 + sin |t− x| dt (0 5 x 5 π) の最大値,最小値

5 数 III (微分)

ABを直径とする円上の動点 Pと Pにより決まる線分 AB上の点 Qを結ぶ線分 PQの長さの最大に

ついて

6 数 III (数列の極限)

a1, an+1 =

√3an + 42an + 3

で定まる数列 {an}についての不等式と極限

12年 (文系)

1 数 II (積分)

y = x2 上の 2点における法線と面積.

2 数 II (三角関数)

f(x) = 2 cos2 x− 2√3 sinx cosx− sinx+

√3 cosx− 5

4のとりうる値の範囲.

3 数 A (確率)

二枚のカードの数字が一致する回数の期待値,n 回でカードがすべて取り除かれる確率.

4 数 B (ベクトル)

内積で表された条件を満たすベクトルとベクトルの大きさのとりうる値の範囲.

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2017年 東北大学入試問題研究会 48

11年 (理系)

1 数 II (不等式)

「すべての a」,「いずれかの a」 に対して成り立つ不等式 y 5 2ax− a2 + 2a+ 2 について

2 数 III (面積)

媒介変数表示を求め,面積を計算する

3 数 A (確率)

赤玉 3個,白玉 7個の非復元事象における確率

4 数 B (平面ベクトル)

「どのような θ」 をとっても垂直にならないための条件

5 数 II (方程式)

複素数で表された方程式

6 数 C (1次変換)

像 Pn が点 (10, 10) に最も近くなるときの n の値を求める

11年 (文系)

1 数 II (指数不等式)

指数不等式が解をもつための a の範囲.

2 数 II (平面ベクトル)

平面ベクトルと三角形の面積比.

3 数 A (確率)

赤玉 3個,白玉 7個の非復元事象における確率.

4 数 II (積分)

放物線と 2本の接線で囲まれる部分の面積.

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2017年 東北大学入試問題研究会 49

10年 (理系)

1 数 II (不等式)

3次関数を用いた不等式の成立条件

2 数 II (微分)

3次関数の接線の本数

3 数 A (確率)

5桁の整数をつくるときの確率

4 数 B (ベクトル)

空間ベクトルと内積 (垂直二等分面) =文系 4

5 数 III (積分)

回転体の体積と微分

6 数 C (点の移動)

正 6角形と点の移動

10年 (文系)

1 数 II (不等式)

3次関数を用いた不等式.

2 数 II (図形と方程式)

放物線の法線に関する直線 x = a の対称移動.

3 数 A (確率)

数直線上を n 回移動するときの確率.

4 数 B (ベクトル) =理系 4

空間ベクトルと内積 (垂直二等分面).

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2017年 東北大学入試問題研究会 50

09年 (理系)

1 数 II (式と証明)

3元 3次の等式および不等式の証明

2 数 I (2次不等式)

L 枚の長方形をのりづけして得られる長方形の面積による 2次不等式

3 数 A (確率)

青玉 7個,赤玉 3個を順に取り出すときの確率および期待値

4 数 III (積分法)

f(θ) = max{sin θ, sin(θ − 2a)} の積分∫ π

0

f(θ) dθ の最大値

5 数 C (行列)

APA = P 2 を満たす行列 A の決定

6 数 III (微分法)

方程式 |x(x− 2)|+ 2a|x| − 4a|x− 2| − 1 = 0 の実数解の個数

09年 (文系)

1 数 II (指数)

すべての実数 x に対して成り立つ指数不等式.

2 数 B (ベクトル)

直角三角形の一辺上を動く点と内積の値.

3 数 A (確率)

青玉 7個,赤玉 3個を順に取り出すときの確率.

4 数 I (2次不等式)

y = x2 − 2ax+ a2 + a+ 2 が折れ線を境界とする領域内にあるための a の条件.

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2017年 東北大学入試問題研究会 51

08年 (理系)

1 数 II (多項式)

3つの条件をみたす多項式の次数と係数決定.

2 数 B,III (ベクトル,数列,極限) 等比数列となる内積の総和と極限.

3 数 II (微分法)

四面体の体積の最大値.

4 数 A (確率)

数直線上を原点に向かって移動する点の確率.

5 数 C,II (行列,三角関数)

行列で与えられた等式と三角方程式の解の存在条件.

6 数 II (積分法) 放物線と円とで囲まれた図形の面積と極限.

08年 (文系)

1 数 II (微分) 3次関数の極大となる点の軌跡.

2 数 II (多項式)

3つの条件をみたす多項式の係数決定.

3 数 B (ベクトル,数列) 等比数列となる内積の総和.

4 数 A (確率) 数直線上を原点に向かって移動する点の確率.