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MRI 検査 MRCP MRmyelo MRU perfusion 診療画像 検査学

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MRI検査

(MRCP、MRmyelo、MRU、perfusion)

診療画像検査学

MRCP(MR cholangio-pancreatography)

• MRCPは、胆汁や膵液などの水成分を描出する。

*膵管や胆管の拡張、途絶、欠損、圧排などの二次情報によって結石や腫瘍の存在を明らかにする。

胆嚢

十二指腸

特徴

• MRI装置を用いて造影剤を使用せずに膵胆管を描出する撮像法。

• single-shot FSEでheavyT2WI(強いT2強調画像)を撮像する。

• 得られた断面像にMIP処理を加え、3次元画像にすることで多方向からの観察が可能となる。

• 胆道閉塞、主膵管閉塞、術後であっても胆汁や膵液が存在していれば画像化が可能。

シングルショットFSE

• 1回の90°パルスによって画像作成に必要な全てのエコー信号を収集する手法

《手法》双方ともにTEが長く、強いT2WIになる。

1.RARE(rapid acquisition with relaxation enhancement)

* k空間のデータ全てを充てんする。(読み:レア)

2.HASTE(half fourier acquisition single-shot turbo spin echo)

* k空間のデータを半分だけ充てんして、ハーフフーリエ法により画像計算する。(読み:ヘイスト)

3.PACE(prospective acquisition correction)

* 横隔膜同期法を利用した3D-MRCP

画質向上について

• MRCPは造影剤を使用せずに膵胆管を描出する撮像法であるが、同時に消化管の信号も高信号に表示する。

• 消化管の信号を抑制するために、クエン酸鉄アンモニウム or 塩化マンガン四水和物を使用する。

塩化マンガン四水和物の効果

未使用

使用

消化管信号が消失する

MRCPとERCP

• MRCPは胆汁や膵液のT2値が非常に長いことを利用してX線の造影検査であるERCPと同様の情報を得ようとした手法。

(a)MRCP (b)ERCP

ERCPとの比較

ERCP MRCP

造影剤非イオン性ヨード造影剤

(モノマー型)必要としない

副作用 なし なし

侵襲度 中(内視鏡使用) 小(検査中の体動制限)

前処置

・絶食・消泡剤の経口投与・喉の麻酔・鎮静剤の静注

・絶食・塩化マンガン四水和物orクエン酸鉄アンモニウム投与

検査後 制限事項なし 制限事項なし

MRミエログラフィ(MR myelography)

• CSF(脳脊髄液)のT2値が非常に長いことを利用してX線の造影ミエログラフィと近似した画像を得る手法。

(a)X線ミエログラフィ (b)MRミエログラフィ

特徴

• MRI装置を用いて造影剤を使用せずに脊髄腔を描出する撮像法。

• GRE法、FSE法、STIR法、HASTE法を用いてheavyT2WI(強いT2強調画像)を撮像する。

• 得られた断面像にMIP処理を加え、3次元画像にすることで多方向からの観察が可能となり立体的な把握が可能。

• 椎間板ヘルニア、脊髄内腫瘍等に有用。

パルスシーケンスによる画像の違い

X線ミエログラフィとの比較

X線ミエログラフィ MRミエログラフィ

造影剤非イオン性ヨード造影剤

(ダイマー型)必要としない

副作用 あり なし

侵襲度 中(腰椎穿刺) 小(検査中の体動制限)

前処置 絶食 なし

検査後頭高位

(検査後、6時間は座位または半座位)

制限事項なし

MRU(MR urography)

• 尿路にたまった尿のT2値が長いことを利用してX線造影検査の経静脈性腎盂造影(IVP)と近似した画像を得る手法。

(a)経静脈性腎盂造影 (b)MRウログラフィ

特徴

• MRI装置を用いて造影剤を使用せずに尿路を描出する撮像法。

• シングルショットのFSE法(HASTE法、RARE法)を用いてheavyT2WI(強いT2強調画像)を撮像する。

• 得られた断面像にMIP処理を加え、3次元画像にすることで多方向からの観察が可能となり立体的な把握が可能。

灌流画像(perfusion weighted imaging)

• 灌流は「毛細血管レベルの血流動態」を指す。

• 灌流画像の撮像は大別される。

1.DSC法(dynamic susceptibility contrast)

… 造影剤を使用する。

2.ASL法(arterial spin labeling)

… 造影剤を使用しない。

*使用するパルスシーケンス

GRE-EPI、GRE、SE

造影剤を使用した灌流画像DSC法(dynamic susceptibility contrast)

• 造影剤が毛細血管に到達する際に生じる一過性の磁化率の変化を利用している。

(a)造影剤通過前 (c)造影剤通過後(b)造影剤通過中

*造影剤の通過中は、脳実質の信号強度が低下する。

時間-濃度曲線:TDC(time density carve)

• 濃度曲線の解析から、①血液量(γCBV)…血管床の体積を示す指標

②血流量(γCBF)…血管床を単位時間に流れる血液の量の指標

③平均通過時間(MTT)…組織を通過する血液の速度の指標

などを算出する。

マッピング画像

≪症例≫左中大脳動脈が閉塞した脳梗塞:発症1日後

主な適応疾患

• 脳梗塞

• 脳腫瘍…血流状態から悪性度を判定

問題(国家試験問題)

MRCPについて正しいのはどれか。

1.ガドリニウム造影剤静注後に撮像する。

2.強いT2(heavy T2)強調画像である。

3.非イオン性ヨード造影剤投与後に撮像する。

4.胃全適後の患者には適応できない。

5.主膵管閉塞があると膵尾部膵管は評価できない。

問題(国家試験問題)

MRCPについて誤っているのはどれか。2つ選べ。

1.総胆管結石の診断が行える。

2.カテーテル操作を必要としない。

3.胃全摘後の患者でも診断が行える。

4.造影剤の副作用対策が必要である。

5.全身状態の悪い患者には施行できない。

問題(国家試験問題)

MRCP像を示す。正しいのはどれか。

1.内視鏡で造影している。

2.強いT2(heavy T2)強調画像である。

3.ヨード造影剤を投与している。

4.ガドリニウム造影剤を投与している。

5.細網内皮系造影剤を投与している。