Metal-free oxidative synthesis of succinic acid from … Word - レジュメ.docx Author 化学...

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Metal-free oxidative synthesis of succinic acid from biomass-derived furan compounds using a solid acid catalyst with hydrogen peroxide Hemant Choudhary, Shun Nishimura, Kohki Ebitani Applied Catalysis A: General2013 45855– 62 報告者 1470 菊地 友佳子 〈Summary〉 コハク酸は,溶媒,食品や化粧品,医薬品など多くのものに利用されている物質である. 本論文では金属を含ま ない条件下で,非食用バイオマス由来の様々なフラン化合物の,固体酸存在下での過酸化水素による酸化を研究 した. アンバーリスト 15 と過酸化水素酸化により,フルフラールがコハク酸となった. フルフラール誘導体の 酸化にも有効であった. フルフラールがアンバーリストのベンゼン環とπ錯体を形成し,Baeyer-Villiger タイプ の酸化の後に,加水分解,開環,酸化を経てコハク酸となることが考えられた. 〈Experimental〉 フルフラール,5-ヒドロキシメチルフルフラール,2-フランカルボン酸とフラン 2,5-ジカルボン酸を酸化した. そこで得られたコハク酸を,ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させた. NMR により単離していること を確認し, 高速液体クロマトグラフィーを用いて, 以下の式によりコハク酸などのフルフラール誘導体の転化率 を調べた. [{(substrateinput substrateremained ) / substrateinput}×100], [(productdetected/ substrateinput ) × 100] 〈Results and Discussion〉 ・固体酸触媒と過酸化水素によるフルフラールの酸化 1 はフルフラールの酸化のための種々の固体酸における,コハク酸の収率とフルフラールの転化率を示した. アンバーリスト(エントリー1)が収率・転化率ともに最も高い活性を示した. エントリー13 1 を比較すると, 過酸化水素とアンバーリスト 15 2 つの存在下でコハク酸に対するフルフラールの選択的酸化を起こすために 必須だということを示している. p-TsOH(パラトルエンスルホン酸)(エントリー9)でエントリー1 の次に良い 結果がでたので,フランカルボニル化合物とSO3H官能基および, フラン環とベンゼン環のπ錯体による影響と 考えた. ・アンバーリスト 15 と過酸化水素存在下での 5-ヒドロキシメチルフルフラールの酸化 今回はコハク酸だけでなく,2-オキソグルタル酸を主要な生成物として得た. 2 は、それぞれの収率を示す. 2- オキソグルタル酸の収率は常にコハク酸より高かった. 反応時間が長ければ長いほど,コハク酸の収率は良かっ . 3 では,酸化反応の際における,過酸化水素と収率と転化率をプロットしている. 4 の結果からオキソグル タル酸およびコハク酸の収率は過酸化水素水や反応混合物中の酸性部位の量によって影響されたと言える. ・アンバーリスト 15 と過酸化水素存在下でのフランカルボン酸の酸化 4 は,フランカルボン酸の酸化における反応温度の影響を示している. アンバーリスト 15 ,少量であるがオ キソグルタル酸,コハク酸,フランカルボン酸を形成した. コハク酸などの収率は反応温度を上げるとともに連続 的に増加することが分かった. ・反応条件の考察 フルフラールは転化率,コハク酸の収率・選択性の点でこの反応のための最も良い物質だということがわかった. 適当な反応条件としては 353 Kの酸化における反応温度で行う. 反応を促進する触媒にアンバーリスト 15 , 酸化剤に過酸化水素を 4 mmol 用いて,フルフラールを酸化することでコハク酸が高い収率で得ることができる.

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Metal-free oxidative synthesis of succinic acid from biomass-derived furan compounds using a solid acid catalyst with hydrogen peroxide Hemant Choudhary, Shun Nishimura, Kohki Ebitani Applied Catalysis A: General,2013,458,55– 62 報告者 1470 菊地 友佳子 〈Summary〉 コハク酸は,溶媒,食品や化粧品,医薬品など多くのものに利用されている物質である. 本論文では金属を含ま

ない条件下で,非食用バイオマス由来の様々なフラン化合物の,固体酸存在下での過酸化水素による酸化を研究

した. アンバーリスト 15 と過酸化水素酸化により,フルフラールがコハク酸となった. フルフラール誘導体の酸化にも有効であった. フルフラールがアンバーリストのベンゼン環とπ錯体を形成し,Baeyer-Villiger タイプの酸化の後に,加水分解,開環,酸化を経てコハク酸となることが考えられた.

〈Experimental〉

フルフラール,5-ヒドロキシメチルフルフラール,2-フランカルボン酸とフラン 2,5-ジカルボン酸を酸化した. そこで得られたコハク酸を,ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させた. NMR により単離していることを確認し, 高速液体クロマトグラフィーを用いて, 以下の式によりコハク酸などのフルフラール誘導体の転化率を調べた. [{(substrateinput − substrateremained ) / substrateinput}×100], [(productdetected/ substrateinput ) × 100]

〈Results and Discussion〉

・固体酸触媒と過酸化水素によるフルフラールの酸化 表 1 はフルフラールの酸化のための種々の固体酸における,コハク酸の収率とフルフラールの転化率を示した. アンバーリスト(エントリー1)が収率・転化率ともに最も高い活性を示した. エントリー13と 1を比較すると,過酸化水素とアンバーリスト 15 の 2 つの存在下でコハク酸に対するフルフラールの選択的酸化を起こすために必須だということを示している. p-TsOH(パラトルエンスルホン酸)(エントリー9)でエントリー1の次に良い結果がでたので,フランカルボニル化合物とSO3H官能基および, フラン環とベンゼン環のπ錯体による影響と考えた. ・アンバーリスト 15と過酸化水素存在下での 5-ヒドロキシメチルフルフラールの酸化 今回はコハク酸だけでなく,2-オキソグルタル酸を主要な生成物として得た. 図 2 は、それぞれの収率を示す. 2-オキソグルタル酸の収率は常にコハク酸より高かった. 反応時間が長ければ長いほど,コハク酸の収率は良かった. 図 3では,酸化反応の際における,過酸化水素と収率と転化率をプロットしている. 図 4の結果からオキソグルタル酸およびコハク酸の収率は過酸化水素水や反応混合物中の酸性部位の量によって影響されたと言える. ・アンバーリスト 15と過酸化水素存在下でのフランカルボン酸の酸化 表 4は,フランカルボン酸の酸化における反応温度の影響を示している. アンバーリスト 15は,少量であるがオキソグルタル酸,コハク酸,フランカルボン酸を形成した. コハク酸などの収率は反応温度を上げるとともに連続的に増加することが分かった. ・反応条件の考察 フルフラールは転化率,コハク酸の収率・選択性の点でこの反応のための最も良い物質だということがわかった. 適当な反応条件としては 353 Kの酸化における反応温度で行う. 反応を促進する触媒にアンバーリスト 15 を,酸化剤に過酸化水素を 4 mmol用いて,フルフラールを酸化することでコハク酸が高い収率で得ることができる.