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2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.1 MCP9600 特長 熱電対起電力 (EMF)/ 温度コンバータ : - 冷接点補償内蔵 サポートするタイプ (NIST ITS-90 で指定 ): - K, J, T, N, S, E, B, R 温接点精度 : ±1.5 (max.) 計測分解能 : - 温接点と冷接点 : 0.0625 (typ.) 4 つのプログラマブルな温度アラート出力 : - 測温接点および冷接点温度の監視 - 温度の上昇 / 下降の検出 - 最大 255 ℃のプログラマブルなヒステリシス 温度用のプログラマブルなデジタルフィルタ 低消費電力 : - シャットダウン モード - バーストモード : 1 128 温度サンプル 2 線式インターフェイス : I 2 C 互換、100 kHz: - I 2 C バスごとに 8 個のデバイスをサポート 動作電圧レンジ : 2.7 5.5 V 消費電流 : 300 µA (typ.) シャットダウン電流 : 2 µA (typ.) パッケージ : 20 ピン MQFN 代表的なアプリケーション 石油化学製品の温度管理 ハンドヘルド計測機器 産業用機器の温度管理 オーブン 産業用エンジン温度監視装置 温度検出ラック 概要 Microchip 社の MCP9600 は内蔵の冷接点補償機能を 使って熱電対の起電力 (EMF) を温度 ( ) に変換します。 本デバイスは、 8 種類の熱電対の非線形誤差を補正し、 ±1.5 ℃の精度で温度データを出力します。補正係数は 米国標準技術局 (NIST) ITS-90 熱電対データベース に基づきます。 MCP9600 デジタル温度センサは、各種温度計測アプ リケーションを柔軟に設計できる、ユーザ設定可能な レジスタを備えています。これらのレジスタを使う事で、 バッテリ駆動のアプリケーション向けの低消費電力 モード、速い温度変化向けの調整可能なデジタルフィ ルタ、複数の温度ゾーンの検出に使える個別に設定可 能な 4 つの温度アラート出力等の設定をユーザが選択 できます。 温度アラートのリミット値は、Alert # ピンの極性 ( アクティブ Low/ アクティブ High プッシュプル出力 )出力機能 ( サーモスタット型動作に便利なコンパレータ モード / マイクロプロセッサ ベースシステム向けの 割り込みモード ) 等の複数のユーザ プログラマブルな 設定が可能です。さらに、これらのアラートは、最大 255 ℃のヒステリシスを備えており、温度の上昇と下 降をどちらでも検出できます。 このセンサは 2 線式 I 2 C 互換シリアル インターフェイス を備えており、ADDR ピンでデバイスアドレスを設定 する事で、バスごとに最大 8 個のデバイスをサポート します。 パッケージタイプ MCP9600 V DD PIC ® MCU I 2 C Alert 4 GND Types K, J, T, N, E, B, S, R V IN+ V IN- T C+ T C- ADDR 2 GND V IN - GND Alert 4 Alert 3 GND GND GND V DD GND Alert 2 SCL SDA GND GND V IN + EP 20 1 19 18 17 3 4 15 14 13 12 6 7 8 9 21 5 10 11 16 GND GND Alert 1 ADDR MCP9600 5x5 MQFN* * 露出サーマルパッド (EP) 付き ( 3-1 参照 ) 最大誤差 ±1.5 ℃の熱電対 EMF/ 温度コンバータ 注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジ ナルの英語版をご参照願います。

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MCP9600最大誤差 ±1.5 ℃の熱電対 EMF/ 温度コンバータ

注意 : この日本語版文書は参考資料としてご利用ください。最新情報は必ずオリジナルの英語版をご参照願います。

特長

• 熱電対起電力 (EMF)/ 温度コンバータ :- 冷接点補償内蔵

• サポートするタイプ (NIST ITS-90 で指定 ):- K, J, T, N, S, E, B, R

• 温接点精度 : ±1.5 ℃ (max.)• 計測分解能 :

- 温接点と冷接点 : 0.0625 ℃ (typ.)• 4 つのプログラマブルな温度アラート出力 :

- 測温接点および冷接点温度の監視

- 温度の上昇 / 下降の検出

- 最大 255 ℃のプログラマブルなヒステリシス

• 温度用のプログラマブルなデジタルフィルタ

• 低消費電力 :- シャットダウン モード

- バーストモード : 1 ~ 128 温度サンプル

• 2 線式インターフェイス : I2C 互換、100 kHz:- I2C バスごとに 8 個のデバイスをサポート

• 動作電圧レンジ : 2.7 ~ 5.5 V• 消費電流 : 300 µA (typ.)• シャットダウン電流 : 2 µA (typ.)• パッケージ : 20 ピン MQFN

代表的なアプリケーション

• 石油化学製品の温度管理

• ハンドヘルド計測機器

• 産業用機器の温度管理

• オーブン

• 産業用エンジン温度監視装置

• 温度検出ラック

概要

Microchip 社の MCP9600 は内蔵の冷接点補償機能を使って熱電対の起電力 (EMF)を温度 (℃ )に変換します。本デバイスは、8 種類の熱電対の非線形誤差を補正し、±1.5 ℃の精度で温度データを出力します。補正係数は米国標準技術局 (NIST) の ITS-90 熱電対データベースに基づきます。 MCP9600 デジタル温度センサは、各種温度計測アプリケーションを柔軟に設計できる、ユーザ設定可能なレジスタを備えています。これらのレジスタを使う事で、バッテリ駆動のアプリケーション向けの低消費電力モード、速い温度変化向けの調整可能なデジタルフィルタ、複数の温度ゾーンの検出に使える個別に設定可能な 4 つの温度アラート出力等の設定をユーザが選択できます。

温度アラートのリミット値は、Alert # ピンの極性( アクティブ Low/ アクティブ High プッシュプル出力 )、出力機能 (サーモスタット型動作に便利なコンパレータモード / マイクロプロセッサ ベースシステム向けの割り込みモード ) 等の複数のユーザ プログラマブルな設定が可能です。さらに、これらのアラートは、最大255 ℃のヒステリシスを備えており、温度の上昇と下降をどちらでも検出できます。

このセンサは2線式 I2C互換シリアル インターフェイスを備えており、ADDR ピンでデバイスアドレスを設定する事で、バスごとに最大 8 個のデバイスをサポートします。

パッケージタイプ

MCP9600

VDDPIC® MCU

I2C

Alert4

GND

Types K, J, T,N, E, B, S, R

VIN+

VIN-

TC+

TC-

ADDR

2GNDVIN-

GND Alert 4

Alert 3

GN

D

GND

GN

D

V DD

GN

D

Alert 2

SCL

SDA

GN

DG

ND

VIN+EP

201

19 18 17

34

15

1413

12

6 7 8 9

21

5

10

11

16

GND

GN

D

Alert 1

ADD

RMCP96005x5 MQFN*

* 露出サーマルパッド (EP) 付き ( 表 3-1 参照 )

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MCP9600

MCP9600 のレジスタ

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MCP9600

1.0 電気的特性

絶対最大定格 †VDD........................................................................................................................................................................... 6.0 V全ての入力 / 出力ピンの電圧 .......................................................................................................... GND – 0.3 V ~ 6.0 V保管温度.................................................................................................................................................... –65 ~ +150 ℃電源投入中の周囲温度 ............................................................................................................................... -40 ~ +125 ℃接合部温度 (TJ) .....................................................................................................................................................+150 ℃全ピンの ESD 保護 (HBM/MM) ..................................................................................................................... (4 kV/300 V)ラッチアップ電流 ( 各ピン ) .............................................................................................................................. ±100 mA

† Notice: ここに記載した「絶対最大定格」を超える条件は、デバイスに恒久的な損傷を生じさせる可能性があります。これはストレス定格です。本仕様書の動作表に示す条件外でのデバイスの運用は想定していません。絶対最大定格条件を超えて長期間曝露させるとデバイスの信頼性に影響する可能性があります。

DC 特性電気的仕様 : 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V, GND = グランド , TA = -40 ~ +125 ℃です (TA = TC、デバイスの

周囲温度として定義 )。パラメータ 記号 Min. Typ. Max. 単位 条件

熱電対センサの計測精度

TH 測温接点精度 (VDD = 3.3 V)TH = TC + TΔ

TH_ACY -1.5 ±0.5 +1.5 ℃ TA = 0 ~ +85 ℃-3.0 ±1 +3.0 ℃ TA = -40 ~ +125 ℃

TC 冷接点精度 (VDD = 3.3 V) TC_ACY -1.0 ±0.5 +1.0 ℃ TA = 0 ~ +85 ℃-2.0 ±1 +2.0 ℃ TA = -40 ~ +125 ℃

TΔ 接点デルタ温度精度 K 型 : TΔ = -200 ~ +1372 ℃

VEMF レンジ : -5.907 ~ +54.886 mV

TΔ_ACY -0.5 ±0.25 +0.5 ℃ TA = 0 ~ +85 ℃ ,VDD = 3.3 V (Note 1)

J 型 : TΔ = -150 ~ +1200 ℃VEMF レンジ : -3.336 ~ +47.476 mV

T 型 : TΔ = -200 ~ +400 ℃VEMF レンジ : -5.603 ~ +20.81 mV

N 型 : TΔ = -150 ~ +1300 ℃VEMF レンジ : -3.336 ~ +47.476 mV

E 型 : TΔ = -200 ~ +1000 ℃VEMF レンジ : -8.825 ~ +76.298 mV

S 型 : TΔ = -250 ~ +1664 ℃VEMF レンジ : -1.875 ~ +17.529 mV

TA = 0 ~ +85 ℃ , VDD = 3.3 V (Note 1, 2)

B 型 : TΔ = +1000 ~ +1800 ℃VEMF レンジ : -4.834 ~ +13.591 mV

R 型 : TΔ = +250 ~ +1664 ℃VEMF レンジ : -1.923 ~ +19.732 mV

Note 1: T_ACY 温度精度仕様は、NIST の ITS-90 熱電対 EMF/ 摂氏変換データベースに対応するデバイス精度として定義されています。T も測温接点と冷接点の温度差 (NIST ITS-90 データベースの温度 ) として定義されています。

2: 本デバイスは、仕様レンジを下回る温度も計測します。しかし、温度変化に対する感度は指数関数的に減少します。R 型は最低 -50 ℃、-0.226 mVEMF まで、S 型は最低 -50 ℃、-0.235 mVEMF までそれぞれ計測します。B型は最低500 ℃、1.242 mVEMFまで計測します(図2-7、2-8、2-14および図2-10、2-11、2-17参照)。

3: VIN_CM 入力レンジを超えると、熱電対入力ピンに ESD 保護ダイオードを通してリーク電流が流れる事があります。このパラメータは特性データであり、製造時の検査は実施していません。

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MCP9600

センサ特性

TC と TH の温度分解能 TRES – ±0.0625 – ℃ 最大分解能の場合

サンプリング レート (TA = +25 ℃ ) tCONV – 300 – ms 18 ビット分解能

– 80 – ms 16 ビット分解能

– 20 – ms 14 ビット分解能

– 5 – ms 12 ビット分解能

温度計算時間 tCALC – 12 – ms TA = +25 ℃熱電対入力

オフセット誤差 VOERR – ±2 – µVオフセット誤差ドリフト VOERR_D

RF

– 50 – nV/℃

フルスケール ゲイン誤差 GERR – – ±0.04 %FS TA = 0 ~ +85 ℃フルスケール ゲイン誤差ドリフト GERR_DRF – ±0.01 – %FSフルスケール積分非直線性 INL – 10 – ppm電圧分解能 VRES – 2 – µV 18 ビット分解能

差動モードレンジ VIN_DF -250 – +250 mV ADC 入力レンジ

差動モード インピーダンス ZIN_DF – 300 – kコモンモード レンジ VIN_CM VDD-0.3 – VDD+0.3 V (Note 3)

コモンモード インピーダンス ZIN_CM – 25 – M

コモンモード除去比 CMRR – 105 – dB電源電圧除去比 PSRR – 60 – dBライン レギュレーション VLine_R – 0.2 – ℃ /VAlert 1, 2, 3, 4 出力

Low レベル電圧 VOL – – 0.4 V IOL = 3 mAHigh レベル電圧 VOH VDD-0.5 – – V IOH = 3 mA

動作電圧と消費電流

動作電圧 VDD 2.7 – 5.5 VI2C 非動作時電流 IDD – 0.3 0.5 mA VDD = 3.3 V, TA = 85 ℃I2C 動作時 ( または tCALC 中 ) 電流 – 1.5 2.5 mAシャットダウン電流 ISHDN – 2 5 µA I2C 非動作時

パワーオン リセット (POR) しきい値 VPOR 1.0 2.1 2.6 V VDD 立ち上がり /立ち下がり時

温度応答

5x5 mm MQFN パッケージ ( 冷接点 ) tRSP – 3 – s 63% までの時間、+25 ℃ ( 空気中 ) ~+125 ℃ ( 油浴 )、2x2 インチ PCB

DC 特性電気的仕様 : 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V, GND = グランド , TA = -40 ~ +125 ℃です (TA = TC、デバイスの

周囲温度として定義 )。パラメータ 記号 Min. Typ. Max. 単位 条件

Note 1: T_ACY 温度精度仕様は、NIST の ITS-90 熱電対 EMF/ 摂氏変換データベースに対応するデバイス精度として定義されています。T も測温接点と冷接点の温度差 (NIST ITS-90 データベースの温度 ) として定義されています。

2: 本デバイスは、仕様レンジを下回る温度も計測します。しかし、温度変化に対する感度は指数関数的に減少します。R 型は最低 -50 ℃、-0.226 mVEMF まで、S 型は最低 -50 ℃、-0.235 mVEMF までそれぞれ計測します。B型は最低500 ℃、1.242 mVEMFまで計測します(図2-7、2-8、2-14および図2-10、2-11、2-17参照)。

3: VIN_CM 入力レンジを超えると、熱電対入力ピンに ESD 保護ダイオードを通してリーク電流が流れる事があります。このパラメータは特性データであり、製造時の検査は実施していません。

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MCP9600

I/O ピンの DC 特性電気的仕様 : 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V, GND = 0 V, TA = -40 ~ +125 ℃です (TA = TC、デバイスの周囲温度として定義 )。

パラメータ 記号 Min. Typ. Max. 単位 条件

シリアル入力 / 出力と I2C スレーブアドレス入力 (ADDR)入力 (SCL, SDA)High レベル電圧 VIH 0.7 VDD – – VLow レベル電圧 VIL – – 0.3 VDD V入力電流 ILEAK – – ±2 µA出力 (SDA)Low レベル電圧 VOL – – 0.4 V IOL = 3 mAHigh レベル電流 ( リーク ) IOH – – 1 µA VOH = VDD

Low レベル電流 IOL 6 – – mA VOL = 0.6 V静電容量 CIN – 5 – pFI2C スレーブアドレス選択レベル (Note 1)コマンドバイト <1100 000x> VADDR GND – – V アドレス = 0コマンドバイト <1100 001x> VADDR_L

(Note 2)VADDR_TYP

(Note 2)VADDR_H(Note 2)

アドレス = 1コマンドバイト <1100 010x> アドレス = 2コマンドバイト <1100 011x> アドレス = 3コマンドバイト <1100 100x> アドレス = 4コマンドバイト <1100 101x> アドレス = 5コマンドバイト <1100 110x> アドレス = 6コマンドバイト <1100 111x> – – VDD アドレス = 7SDA および SCLK 入力

ヒステリシス VHYST – 0.05 VDD – V VDD > 2 Vスパイク抑制 TSP – 50 – nsNote 1: ADDR ピンは、VDD または VSS に接続できます。その他のスレーブアドレスの選択のため、抵抗分圧器

ネットワークを使って GND ~ VDD 間の電圧レベルを設定できます。本デバイスは最大 8 レベルをサポートします ( 推奨抵抗値はセクション 6.3.1「I2C アドレス指定」参照 )。

2: VADDR_TYP = Address*VDD/8 + VDD/16, VADDR_L = VADDR_TYP - VDD/32, VADDR_H = VADDR_TYP + VDD/32(Address = 1, 2, 3, 4, 5, 6)

温度特性電気的仕様 : 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V, GND = 0 V です。

パラメータ 記号 Min. Typ. Max. 単位 条件

温度レンジ

仕様温度レンジ TA -40 – +125 ℃ Note 1動作温度レンジ TA -40 – +125 ℃

保管温度レンジ TA -65 – +150 ℃

パッケージ熱抵抗

熱抵抗、MQFN JA – 38.8 – ℃ /WNote 1: このレンジでの動作中に TJ が最高接合部温度 (+150 ℃ ) を超えない事が必要です。

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.5

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MCP9600

図 1-1: タイミング図

センサと EEPROM シリアル インターフェイスのタイミング仕様電気的仕様 : 特に明記しない場合、GND = 0 V, TA = -40 ~ +125 ℃ , VDD = 2.7 ~ 5.5 V、CL = 80 pF です (Note 1)。

パラメータ 記号 最小 最大 単位

2 線式 I2C インターフェイス

シリアルポート周波数 fSCL 10 100 kHzクロック Low 期間 (Note 2) tLOW 4700 – nsクロック High 期間 tHIGH 4000 – ns立ち上がり時間 (Note 3) tR – 1000 ns立ち下がり時間 (Note 3) tF 20 300 nsデータ入力セットアップ時間 (Note 2) tSU:DAT 250 – nsデータ入力ホールド時間 tHD:DAT 0 – nsSTART 条件セットアップ時間 tSU:STA 4700 – nsSTART 条件ホールド時間 tHD:STA 4000 – nsSTOP 条件セットアップ時間 tSU:STO 4000 – nsバスアイドル / フリー tB-FREE 10 – µsバス容量性負荷 Cb – 400 pfクロック ストレッチ tSTRETCH 60 – µsNote 1: 全ての値の計測に VIL MAX および VIH MIN レベルを使いました。

2: 本デバイスを標準モードの I2C バスシステムで使う事は可能ですが、その場合も tSU:DAT 250 ns の要件を満たす必要があります。

3: 特性データであり、製造時の検査は実施していません。

t SU-STA

RT

t HD-STA

RT

t SU-DATA

t SU-STOP

t B-FREE

SCL

SDA

t HIGH

t LOW

t R, t F

START 条件 データ転送 STOP 条件

t HD-DI

t STRETCH

ACK

DS20005426A_JP - p.6 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

2.0 代表性能曲線

Note: 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V、GND = 0 V、SDA/SCL は VDD にプルアップ、TA = -40 ~ +125 ℃です。

図 2-1: NIST ITS-90 データベースの代表温度精度 (K 型 )

図 2-2: NIST ITS-90 データベースの代表温度精度 (J 型 )

図 2-3: NIST ITS-90 データベースの代表温度精度 (N 型 )

図 2-4: 18 ビット分解能の温度感度 (K 型 )

図 2-5: 18 ビット分解能の温度感度 (J 型 )

図 2-6: 18 ビット分解能の温度感度 (N 型 )

Note: 以下の図表は限られたサンプル数に基づく統計的な結果であり、あくまでも情報提供を目的としています。ここに記載する性能特性は検査されておらず、保証されません。下図表の一部には、仕様動作レンジ外で計測されたデータも含みます(例: 仕様レンジ外の電源を使用)。従ってこれらのデータは保証範囲外です。

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

-200 300 800 1300 1800

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type K

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

-200 300 800 1300 1800

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type J

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

-200 300 800 1300 1800

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type N

0.000

0.250

0.500

-200 300 800 1300 1800

Sens

itivi

ty (Δ

°C/L

Sb)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type K

0.000

0.250

0.500

-200 300 800 1300 1800

Sens

itivi

ty (Δ

°C/L

Sb)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type J

0.000

0.250

0.500

-200 300 800 1300 1800

Sens

itivi

ty (Δ

°C/L

Sb)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type N

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.7

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MCP9600

Note: 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V、GND = 0 V、SDA/SCL は VDD にプルアップ、TA = -40 ~ +125 ℃です。

図 2-7: NIST ITS-90 データベースの代表温度精度 (S 型 )

図 2-8: NIST ITS-90 データベースの代表温度精度 (R 型 )

図 2-9: NIST ITS-90 データベースの代表温度精度 (E 型 )

図 2-10: 18 ビット分解能の温度感度 (S 型 )

図 2-11: 18 ビット分解能の温度感度 (R 型 )

図 2-12: 18 ビット分解能の温度感度 (E 型 )

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

-200 300 800 1300 1800

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type S

Specified Range

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

-200 300 800 1300 1800

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type R

Specified Range

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

-200 300 800 1300 1800

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type E

0.000

0.250

0.500

-200 300 800 1300 1800

Sens

itivi

ty (Δ

°C/L

Sb)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type S

Specified Range

0.000

0.250

0.500

-200 300 800 1300 1800

Sens

itivi

ty (Δ

°C/L

Sb)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type R

Specified Range

0.000

0.250

0.500

-200 300 800 1300 1800

Sens

itivi

ty (Δ

°C/L

Sb)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type E

DS20005426A_JP - p.8 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

Note: 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V、GND = 0 V、SDA/SCL は VDD にプルアップ、TA = -40 ~ +125 ℃です。

図 2-13: NIST ITS-90 データベースの代表温度精度 (T 型 )

図 2-14: NIST ITS-90 データベースの代表温度精度 (B 型 )

図 2-15: 入力オフセット誤差電圧 (VIN+, VIN-)

図 2-16: 18 ビット分解能の温度感度 (T 型 )

図 2-17: 18 ビット分解能の温度感度 (B 型 )

図 2-18: フルスケール ゲイン誤差

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

-200 300 800 1300 1800

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type T

-0.50

-0.25

0.00

0.25

0.50

-200 300 800 1300 1800

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type B

Specified Range

-10

-5

0

5

10

-40 -20 0 20 40 60 80 100 120

Off

se

t E

rro

r (µ

V)

Temperature (°C)

0.000

0.250

0.500

-200 300 800 1300 1800

Sens

itivi

ty (Δ

°C/L

Sb)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type T

0.000

0.250

0.500

-200 300 800 1300 1800

Sens

itivi

ty (Δ

°C/L

Sb)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

Type B

Specified Range

-0.4

-0.3

-0.2

-0.1

0

0.1

0.2

0.3

0.4

-40 -20 0 20 40 60 80 100 120

Gain

Err

or

(% o

f F

SR

)

Temperature (°C)

VDD = 3.3V

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.9

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MCP9600

Note: 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V、GND = 0 V、SDA/SCL は VDD にプルアップ、TA = -40 ~ +125 ℃です。

図 2-19: 入力ノイズ、フルスケールに対する %

図 2-20: 冷接点センサ温度精度

図 2-21: SDA およびアラート出力、VOL のVDD 依存度

図 2-22: 積分非直線性の VDD 依存度

図 2-23: 冷接点センサ温度精度の分布

図 2-24: アラート出力、VOH の VDD 依存度

0.0

2.5

5.0

7.5

10.0

-100 -75 -50 -25 0 25 50 75 100

No

ise (

µV

, rm

s)

Input Voltage (% of Full-Scale)

TA = +25°C

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

-40 -20 0 20 40 60 80 100 120

T_A

CY

(°C

)

T Temperature, ITS-90 Database (°C)

3.3VStdev+Stdev-

VDD = 3.3V722 units at -40°C, +45°C, +125°C64 units at other temperatures

Average

Spec Limit

-Std. Dev.

+Std. Dev.

0

100

200

300

400

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5

VO

L(µ

A)

VDD (V)

-40C

35C

85C

125C

SDA, and Alert 1, 2, 3, 4 outputs

TA = +125°C

TA = -40°C

TA = +35°C

TA = +85°C

0.000

0.001

0.002

0.003

0.004

0.005

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5VDD (V)

Inte

gra

lN

on

lin

ea

rity

(% o

f F

SR

)

0%

10%

20%

30%

40%

-1.0

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

Occu

rren

ces

Temperature Accuracy (°C)

TA = -40°C to +125°CVDD = 3.3V2787 units

100

200

300

400

500

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5

VD

D-

VO

H(µ

A)

VDD (V)

-40C

35C

85C

125C

Alert 1, 2, 3, 4 outputs TA = -40°C

TA = +35°C

TA = +85°C

TA = +125°C

DS20005426A_JP - p.10 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

Note: 特に明記しない場合、VDD = 2.7 ~ 5.5 V、GND = 0 V、SDA/SCL は VDD にプルアップ、TA = -40 ~ +125 ℃です。

図 2-25: I2C 非動作時 IDD の VDD 依存度

図 2-26: I2C 動作時 IDD の VDD 依存度

図 2-27: シャットダウン電流、ISHDN の VDD依存度

図 2-28: SDA, SCL, ADDR入力ピンリーク電流、ILEAK の VDD 依存度

図 2-29: I2C インターフェイス クロック ストレッチ時間、tSTRETCH の VDD 依存度

図 2-30: 温度計算時間、tCALC の VDD 依存度

100

200

300

400

500

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5

I2C

In

ac

tiv

e, I D

D(µ

A)

VDD (V)

-40C

35C

85C

125C

TA = -40°C

TA = +35°C

TA = + 85°C

TA = +125°C

500

1000

1500

2000

2500

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5

I2C

Ac

tiv

e, I D

D(µ

A)

VDD (V)

-40C

35C

85C

125C

TA = -40°C

TA = +35°C

TA = + 85°C

TA = +125°C

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5

ISH

DN

A)

VDD (V)

-40C

35C

85C

125C

TA = -40°C

TA = +35°C

TA = + 85°C

TA = +125°C

0.0

1.0

2.0

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5

I LE

AK

(µA

)

VDD (V)

-40C

35C

85C

125C

ADDR/SDA/SCL pins TA = -40°C

TA = +35°C

TA = +85°C

TA = +125°C

0.0

20.0

40.0

60.0

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5

t ST

RE

TC

H(µ

s)

VDD (V)

-40C

35C

85C

125C

TA = -40°C

TA = +125°C

TA = +85°C

TA = +35°C

-2.0%

-1.0%

0.0%

1.0%

2.0%

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5

ΔtC

AL

C(%

)

VDD (V)

-40C

35C

85C

125C

Conditions:tCALC = 12ms (typical) VDD = 3.3VTA = Room Temperature

TA = -40°C

TA = +35°C

TA = + 85°C

TA = +125°C

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.11

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MCP9600

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MCP9600

3.0 ピンの説明表 3-1 に、ピンの機能を示します。

3.1 グランド (GND) ピン

GND はシステムグランドです。ピン 1, 3, 5, 13, 17 はシステムのグランドピンです。これらは同電位です。しかし、ピン 6, 7, 9, 10, 18 は通常動作ではグランドに接続する必要があります。

3.2 熱電対入力 (VIN+, VIN-)熱電対の配線をこれらの入力に直接接続します。正ノードを VIN+ ピンに接続し、負ノードを VIN- ピンに接続します。この熱電対電圧が摂氏に変換されます。

3.3 電源 (VDD) ピン

VDD は電源ピンです。DC 特性表に示す電圧レンジをこのピンに印加します。

3.4 プッシュプル アラート出力 (Alert 1, 2, 3, 4)

MCP9600 のアラートピンは、温度の上昇または下降の検出に使えるユーザ設定可能なプッシュプル出力です。ユーザが設定した温度アラートリミット値を周囲温度が超えると、本デバイスは信号を出力します。

3.5 I2C スレーブアドレス (ADDR) ピン

このピンを使ってI2Cスレーブアドレスを設定します。このピンは、抵抗分圧器ネットワークを使って GND ~VDD 間の電圧レベルを印加する事で、最大 8 つのアドレスレベルを選択するように設定できます。

3.6 シリアル クロックライン (SCL)SCL はクロック入力ピンです。全ての通信とタイミングはこのピンの信号を基準とします。このクロックは、バス上のホストまたはマスタ コントローラが生成します ( セクション 4.0「シリアル通信」参照 )。

3.7 シリアル データライン (SDA) SDA は、ホスト コントローラとの間でデータのシリアル転送に使う双方向の入力 / 出力ピンです。このピンにはプルアップ抵抗が必要です ( セクション 4.0「シリアル通信」参照 )。

表 3-1: ピン割り当て表

5x5 MQFN 記号 ピン機能

1, 3, 5,13, 17 GND 電気的グランド 2 VIN+ 熱電対正端子入力

4 VIN- 熱電対負端子入力

6, 7, 9, 10, 18 GND 電気的グランドではありません (GND に接続する事 )。8 VDD 電源 11 Alert 1 アラート出力 112 Alert 2 アラート出力 214 Alert 3 アラート出力 315 Alert 4 アラート出力 416 ADDR I2C スレーブアドレス選択電圧入力

19 SCL I2C クロック入力

20 SDA I2C データ入力

21 EP 露出サーマルパッド (EP) (GND に接続する事 )

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MCP9600

NOTE:

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MCP9600

4.0 シリアル通信

4.1 2 線式 I2C( 標準モード ) プロトコル互換インターフェイス

MCP9600 のシリアルクロック入力 (SCL) と双方向シリアル データライン (SDA) は、2 線式双方向データ通信ラインを構成します (I/O ピンの DC 特性とセンサと EEPROM シリアル インターフェイスのタイミング仕様の表を参照 )。バスプロトコルは以下の定義に従います。

4.1.1 データ転送

データ転送は、START 条件と、それに続く 7 ビットデバイスアドレスと読み出し / 書き込みビットで開始します。スレーブからの肯定応答 (ACK) で各バイトの受信を確認します。全てのアクセスは STOP 条件で終了する必要があります。 次回の通信は、tB-FREE 後に開始されます。

本デバイスは受信プロトコルをサポートします。レジスタは、最初の読み出しをポインタで指定できます。各反復読み出しまたは受信は、START 条件とそれに続くアドレスバイトで開始します。MCP9600 は前回選択したレジスタを記憶しています。従って、本デバイスは直前に指定したレジスタからデータを出力します( 反復ポインタの指定は不要 )。

4.1.2 マスタ / スレーブ

バスは、バスアクセスを制御し START および STOP条件を生成するマスタデバイス ( 通常はマイクロコントローラ ) が制御します。MCP9600 はスレーブデバイスであり、バス上の他のデバイスを制御する事はありません。マスタデバイスとスレーブデバイスはどちらも、トランスミッタとレシーバのどちらとしてでも動作できます。しかし、どちらのモードをアクティブにするかはマスタデバイスが決定します。

4.1.3 START/STOP 条件 SCLがHighの時にSDAラインをHighから Lowに変化させる事が START 条件を意味します。データ転送の前には必ずマスタからのSTART条件が必要です。SCLが High の時に SDA ラインを Low から High に変化させる事が STOP 条件を意味します。

データ転送中に START または STOP 条件が生成されると MCP9600 はバスを解放します。マスタからのSTOP 条件で全てのデータ転送は終了します。

4.1.4 アドレスバイト

START 条件後、ホストは 8 ビットのアドレスバイトをMCP9600 に送る必要があります。MCP9600 温度センサのアドレスは、バイナリの「11,0,0,A2,A1,A0」です。A2, A1, A0 ビットは、対応する VADDR 電圧レベルをADDR ピンに印加する事で外部的に設定します ( セクション「I/O ピンの DC 特性」参照 )。MCP9600 が ACKで応答するには、シリアル ビットストリームで転送された 7 ビットアドレスが、選択したアドレスと一致する必要があります。アドレスバイトの bit 8 は読み出し /書き込みビットです。このビットを「1」に設定すると読み出し動作を命令し、「0」に設定すると書き込み動作を命令します ( 図 4-1 参照 )。

図 4-1: デバイスアドレスの指定

表 4-1: MCP9600 のシリアルバス プロトコルの説明

用語 説明

マスタ シリアルバスを制御するデバイス( 通常はマイクロコントローラ )

スレーブ マスタによってアドレス指定されるデバイス ( 例 : MCP9600)

トランスミッタ

バスにデータを送っているデバイス

レシーバ バスからデータを受け取っているデバイス

START スレーブとのシリアル インターフェイスを開始するための、マスタからの固有の信号

STOP スレーブとのシリアル インターフェイスを終了するための、マスタからの固有の信号

読み出し /書き込み

MCP9600のレジスタの読み出しまたは書き込み

ACK レシーバはバスをポーリングする事で、各バイトを受け取った事を肯定応答(ACK) する。

NAK レシーバはデータ終了(EOD)を示すため、否定応答 (NAK) する。またはバスを解放する。

ビジー バスが使用中のため、通信できない。

ビジーではない

バスがアイドル状態にある(SDAとSCLが両方共 High のまま )。

データ有効 データビットが有効とみなされるには、SCL が High になる前に SDA の状態が変化してはならない。通常のデータ転送の場合、SDA ピンは SCL が Low の間にのみ状態を変更できる。

1 2 3 4 5 6 7 8 9SCL

SDA 1 1 0 0 A2 A1 A0

Start

Command Byte

SlaveR/W

MCP9600 Response

Address

ACK

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MCP9600

4.1.5 データ有効 START 条件の後、SCL が Low から High に切り換わる前に、転送データの各ビットは SU-DATA で指定した期間安定している必要があります (センサとEEPROMシリアル インターフェイスのタイミング仕様の表を参照 )。

4.1.6 肯定応答 (ACK/NAK)レシーバとして動作する各デバイスは、アドレス指定された場合、1 バイトを受信するたびに ACK ビットを返す必要があります。マスタデバイスは、ACK 認識用に1 周期のクロックパルスを生成する必要があります。 ACK を返すデバイスは、マスタが SCL を Low からHigh に切り換える前に、SDA ラインを tSU-DATA の間プルダウンします。SDA は、SCL の High から Low への変化の前にも、tHD-DAT の間プルダウンしたままにする必要があります。 読み出しの場合、スレーブからの最終ビットが出力されると、マスタは ACK ビットを返さずに (NAK)、データ受信終了信号 (EOD) をスレーブへ送る必要があります。その場合、スレーブはマスタデバイスが STOP 条件を生成できるようにデータラインを解放したままにします。

4.1.7 クロック ストレッチ

I2C の読み出し動作中、ACK 信号の立ち下がりエッジの後、本デバイスは I2C クロックラインを tSTRECH の間 Low に保持します。バス競合を防ぐため、この期間中マスタ コントローラは SCL ラインを解放する、または Low に保持する必要があります。 さらに、マスタ コントローラは、読み出しコマンドによる ACK ビット生成後、連続する 8 クロックサイクルを出力する必要があります。これにより、デバイスはSDA 出力シフトレジスタからデータを送出できます。クロックサイクルが不足した場合、バス競合が生じる事があります。データ転送の最後にマスタ コントローラは、NAK ビットに続けて STOP ビットを送り通信を終了する必要があります。

図 4-2: クロック ストレッチ

4.1.8 シーケンシャル読み出し

シーケンシャル読み出し中、本デバイスは前回設定されたレジスタポインタから始まる開始レジスタからデータを転送します。MCP9600 はアドレスポインタを内蔵しています。このアドレスポインタは、読み出しデータ転送とそれに続くマスタからの ACK が完了するたびにインクリメントします。STOP ビットで、シーケンシャル読み出しは終了します。

ACK X X X X

ACK

A0

7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

XR

MCP9600 Master

X X X

MCP9600 Clock Stretching – tSTRETCH

TH MSB Data

DS20005426A_JP - p.16 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

図 4-3: レジスタポインタの設定と 2 バイトデータ読み出しの設定のタイミング図

SDAACK

1 1 0 0 A 0 0 0 0ACKS 2

A1

A0

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

SCL

0

Address Byte

MCP9600

W 0 X X P

ACK1 1 0 0 A

MSB Data

ACK

NAK

S P2A1

A0

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

Address Byte LSB Data

R

MCP9600 Master Master

SDA

SCL

0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 0 1 0 0

MCP9600 Clock Stretching

表 4-2: ポインタ

読み出し専用レジスタ

ポインタ

TH 0000 0000TΔ 0000 0001TC 0000 0010

Note: 以下はルーチンの例です。

i2c_start(); // send START commandi2c_write(b’1100 0000’); // WRITE Command

// also, make sure bit 0 is cleared ‘0’i2c_write(b’0000 00XX’); // Write TH, TΔ, or TC registersi2c_stop(); // send STOP commandi2c_start(); // send START commandi2c_write(b’1100 0001’); // READ Command

// also, make sure bit 0 is set ‘1’UpperByte = i2c_read(ACK); // READ 8 bits

// and Send ACK bitLowerByte = i2c_read(NAK); // READ 8 bits

// and Send NAK biti2c_stop(); // send STOP command

//Convert the temperature dataif ((UpperByte & 0x80) == 0x80){ //TA 0°C

UpperByte = UpperByte & 0x7F; //Clear SIGNTemperature = 1024 - (UpperByte x 16 + LowerByte / 16);

}else //TA 0°CTemperature = (UpperByte x 16 + LowerByte / 16);

//Temperature = Ambient Temperature (°C)

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MCP9600

図 4-4: レジスタポインタの設定と 2 バイトデータ読み出しの設定のタイミング図

SDAACK

1 1 0 0 A 0 0 0 0ACKS 2

A1

A0

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

SCL

0

Address Byte

MCP9600

W 1 0 X P

ACK1 1 0 0 A N

AK

S P2A1

A0

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

Address Byte LSB Data

R

MCP9600 Master

SDA

SCL

X X X X X X X X

MCP9600 Clock Stretching

表 4-3: ポインタ

読み出し /書き込みレジスタ

ポインタ

ステータス 0000 0100コンフィグレーション 0000 0101

0000 0110

X X X XACK

1 2 3 4 5 6 7 8

X X X X

Register Data

Note: 以下はルーチンの例です。

i2c_start(); // send START commandi2c_write(b’1100 0000’); // WRITE Command

// also, make sure bit 0 is cleared ‘0’i2c_write(b’0000 01XX’); // Write Status or Configuration registersi2c_write(b’XXXX XXXX’); // Write register datai2c_stop(); // send STOP commandi2c_start(); // send START commandi2c_write(b’1100 0001’); // READ Command

// also, make sure bit 0 is set ‘1’Data = i2c_read(NAK); // READ 8 bits

// and Send NAK biti2c_stop(); // send STOP command

DS20005426A_JP - p.18 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

図 4-5: レジスタポインタの設定と 2 バイトデータ読み出しの設定のタイミング図

SDAACK1 1 0 0 A

Alert 1, 2, 3, 4 MSB

0 0 0 1ACKS 2

A1

A0

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

SCL

0

Address Byte

W 0 X X X X X XACK

1 2 3 4 5 6 7 8

X X X X

X X X XACK

1 2 3 4 5 6 7 8

X X X X P

表 4-4: ポインタ

アラートリミット値レジスタ

ポインタ

Alert 1 0001 0000Alert 2 0001 0001Alert 3 0001 0010Alert 4 0001 0011

MCP9600

Alert 1, 2, 3, 4 LSB

ACK1 1 0 0 A

MSB Data

ACK

NAK

S P2A1

A0

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

Address Byte LSB Data

R

MCP9600 Master Master

SDA

SCL

X X X X X X X X X X X X X X X X

MCP9600 Clock Stretching

Note: 以下はルーチンの例です。

i2c_start(); // send START commandi2c_write(b’1100 0000’); //WRITE Command

//also, make sure bit 0 is cleared ‘0’i2c_write(b’0001 00XX’); // Write Alert registersi2c_write(b’XXXX XXXX’); // Write register Upper Bytei2c_write(b’XXXX XXXX’); // Write register Lower Bytei2c_stop(); // send STOP commandi2c_start(); // send START commandi2c_write(b’1100 0001’); //READ Command

//also, make sure bit 0 is set ‘1’UpperByte = i2c_read(ACK); // READ 8 bits

//and Send ACK bitLowerByte = i2c_read(NAK); // READ 8 bits

//and Send NAK biti2c_stop(); // send STOP command

表 4-4: ポインタ

アラートリミット値レジスタ

ポインタ

Alert 1 0001 0000Alert 2 0001 0001Alert 3 0001 0010Alert 4 0001 0011

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MCP9600

図 4-6: TH レジスタから始まる全レジスタのシーケンシャル読み出しのタイミング図

SDAACK1 1 0 A 0 0 0 0

ACKS 2

A1

A0

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

SCL

0

Address Byte

R

MCP9600

ACK

1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8

Master

0 0 0

X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X X XACK

Note 1: 全てのレジスタは、前回設定されたレジスタポインタからシーケンシャルに読み出す事ができます。

NAK

P

0

MCP9600 Clock Stretching

MCP9600 Clock Stretching

TH MSB Data

TH LSB Data

TC MSB Data TC LSB Data Device ID LSB

Note 1

Master Master

Note: 以下はルーチンの例です。

i2c_start(); // send START commandi2c_write(b’1100 0000’); // WRITE Command

// also, make sure bit 0 is cleared ‘0’i2c_write(b’0000 0000’); // Write TH register to set the starting register for sequential readi2c_stop(); // send STOP commandi2c_start(); // send START commandi2c_write(b’1100 0001’); // READ Command

// also, make sure bit 0 is set ‘1’

for (i=0; i<29, i++){Data_Buffer[i] = i2c_read(ACK); // READ 8 bits

// and Send ACK bit

}Data_Buffer[i] = i2c_read(NAK); // READ 8 bits

// and Send NAK biti2c_stop(); // send STOP command

DS20005426A_JP - p.20 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

5.0 機能説明

MCP9600 温度センサは、熱電対電圧 (EMF) の計測に使う 18 ビット ΔΣ 型 A/D コンバータ、冷接点 ( 周囲 )温度の計測に使うデジタル温度センサ、NIST ITS-90 係数から導いた係数を使った EMF/ 摂氏変換計算に使うプロセッサコアを備えています。図 5-1 に、本デバイスの機能構成を表すブロック図を示します。

図 5-1: 機能ブロック図

Del Sig

VIN+

VIN-

ADC Core

Error correction

Thermocouple Hot-Junction, TH

Thermocouple

Thermocouple Junctions Delta,

Thermocouple Cold-Junction, TC

User Registers:

Sensor Configuration

Digital Filter

Thermocouple Type

SelectionDevice Resolution & Power Modes

Sensor Status

Alert 1 Limit

Hysteresis

Configuration

Alert 2 Limit

Hysteresis

Configuration

Alert 3 Limit

Hysteresis

Configuration

Alert 4 Limit

Hysteresis

Configuration

Device ID

+

Alert 1 Output

Alert 2 Output

Alert 3 Output

Alert 4 Output

SCL

SDA

ADDR

I2C Module

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.21

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MCP9600

MCP9600 は、ユーザがアクセス可能な複数のレジスタを備えています。これらのレジスタには、熱電対温接点温度レジスタ ( 冷接点補償済み )、熱電対接点デルタ温度レジスタ、熱電対冷接点温度レジスタ、生の ADCデータレジスタ、ユーザ設定可能なアラートリミット値レジスタ、ステータスおよびコンフィグレーションレジスタがあります。

温度レジスタと生の ADC データレジスタは読み出し専用レジスタであり、熱電対温度データと周囲温度データのアクセスに使います。また 4 つの温度アラートレジスタは、個別を制御する事で、温度の上昇と下降のどちらかまたは両方の検出に使えます。周囲温度が、ユーザが設定したリミット値を超えて変動した場合、MCP9600 は対応するピンにアラートフラグを出力し

ます ( セクション 5.3.3「アラート コンフィグレーション レジスタ」参照 )。アラートリミット値は、臨界温度イベントの検出にも使えます。

MCP9600 は、デバイスのステータスを示すステータスおよびコンフィグレーション レジスタも備えています。コンフィグレーション レジスタは温度計測分解能の調整、シャットダウン モード等の各種機能を提供します。熱電対のタイプもコンフィグレーション レジスタで選択できます。

これらのレジスタは、シリアル インターフェイス経由で MCP9600 のレジスタポインタにデータバイトを書き込む事でアクセスできます。これは 8 ビットの書き込み専用ポインタです。レジスタ 5-1 に、ポインタの

レジスタ 5-1: レジスタポインタ

U-0 U-0 U-0 U-0 W-0 W-0 W-0 W-0– – – – P3 P2 P1 P0

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 7-4 未実装 :「0」を書き込み

bit 3-0 P<3:0>: ポインタビット

0000 0000 = 熱電対温接点温度レジスタ - TH0000 0001 = 熱電対接点デルタ温度レジスタ - TΔ0000 0010 = 熱電対冷接点温度レジスタ - TC0000 0011 = 生の ADC データ0000 0100 = ステータス0000 0101 = 熱電対センサ コンフィグレーション0000 0110 = デバイス コンフィグレーション0000 1000 = Alert 1 コンフィグレーション0000 1001 = Alert 2 コンフィグレーション0000 1010 = Alert 3 コンフィグレーション0000 1011 = Alert 4 コンフィグレーション0000 1100 = Alert 1 ヒステリシス - THYST10000 1101 = Alert 2 ヒステリシス - THYST20000 1110 = Alert 3 ヒステリシス - THYST30000 1111 = Alert 4 ヒステリシス - THYST40001 0000 = Alert 1 温度リミット値 - TALERT10001 0001 = Alert 2 温度リミット値 - TALERT20001 0010 = Alert 3 温度リミット値 - TALERT30001 0011 = Alert 4 温度リミット値 - TALERT40010 0000 = デバイス ID/ リビジョン レジスタ

DS20005426A_JP - p.22 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

0

5 ℃

5 ℃

5 ℃6

0t 1タス

ード

ネー

表 5-1: レジスタとビットの割り当てのまとめ

レジスタ ポインタ bit 7 bit 6 bit 5 bit 4 bit 3 bit 2 bit 1 bit

測温接点温度 – TH 00000000 SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 256 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ 0.125 ℃ 0.062

接点デルタ温度 – TΔ 00000001 SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 256 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ 0.125 ℃ 0.062

冷接点温度 – TC 00000010 SIGN 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ 0.125 ℃ 0.062

生の ADC データ 00000011 SIGN bit 17 bit 1bit 15 8bit 7 bit

ステータス 00000100 フラグ、

バースト

完了

フラグ、

TH 更新

– フラグ、

入力レンジ

Alert 4ステータス

Alert 3ステータス

Alert 2ステータス

Alerステー

熱電対センサ コン

フィグレーション

00000101 – 熱電対タイプ選択K, J, T, N, S, E, B, R

– フィルタ係数

デバイス

コンフィグレーション

00000110 冷接点

分解能

ADC 分解能 バーストモード温度サンプル シャットダウン モ

Alert 1 コンフィグレー

ション

00001000 割り込み

クリア

– – TH または

TC の監視

温度の上

昇 / 下降の

検出

アクティブHighまたは

アクティブ

Low 出力

コンパ

レータ モード

または

割り込み

モード

アラー

出力イ

ブルAlert 2 コンフィグレー

ション

00001001

Alert 3 コンフィグレー

ション

00001010

Alert 4 コンフィグレー

ション

00001011

Alert 1 コンフィグレー

ション

00001100 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃ 8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃

Alert 2 ヒステリシス 00001101Alert 3 ヒステリシス 00001110Alert 4 ヒステリシス 00001111Alert 1 リミット値 00010000 SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 256 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃

8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ – –Alert 2 リミット値 00010001 SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 256 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃

8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ – –Alert 3 リミット値 00010010 SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 256 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃

8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ – –Alert 4 リミット値 00010011 SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 256 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃

8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ – –デバイス ID/リビジョン 00100000 0 1 0 0 0 0 0 0

リビジョン上位 リビジョン下位

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.23

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MCP9600

5.1 熱電対温度センサレジスタ

本デバイスは、冷接点温度、測温接点温度 ( 冷接点補償前 )、2 つの接点の温度から求めた絶対測温接点温度(冷接点補償済み )を読み出すのに使う3つの温度レジスタを内蔵しています。さらに、熱電対温度を得るのに使う生の ADC データも利用できます。以下のセクションでは、各レジスタの詳細を説明します。

5.1.1 熱電対温接点温度レジスタ – THこのレジスタは、冷接点補償およびエラー訂正済みの熱電対温度 ( 摂氏 ) を格納しています。このレジスタの温度データは、セクション 1.0「電気的特性」で規定した精度の絶対熱電対測温接点温度 TH です。TH は、TΔ と TC から求めた結果です ( 図 5-2 参照 )。

式 5-1: 温度変換

温度ビットは 2 の補数形式です。従って、正の温度データと負の温度データは計算方法が異なります。式5-1 に、バイナリデータを摂氏温度に変換する方法を示します。

図 5-2: 熱電対温接点温度レジスタのブロック図

温度 0 ℃TH = (UpperByte x 24 + LowerByte x 2-4)

温度 0°CTH = 1024 - (UpperByte x 24 + LowerByte x 2-4)

Delta

18-bit

VIN+

VIN-

ADC Core

Temperature Sensor core TC

Error Corrected Temperature

ThermocoupleTemperature

TH

ADC

Sigma

レジスタ 5-2: 熱電対温接点温度レジスタ ( 読み出し専用 )

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 256 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃

bit 15 bit 8

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-08 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ 0.125 ℃ 0.0625 ℃

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 15 SIGN: 1 = TA 0 ℃0 = TA 0 ℃

bit 14-0 TH: 2 の補数形式のデータ このレジスタは、エラー訂正および冷接点補償済みの熱電対温度を格納しています。

DS20005426A_JP - p.24 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

5.1.2 熱電対接点デルタ温度レジスタ – TΔこのレジスタは、冷接点補償をしていない、エラー訂正済みの熱電対測温接点温度を格納しています。このエラー訂正方法では、デジタル値化した熱電対 EMF電圧を、複数の係数を使って摂氏に変換しています。熱電対の各タイプには、NIST が固有の係数セットを指定しており、これらの係数をコンフィグレーションレジスタのユーザ選択に利用できます ( 図 5-3 参照 )。

式 5-2: 温度変換

温度ビットは 2 の補数形式です。従って、正の温度データと負の温度データは計算方法が異なります ( 式5-2 参照 )。

図 5-3: 熱電対接点デルタ温度レジスタ – TΔのブロック図

温度 0 ℃TΔ = (UpperByte x 24 + LowerByte x 2-4)

温度 0°CTΔ = 1024 - (UpperByte x 24 + LowerByte x 2-4)

VIN+

VIN-

ADC Core

ADC code to degree Celsius conversion using coefficients derived from NIST look-up table database.

ADC

User-Selectable,Thermocouple Types:

- Type K- Type J- Type T- Type N- Type S- Type E- Type B- Type R

( レジスタ 5-6 参照 )Thermocouple Junctions DeltaTemperature – TΔ

Check if the ADC code is within range for the selected thermo-couple type

Delta

18-bit Sigma

レジスタ 5-3: 熱電対接点デルタ温度レジスタ ( 読み出し専用 )

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 256 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃

bit 15 bit 8

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-08 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ 0.125 ℃ 0.0625 ℃

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 15 SIGN: 1 = TA 0 ℃0 = TA 0 ℃

bit 14-0 TΔ: 2 の補数形式のデータ

このレジスタは熱電対測温接点温度データを格納しています。

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.25

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MCP9600

5.1.3 熱電対冷接点 ( 周囲 ) 温度レジスタ

(TC)MCP9600 は、熱電対冷接点温度の計測に使える周囲温度センサを内蔵しています。高精度の計測には、接点周囲温度を正確に計測するためMCP9600を熱電対冷接点近傍に配置する必要があります。このレジスタは、16 ビット読み出し専用ダブル バッファリング レジスタです。温度分解能は、0.0625 ℃ /LSb または 0.25 ℃ /LSb にから選択できます。また表 5-2 に示すように、温度更新レートは分解能設定で決まります。

式 5-3: 温度変換

温度ビットは 2 の補数形式です。従って、正の温度データと負の温度データは計算方法が異なります ( 式5-3 参照 )。

図 5-4: 熱電対冷接点温度レジスタ – TC のブロック図

温度 0 ℃TC = (UpperByte x 24 + LowerByte x 2-4)

温度 0°CTC = 1024 - (UpperByte x 24 + LowerByte x 2-4)

表 5-2: 分解能と変換時間の関係

分解能変換時間

(typ.)レジスタビット

(Note 1)

0.0625 ℃ 250 ms SSSS XXXX XXXX XXXX

0.25 ℃ 63 ms SSSS XXXX XXXX XX00

Note 1: 「S」は符号、「X」は未知のビットです。

Ambient Temperature Sensor Core

TC

Selectable Resolution

- 0.0625 ℃- 0.25 ℃

( レジスタ 5-8 参照 )

Thermocouple Cold-Junction Temperature -TC

レジスタ 5-4: 熱電対冷接点温度レジスタ

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0SIGN 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃

bit 15 bit 8

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-08 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ 0.125 ℃ 0.0625 ℃

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 15-12 SIGN: 1 = TA 0 ℃0 = TA 0 ℃

bit 11-0 TC: 2 の補数形式のデータ このレジスタは、熱電対冷接点温度 ( デバイス周囲温度 ) データを格納しています。bit 1 および 0 は、分解能レジスタの状態に応じて「0」にクリアされたままになる事があります。

DS20005426A_JP - p.26 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

5.1.4 A/D コンバータ – ADCMCP9600 は、18 ビット ΔΣ型 A/D コンバータを使って、熱電対 EMF 電圧をデジタル化します。このデータはADC レジスタを参照する事で利用できます。ADC計測分解能はユーザ選択可能なため、分解能を下げる事でより速い変換時間を選択できます。この機能は、速い温度変化の検出に便利です。

図 5-5: ΔΣ 型 A/D コンバータ、ADC コア – ブロック図

表 5-3: ADC 分解能

分解能 / 感度(typ.)

変換時間(typ.)

生の ADC レジスタのビット形式

(Note 1)

18 bit/2 µV 320 ms SSSS SSSX XXXX XXXX XXXX XXXX

16 bit/8 µV 80 ms SSSS SSSX XXXX XXXXXXXX XX00

14 bit/32 µV 20 ms SSSS SSSX XXXX XXXXXXXX 0000

12 bit/128 µV 5 ms SSSS SSSX XXXX XXXXXX00 0000

Note 1: 「S」は符号ビット、「X」は ADC データビットです。

Delta VIN+

VIN-

ADC CoreADC

Selectable Resolutions:- 18 bit- 16 bit- 14 bit- 12 bit

( レジスタ 5-7 参照 )

Raw ADC Code RegisterSigma

レジスタ 5-5: 例 : 24 ビットレジスタ

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0SIGN ADC Data

bit 23 bit 16

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0ADC Data

bit 15 bit 8

R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0ADC Data

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 23-0 ADC データ <23:0>: 生の ADC データ ( 符号ビットを含む )

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.27

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MCP9600

5.2 センサのステータスおよびコンフィグ

レーション レジスタ本デバイスは、マスタ コントローラが定期的に監視できる各種の温度および計測ステータスビットを備えています。また本デバイスは、複雑な温度管理システムの開発に便利な各種のユーザ設定可能な機能も内蔵しています。以下のセクションでは、各機能の詳細を説明します。

5.2.1 ステータス レジスタ ステータス レジスタには、各種ステータス ( 例 : 温度アラート、選択した熱電対タイプの ADC 入力レンジステータス、シングル変換とバーストモード変換の温度レジスタ更新ステータス )を示す複数のフラグビットが含まれています。

レジスタ 5-6: ステータス レジスタ

R/W-0 R/W-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0バースト完了 TH 更新 – 過電圧 Alert 4

ステータス

Alert 3ステータス

Alert 2ステータス

Alert 1ステータス

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 7 バースト完了フラグビット : バーストモード変換ステータスフラグバーストモードを有効にすると、通常このビットは最初のバースト完了後にセットされます。ユーザは、このビットをクリアした後周期的にポーリングする事で、温度変換の次のバーストの完了を検出できます ( レジスタ 5-8 参照 )。1 = TΔ レジスタのバーストモード変換が完了した0 =「0」を書き込んでも影響を与えない

bit 6 TH 更新フラグビット : 温度更新フラグ

1 = 温度変換が完了した0 =「0」を書き込んでも影響を与えない

このビットは通常セットされています。ユーザは、このビットをクリアした後ポーリングする事で、次の温度変換の完了を検出できます。

bit 5 未実装 :「0」として読み出し

bit 4 入力レンジ フラグビット : 過電圧検出ビット ( 読み出し専用 ): 1 = ADC コードは、選択した熱電対タイプの計測レンジ外である0 = ADC コードは、選択した熱電対タイプの計測レンジ内である

このビットをセットした場合、ADC データは摂氏に変換されません ( 温度データ変換はバイパスされます )。TΔ と TH は両方共、前回の温度データを保持します。

bit 3 Alert 4 ステータス ( 読み出し専用 )1 = TX TALERT40 = TX ≤TALERT4TX は TH と TC のどちらか ( ユーザが選択可能、レジスタ 5-10 参照 )

bit 2 Alert 3 ステータス ( 読み出し専用 )1 = TX TALERT30 = TX ≤TALERT3TX は TH と TC のどちらか ( ユーザが選択可能、レジスタ 5-10 参照 )

bit 1 Alert 2 ステータス ( 読み出し専用 )1 = TX TALERT20 = TX ≤TALERT2TX は TH と TC のどちらか ( ユーザが選択可能、レジスタ 5-10 参照 )

bit 0 Alert 1 ステータス ( 読み出し専用 )1 = TX TALERT10 = TX ≤TALERT1TX は TH と TC のどちらか ( ユーザが選択可能、レジスタ 5-10 参照 )

DS20005426A_JP - p.28 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

5.2.2 熱電対センサ コンフィグレーション

レジスタMCP9600のセンサ コンフィグレーション レジスタを使って、熱電対センサのタイプとデジタルフィルタオプションを選択できます。このデバイスは 8 種類の熱電対タイプをサポートしています。各熱電対タイプには、NIST の熱電対 EMF 電圧変換データベースから求めた固有のエラー訂正係数セットが用意されています。

またこのデバイスは、指数移動平均 (EMA) とも呼ぶ1次再帰無限インパルス応答 (IIR)フィルタを内蔵しています。このフィルタは、現在の新規温度サンプルと前回のフィルタ出力を使って次のフィルタ出力を計算します。また、このフィルタは現在の温度データに重み付けを行う事で、急峻な温度変化に対してフィルタ応答を速める事ができます。この機能を使うと、熱電対測温接点温度における急峻な温度変化 ( 温度の不安定さ ) をフィルタ処理で除去できます。このレジスタに書き込むとフィルタはリセットされます。

式 5-4 に、フィルタの式を示します。フィルタ係数 n( レベル 0 ~ 7) はユーザが選択できます。係数 0 はフィルタ機能を無効にし、7 は最大限のデジタルフィルタを提供します。図 5-6 に、ステップ関数に対するフィルタ応答を示します。これを使って各種温度変化に対するフィルタの性能を推定できます。

式 5-4: デジタルフィルタ

図 5-6: フィルタのステップ応答

Y k X 1 k– Y 1–+=

Y : TΔ の新規のフィルタ処理済み温度

X : 現在のフィルタ処理していない測温接点温度

Y-1 : 前回のフィルタ処理済み温度

n : ユーザ選択可能なフィルタ係数

k 2 2n

1+ =

0.0

0.5

1.0

0.0 32.0 64.0 96.0 128.0

Fil

ter

Ou

tpu

t (°

C)

Number of Temperature Samples

n=0

n=1

n=2

n=3

n=4

n=5

n=6

n=7

レジスタ 5-7: センサのコンフィグレーション レジスタ

R-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0– 熱電対タイプ選択

K, J, T, N, S, E, B, R 型– フィルタ係数

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 7 未実装 :「0」を書き込み

bit 6-4 熱電対タイプ 000 = K 型001 = J 型010 = T 型011 = N 型100 = S 型101 = E 型110 = B 型111 = R 型

bit 3 未実装 : bit 2-0 フィルタ係数 - n:

000 = n = 0 - フィルタを OFF にする001 = n = 1 - 最小のフィルタ処理010 = n = 2011 = n = 3100 = n = 4 - 中程度のフィルタ処理101 = n = 5110 = n = 6111 = n = 7 - 最大のフィルタ処理

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.29

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MCP9600

5.2.3 デバイス コンフィグレーション レジ

スタ デバイス コンフィグレーション レジスタを使うと、ユーザはセンサ計測分解能、電源モード等の各種機能を設定できます。分解能レジスタを使うと、目的とする温度変換時間のセンサ分解能を選択できます。分解能を変更すると、その変更は次の計測サイクルが始まる時に有効になります。

このデバイスは、シャットダウン モードとバーストモードという 2 つの低消費電力動作モードを備えています。これらは bit 0と bit 1で選択できます。シャットダウン モードでは電力消費が大きい全ての動作は無効になり、消費電流は ISHDN のみになります。シャットダウン モード中も全てのレジスタはアクセス可能です。しかし、バス上の I2C 動作は電流を増加させます。

バーストモードを使うと、シャットダウン モードに入る前に所定数の温度サンプル (bit <4:2> で定義 ) を実行できます。各温度サンプルはユーザが設定した温度リミット値と比較され、アラート条件が真の場合、デバイスは対応するアラート出力をアサートします。さらに、フィルタ オプションが有効な場合、フィルタエンジンが各温度サンプルに適用されます。アラートのしきい値はフィルタ処理済み温度データとも比較されます。この機能は、マスタ コントローラの要求に応じて温度をサンプルするバッテリ駆動のアプリケーション向けに役立ちます。

図 5-7: バーストモードの動作

1←samples→128

Burst Mode Command

Shutdown ModeShutdown Mode

Normal Operation

レジスタ 5-8: デバイス コンフィグレーション レジスタ

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0冷接点分解能 ADC 分解能 バーストモード温度サンプル シャットダウン モード

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 7 冷接点 / 周囲温度センサ分解能 ( 表 5-2 参照 ): 0 = 0.0625 ℃ 1 = 0.25 ℃

bit 6-5 ADC 計測分解能 ( 表 5-3 参照 ): 00 =18 ビット分解能 01 =16 ビット分解能 10 =14 ビット分解能 11 =12 ビット分解能

bit 4-2 温度サンプル数 :000 = 1 サンプル001 = 2 サンプル010 = 4 サンプル011 = 8 サンプル100 = 16 サンプル101 = 32 サンプル110 = 64 サンプル111 = 128 サンプル

bit 1-0 シャットダウン モード :00 = 通常動作01 = シャットダウン モード10 = バーストモード 11 = 未実装 : この設定は無効

DS20005426A_JP - p.30 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

5.3 温度アラートレジスタ

このデバイスは、個別に設定される 4 つの温度アラートレジスタを備えています。これらを使うと、複数の温度レンジを 1 つのデバイスで監視できます。以下のセクションでは、各アラート機能の詳細を説明します。

5.3.1 アラートリミット値レジスタ

このデバイスは、個別に制御される 4 つの温度アラートリミット値レジスタを備えています。各アラートリミット値は、温度の上昇 / 下降、熱電対温度 TH/冷接点温度TCを検出するように個別に設定されます。対応するアラートリミット値出力は、温度ステータスインジケータ向けにも有効にできます。全てのアラート機能はアラートリミット値コンフィグレーションレジスタ ( レジスタ 5-11) で設定します。アラート出力ヒステリシスはアラート ヒステリシス レジスタ (レジスタ 5-10) で設定します。

図 5-8: TH と TC を検出するように設定したアラートリミット値

表 5-4: アラートリミット値レジスタ

レジスタ レジスタポインタ

Alert 1 リミット値 – TALERT1

0001 0000

Alert 2 リミット値 – TALERT2

0001 0001

Alert 3 リミット値 – TALERT3

0001 0010

Alert 4 リミット値 – TALERT4

0001 0011

レジスタ 5-9: ALERT1, 2, 3, 4 リミット値レジスタ

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0SIGN 1024 ℃ 512 ℃ 255 ℃ 128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃

bit 15 bit 8

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-08 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃ 0.5 ℃ 0.25 ℃ – –

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 15 SIGN: 1 = TA 0 ℃0 = TA 0 ℃

bit 14-2 Alert 1, 2, 3, 4: 2 の補数形式のデータ

bit 1-0 未実装 :

TH

TC

Alert Limit

Alert Hysteresis

0

1

TH/TC

+/-

Rise/Fall

Digital Comparator0

1

Comparator

Output Mode Control

Interrupt

Comparator/Interrupt Mode

Int. Clear

0

1 Alert Output

Active High/Low

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.31

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MCP9600

図 5-9: TH を検出するように設定した場合のアラートリミット値の境界条件と出力特性

TALERT2

TALERT3

TALERT1

TH

TALERT1 - THYST1

TALERT2 - THYST2

TALERT3 + THYST3

TALERT4

TALERT4 + THYST4

TALERT1

TALERT2

TALERT3

TALERT4

Aler

t 1 O

utpu

t(A

ctiv

e-Lo

w) Comparator

Interrupt

Int. ClearAl

ert 4

Out

put

(Act

ive-

Low

) Comparator

Interrupt

Int. Clear

Aler

t 2 O

utpu

t(A

ctiv

e-Lo

w) Comparator

Interrupt

Int. Clear

Aler

t 3 O

utpu

t(A

ctiv

e-Lo

w) Comparator

Interrupt

Int. Clear

DS20005426A_JP - p.32 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

5.3.2 アラート ヒステリシス レジスタ

このデバイスは、0 ~ 255 ℃のレンジの個別に制御される 4 つの温度アラート ヒステリシス レジスタを各アラート出力に備えています。 アラート ヒステリシスの方向は、対応するアラートコンフィグレーション レジスタ ( レジスタ 5-10) の bit 3で設定し、温度の上昇または下降を検出します。温度の上昇に対してはヒステリシス レンジをアラートリミット値の下に設定し、温度の下降に対してはヒステリシス レンジをアラートリミット値の上に設定します ( 図 5-10 参照 )。

図 5-10: アラート出力のヒステリシス方向

表 5-5: アラート ヒステリシス レジスタ

レジスタ レジスタポインタ

Alert 1 ヒステリシス – THYST1 0000 1100Alert 2 ヒステリシス – THYST2 0000 1101Alert 3 ヒステリシス – THYST3 0000 1110Alert 4 ヒステリシス – THYST4 0000 1111

レジスタ 5-10: ALERT 1, 2, 3, 4 ヒステリシス レジスタ

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R-0 R-0 R-0128 ℃ 64 ℃ 32 ℃ 16 ℃ 8 ℃ 4 ℃ 2 ℃ 1 ℃

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 7-0 アラート ヒステリシス : アラート ヒステリシス レンジ 0x00 ~ 0xFF は、1 ~ 255 ℃を表します。

cold Hot

Hysteresis

cold Hot

Hysteresis

TALERTTHYST TALERT THYST

Rising Temperature Falling Temperature

Alert Output

ACtiv

e -L

ow

cold Hot

Hysteresis

TALERTTHYST

Rising Temperature

cold Hot

Hysteresis

TALERT THYST

Falling Temperature

Alert Output

ACtiv

e -L

ow

ACtiv

e -H

igh

ACtiv

e -H

igh

Alert Output Alert Output

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.33

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MCP9600

5.3.3 アラート コンフィグレーション レジ

スタ

このデバイスは、個別に制御される 4 つの温度アラート出力を備えています。各出力は、対応するアラート出力向けにアラート出力コンフィグレーション レジスタで設定します。 このコンフィグレーション レジスタを使って各種設定 ( 各出力の制御 ( 有効化 / 無効化 )、アラート機能モード ( コンパレータ モード / 割り込みモード )、出力極性 ( アクティブ High/ アクティブ Low)、温度変化検出 ( 上昇 / 下降 )、温度レジスタ値検出 (TH/TC)) が可能です。

コンパレータ モードは、ファン コントローラ等のサーモスタット型アプリケーション、ブザー、LED インジケータの ON/OFF スイッチに便利です。ユーザが指定したリミット値およびヒステリシス リミット値を温度が超えると、アラート出力がアサートおよびネゲートされます。割り込みモードは、割り込み駆動のマイクロコントローラ システムに便利です。ユーザが指定したアラートリミット値またはヒステリシス リミット値を温度が超えるたびに、アラート出力がアサートされます。

マイクロコントローラは、対応するコンフィグレーション レジスタの bit 7 を使って割り込みをクリアする事で、対応するアラート出力からの割り込み信号に肯定応答します。 上昇 / 下降ビット (bit 3) と温度選択 (bit 4) は、熱電対温度または冷接点温度を検出し目的の温度レンジに維持するのに使えます。

表 5-6: アラート コンフィグレーション レジスタ

レジスタ レジスタポインタ

Alert 1 コンフィグレーション 0000 1000Alert 2 コンフィグレーション 0000 1001Alert 3 コンフィグレーション 0000 1010Alert 4 コンフィグレーション 0000 1011

レジスタ 5-11: ALERT 1, 2, 3, 4 コンフィグレーション レジスタ

R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R/W-0 R-0 R-0 R-0割り込みクリア – – TH または

TC の監視

上昇 / 下降 アクティブHigh/Low

コンパレータ /割り込み

アラート イネーブル

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 7 割り込みクリア :1 = 割り込みフラグをクリアする ( デバイスが「0」に駆動 )0 = 通常状態またはクリアされた状態

bit 6-5 未実装 :「0」として読み出し

bit 4 TH または TC の監視 : 1 = TC 冷接点センサを監視するようにアラートを設定する0 = TH 熱電対温度を監視するようにアラートを設定する

bit 3 アラート温度方向、上昇 / 下降 : 1 = 温度上昇 ( 加熱 ) を検出するようにアラートリミット値を設定する0 = 温度下降 ( 冷却 ) を検出するようにアラートリミット値を設定する

bit 2 アラート状態 : 1 = アクティブ High0 = アクティブ Low

bit 1 アラートモード : 1 = 割り込みモード : アラート出力をネゲートするには、割り込みクリアビット (bit 7) をセットする

必要があります。0 = コンパレータ モード

bit 0 アラート イネーブル : 1 = アラート出力を有効にする0 = アラート出力を無効にする

DS20005426A_JP - p.34 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

5.3.4 デバイス IDおよびリビジョン レジスタ

デバイス ID およびリビジョン レジスタは、16 ビットの読み出し専用レジスタであり、I2C バス上のデバイスの中でこのデバイスを識別するのに使えます。上位 8ビットはデバイス ID (0x40) を、下位 8 ビットはデバイス リビジョンを示します。デバイス リビジョンバイトはニブルに分けられます。上位ニブルはメジャーリビジョンを示し、下位ニブルはマイナー リビジョンを示します。初期リリースはメジャー リビジョン = 1、マイナー リビジョン = 0 (0x4010) で表されます。

レジスタ 5-12: デバイス ID およびリビジョン レジスタ

R-0 R-1 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0 R-0デバイス ID

bit 15 bit 8

R-0 R-0 R-0 R-1 R-0 R-0 R-0 R-0メジャー リビジョン マイナー リビジョン

bit 7 bit 0

凡例 :R = 読み出し可能ビット W = 書き込み可能ビット U = 未実装ビット、「0」として読み出し

-n = POR 時の値 1 = ビットはセット 0 = ビットはクリア x = ビットは未知

bit 15-8 デバイス ID: 0x40 (16 進数 )bit 7-0 リビジョン : 0x10 (16 進数 )

リリース、リビジョン 1.0

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.35

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NOTE:

DS20005426A_JP - p.36 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

6.0 応用に関する情報

6.1 レイアウトに関する注意事項

MCP9600 は、熱電対をデジタル値化するのに外付け部品を全く必要としません。しかし、VDD と GND の間に 0.1 ~ 1 µF のデカップリング コンデンサを接続する事を推奨します。高周波セラミック コンデンサを推奨します。このコンデンサは、効果的なノイズ保護を提供するため、デバイスの VDD ピンとグランドピンのできるだけ近くに配置する事を推奨します。

また、良い PCB レイアウトは PCB からセンサダイへの熱伝導を向上させるのに欠かせません。PCB はダイから熱電対冷接点への熱伝導をにないます。従って、部品配置の位置調整と銅箔パターンのレイアウト手法は最適な冷接点補償に不可欠です。最適な温度感度を得るための推奨実装方法は、デバイスピンの周囲の銅のグランドパッドを広げる事です ( 図 6-1 参照 )。

図 6-1: 推奨プリント基板レイアウト

6.1.1 冷接点補償

周囲温度に対する熱伝導性は、銅の方が PCB FR4 より優れています。また銅は、温度センサダイを搭載する5 mm x 5 mm MQFN プラスチック パッケージより熱伝導が優れています。従って、熱電対の配線を PCB に接続する際、異種の熱伝導材料が PCB と MCP9600 の露出パッドに接続されている場合は、熱電対コネクタのフットプリント間にグランドの銅箔パターンを配置する事を推奨します。これにより、温度を ( 熱電対コネクタ接点とPCBの銅箔パターンの間の )局所的な周囲温度に保つ事ができます。銅箔配線パターンは温度センサダイが取り付けられているパッケージの露出パッドに熱を伝えます。熱電対コネクタ接点に対するセンサの露出パッドの配置は、局所的な温度変化に対する温度センサの感度に大きく影響します。図 6-2 に、推奨手法を示します。

図 6-2: 推奨する部品配置

6.2 温度に関する注意事項

プルアップ抵抗と回路 ( 大電流 LED またはブザー等 )を接続する事で、MCP9600 の SDA、SCL、アラート出力に重い負荷 ( 大電流 ) をかけた場合、自己発熱による誤差が発生する可能性があります。自己発熱による温度上昇は、周囲温度センサ出力を増加させます。これは、熱電対冷接点 ( 周囲 ) 温度に対する温度オフセット誤差を増加させます。

6.2.1 動作中の自己発熱

通常動作中、MCP9600 の電流消費は比較的小さいため、通常の自己発熱誤差は無視できます。しかし本デバイスは、熱電対 EMF 電圧を摂氏に変換するのに必要な式を計算するためのプロセッサを内蔵しています。このプロセッサも I2C バスを駆動する事があります。I2C 通信中、本デバイスの消費電流は IDD = 1.5 mA(typ.) (I2C アクティブ仕様 ) に増加します。バスが頻繁にデータをポーリングされる場合、プロセッサの電力が温度センサに熱を拡散し、自己発熱の影響が検出される事があります。従って、ポーリングを温度変換周期 (320 ms) あたり 3 回以下に保つ事、またはバーストモード機能を使って自己発熱を管理する事を推奨します ( セクション 6.2.3「バーストモードを使って自己発熱の影響を抑制する方法」)。式 6-1 を使う事でも、自己発熱の影響を判断できます。

Thermal Pad

VIN+/VIN-

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.37

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MCP9600

式 6-1: 自己発熱の影響

室温 (TA = +25 ℃ )、IDD = 2.5 mA (max.)、VDD = 3.3V の場合、電力消費による自己発熱 T は 0.32 ℃です(MQFN パッケージの場合 )。

6.2.2 自己発熱に対する変換時間

ADC がデジタル変換を完了すると、プロセッサはtCALC のデータ計算ルーチンを開始します。これも IDDを増加させます。18 ビット ADC 変換期間 (3 SPS,Samples per Second) 中、電流増加は 1 s の期間の約 5%続きます。1 秒あたりの総消費電力に対する自己発熱の影響は、5% の tCALC 周期を含め無視できます。しかし、ADC 分解能が 18 ビットから 16 ビットに減少すると、電力消費が大きい tCALC 期間が 1 秒あたり20% に増加します。この分解能の違いにより、自己発熱による温度誤差は約 0.04 ℃ (typ.) に増えます。表 6-1 に、式 6-1 を使った分解能に対する自己発熱の推定値を示します。

低分解能設定における自己発熱の影響を低減するため、バーストモード機能で自己発熱の影響を抑制する事を推奨します。

6.2.3 バーストモードを使って自己発熱の影響を抑制する方法

バーストモード機能は、温度変化に対するデバイスの感度を維持しながら発熱を抑制するのに便利です ( セクション 5.2.3「デバイス コンフィグレーション レジスタ」)。デバイスが低消費電力 ( シャットダウン ) モードにある場合、マスタ コントローラはバーストモードを実行し温度をサンプルします。温度サンプル数と計測分解能の設定は、コマンドを実行する事で選択します。バーストモード中に温度がアラートリミット値を超えた場合、デバイスは対応するアラート出力をアサートします。このアラート出力を使うとマスタ コントローラは頻繁に温度をポーリングする必要はなく、温度誤差を増大させる事もありません。 さらに、数百℃の温度変化を監視するアプリケーションでは、18 ビット分解能を必要としない場合があります。その場合、分解能とサンプル数を下げたバーストモードを使うと、急峻な温度変化を監視できます。12 ビットADC 分解能であれば約 3 ℃の分解能 (K 型 ) を得る事ができ、温度サンプルは約20 ms間隔で計算されます。従って、1 秒あたりのバーストモード サンプル数を選択する事で、自己発熱の影響を抑制する事ができます。

バーストモード中の温度変換の状態は、セクション5.2.1「ステータス レジスタ」の bit 7 を使ってポーリングする事で、実行中のバーストサンプルが完了したかどうかを検出する事もできます。マスタ コントローラは、シャットダウン コマンドを実行する事で実行中のバーストを終了させる事ができます。または、別のバーストコマンドを送る事でバーストモードをリセットできます。

6.2.4 アラート出力

アラート出力はハイ インピーダンス負荷を駆動する事を目的としています。通常、これらの出力はマイクロコントローラの入力ピンに接続します。しかし、アラート出力を使ってインジケータ ( 例 : LED、ブザー ) を駆動する場合、接続した負荷による自己発熱の影響を小さくするためバッファ回路を使う事を推奨します(図6-3参照 )。

図 6-3: アラート出力バッファ

表 6-1: 自己発熱に対する ADC 分解能

分解能SPS (typ.)

温度計算時間tCALC が全体に占める割合

T

18 ビット 3 5% 0.0096 ℃16 ビット 15 20% 0.0384 ℃14 ビット 60 80% 0.1536 ℃12 ビット 240 100% 0.1920 ℃Note: VDD = 3.3 V, IDD = 1.5 mA (typ.) です。

T JA VDD IDD =

TJ : 接合部温度

TA : 周囲温度

JA : パッケージ熱抵抗

- 接合部から大気間

JC : パッケージ熱抵抗

- 接合部からケース間

T JC VDD IDD =

T TJ TA–=

Alert OutputNPN

Active High

VDD

DS20005426A_JP - p.38 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

6.3 デバイスの機能

6.3.1 I2C アドレス指定

MCP9600 は I2C バス上で最大 8 つのデバイスをサポートします。複数の熱電対センサ インターフェイスを備えた大型の温度管理ラック等のアプリケーションは、最小限のピン数のマイクロコントローラで各種温度レンジを監視できます。この機能は、ソリューションの総コストを低減すると同時に、MCP9600 を使った高精度温度管理ソリューションを提供します。

図 6-4: I2C アドレス選択の実装

6.3.2 入力インピーダンス

MCP9600 は、スイッチト キャパシタアンプ入力段を使い、18 ビット ADC 設定で 2 µV/LSb の最大分解能までの入力信号を得ています。内蔵入力コンデンサを電荷蓄積に使います。差動入力インピーダンスZIN_DFは、サンプリング コンデンサとスイッチト キャパシタアンプのサンプリング周波数に支配されます。サンプリング期間中、入力サンプリング コンデンサの充放電により、入力ピンで動的入力電流が生成されます。10 ~100 nF のコンデンサを入力間に追加する事により、安定性を改善できます。 サンプリング コンデンサは変換処理中のみ入力ピンにスイッチするため、入力インピーダンスは変換中のみ存在します。低消費電力またはシャットダウンモード中、入力アンプ段は無効です。従って、図 6-5に示すように、ESD 保護ダイオードのリーク電流によって入力インピーダンスは ZIN_CM となります。

図 6-5: 熱電対入力段

6.3.3 オープン / ショート検出回路

外付け回路を追加する事で、熱電対の状態 ( オープン :物理的に切り離されている / ショート : 熱電対配線がシステムのシャーシまたはグランドと接触している )を検出できます。入力段に受動回路を追加する場合、ADC 入力段に対する回路の負荷効果を考慮する必要があります。入力段への負荷インピーダンスは、サンプリング中にデバイスが支配的になるように、ZIN_DFの 10 倍以上にする事を推奨します。精度を確保するにはシステム校正も必要です。さらに、外部負荷は入力オフセット、ゲイン、積分非直線性 (INL) 誤差等のデバイス性能を低下させる事があります。低インピーダンスの能動回路を追加する場合、オフセット誤差とゲイン誤差の両方を校正する必要があります。オープン検出のために、ステータス レジスタ ( レジスタ 5-6) の過電圧ビットを使い、選択した熱電対の計測入力電圧がレンジ内にあるかどうかを検出する事もできます。

MCP9600

PIC®

I2C

Alert4

GND Types K, J, T,N, E, B, S, R

VDD

Alert4

GNDTypes K, J, T,N, E, B, S, R

VDD

MCP9600

R7A R7B

R2A R2B

Up to eight MCP9600 on I2C bus

表 6-2: I2C アドレス指定のための推奨抵抗値

デバイス番号

コマンドバイト

RXA (k) RXB (k)1 1100 0000 ADDR ピンを GND に

接続

2 1100 0010 R2A = 10 R2B = 2.23 1100 0100 R3A = 10 R3B = 4.34 1100 0110 R4A = 10 R4B = 7.55 1100 1000 R5A = 10 R5B = 136 1100 1010 R6A = 10 R6B = 227 1100 1100 R7A = 10 R7B = 438 1100 1110 ADDR ピンを VDD に

接続

Note: この表では標準的な公差 5% の抵抗を使っ

ています。しかし、公差 1% の抵抗を使う

と比精度が向上します。

ADDR

ADDRVIN+

VIN-

VIN+

VIN-

microcontroller

Unit 2/8

Unit 7/8

V

RSS

VIN+,VIN-

SamplingSwitch

SS RS

CSAMPLE(3.2 pF)

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.39

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MCP9600

6.3.4 エイリアシングおよびアンチ エイリ

アシング フィルタ

サンプルレートの半分を超える周波数で経時変化する信号が入力信号に含まれていると、エイリアシングが発生します。エイリアシング条件では、予期しない出力コードがADCから出力される事があります。このADCは 1 次 SINC フィルタを内蔵しています。しかし、外付けアンチ エイリアシング フィルタは高ノイズアプリケーション向けフィルタを追加できます。これには、入力ピンに接続した単純な RC ローパスフィルタを使います。

図 6-6: ローパスフィルタの追加

6.3.5 フェライトビーズを使った ESD 保護 熱電対配線経由の ESD から MCP9600 を保護するため、フェライトビーズを使う事を強く推奨します。フェライトビーズは ESD 等の速急峻な過渡信号を抑制します。また、図 6-7 に示すように ADC 入力に直列に追加できます。

図 6-7: フェライトビーズの追加Del Sig

VIN+

VIN-

ADC Core

Thermocouple

+

C

R

R

Del Sig

VIN+

VIN-

ADC Core

Thermocouple

+

C

R

R

L

L

DS20005426A_JP - p.40 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

7.0 パッケージ情報

7.1 パッケージのマーキング情報

PIN 1PIN 1

凡例 : XX...X お客様固有情報Y 年コード ( 西暦の下 1 桁 )YY 年コード ( 西暦の下 2 桁 )WW 週コード (1 月 1 日の週が「01」)NNN 英数字のトレーサビリティ コード 無光沢スズ (Sn) めっきの使用を示す鉛フリーの JEDEC® マーク* 本パッケージは鉛フリーです。鉛フリー JEDEC マーク ( ) は

外箱に表記しています。

Note: Microchip 社の製品番号が 1 行に収まりきらない場合は複数行を使います。この場合お客様固有情報に使える文字数が制限されます。

3e

3e

20 ピン MQFN (5x5x1.0 mm) 例 :

MCP9600I/MX ^^

15202563e

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.41

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MCP9600

20 ピン超薄型プラスチック クワッドフラット、リードレス パッケージ (NU) - 5x5x1.0 mm ボディ[MQFN] - (VQFN とも呼ぶ )

Microchip Technology Drawing C04-186A Sheet 1 of 2

Note: 最新のパッケージ図面については、以下のウェブページにある「Microchip Packaging Specification (Microchip 社パッケージ仕様 )」を参照してください。http://www.microchip.com/packaging

BA

0.10 C

0.10 C

0.10 C A B0.05 C

(DATUM B)(DATUM A)

CSEATING

PLANE

NOTE 1

1

2

N

2X TOP VIEW

SIDE VIEW

BOTTOM VIEW

NOTE 1

1

2

N

0.10 C

0.08 C

2X

20X

D

E

D2

E2

K

20X b

e

L

(A3)

AA1

DS20005426A_JP - p.42 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

20 ピン超薄型プラスチック クワッドフラット、リードレス パッケージ (NU) - 5x5x1.0 mm ボディ[MQFN] - (VQFN とも呼ぶ )

Note:1. ピン 1 のビジュアル インデックスの場所にはばらつきがありますが、必ず斜線部分内にあります。

2. パッケージはダイサーで個片化されています。

3. 寸法と公差は ASME Y14.5M に準拠しています。

BSC: 基本寸法、理論的に正確な値、公差なしで表示

REF: 参考寸法、通常は公差を含まない、情報としてのみ提示される値

Microchip Technology Drawing No. C04-186A Sheet 2 of 2

Note: 最新のパッケージ図面については、以下のウェブページにある「Microchip Packaging Specification (Microchip 社パッケージ仕様 )」を参照してください。http://www.microchip.com/packaging

単位 ミリメートル

寸法 MIN NOM MAXピン数 N 20ピッチ e 0.65 BSC全高 A 0.90 0.95 1.00スタンドオフ A1 0.00 0.02 0.05端子厚 A3 0.20 REF全長 E 5.00 BSC露出パッド長 D2 3.15 3.25 3.35全幅 E 5.00 BSC露出パッド幅 E2 3.15 3.25 3.35端子幅 b 0.25 0.30 0.35端子長 L 0.35 0.40 0.45端子から露出パッドまで K 0.20 - -

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.43

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MCP9600

20 ピン超薄型プラスチック クワッドフラット、リードレス パッケージ (NU) - 5x5x1.0 mm ボディ[MQFN] - (VQFN とも呼ぶ )

Note:1. 寸法と公差は ASME Y14.5M に準拠しています。

BSC: 基本寸法、理論的に正確な値、公差なしで表示

2. 最良のはんだ付け結果を得るため、放熱用スルーホールを使う場合は埋め込む ( または、おおう ) 事で、リフロープロセス中の

はんだの喪失を防ぐ必要があります。

Microchip Technology Drawing No. C04-286B

Note: 最新のパッケージ図面については、以下のウェブページにある「Microchip Packaging Specification (Microchip 社パッケージ仕様 )」を参照してください。http://www.microchip.com/packaging

RECOMMENDED LAND PATTERN

SILK SCREEN

1

2

20

C1

C2

EV

EV

E

X2

Y2ØV

G

Y1

X1

単位 ミリメートル

寸法 MIN NOM MAXコンタクトピッチ E 0.65 BSCオプションのセンターパッド幅 W2 3.35オプションのセンターパッド長 T2 3.35コンタクトパッド間隔 C1 4.50コンタクトパッド間隔 C2 4.50コンタクトパッド幅 (X20) X1 0.40コンタクトパッド長 (X20) Y1 0.55パッド間距離 G 0.20放熱用スルーホール径 V 0.30放熱用スルーホール ピッチ EV 1.00

DS20005426A_JP - p.44 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

補遺 A: 改訂履歴

リビジョン A (2015 年 8 月 )• 本書の初版です。

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.45

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MCP9600

NOTE:

DS20005426A_JP - p.46 2016 Microchip Technology Inc.

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MCP9600

製品識別システム

ご注文や製品の価格、納期に関しては、弊社または販売代理店にお問い合わせください。

デバイス : MCP9600: デジタル温度センサMCP9600T: デジタル温度センサ ( テープ&リール )

テープ &リールオプション :

T = テープ & リール (1)

温度レンジ : E = -40 ~ +125 ℃

パッケージ : NU = 超薄型プラスチック クワッドフラット、MQFN、20 ピン

Note 1: テープ&リールの識別情報は、カタログの製品番号説明にのみ記載されています。これは製品の注文時に使う識別情報であり、デバイスのパッケージには印刷されていません。テープ & リールが選択できるパッケージの在庫 / 供給状況は、最寄りの Microchip 社の営業所までお問い合わせください。

例 :a) MCP9600-E/NU: 拡張温度レンジ、

20 ピン MQFN パッケージ

b) MCP9600T-E/NU: テープ & リール拡張温度レンジ、20 ピン MQFN パッケージ

製品番号 X /XX

パッケージ温度レンジデバイス

[X](1)

テープ & リールオプション

2016 Microchip Technology Inc. DS20005426A_JP - p.47

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MCP9600

NOTE:

DS20005426A_JP - p.48 2016 Microchip Technology Inc.

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Microchip 社製デバイスのコード保護機能に関して以下の点にご注意ください。

• Microchip 社製品は、該当する Microchip 社データシートに記載の仕様を満たしています。

• Microchip 社では、通常の条件ならびに仕様に従って使用した場合、Microchip 社製品のセキュリティ レベルは、現在市場に

流通している同種製品の中でも最も高度であると考えています。

• しかし、コード保護機能を解除するための不正かつ違法な方法が存在する事もまた事実です。弊社の理解では、こうした手法

は Microchip 社データシートにある動作仕様書以外の方法で Microchip 社製品を使用する事になります。このような行為は知

的所有権の侵害に該当する可能性が非常に高いと言えます。

• Microchip 社は、コードの保全性に懸念を抱いているお客様と連携し、対応策に取り組んでいきます。

• Microchip 社を含む全ての半導体メーカーで、自社のコードのセキュリティを完全に保証できる企業はありません。コード保

護機能とは、Microchip 社が製品を「解読不能」として保証するものではありません。

コード保護機能は常に進歩しています。Microchip 社では、常に製品のコード保護機能の改善に取り組んでいます。Microchip 社の

コード保護機能の侵害は、デジタル ミレニアム著作権法に違反します。そのような行為によってソフトウェアまたはその他の著作

物に不正なアクセスを受けた場合、デジタル ミレニアム著作権法の定めるところにより損害賠償訴訟を起こす権利があります。

本書に記載されているデバイス アプリケーション等に関する

情報は、ユーザの便宜のためにのみ提供されているものであ

り、更新によって無効とされる事があります。お客様のアプ

リケーションが仕様を満たす事を保証する責任は、お客様に

あります。Microchip 社は、明示的、暗黙的、書面、口頭、法

定のいずれであるかを問わず、本書に記載されている情報に

関して、状態、品質、性能、商品性、特定目的への適合性を

はじめとする、いかなる類の表明も保証も行いません。

Microchip 社は、本書の情報およびその使用に起因する一切の

責任を否認します。生命維持装置あるいは生命安全用途に

Microchip 社の製品を使用する事は全て購入者のリスクとし、

また購入者はこれによって発生したあらゆる損害、クレーム、

訴訟、費用に関して、Microchip 社は擁護され、免責され、損

害を受けない事に同意するものとします。暗黙的あるいは明

示的を問わず、Microchip 社が知的財産権を保有しているライ

センスは一切譲渡されません。

2016 Microchip Technology Inc.

商標

Microchip 社の名称とロゴ、Microchip ロゴ、dsPIC、FlashFlex、flexPWR、JukeBlox、KEELOQ、KEELOQlogo、Kleer、LANCheck、MediaLB、MOST、MOST logo、MPLAB、OptoLyzer、PIC、PICSTART、PIC32 logo、RightTouch、SpyNIC、SST、SSTLogo、SuperFlash および UNI/O は米国およびその他の国に

おける Microchip Technology Incorporated の登録商標です。

Embedded Control Solutions Company、mTouch は米国に

おける Microchip Technology Incorporated の登録商標です。

Analog-for-the-Digital Age、BodyCom、chipKIT、chipKIT logo、CodeGuard、dsPICDEM、dsPICDEM.net、ECAN、In-Circuit SerialProgramming、ICSP、Inter-Chip Connectivity、KleerNet、KleerNetlogo、MiWi、motorBench、MPASM、MPF、MPLAB Certified logo、MPLIB、MPLINK、MultiTRAK、NetDetach、Omniscient CodeGeneration、PICDEM、PICDEM.net、PICkit、PICtail、RightTouchlogo、REAL ICE、SQI、Serial Quad I/O、Total Endurance、TSHARC、USBCheck、VariSense、ViewSpan、WiperLock、Wireless DNA、および ZENA は米国およびその他の MicrochipTechnology Incorporated の商標です。

SQTP は米国における Microchip Technology Incorporated の

サービスマークです。

Silicon Storage Technology は他の国における MicrochipTechnology Inc. の登録商標です。

GestIC は Microchip Technology Inc. の子会社である MicrochipTechnology Germany II GmbH & Co. & KG 社の他の国における

登録商標です。

その他本書に記載されている商標は各社に帰属します。

© 2016, Microchip Technology Incorporated, All Rights Reserved.

ISBN: 978-1-5224-0329-6

DS20005426A_JP - p. 49

Microchip 社では、Chandler および Tempe ( アリゾナ州 )、Gresham ( オレゴン州 ) の本部、設計部およびウェハー製造工場そしてカリフォルニア州とインドのデザインセンターが ISO/TS-16949:2009 認証を取得しています。Microchip 社の品質システム プロセスおよび手順は、PIC® MCU および dsPIC® DSC、KEELOQ® コード ホッピング デバイス、シリアル EEPROM、マイクロペリフェラル、不揮発性メモリ、アナログ製品に採用されています。さらに、開発システムの設計と製造に関する Microchip 社の品質システムは ISO 9001:2000 認証を取得しています。

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DS20005426A_JP - p.50 2016 Microchip Technology Inc.

北米本社2355 West Chandler Blvd.Chandler, AZ 85224-6199Tel: 480-792-7200 Fax: 480-792-7277技術サポート : http://www.microchip.com/supportURL: www.microchip.comアトランタDuluth, GA Tel: 678-957-9614 Fax: 678-957-1455オースティン、TXTel: 512-257-3370 ボストンWestborough, MATel: 774-760-0087 Fax: 774-760-0088シカゴItasca, ILTel: 630-285-0071 Fax: 630-285-0075クリーブランドIndependence, OHTel: 216-447-0464Fax: 216-447-0643ダラスAddison, TXTel: 972-818-7423 Fax: 972-818-2924デトロイトNovi, MI Tel: 248-848-4000ヒューストン、TXTel: 281-894-5983インディアナポリスNoblesville, INTel: 317-773-8323Fax: 317-773-5453ロサンゼルスMission Viejo, CATel: 949-462-9523 Fax: 949-462-9608ニューヨーク、NY Tel: 631-435-6000サンノゼ、CATel: 408-735-9110カナダ - トロント

Tel: 905-673-0699 Fax: 905-673-6509

アジア / 太平洋アジア太平洋支社Suites 3707-14, 37th FloorTower 6, The GatewayHarbour City, KowloonHong KongTel: 852-2943-5100Fax: 852-2401-3431オーストラリア - シドニー

Tel: 61-2-9868-6733Fax: 61-2-9868-6755中国 - 北京

Tel: 86-10-8569-7000Fax: 86-10-8528-2104中国 - 成都

Tel: 86-28-8665-5511Fax: 86-28-8665-7889中国 - 重慶

Tel: 86-23-8980-9588Fax: 86-23-8980-9500中国 - 東莞

Tel: 86-769-8702-9880中国 - 杭州

Tel: 86-571-8792-8115Fax: 86-571-8792-8116中国 - 香港 SARTel: 852-2943-5100 Fax: 852-2401-3431中国 - 南京

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Tel: 86-24-2334-2829Fax: 86-24-2334-2393中国 - 深圳Tel: 86-755-8864-2200 Fax: 86-755-8203-1760中国 - 武漢

Tel: 86-27-5980-5300Fax: 86-27-5980-5118中国 - 西安

Tel: 86-29-8833-7252Fax: 86-29-8833-7256

アジア / 太平洋中国 - 厦門

Tel: 86-592-2388138 Fax: 86-592-2388130中国 - 珠海

Tel: 86-756-3210040 Fax: 86-756-3210049インド - バンガロール

Tel: 91-80-3090-4444 Fax: 91-80-3090-4123インド - ニューデリー

Tel: 91-11-4160-8631Fax: 91-11-4160-8632インド - プネ

Tel: 91-20-3019-1500日本 - 大阪

Tel: 81-6-6152-7160Fax: 81-6-6152-9310日本 - 東京

Tel: 81-3-6880-3770 Fax: 81-3-6880-3771韓国 - 大邱

Tel: 82-53-744-4301Fax: 82-53-744-4302韓国 - ソウル

Tel: 82-2-554-7200Fax: 82-2-558-5932 または

82-2-558-5934マレーシア - クアラルンプール

Tel: 60-3-6201-9857Fax: 60-3-6201-9859マレーシア - ペナン

Tel: 60-4-227-8870Fax: 60-4-227-4068フィリピン - マニラ

Tel: 63-2-634-9065Fax: 63-2-634-9069シンガポールTel: 65-6334-8870Fax: 65-6334-8850台湾 - 新竹

Tel: 886-3-5778-366Fax: 886-3-5770-955台湾 - 高雄

Tel: 886-7-213-7830台湾 - 台北

Tel: 886-2-2508-8600 Fax: 886-2-2508-0102タイ - バンコク

Tel: 66-2-694-1351Fax: 66-2-694-1350

ヨーロッパオーストリア - ヴェルス

Tel: 43-7242-2244-39Fax: 43-7242-2244-393デンマーク - コペンハーゲン

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Tel: 33-1-69-53-63-20 Fax: 33-1-69-30-90-79ドイツ - デュッセルドルフ

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Tel: 49-721-625370ドイツ - ミュンヘン

Tel: 49-89-627-144-0 Fax: 49-89-627-144-44イタリア - ミラノ Tel: 39-0331-742611 Fax: 39-0331-466781イタリア - ヴェニス

Tel: 39-049-7625286 オランダ - ドリューネン

Tel: 31-416-690399 Fax: 31-416-690340ポーランド - ワルシャワ

Tel: 48-22-3325737 スペイン - マドリッド

Tel: 34-91-708-08-90Fax: 34-91-708-08-91スウェーデン - ストックホルム

Tel: 46-8-5090-4654イギリス - ウォーキンガム

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07/14/15