(最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

31
ESOMAR Industry Report 2011 Global Marketing Research Landscape Kantar Japan Inc. 2012

Transcript of (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

Page 1: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

ESOMAR Industry Report 2011

Global Marketing Research

Landscape

Kantar Japan Inc. 2012

Page 2: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

2

1. マーケティング・リサーチの市場規模(世界)のトレンド

(単位: US million $)

出所: ESOMAR 2011

2006 2007 2008 2009 2010

売上高 (Turnover)

26,732 30,665 33,134 29,624 31,232

Net Growth Rate (為替レート・インフレーションレート調整済)

3.5% 4.0% 0.4% -4.6% 2.8%

地域別Net Growth Rate

2009 2010

世界 -4.6% 2.8%

ヨーロッパ -5.9% 1.0%

北米 -3.5% 3.1%

アジア・パシフィック -2.2% 3.5%

ラテンアメリカ -4.6% 13.9%

中東・アフリカ -10.2% 4.3%

日本 -4.9% 2.3%

Page 3: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

3

2. マーケティング・リサーチの国別 市場規模

出所: ESOMAR 2011

2010 2010 / 2009

US$ million % 対前年伸び率 %

(為替レート・インフ レーションレート調整済)

全世界合計 31,232 100% 2.8%

国 別

1. アメリカ合衆国 9,915 32% 3.1%

2. イギリス 3,185 10% -4.0%

3. ドイツ 2,889 9% 3.5%

4. フランス 2,533 8% 4.6%

5. 日本 1,916 6% 2.3%

6. 中国 1,114 4% 9.7%

7. ブラジル 815 3% 26.5%

8. イタリア 771 2% 5.2%

9. スペイン 736 2% -4.2%

10. カナダ 699 2% 3.3%

11. オーストラリア 657 2% -4.6%

12. メキシコ 429 1% 4.1%

13. スウェーデン 381 1% -3.0%

14. オランダ 359 1% 2.4%

15. 韓国 338 1% 0.7%

ロシア 315 9.1%

インド 197 4.8%

南アフリカ 219 16.4%

Page 4: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

4

2010 (単位: US$)

1. イギリス 51.2 11. オランダ 21.6

2. スウェーデン 40.9 12. カナダ 20.5

3. フランス 40.2 13. オーストリア 20.2

4. ドイツ 35.4 14. アイルランド 19.3

5. アメリカ合衆国 32.0 15. ニュージーランド 19.3

6. ノルウェー 30.1 16. ベルギー 18.4

7. オーストラリア 29.6 17. スペイン 16.4

8. デンマーク 28.0 18. 日本 15.0

9. スイス 25.1 19. ルクセンブルグ 14.2

10. フィンランド 22.2 20. 韓国 6.9

中国 0.8

3. マーケティング・リサーチの人口1人当たりの売上高

( )

人口1人当たり上位20ヶ国 :

出所: ESOMAR 2011

Page 5: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

5

2010 (%)

1. フランス 15.8% カナダ 5.9%

2. イギリス 14.4% オーストラリア 5.4%

3. ドイツ 12.2% 中国 5.3%

4. スウェーデン 10.2% 日本 4.5%

5. スペイン 9.5%

6. ブラジル 7.7%

7. 韓国 7.2%

8. アメリカ合衆国 7.1%

9. オランダ 6.7%

10. イタリア 6.6%

4. マーケティング・リサーチの売上と広告費の割合(主要国)

広告費を100とした時のMRの売上の割合:

出所: ESOMAR 2011

Page 6: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

6

全世界 日本 アメリカ 合衆国

イギリス フランス ドイツ オースト ラリア

中国 韓国

% % % % % % % % %

量的調査 全体 76 85 75 79 40 92 61 77 80

訪問面接 12 15 0 16 11 19 7 33 60

郵送 4 11 2 9 1 6 2 1 0

電話 15 2 10 13 10 32 22 16 26

オンライン 22 40 20 23 16 35 29 5 1

その他の量的調査(含CLT) 23 17 43 18 2 0 1 22 1

質的調査 全体 17 13 25 10 10 7 32 23 18

グループインタビュー 13 7 24 NA 5 2 19 9 11

デプスインタビュー 2 4 0 NA 3 2 11 7 4

その他の質的調査 2 2 1 NA 2 3 2 7 3

その他 1 2 0 11 50 1 7 0 2

5. 調査アプローチの国別比較(主要国) 【金額ベース】

出所: ESOMAR 2011

Page 7: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

7

(合計: 100%) 全世界 日本 アメリカ 合衆国

イギリス フランス ドイツ オースト ラリア

中国 韓国

% % % % % % % % %

製造業 45 41 40 42 48 69 32 45 49

B to B 4 2 2 5 10 2 0 2 5

広告代理店 3 11 2 0 3 0 4 11 4

媒体・メディア 15 5 29 10 4 7 2 16 3

交通・電信・電話 7 5 3 12 7 9 8 6 5

卸・小売 5 3 6 4 8 1 4 3 4

金融・証券 5 2 3 8 7 2 13 4 7

行政・公益 9 7 9 16 6 2 26 2 14

調査会社 3 14 1 0 5 7 1 5 10

その他 5 10 5 3 2 1 10 6 10

2010 2009 2008 2006 2004 2002 2000 1995

日本 (JMRA調べ) 広告代理店

11% 17% 19% 17% 19% 21% 24% 21%

6. マーケティング・リサーチの取引先:業種別・売上構成比

(主要国)

出所: ESOMAR 2011

Page 8: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

8

7. 日本:JMRA会員社 海外取引状況

海外からの受注

海外への発注

海外からの受注の割合

(Source: JMRA) 2010 2009 2008 2006 2004 2002 2000 1995

取引社数 39社 32社 31社 32社 36社 35社 28社 18社

受注数(億円) 44.5 33.2 40 66.8 48.6 61.5 51.7 15.2

調査事業売上高に占める割合 3.3% 2.5% 2.9% 4.6% 3.8% 5.5% 5.2% 2.6%

(Source: JMRA) 2010 2009 2008 2006 2004 2002 2000 1995

取引社数 26社 22社 19社 27社 20社 26社 21社 13社

受注数(億円) 16 13.2 17.6 73.7 53 24.8 21.2 6.9

調査事業売上高に占める割合 1.2% 1.0% 1.3% 5.1% 3.6% 2.2% 2.1% 1.2%

(Source: ESOMAR 2011) 日本 中国 韓国 ドイツ フランス インド ブラジル ロシア 南アフリカ

国内で受注 97% 87% 76% 71% 81% 73% 90% 70% 85%

海外からの受注 3% 13% 24% 29% 19% 27% 10% 30% 15%

Page 9: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

9

Organization 売上 (US $ millions) 母国以外からの売上

1. The Nielsen Company 4,958 52%

2. Kantar 3,184 75%

3. IMS Health 2,212 64%

4. Gfk 1,716 74%

5. IPSOS 1,513 91%

6. Synovate 885 88%

7. Symphony IRI 727 37%

8. Westat 455 -

9. Intage 416 3%

10. Arbitron 395 1%

Video Research 212 -

Macromill 115 -

8. 世界の調査会社 Top10 (2010)

出所: ESOMAR 2011

Page 10: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

世界のマーケティング・リサーチ業界の動向

Kantar Japan Inc. 2012

ESOMAR (ヨーロッパ世論、市場調査協会) 発行の 「Global Market Research」の 2008~2011年版の記事をベースに、“世界のMR業界 - 特に先進国のあいだでの最近のトレンド”、“今後の動向”についてまとめた。

Page 11: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

11

1. 順調な成長をとげていたMR業界は、2008年以降世界不況の影響を受けていたが2010年以降回復基調。

特にBRICS。

2005~2007年の世界のMR業界の成長率は6.6% (実質成長率は4%前後)。インターネット調査の普及による単価の下落があっても順調な成長。しかし、リーマンショックの影響は大きく、2009年は世界平均 -4.6%、北米 -3.5

%、ヨーロッパ -5.9%、日本は -4.6%。

ただし、2010年からは回復基調。南アメリカ (+13.9%) およびBRICSの伸びは著しい。(日本は東日本大震災の影響で回復が遅れる)

世界のリサーチ業界のTopは将来にOptimistic.

クライアントは新しい情報を必要とする

- 消費者・マーケットは変った!

何が消費者に影響を与えたか・どう変わったか

について正確な情報とインサイトが必要

デジタル化の進展により一層スピーディで、

安価に、ソリューションが得られる

新しいテクノロジーが新たな市場を生む

ただし、Before - Afterは違う

11

Page 12: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

12

2. 業界内での統合、M&Aが進んだ。

またこれからも再編が進む。

MR企業はスケールメリット実現のため、M&Aを行い、クライアントに対し、より広範囲なサービス基盤と地域展開を提供。VNU(A.C Nielsen)、Ipsos、Gfk、Kantarなどがグローバルネットワークを構築。

独立系もグローバルネットワークを構築する動き。

MR業界トップ10企業のシェアのトレンドは次のとおり。5年後には

3分の2程度と予測されている。

GfkのNOP、KantarのTNS、IPSOSのSynovateの買収等の大きな案件は稀。多くのM&Aは特定の分野や調査方法にUSPを持つローカル企業が対象になる。TOP25社の買収は2008年(32件)、2009年(19件:リーマンショックで減少)、 2011年上半期(19件)

N.B.) Top5社: Nielsen (16%), Kantar (12%),

IPSOS (8%), IMS Health (7%), Gfk (6%)

1991年 1998年 2007年 2010年

36% 44% 50% 55%

12

Top5社では 49%

(2007年: 38%)

Page 13: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

13

3. M&AはMR業界内にとどまらない。

着実な成長を遂げる優良MR企業に対し、大手の情報サービス企業や総合的

なマーケティング企業、ベンチャーキャピタリスト達は、今まで以上に高い関心を寄せつつある。

クライアント間の合併もMR業界にとって問題。

ヘルスケア、テクノロジー、消費財各分野でクライアント間の合併が相次いだ。クライアントの合併が進めばリサーチ・バジェットが縮小。

例: McGraw Hill(国際的出版社であると共に、金融・情報・メディアのプロバイダー)による J.D.Powerの買収

ベンチャーキャピタリストによるVNU(現在のThe Nielsen

Company)の買収(98億米ドル)

IMS Health: TPG Group / CPP Investboardに

買収される

13

Page 14: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

14

4. クライアントの取引条件での優位性は一層高まる。

クライアントのサプライヤーに対するコスト管理の要求はますます厳しくなり、MR業界に対してもそれは例外ではない。

グローバル企業のクライアントはサプライヤーの数を減らすことでリサーチ支出を一元化する傾向にある。

取引相手となるのはグローバル展開しているMR企業が中心となり、ボリュームディスカウントや独占権を見返りとしたディスカウントが行われている。

14

Page 15: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

15

5. オフショアリングとアウトソーシングが一層進み、

今後も進展する。

主力以外の事業を低コストの国へ移動(オフショアリング)、または外注(アウトソーシング)する傾向はMR業界においても例外ではない。同時に取引企業に値引きの圧力をかけられる。

コストセービングの他に、リサーチ企業はよりプロフィットを得られる製品やサービスの開発に重点をおくことができる。

時間短縮もキードライバー

オフショアリングやアウトソーシングの行き先は、中国、インド、東ヨーロッパ諸国、南米。特にインドは知的水準の高さ、英語でのコミュニケーションで、とりわけ注目されている。

アウトソーシングがすでに

確立されている分野

アウトソーシングの成長分野 未開拓の分野

データエントリー

データ処理

集計プログラミング

CATI

レポート/チャート・グラフ作成

パネル維持、管理

レポート作成の自動化

分析機能

プロジェクト・マネジメント

データマイニング

パネルサービス

ITサポート

15

Page 16: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

16

6. MR業界で成功するビジネスモデル: マーケットインテリジェンスと新分野の拡充

企業戦略やIT分野のコンサルティング企業が(マネジメントコンサルタント業の他に)MR業界に進出している一方、リサーチ企業はコンサルティング機能やシステム統合機能を発展させている。

マーケティング・リサーチ業とコンサルタント業の一体化は大きなビジネス機会を生み出す。クライアントが求めているのは、MRに基づいた戦略アドバイス。

これらのニューカマーと対抗するため、MR業界は :

企業内に戦略部門やITコンサルティング部門を設置

戦略、IT企業との連携、パートナーシップを検討/開始

必要とされるビジネスインテリジェンス能力のある人材を採用・研修

グローバルに展開するMR会社は、従来からの調査手法だけにではなく、自社の強みを増す会社に投資したり、統合している。

ニューロサイエンスの会社

データ分析の会社

ブログ・バズ解析の会社

16

Page 17: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

17

7. リサーチャーのスキルセットも変化している。

クライアントは単なるデータには満足せず、変化する経営環境においてビジネス

上の意思決定を可能にする知識を要求するようになっている。

リサーチャーは過去の出来事を確認するよりも、クライアントが将来を見据える

ようなサポートの提供を求められている。(Insight + Foresight)

MR会社はリサーチャーの業務を、より広いビジネスニーズ、ビジネス戦略やクラ

イアントサービスと関連付けられるよう総合的な研修プログラムを行い、クライ

アントの業界経験者や財務スキルのある人材の確保に努めている。

17

Page 18: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

18

8. テクノロジーの進歩がMR業界に変化をもたらしている。

先進的なテクノロジーの急速な発展が新しい情報源や調査方法を拡げている。

e・エスノグラフィー、モバイル/スマートフォンによる調査

ブログ/SNSのテキストマイニング、MROC

クラウドソーシング(Crowd Sourcing)

ニューロサイエンス

テクノロジーの進歩はMR会社にとり、

Opportunities にも Threats にもなる。

○ ビジネスのテリトリーを拡げるチャンス

× ニッチな調査会社/個人でもできる

× MR業界への参入障壁が低くなる

コンピュータの処理能力の増大はマーケティング・サイエンス、リサーチサイエンスを変える。

これまでにない緻密なモデルや予測ツールの活用が可能となる。

(階層ベイズやコンジョイント分析関係、MaxDiffなど。)

18

Page 19: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

19

9. MR業界のリーダー達はMRの将来に自信を持っている。MR業界の強みは(あるいはMR業界だけができることは):

データを本物のインサイトに変換する能力を備えているのはMR会社だけである。

価値ある情報を提供するためには、信頼のあるデータ収集が基本。

それができるのはMR会社だけ。

MR会社だけが、誰もが信頼できる、正確で、独立した(第三者的な)情報を提供する。

クライアントのニーズをよく把握し、クライアントの情報システムの中で、不可欠な一部とならなくてはいけない。

クライアントは国際的な質が担保された、ローカルマーケットの知見に基づいたデータを必要としている。

クライアントは彼等の固有のニーズと状況にカスタマイズした

インサイトに満ちた解決策を望んでいる。

また、それらが使いやすいツールで、早く、安く提供されることを

望んでいる。

19

Page 20: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

20

10. 競争環境のまとめ(マイケル・ポーターの5 Forcesで)

従来のフレームワークの中では生きていけない!

• MR業界の成長が止まり、リステージの 段階へ

• 業界内での統合/M&A

• クライアントとのインターフェイス改善

• コンサルティング機能のアップ

• システム統合機能のアップ • 有能な人材の確保・教育

• 特定のセグメントへのフォーカス

Ⅱ. 既存企業同士のポジション争い

• MR業界以外からのMR会社のM&A

• インターネットリサーチ専門会社

• コンサルティング会社の参入

• 企業戦略専門会社の参入

• IT分野のコンサルティング企業の参入

• いくつかの情報ソースや調査手法を組み合わせた分析サービス

Ⅰ. 新規参入の脅威

• フリーサーベイのサイト

• Webでの分析ツール

• 技術革新・人工知能

• 新しいテクノロジーによる従来とは違うデータの提供(Big data, MROCなど)

• 戦略コンサルタントの参入

Ⅲ. 代替製品や代替サービスの脅威

• リサーチによるニーズの高度化・複雑化 (コンサル、情報システム etc.)

• クライアントの大量・一括購入

• クライアントのM&Aによる少数化/ 巨大化

• クライアントのグローバライゼーション • 取引先を変えるコストが安い

Ⅳ. 顧客(クライアント)の交渉力

• オフショア

• アウトソーシング データ処理、プログラミング レポート、チャート作成等 (スイッチングコストが安い)

業者間の競合関係強く、サプラ イヤーの交渉力は強くない

Ⅴ. サプライヤーの交渉力

( )

Page 21: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

21

マーケティング・リサーチ業界: SWOT分析

Strengths Weaknesses

Quality (品質):

正しいプロセスから信頼できる情報が収集され、それを分析することで、真の問題解決に至り、正しい決断を導く。

Reputation (評判):

MR業界はその手法が科学的根拠にもとづき、業界

のコードやガイドラインにより、一層確かなものとされ、クライアントの信頼を導く。

Communicating research value

(調査の価値の伝達):

調査の真の価値をクライアント(特に購買のプロ)に教育する能力が不足。しばしば調査に“自信がない”とみられる。

Compromising on Quality (品質をおとしめる):

時にスタンダードから外れる事があり、業務全体のイメージを落としている。特にサンプリング方法、長たらしい調査票、実査でのミス、レポートのミス等。トレーニング不足、調査予算のカット、時間の無さ等から問題が起きるのか?

Opportunities Threats

Advances in Technology

(テクノロジーの進化):

テクノロジーの進化は、MR業界にとっては、更なる飛

躍のチャンス。新しい測定対象、調査アプローチの拡張、対象者との新しい関係、及び新しい人材を生み出す。この変化はインターネットやモバイルの浸透、モバイルのデバイスやオンラインプラットホームの進化により加速される。

Social Media (ソーシャルメディア):

ソーシャルメディアのブームは対象者への接触の機会を増やし、観察調査を可能にしたり、消費者と共創するプロセスを創る原動力となる。

DIY Research (DIYリサーチ):

リセッション中、クライアントは調査バジェットを減らすために1つは(余剰)人員を増やし、代わりに外部への発注を減らしたり、あるいはフリーサーベイや、安いDIYリサーチを使い、内省化を進めている。

Research as a commodity

(リサーチのコモディディ化):

長引く不況の影響から、リサーチに重きを置かなくなってきている。結果、リサーチバイヤーは調査価格やタイミングでプレッシャーをかけ、コモディティ化が進む。

Page 22: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

変るリサーチャーの仕事。

望まれるリサーチャーとは?

Page 23: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

23

マーケティングのパラダイムシフト

今まで これから

ピラミッド型人口構成

右上がり成長市場

マス・マーケティング

リアル市場

企業目線 (プロダクトアウト)

企業ニーズの充足

機能的価値の追求

取引主体のマーケティング

資産の所有

マーケットシェアの追求

新規顧客の獲得

マーケターからの一方通行型コミュニケーション

断続的マーケティングコミュニケーション

伝達はマスメディア

単一チャンネルマーケティング

価格は原価主義で決定

販売データ

少子多老型人口構成

平行移動成熟市場

パーソナル・マーケティング

リアル市場とサイバー市場の共存

生活者目線 (マーケットイン → 共創)

顧客ニーズの充足

普遍的価値 (真に快適で幸せな生活)の追求

関係性マーケティング

ブランドの所有

顧客シェアの追求

顧客の維持・顧客満足

顧客対話型(双方向)コミュニケーション

総合的マーケティングコミュニケーション(IMC)

伝達は多様なコンタクトポイント

マルチ・チャンネル

価格は消費者価値で決定

顧客データ

出典) P・コトラー : 「コトラーのマーケティング講義」および

上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版)から

23

Page 24: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

24

調査テーマのシフト

今まで これから

意識化された消費者の意見を聴取

仮説検証だけが科学的な調査

言語反応

構成的な調査票

+ 無意識のニーズをインサイト

+ 仮設の発見を重視

+ ノンバーバルな行動を観察

+ 生活者の自発的な反応を解析

出典) 朝野照彦著書 : 「アンケート調査入門」を一部改編

24

Page 25: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

25

市場調査部

マーケティングリサーチ部

25

クライアントのリサーチ部門の機能の変化

企業におけるリサーチ部門の機能は、会社がリサーチ部門に何を期待するかによるが・・・

一般的に期待されていることは・・・

トップマネジメントの意思決定システムへの参画

経営戦略、マーケティング戦略を支援する情報の収集と分析、報告

マーケティング活動の効果・効率の評価(マーケティングROI)

戦略内容を支援する発案能力

消費者・顧客の動向に関する分析力、洞察力

リサーチスペシャリスト集団としての研究開発力

【最近の傾向】

マーケティング・インテリジェンス部

経営戦略本部 ビジネスナレッジ

コンシューマー ナレッジ&インサイツ

コンシューマー&マーケット インテリジェンス

市場情報室

Page 26: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

26

リサーチャーの「気質」のシフト

26

今まで 現在・これから

調査道を究める

作品を時間をかけて仕上げる

一発必勝

仕事は格闘技

師匠と弟子

調査計画は方法論から始める

数値データを伝える

品質至上主義

標本の代表性を重視

統計学の重視

仮設の検証

情報の効率的収集を研究する

リアルタイムに情報を処理する

連発で勝利

仕事はチームプレー

コンピュータ&インターネットと自分

調査計画はクライアント・ニーズから始める

解決型のマーケティング情報・知恵を伝える

+ 意思決定至上主義

+ ピンポイントセグメントの重視

+ 認知科学の重視

+ 課題の発見

Page 27: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

27

リサーチャーとしての心得

27

リサーチャーは、建築家であり、大工であるべき。すなわち、広い視野に立つ調査の全体設計者であるとともに、個別作業の技術者でもあるべき。

リサーチャーは、優れた調査をするため、少なくとも、マーケティング全般と統計の知識、生活者の視点をもつこと。

消費者行動とマーケティングに関する知識、それらとマーケティング・リサーチの関係を理解することも重要。

データのファイル屋にならず、意思決定への強力なサポーターになること。

事実の単なる羅列より、結果のインサイトを重視すること。クライアントのニーズは調査を実施することではなく、インサイトとガイダンス。

技法の選択より、マーケティング課題を理解し、的確な調査目的の決定を先に行うこと。

科学的、論理的なアプローチをすること。

企業内のリサーチャーは社内の関係部門をよく理解し、彼らと協働すること。

新手法・新発想の導入に敏感なこと。実験魂を持つこと。

プロジェクトを高品質に維持すること。

経費に見合う情報価値の提供を心がけること。

データの機密保持に徹すること。

上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 を一部改編

Page 28: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

28

リサーチャーへの教訓

28

リサーチャーは、信頼できるデータの提供を最優先に考えること。

調査計画時の問題の定義づけが大切であって、それが終われば、問題の半分は解けたも同じと考えてよい。

調査で解決すべき課題が完全にクリアになるまで、つぎのステップに移ってはいけない。

マーケティング課題の解決が主眼であって、手段となる技法に目を奪われてはいけない。

解決すべき課題に対してもっともシンプルなソリューションを探すこと。

データをどういじっても集めたもの以外は出てこないことを承知すること。

先人が残した知識と経験の上に立っていることを忘れてはならない。

調査結果の要点を短時間に意思決定者に伝えられるよう努力すること。

むずかしい調査用語を使って、相手を煙に巻いてはいけない。

1

2

3

4

5

6

7

8

9

出典) 上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版)

Page 29: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

29

リサーチャーの望ましい資質とは・・・

29

企業行動を理解しマーケティング視点に立脚している。

消費者の心理や行動に強い関心がある

論理的思考・科学的思考ができる。

一歩踏み出す勇気・チャレンジ精神が旺盛である。

サービス精神(情報提供の)がある

責任感が強い

調査の企画・設計に優れている

実査・集計業務に明るい。

分析力、要約力に優れている。(‘理由’をいえる)

文章表現が豊かである。

数字に明るい。

問題点を完全に解決しようとする気持ちが強い。

クライアント(社内・社外)を支援しようとする気持ちが強い

出典) 上田拓治 : 「マーケティングリサーチの論理と技法」 (第4版)を一部改編

素養関係

能力関係

態度関係

1

2

3

4

5

6

7

12

8

9

10

11

13

Page 30: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

30

ビジネスインサイトを導く

(個人・チームの引き出し) 知識・経験・感性

調査・観察の実施。消費者インサイトを探る

問題意識 (個人・チームの)

ビジネスインサイトが降りてくる

新しい切り口の見える瞬間

消費者行動の 知識

マーケティング の知識

発想法

Page 31: (最新)Marketing research landscape 2011(0629) j

31 Presentation example to Kantar Companies 31