M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

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トライアングルエレクトロニクス 代表 久保 幸夫(くぼ ゆきお ©Yukio Kubo 2015 1

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トライアングルエレクトロニクス 代表 久保 幸夫(くぼ ゆきお )

©Yukio Kubo 2015 1

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このスライドは、 (公財)滋賀県産業支援プラザ主催のセミナー M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来 」 2015年12月9日 http://www.shigaplaza.or.jp/itseminar20151209/

で使用した、資料を基にした公開版のスライドです。 セミナーで使用した資料に追記や、一部省略をしております。

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M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来 内容 1. M2M/IoTって何だろう? 2. マシン同士が繋がる(M2M)と何ができる?(過去~現在) ~身近なあれも実はM2M!ここまで来ているM2M実用技術 3. M2MからIoTの時代へ(近い将来) ~マシンやセンサーがネットに繋がるとどうなる? 4. ドイツ発『第4の産業革命』の衝撃 ~製造業のパラダイム革新とそのインパクト 5. 既存の産業、ビジネスモデルが受ける影響(課題) ~ネットとスマホで時代は変革、次は… 6. 変革はチャンス! ~IoT時代の「もの」づくり、サービス、流通業の 新しいモデルと対応策

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自己紹介 トライアングルエレクトロニクス代表 久保 幸夫(くぼゆきお)

略歴 • 関西の大手電鉄系のエンジニアリング会社勤務

後、2001年に独立。ITや通信ネットワーク、組込み関連技術の講演や執筆を行う。 CQ出版、電波新聞社、日経BP社などの 雑誌、書籍等に多数寄稿。 最近は、M2M/IoT関連の講演・執筆が増えている。

• 最近は、地元、大阪・日本橋の電気街にて活動中。次世代の技術者育成のため、電子工作 マガジン(電波新聞社)の記事連載など、 電子工作の普及に注力。

• 大阪・日本橋 でんでんタウンロボット連絡会 幹事(運営担当)

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1. M2M/IOTって何だろう? Machine to Machine / Internet of Things

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さまざまなM2M/IoT さまざまな「業界」があり、 特有のシステムがある 特有の用語もある でも、用語の定義も定かでない 例 重機の監視システム スマートアグリ(農業) クラウド農業ナレッジソリューション スマートグリッド エネルギー(電力)管理システム スマートハウス スマートな電気ポット M2M/IoTで高齢者見守りサービス スマートな工場

インダストリアルインターネット

用語(キーワード)から、入ると大変! まずは、概念ザクッと掴もう

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http://shukatsu.nifty.com/mimamori/zojirushi.htm

http://journal.jp.fujitsu.com/2014/04/04/04/

食・農クラウド Akisai(秋彩)

みまもりほっとライン

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用語に、溺れていませんか?

UGCCNet IEEE1888

Aルート

BEMS

Bルート

Cルート

HEMS

CEMS

FEMS

IoT

IoE

M2M

BLE・Beacon

ECHONET-Lite

IEEE802.15.4/ZigBee

Wi-SUN

スマートメータ

スマートグリット

ビッグデータ

スマート配電盤 MDMS MQTT

IoTサービス

データ分析

NoSQL

センサーデバイス

Arduino

Windows 10 IoT

Edison

Raspberry Pi

CoAP

IPv4/IPv6

TCP/UDP

ユビキタス

スマートハウス

パブリッシャー

ブローカー

高速プロトタイピング

クラウドサービス

IoTゲートウェイ

6LoWPAN

Galileo

Hadoop

WiFi

3G

4G/LTE

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M2M/IoTって?

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M2M Machine to Machine 機械(モノ)と機械(モノ) の通信 検知・制御

IoT Internet of Things 全てのモノの インターネット接続 検知・制御 + データ ⇒付加価値

オープン クローズド

独自方式 でつながる

TCP/IP インターネット技術でつながる

BIG DATA

ここに 注目!

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2. マシン同士が繋がる(M2M)と何ができる?(過去~現在)

~身近なあれも実はM2M!ここまで来ているM2M実用技術

http://www.murata.co.jp/cheerleaders/sp/

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村田製作所の、玉乗りロボット 無線を使ったM2M技術で制御

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M2Mって? M2M Machine to Machine 機械(モノ)と機械(モノ・含むコンピュータ)の通信 用語としては、新しく感じるが 概念は、昔(コンピュータの黎明期)からあった 例 ・MARS : Multi Access seat Reservation System 国鉄(現JR) 1960年 マルス1 4列車3600席分 1964年 マルス102 みどりの窓口 新幹線開業 5列に対応 2002年~現在 マルス501 Webサーバと連動 PCやスマホから予約可能 インターネットからサービス利用できる ・銀行のオンラインシステム 専用端末⇒ CD⇒ATM ⇒インターネットバンキング

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コンピュータと発券機を通信回線で つないで、使用

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M2M/IoTに近いシステム M2M/IoTに近いシステムは、 すでに、様々な分野で実用化されている ただし・・・標準化されていない独自仕様 ⇒垂直的な独自システム(縦割り) メーカ独自、業界独自のシステム 弊害 ・データが活用されていない ・データがオープンになっていない M2Mはインターネットが無い時代からある 言い換えると、通信の方法は、さまざまな方式 インターネット標準ではない、

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マシン同士が繋がると何ができる? マシン同士が繋がると・・・ 検知と制御 ・遠隔制御・検知 ⇒ 自動制御 リモートコントロール、リモートセンシング 例 ・ビルの機械警備 センサーで不審者を検知、通報 ・工場の製造ライン 生産管理(ラインの状態の監視)に使用 ⇒進化して、複数の産業機器やロボットが協調動作 生産効率向上、さらには多能化により、多品種生産へ ・データの取集・記憶 自動検針 アナログメータ検針(電気・ガス・水道)⇒スマートメータ ・データの保存⇒データが溜まる ⇒ビッグデータを深く分析(データマイニング) することにより、新たな付加価値を見出す

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M2Mぽぃシステム

駅の自動改札システム(PG) 鉄道サイバネテックス機器 人の代わりをする機器

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ICカード(FeliCa)リーダ/ライタ 内蔵の自動改札機

導入後は、 遠隔運用(駅員が居ない 無人運用)も増えた

省力化を目的

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鉄道会社 自動改札機の OD(乗車・下車)データの収集 2001~

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改札機 改札機 制御機

A駅 サーバ

駅務 サーバ

駅務システム専用 ネットワーク(非IP)

駅構内IP ネットワーク

業界専用 プロトコル M2M通信

TCP/IP

改札機

B駅 サーバ

鉄道会社 IP網 OD

DB サーバ

OD Data

保守 DB

サーバ 保守 Data

TCP/IP 広域IP ネットワーク

JR東日本のSuica 約 4,557 万枚

運賃 収入 サーバ

運賃 収入 Data

遠隔 制御 端末

遠隔 制御 端末

センタ駅

保守 サーバ FeliCa

FeliCa

BigData 出改札情報 ・ICカードの識別番号 ・入場/出場時間

データの 活用

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応用システム グーパス・あんしんグーパス

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改札機 改札機 制御機

駅 サーバ

社局 サーバ

DB 照合 サーバ

アプリ サーバ

メール サーバ

携 帯

出改札情報 だれが、どこで、

何をした

コンテ ンツ

ピッ!

DB

各鉄道事業者

駅務システム専用 ネットワーク(非IP)

業務系IP ネットワーク

社局 サーバ

運行 管理 シス テム

Web技術・アプリ

Eメール

サービス事業者

M2M TCP/IP

PC

試験運用(東急)2001 実運用(小田急)2003~2008 阪急・京阪他関西の電鉄 2004~

改札機を通過すると、 電子メールで通知

電子メールとの連携

現在、あんしんグーパス のみサービスを提供中

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最新の電車は、M2Mの塊

JR東

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鉄道ネタが続きますが、 講演者の 好み の せいです

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トラブル発生 残念 頑張ってほしい!

©Yukio Kubo 2015 17 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151201/k10010325821000.html

新しいシステムには、トラブルは、つきもの。でも、報道されている内容から察すると、少々シミュレーションに頼りすぎているような、感じがします。多くの人命を預かる鉄道事業。「頭でっかち」にならずに、実車で、十分な検証をするなど、「泥臭いモノづくり」を望みたいです。

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家の中もM2M つながる家電

例えば… AV機器のネットワーク接続のしくみ DLNA (Digital Living Network Alliance)

ただし、A社のTVとB社のAV機器が、きちんと つながるかは わからない 縦割りの弊害

©Yukio Kubo 2015 18

基本的な、再生とかは、できることが多いが、各社独自の応用機能をつかうと、不安定になったり、ダメになる…とか

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日本には、技術はあるはずだが…

・しくみを作れるが、「まとめる」ことが苦手 縦割りの弊害 ・国レベルでも IT:経済産業省 ICT:総務省 ・業界レベル 各社の“囲み込戦略”の弊害 A社のTVとB社のBDレコーダーが上手くつながらない C社のエアコンを遠隔操作できるのは、C社製品やサービスだけ 国際競争力は? グローバル化できていない 垣根を超えた標準化と、競争力強化が必要 ・M2Mは閉じたシステムが多い ⇒IoT時代は、インターネットとつながる

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3. M2MからIOTの時代へ (近い将来)

~マシンやセンサーがネットに繋がるとどうなる? IoT

http://www.lorando.it/komtrax-trentino-komatsu-monitoraggio-satellitare.htm

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IoTの代表例

有名なところでは KOMTRAX(コマツ 2001年~) 建設機械遠隔確認システム 約62,000台(2011/4現在) のKOMTRAX(コムトラック)装備車両 10年以上の実績

©Yukio Kubo 2015 21

http://www.komatsu-kenki.co.jp/service/product/komtrax/

・位置情報、 稼働状態の モニタリング ・メンテナンス ・盗難防止

海外では、この目的で使用

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IoTで つながるモノ

スマート○○ を探してみると・・・・

©Yukio Kubo 2015 22

スマートグリット

スマートメータ

スマートオーブン (電子レンジ)

キッチンの スマート化

スマートグラス(メガネ)

スマート家電

スマートTV

スマートウォッチ

スマートフォン

スマートカ―

スマートアグリ スマートハウス

スマート工場 スマートCity

スマート コミュニティー

スマート冷蔵庫

スマートトイレ

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スマート○○ を整理すると

いろいろな、用語を、 業界や分野別に整理するとわかりやすくなる

©Yukio Kubo 2015 23

スマート グリット

スマートメータ

スマートオーブン (電子レンジ)

キッチンの スマート化

スマートグラス (メガネ)

スマート家電 スマート TV

スマートウォッチ

スマート フォン

スマートカ―

スマートアグリ

スマートハウス スマート工場

スマート City

スマート コミュニティー

スマート冷蔵庫

スマートトイレ

スマート道路

エネルギー スマートハウス デジタル家電・ ガジェット系

社会・産業

スマートTV

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スマートフォンとスマート家電(オーブン)

• 現在

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35分後にアラームをセット

00:35 35分後にアラームをセットしました

数年前の CM

Siri

液晶 エビグラタンをオーブンで調理

00:35

エビグラタンモードで、セットしました加熱開始します。 35分後に焼きあがります。

オーブンが ネットにつながると

○○さんが ○月○日○時○分に、エビグラタンを調理 地域 ○○

気温 ○○…

プロファイル エビグラタンモードに最適化された加熱制御

温度 ・重量 変化

クラウドサービス

24

了解

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スマート冷蔵庫の例

冷蔵機能付きディスプレイ 巨大なAndroid端末

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Android端末 大型ディスプレイ 通信(無線LAN) マイク ジェスチャー入力 アプリ

コミュニケーション 食料品の管理

ハイアールアジア AQUA (旧三洋電機冷蔵庫部門) http://haier.co.jp/images/2015/06/650f12f24bf5fdc36813ef5ee4b0183e.pdf より

ロボット型冷蔵庫(R2D2型

移動式冷蔵庫)なども

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スマートアグリ

M2M/IoTで変わる農業 オランダが先行

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富士通の事例(スマートアグリ) 「施設園芸SaaS」「施設環境制御box」 http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/agri/uecs/

クラウド

ネットワーク

ノード(マイコン・センサ)

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その他の スマート○○ ・スマートカ― 自動車そのもののスマート化 自動運転・自律運転 地上、他車からの情報で運転支援 センサーノードからのデータ つながる車 車・車間通信 ・スマートトイレ 排泄物から、データ 健康管理、医療 ・・・・・他にも多くあり

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車をスマートに するアプローチ

道路をスマートする アプローチ

車どおしの連携

有用なデータ

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つながる製品、変わる製造業

M2M/IoT時代は、 多くの製品がネットにつながる 少品種大量生産⇒個別大量生産 マーケティング・R&D 市場調査・製品企画・開発 製造 ものづくり現場 販売 卸 小売り ユーザ(市場) 製品の評価、顧客の声

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評価 要望

わがまま

Page 29: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

4. ドイツ発 『第4の産業革命』の衝撃

~製造業のパラダイム革新とそのインパクト

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SCF 2015 (システム コントロール フェア)の模様

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インダストリー4.0

GEのスマートファクトリー インダストリアル・インターネット つながる工場 つながるセンサ、生産機器 ロボット、AGV(無人搬送車)

データの活用 生産管理(生産効率向上、歩留まり、予防保守…) インダストリー4.0 第4の産業革命 ドイツが先行

インダストリアル・ネットワークの相互接続 リアルタイムに工場間の情報を共有 工場と材料メーカの工場 ライバルの工場との協業(国際競争力を強化) インターネット(ユーザ、市場)からのフィードバック

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産業の変化 第1次産業革命 蒸気機関 第2次産業革命 石油エネルギー・重化学工業 第3次産業革命 機器のマイコン制御化 産業機器のインテリジェント化⇒産業用ロボット 機器が専用ネットワークでつながる ここまでは、省力化のため 時代は、第3次から第4次へ 現在は3.5次ぐらいか? 第4次産業革命、IoT時代

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Page 32: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

第3次と第4次の違い

第3次産業革命 つながる工場内の機器 工場の1ラインの機器を、専用ネットワークで接続⇒ M2M化 工場内のラインを、情報系ネットワークで接続 生産効率アップ、人員削減

第4次産業革命、IoT時代 つながる工場 工場・管理部門をインターネットに接続 情報の公開 工場自体が他の工場、取引先企業、顧客…とつながる サプライチェーンをネットワークでつなげる つながる顧客・市場と生産現場 新たな価値を ・発生する大量の情報(big data)の相互活用 情報の発信(提供)と取集 give and take ・マスカスタマイゼーション(個別大量生産) 特注品 パーソナライゼーション 顧客のわがままを叶えてくれる 生産機器の多能化とネットワークによる協調

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Page 33: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

新たな価値観、ユーザ体験 ・インターネット上のSNSなどを介して、 ユーザをものづくりに巻き込み、新たな価値を ・ユーザのインサイト(消費者のホンネ)やユーザのわがままをキャッチ ・製品が製造メーカの思惑どおりに使われているとは限らない 例 目的外使用 カスタム化 改造して youtubeで自慢 半完成品+DIY SNSに公開 ※ここまでは、現在のインターネット活用でも可能 ・M2M/IoT時代には、つながる機器やセンサなどから、 ダイレクトに情報が上がってくる。 ユーザの属性、使い方(時間、回数、どこで…) 見えないものが見えてくる。隠れていたもの。 どうやって情報を拾って、活用するか?今から考えておく必要がある。

©Yukio Kubo 2015 33

Page 34: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

半導体メーカにみる事業の変化

昔 LSIの設計、製造、販売 半導体工場(ファブ)を持つ

2001~ ファブレス企業と生産専業企業 ファブ(工場)レス企業 開発、設計、ライセンス販売でソフトウェア的に儲ける ファブ企業は、半導体生産を受託

インターネット時代は、特化、専業化の傾向 世界とつながる⇒競争も厳しい、スピードも要求 自社の“強み”に特化 アライアンス企業と協業 “ゆるい”つながりは、時代の変化に対応しやすい

©Yukio Kubo 2015 34

Page 35: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

5. 既存の産業、 ビジネスモデルが受ける影響(課題)

~ネットとスマホで時代は変革、次は…

難しいことは、さておき ラーメン店で 考えてみよう

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セミナーの受講者は、製造業だけとは、限らないので、 ラーメン店で例えてみました

こだわりラーメン

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ラーメン店のビジネスモデル

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エネルギー ガス・電気

製麺所

お客様

SNS ネット上の情報

インターネット

外部環境 気候

イベント

食材販売会社

仕入れ

仕込み

調理

提供

仕入れ 利益

“こだわりの麺” 麺の調合(粉、、かんすい、水分)

を指示

発注

発注

来店 注文

代金 納品

納品 供給

がんこ親父の こわだりラーメン

“こわだり” の食材調達

Page 37: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

第4次産業革命、IoT時代

©Yukio Kubo 2015 37

食材販売会社

エネルギー ガス・電気

食材販売会社

製麺所

“こだわりの麺”

外部環境 気候・イベント ネット上の情報 SNSの情報

人の位置情報 他店の情報

食材販売会社A “こわだり” の食材 ラーメン

仕入れ

仕込み

調理

提供 仕入れ 利益

発注

発注 来店 注文

代金

納品

納品

気候予測、需要予測などで、リアルタイムに

発注

在庫と需要予測で、リアルタイムに発注

供給 メータ データ

情報・ 広告

情報

お客様

O2O活動

評価、顧客の

O2O(Online to Offline)ネット上からリアル店舗へ

センシング ビーコン(iBeaconなど) の活用

Page 38: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

課題

©Yukio Kubo 2015 38

食材販売会社

エネルギー ガス・電気

食材販売会社

製麺所

外部環境 気候・イベント ネット上の情報 SNSの情報

人の位置情報 他店の情報

食材販売会社 “こわだり”

の食材の調達 ラーメン

仕入れ

仕込み

調理

提供 仕入れ 利益

発注

発注 来店 注文

代金

納品

納品

“こだわりの麺” ノウハウの

流出

供給 メータ データ

情報・ 広告

情報

お客様

O2O活動

不満

ネットの 悪影響

発注情報で こだわりの

レシピの原料が漏洩

メータデータの流出

何時間煮込

んだのか

Page 39: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

第4次産業革命、IoT時代の課題 つながるメリットとデメリット 情報セキュリティ 情報資産は? 何が、「大切」? 何を守るの? こだわりのスープ レシピ こだわりの麺 ノウハウ 見せても良い情報(公開して良い) は、積極的に公開 ほかにも ・プライバシー・個人情報 ・システムの安定性

©Yukio Kubo 2015 39

Page 40: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

6. 変革はチャンス! ~IoT時代の「もの」づくり、サービス、流通業の新しいモデルと対応策

©Yukio Kubo 2015 40

Page 41: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

昨年まで3Dプリンタで騒いでいた 新聞、雑誌記事には 3Dプリンタで産業革命!との文字が躍る 生産する消費者・メーカーズ革命 自分が欲しいものを、自分で創る時代 私も、3DプリンタのKITを組み立てました (安価な機械は)精度はまだまだ、工業用途には無理 でも“のびしろ”は大きい 先々、期待できる ただし、縦書きの記事が言うほど、 急激な変化はおきない。 でも、着実に変化は起きている。 3Dプリンタは、第4次産業革命の一要素 M2M/IoTも、すぐには移行できない すぐには、変わらない 長い目で見る

©Yukio Kubo 2015 41

Page 42: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

ケーススタディ 農業分野とM2M/IoT 農業の変化

昔 地産地消 生産者の顔の見える農業 高度成長期 生産地と消費者の分離 顔の見えない、農業 インターネット時代 会員制通販 消費者を巻き込んだ農業 例 田畑、木に投資(ファンド) 参加型(田植え、収穫イベント) 生産者と消費者が繋がる農業へ M2M/IoT 時代 ?どうなる農業? スマートアグリ以外にも…

©Yukio Kubo 2015 42

Page 43: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

M2M/IoT 時代の新形態の農業 ・インターネット時代 消費者を巻き込んだ農業 生産者と消費者が繋がる農業 ・M2M/IoT ≒スマートアグリ時代 どうなるか? 例えば 農業分野でも「生産する消費者」 レンタルファーム 各種センサーで、状態を管理。空調、調光、灌水は自動 種まき、肥料散布、収穫等の実作業は、サービスとして提供 ロボット作業は安価な料金、手作業は高い・・・ (例えると、手洗いの洗車は高い、自動運転の機械だと安い) 農業のサービス業化 ファブレスならぬ、ファームレス農産家が出現 農業の概念が変わる かも アイデアが大事!

©Yukio Kubo 2015 43

Page 44: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

ちいさな M2M/IoT 中小企業、ベンチャーが 手に届くM2M/IoT まずは、スモールスタートで 事例 M2M/IoT 技術で 狩猟のデジタル化ができないか・・・・ その背景 全国で鳥獣による農産物の被害拡大 農地を荒らす害獣の駆除 猟師の高齢化、人材不足問題 知人が起業してチャレンジ中

©Yukio Kubo 2015 44

Page 45: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

ちいさな M2M/IoT 湖北版(例えば) 滋賀は 仏像の宝庫 湖北の 観音様 など 国宝級数々 問題点 無人で常時監視されていない。セキュリティ上の問題 盗難、破壊、悪戯、など 平日見れない箇所も多い、個々で拝観料を払うのが面倒 M2M,IoTを導入したら 何ができるか? センシング、遠隔操作 直接的なセキュリティ どれだけ、観光客がきたか検知 スマホ連携 ナビゲーション 解説 忙しい人にデジタル朱印書…

©Yukio Kubo 2015 45

Page 46: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

アイデアトレーニング 1

IoT/M2M時代には、 どのような「サービス」が提供できるか考えてみよう 例えば、話題の某ジムのような業種で考えると・・・

©Yukio Kubo 2015 46

スマート 冷蔵庫

スマート メガネ

インターネット

つながる 体重計・ 体脂肪計

栄養士・管理栄養士 が、アドバイス

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アイデアトレーニング 2

想像してみよう 「M2M/IoT時代の○○」 ・ウェアブル端末必携時代の 合コン メガネ、腕時計… バイタル(脈拍、体温…)センサ付 プライバシー公開レベルの駆け引き

・ウェアブル端末必携時代の お笑い 爆笑度計測 芸人の殺し? 元ネタは 大阪電気通大学の研究

・センサーだらけ時代のだから アリバイサービス

想像が創造を生み、創業につながる ©Yukio Kubo 2015 47

Page 48: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

今ハッカソンが人気 なぜ?

例 ものアプリハッカソン(第一回2013年1月大阪市)詳細は↓

http://www.kumikomi.net/archives/2013/02/rp03hack.php

©Yukio Kubo 2015 48

MoffBand

Moffの原型

Moffプロジェクト として進化

ものアプリハッカソンの成果物 「『KodoQ』怒りのイカ

クラウド・ファンディング・サイト「Kickstarter」 で最終的に7万8000米ドルを超える資金調達

ウェアラブル端末×アプリ×クラウド連携 http://www.ashita-lab.jp/special/2733/

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三つの要素を どう組み合わせるか?が鍵!

©Yukio Kubo 2015 49

アイデア 勝負!

サービス

もの(センサ・機械)

クラウド(サービス)・データ

ネットワーク・無線

何を検知するのか? 何を制御するのか?

どうやって、つなぐのか? 有線?無線?

どのような、サービスを、 どう使うのか?データの活用は?

やってみないと、解らない! ネットにつながる

小型コンピュータRaspberry Piを 使った電子工作が流行

Page 50: M2M/IoTとは何か? 「モノのインターネット」で変貌する世界の今と未来

これから、すべきこと M2M/IoTは、期待はされているが、不透明 ・国際レベル、国レベル、業界レベルで、 しくみ(規格、方式)の統一の動向を見る ・セキュリティにも注意 何が大切か?情報資産の把握と守り ・アイデアを膨らませる ・風呂敷を広げ過ぎないM2M/IoTを 実現可能な規模で ・スモールスタートで、走りながら考える まずは、アイデアをプロトタイプで実証 データの取得方法と活用 ユーザの巻き込み 他社とのアライアンス ビジネスモデル 組織の変革…

©Yukio Kubo 2015 50

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各地で勉強会が開催 公的機関、業界、産学、草の根で M2M/IoTの勉強会等が 盛んに 経営的なアプローチや、 技術的アプローチがある まずは、情報取集と“学ぶ”こと、 そして“やってみる”が大切 その上で、アイデアを温めること、 実現可能性を高めることが大切 (知財にも注目)

©Yukio Kubo 2015 51

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M2M/IoT 時代の人材育成 M2M/IoT時代 人材育成が必要 ・ビジネスモデルやサービス、データ活用を考える人 ・ネットワーク技術で“つなげる”人 ・フィジカル(ハードウェア面)に強い技術者 どうやって検知、制御する?

©Yukio Kubo 2015 52

もの(センサ・機械)

クラウド(サービス)データ活用

ネットワーク・無線 全体を俯瞰できる 人材の育成が必要

サービスの活用 データ分析と活用

Raspberry Pi

MQTT TCP/IP LAN

セキュリティ

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ご清聴 ありがとうございました M2M/IoT時代の ご活躍を祈ります よろしければ、こちらのスライドも参考にしてくだい http://www.slideshare.net/yukiokubo169/io-tm2mweb 連絡先 HPのメールフォーム、またはFacebookからお願い致します http://triangle-ele.com

©Yukio Kubo 2015 53

FB:yukio.kubo.169

話題の「IoT・M2M」って何? ~この強力かつ広範囲な概念をいろんな角度から 眺めよう 大阪市の南港ATC ソフト産業プラザ イメディオで開催された IoT/M2Mセミナーのスライドです

Raspberry Pi講座なども行っています