超新星爆発による 重力波、電磁波、ニュートリノ放出 - ICRR...超新星爆発による 重力波、電磁波、ニュートリノ放出 Kei Kotake (Fukuoka University/NAOJ)
M2 佐光之法 -...
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NMRマニュアル
2006.6.15分子機能解析化学研究室
M2 佐光 之法
マニュアルのフローチャート
NMRの簡単な紹介
オンライン予約
試料調整
測定方法
スペクトル解析
NMRNMR
磁場中の試料に電磁波(ラジオ波)を照射したときに試料中の核スピンを有する原子核(1H、13C)が吸収した
共鳴周波数をそのピーク強度の関数として記録する
NMRスペクトルでわかること…1)化学シフトから水素の結合形式(O-H,N-H)2)ピーク面積(積分値)から水素の相対数(3H,5H)3)スピン結合によるピーク分裂数(s,d,m)と分裂の幅
(スピン結合定数J)から水素の位置関係
化合物の構造決定に非常に有力な測定法
Nuclear Magnetic Resonance 核磁気共鳴分光法
time chemical shift
FID ( Free Induction Decay )自由誘導減衰
リアルスペクトル (NMRスペクトル)
フーリエ変換
FT-NMR装置の基本的な構成図
e-t
2005年度までは…理学部
JOEL JNM-LA300 FT-NMRJOEL JNM-LA400 FT-NMR を使用
使用料金が360円/時→900円/時に上昇データはDATでしか保存できず編集も面倒
2006年度からは…薬学部
JOEL JNM-EX270 FT-NMRJOEL JNM-GSX500 FT-NMR を使用
使用料金は240円/時(EX270)、360円/時(GSX500)データはUSBメモリに保存できる(約300KB)解析ソフトALICE2にていつでも編集可能
当研究室のNMR測定状況
高分解能フーリエ変換核磁気共鳴装置
日本電子
JNM-GSX500 日本電子
JNM-EX270機種
性能 超伝導磁石11.7 T (117000 G)
超伝導磁石6.34 T (63400 G)
共鳴周波数1H: 500MHz 13C: 125MHz
共鳴周波数1H: 270MHz 13C: 68MHz
薬学部のFT-NMR装置概要
化学シフト
基準周波数(NMR装置の性能)とHz、δの相関
基準周波数(NMRの磁場の強さ)によるスペクトルの差
予約予約
サイボウズ office6薬学部オンライン予約システム
URL:http://news.p.kanazawa-u.ac.jp/Scripts/cbag/ag.exe
グループ(研究室)欄から
薬学部外を選択
パスワードはkuni6292と記入
会社情報、予定、メモは記入する必要ない
使用時間帯を参考に空き時刻で予約する
15分単位で記入 目安として2サンプルで10~15分
試料調製試料調製
試料を重水素化溶媒で溶かす
綿ろ過してNMRチューブに移す
超音波装置で脱気する
テフロン栓で閉める
試料、重水素化溶媒、マイクロシリンジNMRミクロチューブ、サンプル管
スパーテル、パスツールピペット、脱脂綿
1) 重水素化溶媒の選択
・溶解性が高い濃度は適度に高い方がスペクトル強度が良い試料5mgに対して0.5ml程で完全溶解する
・粘性が低い溶液粘度が高いと測定時にロック調整やシム調整が難しい測定時間が長くなるだけでなく感度(S/N)や分解能も悪化する
・反応性が低いメタノールを使用すると試料中の活性水素とD-H交換する場合がある
同じ試料でも溶媒で水素結合の強さが異なり化学シフトに違いがでる
TMS 0.03 %含有( クロロホルム-d1 、メタノール-d4 、DMSO-d6 )
・純度が高い重水素化率99.5~99.95 %の溶媒を使用する
残存水素や水の混入による試料ピークへの妨害を極力抑える
注意事項
化学シフトは置換基固有の値をとる。
アルコール(-OH)、アミン(-NH)、カルボン酸(-COOH)など活性水素を含む場合は
濃度、温度、溶媒により水素結合の強さが異なるので化学シフトが幅広く変化する。
水素結合が強い程プロトン周辺の電子密度が低下するので化学シフトは高周波数側へシフトすることになる。(IRスペクトルとは帰属が逆になるので注意!)
アセトン-d6
クロロホルム-d1
重水
メタノール-d4
DMSO-d6
重水素化溶媒 純度(%) δH (ppm) δH2O (ppm)
7.2699.7 99.8
99.8 99.9
99.0 99.6 99.8
99.9
粘度(cP)
2.0499.54.63
3.30
2.49
2.75
3.35
1.50
4.75
4.90
化学シフトのマスターチャートと重水素化溶媒の性質
0.58
0.59
2.24
1.02
0.32
2) 不純物、不溶物の除去
スペクトルの感度と分解能を著しく悪化させる原因特に常磁性の金属不純物には極力注意するNMRミクロチューブへ必ず綿ろ過して移す
また溶存空気中の酸素も常磁性物質なので超音波装置で気泡がなくなるまで脱気する
測定測定
1B111 薬学部NMR室
出入り禁止!
1B113 薬学部模擬薬局
出入口
・NMR測定サンプル・USBメモリ
・測定マニュアル・NMR室の鍵
薬学部NMR室の鍵
1B111 薬学部NMR室入口
NMR室内の強力な磁場のため携帯電話、腕時計に悪影響
を与える可能性があるので持ち込まない方が無難!
鍵が必要
JOEL JNM EX-270 FT-NMR
エアーコンプレッサー
エアードライヤー
マグネットコンソール分光計
コンソール
電源装置常時ON
酸素モニター
万一、ヘリウムや窒素漏れ等で酸素濃度が低下したら薬学部NMR管理者の内山先生 (内線 3145) または機能性分子設計学研究室 (内線 4439)に連絡
ロックシグナルモニター
電源を入れるNMR本体
NMR測定フローチャート
試料セットスピロナータに差し込んでプローブ内にセット
測定条件の設定核種(1H、13C)、溶媒、積算回数
試料のローディングロック調整、シム調整による磁場の安定化、均一化
積算開始分解能は自動調整される
データ取り込みFIDをFT変換してリアルスペクトルを得る
スピロナータとサンプルゲージ
スピロナータは一番下まで伸ばすサンプルが取り出せなくなる可能性あり
サンプルゲージの底に合わせる プローブにサンプルをセット
測定用プログラムEXcalibur for Windows ver.5
SAMPLE CommandSLVNTをクリック
測定溶媒を選択してLDSETをクリック
溶媒を間違えると解析時に化学シフトのリファレンス設定に誤差が生じるので注意!
核種、積算回数、試料名ENTERキーを押さないと
認識されないので注意!積算回数を増やす程、感度(S/N)は改善するが
測定時間が長くなる基本は 16 でよい
設定が終わったらAUTO SETをクリックしてサンプルを取り込む
感度(S/N)は積算回数に比例する
試料がスピナーにより高回転されロック調整(磁場安定化)が始まる
シム調整(磁場均一化)が始まりSHMONが点滅する
磁場調整が終わるとロックシグナルが一定になりSHMONが点灯に変わる
ACQUSをクリック
分解能、測定時間
核種、積算回数を確認AGACMをクリック
積算回数、現スキャン数、残測定時間
FIDシグナルの取り込み
1D Pro.をクリックしてFIDをFT変換する
FIDシグナル
リアルスペクトル
ディスプレイの左側にUSBメモリを差し込むFile→Saveを選択してデータを保存する
USBメモリで保存すること拡張子は.alsを選択するCドライブには保存しない!
データ保存が終わったらSAMPLをクリック
もう一度データ保存を聞かれるがいいえを選択
Ejectをクリックしてサンプルを取り出す
ロックが解除されるのでプローブからサンプルを取り出すプローブには必ずキャップをかぶせる
溶媒をクロロホルムに訂正コメントも消しておく
反対側のパソコンに使用簿をつける (OS Mac)
日付、研究室:分子機能解析化学使用者:国本、溶媒、測定時間
研究室のNMR使用簿、重水素化溶媒使用簿もつけておく
スペクトル解析スペクトル解析
日本電子 FT-NMR Data processing SoftwareALICE2 for Windows ver.5
起動にプロダクトキーが必要USBインターフェースに接続
1C738号室Apple、Pineapple、Melon、Banana、Cherry、Grape
インストール済
解析マニュアル
1H-NMRスペクトル解析フローチャート
FIDフーリエ変換
位相補正
ベースライン補正
リファレンス設定
化学シフト表示
積分値計算
1H-NMRスペクトル解析手段
・全自動解析
・自動解析
・手動解析
全自動解析は短時間で解析が終わるので既知化合物の確認には便利
通常は自動解析を行い詳細な解析や修正には手動解析を行うようにする
印刷保存読出
基本ツールバー
表示幅 ケミカルシフト値 スペクトル強度 ベースライン位置
スペクトル拡大、縮小、リズーム、リセット
ウィンドウエリア(FID)
フェイズエリア(リアルスペクト
ル)
e-t ゼロフィリングを実行すると見かけの分離能がよくなる一回クリックするとデータ点数を2倍にできる
ゼロフィリングによるフーリエ変換
自動位相補正を2~3回クリック
位相補正この補正を行わないと正確な積分値計算ができない!通常は自動補正で充分である
感度(S/N)が悪く手動補正が必要な場合はPPを指定してP0,P1をバリュエーター内の変化量に合わせた位置でクリックして位相を合わせる
PP:フェーズポイントP0:PPの位相パラメータP1:PPから最も離れた位相パラメータ
リアルスペクトル画面で残りの解析を行う
ベースライン補正
リフェレンス設定
化学シフト表示
積分値計算
ベースライン補正Commands→Base line correction歪んでいると積分値誤差やピーク未検出の原因になる。
歪みがわかるようにYGで拡大しておく
ベースラインツールバー
自動ベースライン補正補正点が赤く表示されるこの補正点は手動で256個まで
追加できる。
補正結果が表示される
化学シフトのリファレンス設定Commands→Reference set
TMSDMSO
自動リファレンス設定TMSシグナルとロック溶媒シグナルを
基準とした化学シフトが設定されるもし正確に設定されなかったら手動でEX=0ppmと設定する
リファレンスセットツールバー
Screen→Displayスペクトル表示エリアを変更
Display range set始点(Start)と終点(End)を設定してINFINをクリック
Manual scale set表示間隔、目盛数、桁数の変更
化学シフト表示( ピークリダクション) Commands→Peak picking
自動ピークリダクションピークトップに化学シフト表示
ピークピックツールバー
手動で化学シフトの追加、削除できる
積分値計算Command→Integration
インテグレーションツールバー(積分曲線の追加、拡大、分割等)
自動積分手動積分で修正、追加、削除できる
TMS、溶媒、水の積分値は不要!
H2 O
TMS
DMSO
積分基準値の設定芳香環(7.30-7.50,m,5H)のように
明らかに判断できるピークを基準
として積分することができる
C5C4
N3 C2
N1O
O
CH3
H
H(rac)-5-methyl-5-phenyl
hydantoin
1.65(s,3H,CH3 )
7.30-7.40(m,5H,C6 H5 )
TMS
DMSOH2 O
8.61(s,1H,N1 H)
10.77(s,1H,N3 H)
カップリング定数Jと多重度の解析Analysis→J coupleただし積分とピークリダクションが実行されていることが前提!
J coupleツールバー
自動解析手動で追加、削除、補正もできる
多重度 カップリング定数J
マルチビューCommands→Multi viewスペクトルの一部を拡大コピーして余白に貼り付ける
マルチスペクトルCommands→Multi spectrum合計16個まで並べて表示できる
DMSO270MHz8回
DMSO270MHz16回
DMSO500MHz16回
methanol270MHz16回
重メタノールとアミンの活性水素がD-H交換してピークが消滅!