LTC4413 - 3mm×3mm DFNパッケージのデュア …...LTC4413 1 4413fc 標準的応用例 3mm×3mm...
Transcript of LTC4413 - 3mm×3mm DFNパッケージのデュア …...LTC4413 1 4413fc 標準的応用例 3mm×3mm...
LTC4413
14413fc
標準的応用例
3mm×3mm DFNパッケージの デュアル2.6A、2.5V~5.5V
理想ダイオード
LTC4413と1N5817ショットキー・ダイオード
VFWD (mV)0
I OUT
(mA)
1000
1500
400
4413 TA01b
500
0100 200 300
2000
LTC4413
1N5817
ENBA
GND
ENBB
470k
VCC
INA
BAT
10µF
4.7µF
4413 TA01
TO LOAD
WALLADAPTER
(0V TO 5.5V)
OUTA
INB OUTB
STAT
CONTROL CIRCUIT
LTC4413 BATが負荷電流を供給しているときSTATは"H"
特長■ 2チャネル理想ダイオードOR接続または負荷分担■ OR接続ダイオードの低損失の代替え■ 低い順方向ON抵抗:3.6Vで100mΩ(最大)■ 低い逆リーク電流(最大1μA)■ 小さい安定化順方向電圧:28mV(標準) ■ 動作電圧範囲:2.5V~5.5V■ 最大順方向電流:2.6A■ 電流制限および熱保護機能を搭載■ 誘導性ソース・インピーダンスによって誘起される
電圧スパイクに対して保護する低速ターンオン/ターンオフ■ 超低消費電流、LTC4413-1に対する低消費電力の代替え■ 選択されたチャネルが導通していることを知らせる
ステータス出力■ チャネルのオン/オフをプログラム可能■ 高さの低い (0.75mm) 10ピン3mm × 3mm DFNパッケージ
アプリケーション■ ハンドヘルド製品のバッテリ
およびACアダプタのダイオードOR接続■ バックアップ・バッテリのダイオードOR接続■ 電源切換え■ USB周辺機器 ■ 無停電電源
、LT、LTC、LTM、Linear TechnologyおよびLinearのロゴはリニアテクノロジー社の登録商標です。他の全ての商標はそれぞれの所有者に所有権があります。
概要LTC®4413は2つのモノリシック理想ダイオードを内蔵しています。それぞれのダイオードは2.5V~5.5Vの入力電圧から最大2.6Aを供給可能です。各理想ダイオードは、INAをOUTA、INBをOUTBに個別に接続する100mΩPチャネルMOSFETを使用しています。通常の順方向動作では、各ダイオードの電圧降下は28mVという低い値に安定化されます。1Aまでのダイオード電流に対する消費電流は40μA以下です。いずれかの出力電圧が対応する入力電圧を上回るとMOSFETはオフになり、1μA以下の逆電流がOUTからINへ流れます。各MOSFETの最大順方向電流は2.6Aの定電流に制限され、フォールト状態では内蔵の熱制限回路がデバイスを保護します。
2つのアクティブ“H”制御ピンによって、LTC4413に内蔵されている2つの理想ダイオードを個別にオフし、表1で説明されているように動作モードを制御します。選択されたチャネルが逆バイアスされたり、LTC4413が低消費電力のスタンバイ・モードになると、ステータス信号が“L”電圧になってこの状態を示します。
導通状態を示すのに9μAのオープン・ドレインSTATピンが使われます。470kの抵抗を通して正電源に終端されていると、選択されたダイオードが導通していることを、STATピンを使って“H”電圧で示すことができます。この信号は、LTC4413が順方向電流を流していないとき、補助PチャネルMOSFETパワー・スイッチをドライブして3番目の代替え電源ソースを制御するのに使うこともできます。
LTC4413は10ピンDFNパッケージに収められています。
LTC4413
24413fc
絶対最大定格(Note 1) INA、INB、OUTA、OUTB、STAT、 ENBA、ENBBの電圧 .................................................−0.3V~6V 動作温度範囲.....................................................−40℃~85℃ 保存温度範囲...................................................−65℃~125℃ 接合部温度(Note 4) .......................................................125℃ 連続電力損失
(70℃より上では25mW/℃でディレーティング) ....... 1500mW
TOP VIEW
11
DD PACKAGE10-LEAD (3mm × 3mm) PLASTIC DFN
10
9
6
7
8
4
5
3
2
1 OUTA
STAT
NC
NC
OUTB
INA
ENBA
GND
ENBB
INB
TJMAX = 125°C, θJA = 40°C/W (4-LAYER PCB)
EXPOSED PAD (PIN 11) IS GND, MUST BE SOLDERED TO PCB
SYMBOL PARAMETER CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS
VIN, VOUT Operating Supply Range for Channel A or B VIN and/or VOUT Must be in This Range for Proper Operation
l 2.5 5.5 V
UVLO UVLO Turn-On Rising Threshold Max (VINA, VINB, VOUTA, VOUTB) l 2.4 V
UVLO Turn-Off Falling Threshold Max (VINA, VINB, VOUTA, VOUTB) l 1.7 V
IQF Quiescent Current in Forward Regulation (Note 3) VINA = 3.6V, IOUTA = –100mA, VINB = 0V, IOUTB = 0mA
l 25 40 µA
IQRIN Quiescent Current While in Reverse Turn-Off, Current Drawn from VIN
VIN = 3.6V, VOUT = 5.5V (Note 6) l –1 0.5 2 µA
IQRGND Quiescent Current While in Reverse Turn-Off, Measured via GND
VINA = VINB = VOUTB = 0V, VOUTA = 5.5V, VSTAT = 0V
22 30 µA
IQROUTA Quiescent Current While in Reverse Turn-Off, Current Drawn from VOUTA when OUTA Supplies Chip Power
VINA = VINB = VOUTB = 0V, VOUTA = 5.5V l 17 31 µA
IQROUTB Quiescent Current While in Reverse Turn-Off, Current Drawn from VOUTA when OUTB Supplies Chip Power
VINA = VINB = 0V, VOUTA < VOUTB = 5.5V l 2 3 µA
IQOFF Quiescent Current with Both ENBA and ENBB High
VINA = VINB = 3.6V, VENBA and VENBB High, VSTAT = 0V
l 20 31 µA
鉛フリー仕様 テープアンドリール 製品マーキング パッケージ 温度範囲LTC4413EDD#PBF LTC4413EDD#TRPBF LBGN 10-Lead (3mm × 3mm) Plastic DFN –40°C to 85°Cさらに広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社または弊社代理店にお問い合わせください。非標準の鉛ベース仕様の製品の詳細については、弊社または弊社代理店にお問い合わせください。鉛フリー仕様の製品マーキングの詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/leadfree/ をご覧ください。テープアンドリールの仕様の詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/tapeandreel/ をご覧ください。
ピン配置
発注情報
電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。それ以外はTA = 25℃での値。(Note 2、6)
LTC4413
34413fc
PowerPathはリニアテクノロジー社の商標です。
Note 1:絶対最大定格に記載された値を超えるストレスはデバイスに永続的損傷を与える可能性がある。長期にわたって絶対最大定格条件に曝すと、デバイスの信頼性と寿命に悪影響を与える可能性がある。
Note 2:LTC4413は0℃~85℃の温度範囲で性能仕様に適合することが保証されている。 −40℃~85℃の動作温度範囲での仕様は設計、特性評価および統計学的なプロセス・コントロールとの相関で確認されている。
Note 3:消費電流はダイオード電流に伴って増加する。「IQFとIOUT」のプロットを参照。
Note 4:このデバイスには短時間の過負荷状態の間デバイスを保護するための過温度保護機能が備わっている。過温度保護機能は接合部温度が最高動作温度より高いとアクティブになる。規定された最高動作接合部温度を超えた動作が継続すると、デバイスの信頼性を損なうおそれがある。
Note 5:この仕様はウェハ・レベルの測定との相関よって保証されている。
Note 6:注記がない限り、ピンに流れ込む電流は正、ピンから流れ出す電流は負である。全ての電圧はGNDを基準にしている。
Note 7:設計により保証されている。
SYMBOL PARAMETER CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS
ILEAK VINA or VINB Current when VOUTA or VOUTB Supplies Power
VIN = 0V, VOUT = 5.5V –1 1 µA
VRTO Reverse Turn-Off Voltage (VOUT – VIN) VIN = 3.6V –5 10 mV
VFWD Forward Voltage Drop (VIN – VOUT) at IOUT = –1mA
VIN = 3.6V l 28 38 mV
RFWD On Resistance, RFWD Regulation (Measured as ∆V/∆I)
VIN = 3.6V, IOUT = –100mA to –500mA (Note 5)
100 140 mΩ
RON On Resistance, RON Regulation (Measured as V/I at IIN = 1A)
VIN = 3.6V, IOUT = –1.0A (Note 5) 140 200 mΩ
tON PowerPath™ Turn-On Time VIN = 3.6V, from ENB Falling to IIN Ramp Starting (Note 7)
50 µs
tOFF PowerPath Turn-Off Time VIN = 3.6V, IOUT = –100mA (Note 7) 4 µs
短絡に対する応答IOC Current Limit VINX = 3.6V (Notes 4, 5) 1.8 A
IQOC Quiescent Current While in Overcurrent Operation
VINX = 3.6V, IOUT = 1.9A (Notes 4, 5) 150 300 µA
STAT出力ISOFF STAT Off Current Shutdown l –1 0 1 µA
ISON STAT Sink Current VIN > VOUT, VENB < VENBIL, IOUT < IMAX 7 9 17 µA
tS(ON) STAT Pin Turn-On Time 1 µs
tS(OFF) STAT Pin Turn-Off Time 1 µs
ENB入力VENBIH ENB Inputs Rising Threshold Voltage VENB Rising l 540 600 mV
VENBIL ENB Inputs Falling Threshold Voltage VENB Falling l 400 460 mV
VENBHYST ENB Inputs Hysteresis VENBHYST = (VENBIH – VENBIL) 90 mV
IENB ENB Inputs Pull-Down Current VOUT < VIN = 3.6V, VENB > VENBIL l 1.5 3 4.5 µA
電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。それ以外はTA = 25℃での値。(Note 2、6)
LTC4413
44413fc
標準的性能特性
RFWDと温度(VIN = 3.5V) VFWDおよびRFWDとILOAD
IOCと温度(VIN = 3.5V) UVLOスレッショルドと温度 RFWDとVIN(ILOAD = 500mA)
TEMPERATURE (°C)–40
1
I OC
(A)
2
3
4
0 40 80 120
4413 G04TEMPERATURE (°C)
–40
2.05
2.10
2.20
80
4413 G05
2.00
1.95
0 40 120
1.90
1.85
2.15
UVLO
(V)
UVLO TURN-ON
UVLO TURN-OFF
VIN (V)2.5
0
R FW
D (m
Ω)
20
40
60
80
120
3.5 4.5
4413 G06
5.5
100120°C
80°C
–40°C
0°C
40°C
TEMPERATURE (°C)–60
R FW
D (m
Ω)
60
80
100
60 140
4413 G07
40
20
0–20 20 100
120
140
160
RFWD IOUT = 100mA
RFWD IOUT = 500mA
RFWD IOUT = 1A
IOUT (mA)0 500 1500 25001000 2000 3000
0
V FW
D (m
V) A
ND R
FWD
(mΩ
)
50
100
150
200
300
250
VFWD
RFWD
4413 G08
120°C80°C40°C0°C–40°C
IQFとILOAD IQFとILOAD IQFと温度
ILOAD (A)
40
I QF
(µA)
80
120
160
200
100E-6 10E-3 100E-3 10E+0
4413 G01
01E-3 1E+0
120°C80°C40°C0°C–40°C
ILOAD (A)0
0
I QF
(µA)
40
80
120
160
200
0.50 1 1.50 2
4413 G02
2.50 3
120°C80°C40°C0°C–40°C
TEMPERATURE (°C)–40
I QF
(µA)
40
60
120
4413 G03
20
00 40 80
80
IQF AT 1A
IQF AT 100mA
LTC4413
54413fc
100µs/DIV 4413 G11
IN1V/DIV
OUT1V/DIV
IOUT500mA/DIV
ENB1V/DIV
VOUT
VENB
4µs/DIV 4413 G12
IN1V/DIVOUT1V/DIV
IOUT100mA/DIV
ENB1V/DIV
20µs/DIV 4413 G17
IN200mV/DIVOUT200mV/DIVIOUT200mA/DIV
TEMPERATURE (°C)–40
ENB
THRE
SHOL
D (m
V)
450
500
550
VIH
VIL
120
4413 G13
400
350
3000 40 80
TEMPERATURE (°C)–40
0
ENB
HYST
ERES
IS (m
V)
20
40
60
80
100
120
0 40 80 120
4413 G14TEMPERATURE (°C)
10E-9
–ILE
AK (A
)
100E-9
1E-6
10E-6
–40 40 80 1201E-9
0
4413 G15
標準的性能特性
ENBスレッショルドと温度
ENBヒステリシスと温度 -ILEAKと温度(VREVERSE = 5.5V)
800mA負荷ステップに対する 80μs以内の応答
ENBのターンオン、回復するまで 240μs(180mA負荷)
ENBのターンオフ、180mA負荷から INを切断するのに16μs
VFWDおよびRFWDとILOAD VFWDとILOAD(VIN = 3.5V)
ILOAD (mA)1 10 100 1000 10000
0
V FW
D (m
V) A
ND R
FWD
(mΩ
)
50
100
150
200
300
250
4413 G09
120°C80°C40°C0°C–40°C
VFWD
RFWD
ILOAD (mA)
50
V FW
D (m
V)100
150
200
300
250
1 100 1000 10000
4413 G10
010
120°C80°C40°C0°C–40°C
LTC4413
64413fc
ピン機能INA(ピン1):主理想ダイオードのアノードおよび正電源。INAは少なくとも1μFのセラミック・コンデンサでバイパスします。この入力に直列に大きなインダクタンスがあるときは、コンデンサに直列の1Ωスナブ抵抗と高い値の容量を推奨します。このピンのスルーレートは0.5V/μs以下に制限します。このピンを使用しない場合は接地することができます。
ENBA(ピン2):ダイオードAのイネーブル“L”。弱い(3μA)プルダウン。この電力経路をシャットダウンするにはこのピンを“H”に引き上げます。イネーブルするにはGNDに接続します。モード制御機能については表1を参照してください。このピンはフロートさせておくことができます。LTC4413の内部に弱いプルダウンがあります。
GND(ピン3、11):信号とデバイスの電源のグランド。グランドへの電気的接続とPCBへの十分な熱接触の両方を与えるため、パッケージの露出パッド(ピン11)はPCBのグランドに半田付けする必要があります。
ENBB(ピン4):ダイオードBのイネーブル“L”。弱い(3μA)プルダウン。この電力経路をシャットダウンするにはこのピンを“H”に引き上げます。イネーブルするにはGNDに接続します。モード制御機能については表1を参照してください。このピンはフロートさせておくことができます。LTC4413の内部に弱いプルダウンがあります。
INB(ピン5):補助理想ダイオードのアノードおよび正電源。INBは少なくとも1μFのセラミック・コンデンサでバイパスします。この入力に直列に大きなインダクタンスがあるときは、コン
デンサに直列の1Ωスナブ抵抗と高い値の容量を推奨します。このピンのスルーレートは0.5V/μs以下に制限します。このピンを使用しない場合は接地することができます。
OUTB(ピン6):補助理想ダイオードのカソードおよび出力。少なくとも4.7μFの高ESR(最小1mΩ)セラミック・コンデンサを使ってOUTBをバイパスします。このピンのスルーレートは0.5V/μs以下に制限します。使用しない場合、このピンはフロート状態のままにしておく必要があります。
NC(ピン7):内部接続なし。
NC(ピン8):内部接続なし。
STAT(ピン9):ステータス状態のインジケータ。弱い(9μA)プルダウン電流の出力。終端されていると、STAT=“H”がダイオードの導通状態を示します。
STATピンの機能は選択されているモードに依存します。表2は選択されたモードと2個のダイオードの導通状態の関数としてSTATピンの出力電流を示しています。このピンもフロート状態のままにするか、または接地することができます。
OUTA(ピン10):主理想ダイオードのカソードおよび出力。少なくとも4.7μFの高ESR(最小1mΩ)セラミック・コンデンサを使ってOUTAをバイパスします。このピンのスルーレートは0.5V/μs以下に制限します。使用しない場合、このピンはフロート状態のままにしておく必要があります。
VREVERSE (V)
10E-9
–ILE
AK (A
)
100E-9
1E-6
10E-6
0 2 43 51E-9
1
4413 G16
80°C40°C0°C–40°C
LOAD CURRENT (A)
0.92
EFFI
CIEN
CY (%
)0.94
0.96
0.98
1.00
1.0E-3 100.0E-3 1.0E+0 10.0E+0
1351 G13
0.9010.0E-3
ILOAD (mA)1
0
POW
ER L
OSS
(mW
)
100
200
300
400
500
600
500 1000 1500 2000
4413 G19
2500
1N5817 LTC4413
-ILEAKとVREVERSE 効率と負荷電流 LTC4413と1N5817の電力損失
標準的性能特性
LTC4413
74413fc
ブロック図
図1
–
+
–
+
1 10
+–OVER CURRENT
INA OUTA
9STAT
2ENBA
3µA–+
PA
VGATEA
VOFF
ENA AENAA
AENAOVERTEMP
BENAOVERTEMP
STB
9µA
UVLO
ENA
ENB
OUTA (MAX)
OUTB (MAX)
O.5V
+–
–
+
–
+
5 6
+–OVER CURRENT
INB
3GND
OUTB
4413 F01
4ENBB
3µA–+
PB
VGATEB
VOFF
ENB BENAB
O.5V
+–
LTC4413
84413fc
動作LTC4413についてブロック図を使って説明します(図1)。VINAまたはVINBの電源ソースが2.4Vの低電圧ロックアウト(UVLO)電圧より上に上昇し、制御ピンのENBAとENBBのどちらかが“L”のとき動作が開始されます。VINAピンにだけ電圧が存在する場合、LTC4413への電源ソース(VDD)はVINA
ピンから供給されます。アンプ(A)はVINAとVOUTAの差に比例した電流を内部PFET(PA)のゲート(VGATEA)から引き出し、このゲート電圧をVINAより下にドライブします。これによりPAがオンします。VOUTAがVINAより20mVの順方向電圧降下(VFWD)だけ下まで引き上げられると、LTC4413はVGATEA
を制御してこの小さな順方向電圧降下を維持します。このときシステムは順方向に安定化されており、VOUTAの負荷はVINAの電源から電力を供給されます。負荷電流の変化に従ってVGATEAが制御され、(VGATEAがGNDに近づいて、電流を供給するトランジスタ(PA)の能力を負荷電流が超えるまで)VFWDを維持します。このポイントでは、PFETは抵抗値がRON
の固定抵抗として振る舞い、そのため順方向電圧が負荷電流の増加に伴ってわずかに増加します。IOUTの大きさがさらに増加すると(ILOAD > IOCのように)、LTC4413は負荷電流を一定値IOCに固定してデバイスを保護します。パラメータRFWD、RON、VFWDおよびIOCの特性は、LTC4413の順方向電圧降下とショットキー・ダイオードの順方向電圧降下を対比している図2の助けを借りて規定されます。
VINBに別の電源が与えられると、LTC4413は同様にPBのゲート電圧を制御して出力電圧(VOUTB)を入力電圧VINBのちょうど下に維持します。代わりのこの電源(VINB)がVINAの電圧
を超えると、LTC4413はこの入力電圧を内部電源(VDD)として選択します。この2番目の理想ダイオードは1番目の理想ダイオードの機能とは独立に動作します。
代わりの電源ソースがVOUTA(またはVOUTB)の負荷に接続されると、LTC4413はVOUTAの電圧増加を検出し、アンプA
がVGATEAの電圧を増加させ、PAを通る電流を減少させます。VOUTAがVINA+VRTOより高いと、VGATEAはVDDに引き上げられ、PAをオフします。次いでLTC4413の内部電源ソース(VDD)が(VOUTAがVINB(またはVOUTB)より大きくありさえすれば)VOUTAピンからのソース電流に振り替えられます。これでシステムは逆ターンオフ・モードになります。負荷への電力は代わりの電源から供給され、わずかな電流だけがVINAから流れ、VINAの電位を検出します。
LTC4413の選択されたチャネルが逆ターンオフ・モードのとき、または両方のチャネルがディスエーブルされているとき、STATピンが接続されていればこのピンは9μAの電流(ISON)をシンクします。
チャネルの選択は2つのENBピン(ENBAとENBB)を使って行われます。ENBA入力がアサートされると(“H”)、PAのゲート電圧が制御された速度でVDDに引き上げられるので、ターンオフ時間が制限され、誘導性のソース・インピーダンスでドライブされるときの入力の電圧スパイクを防ぎます。ENBピンの3μAのプルダウン電流により、これらの入力はフロート状態のままにされても“L”レベルになることが保証されます。
低速応答時間負荷ステップや高速スルーレートの要件の厳しいアプリケーションには、LTC4413-1(またはLTC4413-2)を推奨します。LTC4413-1とLTC4413-2は、高い消費電流を代価として、これらの環境でもっと良い負荷レギュレーションを与えます。LTC4413は低消費電力に最適化されており、高スルーレートの環境や大きな高速負荷過渡が予想される場合は使いません。
過電流および短絡保護過電流状態の間、LTC4413が供給可能な電流量を負荷電流が超えると出力電圧が垂下します。過電流状態が最初に検出される際、LTC4413は(電流をIMAXまで減らす前に)この状態を検出するのにいくらか時間をとります。 図2
FORWARD VOLTAGE (V)0
0
CURR
ENT
(A) IFWD
IOC
SLOPE1/RON
SLOPE1/RFWD
LTC4413
SCHOTTKYDIODE
4413 F02
LTC4413
94413fc
アプリケーション情報
出力が短絡した後短時間、電流がIMAXを超えることがあります。このピーク短絡電流の大きさは短絡が発生する直前の負荷電流に依存して大きくなることがあります。過電流動作時、LTC4413の電力消費が大きいので、内部ダイ温度がサーマル・シャットダウン温度を超えて過温度状態が生じる可能性が高くなります。
過温度保護過温度状態は内部ダイ温度が150℃を超えて上昇すると検出されます。過温度状態になるとゲート・アンプ(AおよびB)と2
つのPチャネルMOSFET(PAおよびPB)がオフします。内部ダイ温度が140℃より下に下がると、アンプがオンし通常動作に復帰します。過温度状態での動作が長引くと、信頼性を低下させるので注意してください。
チャネルの選択と状態出力2つのアクティブ“H”制御ピンによって、LTC4413に内蔵されている2つの理想ダイオードを個別にオフし、表1で説明されているように動作モードを制御します。選択されたチャネルが逆バイアスされたり、LTC4413が低消費電力のスタンバイ・モードになると、ステータス信号が“L”電圧になってこの状態を示します。
表1.モード制御ENB1 ENB2 ステート
L L ダイオードOR(注意:2つの出力はデバイス内部で接続されていない)
L H ダイオードA = イネーブル、 ダイオードB = ディスエーブル
H L ダイオードA = ディスエーブル、 ダイオードB = イネーブル
H H 全てオフ(低消費電力スタンバイ)
STATピンの機能は選択されているモードに依存します。次の表2は選択されたモードと2個のダイオードの導通状態の関数としてSTATピンの出力電流を示しています。
表2.STAT出力ピンの機能ENB1 ENB2 条件 ステート
L L ダイオードAは順バイアスダイオードBは順バイアス
ISNK = 0µA
ダイオードAは順バイアスダイオードBは逆バイアス
ISNK = 0µA
ダイオードAは逆バイアスダイオードBは順バイアス
ISNK = 9µA
ダイオードAは逆バイアスダイオードBは逆バイアス
ISNK = 9µA
L H ダイオードAは順バイアスダイオードBはディスエーブル
ISNK = 0µA
ダイオードAは逆バイアスダイオードBはディスエーブル
ISNK = 9µA
H L ダイオードAはディスエーブルダイオードBは順バイアス
ISNK = 0µA
ダイオードAはディスエーブルダイオードBは逆バイアス
ISNK = 9µA
H H ダイオードAはディスエーブルダイオードBはディスエーブル
ISNK = 9µA
はじめにLTC4413は電源コントロール・アプリケーションに使うことが意図されています。これらのアプリケーションには、低損失のダイオードOR接続、主電源から補助電源への完全自動切換え、マイクロコントローラ制御による主電源から補助電源への切換え、複数バッテリ間の負荷分担、1台のチャージャからの複数のバッテリの充電、およびハイサイド電源の切換えが含まれます。LTC4413は過渡応答を代価にして低消費電流向けに最適化されています。スルーレートや負荷過渡がもっと厳しいアプリケーションには、ピン互換のLTC4413-1を推奨します。
ACアダプタへの自動切換えを備えた デュアル・バッテリ負荷分担バッテリからACアダプタへの負荷の自動切換えを備えたデュアル・バッテリ負荷分担の応用回路を図3に示します。ACアダプタが接続されていないとき、電圧が高い方のバッテリが他方のバッテリの電圧まで放電するまで、電圧が高い方のバッテリが負荷電流を供給します。
動作
LTC4413
104413fc
図5
図3
図4
らく抵抗分圧器の助けを借りて)、各電源入力とLTC4413のステータスをモニタし、2つのENBA/ENBB制御入力を通してLTC4413に命令を出します。
バッテリから補助電源 またはACアダプタへの自動切換えLTC4413を使ってバッテリから補助電源またはACアダプタのどちらかに自動的に切り換える機能を実装した応用例を図5に示します。抵抗分割器(R2とR3)を通してENBBピンの電圧が550mVの立上りターンオフ・スレッショルドより高く引き上げられると、LTC4413はACアダプタの存在を自動的に検出します。これにより、AUX入力から負荷への給電がディスエーブルされます。ACアダプタが接続されたときAUXが存在しないと(つまり、BATが負荷電流を供給していると)、ACアダプタの電圧が上昇するにつれ、MP1のボディ・ダイオードが順方向にバイアスされ、出力電圧をBAT電圧より上に引き上げます。LTC4413はわずか10mVの逆電圧を検出し、INAとOUTA
の間の理想ダイオードをオフします。このためSTAT電圧が低下し、MP1をオンします。すると負荷にはACアダプタから電流が流れ、バッテリは負荷から切断されます。ACアダプタが取り去られたときAUXが存在しないと、BAT電圧が負荷電圧を超えるまで負荷電圧が垂下します。LTC4413はBAT電圧の方が大きいことを検出すると、STAT電圧を上昇させ、MP1をディスエーブルします。次いで、BATが負荷に電力を供給します。
次いで負荷は各バッテリの容量に応じて2個のバッテリの間で分担されます。容量が大きい方のバッテリがそれに比例して大きな電流を負荷に供給します。ACアダプタが入力に与えられると、R1とR2によって形成される分圧器がLTC4413をディスエーブルするので、STATピンの電圧が下がり、MP1をオンします。このポイントで、負荷はACアダプタから電力を供給されるので、負荷電圧を乱さずに両方のバッテリを取り去ることができます。ACアダプタを取り去ると、出力電圧が分圧器がLTC4413をオンするまで低下し、そのポイントでバッテリが再び負荷に電力を供給します。このステータス信号を使って、AC
アダプタ(またはBATB)が負荷電流を供給しているか否かに関する情報を与えることもできます。
自動PowerPath制御マイクロコントローラによる2電源のモニタと制御の応用回路を図4に示します。マイクロコントローラのアナログ入力は(おそ
アプリケーション情報
LTC4413IDEAL
ENBA2
4
3,11
1
5
10
9
6
ENBB STAT
GND
INA OUTABATA
1-CELL Li-Ion
R11000k
R2200k
RSTAT470k
C1:C1206C106K8PACC2:C1206C475K8PAC
C24.7µF
4413 F03
TOLOAD
WALLADAPTER C1
10µF
MP1 FDR8508
IDEALINB OUTB
BATB1-CELL Li-Ion
LTC4413IDEAL
ENBA2
4
3,11
1
5
10
9
6
ENBB STAT
STAT
GND
INA OUTA
RSTAT470k
C14.7µF
4413 F04
TOLOAD
PRIMARYPOWER
AUXPOWER
IDEALINB OUTB
CA10µF
CB10µF
MICROCONTROLLERLTC4413IDEAL
ENBB4
ENBA2
3,11
1
5
10
9
6
STAT
GND
INA OUTA
R21000k
R3100k
BAT
RSTAT470k
C1:C0805C106K8PACC2:C1206C475K8PAC
C24.7µF
4413 F05
TOLOAD
WALLADAPTER
AUXADAPTER
R41000k
R5500k
R11Ω
C110µF
MP1 FDR8508
IDEALINB OUTB
LTC4413
114413fc
リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、その使用に関する責務は一切負いません。また、ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。なお、日本語の資料はあくまでも参考資料です。訂正、変更、改版に追従していない場合があります。最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。
アプリケーション情報ACアダプタが接続されたときAUXが存在すると、ENBBへの抵抗分割器がターンオフ・スレッショルドを超えて上昇するにつれ、STATピンの電圧が下降し、MP1が導通するので、ACアダプタが負荷に給電することができます。AUX電源が存在する状態でACアダプタが取り去られると、ENBBピンの分圧器がターンオン・スレッショルドより下に下がるまで負荷電圧が下がります。こうなると、AUX電圧が出力電圧を超えるとLTC4413は自動的にAUX電源を負荷に接続し、STAT電圧が上昇し、外部PFETをディスエーブルします。
AUX電源が接続されると、前に述べたようにACアダプタが存在しない限り、ENBAの分圧器(R4とR5)がバッテリを負荷から切断し、補助電源が負荷電流を供給します。補助電源が取り去られると、ACアダプタが存在するかどうかに依存して、バッテリが再度負荷に給電することができます。
複数バッテリの充電1個のチャージャによる自動デュアル・バッテリ充電の応用回路を図6に示します。両方のバッテリの電圧が等しくなるまで、電圧の低い方のバッテリがより大きな充電電流を受け取りま
図6
す。それ以降は両方が充電されます。両方のバッテリが同時に充電されるとき、容量の大きな方のバッテリはそれに比例して大きな電流をチャージャから供給されます。リチウムイオン・バッテリの場合、両方のバッテリともフロート電圧から20mV
の順方向レギュレーション電圧を差し引いた電圧を達成します。このコンセプトは2個以上のバッテリに適用することができます。STATピンはバッテリ1が充電中であるかどうか知らせます。インテリジェントな制御では、図4に示されているように、マイクロコントローラと一緒にENBA/ENBBピンの入力を使うことができます。
バッテリからACアダプタ およびチャージャへの自動切換えLTC4059バッテリ・チャージャを制御しながら、負荷をバッテリからACアダプタに自動的に切り換えるLTC4413を図7に示します。ACアダプタが接続されていないと、LTC4413はOUTA
の負荷をINAのリチウムイオン・バッテリに接続します。この状態では、STAT電圧が高いので、バッテリ・チャージャはディスエーブルされます。バッテリより高い電圧のACアダプタがINBに接続されると、2番目の理想ダイオードが導通するので負荷電圧が上昇します。OUTA電圧がINA電圧を超えると直ちにBATが負荷から切断されてSTAT電圧が下がるので、LTC4059バッテリ・チャージャがオンして充電サイクルが開始されます。ACアダプタが取り外されるとINBの電圧が下がり、負荷電圧より低くなります。こうなると、LTC4413は自動的にバッテリを負荷に再度接続し、STAT電圧が上昇し、LTC4059
バッテリ・チャージャをディスエーブルします。この回路の大きな利点の1つは、ACアダプタが存在するとき、ユーザーが負荷を乱すことなくバッテリを交換することができることです。
図7
LTC4413
IDEAL
ENBA2
4
3,11
1
5
10
9
6
ENBB
STAT
GND
INA OUTA
470k
4413 F06
LOAD1BAT1
BATTERYCHARGER
INPUTIDEAL
INB OUTBLOAD2
BAT2
BAT1が充電しているときSTATは"H"
LTC4413
IDEAL
ENBA2
4
3,11
1
5
10
9
6
ENBB
STAT
GND
INA OUTAR1560k
4413 F07
R2100k
1-CELLLi-Ion
IDEALINB OUTB
TO LOADC24.7µF
C110µF
C1: C0805C106K8PACC2: C1206C475K8PAC
VCC
ENB
Li CC
LTC4059
PROG
WALLADAPTER
BAT
GND
LTC4413
124413fc
LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2004
LT 0909 REV C • PRINTED IN JAPANリニアテクノロジー株式会社〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6紀尾井町パークビル8FTEL 03-5226-7291● FAX 03-5226-0268 ● www.linear-tech.co.jp
3.00 ±0.10(4 SIDES)
0.40 ± 0.10
1.65 ± 0.10(2 SIDES)
0.75 ±0.05
R = 0.125TYP
2.38 ±0.10(2 SIDES)
15
106
0.200 REF
0.00 – 0.05
(DD) DFN REV B 0309
0.25 ± 0.05
2.38 ±0.05(2 SIDES)
1.65 ±0.05(2 SIDES)2.15 ±0.05
0.50BSC
0.70 ±0.05
3.55 ±0.05
0.25 ± 0.050.50 BSC
NOTE: 1. 図はJEDECパッケージ・アウトラインMO-229のバリエーション(WEED-2)になる予定。 バリエーションの指定の現状についてはLTCのWebサイトのデータシートを参照2. 図は実寸とは異なる3. 全ての寸法はミリメートル4. パッケージ底面の露出パッドの寸法にはモールドのバリを含まない。 モールドのバリは(もしあれば)各サイドで0.15mmを超えないこと5. 露出パッドは半田メッキとする6. 網掛けの部分はパッケージのトップとボトムのピン1の位置の参考に過ぎない
底面図―露出パッド
ピン1のトップ・マーキング(NOTE 6を参照)
推奨する半田パッドのピッチと寸法
パッケージの外形
関連製品
パッケージDDパッケージ
10ピン・プラスチックDFN (3mm×3mm) (Reference LTC DWG # 05-08-1699 Rev B)
製品番号 説明 注釈LTC1558/LTC1559 プログラム可能な出力付き
バックアップ・バッテリ・コントローラ1.2V NiCdボタン電池から調節可能なバックアップ電圧、 昇圧コンバータを含む
LTC1998 2.5μA、1%精度のプログラム可能な バッテリ・ディテクタ
調節可能なトリップ電圧/ヒステリシス、ThinSOT™
LTC4054 サーマル・レギュレーション付き800mA スタンドアロン・リニア・リチウムイオン・バッテリ・ チャージャ(ThinSOTパッケージ)
外部MOSFET、センス抵抗、およびブロッキング・ダイオードが 不要、ガス・ゲージ用充電電流モニタ、C/10充電終了
LTC4055 USBパワー・コントローラとリチウムイオン・チャージャ 自動切換え、1セル・リチウムイオン・バッテリを充電LTC4085 理想ダイオード・コントローラと
リチウムイオン・チャージャ付きUSBパワーマネージャ1セル・リチウムイオン・バッテリをUSBポートから直接充電、 サーマル・レギュレーション、200mΩの理想ダイオード (<50mΩのオプション付き)、4mm×3mm 14ピンDFNパッケージ
LTC4350 ホットスワップ可能な負荷分担コントローラ N+1冗長電源が可能で、並列接続された複数の電源に均等に 負荷を配分
LTC4351 MOSFETダイオードORコントローラ 1.2V~18V入力、NチャネルMOSFETをドライブする 内部昇圧レギュレータ
LTC4411 ThinSOT の2.6A低損失理想ダイオード 外部MOSFET不要、DCソースの自動切換え、簡素化された負荷分担LTC4412/LTC4412HV ThinSOTのPowerPathコントローラ ダイオードOR接続より高い効率、DCソース間の自動切換え、簡素化
された負荷分担、3V ≤ VIN ≤ 28V(HVの場合3V ≤ VIN ≤ 36V) LTC4413-1/LTC4413-2 3mm×3mm DFNパッケージのデュアル2.6A、
2.5V~5.5V高速理想ダイオードLTC4413とピン互換の高速の代替え (LTC4413-2は過電圧保護付き)
ThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。