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LANケーブル工作実習
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LAN ケーブル工作実習灘校パソコン研究部 2014 年夏合宿 3 日目
自己紹介
丹羽直也 65 回生 OB
慶應義塾大学 理工学部 1 年 ( 学科は 2 年から )
情報処理技術者試験 2011 年春期 応用情報技術者試験 2011 年秋期 ネットワークスペシャリスト
Twitter @mine_studio
その他の情報は http://mine02c4.nagoya/
http://ぴょんぴょん.com/ でもつながります
灘校パソコン研究部 2014 年夏合宿 3 日目
概要この実習の目的や流れを説明します
灘校パソコン研究部 2014 年夏合宿 3 日目
目的
現在最も普及している LAN 向けのケーブルであるツイストペアケーブルを題材に工作実習を行います。
実際に LAN ケーブルを切断し、中を見たり、コネクタを取り付けることで、通信の基礎技術と電磁気学との関係を学び、通信工学の扉に触れます。
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流れ
LANケーブルに関するミニ講義
工作の説明
工作
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IEEE 802.3Ethernet
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IEEE 802.3(Ethernet)
いわゆる「有線 LAN 」の仕様を定めている規格
1972 年に Xerox 社 パロアルト研究所で開発された「 Alto Aloha ネットワーク」が前身 これを Bob Metcalfe が「 Ethernet 」と名付けた
19 世紀に光の媒質と考えられていた「エーテル (ether) 」から名前をとった Ethernet が通信する様子が情報伝搬における媒質に似てると考えた エーテル自体は 1887 年にマイケルソン・モーリーの実験で反証されている
高校物理でやります
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1000BASE-T(IEEE 802.3ab)
今回は 1Gbps で通信が行える 1000BASE-T が動作するようなケーブルを制作する 確認 :1Gbps は 1 秒間に 1G ビット
以下の仕様を満たしたケーブルを要求 ISO/IEC 11801 Class D
ANSI/EIA/TIA-568-A Category 5
ANSI/TIA/EIA TSB-95 ( これは品質テストに関する規格 )
4 対のシールド無しツイストペアケーブル (UTP) で、 100MHz の信号に対する特性インピーダンスが 100Ω であるもの。 クロストークに関する制約など様々な性能特性も求められる。
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TIA/EIA の方で置き換えられた( 後述 )
ANSI/EIA/TIA-568-A と Category 5
ANSI/EIA/TIA-568 の改訂 (Revision)A という意味 ( 後述する T568A と意味が違う )
2001 年に改訂 B に置き換えられ、 2009 年に改訂 C に置き換えられた。 といっても、文書は分割されているので、徐々に置き換えられた
改訂 B の時点で、 Category 5 は legacy( 遺物 ) として位置づけられ、非推奨となり、 Category 5e に置き換えられた
当初、調達の関係から Category 5 の予定だったが、急遽 Category 5e で実習を行うことになったため、資料に矛盾があるかも知れない。 手本の写真は Category 5
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ツイストペアケーブル
一対 ( 二本 ) の導線を撚り合わせたケーブル
撚り合わせることにより外部にノイズを出したり、外部のノイズの影響を受けにくくなる 原理は予習向けの資料に書いてある
1000BASE-T はこれを 4 対要求しており、 4 対とも使用する
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8極プラグ (8 ピンコネクタ )
ISO/IEC 603-7準拠の 8-Position Unkeyed plug
よく RJ-45 と間違えられる RJ-45 の仕様は追ってないが、最低
でも TIA-568-B に RJ-45 という記述はなかった
よく爪がぴょんぴょんして折れてしまうので取り扱い注意
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結線順序 ( ピン番号 )
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18
結線順序 (T568A)
ピン番号 色 ペア (tip, ring) (参考 )1000BASE-T PMA信号の割り当て1 白緑 T3 BI_DA+
2 緑 R3 BI_DA-
3 白橙 T2 BI_DB+
4 青 R1 BI_DC+
5 白青 T1 BI_DC-
6 橙 R2 BI_DB-
7 白茶 T4 BI_DD+
8 茶 R4 BI_DD-
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実は T568B結線の方が普及しているが標準は T568A である。本実習では標準を使う。
カラーコード
ケーブルの銅線を識別しやすくするために決まった色分けがされている
ペアごとにプライマリカラーとセカンダリカラーが決まっている
tip にプライマリカラーを基本にセカンダリカラーの縞模様を入れる
ring はセカンダリカラー単色 例えば第 1 ペアのプライマリカラー
は白でセカンダリカラーは青
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T1:白青
例 :第 1 ペアプライマリカラー 白
セカンダリカラー 青
R1:青
TIA/EIA-568-B≠T568B
“T568B” は結線順序の名前であり、規格名である TIA/EIA-568-B の略称ではない
TIA/EIA-568-B でも標準は T568A であり T568B はオプションである
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全体像 (1セグメント )
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Category 5e UTP
T568A T568A
Class D UTP 4 対最長 100m
8極プラグ
MDIMDI
8極プラグ
PMAPMA
今回製作する範囲
NICスイッチングハブ
工作の説明具体的な工作の手順
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用意するもの
カテゴリ 5 UTP ケーブル 適当な長さ 1 本 8極プラグ 2個 保護カバー 2個
工具等 かしめ工具 ← 3 つ用意したのを共用 テスター ← 2 つ用意したのを共用 はさみ ←各自用意 持ってきたよね?
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かしめ工具 (圧着工具 )
LAN ケーブル工作において主役となる工具
名前通りコネクタの圧着はもちろん、被覆除去 ( ストリップ ) や切断も出来る
刃が付いているので取り扱い注意
安いのは Amazon で 2,3千円
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圧着
切断
被覆除去
切断及び被覆除去
ものによるが、かしめ工具の刃に切断用と被覆除去用の部分がある場合がある。
ただし、今回ははさみで代用します…m(_ _)m
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ぴったり閉じても隙間があく。これは被覆除去用。
ぴったり閉じる。こちらは切断用。
ちなみに
矢印のところも被覆除去に使えるが、360度回す必要があるので使いにくい。 一周した時にずれて綺麗に切れない
好みの問題かもしれないが…
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工作の流れ
切断 被覆除去
保護カバー装着•先付けの場合
銅線の整列 圧着 灘校パソコン研究部 2014 年夏合宿 3 日目
切断
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保護カバー装着
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被覆除去
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この時、一番外の被覆だけを切るようにする。
中の銅線を傷つけてしまうと、最悪の場合導通しない。
被覆除去後の様子
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銅線の整列
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広げる ほどいて並べる
とりあえずプラグに入れる
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素手だとまっすぐにならないので、とりあえずプラグに入れる。
撚り戻しの長さは短いほうが良い
ここをもう少し詰める
切って揃える
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プラグに入れる
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撚り戻しが可能な限り短いことを確認する。カテゴリ 5 では 13mm 以内…となっているが、安いコネクタでは不可能な場合が多い。
結線順序を再確認
圧着
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圧着後
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端子が銅線の被覆を突き破ることによって導通する
ケーブル固定具が押し込まれて、ケーブルを固定する
テスト
本来ならばミニ講義で説明したとおり、 TIA-568(カテゴリ 5 は TSB-95) にしたがって品質テストをしなければならないのですが…
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Fluke 社の標準に準拠したテストが出来る DTX-1800Amazon でいくらでしょう?
DTX ケーブルアナライザー – ネットワーク・ケーブル認証試験用テスター |フルーク・ネットワークスhttp://jp.flukenetworks.com/datacom-cabling/copper-testing/dtx-cableanalyzer-seriesより引用
DTX-1800 の価格
(2014/08/12 時点 )約 160万円
もちろんこんなのは用意できません…
本実習では導通チェックをする程度の簡易テスターと、実際に NTttcp を使って通信させて、スループットなどを確認する
http://gallery.technet.microsoft.com/NTttcp-Version-528-Now-f8b12769
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ちなみに…
ThinkPad X シリーズのようなハイエンド機だと、 NIC に Intel製のチップを採用しており、ケーブルのテストを行うことが出来る。
この場で誰か持っていたら使わせてほしいなぁ…
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完成
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こころぴょんぴょん!では工作を始めましょう!
ケーブルの品質良いケーブルを作るには?
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ケーブルの目的と品質
信号を正確に伝えること
信号が誤って届く状態はケーブルの目的をきちんと達成できていない 「品質が低い」
では、信号が誤って届く原因とはなんだろう?
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Ethernet における信号
各ペアごとの銅線間の電位差で伝える {-1,-0.5,0,+0.5,+1}/V の 5値。詳しくは追加説明で
これがお互いに識別できなくなった時に信号が誤って届く
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原因
減衰 主に電気抵抗
雑音 (ノイズ ) 電磁誘導等で発生する信号以外の電圧
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こっちに注目
工作じゃどうにもならない
雑音 (ノイズ )
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雑音の原因
磁場の変化によって電圧が発生する ( 電磁誘導 )
その磁場の変化を起こすのは何?
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いろいろあるけど…
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隣接している銅線が最も近く、高周波信号が流れているため、非常に大きな影響を与える
漏話 (Crosstalk)
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漏話 (Crosstalk)
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漏話 (Crosstalk)
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重要なのはコネクタの撚り
逆に撚りが無いコネクタ部分での漏話が大きな問題となる。
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3,4番ペア
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この辺りから見るとある程度打ち消し合う
1,2番ペア
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この辺りから見ると加算される
追加説明余裕がある人向け
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1000BASE-T PHY(Physical Layer)IEEE 802.3ab
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階層モデル (1000BASE-T)
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OSI参照モデル
IEEE
802
.3ab
EIA/TIA-568
PCS(Physical Coding Sublayer)
送信時に GMII からのデータを受け取り、 PMA に対して符号化した情報を渡す 受信は逆
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GMII
(𝐴𝑛 ,𝐵𝑛 ,𝐶𝑛 ,𝐷𝑛)
PCS
それぞれがの 5値のうちどれかを取る PM
A
MDI
8B1Q4 + 4D-PAM5
8ns毎に転送
8B1Q4 + 4D-PAM5
8 ビットの情報に冗長ビットを 1 つ加えて 9 ビットとし、それを 5値 4組のベクトルに変換する。 (8B1Q4) 9bit:512 通り 5値 4組 :625 通り 収まる
これを 8nsごとに行うと、 1Gbps になる
得られたベクトルを 4組の銅線それぞれに割り振って 5値の電圧で出力する
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参考文献
IEEE. 802.3-2012 - IEEE Standard for Ethernet - Section 3. 2012, 358p. http://ieeexplore.ieee.org/servlet/opac?punumber=6419733 ( 有料 )
主に Clause 40 “Physical Coding Sublayer (PCS), Physical Medium Attachment (PMA) sublayer and baseband medium, type 1000BASE-T” から
Spurgeon, Charles. 詳説イーサネット . 柏木由美子訳 . 東京 , オライリー・ジャパン , 2000, 501p. 原著 ” Ethernet: The Definitive Guide” の第二版が 2014 年 4月に発売されたので、こち
らの翻訳も出るかも…? (ちなみに、初版は半年遅れで出ている )
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