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Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ 操作/サービス・ ガイド

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Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ

操作/サービス・ガイド

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2 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

ご注意

著作権に関するご注意© Keysight Technologies 2006-2018

米国および国際著作権法の規定に基づき、Keysight Technologies による事前

の同意と書面による許可なしに、本書の内容をいかなる手段でも(電子的記憶および読み出し、他言語への翻訳を含む)複製することはできません。

マニュアルパーツ番号E9300-90014

版第 15 版、2018 年 3 月 23 日

印刷:Printed in Malaysia

出版者:Keysight Technologies Bayan Lepas Free Industrial Zone, 11900 Penang, Malaysia

テクノロジーライセンス 本書に記載されたハードウエア及びソフトウエア製品は、ライセンス契約条件に基づき提供されるものであり、そのライセンス契約条件の範囲でのみ使用し、または複製することができます。

適合宣言書本製品およびその他の Keysight 製品の適合宣言書はウェブサイトからダウンロードできます。 http://www.keysight.co.jp/go/conformity にアクセスして、製品番号で検索して、 新の適合宣誓書をご確認ください。

米国政府の権利本ソフトウェアは、連邦調達規則("FAR")2.101 に定められている「商用

コンピューターソフトウェア」です。FAR 12.212 および 27.405-3、国防総

省 FAR 補足 ("DFARS")227.7202 に従

い、米国政府の商用コンピューターソフトウェアの入手条件は、本ソフトウェアを一般エンドユーザーに提供する際に通例適用される条件と同じです。したがって、Keysight は自社の標

準商用ライセンスに従って、本ソフトウェアを米国政府のユーザーに提供します。標準商用ライセンスは、以下のウェブサイトで提供されている、使用許諾契約書 (EULA) に具体的に示され

ています。http://www.keysight.co.jp/find/sweula。EULA に定められている

ライセンスは、米国政府の排他的権限を表し、米国政府はそれに従って本ソフトウェアを使用、変更、配布または開示することができます。EULA およ

びそこに定められているライセンスは、なかんずく、以下のことをKeysight に要求または許可するもので

はありません。(1) 一般エンドユー

ザーに通例提供されていない商用コンピューターソフトウェアまたは商用コンピューターソフトウェアのドキュメントに関連する技術情報を提供する、または (2) 一般エンドユーザーに通例

付与されている商用コンピューターソフトウェアまたは商用コンピューターソフトウェアのドキュメントを使用、変更、複製、公開、実行、表示、または開示する権利の範囲を超えて、政府に権利を譲渡、または別の方法で提供する。政府が課す要件は、EULA に定

められている要件に限られます。ただし、それらの条件、権利、またはライセンスが、FAR および DFARS に従っ

て、すべての商用コンピューターソフトウェアのメーカーから明示的に求められている場合、あるいは EULA の他

の箇所に特に明記されている場合を除きます。Keysight は、本ソフトウェア

をアップデート、修正、あるいはその他の形で変更する義務を負わないものとします。FAR 12.211/27.404.2 およ

び DFARS 227.7102 に従って、FAR 2.101 によって定義されている技術

データに関しては、米国政府に付与される権利は、あらゆる技術データに関して、FAR 27.401 または DFAR 227.7103-5 (c) に定義されている制限

付き権利の範囲に限定されます。

保証本書の内容は「現状のまま」で提供されており、改訂版では断りなく変更される場合があります。また、キーサイトは、法律の許す限りにおいて、本書およびここに記載されているすべての情報に関して、特定用途への適合性や市場商品力の黙示的保証に限らず、一切の明示的保証も黙示的保証もいたしません。キーサイトは本書または本書に記載された情報の適用、実行、使用に関連して生じるエラー、間接的および付随的損害について責任を負いません。キーサイトとユーザーが別途に締結した書面による契約の中で本書の情報に適用される保証条件が、これらの条件と矛盾する場合は、別途契約の保証条件が優先されるものとします。

安全情報

注意の表示は、危険を表します。ここに示す操作手順や規則などを正しく実行または遵守しないと、製品の損傷または重要なデータの損失を招くおそれがあります。指定された条件を完全に理解し、それが満たされていることを確認するまで、注意の指示より先に進まないでください。

警告の表示は、危険を表します。ここに示す操作手順や規則などを正しく実行または遵守しないと、怪我または死亡のおそれがあります。指定された条件を完全に理解し、それが満たされていることを確認するまで、警告の指示より先に進まないでください。

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保証

キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証します。またキ一サイトは、その校正測定が米国 National Institute of Standard and Technology(旧称 National Bureau of Standards)に、この組織の校正設備

が許容する限りにおいて、また他の International Standards Organization メン

バーの校正設備にトレース可能であることを保証します。

保証

このキ一サイト測定器は、製造上の欠陥に対して、出荷から 1 年間保証されて

います。保証期間中に製品の欠陥が判明した場合、キ一サイトは修理または交換のうち妥当と判断した方を行います。本製品に関する保証サービスまたは修理を受けるには、キ一サイトが指定するサービス施設に製品を返送していただく必要があります。購入者はキ一サイトへの送料を支払うものとし、国外からキ一サイトに返送される製品に関する送料、関税、税金はキ一サイトが支払います。キ一サイトは、測定器とともに使用するようにキ一サイトによって設計されたソフトウェアおよびファームウェアが、当該測定器に正しくインストールされた場合に、そのプログラミング命令を実行することを保証します。キ一サイトは、測定器またはファームウェアの動作が中断されないことやエラーがないことを保証しません。

保証の制限

上記の保証は、購入者による不適切または不十分な保守、購入者が用意したソフトウェアまたはインタフェース、無断の改造や使用の誤り、製品の環境仕様の範囲外での動作、不適切なサイト準備または保守から生じた故障には適用されません。他に一切の明示的保証も暗示的保証もありません。キ一サイトは、商品性および特定目的への適合性の暗黙の保証を明確に拒否します。

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排他的な救済策

ここで提供される救済策は、購入者のみを対象とした、排他的な救済策です。キ一サイトは、契約、不法行為、その他いかなる法理論に基づくものであれ、あらゆる直接、間接、特殊、間接的、付随的損害に対して責任を負いません。

権利の制限について

ソフトウェアとドキュメントは、すべて民間の経費で開発されています。これらは、DFARS 252.227-7013(1988 年 10 月)、DFARS 252.211-7015

(1991 年 5 月)、DFARS 252.227-7014(1995 年 6 月)に定義された

"commercial computer software"、FAR 2.101(a) に定義された "commercial item"、FAR 52.227-19(1987 年 6 月)(または相当する省庁規則または契約条

項)に定義された "Restricted computer software" のうち該当するものとして配

布され、ライセンスされます。ユーザの権利は、該当する FAR または DFARS条項または該当する製品に対する Keysight 標準ソフトウェア契約に定められ

たものに限られます。

安全についての概要

以下の安全に関する一般的な注意事項は、本器の操作のあらゆる段階において遵守する必要があります。これらの注意事項や、本書の他の部分に記載された具体的な警告を守らないと、本器の設計、製造、想定される用途に関する安全標準に違反します。キ一サイトは、顧客がこれらの要件を守らない場合について、いかなる責任も負いません。

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安全記号

測定器およびマニュアルに記載された以下の記号は、本器を安全に操作するために守るべき注意事項を示します。

注意:危険あり(具体的な 警告/注意情報については 本書を参照)

交流 (AC)

この記号は、電源スイッチが オフまたはスタンバイの位置 にあることを示しています

オン(主電源)

注意:感電の危険あり グランド端子

レーザー放射

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安全に関する一般情報

本器を使用する前に、以下の内容をお読みください。

以下の安全に関する一般的な注意事項は、本センサの操作、サービス、修理のあらゆる段階において遵守する必要があります。これらの注意事項や、本書の他の部分に記載された具体的な警告を守らないと、本センサの設計、製造、想定される用途に関する安全標準に違反します。Keysight Technologies は、顧客

がこれらの要件を守らない場合について、いかなる責任も負いません。

取扱説明書記号。製品にこの記号が記載されている場合は、ユーザは付属の説明書の内容を参照する必要があります。

パワー・センサを他の測定器に接続する前に、すべての測定器が感電防止用アースに接続されていることを確認してください。感電防止用アースの遮断は、感電による怪我の原因となります。

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音響エミッション

Herstellerbescheinigung

Diese Information steht im Zusammenhang mit den Anforderungen der Maschinenlarminformationsverordnung vom 18 Januar 1991.

– 音圧 LpA < 70 dB

– Am Arbeitsplatz.

– Normaler Betrieb.

– Nach DIN 45635 T. 19 (Typprufung).

製造者の宣言

本宣言は、German Sound DIN 45635 T. 19(Typprufung)の要件に従って提供

されています。

– 音圧 LpA < 70 dB

– オペレータ位置

– 通常動作

– ISO 7779(型式試験)に準拠

パワー・メータのフロント・パネル操作

このガイドでは、パワー・メータのフロント・パネル・キーや凡例を示すのに、以下の記号を使用します。

キーキャップ記号で表した機能名は、パワー・メータのフロント・パネルに あるキーの用途を表します。

表示フォントで表した機能名は、パワー・メータのディスプレイの右下、 表示テキストの隣のキーの用途を表します。

Display Text Display Text このフォントで表したテキストは、パワー・メータに表示される

メッセージ・テキストを表します。

Softkey Label

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ドキュメント

本書で説明するセンサ

本書で説明するセンサのシリアル番号は、前半部分(2 桁の文字と 4 桁の数

字)と、後半部分(4 桁の数字)の 2 つに分かれています。前半部分の 2 桁の

文字は、機器の製造国を表します。前半部分の 4 桁の数字は、センサの設計を

大きく変更した前回の日付を表すコードです。シリアル番号の後半部分の 4 桁

は連番で、前半部分と合わせて各機器の一意の識別番号を表します。特に記載のない限り、本書の内容は、すべてのシリアル番号にそのまま適用されます。

関連カタログ

『KeysightE シリーズ E9300 パワー・センサ 操作/サービス・ガイド』には、

次の言語でも使用できます。

日本語版『操作/サービスガイド』 - オプション ABJ

以下のカタログにも有用な情報が掲載されています。

– アプリケーション・ノート 64-1B『Fundamentals of RF and Microwave Power Measurements』(計測お客様窓口にご注文ください)。

– Keysight EPM シリーズ パワー・メータのユーザーズ・ガイドおよびプ

ログラミング・ガイド。

8 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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規制適合マーク

CE マークは、欧州共同体の登録

商標です。この CE マークは、

製品が関連するすべての欧州の法指令に適合することを示し ます。

CSA マークは、カナダ規格協会

の登録商標です。

CE マークは、欧州共同体の登録

商標です。この CE マークは、

製品が関連するすべての欧州の法指令に適合することを示し ます。

ICES/NMB-001 は、この ISM 機器

がカナダの ICES-001 に適合して

いることを示します。 Cet appareil ISM est conforme a la norme NMB-001 du Canada.

ISM GRP.1 Class A は、本製品がIndustrial Scientific and Medical Group 1 Class A 製品であることを示し

ます。

RCM マークは、オーストラリア

の通信メディア庁の登録商標 です。

本器は、WEEE 指令 (2002/96/EC)のマーキング要件に適合します。貼付された製品ラベルは、本電気/電子製品を家庭ゴミとして廃棄してはならないことを示します。

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Waste Electrical and Electronic Equipment(WEEE) 指令 2002/96/EC

本器は、WEEE 指令 (2002/96/EC) のマーキング要件に適合します。貼付され

た製品ラベルは、本電気/電子製品を家庭ゴミとして廃棄してはならないことを示します。

製品カテゴリー

WEEE 指令付録 1 の機器タイプに基づいて、本器は “Monitoring and Control Instrument” 製品に分類されます。

製品に貼付されるラベルを下に示します。

家庭ゴミとして廃棄しないでください。

不要になった測定器を返送する場合は、 寄りの Keysight サービスセンター

にお問い合わせになるか、http://about.keysight.com/en/companyinfo/environment/takeback.shtml で詳細をご確認ください。

セールス/テクニカルサポート

セールス/テクニカルサポートに関する Keysight へのお問い合わせについて

は、以下の Keysight ウェブサイトのサポートリンクを参照してください。

– www.keysight.com/find/powersensors (製品固有の情報およびサポート、ソフトウェアおよびドキュメントの アップデート)

– www.keysight.com/find/assist (修理およびサービスのワールドワイドの問い合わせ情報)

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目次

保証 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .3保証 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .3保証の制限 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .3排他的な救済策 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .4権利の制限について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .4安全についての概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .4安全記号 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .5安全に関する一般情報 . . . . . . . . . . . . . . . . . . .6

音響エミッション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .7パワー・メータのフロント・パネル操作 . . . . . . . . . . .7ドキュメント . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .8

本書で説明するセンサ . . . . . . . . . . . . . . . . . .8関連カタログ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .8

規制適合マーク . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .9Waste Electrical and Electronic Equipment(WEEE) 指令

2002/96/EC . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .10

製品カテゴリー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10セールス/テクニカルサポート . . . . . . . . . . . . . . 10

1 はじめに

本章の内容 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21

標準付属品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21パワー・メータの要件 . . . . . . . . . . . . . . . . . 21Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの詳細 . . . . . 22

入門 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24受入れ検査 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24パワー・メータのファームウェアと DSP のリビジョンの確認 24相互接続と校正 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25

Keysight U2300A シリーズユーザーズ・ガイド 11

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推奨校正間隔 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27仕様 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27

2 測定の実行

本章の内容 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 30パワー・メータの設定変更 . . . . . . . . . . . . . . . 31スペクトラム拡散とマルチトーン信号の測定 . . . . . . . 32CDMA 信号測定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 33マルチトーン信号測定 . . . . . . . . . . . . . . . . . 34

TDMA 信号の測定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 35パワー・メータとセンサの操作 . . . . . . . . . . . . . 35TDMA 信号の結果の安定性の確保 . . . . . . . . . . . . 35GSM 信号の結果の安定性の確保 . . . . . . . . . . . . . 36

EMC(電磁環境適合性)測定 . . . . . . . . . . . . . . . 37測定の確度と速度 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 38

レンジの設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 38測定の注意事項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 39確度 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 40速度とアベレージング . . . . . . . . . . . . . . . . . 40まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 40

3 特性と仕様

4 サービス

概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 44清掃 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 44コネクタの清掃 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 44

性能試験 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 45定在波比 (SWR) および反射係数 (Rho) の性能試験 . . . . . 45ゼロ設定性能検証 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 47交換可能パーツ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 48

サービス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 52動作原理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 52トラブルシューティング . . . . . . . . . . . . . . . . 53故障したセンサの修理 . . . . . . . . . . . . . . . . . 53

12 Keysight U2300A シリーズユーザーズ・ガイド

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分解手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 53再組み立て手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 54修理と調整 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 54

Keysight U2300A シリーズユーザーズ・ガイド 13

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14 Keysight U2300A シリーズユーザーズ・ガイド

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図一覧

図 1-1 概要 Keysight E シリーズ E9300 パワー・ センサ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .20

図 1-2 ダイオード・ペア/アッテネータ/ダイオード・ ペアの単純化したブロック図 . . . . . . . . . . . . . .22

図 1-3 パワー・メータのファームウェア・バージョン 画面 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .24

図 2-1 自動アベレージング設定 . . . . . . . . . . 31図 2-2 8 MHz 帯域幅のデジタル TV 信号の例 . . . . . 32図 2-3 Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの

広帯域 CDMA 誤差と補正済み CW センサ . . . .33図 2-4 CDMA (IS-95A): 9Ch Fwd . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .33図 2-5 校正係数対周波数 . . . . . . . . . . . . . 34図 4-1 ゼロ設定性能検証機器セットアップ . . . . . 47図 4-2 パーツ分解図 . . . . . . . . . . . . . . . 49図 4-3 パワー・センサ・シェルの取り外し . . . . . 54

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 15

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16 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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表一覧

表 2-1 センサのレンジ . . . . . . . . . . . . . . 38表 2-2 レンジの交差値 . . . . . . . . . . . . . . 38表 4-1 E9300A のパワー・センサ SWR および反射係数 45表 4-2 E9301A のパワー・センサ SWR および反射係数 45表 4-3 E9304A のパワー・センサ SWR および反射係数 46表 4-4 E9300A のパワー・センサ SWR および反射係数 46表 4-5 E9301B のパワー・センサ SWR および反射係数 46表 4-6 E9300H のパワー・センサ SWR および反射係数 46表 4-7 E9301H のパワー・センサ SWR および反射係数 46

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 17

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Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ

操作/サービス・ガイド

1 はじめに

概要 21入門 24

19

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1 はじめに

本章の内容

本章では、Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの概要、詳細な操作方

法、パワー・メータの 小要件、パワー・メータとの接続方法を説明します。この章は以下のセクションから構成されます。

「概要」(21 ページ)

「Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの詳細」(22 ページ)

「入門」(24 ページ)

図 1-1 概要 Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ

20 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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はじめに 1

概要

この Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ 操作/サービス・ガイドには、

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの受入れ検査、操作、仕様、修理に

関する情報が記載されています。このガイドは、Keysight EPM シリーズ パワー・メータのユーザーズ・ガイドと併せてご利用ください。パワー・メータのバインダに綴じられるように 3 穴になっています。

Keysight EPM シリーズ パワー・メータのユーザーズ・ガイドおよびプログラ

ミング・ガイドでは、パワー・メータのすべての機能を詳細に説明しているのに対して、このガイドでは、Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの操作

方法を説明します。

標準付属品

E9300 シリーズ パワー・センサを購入すると、以下のアイテムが付属してい

ます。

– 校正証明書

– Product Reference CD

梱包に付属している納品書と照らし合わせ、オーダしたオプションがすべて揃っていることを確認してください。

パワー・メータの要件

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサは、以前の Keysight 430 シリーズ、

Keysight E1416A、Keysight 70100A パワー・メータと互換性がありません。互

換性があるのは、Keysight EPM シリーズ パワー・メータだけです。また、す

べての Keysight EPM シリーズ パワー・メータをすぐに使用できるわけでもあ

りません。パワー・メータには、特定のリリース以降のファームウェアおよびデジタル信号処理 (DSP) コードを使用する必要があります。パワー・メータの

リビジョンの確認方法およびアップグレード方法については、「パワー・メータのファームウェアと DSP のリビジョンの確認」(24 ページ)を参照してく

ださい。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 21

Page 22: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

1 はじめに

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの詳細

平均パワー測定用のパワー・センサのほとんどは、熱電対技術またはダイオード技術を採用しています。ダイオード・ベース・センサでは、二乗検波応答領域(代表値 –70 dBm ~ –20 dBm)を超えてダイナミック・レンジを拡張する

ため、頻繁に補正係数を適用します。この手法により広ダイナミック・レンジ機能が実現されますが、これは二乗検波領域外の連続波 (CW) 信号に限られま

す。変調信号を正確に測定するには、変調信号が寝た状態か、ロー・レベルで、信号の平均パワー・レベルとピーク・パワー・レベルがダイオードの二乗検波領域内に存在する必要があります。CW 補正係数手法では、変調を搬送す

るハイ・レベル信号の正確な平均パワー測定は取得できません。専用の変調センサは、正確な測定値を提供しますが、帯域幅に制限があります。

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサは、真のアベレージ・パワー・セン

サであり、広いダイナミック・レンジを備えた RF/ マイクロ波パワー・センサ

です。E シリーズ E9300 パワー・センサは、デュアル・センサ・ダイオード・

ペア/アッテネータ/ダイオード・ペア(Szente 他が 1990 年に提案)をベー

スとしています [1]。図 1-2 に、この技術のブロック図を示します。

図 1-2 ダイオード・ペア/アッテネータ/ダイオード・ペアの単純化したブロック図

[1] 米国特許番号 4943764、Keysight Technologies に譲渡。

ロー・センス +

ハイ・センス +

ハイ・センス –

ロー・センス – RF 入力

下側レンジ (- 60 dBm ~- 10 dBm)

上側レンジ (- 10 dBm ~+ 20 dBm)

22 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

Page 23: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

はじめに 1

この技術により選択した信号経路のダイオードが二乗検波領域内に保持されるために、出力電流(および電圧)が入力パワーに比例します。ダイオード・ペア/アッテネータ/ダイオード・ペア・アセンブリにより、信号帯域幅に関係なく、広いダイナミック・レンジにわたって I/Q 変調方式の平均値が得ら

れます。

デュアル・レンジ MBID (Modified Barrier Integrated Diode)[2] パッケージには、

許容パワーの向上を目的とした改良が加えられ、センサを損傷することなく [3]

高波高率の高レベル信号を正確に測定できます。

これらのセンサは、さまざまな変調信号で平均 RF パワーを測定し、変調帯域

幅に依存しないため、CDMA、CDMA、デジタル・テレビ方式などのマルチ

トーン信号やスペクトラム拡散信号の平均パワー測定に 適です。また、 35 ページの第 2 章,「TDMA 信号の測定」で詳細に説明している制約を満たせ

ば、パルスド TDMA 信号も測定できます。

測定結果は、ログ(dBm または dB)またはリニア(W または%)測定単位

で、互換 [4] パワー・メータに表示できます。

[2] November 1986 Hewlett-Packard Journal pages 14-2, “Diode Integrated Circuits for Millimeter-Wave Applications”.

[3] 大許容パワー仕様については、データシートの第 3 章,「特性と仕様」を参照してください。

[4]「パワー・メータのファームウェアと DSP のリビジョンの確認」(24 ページ)に明記されてい

るように、Keysight EPM シリーズ パワー・メータが必要です。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 23

Page 24: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

1 はじめに

入門

受入れ検査

輸送用カートンに損傷がないかどうか調べます。輸送用カートンまたは梱包材に損傷がある場合、出荷内容の機械的/電気的検査が済むまで保存しておいてください。機械的損傷がある場合は、計測お客様窓口までお知らせください。損傷した梱包材は、運送業者と Keysight の担当者が確認させていただきます

ので保存しておいてください。計測お客様窓口/サービス・センタの一覧については、以下のリンクを参照してください :「セールス/テクニカルサポート」

(10 ページ)

パワー・メータのファームウェアと DSP のリビジョンの確認

先に進む前に、 初に、Keysight EPM シリーズ パワー・メータを正常に動作

させるために必要なファームウェア・リビジョンと DSP リビジョン(E4418Bと E4419B のみ)がインストールされていることを確認してください。

パワー・メータの 、 、 、 を押します。

図 1-3 パワー・メータのファームウェア・バージョン画面

[Service][Version]

ファームウェア・リビジョン・コード(デュアル・チャネル)

DSP リビジョン・コード

24 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

Page 25: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

はじめに 1

まず、DSP Revision: の欄を確認します。リリース A.01.11 以降が必要です。 それ以前のリリースのパワー・メータをご使用の場合は、最寄りのサービス・センタ(以下のリンクを参照してください :「セールス/テクニカルサポート」

(10 ページ))にアップグレードをご依頼ください。

次に、Main F/W Rev: の欄を確認します。シングル・チャネル・メータには、

リリース A1.04.00 以降が必要です。デュアル・チャネル・メータには、リ

リース A2.04.00 以降が必要です。製品番号の最後が 'B' または 'H' の E9300 パ

ワー・センサの場合、シングル・チャネル・メータには、ファームウェア・リビジョン A1.06.00 以降が必要です。デュアル・チャネル・メータには、リビ

ジョン A2.06.00 以降が必要です。それ以前のリリースのパワー・メータをご

使用の場合は、最寄りのサービス・センタ(以下のリンクを参照してください :「セールス/テクニカルサポート」(10 ページ))にアップグレードをご依頼く

ださい。

相互接続と校正

Keysight 11730 シリーズ センサ・ケーブルの一端を Keysight E シリーズ E9300パワー・センサに接続し、ケーブルのもう一端をパワー・メータのチャネル入力に接続します。パワー・メータにパワー・センサの校正テーブルをダウンロードするのには数秒かかります。

お手持ちのパワー・メータによっては、ファームウェアを自分でアップグレードすることができます。http://www.keysight.co.jp/find/powermeters にアク

セスし、「EPM シリーズ E4418B シングル・チャネル・パワー・メータ」または

「EPM シリーズ E4419B デュアル・チャネル・パワー・メータ」へのリンクを

クリックしてください。 「ソフトウェア/ファームウェア/ドライバ」へのリンクをクリックし、手順に従ってダウンロードしてください。

Keysight 9304A センサは DC 結合されています。DC 電圧が最大値 (5 Vdc)を超えると、センシング・ダイオードを損傷するおそれがあります。

パワー・センサとケーブルの接続/切断は室内で行ってください。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 25

Page 26: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

1 はじめに

以下のように、パワー・メータの指示に従ってゼロ調整/校正サイクルを実行してください。

– Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサがすべての信号源から切断さ

れていることを確認します。

– Keysight E シリーズ E9300B または E9301B センサを校正する場合は、

まずアッテネータを取り外します。

– パワー・メータの 、 (または / )を押します。

ゼロ調整中は、待ちシンボルが表示されます。

– 待ち時間が終了したら、Keysight E シリーズパワー・センサをパワー・

メータの POWER REF 出力に接続します。

– (または 、 / )を押します。校正中は、待ちシ

ンボルが再び表示されます。

完了したら、パワー・メータとセンサを被試験デバイス (DUT) に接続すること

ができます。アッテネータを Keysight E シリーズ E9300B または E9301B セン

サに接続し直してから測定を実行してください。

[Zero] [Zero A] [Zero B]

[Cal] [Cal] [Cal A] [Cal B]

校正時を除き、アッテネータを接続せずに Keysight E シリーズ E9300B や

E9301B センサを操作しないでください。校正が済んだら、アッテネータ

を接続し直しください。

パワー・センサを他の測定器に接続する前に、すべての測定器が感電防止用アースに接続されていることを確認してください。感電防止用アースの遮断は、感電による怪我の原因となります。

26 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

Page 27: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

はじめに 1

測定コネクタ(DUT への接続用)は、すべての Keysight E シリーズ E9300 パ

ワー・センサで N 型(オス)を使用します。これらのコネクタの締め付けに

は、トルク・レンチを使用してください。N 型コネクタは、3/4 インチのオー

プン・エンド・レンチを使用して、12 インチポンド (135 Ncm) のトルクで締

め付けます。

推奨校正間隔

Keysight では、E9300 シリーズ・パワー・センサの校正周期として 1 年を推奨

しています。

仕様

第 3 章,「特性と仕様」に掲載されている仕様は、パワー・センサのテスト時

の性能基準/限界を表しています。これらの仕様は、パワー・メータの校正を適切に行った後にのみ有効です。Keysight EPM シリーズ パワー・メータの

ユーザーズ・ガイドの「Calibration Procedure Using Keysight E-Series Power Sensors」を参照してください。

使用しない場合は必ず、プラスチックのフランジ・カバーを用いて、導波管コネクタをほこりや機械的損傷から保護してください。フランジや導波管の表面が焼けていたり、へこんでいたり、ほこりがあると、SWR が上昇し、校正係

数が変動する可能性があります。

相互接続の手順については、パワー・メータの操作/サービス・マニュアルを参照してください。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 27

Page 28: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

1 はじめに

これは空白のページです。

28 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ

操作/サービス・ガイド

2 測定の実行

パワー・メータの設定変更 31スペクトラム拡散とマルチトーン信号の測定 32CDMA 信号測定 33マルチトーン信号測定 34TDMA 信号の測定 35EMC(電磁環境適合性)測定 37測定の確度と速度 38

29

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2 測定の実行

本章の内容

本章では、Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサを使用した、さまざまな

変調方式の信号のパワー測定の実行方法を説明します。その他の操作方法については、ご使用の Keysight EPM シリーズ パワー・メータのユーザーズ・ガイ

ドを参照してください。

この章は以下のセクションから構成されます。

– 「パワー・メータの設定変更」(31 ページ)

– 「スペクトラム拡散とマルチトーン信号の測定」(32 ページ)

– 「TDMA 信号の測定」(35 ページ)

– 「EMC(電磁環境適合性)測定」(37 ページ)

– 「測定の確度と速度」(38 ページ)

30 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

Page 31: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

測定の実行 2

パワー・メータの設定変更

Keysight EPM シリーズ パワー・メータは、Keysight E シリーズ E9300 パワー・

センサが接続されると認識します。センサの校正データは、パワー・メータによって自動的に読み取られます。さらに、Keysight E シリーズ E9300 パワー・

センサは、パワー・メータが使用する自動アベレージング設定を変更します。これらの設定も自動的に設定されます。

図 2-1 自動アベレージング設定

–4 dBm

–10 dBm

パワー

10 dBm

2 dBm

1 2 3 4

1 1 1 4

分解能設定

アベレージング回数

1 1 4 16

1 1 8 32

1 4 16 128

1 16 64 128

大値センサ・

–40 dBm

–50 dBm

–20 dBm

–30 dBm

1 1 1 4

1 1 2 16

1 2 16 64

4 16 128 256

32 64 256 256

上側レンジ

下側レンジ

6 dBm

0 dBm

20 dBm

12 dBm

–30 dBm

–40 dBm

–10 dBm

–20 dBm

26 dBm

20 dBm

40 dBm

32 dBm

–10 dBm

–20 dBm

10 dBm

0 dBm

E9300/1BE9300/1HE9300/1/4A

小センサ・パワー

これらの値は、Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサに接続されたパ

ワー・メータ・チャネルで、センサが接続されている間だけ有効です。アベレージング設定は、手動でも設定できます。必要に応じて、「TDMA 信号の結

果の安定性の確保」(35 ページ)を参照してください。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 31

Page 32: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

2 測定の実行

スペクトラム拡散とマルチトーン信号の測定

所定の帯域幅内で高いデータ転送速度を実現するために、多くの伝送方式は位相/振幅 (I/Q) 変調をベースにしています。これには、CDMA、W-CDMA、デ

ジタル・テレビが含まれます。これらの信号は、スペクトラム・アナライザのディスプレイに表示された、帯域幅が 大 20 MHz の振幅の大きいノイズに似

た信号によって特性評価されます。 8 MHz 帯域幅のデジタル・テレビ信号を

図 2-2 に示します。

図 2-2 8 MHz 帯域幅のデジタル TV 信号の例

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサが出現する前は、これらの信号の広

いダイナミック・レンジにわたる平均パワーの測定には、同調/掃引シグナル・アナライザを用いるか、パワー・センサ、パッド、パワー・スプリッタに接続したデュアル・チャネル・パワー・メータを用いる必要がありました。

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサのダイオード・ペア/アッテネータ/

ダイオード・ペア・アーキテクチャは、こうした信号の平均パワー測定に 適です。センサは、広いダイナミック・レンジ( 大 80 dB、センサに依存)を

備えていて、帯域幅に依存しません。

OFDM(直交周波数分割多重化方式)、CDMA などの信号変調方式は大きなク

レスト・ファクタを持ちます。Keysight E シリーズ E9300/1/4A パワー・セン

サは、+ 13 dB のピークが存在する場合でも、ピーク・パルスの持続時間が

10 μs 未満であれば、+ 20 dBm の平均パワーを測定できます。基地局テスト

などのハイ・パワー・アプリケーョンには、E9300/1B および E9300/1H が推

奨されます。

32 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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測定の実行 2

CDMA 信号測定

図 2-3 および図 2-4 に、CDMA 信号を測定したときの代表的な結果を示しま

す。これらの例ではエラーを判断するために、CDMA 変調がある場合とない場

合で、信号源を目的の振幅で測定し、2 つの値の差が変化しなくなるまで減衰

を追加します。図 2-3 の CW センサは、補正係数を使用して、二乗検波動作領

域を超えるパワーレベルを補正します。

図 2-3 Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの広帯域 CDMA 誤

差と補正済み CW センサ

図 2-4 CDMA (IS-95A): 9Ch Fwd

1.2

1

0.8

0.6

0.4

–30 –20 –10 0 10 20 30

0.2

0

0.2パワー(dBm)

誤差

(dB

)

下側レンジ誤差

上側レンジ誤差

CW センサ誤差

0.1

0.05

0

–0.05–30 –20 –10 0 10 20 30

–0.1

–0.15

–0.2パワー(dBm)

変調誤差

(dB

)

下側レンジ誤差

上側レンジ誤差

(E シリーズ E9300 パワー・

センサのみ表示)

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 33

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2 測定の実行

マルチトーン信号測定

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサは、広いダイナミック・レンジに加

えて、図 2-5 に示すように、周波数レンジ全体で非常に平坦な校正係数対周波

数応答も示します。これは、2 トーンまたはマルチトーン・テスト信号の成分

が数百 MHz の間隔で分離される可能性のある増幅器の相互変調歪み測定に

適です。

図 2-5 校正係数対周波数

パワー・メータの Frequency/Cal Fac キーを使って、測定に合った単一の校正

係数周波数を 選択してください。

110 %

105 %

100 %

95 %

90%0 5 10 15 20

110 %

105 %

100 %

95 %

90%0 5 10 15 20

校正係数

周波数 (GHz)

周波数 (GHz)

校正係数

上側レンジ校正係数(代表値)

下側レンジ校正係数(代表値)

34 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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測定の実行 2

TDMA 信号の測定

パワー・メータとセンサの操作

パワー・センサのダイオード検波器が発生する電圧が非常に小さい可能性があります。正確な測定を実現するには、利得およびシグナル・コンディショニングが必要です。これは、パワー・メータからの 220 Hz(高速モードでは

440 Hz)の方形波出力を使用して、パワー・センサのチョッパ-増幅器をドラ

イブすることによって達成されます。作成された方形波のデジタル信号処理 (DSP) を使用して、パワー・メータは、パワー・センサの出力を回復し、パ

ワー・レベルを正確に計算します。

チョッパ-増幅器を使用する方法は、ノイズ・イミュニティが高く、パワー・

センサとパワー・メータの間の物理的距離を大きく取ることができます(Keysight 11730 シリーズ・ケーブルの場合は 長 61 m)。追加アベレージン

グは、ノイズ感受性の低下の一因となります。

TDMA 信号の結果の安定性の確保

パワー・メータのアベレージング設定は、連続波 (CW) 信号の測定時のノイズ

を低減することを目的としています。パルスド信号の初期測定は、下位の表示桁にジッタが含まれ、安定していないように見えることがあります。パルスド信号については、アベレージング・ポイントを増やして、パルスド信号の多くのサイクルにわたって測定できるようにする必要があります。

アベレージングを設定するには、以下の手順に従います。

1 、 、 を押します。 ソフトキーを押し

て、フィルタ・メニューにアクセスします。

2 ソフトキー・ラベルの下に、フィルタ設定が表示されます。この

設定を変更するにはまず、 ソフトキーを押して手動モードを

設定し、 を強調表示します。

例では、シングル・チャネル・パワー・メータのキー・ラベルを示しています。デュアル・チャネル・メータも同様ですが、ソフトキー・ラベルにチャネル識別番号が追加されます。

[Input Settings] [Filter]

[Length]

[Mode Man Auto]

[Man]

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 35

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2 測定の実行

3 を押し、 、 、 、 を使用して、必要なアベレージ

ングを設定します を押して、入力を確定します。

ステップ変化の検出を以下のようにオフにします。

1 、 、 を押します。

2 ソフトキーを押して、フィルタ・メニューにアクセスします。

3 を押して、 を強調表示します。

リモート・インタフェースによるこれらのパラメータの設定方法については、『Keysight EPM シリーズ パワー・メータ Programming Guide』の「Setting the Range, Resolution and Accuracy」を参照してください。

GSM 信号の結果の安定性の確保

220 Hz のチョッパ-増幅器信号の倍数または約-数に近いパルス繰り返し周波数 (PRF) を持つ信号では、PRF から 220 Hz の間の周波数でビート・ノートが発生

します。安定した結果を得るには、フィルタ設定も管理する必要があります。

GSM 信号の PRF は約 217 Hz であるために、他の多くの TDMA 信号よりもア

ベレージングが必要です。安定した測定を実現するには、フィルタ設定手順に

従ってを設定します。 を設定します。 経験では、 を 148 に設

定すると 適な結果が得られますが、より高速な測定が必要な場合は 31 か 32程度に設定しても許容できる結果が得られます。

[Length]

[Enter]

また、パワーのステップ変化の増加または減少が検出された場合にフィルタがリセットされないように、ステップ変化の検出をオフにする必要があります。

[Input Settings]

[Filter]

[Step Det Off On] [Off]

[Length] [Length]

36 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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測定の実行 2

EMC(電磁環境適合性)測定

Keysight 9304A の低周波数レンジは、CISPR(国際無線障害特別委員会)の要

件に準拠した EMC 測定、および放射イミュニティ試験 (IEC61000-4-3) などの

電磁波障害 (EMI) テスト・アプリケーションの実行に 適です。

Keysight 9304A の入力は DC 結合なので、低い周波数帯域で優れた性能を示し

ます。ただし、DC 電圧と信号が混在すると、パワー測定の確度が低下します。

Keysight 9304A センサは DC 結合されています。DC 電圧が 大値 (5 Vdc) を超

えると、センシング・ダイオードを損傷するおそれがあります。

Keysight 9304A センサは DC 結合されています。DC 電圧が 大値 (5 Vdc)を超えると、センシング・ダイオードを損傷するおそれがあります。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 37

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2 測定の実行

測定の確度と速度

パワー・メータには、内部レンジはありません。設定できるのは、Keysight Eシリーズ E9300 パワー・センサ(および他の Keysight E シリーズ パワー・セ

ンサ)のレンジだけです。Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサでは、レ

ンジを自動でも手動でも設定できます。測定するパワー・レベルが不明の場合は、オートレンジを使用します。

レンジの設定

“LOWER” と “UPPER” の 2 つの手動設定があります。LOWER レンジでは、よ

り感度の高いパスを使用します。UPPER レンジでは、Keysight E シリーズ

E9300 パワー・センサの減衰されたパスを使用します(表 2-1 を参照)。

デフォルトは、“AUTO” です。AUTO では、レンジの交差値は使用するセンサ・

モデルによって異なります(表 2-2 を参照)。

センサの損傷を防ぐため、http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5990-4019JAJP.pdf のデータシートに指定したパワー・レベルを超えない

ようにしてください。

Keysight 9304A センサは DC 結合されています。DC 電圧が 大値 (5 Vdc)を超えると、センシング・ダイオードを損傷するおそれがあります

表 2-1 センサのレンジ

センサ LOWER レンジ UPPER レンジ

E9300/1/4A - 60 dBm ~- 10 dBm - 10 dBm ~+ 20 dBm

E9300/1B - 30 dBm ~+ 20 dBm + 20 dBm ~+ 44 dBm

E9300/1H-50 - 50 dBm ~ 0 dBm 0 dBm ~+ 30 dBm

表 2-2 レンジの交差値

E9300/1/4A E9300/1B E9300/1H

- 10 dBm ± 0.5 dBm + 20 dBm ± 0.5 dBm 0 dBm ± 0.5 dBm

38 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

Page 39: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

測定の実行 2

パワー・メータを以下のように設定します。

1 、 を押します。現在の設定が ソフトキー

の下に表示されます。

2 この設定を変更するには、 を押します。 ポップアップ・ウィンドウ

が表示されます。 または を使用して、選択する項目を強調表示し

ます。

選択を確定するには、 を押します。

リモート・インタフェースによるこれらのパラメータの設定方法については、『Keysight EPM series power meters Programming Guide』の「Setting the Range, Resolution and Accuracy」を参照してください。

測定の注意事項

オートレンジングは良い開始点ですが、どの測定にも適しているわけではありません。クレスト・ファクタやデューティ・サイクルなどの信号条件により、パワー・メータが、特定の測定ニーズに 適な設定ではないレンジを選択する可能性があります。レンジ切り替えポイントに近接した平均パワーレベルを持つ信号の場合、測定の確度と速度に対するニーズを考慮する必要があります。例えば、Keysight E9300/1/4A センサを使用する際に、レンジの切り替えポイン

トが –10±0.5 dBm で、パルスド信号が以下のように設定されているとします。

算定平均パワーは- 12 dBm です。

例では、シングル・チャネル・パワー・メータのキー・ラベルを示しています。デュアル・チャネル・メータも同様ですが、ソフトキー・ラベルにチャネル識別番号が追加されます。

[Input Settings] [Range]

[Range]

[Enter]

特性 値

ピーク振幅 - 6 dBm

デューティ・サイクル 25%

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 39

Page 40: Keysight E シリーズ E9300literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/E9300-90014.pdfKeysight E シリーズE9300 操作/サービス・ガイド 3 保証 キ一サイトは、本製品が出荷時点で公表された仕様を満たしていることを保証

2 測定の実行

確度

- 12 dBm は、Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサでは下側レンジにな

ります。オートレンジ・モード (“AUTO”) では、Keysight EPM シリーズ パワー・メータは、平均パワー・レベルが- 10 dBm 未満であると判断し、

ロー・パワー・パスを選択します。しかし、- 6 dBm のピーク振幅は、ロー・

パワー・パス・ダイオードの仕様 2 乗則応答レンジを超えています。この信号

をより正確に測定するには、ハイ・パワー・パス(–10 dBm ~+ 20dBm)を

使用する必要があります。ただし、より正確な測定のためにレンジを “UPPER”(ハイ・パワー・パス)に拘束すると、はるかに多くのフィルタリングが発生します。

速度とアベレージング

同じ信号で、測定速度に対する注意も必要となります。上記のように、オートレンジ・モードでは、Keysight EPM シリーズ パワー・メータは Keysight E シ

リーズ E9300 パワー・センサのロー・パワー・パスを選択します。自動アベ

レージングを設定した状態で、 小フィルタリングが適用されます。ロー・パワー・パスでは、- 20 dBm より上の平均パワー・レベルに対して、1 ~ 4 の

値が使用されます。(「自動アベレージング設定」(31 ページ)を参照)。

確度を上げるためにレンジを “UPPER” に拘束すると、測定が遅くなります。ハ

イ・パワー・パスの感度の低いエリアでノイズ感受性が高まることから、より多くのフィルタリングが適用されます。- 10 dBm 未満の平均パワー・レベル

には、1 ~ 128 の値が使用されます。(「自動アベレージング設定」(31 ページ)

を参照)。フィルタ設定を手動で小さくすると、測定速度は上がりますが、望ましくないレベルのジッタが発生する可能性があります。

まとめ

平均パワーレベルがロー・パワー・パス・レンジにあり、ピークがハイ・パワー・パス・レンジにある信号には注意が必要です。ハイ・パワー・パスを選択すると高確度を実現でき、ロー・パワー・パスを選択すると高速を実現できます。

40 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ

操作/サービス・ガイド

3 特性と仕様

E シリーズ E9300 パワー・センサの特性と仕様については、データシートをご

覧ください (http://literature.cdn.keysight.com/litweb/pdf/5990-4019JAJP.pdf)。

41

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3 特性と仕様

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42 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ

操作/サービス・ガイド

4 サービス

概要 44性能試験 45サービス 52

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4 サービス

概要

本章には、Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの一般的な保守、性能試

験、トラブルシューティング、修理に関する情報が記載されています。

清掃

清潔な湿った布で Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの本体を清掃し

ます。

コネクタの清掃

コネクタの清掃には純度の高いイソプロピル・アルコールまたはエチル・アルコールの溶液を使用できますが、可燃性であるため注意が必要です。

イソプロピル・アルコールに浸した綿棒を使用してコネクタの表面を清掃します。綿棒が大き過ぎる場合は、丸い木製つまようじに、イソプロピル・アルコールに浸したけばのない綿クロスを巻いて使用します。正しい清掃方法については、『Keysight Application Note 326, Principles of Microwave Connector Care』(5954-1566)または『Microwave Connector Care』(08510-90064)を

参照してください。

RF コネクタのビーズは、アセトン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、ベ

ンゼンなどの炭化水素化合物に触れると劣化します。

コネクタの清掃は、静電気の起きない作業台でのみ実施してください。コネクタの中央ピンに静電気が放電されると、パワー・センサが動作不能の状態になります。

44 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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サービス 4

性能試験

定在波比 (SWR) および反射係数 (Rho) の性能試験

ここでは、プリセット SWR テスト手順を定めません。SWR または反射係数の

テストには、複数のテスト方法があり、さまざまな機器を使用できるからです。このため、測定器の仕様と対照して測定を実行し、合否状態を判断する場合には、テスト機器の実際の確度を明らかにする必要があります。Keysight Eシリーズ E9300 パワー・センサをテストするときには、使用するテスト・シ

ステムが下の表に示すシステム Rho 不確かさを超えてはいけません。

表 4-1 E9300A のパワー・センサ SWR および反射係数

周波数 システムの Rho の不確かさ 実測値 大 Rho

10 MHz ~ 30 MHz ±0.010 0.070

30 MHz ~ 2 GHz ±0.010 0.061

2 GHz ~ 14 GHz ±0.010 0.087

14 GHz ~ 16 GHz ±0.010 0.099

16 GHz ~ 18 GHz ±0.010 0.115

表 4-2 E9301A のパワー・センサ SWR および反射係数

周波数 システムの Rho の不確かさ 実測値 大 Rho

10 MHz ~ 30 MHz ±0.010 0.070

30 MHz ~ 2 GHz ±0.010 0.061

2 GHz ~ 6 GHz ±0.010 0.087

DC 電圧が 大値(5 Vdc)を超えると、センシング・ダイオードを損傷す

るおそれがあります。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 45

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4 サービス

表 4-3 E9304A のパワー・センサ SWR および反射係数

周波数 システムの Rho の不確かさ 実測値 大 Rho

9 kHz ~ 2 GHz ±0.010 0.061

2 GHz ~ 6 GHz ±0.010 0.087

表 4-4 E9300A のパワー・センサ SWR および反射係数

周波数 システムの Rho の不確かさ 実測値 大 Rho

10 MHz ~ 8 GHz ±0.010 0.057

8 GHz ~ 12.4 GHz ±0.010 0.078

12.4 GHz ~ 18 GHz ±0.010 0.107

表 4-5 E9301B のパワー・センサ SWR および反射係数

周波数 システムの Rho の不確かさ 実測値 大 Rho

10 MHz ~ 6 GHz ±0.010 0.057

表 4-6 E9300H のパワー・センサ SWR および反射係数

周波数 システムの Rho の不確かさ 実測値 大 Rho

10 MHz ~ 8 GHz ±0.010 0.070

8 GHz ~ 12.4 GHz ±0.010 0.111

12.4 GHz ~ 18 GHz ±0.010 0.123

表 4-7 E9301H のパワー・センサ SWR および反射係数

周波数 システムの Rho の不確かさ 実測値 大 Rho

10 MHz ~ 6 GHz ±0.010 0.070

46 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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サービス 4

ゼロ設定性能検証

この性能検証は、ゼロ調整を実行した後の残留オフセット誤差が 小限であることを検証します。残留誤差は、DUT 自体のノイズを含めた、いくつかの要因

により生じます。ゼロ設定とは、ゼロ調整を実行した後で DUT により示され

たパワーレベルと、真のゼロパワーとの差です。この差は理想的にはゼロになります。

この性能検証にはパワーメータ (E4416/7A) が必要です。

手順

1 DUT(E シリーズ E9300 パワーセンサ)をパワーメータに接続します

(図 4-1 参照)。

図 4-1 ゼロ設定性能検証機器セットアップ

2 約 30 分間 DUT をウォームアップします。

3 DUT をパワーメータのパワー基準端子に接続してゼロ調整と校正を実行し

ます。

4 DUT をパワーメータの基準オシロスコープから取り外します。

5 KeysightIO ライブラリスイートでインタラクティブ IO を起動します。

6 "FREQ 50MHz" を送ることにより、DUT の周波数を 50 MHz に設定します。

7 "AVER:COUN:AUTO ON" を送ることにより、DUT の自動アベレージングを

オンにします。

DUT

E9300B シリーズの場合は、ハイパワーアッテネータを取り外す必要があり

ます。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 47

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4 サービス

8 "UNIT:POW W" を送ることにより、DUT のパワー測定単位を変更します。

9 "INIT:CONT OFF" を送ることにより、DUT をシングル・トリガ・モードにし

ます。

10 "CAL:ZERO:AUTO ONCE" を送信して DUT のゼロ調整を実行し、パワーメー

タがゼロ調整プロセスを終了するまで待ちます。

11 DUT に "READ?" を送ってノイズレベルを読み取り、その結果を記録し

ます。

12 ステップ 11 からステップ 12 を 10 回繰り返して、読み値の平均値を計算

します。

13 計算した平均値を製品データシートと比較します。検証が失敗した場合は、「修理と調整」 (54 ページ)を参照してください。

交換可能パーツ

図 4-2 は、交換可能なパーツをすべて示したパーツ分解図(IPB) です。パーツ

をオーダするには、Keysight パーツ番号と必要な数量を指定して、オーダを計

測お客様窓口宛にお送りください。

米国内の場合、Keysight Parts Center(Roseville, California)から直接オーダす

ることを推奨します。“Direct Mail Order System” の詳細とフォームについて

は、 寄りの Keysight 営業所にお問い合わせください。パーツやサプライを

オーダするためのフリーダイヤルの番号についても、Keysight 営業所にお問い

合わせください。

48 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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サービス 4

図 4-2 パーツ分解図

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 49

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4 サービス

A1/A2 のパーツの校正が必要な場合は、Keysight サービス・センタに依頼して

ください。

参照番号 Keysight パーツ番号 数量 説明

A1/A2

E9300A E9300-60006 1 センサ・モジュール

E9300B E9300-60017 1 センサ・モジュール

E9300H E9300-60018 1 センサ・モジュール

E9301A E9301-60007 1 センサ・モジュール

E9301B E9301-60001 1 センサ・モジュール

E9301H E9301-60002 1 センサ・モジュール

E9304A E9304-60003 1 センサ・モジュール

A1/A2

E9300A E9300-69006 1 再生センサ・モジュール

E9300B E9300-69017 1 再生センサ・モジュール [a]

E9300H E9300-69018 1 再生センサ・モジュール

E9301A E9301-69007 1 再生センサ・モジュール

E9301B E9301-69001 1 再生センサ・モジュール [a]

E9301H E9301-69002 1 再生センサ・モジュール

E9304A E9304-69003 1 再生センサ・モジュール

シャーシ・パーツ

MP1 5041-9160 2 シェル・プラスチック

MP2 5041-9160 シェル・プラスチック

MP3 08481-20011 2 シャーシ

MP4 08481-20011 シャーシ

MP8 08481-00002 2 シールド

MP9 08481-00002 シールド

50 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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サービス 4

MP26 E9300-80001 1 ラベル、ID E9300A

MP26 E9300-80002 1 ラベル、ID E9300B

MP26 E9300-80003 1 ラベル、ID E9300H

MP26 E9301-80001 1 ラベル、ID E9301A

MP26 E9301-80003 1 ラベル、ID E9301B

MP26 E9301-80002 1 ラベル、ID E9301H

MP26 E9304-80001 1 ラベル、ID E9304A

MP27 7121-7389 2 ラベル、パワー・センサ

MP30 7121-7388 1 ラベル、CAL/ESD

MP30 E9304-80002 1 ラベル、注意 E9304A

MP31 00346-80011 1 ラベル、注意

[a] アッテネータ・アセンブリを含みます

参照番号 Keysight パーツ番号 数量 説明

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 51

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4 サービス

サービス

サービス手順は、動作原理、トラブルシューティング、修理から成ります。

動作原理

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサ上の A1 バルクヘッド・アセンブリ

は、パワー・センサに印加された RF 信号に対して 50 Ω 負荷を提供します。

E9300/1B センサの A1 バルクヘッド・アセンブリには、N 型コネクタによる

切り離しが可能な 30 dB アッテネータが組み込まれています。E9300/1H セン

サの A1 バルクヘッド・アセンブリのフロント・エンドには、10 dB アッテ

ネータが組み込まれています。バルクヘッド内のデュアル・レンジ GaAs ダイ

オード・ペア/アッテネータ/ダイオード・ペア・アセンブリは、印加されたRF を整流し、DC 電圧(ハイ・レンジとロー・レンジ)を生成します。電圧は 50 Ω 負荷を通る RF パワーに応じて変化します。したがって、電圧は、負荷で

消費される RF パワーによって異なります。

バルクヘッド・アセンブリからの低レベルの DC 電圧は、標準ケーブルでパ

ワー・メータに伝送される前に増幅されます。増幅は、チョッパ(サンプリング・ゲート)と入力増幅器から構成される入力増幅器アセンブリにより行われます。チョッパ回路は DC 電圧を AC 電圧に変換します。チョッパは、パ

ワー・メータによって生成される 220 Hz 方形波で制御されます。サンプリン

グ・ゲート出力の振幅は、RF パワー入力によって変化する 220 Hz の方形波で

す。220 Hz の AC 出力が増幅器に印加され、増幅器がパワー・メータに入力を

供給します。 

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサが接続されると、Keysight EPM シ

リーズ パワー・メータは自動的に検出し、センサの EEPROM から接続データ

をダウンロードします。E9300/1B/H では、EEPROM には、バルクヘッド・ア

センブリに使用されているアッテネータの測定減衰値に対するオフセット値が記録されています。 これにより、アッテネータは特定のセンサに対応します。

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサと一緒に使用する場合、自動アベ

レージング設定も自動的に設定されます。これにより、パワー・メータが、特定のセンサの固有の補正データが適用されたレンジで動作するように設定されます。

52 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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サービス 4

トラブルシューティング

トラブルシューティング情報は、 初にパワー・センサ、ケーブル、またはパワー・メータを障害のあるコンポーネントとして切り分けるために使用します。切り分けられたパワー・センサは、適切なセンサ・モジュールを使用して修理する必要があります。

パワー・メータにエラー・メッセージ 241 または 310 が表示される場合は、

パワー・センサの障害が考えられます。エラー・メッセージが表示されないが、測定時に問題が発生する場合は、パワー・メータとパワー・センサを接続するケーブルを交換してください。それでも問題が解決しない場合は、別のパワー・センサを使用して、問題がパワー・メータとパワー・センサのどちらに存在するかを判断します。

故障したセンサの修理

Keysight E シリーズ E9300 パワー・センサの内部には修理可能なパーツはあり

ません。センサが故障した場合、「モジュール」ごと適切な「再生センサ・モジュール」と交換してください。

分解手順

パワー・センサを分解するには、次の手順を実行します。

静電放電により、パワー・センサが動作不能の状態になります。パワー・センサを静電気が起きない環境に置いて作業を実施しない限り、どんな状況下でもパワー・センサを開かないでください。

パワー・センサの分解は、静電気が起きないワークステーションでのみ実施してください。静電放電が発生すると、パワー・センサが動作不能になります。

Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド 53

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4 サービス

図 4-3 パワー・センサ・シェルの取り外し

1 パワー・センサ裏面のプラスチック・シェルの間に、ネジ回しのブレードを挿入します(図 4-3 を参照)。プラスチック・シェルの損傷を防止するため

に、2つのシェル間の溝の幅に合ったネジ回しのブレードを使用してください。

2 コネクタ J1 の両側で、交互に動かしながらプラスチック・シェルを切り離

します。シェルと磁気シールドを取り外します。

再組み立て手順

図 4-2 のように、磁気シールドとプラスチック・シェルを取り付けます。プラ

スチック・シェルをかみ合わせます。

修理と調整

パワーセンサの修理や調整を行わないでください。パワーセンサは静電気に非常に弱いので、お客様による修理は推奨されません。パワーセンサが故障するか、校正が必要になった場合は、Keysight Technologies まで返送してください。

調整は、通常、1 年に 1 回、必要です。通常は、性能検証で何らかのパラメー

タが仕様に入らなかった場合にのみ調整を実行します。性能検証は、E シリー

ズ E9300 Product name sentence style の特性が変わる可能性のある修理が行わ

れた後に完了する必要があります。E シリーズ E シリーズ E9300 Product name sentence style を調整する際には Keysight への返送が必要になります。返送の

手配については、Keysight サービスセンターにお問い合わせください。

パワーセンサは分解しないでください。パワーセンサは静電気に非常に弱く、簡単に損傷します。パワーセンサにお客様による修理の証拠が認められる場合は、保証が無効になる可能性があります。

54 Keysight E シリーズ E9300 操作/サービス・ガイド

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この情報は予告なしに変更される

場合があります。 新リビジョン

については、キーサイトのウェブ

サイトの英語版をご覧ください。

© Keysight Technologies 2006-2018 第 15 版、2018 年 3 月 23 日

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