Jset2013 poster yoko
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人形劇によるロールプレイ学習支援システムの開発と実験的評価
望月 俊男 *1 佐々木 博史 *2 脇本 健宏 *3 平山 涼也 *1 久保田 善彦 *4 鈴木 栄幸 *5
*1 専修大学 *2 神戸大学 *3 青山学院大学 *4 宇都宮大学 *5 茨城大学
ロールプレイを活性化する“触媒”としての人形劇 (望月ほか 印刷中)
背景:即興性が有効なロールプレイ訓練
危機管理訓練
ロールプレイ訓練:即興性が必要な分野例
看護医療教育 教師教育
ロールプレイ学習支援システム「えでゅーすぼーど」 ( 望月ほか 2012)
「えでゅーすぼーど」の予備的評価:教師教育の文脈で
AR マーカー + LED (赤・青)による位置・状態推移の記録
演技の会話はマイクで録音
Web 上で授業シミュレーションをアニメ再生タイムライン上に相互コメント⇒リフレクション
I1: 教師の < 授業の流れ > に沿う発言I2: 教師の < 授業の流れ > に沿わない発言R1 : 生徒の < 授業の流れ > に沿う発言R2 : 生徒の < 授業の流れ > に沿わない発言V: 授業の流れと独立した生徒の声
【事例 1 】* B が教師役、 C, D が生徒役(中学数学)D( 女子役で ) :私教科書忘れちっゃたんだけど.C( 女子役で) : えー.私も忘れっちゃった.B( 教師役 ): えー.C( 別の子役で ): 先生. M ちゃんと S ちゃんふたりとも教科書がないらしいです.B: だめだね.じゃあ, T くん.真ん中の T くん,みんなに見せてあげてください.C(T くん役で ) :本当ですか?しょうがないですね.B: はい.減点しますよ.C: はい.ごめんなさい.B: はい,じゃあ前の3人も相談してね.D: T くん,モテんじゃん,ヒューヒュー.C( 別の子役で ): あっ,モテモテだ.B: はいはい.人にちょっかい出さないでちゃんと前向いてね.
A :私も,(著者注:普段は)授業聞きながら書いちゃっていて,最後にまとめて良いところ悪いところを分けてコメントするタイプなので,実際こうやってコメント打つよりまとめた方が良いんですけど,こういうコメントの方が,わざわざこうやって,ここのプリントのこの辺なんだけどとか,最初にこんなふうに言ってたじゃんと言っても,分かり辛かったように思うので,リアルタイムでコメントできた方が,ここなんだと見る側がわかりやすいなあって思いました.(中略)司会:逆に,自分に入ってきたコメントを見るというのはどうでしたか?タイムラインでコメントが見えている時.C :なんでそう思ったのかを知りたいというのがいくつか……D :逆に言うと,この時点で人はこういうふうに思ったんだっていう率直なのがわかるから,それはそれで良いと思うんですよね.
5 分間の数学授業の人形劇(えでゅーすぼーど)と、普通のマイクロティーチング( MT ) ×各 3回人形劇後には、相互に「えでゅーすぼーど」を使った相互コメント活動「えでゅーすぼーど」使用後にグループインタビュー(約 60 分)
■発話傾向および内容の変化 発話を Mehan(1979) , Wood (1992) ,鈴木ほか (2010) をもとにカテゴリ生成し、分類( κ=.83 )
Fisher’s exact test の結果
C :人形だから凄く演じやすかった.D :確かに.司会:人形だから演じやすいというのはなんで?C :なんでだろう,……なんでなんですかね?B :演じやすかった.C :うん,演じやすかった.自分じゃないから.D :ほとんどの子がそれでよく遊ぶから,入り込むんじゃないのかな.B :それはその(聴取不能)でいるから,普段だったら自分一人だから真面目とか真面目じゃないとかあれだけど.C :キャラがいるから.
B :途中で注意することもそんなにないので……途中だと,いつ注意しようとタイミングを見計らいながら授業するのが難しい.D :リアルはリアルだったよね.B :まあね.C :リアルだった.D :ここ,こうだったなあとか.司会:どんなところがリアルだった?D :寝ている人とか,ずっといるから…あとは,やっぱ……C :喋り始める子とかね.D :喋り始めちゃう子とか,茶々入れる子とかいるから……
⇒ えでゅーすぼーどでは、多くの発話、 MT でみられない多様な役割演技が生じる
○評価懸念の低減→演じやすい ○多様な役割演技→リアルなロールプレイ
■相互コメント活動の評価 3度の演技に平均 18.3個 (SD=2.52) の相互コメント 内容を Rosaen et al.(2008) をもとに分類( κ=.88 )
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a) スムーズに授業を進めるための教師の役割や振る舞いについてb) 授業の目標に向けた認知的・社会的効果のある指導についてc) 子どもの振る舞いに着目して、スムーズに授業を進めるため
子どものマネジメントについてd) 指導に対する子どもの反応に着目した、認知的・社会的効果の
ある指導について
⇒ 教師・子ども双方の個々の言動に対して、 細かく、まんべんのないコメントが可能
⇒○言動に対してピンポイントに言及可能 △相互確認のディスカッションが必要
Webサーバデータベース
■ダイナミックで複雑な現象を、他者視点で学ぶロールプレイ
■ロールプレイの中で いかにリアルな参加者を想定できるかがカギ
■過剰適応 (Landrousse 1989) や評価懸念 (Cottrell et al. 1968) で 十分な演技ができないおそれがある
こうしたコミュニケーションや意思決定は、状況に対応するために、次にどのような手を打つか、他の様々な人物からのリアクション(多声)を想定しながら考える対話的 (dialogic) で、即興的なプロセス
対話理論(バフチン 1979 )
心理的安全地帯(Aronoff 2005)
人形(非自己)に演者(自己)の振る舞いを投影
直接演じていないが、自分の演技は同定して観察可能
バランスの良い演技参加が可能
とくに、従来持っている信念システムを壊していく(=他者視点を得て考える)には、スクリプトベースではなく、即興を重視することが多い( Friedman 2004 )
* 本研究は科学研究費補助金事業 JSPS#23700985, 23300295, 24300286 と、平成 25年度専修大学研究助成(個別研究)を受けています。
(Resnick & Wilensky 1997; Landrousse 1989)
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